Cisco Unified Communications Manager Release 10.5(1) での IM and Presence Service の設定と管理
マルチノードの拡張性と WAN の展開
マルチノードの拡張性と WAN の展開

目次

マルチノードの拡張性と WAN の展開

マルチノードの拡張性機能

マルチノードの拡張性要件

IM and Presence サービスはマルチノードの拡張性をサポートします。

  • クラスタあたり 6 個のノード

  • 完全な Unified Communication(UC)モード展開でノードごとに最大 15,000 ユーザを持つクラスタあたり 45,000 ユーザ

  • プレゼンス冗長グループでクラスタあたり 15,000 ユーザ、およびハイ アベイラビリティの展開でクラスタあたり 45,000 ユーザ。

  • ユーザあたりの最大連絡先の管理可能なカスタマー定義制限(デフォルトは無制限)

  • IM and Presence サービスはマルチノード機能をもつクラスタ間展開をサポートしています。

拡張性は、展開内のクラスタの数によって異なります。 詳細な VM の設定要件および OVA テンプレートの詳細については、次の url で、「Virtualization for Unified CM IM and Presence」を参照してください。http:/​/​docwiki.cisco.com/​wiki/​Virtualization_​for_​Unified_​CM_​IM_​and_​Presence

展開の拡張性オプション

IM and Presence Service クラスタは、最大 6 台のノードをサポートできます。 最初に 6 台未満のノードをインストールした場合は、追加ノードをいつでもインストールできます。 より多くのユーザをサポートするために IM and Presence 展開を拡張する場合、設定したマルチノード展開モデルを考慮する必要があります。 次の表で、各マルチノード展開モデルの拡張性オプションについて説明します。

表 1 マルチノードの拡張性オプション

構成モード

拡張性オプション

既存のプレゼンス冗長グループへの新しいノードの追加

新しいプレゼンス冗長グループへの新しいノードの追加

平衡型非冗長ハイ アベイラビリティ展開

既存のプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、新しいノードが既存のノードと同じ数のユーザをサポートできます。プレゼンス冗長グループは、ユーザの数の 2 倍をサポートできます。 また、そのプレゼンス冗長グループ内の既存のノードと新しいノードのユーザに平衡型ハイ アベイラビリティを提供します。

新しいプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、展開でより多くのユーザをサポートできます。

これはプレゼンス冗長グループ内のユーザに平衡型ハイ アベイラビリティを提供しません。 平衡型ハイ アベイラビリティを実現するには、プレゼンス冗長グループに 2 番目のノードを追加する必要があります。

平衡型冗長ハイ アベイラビリティ展開

既存のプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、新しいノードが既存のノードと同じユーザをサポートできます。 たとえば、既存のノードが 5,000 人のユーザをサポートする場合、新しいノードは同じ 5,000 人のユーザをサポートします。 また、そのプレゼンス冗長グループ内の既存のノードと新しいノードのユーザに平衡型冗長ハイ アベイラビリティを提供します。

(注)     

既存のノード上のユーザ数に応じて、プレゼンス冗長グループ内でのユーザの再割り当てが必要になることがあります。

新しいプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、展開でより多くのユーザをサポートできます。

これはプレゼンス冗長グループ内のユーザに平衡型ハイ アベイラビリティを提供しません。 平衡型ハイ アベイラビリティを実現するには、プレゼンス冗長グループに 2 番目のノードを追加する必要があります。

アクティブ/スタンバイ冗長ハイ アベイラビリティ展開

既存のプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、プレゼンス冗長グループの既存のノードのユーザにハイ アベイラビリティが提供されます。 これは、ハイ アベイラビリティ拡張機能だけを提供します。展開でサポートできるユーザ数は増えません。

新しいプレゼンス冗長グループに新しいノードを追加すると、展開でより多くのユーザをサポートできます。

これはプレゼンス冗長グループ内のユーザにハイ アベイラビリティを提供しません。 ハイ アベイラビリティを実現するには、プレゼンス冗長グループに 2 番目のノードを追加する必要があります。

クラスタ全体の DNS SRV

DNS 設定では、クラスタ全体の IM and Presence Service アドレスを定義できます。

Cisco Unified Communications Manager の SIP パブリッシュ トランクは、クラスタ全体の IM and Presence Service アドレスを使用して、Cisco Unified Communications Manager からの SIP パブリッシュ メッセージをクラスタのすべてのノードにロード バランシングします。 とりわけ、この設定にすると、初期 SIP パブリッシュ メッセージがクラスタのすべてのノードにロード バランシングされるようになります。 また、ノードで障害が発生した場合には、Cisco Unified Communications Manager によって SIP パブリッシュ メッセージが残りのノードに転送されるため、ハイ アベイラビリティ展開を実現できます。

クラスタ全体の DNS 設定は必須の設定ではありません。 クラスタ内のすべてのノードに対して初期 SIP パブリッシュ メッセージをロード バランスする方法としてこの設定方法を推奨します。 IM and Presence Service は、各デバイスの後続の SIP パブリッシュ メッセージを IM and Presence Service でユーザが配置されているノードに送信します。

IM and Presence Service が複数のドメインをサポートするとしても、単一のクラスタ全体の DNS SRV レコードのみが必要です。 Cisco Unified Communications Manager SIP トランクを設定したときに DNS SRV レコードを指定します。 DNS SRV レコードの宛先アドレスとして IM and Presence Service のデフォルト ドメインを使用することを推奨します。


(注)  


DNS SRV レコードの宛先アドレスとして任意のドメイン値を指定できます。ただし、IM and Presence Service で SRV クラスタ名を呼び出した SIP プロキシ サービス パラメータが、DNS SRV レコードに指定するドメイン値と一致していることを確認します。 指定するドメインにユーザを割り当てる必要はありません。


詳細については、IM and Presence Service および DNS SRV レコードを統合するための Cisco Unified Communications Manager の設定に関するトピックを参照してください。

ローカル フェールオーバー

1 つのプレゼンス冗長グループが 1 つの地理的なサイトにあり、2 番目のプレゼンス冗長グループが別の地理的なサイトにある WAN 経由で IM and Presence Service を展開することもできます。 プレゼンス冗長グループにはローカル ノード間のハイ アベイラビリティのために単一ノードまたはデュアル ノードを含めることができます。 このモデルは、地理的なサイト間のフェールオーバーを提供しません。

プレゼンス冗長グループの障害検出

IM and Presence Service は、プレゼンス冗長グループの障害検出メカニズムをサポートします。 プレゼンス冗長グループ内の各ノードは、ピア ノードのステータスまたはハートビートをモニタします。 IM and Presence Service でハートビート接続とハートビート間隔を設定するには、[Cisco Unified CM IM and Presence Administration(Cisco Unified CM IM and Presence の管理)] > [System(システム)] > [Service Parameters(サービス パラメータ)] > [Server Recovery Manager (service)] を選択します。 [General Server Recovery Manager Parameters(一般的な Server Recovery Manager パラメータ)](クラスタ全体)セクションで、次のパラメータを設定します。

  • [Heart Beat Interval(ハートビート間隔)]:このパラメータは、Server Recovery Manager が同じ冗長グループのピア Server Recovery Manager にハートビート メッセージを送信する間隔を秒単位で指定します。 ハートビートは、ネットワークの可用性を判断するために使用されます。 デフォルト値は 60 秒です。

  • [Connect Timeout(接続タイムアウト)]:このパラメータは、Server Recovery Manager がピア Server Recovery Manager への接続要求から応答を受信するために待つ時間を秒単位で指定します。 デフォルト値は 30 秒です。


(注)  


シスコは、これらのパラメータにデフォルト値を設定することを推奨します。


メソッド イベント ルーティング

WAN 経由で IM and Presence Service を展開する場合は、IM and Presence Service に TCP メソッド イベント ルーティングを設定することを推奨します。 メソッド イベント ルートを設定するには、[Cisco Unified CM IM and Presence Administration(Cisco Unified CM IM and Presence の管理)] > [Presence(プレゼンス)] > [Routing(ルーティング)] > [Method/Event Routing(メソッド/イベント ルーティング)] を選択します。

外部データベースの推奨事項

WAN 展開を介してクラスタリングの外部データベース サーバを設定する場合は、外部データベース サーバを、外部データベース サーバを使用する IM and Presence Service ノードに共存させることを推奨します。

IPv4 または IPv6 のいずれかを使用する外部データベース サーバ にIM and Presence Service ノードを接続できます。

外部データベース サーバおよび M and Presence Service の詳細については、『Database Setup Guide for IM and Presence Service on Cisco Unified Communications Manager(Cisco Unified Communications Manager の IM and Presence Service 用のデータベース設定ガイド)』を参照してください。

クラスタ内およびクラスタ間展開における WAN 経由のクラスタリング

IM and Presence Service は、クラスタ内およびクラスタ間展開における WAN 経由のクラスタリング展開をサポートします。

WAN 経由のクラスタ内展開

IM and Presence Service では、このモジュールに記載された推奨帯域幅を使用した WAN 経由のクラスタ内展開をサポートしています。 IM and Presence Service では、プレゼンス冗長グループ内の 1 つのノードが 1 つの地理的なサイトに存在し、プレゼンス冗長グループ内の 2 番目のノードが別の地理的な場所にあるような、WAN 上で地理的に分割された単一のプレゼンス冗長グループをサポートします。

このモデルは、地理的冗長性およびリモート フェールオーバー(たとえば、リモート サイトのバックアップ IM and Presence Service ノードへのフェールオーバー)を提供できます。 このモデルでは、IM and Presence Service ノードを Cisco Unified Communications Manager データベース パブリッシャ ノードと共存させる必要はありません。 Cisco Jabber クライアントは、IM and Presence Service ノードに対してローカルまたはリモートからアクセスできます。

このモデルは、クライアントのハイ アベイラビリティをサポートし、サービスまたはハードウェアがホームの IM and Presence Service ノードで失敗した場合、クライアントはリモート ピアの IM and Presence Service ノードにフェールオーバーします。 障害が発生したノードが再度オンラインになると、クライアントはホームの IM and Presence Service ノードに自動的に再接続します。

WAN 経由でリモート フェールオーバーを備えた IM and Presence Service を展開する場合は、次の制約事項に注意してください。

  • このモデルは、システム レベルのハイ アベイラビリティのみをサポートします。 特定の IM and Presence Service コンポーネントに、シングル ポイント障害が存在する場合があります。 これらのコンポーネントは、Cisco Sync Agent、Cisco Intercluster Sync Agent、および Cisco Unified CM IM and Presence の管理インターフェイスです。

IM and Presence Service は、WAN 経由のクラスタリング展開において複数のプレゼンス冗長グループをサポートします。 WAN 経由のクラスタリング展開の規模については、IM and Presence Service SRND を参照してください。

詳細については、『IM and Presence Service Solution Reference Network Design (SRND)』を参照してください。

WAN 経由の展開のマルチノード設定

WAN 経由のクラスタ内展開用に IM and Presence Service のマルチノード機能を設定する場合は、マルチノードの項で説明するように IM and Presence Service プレゼンス冗長グループ、ノード、およびユーザ割り当て設定します。ただし、次の推奨事項に注意してください。

  • 最適なパフォーマンスを得るため、ホームの IM and Presence Service ノードにユーザの大部分を割り当てることを推奨します。 この展開モデルでは、WAN 経由でリモート IM and Presence Service ノードに送信されるメッセージの量が少なくなりますが、セカンダリ ノードへのフェールオーバー時間は、フェールオーバーするユーザの数によって異なります。

  • WAN 経由のハイ アベイラビリティ展開モデルを設定する場合は、プレゼンス冗長グループ全体の DNS SRV アドレスを設定できます。 この場合、IM and Presence Service は、DNS SRV で指定されたノードへの最初の PUBLISH 要求メッセージを送信し、応答メッセージは、ユーザのホスト ノードを示します。 IM and Presence Service はホスト ノードにそのユーザに対する後続の PUBLISH メッセージをすべて送信します。 このハイ アベイラビリティの展開モデルを設定する前に、WAN 経由で送信される可能性があるメッセージの量に十分な帯域幅があるかどうかを検討する必要があります。

クラスタ間展開

WAN 経由のクラスタ間展開

IM and Presence Service では、このモジュールに記載された推奨帯域幅を使用した WAN 経由のクラスタ間展開をサポートしています。

クラスタ間ピア関係

クラスタ間ピアと呼ばれる、スタンドアロンの IM and Presence Service クラスタを相互接続するピア関係を設定できます。 このクラスタ間ピアの機能を使用すると、ある IM and Presence Service クラスタ内のユーザは、同じドメイン内のリモート IM and Presence Service クラスタのユーザのアベイラビリティ情報を通信およびサブスクライブできます。 あるクラスタからクラスタ間ピアを削除した場合は、リモート クラスタの対応するピアも削除する必要があります。

IM and Presence Service は、ホーム クラスタ アソシエーションのユーザ情報の検索に AXL/SOAP インターフェイスを使用します。 IM and Presence Service は、このユーザ情報を使用して、ユーザがローカル ユーザ(ホーム クラスタのユーザ)であるのか、それとも同じドメイン内のリモート IM and Presence Service クラスタのユーザであるのかを検出します。

IM and Presence Service は登録および通知トラフィックに XMPP インターフェイスを使用します。 IM and Presence Service が同じドメイン内のリモート クラスタのユーザを検出すると、IM and Presence Service はリモート クラスタにメッセージを再ルーティングします。


注意    


最初の同期で大量の帯域幅と CPU が使用されるため、クラスタ間ピアは時間をずらして設定することを推奨します。 複数のピアを同時に設定すると、同期の時間が極端に長くなる可能性があります。


クラスタ間ルータツールータ接続

デフォルトでは、IM and Presence Service は、クラスタ間ルータツールータ コネクタとしてクラスタ内のすべてのノードを割り当てます。 IM and Presence Service は、AXL インターフェイスを介してクラスタ間にクラスタ間ピア接続を確立すると、ホームおよびリモート クラスタのすべてのクラスタ間ルータツールータ コネクタ ノードからの情報を同期化します。

IM and Presence Service がクラスタ間ルータツールータ コネクタ ノード間の接続を確立するには、ローカル クラスタとリモート クラスタの両方のノードすべてで Cisco XCP Router サービスを再起動する必要があります。 一方のクラスタの各クラスタ間ルータツールータ コネクタは、もう一方のクラスタのルータツールータ コネクタとのクラスタ間接続を開始するか、または受け入れます。


(注)  


クラスタ間展開では、クラスタに新しいノードを追加すると、ローカル クラスタとリモート クラスタの両方のノードすべてで Cisco XCP Router を再起動する必要があります。


クラスタ間展開のノード名の値

任意の IM and Presence Service ノードに定義したノード名は、すべてのクラスタ内の他のすべての IM and Presence Service ノードで解決可能でなければなりません。 したがって、各 IM and Presence Service ノード名はノードの FQDN である必要があります。 ネットワークに DNS が展開されていない場合は、各ノード名が IP アドレスである必要があります。


(注)  


ノード名としてのホスト名の指定がサポートされるのは、すべてのクラスタのすべてのノードが同じ DNS ドメインを共有している場合だけです。


注目:

Cisco Jabber クライアントを使用している場合、IP アドレスを IM and Presence Service のノード名として設定すると、証明書の警告メッセージが表示されることがあります。 Cisco Jabber で証明書の警告メッセージを生成しないようにするには、ノード名として FQDN を使用してください。 IM and Presence Service のノード名の値を設定する手順については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』を参照してください。

クラスタ間展開の IM and Presence のデフォルト ドメイン値

クラスタ間展開を設定する場合は、次の点に注意してください。

  • クラスタ間機能を正常に動作させるには、ローカル クラスタとリモート クラスタの両方で、IM and Presence のデフォルト ドメイン値が一致している必要があります。

詳細な手順については、IM and Presence のデフォルト ドメインの設定に関するトピックを参照してください。

クラスタ間展開の IM アドレス スキーム

クラスタ間展開の場合、各クラスタ内のすべてのノードは同じ IM アドレス スキームを使用する必要があります。 あるクラスタ内のいずれかのノードが、Release 10 以前のあるバージョンの IM and Presence Service を実行している場合、下位互換性のために、すべてのノードが UserID@Default_Domain の IM アドレス スキームを使用するように設定する必要があります。

詳細については、IM アドレス スキームの設定に関するトピックを参照してください。

セキュアなクラスタ間ルータ ツー ルータ接続

クラスタ間とクラスタ間のルータツールータ接続の組み合わせである、IM and Presence サービス展開内のすべてのルータツールータ コネクタ間にセキュアな XMPP 接続を設定できます。 [Cisco Unified CM IM and Presence Administration(Cisco Unified CM IM and Presence の管理)] > [System(システム)] > [Security(セキュリティ)] > [Settings(設定)] を選択し、[Enable XMPP Router-to-Router Secure Mode(XMPP ルータツールータ セキュア モードの有効化)] をオンにします。

XMPP ルータツールータ接続のセキュア モードをオンにすると、IM and Presence サービスは XMPP 信頼証明書を使用してセキュアな SSL 接続を適用します。 クラスタ間展開では、IM and Presence サービスは、ローカル クラスタ内にある各ルータツールータ コネクタ ノードとリモート クラスタ内にある各ルータ コネクタ ノード間にセキュアな SSL 接続を適用します。