Cisco Unified Communications Manager システム ガイド、リリース 9.1(1)
URI ダイヤル
URI ダイヤル
発行日;2013/05/14   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

URI ダイヤル

Cisco Unified Communications Manager はコール アドレッシング用ディレクトリ URI を使用したダイヤルをサポートしています。 ディレクトリ URI は電子メール アドレスに似ており、username@host という形式になります。host 部分は IPv4 アドレスまたは完全修飾ドメイン名です。 ディレクトリ URI は、ユニフォーム リソース識別子で、電話番号を識別するために使用できる文字列です。 電話番号が電話機に割り当てられている場合、Cisco Unified Communications Manager はディレクトリ URI を使用して電話機にコールをルーティングできます。 URI ダイヤルは、ディレクトリ URI をサポートしている SIP および SCCP エンドポイントで使用できます。

この章は、次の内容で構成されています。

URI ダイヤルの設定

次の手順は、ネットワークに URI ダイヤルを設定する方法を説明しています。

手順
    ステップ 1   ディレクトリ URI をネットワーク内のユーザに割り当てます。
    ステップ 2   プライマリ内線と電話番号の両方ネットワーク内のユーザに割り当てることで、ディレクトリ URI を電話番号に割り当てます。
    ステップ 3   次の手順で、デフォルトのディレクトリ URI パーティションをコーリング サーチ スペース内にある既存のパーティションに割り当てます。
    1. Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、[システム(System)] > [エンタープライズパラメータ(Enterprise Parameters)] の順に選択します。
    2. Directory URI Alias Partition エンタープライズ パラメータに対して、既存のコーリング サーチ スペース内にある既存のパーティションを選択します。
    ステップ 4   [SIPプロファイルの設定(SIP Profile Configuration)] ウィンドウで次のフィールドを設定して、ネットワークに SIP プロファイルを設定します。
    • [ダイヤル文字列の解釈(Dial String Interpretation)] ドロップダウン リスト ボックスに値を設定し、ネットワーク内のすべての SIP プロファイルに適用します。
    • ネットワーク内のすべての SIP プロファイルで、[SIP要求で完全修飾ドメイン名を使用(Use Fully Qualified Domain Name in SIP Requests)] チェックボックスをオンにします。
    (注)      この時点で、クラスタ内 URI ダイヤルが設定されます。 以降の手順は、クラスタ間 URI ダイヤルを設定するために使用されます。
    ステップ 5   ネットワーク内のすべての SIP トランクについて、[トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] ドロップダウン リスト ボックスを設定して、ネットワークが混合アドレッシングを使用するかどうかを設定します。
    ステップ 6   URI Lookup Policy エンタープライズパラメータを設定して、ディレクトリ URI のユーザ部分の大文字と小文字を区別するかどうかを設定します。
    ステップ 7   ネットワーク内のすべてのクラスタに ILS を設定します。
    ステップ 8   [クラスタ間ディレクトリURI設定(Intercluster Directory URI Configuration)] ウィンドウの [ディレクトリURIカタログとリモートクラスタの交換(Exchange Directory URI Catalogs with Remote Clusters)] チェックボックスをオンにして、ILS によるクラスタ間 URI ダイヤルを有効にします。
    ステップ 9   [クラスタ間ディレクトリURI設定(Intercluster Directory URI Configuration)] ウィンドウで、リモート クラスタがこのクラスタへルーティングするために使用するルート文字列を作成します。
    ステップ 10   ILS ネットワーク内のリモート クラスタのルート文字列に一致する SIP ルート パターンを設定します。
    ステップ 11   作成した SIP ルート パターンを発信 SIP トランクまたはルート リストに関連付けます。
    ステップ 12   ILS ネットワークを Cisco TelePresence Video Communications Server またはサードパーティのコール制御システムに接続している場合は、他のシステムから Cisco Unified Communications Manager にディレクトリ URI カタログをインポートします。
    ステップ 13   発信側電話番号を変換するためにディジット トランスフォーメーションを使用している場合は、発呼側トランスフォーメーション パターンを設定し、電話機またはデバイス プールの [インバウンドコールの設定(Inbound Call Settings)] にそれらを適用します。 この設定はクラスタ間コールに使用されます。
    ステップ 14   前のステップのディジット トランスフォーメーション パターンが適用された場合は、電話機またはデバイス プールの [アウトバウンドコールの設定(Outbound Call Settings)] に発呼側トランスフォーメーション パターンを設定します。 この設定はクラスタ内コールに使用されます。

    ディレクトリ URI の形式

    ディレクトリ URI は、@ 記号で区切られたユーザとホスト アドレスから構成される英数字文字列です。 Cisco Unified Communications Manager は、次の形式のディレクトリ URI をサポートしています。

    • user@domain(たとえば、joe@cisco.com)
    • user@ip_address(たとえば、joe@10.10.10.1)

    Cisco Unified Communications Manager は、ディレクトリ URI のユーザ部分(@ 記号の前の部分)で次の形式をサポートしています。

    • 許容される文字は、a ~ z、A ~ Z、0 ~ 9、!、$、%、&、*、_、+、~、-、=、\、?、\、‘、,、.、/ です。
    • ユーザ部分は最長で 47 文字です。
    • ユーザ部分では、%2[0-9A-F] ~ %7[0-9A-F] のパーセント エンコーディングを使用できます。 許容される文字の中には、Unified CM が自動的にパーセント エンコーディングを適用するものがあります。 パーセント エンコーディングの詳細については、後出の説明を参照してください。
    • ユーザ部分は、URI Lookup Policy エンタープライズ パラメータの値に応じて、大文字と小文字が区別されるかどうかが変わります。 デフォルト値では、大文字と小文字が区別されます。

    Cisco Unified Communications Manager は、ディレクトリ URI のホスト部分(@ 記号の後の部分)で次の形式をサポートしています。

    • IPv4 アドレスまたは完全修飾ドメイン名をサポートします。
    • 許容される文字は、a ~ z、A ~ Z、0 ~ 9、ハイフン、ドットです。
    • ホスト部分の先頭または末尾にハイフンを使用することはできません。
    • ホスト部分では 1 行に 2 つのドットを含めることはできません。
    • 最短で 2 文字です。
    • ホスト部分では、大文字と小文字は区別されません。

    データベースの制限のため、[ディレクトリURI(Directory URI)] フィールドは最長で 254 文字までです。


    (注)  


    また、ディレクトリ URI のユーザ部分には電話番号を入力できます。 ただし、Cisco Unified Communications Manager は、SIPプロファイルの [ダイヤル文字列の解釈(Dial String Interpretation)] オプションの選択内容に応じて、ディレクトリ URI を電話番号として処理する場合があります。



    (注)  


    サードパーティのコール制御システムとの互換性を確保するため、大文字と小文字を区別しないように、URI Lookup Policy エンタープライズ パラメータの値を設定することをお勧めします。


    ディレクトリ URI のパーセント エンコーディング

    ディレクトリ URI のユーザ部分では、ディレクトリ URI がデータベースに保存されるときに、Unified CM は次の文字に自動的にパーセント エンコーディングを適用します。

    # % ^ ` { } | \ : ” < > [ ] \ ‘ およびスペース

    パーセント エンコーディングが適用されると、ディレクトリ URI の桁数が増えます。 たとえば、joe smith#@cisco.com(20 文字)をディレクトリ URI として入力すると、Cisco Unified Communications Manager はこのディレクトリ URI をデータベースに joe%20smith%23@cisco.com(24 文字)として格納します。 データベースの制限のため、Cisco Unified Communications Manager は、254 文字を超えるディレクトリ URI の保存が試行されると拒否します。

    一括管理でのディレクトリ URI の形式の例外

    Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、二重引用符またはカンマが埋め込まれたディレクトリ URI を入力できます。 ただし、一括管理を使用して、二重引用符やカンマが埋め込まれたディレクトリ URI を含む CSV ファイルをインポートする場合は、ディレクトリ URI 全体を二重引用符で囲み、埋め込まれた二重引用符を二重引用符でエスケープする必要があります。 たとえば、Jared, "Jerry",Smith@test.com ディレクトリ URI は、"Jared,""Jerry"",Smith@test.com" として CSV ファイルに入力する必要があります。

    ディレクトリ URI のプロビジョニング

    Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、次の方法により、ローカル クラスタ内でディレクトリ URI を割り当てることができます。

    • [エンドユーザの設定(End User Configuration)]:[エンドユーザの設定(End User Configuration)] では、エンド ユーザを作成し、そのエンド ユーザに電話機、プライマリ内線、ディレクトリ URI を割り当てることができます。 代替として、社内 LDAP ディレクトリと Cisco Unified Communications Manager を同期している場合は、エンド ユーザの LDAP データは自動的に入力されます。 LDAP ディレクトリ内のユーザが電話機、プライマリ内線、ディレクトリ URI を保持している場合は、LDAP の同期後に Cisco Unified Communications Manager の [エンドユーザの設定(End User Configuration)] に自動的にディレクトリ URI が入力されます。
    • [電話番号の設定(Directory Number Configuration)]:[電話番号の設定(Directory Number Configuration)] では、電話番号を設定し、その電話番号にディレクトリ URI を関連付けることができます。 その電話番号を電話機に割り当てると、Cisco Unified Communications Manager によって、ディレクトリ URI を使用してその電話機にダイヤルすることができます。

    エンド ユーザの設定と電話番号の設定はどちらも、一括管理を使用して、エンド ユーザ、ディレクトリ URI、電話番号、および電話機を一括して Cisco Unified Communications Manager にインポートできます。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration ガイド』を参照してください。

    クラスタ内 URI ダイヤルの場合、ディレクトリ URI をパーティションとコーリング サーチ スペースに割り当てる必要があります。 詳細については、「URI ダイヤルの設定」を参照してください。

    クラスタ間 URI ダイヤルの場合、Cisco Unified Communications Manager はクラスタ間検索サービス(ILS)を使用して、ILS ネットワーク内の他のクラスタにディレクトリ URI を複製します。 ILS がクラスタ間でのディレクトリ URI レプリケーションをサポートするように設定されている場合、各クラスタは既知のディレクトリ URI のカタログを ILS ネットワーク内の他のクラスタに送信します。 詳細については、「ILS でのディレクトリ URI レプリケーション」を参照してください。

    ディレクトリ URI と電話番号のダイヤル文字列の解釈

    Cisco Unified Communications Manager に登録されている各電話機は、それぞれの電話番号に登録されます。 ディレクトリ URI がその電話番号に関連付けられている場合、ユーザは電話番号またはディレクトリ URI を使用してその電話機にダイヤルできます。どちらも同じ宛先に到達します。 ただし、電話番号とディレクトリ URI はデータベース内の異なる検索テーブルに保存されるため、Cisco Unified Communications Manager は、どのダイヤル形式を使用するか決定できなければなりません。そうでないと、コールをルーティングできません。

    [SIPプロファイルの設定(SIP Profile Configuration)] ウィンドウに表示される [ダイヤル文字列の解釈(Dial String Interpretation)] フィールドで、Cisco Unified Communications Manager がダイヤル文字列のユーザ部分を調べたり、ディレクトリ URI または電話番号のどちらとしてコールをルーティングするか決定したりするために使用するルールを設定できます。 ディレクトリ URI は英字と数字の両方を使用できるため、多数のダイヤル文字列が任意であり、ディレクトリ URI または電話番号として設定できます。 たとえば、1234ABCD@10.10.10.1というダイヤル文字列を電話番号またはディレクトリ URI としてルーティングするように Cisco Unified Communications Manager を設定できます。 コールが終了されないようにするため、ネットワークに一貫したポリシーを設定する必要があります。

    [ダイヤル文字列の解釈(Dial String Interpretation)] フィールドの詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「SIP プロファイルの設定」を参照してください。

    ディレクトリ URI コール ルーティング

    Cisco Unified Communications Manager は、次のロジックを使用してディレクトリ URI 宛てのコールをルーティングします。

    • Cisco Unified Communications Manager は、ダイヤル文字列がダイヤル文字列の解釈ポリシーに従っているかどうかを確認します。 ダイヤル文字列が数字の場合、Cisco Unified Communications Manager はコールを電話番号としてルーティングします。
    • それ以外の場合、Cisco Unified Communications Manager はローカル コーリング サーチ スペースとローカル ディレクトリ URI 検索テーブルを調べ、ディレクトリ URI がローカル クラスタに属しているかどうかを確認します。 ディレクトリ URI がクラスタ上にある場合、Cisco Unified Communications Manager は適切なエンドポイントにコールをルーティングします。
    • それ以外の場合、Cisco Unified Communications Manager はディレクトリ URI が学習カタログまたはインポート済みカタログに存在するかどうかを確認します。 ディレクトリ URI が URI カタログに存在する場合、Cisco Unified Communications Manager はカタログのルート文字列と SIP ルート パターンとのマッチングを試みます。 一致する SIP ルート パターンが見つかった場合、Cisco Unified Communications Manager はそのルート パターンに関連付けられたトランクに、コールをルーティングします。
    • それ以外の場合、Cisco Unified Communications Manager はディレクトリ URI のホスト部分と SIP ルート パターンとのマッチングを試みます。 ホスト部分が SIP ルート パターンと一致した場合、Cisco Unified Communications Manager はそのルート パターンに関連付けられた SIP トランクに、コールをルーティングします。
    • それ以外の場合、Cisco Unified Communications Manager はコールをブロックします。

    ILS でのディレクトリ URI レプリケーション

    Cisco Unified Communications Manager は、クラスタ間検索サービス(ILS)を使用してクラスタ間 URI ダイヤルをサポートします。 ILS を使用して、リモート Cisco Unified Communications Manager クラスタから成る大規模ネットワークを作成できます。 また、ILS には、ILS ネットワーク内のクラスタがディレクトリ URI を ILS ネットワーク内の他のクラスタに複製できるオプションのディレクトリ URI レプリケーション機能もあります。

    ディレクトリ URI レプリケーションは、クラスタごとに個別に設定されます。 単一のクラスタでこの機能を無効なままにしておくと、ネットワーク内の他のクラスタに影響する場合がある点に留意してください。 たとえば、ILS ネットワーク全体にディレクトリ URI レプリケーションが設定されているが、単一のハブ クラスタで無効なままになっていると、そのハブに接続されたスポーク クラスタは ILS ネットワークの他のクラスタとディレクトリ URI を交換できません。

    クラスタ内の URI レプリケーションを有効にするには、[クラスタ間ディレクトリURI 設定(Intercluster Directory URI Configuration)] に表示される [ディレクトリURIカタログとリモートクラスタの交換(Exchange Directory URI Catalogs with Remote Clusters)] チェックボックスをオンにします。 このチェックボックスをオンにすると、各クラスタは ILS ネットワーク内の他のクラスタに次のものを送信します。

    • ローカル クラスタが既知のすべてのディレクトリ URI
    • ディレクトリ URI の各セットのローカル ルート文字列

    ディレクトリ URI カタログのタイプ

    個々のクラスタ内で、ディレクトリ URI は次のように分類できます。

    • ローカル ディレクトリ URI:ローカル システムに設定され、ローカル Unified CM データベースに保存されているディレクトリ URI。
    • リモート ディレクトリ URI:別のクラスタに設定され、その後このクラスタに複製されたディレクトリ URI。
    • インポート済みディレクトリ URI カタログ:手動でこのクラスタにインポートされたサード パーティのディレクトリ URI。
    • リモート インポート済みディレクトリ URI カタログ:ILS ネットワーク内の別のクラスタに手動でインポートされ、その後 ILS を使用してこのクラスタに複製されたサード パーティのディレクトリ URI。

    ローカル ディレクトリ URI は、ローカル Unified CM データベースに保存されます。 他のディレクトリ URI はすべて、ILS によって維持される CSV ファイルに保存されます。 ディレクトリ URI レプリケーションが有効な場合、ILS はすべてのタイプのディレクトリ URL を ILS ネットワーク内の他のクラスタと交換します。

    ルート文字列

    クラスタ内 URI ダイヤルを実装するために、ILS ネットワーク内の各クラスタにルート文字列と、発信トランクへのルート文字列と一致する SIP ルート パターンを設定する必要があります。

    多くの場合、ディレクトリ URI のホスト部分だけでは、Unified CM がそのディレクトリ URI に関連付けられた電話機のあるクラスタを見つけるには不十分です。 ルート文字列は、Unified CM がコールをルーティングするために使用できる追加情報を提供します。 URI レプリケーションが有効な場合、Unified CM はディレクトリ URI と、ディレクトリ URI が保存されているローカル クラスタのルート文字列を交換します。

    ルート文字列は任意で作成できます。 たとえば、サンノゼとパリにあるクラスタに参加している場合、SanJose.USA.NorthAmerica と Paris.France.Europe を 2 つのクラスタのルート文字列として割り当てることができます。

    さまざまなクラスタにルート文字列を割り当てた後は、ILS ネットワークのネクスト ホップ クラスタのルート文字列に一致する SIP ルート パターンを設定する必要があります。 たとえば、San Jose クラスタでは、Paris.France.Europe のルート文字列を使用して発信 SIP トランクへコールをルーティングする SIP ルート パターンを設定できます。

    San Jose クラスタが Paris クラスタからのディレクトリ URI 宛てのコールを受信すると、Unified CM は ILS が維持しているディレクトリ URI リストを確認し、Paris.France.Europe のディレクトリ URI とそのローカルルート文字列を取得します。 SIP ルート パターンが Paris.France.Europe 宛てのコールをルーティングするように設定されている場合、Unified CM はコールをそのルート パターンの発信トランクへ送信します。

    ルート文字列の設定方法の詳細については、『Cisco Unified Communications System SRND』を参照してください。

    VCS またはサード パーティ システムとのディレクトリ URI の相互運用性

    Cisco Unified Communications Manager では、サポートされているエンドポイントを持つユーザは、johnsmith@acme.com などの英数字 URI へコールを発信することができます。 Cisco Unified Communications Manager 上のサポートされるエンドポイントから Cisco TelePresence Video Communications Server(VCS)またはサード パーティのコール制御システム上のエンドポイントにディレクトリ URI コールをルーティングする最も簡単な方法は、ドメインベースの SIP ルート パターンを設定することです。 たとえば、acme.com ドメイン宛てのコールを Cisco TelePresence VCS またはサード パーティのコール制御システムに設定された SIP トランクへルーティングするために acme.com の SIP ルート パターンを設定できます。

    同じドメイン名を使用する複数の Cisco TelePresence VCS またはサード パーティのコール制御システムがある状況では、Cisco Unified Communications Manager はクラスタ間検索サービス(ILS)を使用して URI ダイヤルの相互運用性を提供します。 Cisco TelePresence VCS またはサード パーティ システムごとに、コール制御システムに登録されたディレクトリ URI を含む csv ファイルを手動で作成する必要があります。

    ILS ネットワーク内でハブ クラスタとして設定された Cisco Unified Communications Manager クラスタで、各 Cisco TelePresence VCS またはサード パーティ システムのインポート済みディレクトリ URI カタログを作成し、各カタログに一意のルート文字列を割り当てることができます。 csv ファイルを該当するインポート済みディレクトリ URI カタログへインポートすると、ILS はインポート済みディレクトリ URI カタログを複製し、文字列を ILS ネットワーク内の他のクラスタへルーティングします。

    Cisco Unified Communications Manager が Cisco TelePresence VCS またはサード パーティ システム宛ての発信トランクにディレクトリ URI をルーティングできるようにするために、各 Cisco Unified Communications Manager クラスタに、各インポート済みディレクトリ URI カタログに割り当てられたルート文字列に一致する SIP ルート パターンを設定します。

    VCS から Cisco Unified Communications Manager にディレクトリ URI をインポートする方法の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「非 ILS システムからのディレクトリ URI のインポート」の手順を参照してください。

    Cisco Unified Communications Manager は、ディレクトリ URI のエクスポート機能も提供しています。 LDAP ディレクトリからインポートされたディレクトリ URI を含め、ローカル クラスタに設定されたすべてのディレクトリ URI を、他のコール制御システムへインポートできる csv ファイルにエクスポートできます。 ディレクトリ URI の Cisco Unified Communications Manager から csv ファイルへのエクスポート方法の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』の「クラスタ間ディレクトリ URI」の章の「クラスタ間ディレクトリ URI の設定値」を参照してください。

    ディレクトリ URI LDAP 統合

    Cisco Unified Communications Manager は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [ディレクトリURI(Directory URI)] フィールドと社内 LDAP ディレクトリのデータとの同期をサポートしています。

    LDAP ディレクトリと同期すると、Cisco Unified Communications Manager は LDAP ディレクトリから選択したディレクトリ URI をそのエンド ユーザのプライマリ ディレクトリ URI として自動的に割り当てます。 そのエンド ユーザのプライマリ内線のプライマリ ディレクトリ URI としてすでにディレクトリ URI が設定されている場合でも、 LDAP 値が Cisco Unified Communications Manager の管理ページで設定された値を上書きします。


    (注)  


    デフォルト設定では、ディレクトリ URI のユーザ部分の大文字と小文字は区別されるため、LDAP ディレクトリ内のディレクトリ URI の大文字と小文字が Cisco Unified Communications Manager でも使用されます。 たとえば、LDAP のディレクトリ URI の値が JOE@cisco.com の場合、joe@cisco.com にコールを発信すると失敗します。 URI Lookup Policy エンタープライズ パラメータの値を変更して、大文字と小文字を区別しないように設定することもできます。



    (注)  


    サードパーティのコール制御システムとの互換性を確保するため、大文字と小文字を区別しないよう URI Lookup Policy エンタープライズ パラメータの値を設定することをお勧めします。

    (注)  


    リリースが 9.0 より前で、LDAP 同期が設定された Cisco Unified Communications Manager システムの場合は、[ディレクトリURI(Directory URI)] フィールドの同期は自動的に有効になりません。 新しい LDAP 同期アグリーメントを作成する必要があります。


    ディレクトリ URI と電話番号の混合アドレス

    Cisco Unified Communications Manager は、ディレクトリ URI と電話番号から成る混合アドレッシングをサポートしています。 ネットワーク全体で混合アドレッシングを有効にすると、Cisco Unified Communications Manager は、発信 SIP INVITE または SIP INVITE への応答に送信側のディレクトリ URI と電話番号の両方を挿入します。 宛先エンドポイントは、その応答にディレクトリ URI と電話番号のどちらを使用するか選択できます。どちらも同じ宛先に到達します。

    Cisco Unified Communications Manager は、SIP ID ヘッダーの x-cisco-number タグを使用して、混合アドレスをやり取りします。 送信側電話機のディレクトリ URI と電話番号の両方が使用可能で、混合アドレッシングが有効な場合、Cisco Unified Communications Manager は、SIP メッセージの From フィールドのディレクトリ URL を使用し、付随する電話番号と x-cisco-number タグを SIP ID ヘッダーに追加します。 x-cisco-number タグは、ディレクトリ URI に関連付けられた電話番号を識別します。

    Cisco Unified Communications Manager で混合アドレッシングを使用して SIP メッセージを配信する場合は、次の条件を満たしている必要がります。

    • 電話機間のすべての SIP トランクについて、[発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] ドロップダウン リスト ボックスが [接続側にのみURIおよびDNを配信(Deliver URI and DN in connected party)] に設定されている。
    • SIP メッセージを送信する電話機にディレクトリ URI と電話番号の両方が設定されている。
    • 宛先エンドポイントが混合アドレッシングをサポートしている。

    SIP トランクの混合アドレッシングを有効にするには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウで、[発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] ドロップダウン リスト ボックスを [接続側にのみURIおよびDNを配信(Deliver URI and DN in connected party)] に設定します。 Cisco Unified Communications Manager は、トランク宛ての混合アドレス付きの SIP メッセージを受信すると、メッセージを転送する前に、そのトランクで混合アドレッシングが有効かどうかを確認します。 トランクで混合アドレッシングが有効でない場合、Cisco Unified Communications Manager は x-cisco-number タグを削除してから SIP メッセージを転送します。

    SIP 回線では、混合アドレッシングはデフォルトで有効になっています。 ただし、混合アドレス付きの SIP メッセージが SIP 回線経由で宛先エンドポイントへ転送される場合、Cisco Unified Communications Manager はそのエンドポイントが混合アドレッシングをサポートしているかどうか確認します。 宛先エンドポイントが混合アドレッシングをサポートしていない場合、Cisco Unified Communications Manager は x-cisco-number タグを削除してから SIP メッセージをエンドポイントへ転送します。

    混合アドレッシングは、RPID、PAI、PPI、および Diversion ヘッダーに適用できます。

    例 1

    シスコ勤務のボブが内線 2100 からコールを発信します。 [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] フィールドは、[接続側にのみDNを配信(Deliver DN only in connected party)] に設定されています。 混合アドレッシングは適用されず、発信 SIP メッセージに x-cisco-number タグは追加されません。

    From:<sip:2100@10.10.10.1>
    Remote-Party-ID:<sip:2100@10.10.10.1>;party=calling

    例 2

    シスコ勤務のジルが内線 2030 からコールを発信します。 [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] フィールドは、[接続側にのみDNを配信(Deliver URI only in connected party)] に設定されています。 混合アドレッシングは適用されず、発信 SIP メッセージに x-cisco-number タグは追加されません。

    From:<sip:jill@cisco.com>
    Remote-Party-ID:<sip:jill@cisco.com>;party=calling

    例 3

    シスコ勤務のアリスが内線 2000 からコールを発信します。 [トランクの設定(Trunk Configuration)] ウィンドウの [発呼側および接続側情報形式(Calling and Connected Party Info Format)] フィールドは、[接続側にのみURIおよびDNを配信(Deliver URI and DN in connected party)] に設定されています。 混合アドレッシングが適用されます。 Cisco Unified Communications Manager は、SIP ID ヘッダーに x-cisco-number タグを追加します。

    From:<sip:alice@cisco.com>
    Remote-Party-ID:<sip:alice@cisco.com;x-cisco-number=2000>;party=calling

    シスコ勤務のジョンが内線 4003 でアリスのコールを受信しましたが、ジョンはコールを自宅の電話機に転送するようにオフィスの電話機を設定します。 混合アドレッシングが有効な場合は、Cisco Unified Communications Manager が Diversion ヘッダーに x-cisco-number タグを追加し、SIP INVITE をジョンの自宅の電話機に転送します。

    From:<sip:alice@cisco.com>
    Diversion: <sip:john@cisco.com;x-cisco.number=4003>reason=no-answer
    Remote-Party-ID:<sip:alice@cisco.com;x-cisco-number=2000>;party=calling

    URI ダイヤルのディジット トランスフォーメーションの設定

    ネットワークがディジット トランスフォーメーションを発信側電話番号に適用し、クラスタ全体で URI ダイヤルが実装されている場合は、電話機またはデバイス プールの着信コールの設定に発呼側トランスフォーメーション パターンを適用できます。 これが必要となるのは、発呼側トランスフォーメーションが着信側の電話番号またはパターンに基づいて適用されている場合に、Cisco Unified Communications Manager は発呼側トランスフォーメーションを実行できないためです。

    クラスタ間コールの場合、コーリング サーチ スペース(CSS)に対してディジット トランスフォーメーション パターンを適用し、CSS トランスフォーメーションを電話機またはデバイス プールの着信コール設定に適用できます。 ダイヤル番号がディレクトリ URI または電話番号のどちらであっても、Cisco Unified Communications Manager はコールをルーティングする前に発信側電話番号にトランスフォーメーション パターンを適用します。

    クラスタ内コールの場合、ローカル クラスタ内にとどまるコールに発呼側トランスフォーメーションを適用しないときは、着信コールの設定によって追加されたディジットを削除する CSS トランスフォーメーション パターンを適用し、そのパターンを電話機またはデバイス プールの発信コールの設定に適用できます。 デバイス プールの場合、発信コールの [発呼側トランスフォーメーションCSS(Calling Party Transformation CSS)] は [デバイスモビリティ関連情報(Device Mobility Related Information)] の下に表示されます。

    URI ダイヤルが実装されている場合に発呼側ディジット トランスフォーメーションを適用するには、次の手順を実行します。

    手順
      ステップ 1   Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、[コールルーティング(Call Routing)] > [コントロールのクラス(Class of Control)] > [パーティション(Partition)] を選択し、新しいパーティションを作成します(たとえば、発呼側 XXXX を 8XXXXXXX に変更します)。
      ステップ 2   [コールルーティング(Call Routing)] > [コントロールのクラス(Class of Control)] > [コーリングサーチスペース(Calling Search Space)] を選択し、次を実行します。
      • コーリング サーチ スペースを作成します(たとえば、発呼側 XXX を 8XXXXXXX に変更します)。
      • [使用可能なパーティション(Available Partitions)] リスト ボックスで、新たに作成したパーティションを追加します(たとえば、発呼側 XXXX を 8XXXXXXX に変更します)。
      ステップ 3   Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、[コールルーティング(Call Routing)] > [トランスフォーメーション(Transformation)] > [トランスフォーメーションパターン(Transformation Pattern)] > [発呼側トランスフォーメーションパターン(Calling Party Transformation Pattern)] を選択します。
      • トランスフォーメーション パターンを作成します(たとえば、XXXX)。
      • パーティションを、前の手順で作成したパーティションに設定します(たとえば、発呼側 XXXX を 8XXXXXXX に変更します)。
      • [発呼側トランスフォーメーションマスク(Calling Party Transformation Mask)] を必要なマスクに設定します(たとえば、8265XXXX)。
      ステップ 4   Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、[コールルーティング(Call Routing)] > [コントロールのクラス(Class of Control)] > [パーティション(Partition)] を選択し、新しいパーティションを作成します(たとえば、発呼側 8XXXXXXX を XXXX に変更します)。
      ステップ 5   [コールルーティング(Call Routing)] > [コントロールのクラス(Class of Control)] > [コーリングサーチスペース(Calling Search Space)] を選択し、次を実行します。
      • コーリング サーチ スペースを作成します(たとえば、発呼側 8XXXXXXX を XXXX に変更します)。
      • [使用可能なパーティション(Available Partitions)] リスト ボックスで、新たに作成したパーティションを追加します(たとえば、発呼側 8XXXXXXX を XXXX に変更します)。
      ステップ 6   Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、[コールルーティング(Call Routing)] > [トランスフォーメーション(Transformation)] > [トランスフォーメーションパターン(Transformation Pattern)] > [発呼側トランスフォーメーションパターン(Calling Party Transformation Pattern)] を選択します。
      • トランスフォーメーション パターンを作成します(たとえば、8265XXXX)。
      • パーティションを、前の手順で作成したパーティションに設定します(たとえば、発呼側 8XXXXXXX を XXXX に変更します)。
      • [発呼側トランスフォーメーションマスク(Calling Party Transformation Mask)] を必要なマスクに設定します(たとえば、XXXX)。
      ステップ 7   トランスフォーメーション パターンを個々の電話機に割り当てるには、[デバイス(Device)] > [電話(Phone)] を選択し、次の設定を電話機に適用します。
      • 着信設定に適用するパターンの場合は、[インバウンドコール(Inbound Calls)] の下にある [発呼側トランスフォーメーションCSS(Calling Party Transformation CSS)] ドロップダウン リスト ボックスからパターンを含む CSS を選択します。
      • 発信設定に適用するパターンの場合は、[アウトバウンドコール(Outbound Calls)] の下にある [発呼側トランスフォーメーションCSS(Calling Party Transformation CSS)] ドロップダウン リスト ボックスからパターンを含む CSS を選択します。
      ステップ 8   [保存(Save)] をクリックします。
      (注)      また、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで [システム(System)] > [デバイスプール(Device Pool)] を選択することで、ディジット トランスフォーメーション パターンをデバイス プールに適用することもできます。 [デバイスプール設定(Device Pool Configuration)] では、発信コールの [発呼側トランスフォーメーションCSS(Calling Party Transformation CSS)] は [デバイスモビリティ関連情報(Device Mobility Related Information)] の下に表示されます。

      ディレクトリ URI のトラブルシューティングのヒント

      ここでは、URI ダイヤルの基本的なトラブルシューティングのシナリオをいくつか説明します。

      ディレクトリ URI にダイヤルしたがコールが失敗する

      次の点を確認してください。

      • URI Lookup Policy エンタープライズ パラメータの設定を確認します。 ダイヤルしたディレクトリ URL とプロビジョニングしたディレクトリ URI のユーザ部分で、使用されている大文字と小文字の設定が同じであることを確認します。
      • 着信側のパーティション、ディレクトリ URI パーティション、およびコーリング サーチ スペースを確認します。 クラスタ内コールの場合は、宛先の電話機が同じコーリング サーチ スペース内にあることを確認してください。
      • ダイヤルしたディレクトリ URI がダイヤル文字列の解釈ポリシーに準じていることを確認します。 実装されたダイヤル文字列の解釈ポリシーがディレクトリ URI を電話番号として解釈する場合、Cisco Unified Communications Manager はコールをルーティングできません。
      • Dialed Number Analyzer ツールを使用して、Cisco Unified Communications Manager がそのディレクトリ URI へコールをルーティングできるかどうか判別します。

        (注)  


        Dialed Number Analyzer はクラスタ間コールのルーティングをテストするためにのみ使用できます。


      ディレクトリ URI をダイヤルしたが、コール表示に電話番号が表示される

      次の点を確認してください。

      • 電話機のモデルが混合アドレッシングをサポートしているかどうか確認します。 電話機のモデルが混合アドレッシングをサポートしていない場合は、電話番号が表示されます。
      • [呼び出し表示(Alerting Name)] が設定されているかどうか確認します。 呼び出し表示はダイヤル文字列より優先されます。
      • 着信側の電話機の表示が正しくない場合は、発呼側電話機にプライマリ ディレクトリ URI が設定されているかどうかを確認します。