Cisco CallManager システム ガイド Release 5.0(1)
メディア リソースの管理
メディア リソースの管理
発行日;2012/02/07 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 4MB) | フィードバック

目次

メディア リソースの管理

メディア リソースの概要

メディア リソース グループ

メディア リソース グループ リスト

Dependency Records

メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストの設定チェックリスト

参考情報

メディア リソースの管理

Cisco IP テレフォニー機能では、メディア リソースを使用する必要があります。メディア リソースは、Annunciator、トランスコーディング、会議、保留音、メディア ターミネーションなどのサービスを提供します。以前のリリースでは、メディア リソースを登録してあるローカル Cisco CallManager だけがこれらのリソースにアクセスできましたが、クラスタ内のすべての Cisco CallManager は使用できませんでした。今回のリリースのメディア リソース マネージャでは、クラスタ内のすべての Cisco CallManager がメディア リソースを共有しています。

メディア リソース マネージャは、Cisco CallManager の機能を拡張して、Cisco CallManager が
Annunciator、メディア ターミネーション ポイント、トランスコーディング、会議、および保留音のサービスをより簡単に展開できるようにします。リソースをクラスタ内全体に分散することによりリソースは最大限に活用されるので、リソースの効率と経済性が高まります。

この章の構成は、次のとおりです。

「メディア リソースの概要」

「メディア リソース グループ」

「メディア リソース グループ リスト」

「Dependency Records」

「メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストの設定チェックリスト」

「参考情報」

メディア リソースの概要

メディア リソース管理では、クラスタ内のすべての Cisco CallManager がアクセスできるメディア リソースを提供しています。各 Cisco CallManager には、メディア リソース マネージャというソフトウェア コンポーネントが組み込まれています。メディア リソース マネージャは、メディア ストリームの接続先のメディア リソースの場所を検索します。

メディア リソース マネージャは、次のメディア リソース タイプを管理します。

Music On Hold(MOH; 保留音)サーバ

ユニキャスト Conference Bridge(CFB)

Media Termination Point(MTP)

トランスコーダ(XCODE)

Annunciator(ANN)

リソースを共有する理由は、次のとおりです。

ハードウェアとソフトウェアの両デバイスが Cisco CallManager 内で共存できる。

クラスタ内で使用可能なリソースへのアクセスを Cisco CallManager が共有できる。

類似したリソースのグループ内で Cisco CallManager の負荷バランシングを行うことができる。

Cisco CallManager はユーザのプリファレンスに基づいてリソースを割り当てることができる。

Cisco CallManager が初期化されると、メディア リソース マネージャが作成されます。データベースに定義されているメディア ターミネーション ポイント、保留音、トランスコーダ、Conference Bridge、および Annunciator の各デバイスは、メディア リソース マネージャに登録されます。メディア リソース マネージャは、提供されているデバイスのリストをデータベースから取得し、これらのリソースを追跡するためのテーブルを作成して管理します。メディア リソース マネージャはこのテーブルを使用して、登録されているデバイスを検証します。メディア リソース マネージャは、システム内で使用できるデバイス全体をトラッキングし、また使用可能なリソースがあるデバイスもトラッキングします。

メディア デバイスの登録時に、Cisco CallManager はこのデバイスを制御するためのコントローラを作成します。デバイスの検証後、システムはリソースをクラスタ全体に通知します。このメカニズムにより、リソースをクラスタ全体で共有できます。

リソース予約は、検索基準に基づいて行われます。指定された基準により、リソース タイプとメディア リソース グループ リストが決まります。Cisco CallManager がリソースを不要になると、リソースの割り当て解除が行われます。割り当てと割り当て解除を行うたびに、Cisco CallManager はリソース テーブルを更新して同期をとります。

メディア リソース マネージャは、次の主なコンポーネントと情報交換を行います。

コール制御

メディア制御

メディア ターミネーション ポイント制御

ユニキャスト ブリッジ制御

保留音制御

Annunciator 制御

コール制御

コール制御ソフトウェア コンポーネントは、接続の確立や破棄などのコール処理を実行します。コール制御は、機能レイヤと対話して転送、保留、会議などのサービスを提供します。コール制御は、会議コールと保留音を実行する際に必要となるリソースのある場所を見つけるときに、メディア リソース マネージャとのインターフェイスの役割をします。

メディア制御

メディア制御ソフトウェア コンポーネントは、エンドポイントに対するメディア ストリームの作成と破棄を管理します。デバイス間を接続するメディアの要求を受け取ると、エンドポイントのタイプに応じて、メディア制御は適切なインターフェイスを設定してストリームを確立します。

メディア ターミネーション ポイントまたはトランスコーディングを設定する際に必要となるリソースのある場所を見つけるときに、メディア レイヤはメディア リソース マネージャとのインターフェイスの役割をします。

メディア ターミネーション ポイント制御

メディア ターミネーション ポイント(MTP)は、着信 H.245 ストリームから発信 H.245 ストリームへのブリッジ機能を実行します。メディア ターミネーション ポイントは、接続されたエンドポイントからのストリーミングが停止したときに、H.323 エンドポイントに対する H.245 セッションを維持します。現在、メディア ターミネーション ポイントは G.711 コーデックだけをサポートしています。メディア ターミネーション ポイントは、G.711 a-law から mu-law へのトランスコーディングも実行できます。

Media Resource Manager(MRM; メディア リソース マネージャ)は、Cisco CallManager クラスタ内のトランスコーダのリソース予約を行います。Cisco CallManager は、MTP とトランスコーダの同時登録をサポートし、単一コール内の MTP とトランスコーダの機能を同時にサポートします。トランスコーダは、あるコーデックによるストリームを取り込み、圧縮タイプを他のタイプにトランスコーディング(変換)します。たとえば、G.711 コーデックのストリームを取り込み、そのストリームを G.729 ストリームにリアルタイムでトランスコーディング(変換)できます。さらに、トランスコーダは MTP 機能も備えているので、必要に応じて H.323 エンドポイントに対して補助サービスを使用可能にする際に使用できます。

Cisco CallManager に登録されているそれぞれのメディア ターミネーション ポイント デバイス、およびそれぞれのトランスコーダごとに、Cisco CallManager はメディア ターミネーション ポイント制御プロセスを作成します。このメディア ターミネーション ポイント制御プロセスは、初期化時にデバイス マネージャに登録されます。デバイス マネージャは、メディア ターミネーション ポイント制御プロセスが使用可能かどうかをクラスタ全体に通知します。

Annunciator 制御

Annunciator により、Cisco CallManager は前もって記録されたアナウンス(.wav ファイル)およびトーンを Cisco IP Phone、ゲートウェイ、およびその他の設定可能なデバイスに対して再生することができます。Annunciator は、Cisco CallManager Multilevel Precedence Preemption(MLPP)と連携して動作し、Cisco CallManager から発信者にコールの失敗理由についてアラートを出せるようになります。また、Annunciator は一部の転送されたコールおよび会議用のトーンを再生することもできます。

Cisco CallManager に登録されている Annunciator ごとに、Cisco CallManager は Annunciator 制御プロセスを作成します。この Annunciator 制御プロセスは、初期化時にデバイス マネージャに登録されます。デバイス マネージャは、Annunciator 制御プロセスが使用可能かどうかをクラスタ全体に通知します。

ユニキャスト ブリッジ制御

ユニキャスト ブリッジ(CFB)は、着信ユニキャスト ストリームを混合して複合出力ストリームにする機能を実行します。ユニキャスト ブリッジは、ad hoc 会議と meet-me 会議を Cisco CallManager にインプリメントするためのリソースを提供します。

Cisco CallManager に登録されているユニキャスト ブリッジ デバイスごとに、Cisco CallManager はユニキャスト制御プロセスを作成します。このユニキャスト制御プロセスは、初期化時にデバイス マネージャに登録されます。デバイス マネージャは、ユニキャスト ストリーム リソースが使用可能かどうかをクラスタ全体に通知します。

保留音制御

保留音(MOH)は、保留中の通話者をオーディオ サーバにリダイレクトする機能です。
Cisco CallManager に登録されている保留音サーバ デバイスごとに、Cisco CallManager は保留音制御プロセスを作成します。この保留音制御プロセスは、初期化時にデバイス マネージャに登録されます。デバイス マネージャは、保留音リソースが使用可能かどうかをクラスタ全体に通知します。保留音は、ユニキャストとマルチキャストの両方のオーディオ ソースをサポートします。

メディア リソース グループ

Cisco CallManager メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストは、ある特定のクラスタ内のリソースを管理する手段を提供します。これらのリソースは、会議、トランスコーディング、メディア ターミネーション、および保留音 (MOH) に使用されます。

メディア リソース グループは、メディア サーバが論理グループを構成するよう定義します。必要に応じ、メディア リソース グループを地理上の場所やサイトと関連付けることができます。また、サーバの使用状況やサービスのタイプ(ユニキャストまたはマルチキャスト)を制御するためのメディア リソース グループも、必要に応じて作成できます。

メディア リソースを設定した後でメディア リソース グループを定義しない場合、メディア リソースはすべてデフォルト グループに属することになるため、ある特定クラスタ内にあるすべての Cisco CallManager はすべてのメディア リソースで使用できます。


ヒント Cisco IP Voice Media Streaming Application を無効化すると、メディア リソース グループから関連デバイス(Annunciator、Conference Bridge、保留音、およびメディア ターミネーション ポイント)が削除されます。削除によってメディア リソース グループが空になると、サービスを無効にすることができません。この場合、サービスを無効化する前に、メディア リソース グループを削除する必要があります。


メディア リソース グループ リスト内のメディア リソース グループからリソースを選択する際には、次の規則が適用されます。

メディア リソース グループ リストの最初にあるメディア リソース グループを検索して、要求されたリソースを探す。見つかった場合は、リソース ID を戻す。

要求されたリソースが見つからなかった場合は、メディア リソース グループ リスト内で次にあるメディア リソース グループを検索する。一致が見つかった場合は、リソース ID を戻す。

メディア リソース グループ リスト内のどのメディア リソース グループにも要求されたタイプのリソースがない場合、リソース マネージャはデフォルト グループ内のリソースの使用を試みる。

デフォルトの Cisco CallManager メディア リソースグループには、次のメディア リソースから構成されています。MOH1、MTP1、XCODE1、XCODE2、および XCODE3 です。トランスコーダを必要とするコールの場合、この Cisco CallManager はデフォルト メディア リソース グループ内のトランスコーダ間で負荷を均等に振り分けます。トランスコーダを必要とする着信コールに対しては、次の順序で割り当てが行われます。

Call 1 - XCODE1
Call 2 - XCODE2
Call 3 - XCODE3
Call 4 - XCODE1
Call 5 - XCODE2
Call 6 - XCODE3
Call 7 - XCODE1

メディア リソース グループ リスト

メディア リソース グループ リストは、メディア リソース グループを優先順に並べたリストを指定します。アプリケーションは、メディア リソース リストに定義されている優先順に従って、必要なメディア リソースを使用可能なリソースの中から選択できます。メディア リソース グループ リストは、デバイスに関連付けられていて、メディア リソース グループの冗長化を実現しています。

メディア リソース グループ リストの選択には、次の規則が適用されます。

メディア リソース グループ リストは、Media Resource Group List Configuration ウィンドウ内で設定され、デバイスまたはデバイス プールのどちらかに割り当てられる。

コール処理は、メディア リソース グループ リストが選択されている場合に限り、メディア リソース グループ リストをデバイス レベルで使用する。リソースが見つからない場合、コール処理はデフォルトの割り当てからリソースを取得できる。

メディア リソース グループ リストがデバイス レベルで選択されていない場合だけ、コール処理はデバイス プール内のメディア リソース グループ リストを使用する。リソースが見つからない場合、コール処理はデフォルトの割り当てからリソースを取得できる。

メディア リソース グループ リストを使用してリソースをタイプ別にグループ化する例

次のリストのとおりに、すべてのリソースを 3 つのメディア リソース グループに割り当てます。

SoftwareGroup メディア リソース グループ:MTP1、MTP2、SW-CONF1、SW-CONF2

HardwareGroup メディア リソース グループ:XCODE1、XCODE2、HW-CONF1、HW-CONF2

MusicGroup メディア リソース グループ:MOH1、MOH2

RESOURCE_LIST という名前のメディア リソース グループ リストを作成し、SoftwareGroup、HardwareGroup、MusicGroup という順でメディア リソース グループを割り当てます。

結果:この配置では、会議が必要になると Cisco CallManager はソフトウェア会議リソースを最初に割り当てられるため、ハードウェア会議はすべてのソフトウェア会議リソースが枯渇するまで使用されません。

メディア リソース グループ リストを使用してリソースをロケーション別にグループ化する例

次のリストのとおりに、リソースを 4 つのメディア リソース グループに割り当てます。

DallasSoftware:MTP1、MTP2、SW-CONF1、SWCONF2

SanJoseSoftware:MTP2、MOH2、SW-CONF2

DallasHardware:XCODE1、HW-CONF1

SanJoseHardware:XCODE2、HW-CONF2

CM1 と CM2 は、Cisco CallManagers を指定します。

DALLAS_LIST メディア リソース グループ リストを作成し、メディア リソース グループを DallasSoftware、DallasHardware、SanJoseSoftware、SanJoseHardware の順番で割り当てます。

SANJOSE_LIST メディア リソース グループ リストを作成し、メディア リソース グループを SanJoseSoftware、SanJoseHardware、DallasSoftware、DallasHardware の順番で割り当てます。

Dallas CM1 の電話機に DALLAS_LIST の使用を割り当て、San Jose CM2 の電話機に SANJOSE_LIST の使用を割り当てます。

結果:この配置では、CM1 の電話機は SANJOSE_LIST のリソースを使用する前に DALLAS_LIST のリソースを使用します。

メディア リソース グループ リストを使用して会議リソースへのアクセスを制限する例

デフォルト グループにリソースを残さずに、リストのとおりすべてのリソースを 4 つのグループに割り当てます。

MtpGroup:MTP1、MTP2

ConfGroup:SW-CONF1、SW-CONF2、HW-CONF1、HW-CONF2

MusicGroup:MOH1、MOH2

XcodeGroup:XCODE1、XCODE2

NO_CONF_LIST という名前のメディア リソース グループ リストを作成し、メディア リソース グループを MtpGroup、XcodeGroup、MusicGroup の順番で割り当てます。

デバイス設定では、デバイスのメディア リソース グループ リストとして NO_CONF_LIST を割り当てます。

結果:このデバイスは、会議リソースを使用できません。つまり、このデバイスに利用可能なリソースは、メディア ターミネーション ポイント、トランスコーダ、Annunciator、および音楽の各リソースに限られます。

Dependency Records

どのメディア リソース グループ リストがメディア リソース グループに関連付けられているかを検索するには、Cisco CallManager Administration Media Resource Group Configuration ウィンドウにある Dependency Records リンクをクリックします。メディア リソース グループ リストについて詳細な情報を検索するには、レコード タイプをクリックして Dependency Records Details ウィンドウを表示します。

どの電話機またはトランクがメディア リソース グループ リストに関連付けられているかを検索するには、Cisco CallManager Administration Media Resource Group List Configuration ウィンドウにある Dependency Records リンクをクリックします。

Dependency Records がシステムで有効にされていない場合は、Dependency Records Summary ウィンドウにメッセージが表示されます。

Dependency Records の詳細については、『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Dependency Records」を参照してください。

メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストの設定チェックリスト

表22-1 は、メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストを設定する際のチェックリストを示しています。

 

表22-1 メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストの設定チェックリスト

設定ステップ
手順および関連項目

ステップ 1

メディア リソース グループを作成します。

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」

ステップ 2

メディア リソース グループにデバイスを割り当てます(順序に意味はありません)。

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」

ステップ 3

メディア リソース グループ リストを作成します(順序に意味があります)。

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」

ステップ 4

メディア リソース グループをメディア リソース グループ リストに割り当てます。

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」

ステップ 5

メディア リソース グループ リストをデバイスまたはデバイス プールに割り当てます。

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス デフォルトの設定 」

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「デバイス プールの設定」

参考情報

参考資料

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループの設定」

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メディア リソース グループ リストの設定 」

Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』の「Music On Hold オーディオ ソースの設定」

Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』の「Music On Hold サーバの設定」

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Dependency Records へのアクセス」

「メディア ターミネーション ポイント」

「Annunciator」

「Conference Bridge」

「トランスコーダ」