Cisco CallManager システム ガイド リリース 3.3(2)
トランスコーディングおよび会 議用の Cisco Catalyst DSP リ ソース
トランスコーディングおよび会議用の Cisco Catalyst DSP リソース
発行日;2012/01/09 | 英語版ドキュメント(2009/02/14 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

トランスコーディングおよび会議用の Cisco Catalyst DSP リソース

Cisco Catalyst DSP リソースの概要

DSP リソース マネージャ

コールの保存

Catalyst MTP トランスコーディング サービス

MTP トランスコーディングの設計の詳細

IP 間パケット トランスコーディングと音声圧縮

音声圧縮、IP 間パケット トランスコーディング、および会議

クラスタ間トランクを経由する IP 間パケット トランスコーディング

Cisco Catalyst 会議サービス

会議の設計の詳細

Cisco Catalyst 4000 音声サービス

Cisco Catalyst 6000 音声サービス

要件とシステムの制限

MTP トランスコーディングに関する注意事項

会議に関する注意事項

参考情報

トランスコーディングおよび会議用の Cisco Catalyst DSP リソース

この章では、Cisco Catalyst に搭載のデジタル シグナル プロセッサ(DSP)リソースの概要と、DSP リソースがどのようにトランスコーディングおよび会議で使用されているかについて説明します。モジュールとしては、Cisco Catalyst 4000 用の WS-X4604-GWY、および Cisco Catalyst 6000 用の WS-X6608-T1 (米国以外の場合は WS-X6608-E1)があります。このモジュールは、Cisco CallManager と組み合せて使用して、PSTN ゲートウェイとしての機能のほかに、会議の実行とメディア終端ポイント(MTP)のトランスコーディング サービスを実行します。

この章の構成は、次のとおりです。

「Cisco Catalyst DSP リソースの概要」

「DSP リソース マネージャ」

「Cisco Catalyst 会議サービス」

「Cisco Catalyst 4000 音声サービス」

「Cisco Catalyst 6000 音声サービス」

「要件とシステムの制限」

「参考情報」

Cisco Catalyst DSP リソースの概要

Cisco Catalyst 4000 および 6000 のゲートウェイ モジュール上の DSP リソースは、Cisco CallManager が提供する IP テレフォニー機能のハードウェアをサポートしています。サポートされるハードウェア機能には、ハードウェアで実行される音声会議、ハードウェアをベースにした補助サービスの MTP サポート、トランスコーディング サービスなどがあります。

Catalyst で実行される会議では、ハードウェアで実行される音声会議をサポートします。DSP は、VoIP セッションを複数の TDM ストリームに変換します。このストリームの混合により、複数の通話者による電話会議が可能になります。

Cisco Catalyst MTP サービスは、本来のソフトウェア MTP リソースとして、またはトランスコーディング MTP リソースとして機能します。MTP サービスは、使用しているゲートウェイとクライアントが、EmptyCapabilitiesSet による H.323v2 の機能 OpenLogicalChannel と CloseLogicalChannel をサポートしていない場合は、保留、転送、会議などの補助サービスを提供できます。MTP は、ソフトウェア機能として提供され、Cisco CallManager または別の Windows NT サーバ上で実行できます。Cisco CallManager 上のソフトウェア内で MTP を実行する場合、リソースは 24 の MTP セッションをサポートします。別の Windows NT サーバ上で MTP を実行する場合、リソースは最大 48 の MTP セッションをサポートします。Cisco Catalyst ゲートウェイ モジュールもこれと同等の機能をサポートできますが、サービスはハードウェア内で提供されます。

トランスコーディングは、実際には IP 間の音声ゲートウェイ サービスを提供します。トランスコーディング ノードは、G.711 音声ストリームを G.729a などの低ビットレート(LBR)圧縮音声ストリームに変換できます。このプロセスは、IVR、ボイスメール、低速 IP WAN を経由した電話会議などのアプリケーションを実現するために重要です。現在、Cisco CallManager は Cisco Catalyst 音声ゲートウェイ上だけで MTP トランスコーディングをサポートしています。

表 21-1 では、Cisco Catalyst 音声サービス モジュール上で設定可能な DSP リソースを示しています。

 

表 21-1 Cisco Catalyst DSP リソース マトリックス

Cisco Catalys
t 音声モジュール
PSTN ゲートウェイ
セッション数
会議セッション数
MTP トランスコーディング セッション数

Catalyst 4000 WS-X4604-GWY

G.711 のみ

96 コール

G.711 のみ

会議参加者数 24 人

各会議の参加者が 6 人の場合、会議の最大数は 4

G.711 へ

MTP トランスコーディング セッション数 16

Catalyst 6000 WS-6608-T1 または WS-6608-E1

WS-6608-T1

24 コール(物理 DS1 ポートごと)

192 コール(モジュールごと)

WS-6608-E1

30 コール(物理 DS1 ポートごと)

240 コール(モジュールごと)

G.711 または G.723

物理ポートごとの会議参加者数 32 人

最大の会議参加者数 6 人

G.729

物理ポートごとの会議参加者数 24 人

最大の会議参加者数 6 人

次のキャパシティは、同時のトランスコーディングと会議にも適用される。

G.723 から G.711 へ

物理ポートごとの MTP トランスコーディング セッション数 32

248 セッション
(モジュールごと)

G.729 から G.711 へ

物理ポートごとの MTP トランスコーディング セッション数 24

192 セッション
(モジュールごと)

DSP リソース マネージャ

DSP resource management(DSPRM; DSP リソース管理)は、各 DSP チャネルと DSP の状態を管理し、各 DSP のリソース テーブルを維持します。DSPRM で処理される作業は、次のとおりです。

オンボードの DSP SIMM モジュールを検出し、ユーザ設定に基づいて DSP が使用するアプリケーション イメージのタイプを判別する。

DSP のリセット、DSP の起動、および DSP へのアプリケーション イメージのダウンロード。

DSP の初期状態とリソースの状態の保守、および DSP リソースの管理(トランスコーディングおよび会議用の DSP チャネルすべての割り当て、割り当て解除、およびエラー処理)。

バックプレーンの PCI ドライバのインターフェイスを使用して、DSP 制御メッセージを送受信する。

DSP のクラッシュやセッションの終了など、障害の発生に対処する。

DSP とプライマリおよびバックアップの Cisco CallManager との間で、キープアライブ メカニズムを提供する。プライマリ Cisco CallManager は、このキープアライブを、DSP が使用できなくなったときの判断に使用できます。

定期的に DSP リソースのチェックを実行する。

システムは、セッションの要求をシグナリング レイヤから受け取ると、対応するプール(トランスコーディングまたは会議)で最初の使用可能な DSP を、最初の使用可能なチャネルとともに、割り当てます。最初の使用可能な DSP は、メディア リソース グループおよびメディア リソース グループ リストによって決まります。DSPRM は、一連の MAX 制限(DSP ごとの最大会議セッション数、DSP ごとの最大トランスコーディング セッション数など)を DSP ごとに維持します。

コールの保存

順位の高い Cisco CallManager が非アクティブになったときや、DSP と順位の高い Cisco CallManager の間のリンクが不通になったときには、スイッチオーバーが行われます。

順位の高い Cisco CallManager が再びアクティブになり、DSP が順位の高い Cisco CallManager に再び切り替えることが可能になると、スイッチバックが行われます。

スイッチオーバーまたはスイッチバックの登録を行うとき、DSPRM はアクティブ接続数を RTP ストリーム数と共に報告します。コールが切断されると、DSPRM は、RTP ポートに着信した Internet Control Message Protocol (ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)の「ポート到達不能」表示に反応してメディア ストリーミングの障害を検出し、Skinny Client Control プロトコルの
「StationMediaStreamingFailure」メッセージを使用して、この情報を現在アクティブな Cisco CallManager に報告します。Cisco CallManager は、指定のリソースが新しい接続の確立に使用できるようになると、リソースの状況を更新できます。この方式は、接続解除監視(Disconnect Supervision)と呼ばれます。

Catalyst MTP トランスコーディング サービス

IP テレフォニーが実装されているシステムに WAN を新たに導入する場合、音声圧縮の問題が生じます。WAN 対応のネットワークを実装する場合は、WAN で消費される帯域幅を節減するために、サイト間で音声圧縮を行う設計を推奨します。この設計を選択すると、G.711 音声接続だけをサポートしている会議サービスや IP 対応のアプリケーションを WAN ユーザがどのように使用するかという問題が生じます。解決するには、圧縮された音声ストリームをハードウェア ベースのメディア終端ポイント(MTP)トランスコーディング サービスを使用して、G.711 に変換します。

MTP トランスコーディングの設計の詳細

MTP トランスコーディングに関する設計性能とその要件の要約は、次のとおりです。

G.711 エンドポイントへの IP WAN からの発信者数に応じて、適切な MTP トランスコーディング リソースをプロビジョニングする。

Cisco Catalyst 4000 WS-X4604-GWY モジュールは、モジュールごとに 16 のトランスコーディング セッションをサポートする。

Cisco Catalyst 6000 WS-X6608-T1 モジュール、または WS-X6608-E1 モジュールがサポートする G.723 または G.711 トランスコーディング セッション数は、物理ポートごとに 31 (モジュール単位では 248)。また、同様にサポートされる G.729 から G.711 へのトランスコーディング セッション数は、物理ポートごとに 24(モジュール単位では 192)。

トランスコーディングは、低ビット レートから高ビット レート(G.729a または G.723.1 から G.711)への構成、またはその逆の構成だけをサポートする。

各トランスコードごとに 20 ~ 40 ms のジッタ バッファが使用される。

IP 間パケット トランスコーディングと音声圧縮

IP Phone 間の音声圧縮は、Cisco CallManager のリージョンとロケーションを使用して容易に設定できます。ただし、Cisco Catalyst の会議サービスなど一部のアプリケーションは、現時点では G.711 または非圧縮の接続だけをサポートしています。このような場合は、Cisco Catalyst 4000 および Cisco Catalyst 6000 用の 2 つの新しいモジュールが、MTP トランスコーディングまたはパケット間ゲートウェイの機能を提供します。パケット間ゲートウェイは、異なる圧縮アルゴリズムを使用する音声ストリーム間でトランスコーディング作業を行う DSP を備えたデバイスを指します。つまり、リモート ロケーションに在席の IP Phone のユーザが中央ロケーションに在席のユーザを呼び出すとき、Cisco CallManager は WAN コール(または G.729a)の場合にだけ圧縮音声を使用するようにリモート IP Phone に指示します。ただし、中央サイトでコールの着信側が不在の場合は、G.711 だけをサポートするアプリケーションにコールが転送される可能性があります。この場合、パケット間ゲートウェイは、ボイスメール サーバにメッセージを残すために G.729a 音声ストリームを G.711 にトランスコーディングします。図 21-1 を参照してください。

図 21-1 集中型コール処理を行う WAN に対する IP 間パケット ゲートウェイのトランスコーディング

 

音声圧縮、IP 間パケット トランスコーディング、および会議

電話会議のために IP WAN 経由でサイト間を接続する場合のシナリオは複雑です。このシナリオでは、Cisco Catalyst モジュールは会議サービスだけでなく、WAN IP 音声接続を圧縮解除するための IP 間トランスコーディング サービスも実行する必要があります。図 21-2 では、中央ロケーションでの電話会議にリモート ユーザが参加しています。3 人が参加しているこの電話会議では、Catalyst 4000 モジュールの DSP チャネルを 7 つ、Cisco Catalyst 6000 の DSP チャネルを 3 つ使用しています。次のリストは、チャネルの使用状況を示しています。

Cisco Catalyst 4000

IP WAN G.729a 音声コールを G.711 に変換するための DSP チャネル 1 つ

G.711 ストリームを加算 DSP 用の TDM に変換するための会議 DSP チャネル 3 つ

3 人の発信者を 1 つに混合する加算 DSP からのチャネル 3 つ

Cisco Catalyst 6000

会議 DSP チャネル 3 つ。Cisco Catalyst 6000 上では、音声ストリームがすべて 1 つの論理会議ポートに送信され、このポートでトランスコーディングと加算がすべて行われます。

図 21-2 中央集中型 MTP トランスコーディング サービスおよび会議サービスを使用する複数サイト WAN

 

クラスタ間トランクを経由する IP 間パケット トランスコーディング

クラスタ間トランクは、Cisco CallManager クラスタを接続します。クラスタ間トランクは、トランスコーダを動的に割り当てます。

Cisco Catalyst 6000 モジュールは、特定のクラスタ間コールにトランスコーディングが必要かどうかに関係なく、MTP サービスを使用します。ハードウェア MTP を使用する場合は、MTP サービスを介した圧縮音声コール接続が Cisco CallManager によってサポートされます。図 21-3 では、クラスタ間コールのフローを示しています。

図 21-3 トランスコーディングを使用するクラスタ間コールのフロー

 

次に、クラスタ間 MTP とトランスコーディングについて詳しく説明します。

発信クラスタ間コールは、コールの発信元である Cisco CallManager からの MTP およびトランスコーディングのリソースを使用する。

着信クラスタ間コールは、着信クラスタ間トランクの終端である
Cisco CallManager からの MTP リソースを使用する。

追加の DSP MTP およびトランスコーディングのリソースを、クラスタ間トランクの終端である Cisco CallManager に割り当てる。

Cisco Catalyst 会議サービス

IP テレフォニー システムを大規模のエンタープライズ環境に拡張するには、ハードウェア ベースの会議を使用する必要があります。Cisco Catalyst 4000 および 6000 スイッチ ファミリー用のハードウェアでは、この要件が考慮されています。Cisco Catalyst 音声モジュールはハードウェアで会議を処理できるので、IP テレフォニー ネットワーク内の Windows NT サーバ上でソフトウェア会議サービスを実行する必要はありません。

会議の設計の詳細

Cisco Catalyst 音声モジュールの設計性能とその要件に関する要約は、次のとおりです。

電話会議ごとに最大 6 人の参加者がサポートされる。

Cisco Catalyst 4000 WS-X4604-GWY モジュールは、モジュールごとに 24 人の会議参加者をサポートする。

Cisco Catalyst 4000 WS-X4604-GWY モジュールは、G.711 音声ストリーミングを使用する場合だけ会議をサポートする。トランスコーディングによって、G.729a または G.723.1 を電話会議用の G.711 に変換する。

Cisco Catalyst 6000 WS-X6608-T1 モジュール、または WS-X6608-E1 モジュールがサポートする G.711 または G.723 会議の参加者数は、物理ポートごとに 32 人(モジュール単位では 256 人)。また、同様にサポートされる G.729 会議の参加者数は、物理ポートごとに 24 人(モジュール単位では 192 人)。

Cisco Catalyst 6000 WS-X6608-T1 モジュールまたは WS-X6608-E1 モジュールは、非圧縮と圧縮の両方の VoIP 電話会議をサポートする。

DSP リソースは一度に 1 つの Cisco CallManager にしか登録できないので、それぞれの Cisco CallManager に専用の会議リソースと MTP トランスコーディング リソースが必要。Cisco CallManager は DSP リソースを共有できません。

Cisco Catalyst 4000 のモジュール WS-X4604-GWY は、各会議の参加者数が 6 人の場合、電話会議を 4 つまで同時にサポートします。Cisco Catalyst 6000 の T1 または E1 PSTN ゲートウェイ モジュール WS-X6608 も、会議をサポートします。WS-X6608 を T1 または E1 Cisco AVVID ゲートウェイとして追加した後、ポート単位で会議サービス用に設定します。Cisco Catalyst 6000 会議モジュールは、電話会議ごとに 6 人までの発信者をサポートし、設定された論理ポートごとに G.711 または G.723 会議の発信者を最大 32 人まで同時にサポートします。この設定により、G.711 または G.723 コールを行うモジュールごとの会議参加者数は最大 192 人になります。

各モジュールの電話会議密度の要約については、 表 21-1 を参照してください。

WS-X4604-GWY および WS-X6608-T1 (または WS-X6608-E1)の両モジュールは、会議またはトランスコーディングのサービスを提供する際に、Skinny Client Control Protocol を使用して Cisco CallManager と通信します。Cisco Catalyst 6000 音声会議ソリューションは、圧縮と非圧縮の両方の会議参加者をサポートします。

Cisco Catalyst 4000 上では、G.711(または非圧縮)コールだけが電話会議に参加できます。会議サービスは、Cisco CallManager への登録時に、Skinny Client Control Protocol を使用して、G.711 音声コールだけが接続可能であることをアナウンスします。圧縮コールが電話会議への参加を要求した場合、Cisco CallManager は圧縮コールを最初にトランスコーディング ポートに接続し、圧縮音声コールを G.711 に変換します。G.711 接続が特定の会議セッションに関連付けられると(電話会議ごとの最大参加者数は 6 人)、コールは TDM ストリームに変換され、ストリームを結合する加算論理に進みます。

電話会議の参加者全員を混合できる WS-X6608-x1 とは異なり、Cisco Catalyst 4000 WS-X4604-GWY モジュールは 3 人の主な発言者だけを混合します。
WS-X4604-GWY は主要発言者に合せて動的に調整を行い、主に声の音量(バックグラウンド ノイズを除いた)によって主要発言者を判別します。

会議サービスを設定する際は、次の推奨事項も考慮してください。

社内に会議ポートをプロビジョニングする際には、まず圧縮を使用する Cisco CallManager リージョンから電話会議に参加する発信者の数を決定する。圧縮を使用する発信者の数が分かれば、MTP トランスコーディング リソースを正確にプロビジョニングできます。

Conference Bridge は複数の Cisco CallManager に同時に登録でき、
Cisco CallManager はメディア リソース マネージャ(MRM)を介して DSP リソースを共有できる。

図 21-4 に、Cisco Catalyst 会議サービスに使用されるコンポーネントを示します。

図 21-4 Cisco Catalyst 会議サービス

 

Cisco Catalyst 4000 音声サービス

Cisco Catalyst 4003 および 4006 スイッチ用の PSTN ゲートウェイと音声サービス モジュールは、ポートを 2 つずつ備えたアナログ音声インターフェイス カード(VIC)3 つサポートします。または、ポートを 2 つ備えた T1/E1 カード 1 つとアナログ VIC 2 つをサポートします。VIC インターフェイスの設定の選択により、Foreign Exchange Office(FXO)、Foreign Exchange Station(FXS)、または Ear & Mouth(E&M)の任意の組み合せが可能です。また、command-line interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)から IP テレフォニー ゲートウェイとして設定された場合、このモジュールは会議とトランスコーディングのサービスをサポートします。

Cisco Catalyst 4000 音声ゲートウェイ モジュールは、トール バイパス モードまたはゲートウェイ モードのどちらかに設定できます。ただし、モジュールの会議リソースとトランスコーディング リソースは、ゲートウェイ モードだけで設定できます。ゲートウェイ モードを使用可能にすると、モジュール用の 24 個の DSP (4 つの SIMM に 6 つずつの DSP)が次の機能をすべて実行します。

PSTN ゲートウェイ:96 チャネルの G.711 音声

会議:24 チャネルの G.711 会議

MTP トランスコーディング:16 チャネルの LBR-G.711 トランスコーディング

図 21-5 は、ゲートウェイ モードの Cisco Catalyst 4000 音声ゲートウェイ モジュールを物理的に表した図です。

図 21-5 ゲートウェイ モードの Cisco Catalyst 音声ゲートウェイ モジュール

 

ゲートウェイ モードはデフォルト設定です。CLI を使用して、会議とトランスコーディングの比率を変更できます。

Cisco Catalyst 4000 モジュールには、次の設定上の注意点があります。

WS-X4604-GWY は、デバイスの初期設定用に Cisco IOS インターフェイスを使用する。音声機能に関するその他の設定は、すべて Cisco CallManager 内で実行されます。すべての PSTN ゲートウェイ機能に対して、Cisco Catalyst 4000 モジュールは H.323v2 を使用し、Cisco IOS ゲートウェイと同様に設定されます。Cisco CallManager 設定ウィンドウから、Cisco Catalyst 4000 ゲートウェイを H.323 ゲートウェイとして追加します。

WS-X4604-GWY は、PSTN ゲートウェイとしてトール バイパス モードで動作することも、ハードウェア ベースのトランスコーダまたは Conference Bridge としてゲートウェイ モードで動作することも可能。このモジュールを DSP ファーム(ゲートウェイ モード)として設定するには、次の CLI コマンドのどちらかまたは両方を入力します。

voicecard conference
voicecard transcode
 

WS-X4604-GWY は、Cisco CallManager の IP アドレスのほかに専用のローカル IP アドレスを必要とする。ローカル Signaling Connection Control Part(SCCP)用のループバック IP アドレスを指定します。

会議サービスと MTP トランスコーディング サービスの両方に対して、プライマリ、セカンダリ、および三次の Cisco CallManager を定義する。

Cisco Catalyst 6000 音声サービス

WS-6608-T1 (ヨーロッパ諸国の場合は WS-6608-E1)は、Cisco Catalyst 6000 に対して T1 または E1 の PSTN ゲートウェイをサポートするモジュールと同じものです。このモジュールは、8 つの channel-associated-signaling (CAS; チャネル連携信号)インターフェイスまたは primaty rate interface (PRI; 一次群速度インターフェイス)インターフェイスで構成されていて、各インターフェイスには専用の CPU と DSP が備わっています。Cisco CallManager から音声ゲートウェイとしてカードを追加した後、そのカードを会議ノードまたは MTP トランスコーディング ノードとして設定します。各ポートは、モジュール上の他のポートとは独立して機能します。具体的には、PSTN ゲートウェイ インターフェイス、会議ノード、または MTP トランスコーディング ノードとしてだけ各ポートを設定できます。ほとんどの構成では、会議ノードごとにトランスコーディング ノードを 1 つ設定します。

PSTN ゲートウェイ、会議リソース、または MTP トランスコーディング リソースのどの機能を実行する場合も、モジュール上の各ポートに専用の IP アドレスが必要です。ポートに、スタティック IP アドレスまたは DHCP が供給する IP アドレスを設定します。スタティック IP を入力した場合、実際にはポートの設定情報の取得は TFTP コンフィギュレーション ファイルのダウンロードによって行われるので、TFTP サーバ アドレスも追加する必要があります。
Cisco CallManager インターフェイスを使用して設定された各ポートは、次のいずれかの構成をサポートします。

PSTN ゲートウェイ モード:WS-6608-T1 モジュールの場合は 24 のセッション、WS-6608-E1 の場合は 30 のセッション。

会議モード:G.711 または G.723 の場合は 32 の会議セッション、G.729 の場合は 24 の会議セッション。

MTP モード:G.723 から G.711 への場合は 31 の MTP トランスコーディング セッション、G.729 から G.711 への場合は 24 の MTP トランスコーディング セッション。

図 21-6 は、Cisco Catalyst 6000 音声ゲートウェイ モジュールを構成する際の一例です。この図は、モジュールの 8 ポートが、2 ポートは PSTN ゲートウェイ モードに、3 ポートは会議モードに、そして、3 ポートは MTP トランスコーディング モードに設定されていることを示します。

図 21-6 Cisco Catalyst 6000 音声ゲートウェイ モジュール

 

要件とシステムの制限

次の項では、トランスコーディングと会議を実行する際の Cisco Catalyst の DSP リソース要件、およびシステムの制限について説明します。

MTP トランスコーディングに関する注意事項

Cisco Catalyst MTP トランスコーディングに関する注意点の要約は、次のとおりです。

Cisco Catalyst MTP トランスコーディング サービスは、LBR コーデックから G.711 への変換、およびその逆の変換だけをサポートする。LBR から LBR へのコーデック変換はサポートされません。

Cisco Catalyst 6000 上では、境界を越えたトランスコーディング サービスは実行できない。

それぞれの Cisco CallManager に、専用の MTP トランスコーディング リソースを設定する必要がある。

Cisco CallManager クラスタ間でトランスコーディングが必要な場合は、MTP リソースを持つクラスタ間トランクの設定が必要。Cisco CallManager クラスタ間のコールはすべて MTP を経由します。

全体で n 個の MTP トランスコーディング セッションが使用されている場合に、 n + 1 個の接続が行われると、次のコールは MTP トランスコーディング リソースを使用せずに確立される。このコールがソフトウェア MTP 機能を使用して補助サービスの提供を試みた場合、コールは接続されますが、補助サービスの使用は失敗して、コールの接続が解除される可能性があります。コールがトランスコーディング機能を使用しようとした場合、コールは直接接続されますが、オーディオは受信されません。トランスコーダが必要であるが使用できない場合、コールは接続されません。

各モジュールのトランスコーディング機能の一覧は、 表 21-1 を参照してください。

会議に関する注意事項

Cisco Catalyst 会議サービスに関する注意点は、次のとおりです。

Cisco Catalyst 4000 会議サービスでは、MTP トランスコーディング サービスを使用する場合を除いて、G.711 接続だけをサポートする。

Cisco Catalyst 6000 上では、境界を越えて会議サービスを実行できない。

各 Cisco CallManager に専用の会議リソースの設定が必要。

IP WAN を経由した電話会議については、「DSP リソース マネージャ」を参照してください。

参考情報

関連トピック

「トランスコーダ」

「Conference Bridge」

参考資料

Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド

『Cisco IP Phone Administration Guide for Cisco CallManager』

Cisco IP Phone のユーザ資料とリリース ノート(全モデル)