Cisco Unified CallManager システム ガイド Release 5.1(3)
Cisco TFTP
Cisco TFTP
発行日;2012/01/11 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

Cisco TFTP

SCCP デバイスの TFTP プロセスの概要

Cisco SIP IP Phone の TFTP プロセスの概要

デバイスによる DHCP と Cisco TFTP の使用方法の概要

デバイスによる TFTP サーバへのアクセス方法の概要

デバイスによる TFTP サーバの識別方法の概要

冗長または負荷分散 TFTP サーバの設定

代替シスコ ファイル サーバ

複数クラスタ環境での集中 TFTP

マスター TFTP サーバ

マスター TFTP サーバへのファイルの送信

セキュアなクラスタでの集中 TFTP

集中 TFTP の設定のヒント

コンフィギュレーション ファイルのカスタマイズと変更

TFTP 設定チェックリスト

参考情報

Cisco TFTP

Cisco TFTP サービスは、TFTP(Trivial File Transfer Protocol)と整合性のあるファイルを作成し、そのサービスを提供します。Cisco TFTP はコンフィギュレーション ファイルを作成し、組み込みコンポーネントの実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス コンフィギュレーション ファイルを処理します。

コンフィギュレーション ファイルには、SCCP および SIP 電話機とゲートウェイなどのデバイスが接続する Cisco Unified CallManager を優先順に並べたリストと、デバイスがリスト上の Cisco Unified CallManager への接続に使用する TCP ポート、および実行可能ファイルのロード ID が保存されています。一部のデバイス用のコンフィギュレーション ファイルには、電話機のボタン(メッセージ、ディレクトリ、サービス、および情報)用のロケール情報および URL が保存されています。ゲートウェイ用のコンフィギュレーション ファイルには、ゲートウェイのコンフィギュレーション情報がすべて保存されています。

コンフィギュレーション ファイルは、デバイス タイプと TFTP サービス パラメータの設定に応じて、.cnf 形式、.cnf.xml 形式、または .xml 形式のいずれかになります。Build CNF Files サービス パラメータを[Build All]に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用のコンフィギュレーション ファイルが作成されます。このサービス パラメータを[Build None]に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。このパラメータが[Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに 表10-1 に示すデバイス タイプの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。

 

表10-1 Build Selective BuildCNFType のデバイス

デバイス タイプ
デバイス名

MODEL_30SPP

Cisco 30 SP+

MODEL_12SPP

Cisco 12 SP+

MODEL_12SP

Cisco 12 SP

MODEL_12S

Cisco 12 S

MODEL_30VIP

Cisco 30 VIP または DPA

MODEL_IP_CONFERENCE_PHONE

Cisco 7935

MODEL_SCCP_PHONE

SCCP Phone

MODEL_VEGA

Analog Access

MODEL_UONE

Voice Mail Port

この章では、Cisco Unified CallManager、TFTP、および Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP; ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)の関係、またデバイスと TFTP サーバの関係について説明します。この章の構成は、次のとおりです。

「SCCP デバイスの TFTP プロセスの概要」

「Cisco SIP IP Phone の TFTP プロセスの概要」

「デバイスによる DHCP と Cisco TFTP の使用方法の概要」

「デバイスによる TFTP サーバへのアクセス方法の概要」

「デバイスによる TFTP サーバの識別方法の概要」

「冗長または負荷分散 TFTP サーバの設定」

「複数クラスタ環境での集中 TFTP」

「代替シスコ ファイル サーバ」

「集中 TFTP の設定のヒント」

「コンフィギュレーション ファイルのカスタマイズと変更」

「TFTP 設定チェックリスト」

「参考情報」

SCCP デバイスの TFTP プロセスの概要

TFTP サーバは、コンフィギュレーション ファイルに対する要求を同時に処理します。ここでは、要求プロセスについて説明します。

デバイスは、ブート時に DHCP サーバにネットワーク コンフィギュレーション情報を照会します。DHCP サーバは応答として、そのデバイスの IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)サーバのアドレス、および TFTP サーバの名前またはアドレスを返します(Cisco Unified IP Phone 7960 モデルなど、一部のデバイスは、最大 2 台の TFTP サーバをサポートしています。このようなデバイスは、プライマリ TFTP サーバに到達しない場合、フェールバック TFTP サーバに到達しようとします)。


) デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。


デバイスは、TFTP サーバにコンフィギュレーション ファイルを要求します。TFTP サーバは、内部キャッシュを検索し、その後コンフィギュレーション ファイルのプライマリ パスと代替パス(指定されている場合)を検索します。TFTP サーバがコンフィギュレーション ファイルを検出した場合は、デバイスにそのファイルを送信します。デバイスが Cisco Unified CallManager の名前を受け取った場合、デバイスは DNS を使用して名前を解決し、Cisco Unified CallManager の接続をオープンにします。IP アドレスまたは名前を受け取らなかった場合、デバイスはデフォルトのサーバの名前を使用します。

TFTP サーバがコンフィギュレーション ファイルを検出できない場合、サーバはデバイスに「file not found」というメッセージを送信します。

TFTP サーバがコンフィギュレーション ファイルを再作成しているとき、あるいは最大数の要求を処理しているときに、コンフィギュレーション ファイルを要求したデバイスは、TFTP サーバからメッセージを受け取ります。このため、そのデバイスは後でコンフィギュレーション ファイルを要求します。Maximum Serving Count サービス パラメータ(設定可能)は、200 を最大要求数として指定します。

デバイスのブート方法の詳細については、「デバイスによる DHCP と Cisco TFTP の使用方法の概要」を参照してください。

Cisco SIP IP Phone の TFTP プロセスの概要

SCCP 電話機と異なり、SIP 電話機はすべての設定を TFTP サーバから取得します。SIP 電話機は最初の起動時に、設定済みの TFTP サーバ(手動で設定されるか DHCP サーバを通じて設定されたもの)に連絡し、コンフィギュレーション ファイルを取得します。その後、設定済みの Cisco Unified CallManager に自分自身を登録します。

SIP 電話機の設定が変更された場合、Cisco Unified CallManager データベースは TFTP サーバに、すべてのコンフィギュレーション ファイルを再作成するか選択的に再作成するよう通知します。TFTP サーバは、Cisco Unified CallManager データベースから情報を取得し、デバイス タイプに応じて適正な出力形式に変換し、TFTP キャッシュに出力を保存します。TFTP サーバは、要求を取得すると、キャッシュまたは Alternate File Server ロケーションのディスクを検索し、要求されたコンフィギュレーション ファイルまたはデフォルト ファイルを提供します。

SIP 電話機用の TFTP サポートは、次に示す Cisco Unified SIP IP Phone 用にさまざまな形式の SIP コンフィギュレーション ファイルを、Cisco Unified CallManager データベースから作成して提供します。

Cisco Unified IP Phone 7970/71、7961、7941、7911(これらの電話機は、同じ SIP コンフィギュレーション ファイル形式を共有します)。

Cisco Unified IP Phone 7960、7940(これらの電話機は、同じ SIP コンフィギュレーション ファイル形式を共有します)。

Cisco Unified IP Phone 7905、7912。

上記の電話機モデル上の SIP ダイヤル プラン。

上記の電話機モデル上のソフトキー テンプレート。

TFTP サーバは SIP 電話機の設定用に、Cisco Unified CallManager データベースから次のファイルを生成します。

システム全体のデフォルト コンフィギュレーション ファイル、およびデバイスごとのコンフィギュレーション ファイル。

Cisco Unified IP Phone 7970/71、7960/61、7940/41、および 7911 用のシステム全体のダイヤル プラン リスト。

システム全体のソフトキー テンプレート ファイルのリスト。

表10-2 に、SIP 電話機のタイプに基づいて生成されるコンフィギュレーション ファイルを示します。

 

表10-2 TFTP サーバが生成する SIP コンフィギュレーション ファイル

SIP コンフィギュレーション ファイルのタイプ
モデル 7970/71、7961、7941、7911
モデル 7960/40
モデル 7905
モデル 7912

SIP IP Phone

SEP<mac>.cnf.xml

SIP<mac>.cnf

ld<mac>

gk<mac>

ダイヤル プラン

DR<dialplan>.xml

<dialplan>.xml

ld<mac> 内の
パラメータ

gk<mac> 内の
パラメータ

ソフトキー テンプレート

SK<softkey_template>.xml

設定不能

設定不能

設定不能

ファイル名は、Cisco Unified CallManager の管理ページの[電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウにある[MAC アドレス(MAC Address)]フィールドと[説明(Description)]フィールド、および Cisco Unified CallManager データベース内の devicename フィールドから生成されます。MAC アドレスによって、電話機が一意に識別されます。

SIP 電話機の設定シーケンス

SIP 電話機の設定シーケンスでは、次の手順が実行されます。

1. 管理者は(たとえば、Cisco Unified CallManager の管理ページの[電話の設定(Phone
Configuration)]、[SIP プロファイルの設定(SIP Profile Configuration)]、または[SIP 電話セキュリティ プロファイルの設定(SIP Phone Security Profile Configuration)]を使用して)SIP 電話機に変更を加え、[保存]を押します。

2. Cisco Unified CallManager データベースは、変更通知を TFTP サーバと Cisco Unified CallManager に送信します。その後、TFTP サーバは選択された電話機用のすべてのコンフィギュレーション ファイルを再作成します。コンフィギュレーション ファイルの名前と形式は、デバイス タイプとプロトコルによって異なります( 表10-2 を参照)。

3. 管理者は、[リセット]ボタンまたは[リスタート]ボタンを押して、変更の影響を受ける電話機をリセットまたは再起動します。

4. 通知を(自動的に、または管理者かユーザを介して)受け取ると同時に、Cisco Unified CallManager はコンフィギュレーション ファイルを再度取得するよう電話機に通知します。

5. SIP 電話機は TFTP サーバにコンフィギュレーション ファイルを要求し、サーバは要求されたファイルを電話機に送信します。

6. 必要なコンフィギュレーション ファイルを取得すると、電話機は設定された回線を Cisco Unified CallManager に登録します。

SIP 電話機のダイヤル プランの設定シーケンス

SIP 電話機のダイヤル プランの設定シーケンスでは、次の手順が実行されます。

1. 管理者は SIP ダイヤル プランを設定し、そのダイヤル プランを SIP 電話機へ関連付けます。

2. Cisco Unified CallManager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは SIP 電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。

3. TFTP サーバは、ダイヤル プラン コンフィギュレーション ファイルか SIP 電話機用のコンフィギュレーション ファイル、またはその両方を再作成します。

4. 管理者は、Cisco Unified CallManager データベース内のダイヤル規則にすべての更新を加えた後、[リセット]ボタンか[リスタート]ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。

SIP 電話機のソフトキー テンプレートの設定シーケンス

SIP 電話機のソフトキー テンプレートの設定シーケンスでは、次の手順が実行されます。

1. 管理者は SIP ソフトキー テンプレートを設定し、そのソフトキー テンプレートを SIP 電話機へ関連付けます。

2. Cisco Unified CallManager データベースは TFTP サーバへ変更通知を送信し、それによって TFTP サーバは SIP 電話機用に新しいファイル セットの作成を開始します。

3. TFTP サーバは、ソフトキー テンプレート コンフィギュレーション ファイルか SIP 電話機用のコンフィギュレーション ファイル、またはその両方を再作成します。

4. 管理者は、Cisco Unified CallManager データベース内のソフトキーにすべての更新を加えた後、[リセット]ボタンか[リスタート]ボタンをクリックし、電話機に変更を適用します。

Cisco エクステンション モビリティとの相互対話

ユーザが Cisco エクステンション モビリティを使用してデバイスにログインすると、Cisco Unified CallManager データベースは TFTP サーバに通知を出し、デバイス プロファイルにある回線について新規に定義されたダイヤル プラン ファイル名を SEP<mac>.cnf.xml ファイルに組み込むよう指示します。

Serviceability カウンタ

TFTP サーバには、トラブルシューティング用として Cisco Unified CallManager Serviceability のカウンタが用意されています。詳細については、『 Cisco Unified CallManager Serviceability システム ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。

デバイスによる DHCP と Cisco TFTP の使用方法の概要

シスコのテレフォニー デバイスには、手動または DHCP により IP アドレスを割り当てる必要があります。また、デバイスは、デバイス ロードとデバイス コンフィギュレーション ファイルを保存している TFTP サーバにアクセスする必要があります。

IP アドレスの取得

デバイス上で DHCP が使用可能になっている場合は、ネットワークにデバイスを接続するときに、DHCP により IP アドレスがデバイスに自動的に割り当てられます。DHCP サーバは、デバイスを TFTP サーバ(またはデバイスで使用可能な場合は、2 番目の TFTP サーバ)に誘導します。たとえば、IP ネットワーク上にある複数の Cisco Unified IP Phone を接続すると、DHCP により IP Phone に IP アドレスが自動的に割り当てられ、適切な TFTP サーバへのパスが提供されます。

デバイス上で DHCP が使用可能になっていない場合は、デバイスに IP アドレスを割り当てて、デバイス上でローカルに TFTP サーバを設定する必要があります。

デフォルトの DHCP 設定は、デバイスによって異なります。

Cisco Unified IP Phone の場合、デフォルトで DHCP が使用可能。DHCP を使用しない場合は、電話機の DHCP を使用不可にして、手動で電話機に IP アドレスを割り当てる必要があります。

Cisco Access Analog Gateway および Cisco Access Digital Gateway の場合、DHCP は常に使用可能。

Cisco Catalyst 6000 8 ポート音声 T1/E1 およびサービス モジュールの場合、Cisco Catalyst 6000 上の Network Management Processor(NMP; ネットワーク管理プロセッサ)の DHCP は、使用可能または不可の状態。DHCP が使用不可の場合は、Cisco Catalyst 6000 上で Cisco CATOS コマンドライン インターフェイスを使用して、IP アドレスを設定する必要があります。

コンフィギュレーション ファイルの要求

IP アドレスを取得した(DHCP または手動での割り当てによって)デバイスは、TFTP サーバに構成ファイルを要求します。

Cisco Unified CallManager データベースに手動で追加したデバイスの場合、デバイスはデバイス名に対応するコンフィギュレーション ファイルにアクセスします。電話機が手動で設定されておらず、自動登録が使用可能にされている場合、電話機は TFTP サーバからのデフォルト コンフィギュレーション ファイルを要求し、Cisco Unified CallManager で自動登録手順を開始します。


) 自動登録が可能なデバイスで、デフォルト コンフィギュレーション ファイルをもつデバイス タイプは、電話機に限られます。その他のデバイスはすべて、手動で Cisco Unified CallManager データベースに追加する必要があります。


電話機に XML 互換のロードがある場合、その電話機は .cnf.xml 形式のコンフィギュレーション ファイルを要求します。それ以外の場合では、.cnf ファイルを要求します。


) Build CNF Files サービス パラメータを[Build All]に設定すると、TFTP サーバによって .cnf.xml と .cnf の両形式ですべてのデバイス用のコンフィギュレーション ファイルが作成されます。このサービス パラメータを[Build None]に設定すると、.cnf.xml ファイルだけが TFTP サーバによってすべてのデバイス用に作成されます。このパラメータが[Build Selective](デフォルト値)に設定されている場合、TFTP サーバによってすべてのデバイス用の .cnf.xml ファイルが作成され、さらに .cnf.xml をサポートしないデバイスの選択リストだけに .cnf ファイルが作成されます。表10-1 は、これらのデバイスのリストを示しています。


Cisco Unified CallManager との接続

TFTP サーバからコンフィギュレーション ファイルを取得したデバイスは、コンフィギュレーション ファイルに指定されているリスト中で最も優先順位が高い Cisco Unified CallManager への TCP 接続を試みます。デバイスがデータベースに手動で追加された場合は、Cisco Unified CallManager がそのデバイスを識別します。Cisco Unified CallManager 内で自動登録が使用可能になっている場合、データベースに手動で追加されなかった電話機は、Cisco Unified CallManager データベースへの自動登録を試行します。

Cisco Unified CallManager は、.cnf 形式のコンフィギュレーション ファイルを使用するデバイスにロード ID を通知します。.xml 形式のコンフィギュレーション ファイルを使用するデバイスは、コンフィギュレーション ファイルの中でロード ID を受け取ります。デバイスのロード ID が現在デバイス上で実行されているロード ID と異なる場合、デバイスは新しいロード ID に関連したロードを TFTP に要求し、自身のリセットを行います。デバイス ロードの詳細については、「デバイスのサポート」を参照してください。

ユーザがデフォルトの呼び出し音の設定を変更した場合や、新しい呼び出し音をロードした場合、電話機はブート プロセスの実行後に呼び出し音のリストを取得します。

デバイスによる TFTP サーバへのアクセス方法の概要

デバイスのタイプに応じて、次のいずれかの方法で IP Phone とゲートウェイによる TFTP サーバ IP アドレスの取得を可能にします。

ゲートウェイおよび電話機の DHCP カスタム オプション 150 を使用する。

シスコはこの方式をお勧めします。この方式では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定しています。

ゲートウェイおよび電話機の DHCP オプション 066 を使用する。

TFTP サーバのホスト名または IP アドレスをオプション値として設定できます。

ゲートウェイおよび電話機による CiscoCM1 の照会を行う。

DNS によって、この名前を TFTP サーバの IP アドレスに変換する必要があります。このオプションは拡張性がないため、お勧めしません。

電話機に対して TFTP サーバの IP アドレスを設定する。電話機の DHCP が使用可能になっている場合でも、DHCP によって取得した TFTP アドレスを上書きする TFTP サーバの代替 IP アドレスを、電話機に対してローカルに設定できます。

ゲートウェイと電話機に DHCP オプションサーバ名(sname)パラメータを指定する。

電話機またはゲートウェイのブート プロセス(siaddr)の Next-Server の値を使用する。

デバイスは、TFTP サーバのアドレスを不揮発性メモリに保存します。前述の方式を少なくとも 1 回使用した場合は、その方式が使用できない場合でも、そのデバイスのメモリに保存されているアドレスが使用されます。

TFTP サービスは、最初のノードにも後続のノードにも設定できますが、通常は最初のノードに設定してください。小規模のシステムの場合は、同じサーバ上で TFTP サーバと Cisco Unified CallManager の共存が可能です。

デバイスによる TFTP サーバの識別方法の概要

ここでは、ゲートウェイと Cisco Unified IP Phone が TFTP サーバを識別する方法について説明します。

ゲートウェイ

ゲートウェイは、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。

1. Catalyst 6000 ゲートウェイが、ローカルに設定された TFTP サーバ アドレスを使用しています。このアドレスは、DHCP サーバから送信された TFTP アドレスを上書きします。

2. ゲートウェイが DNS 名 CiscoCM1 を照会し、DNS 名が解決されています。ゲートウェイは、常に DNS 名 CiscoCM1 の解決を試みます。この名前が解決された場合、DHCP サーバから送信された情報はすべてこの名前によって上書きされます。

TFTP サーバに CiscoCM1 という名前を付ける必要はありませんが、DNS CName レコードを入力して、CiscoCM1 を TFTP サーバのアドレスまたは名前と関連付ける必要があります。

3. ゲートウェイがブート プロセスの Next-Server の値を使用しています。TFTP サーバのアドレスには、この DHCP コンフィギュレーション パラメータが従来から使用されています。BOOTP サーバの設定時に、このフィールドは一般に TFTP サーバのアドレスとなります。

この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。IP アドレスが設定されていないときに、一部の DHCP サーバの IP アドレスがこのフィールドに入る場合があるので、使用できる場合はこのオプションを使用します。

4. ゲートウェイがサイト固有のオプション 150 を使用しています。このオプションは、一部のサーバが Next-Server コンフィギュレーション パラメータを許可しない問題を解決します。サーバによっては、IP アドレスがスタティックに割り当てられている場合にだけ Next-Server パラメータへのアクセスを許可する場合があります。

5. ゲートウェイが DHCP オプションサーバ名パラメータを使用しています。この DHCP コンフィギュレーション パラメータは、TFTP サーバのホスト名を指定します。現在、このパラメータにはホスト名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。

6. ゲートウェイが 066 オプション(ブート サーバの名前)を使用しています。オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。この名前フィールドには、ホスト名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。066 オプションと 150 オプションを一緒に使用しないでください。これらのオプションを一緒に送信すると、デバイスは 066 オプションに指定されている名前より IP アドレスを優先します。ドット付き 10 進 IP アドレスと 150 オプションを両方送信した場合、これらの優先順位はオプション リスト内での指定順序によって決まります。オプション 066 とオプション 150 は一緒に使用できないため、デバイスはオプション リストの最後にある項目を選択します。

Cisco Unified IP Phone

ゲートウェイと同様に、Cisco Unified IP Phone 7971、7970、7961、7941、7931、7911、7906、7960、および 7940(Release 8.0(4) 以降のファームウェアを使用しているもの)も、DHCP サーバから競合する情報や輻輳する情報を受信した場合、優先順位を使用して TFTP サーバのアドレスを選択します。優先順位は、TFTP サーバの指定に使用した方式に基づいて決まります(次のリストでは、方式 1 の優先順位が最高順位)。

1. Cisco Unified IP Phone が、[設定]メニューにおいて手動で設定された[代替TFTP]オプションを使用しています。[代替TFTP]オプションが IP Phone 上でローカルに[Yes]に設定されている場合、DHCP サーバから送信された TFTP アドレスはすべて、[TFTPサーバ1]と[TFTPサーバ2]の両方のアドレス値によって上書きされます。

2. [代替TFTP]オプションが[No]に設定されている場合、Cisco Unified IP Phone がオプション 150 の値を TFTP サーバ IP アドレスとして使用しています。オプション 150 の値として割り当てることができるのは、ドット付き IP アドレスだけです。最大で 2 つの IP アドレスが使用されます。受け入れられるのは、DHCP サーバから提供される最初の 2 つの IP アドレスだけです。

3. Cisco Unified IP Phone が 066 オプションを使用しています。このオプションは、TFTP サーバの名前(オプション 66 = DNS 名)またはドット付き 10 進 IP アドレス(オプション 66 = ドット付き 10 進 IP アドレス)のどちらかになります。オプション 066 は通常、オプションが過負荷状態を起こした場合に、sname(サーバ名)フィールドを置き換えます。この名前フィールドには、DNS 名またはドット付き 10 進 IP アドレスを指定できます。このオプションの値に複数のエントリを含めることはできません。

4. Cisco Unified IP Phone がブート プロセスで Next-Server IP Address の値をその TFTP サーバ IP アドレスとして使用しています。この DHCP 設定パラメータは、従来どおり、TFTP サーバのアドレスを示します。BOOTP サーバを設定するとき、このフィールドは TFTP サーバのアドレスとして参照されるのが普通です。この情報は、DHCP ヘッダーの siaddr(サーバ IP アドレス)フィールドに戻されます。

5. Cisco Unified IP Phone が DHCP オプションサーバ名(sname)パラメータを TFTP サーバ名として使用しています。この DHCP 設定パラメータは、TFTP サーバの DNS 名を表します。現在、このパラメータには DNS 名だけを設定できます。ドット付き 10 進 IP アドレスは使用しないでください。

DHCP カスタム オプション 150 の使用をお勧めします。この方式の場合、TFTP サーバのドット付き 10 進 IP アドレスは、オプション 150 の値として設定されます。DHCP サーバは、複数の値またはドット付き 10 進 IP アドレスを、オプション 150 の一部として電話機に送信できます。電話機では、[TFTPサーバ1]と[TFTPサーバ2]のエントリとして指定されるオプション 150 の値には、2 つのドット付き 10 進 IP アドレスだけがサポートされています。


) オプション 66 は文字列タイプとして定義され、オプション 150 は 32 ビットのドット付き 10 進 IP アドレスの配列として定義されます。また、[TFTPサーバ1]と[TFTPサーバ2]は 32 ビットのドット付き 10 進 IP アドレスです。


冗長または負荷分散 TFTP サーバの設定

クラスタには 1 台の TFTP サーバを設定する必要があります。ただし、冗長または負荷分散 TFTP サーバを設定することもできます。デバイス(電話機またはゲートウェイ)は、最初の TFTP サーバから応答がない場合や、サーバがビジーで Process Allocation Exceeded メッセージが返された場合(および冗長 TFTP サーバが設定されている場合)は、2 番目の TFTP サーバに接続しようとします。2 番目の TFTP サーバは、DHCP スコープのオプション 150 で設定します。

すべてのコンフィギュレーション ファイルを再作成中の TFTP サーバが、要求元のデバイスに Disk Full メッセージを返した場合、そのデバイスは 2 番目の TFTP サーバには接続しようとしません。代わりに、しばらく待ってから、Disk Full メッセージを返した最初の TFTP サーバへの接続を再試行します。

代替シスコ ファイル サーバ

クラスタが複数存在する場合や、複数の DHCP スコープに対して 1 台だけサーバを設定する場合、あるいは DHCP スコープが 1 つ必要な場合、代替シスコ ファイル サーバを指定できます。Cisco TFTP サービス パラメータの[Alternate Cisco File Server]フィールドに値を入力することによって、最大 10 個の代替サーバを指定できます。サービス パラメータの詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」の章を参照してください。

次の構文例のどちらも使用できます。

host://<クラスタ外の TFTP サーバの IP>(たとえば、host://10.10.134.24)

HOST://<クラスタ外の TFTP サーバの IP>(たとえば、HOST://10.10.134.24)

DNS もサポートされている場合は、次の構文例のいずれかも使用できます。

host://<クラスタ外の TFTP サーバの名前>(たとえば、host://tftp-prim)

HOST://<クラスタ外の TFTP サーバの名前>(たとえば、HOST://tftp-second)

その他の構文は使用できません。

プライマリ TFTP サーバには、Cisco Unified CallManager 外部クラスタ用に Alternate Cisco File Server(1 ~ 10)の値を設定する必要があります。プライマリ TFTP サーバは、外部クラスタ内の電話機およびデバイスに対してこれらのサーバからコンフィギュレーション ファイルを提供します。ループを避けるために、外部クラスタ上の TFTP サーバがお互いを指していないことを確認してください。

複数クラスタ環境での集中 TFTP

集中 TFTP は、1 つの地域またはサイト固有の環境(大規模キャンパスなど)で、複数の Cisco Unified CallManager クラスタをサポートします。集中 TFTP を使用すると、管理者がデバイスの IP 設定(DHCP、VLAN/DHCP など)を再設定する必要なく、デバイス(電話機やゲートウェイ)を建物間などで移動できます。

別の例として、複数の T1 が同じ境界ポイントで終端しているが、複数のクラスタに分散されている場合、管理者は、該当するクラスタで T1 を設定し、TFTP 要求をマスター TFTP サーバに誘導するように DHCP スコープを設定するだけで済みます。集中 TFTP ソリューションは、適切なクラスタ固有の情報を個々の T1 に提供します。

また、集中 TFTP は、異なるオペレーティング システムを実行している複数のクラスタをサポートします。どのクラスタに登録および設定されたデバイスでも、単一の TFTP サーバ(マスター TFTP サーバ)を使用して、そのサーバからクラスタ固有のファイルを受け取ることができます。ここでは、Cisco Unified CallManager マルチクラスタ環境での集中 TFTP の機能について説明します。

「マスター TFTP サーバ」

「マスター TFTP サーバへのファイルの送信」

「セキュアなクラスタでの集中 TFTP」

「集中 TFTP の設定のヒント」

マスター TFTP サーバ

各クラスタには、少なくとも 1 台の TFTP サーバが必要です。TFTP サーバの主要機能は、エンドポイントのコンフィギュレーション ファイルを作成し、すべてのファイル(コンフィギュレーション、セキュリティ、ファームウェアなど)をエンドポイントに提供することです。

集中 TFTP 環境において、マスター TFTP サーバとは、単一の TFTP サーバに適用される名前です。このサーバは、すべての Cisco Unified CallManager クラスタからすべてのファイル(セキュリティ、ファームウェア、コンフィギュレーション ファイルなど)を提供するように指定されます。これを指定するには、ハードコードによって、またはエンドポイントでの DHCP 設定によって、すべての要求がマスター TFTP サーバに送信されるように設定するだけです。

マスター TFTP サーバは、要求されたファイルがローカル キャッシュで見つからない場合、設定済みの各 Alternate Cisco File Server サービス パラメータについて順次検索を開始します。これらのクラスタ外のロケーションのいずれかでファイルが見つかった場合、ファイルは HTTP 経由でマスター TFTP サーバに送信されます。次に、マスター TFTP サーバはファイルを TFTP 経由でエンドポイントに送信します。代替ファイル サーバが応答せず、設定された時間内に応答を受信しなかった場合、要求は最終的にタイムアウトします。その後、マスター TFTP サーバは、タイムアウトしたことをエンドポイントに通知します。

マスター TFTP サーバは、最も多くのデバイスが設定されているクラスタに割り当てることを強くお勧めします。このように設定すると、一般に、TFTP サーバのキャッシュでファイルが見つかる確率が最も高くなるため、クラスタ外検索の回数が削減されます。

マスター TFTP サーバへのファイルの送信

クラスタ外の TFTP サーバは、マスター TFTP サーバから要求を受信すると、そのファイルを検索し、見つかった場合は、要求されたファイルを HTTP を使用してマスター TFTP サーバへ返送します。次に、マスター TFTP サーバは TFTP を使用して、要求されたファイルを要求元のデバイスに送信します。クラスタ外 TFTP サーバは、要求されたファイルを保持していない場合は、マスター TFTP サーバへの応答として File Not Found(HTTP エラー 404)を送信します。マスター TFTP サーバは、次のクラスタ外 TFTP サーバで処理を続行します。この処理は、ファイルが見つかるか、または残りのオプションが存在しなくなるまで継続されます。

クラスタ外サーバがビジーの場合、そのサーバは HTTP エラー 503 をマスター TFTP サーバに送信します。この場合、マスター TFTP サーバは、しばらく待ってから再び要求を試みます。このメッセージも、要求の起点であるエンドポイント デバイスへ送信されます。

セキュアなクラスタでの集中 TFTP

混合モードで動作している、クラスタ外のサーバはすべて、マスター TFTP サーバまたはマスター TFTP サーバの IP アドレスをクラスタ外の CTL ファイルに追加する必要があります(この更新された CTL ファイルがないと、電話機がセキュリティの有効なクラスタに登録して、コンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとしても失敗します)。CTL ファイルの更新後、サーバがセキュアなマルチクラスタ集中 TFTP ネットワークに参加できるように、サーバを再起動します。

TFTP サーバの CTL ファイルを更新するには、Cisco Unified CallManager の管理ページから [アプリケーション] > [プラグイン] を使用して CTL Client プラグインをダウンロードします。CTL クライアントの詳細、および TFTP にセキュリティを設定する方法については、『 Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド 』を参照してください。

集中 TFTP の設定のヒント

集中 TFTP 環境を設定するときに注意すべきヒントを次に示します。

Alternate Cisco File Server の値は、マスター TFTP サーバだけに設定します。

すべてのクラスタ外 TFTP サーバに Alternate Cisco File Server の値が設定されていないことを確認します。TFTP サービスの設定方法については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」を参照してください。

Cisco TFTP サーバの[サービス パラメータ設定(Service Parameters Configuration)]ウィンドウで、1 ~ 10 の Alternate Cisco File Server を設定できます。Alternate Cisco File Server 1 に空のパラメータ値が含まれている場合、TFTP は代替サーバの検索を停止します。たとえば、Alternate Cisco File Server 2 ~ Alternate Cisco File Server 10 が設定されており、Alternate Cisco File Server 1 が空で、TFTP がサーバを検索する場合、TFTP は Alternate Cisco File Server 2 ~ Alternate Cisco File Server 10 を検索しません。

マスター TFTP サーバが設定されているクラスタ以外の Cisco Unified CallManager で電話機が設定され、自動登録が有効にされている場合、クラスタ外の Cisco Unified CallManager がダウンし、電話機が集中 TFTP サーバから要求を送信するよう設定されていると、電話機が誤って中央の Cisco Unified CallManager に自動登録されることがあります。したがって、自動登録を無効にしていない場合は、無効にしてください。または、誤って登録された電話機が属するクラスタが稼働していることを確認した後、その電話機を削除してください。

コンフィギュレーション ファイルのカスタマイズと変更

カスタマイズしたファイルを追加できます(呼び出し音、コールバック音、電話機の背景など)。カスタム ファイルの実装方法や対応するシステム コンフィギュレーション ファイルの変更方法については、『 Cisco Unified Communications Operating System アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。クラスタ内に 2 台の TFTP サーバが存在する場合は、カスタマイズしたファイルが両方の TFTP サーバ上に配置されていることを確認します。

TFTP 設定チェックリスト

表10-3 は、Cisco TFTP サービスの設定に必要な手順を示しています。

 

表10-3 TFTP 設定チェックリスト

設定ステップ
手順および関連項目

ステップ 1

適切なサーバで Cisco TFTP サービスを有効にして開始します。

Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド

ステップ 2

必要に応じて、Alternate Cisco File Server パラメータなどサービス パラメータを適切に設定します。

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」

ステップ 3

コンフィギュレーション以外のファイル(ロード ファイルや RingList.xml など)を変更する場合は、Cisco TFTP サービスを開始した後で停止します。


) ファイルを[Cisco IPT Platform Administration]から TFTP ディレクトリにアップロードする必要があります。詳細については、『Cisco Unified
Communications Operating System アドミニストレーション ガイド
』を参照してください。


Cisco Unified CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」

参考情報

関連項目

「SIP ダイヤル規則」

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「DHCP サブネットの設定」

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「DHCP サーバの設定」

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP のダイヤル規則設定」

Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」

Cisco Unified Communications Operating System アドミニストレーション ガイド