Cisco CallManager Express 3.2 システム アドミニストレータ ガイド
付録 A:ループバック コール ルーティ ングの設定
付録 A:ループバック コール ルーティングの設定
発行日;2012/01/08 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

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付録 A:ループバック コール ルーティングの設定

目次

ループバック コール ルーティングについて

ループバック コール ルーティングの設定

付録 A:ループバック コール ルーティングの設定

Cisco CallManager Express(Cisco CME)システムでサポートしているループバック コール ルーティングは、loopback-dn と呼ばれるメカニズムを介して提供されています。このメカニズムにより、バックツーバックで相互に接続して音声コール用のループバック コール ルーティング パスを提供する物理音声ポートのソフトウェアベースの限定的なエミュレーションが実現します。


) 「Cisco IOS Voice Configuration Library」全体(ライブラリの前書きと用語集、他の機能に関する資料、トラブルシューティングに関する資料を含む)には、
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios123/123cgcr/vcl.htm からアクセスできます。


ループバック コール ルーティングについて

ループバック コール ルーティングおよび loopback-dn の主な使用目的は、コール転送および自動転送の補足サービス要求がループバックを通過するのを制限することです。loopback-dn のメカニズムは、これらの要求の通過を許可せずに、ローカルで処理しようとします。この試行により、外部デバイスでコール転送または自動転送(シスコ独自の、または H.450 ベースのもの)がサポートされていないコール パスで loopback-dn 設定が使用されます。コール転送または自動転送を要求する制御メッセージは、ループバック仮想ポートで代行受信され、ローカルの音声ゲートウェイでサービスされます。必要に応じて、このメカニズムにより、VoIP 対 VoIP のコール ルーティング パスが作成されます。

ループバック コール ルーティングは、Cisco Unity Express への H.323 コールで使用される場合があります。ループバック コール ルーティングを使用して Cisco CME と Cisco Unity Express とを統合する方法については、『 Integrating Cisco CallManager Express with Cisco Unity Express
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/access/ip_ph/ip_ks/cmeinter/cue_cme1.htm )を参照してください。Cisco Unity Express の設定については、 Cisco Unity Express のマニュアル一覧
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/unityexp/index.htm )を参照してください。


) VoIP ネットワークでの loopback-dn 設定の使用は、他の手段では解決できないネットワーク相互運用性サービスの重大な問題を解決することだけに制限する必要があります。Loopback-dn 設定は、バックツーバックで相互に接続された物理音声ポートを使用する以外に手段がない VoIP ネットワーク インターワーキング環境で使用するためのものです。Loopback-dn 設定は、物理的な音声ポート ハードウェアに負担を与えずに、バックツーバックの物理音声ポート配置による効果をエミュレートします。loopback-dn 設定には Digital Signal Processor(DSP; デジタル信号プロセッサ)が含まれていないため、loopback-dn 設定では、異なる音声コーデックを使用するコール間のインターワーキングまたは変換をサポートしていません。VoIP ネットワーク インターワーキングの問題を解決する場合は、できる限り DSP を含むバックツーバック物理音声ポートを使用することをお勧めします。DSP を含むバックツーバック物理音声ポートを使用する方が、コーデックやコール フローのサポートに関して制約が少ないためです。また、loopback-dn では、T.38 ファックス リレーはサポートしていません。


ループバック コール ルーティングの設定

ループバック コール ルーティングには 2 つの内線(ephone-dn)が必要です。それぞれの内線は、次に説明する作業を実行して loopback-dn ペアの一方として個別に設定します。loopback-dn ペアを定義することに加えて、プリファレンス、ハントストップ、Class of Restriction(COR; 制限クラス)、および変換規則を指定する必要があります。

要約手順

1. ephone-dn dn-tag

2. number number [ secondary number ] [ no-reg [ both | primary ]]

3. caller-id { local | passthrough }

4. no huntstop

5. preference preference-order [ secondary secondary-order ]

6. cor { incoming | outgoing } cor-list-name

7. translate { called | calling } translation-rule-tag

8. loopback-dn dn-tag [ forward number-of-digits | strip number-of-digits ] [ prefix prefix-digit-string ] [ suffix suffix-digit-string ] [ retry seconds ] [ auto-con ] [ codec { g711alaw | g711ulaw }]

9. exit

10. もう 1 つの ephone-dn に対しても手順 1 ~ 8 を繰り返し、loopback-dn ペアを作成します。

詳細手順

 

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

ephone-dn dn-tag

 

Router(config)# ephone-dn 15

ephone-dn 設定モードを開始し、ephone-dn を作成します。オプションで、ephone-dn に二重回線ステータスを割り当てます。

dn-tag :この ephone-dn を設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。値の範囲は、プラットフォームやバージョンによって異なります。詳細については、Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)のヘルプを参照してください。


) ループバックに使用する ephone-dn は、二重回線 ephone-dn にはできません。


 

ステップ 2

number number [ secondary number ] [ no-reg [ both | primary ]]

 

Router(config-ephone-dn)# number 2001

この内線(ephone-dn)に番号を関連付けます。

number :この ephone-dn に関連付ける電話番号または内線番号を表す最大 16 桁の数字列。

secondary :(オプション)2 つ目の電話番号を
ephone-dn と関連付けることができます。

no-reg :(オプション)この番号を H.323 ゲートキーパーに登録しないことを指定します。 no-reg キーワードは、セカンダリ番号だけを登録しないことを示すものです。 no-reg both キーワードは、プライマリ番号とセカンダリ番号のいずれも登録しないことを示し、 no-reg primary キーワードは、プライマリ番号だけを登録しないことを示します。

ステップ 3

caller-id { local | passthrough }

 

Router(config-ephone-dn)# caller-id local

ephone-dn からの発信コールの発信者 ID の処理を指定します。このコマンドを使用しない場合のデフォルトの動作は、次のとおりです。転送されたコールの場合、発信者 ID は、loopback-dn の発信側の番号フィールドと名前
フィールドによって提供されます。自動転送されたコールの場合、発信者 ID は、着信コールの元の発信者 ID によって提供されます。発信側の caller-id block コマンドおよび変換規則の設定が実行されます。

local :リダイレクトされたコールのローカル発信者 ID を渡します。こちらのキーワードを使用することをお勧めします。

passthrough :リダイレクトされたコールの元の発信者 ID を渡します。

ステップ 4

no huntstop

 

Router(config-ephone-dn)# no huntstop

ハントストップを無効にし、内線(ephone-dn)に対してコール ハント動作を許可します。

ステップ 5

preference preference-order [ secondary secondary-order ]

 

Router(config-ephone-dn)# preference 1

内線(ephone-dn)のダイヤルピア プリファレンスを設定します。

preference-order :内線(ephone-dn)に関連付けられているプライマリ番号のプリファレンス値。値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。デフォルトは 0 です。

secondary secondary-order :(オプション)ephone-dn に関連付けられているセカンダリ番号のプリファレンス値。値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。デフォルトは 9 です。

ステップ 6

cor { incoming | outgoing } cor-list-name

 

Router(config-ephone-dn)# cor incoming corlist1

内線に関連付けられているダイヤルピアに COR を適用します。COR は、どの着信ダイヤルピアがどの発信ダイヤルピアを使用してコールを発信するかを指定するものです。各ダイヤルピアは、着信および発信の COR リストでプロビジョニングできます。

COR の詳細については、『 Cisco IOS Voice, Video, and Fax
Configuration Guide
』で、「 Configuring Dial Plans, Dial Peers, and Digit Manipulation」の章の「Configuring Dial Peer
Matching Features」の項を参照してください。

ステップ 7

translate { called | calling } translation-rule-tag

 

Router(config-ephone-dn)# translate called 1

既存の変換規則を選択し、発信番号または着信番号にその変換規則を適用します。このコマンドにより、ダイヤル プランの一環として番号の操作が可能になり、重複する番号付け方式や非連続の番号付け方式を管理できます。

called :着信番号を変換します。

calling :発信番号を変換します。

translation-rule-tag :定義済み変換規則の固有のシーケンス番号。値の範囲は 1 ~ 2147483647 です。


) このコマンドを使用するには、voice translation-
rule
コマンドおよび rule コマンドを使用してあらかじめ定義した適切な変換規則が必要です。


 

ステップ 8

loopback-dn dn-tag [ forward number-of-digits | strip number-of-digits ] [ prefix prefix-digit-string ] [ suffix suffix-digit-string ] [ retry seconds ] [ auto-con ] [ codec { g711alaw | g711ulaw }]

 

Router(config-ephone-dn)# loopback-dn 24 forward 15 prefix 415353....

シスコ独自のコール転送および自動転送のメカニズムをサポートしていない VoIP エンドポイント用のヘアピン コール ルーティングを使用して、H.323 VoIP コール転送および自動転送を有効にします。

dn-tag :現在設定中の ephone-dn を使用するループバック用にペアにした ephone-dn の識別に使用される固有のシーケンス番号。この ephone-dn ペアは、システムで定義済みのものである必要があります。

forward number-of-digits :(オプション)元の着信番号の数字のうち、loopback-dn ペアのもう一方の ephone-dn に転送される桁数。値の範囲は 1 ~ 32 です。デフォルトではすべての数字が転送されます。

strip number-of-digits :(オプション)元の着信番号の数字のうち、loopback-dn ペアのもう一方の ephone-dn に転送される前に除去される先頭番号の桁数。値の範囲は 1 ~ 32 です。デフォルトでは、数字は何も除去されません。

prefix prefix-digit-string :(オプション)転送される着信番号の先頭に追加する数字列を定義します。最大数は 32 です。デフォルトでは、プレフィックスは定義されていません。

suffix suffix-digit-string :(オプション)転送される着信番号の末尾に追加する数字列を定義します。最大数は 32 です。デフォルトでは、サフィックスは定義されていません。シャープ記号(#)で始まるサフィックスを追加する場合は、引用符で囲む必要があります。

retry seconds :(オプション)ループバック ターゲットがビジーまたは使用不可の場合に再試行まで待機する秒数。値の範囲は 0 ~ 32767 です。デフォルトでは再試行は無効になっており、適切なコール プログレス トーンがコール発信者に渡されます。

auto-con :(オプション)遠端の宛先からの応答を待機中に、コールにただちに接続し、インバンド アラートを出します。デフォルトでは、自動接続は無効になっています。

codec :(オプション)G.711 A-law または G.711 mu-law の音声コーディング タイプを loopback-dn を介して渡されたコールに使用することを明示的に指示します。このように指示することにより、このコールのためにネゴシエートされた G.711 コーディング タイプは無効になり、必要に応じて mu-law から A-law への変換が行われます。デフォルトでは、このコールのためにネゴシエートされた G.711 コーディング タイプが考慮されることなく、Real-Time Transport Protocol(RTP)音声パケットが loopback-dn を介して渡されます。

g711alaw: G.711 A-law。64000 ビット/秒、T1 用。

g711ulaw: G.711 mu-law。64000 ビット/秒、E1 用。

ステップ 9

exit

 

Router(config-ephone-dn)# exit

ephone-dn 設定モードを終了します。

ステップ 10

もう 1 つの ephone-dn に対しても手順 1 ~ 8 を繰り返し、loopback-dn ペアを作成します。

次の例では、ephone-dn 15 と ephone-dn 16 を使用し、loopback-dn ペアを作成します。

ephone-dn 15
number 6...
loopback-dn 16 forward 4 prefix 415767
caller-id local
no huntstop
!
!
ephone-dn 16
number 4085552...
loopback-dn 15 forward 4
caller-id local
no huntstop
!