技術的な詳細情報
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物理仕様および動作環境仕様

次の表は、Cisco IP Phone 8841、8851、8861 の物理仕様および動作環境仕様を示します。

表 1 物理仕様および動作環境仕様

仕様

値または範囲

動作温度

32 ~ 104°F(0 ~ 40°C)

動作時の相対湿度

動作時:10 ~ 90 %(結露なし)

非動作時:10 ~ 95%(結露なし)

保管温度

14 ~ 140°F(–10 ~ 60°C)

高さ

9.02 インチ (229.1 mm)

10.13 インチ (257.34 mm)

奥行

1.57 インチ (40 mm)

重量

2.62 ポンド(1.19 kg)

電源

AC アダプタ使用時:100 ~ 240 VAC、50 ~ 60 Hz、0.5 A

ネットワーク ケーブル経由のインライン電源使用時:48 VDC、0.2 A

ケーブル

10-Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 3/5/5e/6 を 4 ペア

100-Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 5/5e/6 を 4 ペア

1000-Mbps ケーブルの場合はカテゴリ 5e/6 を 4 ペア

(注)     

ケーブルは、合計 8 本のコンダクタに対して 4 ペアのワイヤで構成されています。

距離要件

イーサネット仕様でサポートされているとおり、各 Cisco IP Phone とスイッチ間のケーブル長は最大 330 フィート(100 m)とします。

ケーブル仕様

次の情報は、ケーブル仕様の一覧です。

  • ハンドセットおよびヘッドセット接続用の RJ-9 ジャック(4 コンダクタ)。
  • LAN 10/100/1000BaseT 接続(Cisco IP Phone 8841、8851、8861 の 10/100/1000 ネットワーク ポート)用の RJ-45 ジャック
  • 2 つ目の 10/100/1000BaseT 準拠接続(Cisco IP Phone 8841、8851、8861 の 10/100/1000 コンピュータ ポート)用の RJ-45 ジャック
  • スピーカー接続用の 3.5 mm ジャック
  • 48 ボルト電源コネクタ

ネットワーク ポートとコンピュータ ポートのピン割り当て

ネットワーク ポートとコンピュータ(アクセス)ポートはいずれもネットワーク接続に使用されますが、それぞれ異なる目的で使用され、ポートのピン割り当ても異なっています。

  • ネットワーク ポートは、Cisco IP Phone 上の 10/100/1000 SW ポートです。
  • コンピュータ(アクセス)ポートは、Cisco Unified IP Phone 上の 10/100/1000 PC ポートです。

ネットワーク ポート コネクタ

次の表に、ネットワーク ポート コネクタのピン割り当てを示します。

表 2 ネットワーク ポート コネクタのピン割り当て

PIN 番号

機能

1

BI_DA+

2

BI_DA-

3

BI_DB+

4

BI_DC+

5

BI_DC-

6

BI_DB-

7

BI_DD+

8

BI_DD-

(注)     

BI は双方向を表し、DA、DB、DC、および DD はそれぞれ、データ A、データ B、データ C、およびデータ D を表します。

コンピュータ ポート コネクタ

次の表に、コンピュータ ポート コネクタのピン割り当てを示します。

表 3 コンピュータ(アクセス)ポート コネクタのピン割り当て

PIN 番号

機能

1

BI_DB+

2

BI_DB-

3

BI_DA+

4

BI_DD+

5

BI_DD-

6

BI_DA-

7

BI_DC+

8

BI_DC-

(注)     

BI は双方向を表し、DA、DB、DC、および DD はそれぞれ、データ A、データ B、データ C、およびデータ D を表します。

電話機の所要電力

Cisco IP Phone 8841、8851、8861 には、外部電源または Power over Ethernet(PoE)で電力を供給できます。 外部電源は個別の電源装置によって提供されます。 スイッチは電話機のイーサネット ケーブル経由で PoE を提供できます。


(注)  


外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。 外部電源から電力が供給されている電話機を取り外す場合は、電源装置を取り外す前に、イーサネット ケーブルを電話機から取り外してください。


次の表に、Cisco IP Phone 8841、8851、8861 の電源に関するガイドラインを示します。

表 4 Cisco IP Phone 8841、8851、8861 の電源に関するガイドライン

電源の種類

ガイドライン

外部電源:CP-PWR-CUBE-4 外部電源を通じて電力を供給

Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は、CP-PWR-CUBE-4 電源を使用します。

外部電源:Cisco IP Phone パワー インジェクタを通じて電力を供給。

Cisco IP Phone パワー インジェクタは、どの Cisco IP Phone にも使用できます。 インジェクタは、ミッドスパン デバイスとして機能し、接続されている電話機にインラインパワーを供給します。 Cisco IP Phone パワー インジェクタは、スイッチ ポートと IP Phone 間に接続されます。また、通電していないスイッチと IP Phone 間で最大 100 m のケーブル長をサポートします。

PoE 電源:イーサネット ケーブルを介して電話機に接続されているスイッチを通じて電力を供給。

Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は、IEEE 802.3af Class 1 の電力供給(シグナル ペアおよびスペア ペア)をサポートしています。

Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は、外部アドオン デバイス対応の IEEE 802.3af をサポートしています。

電話機を無停電で運用するには、スイッチがバックアップ電源を備えている必要があります。

スイッチ上で実行されている CatOS または IOS のバージョンが、予定している電話機配置をサポートしていることを確認します。 オペレーティング システムのバージョンに関する情報については、スイッチのマニュアルを参照してください。

802.3at のサポート:Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は、802.3at スイッチのサポートがある場合に限り、IEEE 802.3af よりも強力なパワーを引き出すことができます。

Cisco IP Phone 8800 キー拡張モジュール の電力要件の詳細については、KEM 電源情報を参照してください。

次の表にあるドキュメントは、次のトピックに関する詳細情報を提供します。

  • Cisco IP Phone と連携する Cisco スイッチ
  • 双方向電力ネゴシエーションをサポートしている Cisco IOS リリース
  • 電力に関するその他の要件および制限事項

停電

停電や他のデバイスが Cisco IP Phone に影響することがあります。

電話機を経由して緊急サービスにアクセスするには、その電話機が電力を受信する必要があります。 停電が発生した場合は、電源が復旧するまで、利用および緊急コール サービス ダイヤルは機能しません。 電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、利用および緊急コール サービスへのダイヤルを行う必要があります。

電力削減

省電力モードまたは EnergyWise(Power Save Plus)モードを使用して、Cisco IP Phone が消費する電力を削減できます。

電力節約

省電力モードでは、電話機を使用していない間、スクリーンのバックライトが消灯します。 電話機は、ユーザがハンドセットを持ち上げるか、任意のボタンを押さない限り、スケジュールされた期間にわたって、電力節約モードのままになります。

省電力設定は、電話機ごとに有効または無効に設定します。 スケジュールに従ってバックライトを薄暗くするように電話機を設定できます。

Power Save Plus(EnergyWise)

Cisco IP Phone は Cisco EnergyWise(Power Save Plus)モードをサポートします。 ネットワークに EnergyWise(EW)コントローラが含まれている場合(たとえば、Cisco スイッチで EnergyWise 機能が有効になっている場合)、これらの電話機をスケジュールに基づいてスリープ状態(電源オフ)およびウェイク状態(電源オン)になるように設定して、電力消費をさらに抑えることができます。

EnergyWise は、電話機ごとに有効または無効に設定します。 EnergyWise を有効にした場合は、他のパラメータとともに、スリープと復帰の時刻を設定します。 これらのパラメータは、電話機設定 XML ファイルの一部として電話機へ送信されます。

LLDP での電力ネゴシエーション

電話機とスイッチは、電話機で消費する電力のネゴシエーションを行います。 Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は、複数の電源構成で実行され、使用可能な電力が少ない場合、電力消費量を削減します。

電話機のリブートの後、スイッチは電力ネゴシエーションの 1 つのプロトコル(CDP または LLDP)にロックされます。 スイッチは、電話機が送信した最初のプロトコル(電力の [しきい値限度値(TLV)(Threshold Limit Value (TLV))] を含む)にロックされます。 システム管理者が電話機上でそのプロトコルを無効にすると、スイッチがもう一方のプロトコルでの電力要求に対して応答しないため、電話機がアクセサリの電源を投入できなくなります。

電力ネゴシエーションをサポートしているスイッチに接続する場合は、常に電力ネゴシエーションを有効にすることを推奨します(デフォルト)。

無効にした場合、スイッチが電話機に対して電力を供給しない可能性があります。 スイッチが電力ネゴシエーションをサポートしていない場合は、アクセサリの電源を PoE+ で投入する前に、電力ネゴシエーション機能を無効にします。 電力ネゴシエーション機能を無効にすると、電話機は IEEE 802.3af-2003 規格で許容されている最大値まで、アクセサリに電源を供給できます。


(注)  


CDP および電力ネゴシエーション機能を無効にすると、電話機は 15.4 W までアクセサリに電力を供給できます。


ネットワーク プロトコル

Cisco IP Phone は、音声通信に必要ないくつかの業界標準ネットワーク プロトコルとシスコ ネットワーク プロトコルをサポートしています。 次の表は、Cisco IP Phone 8841、8851 および 8861 でサポートされているネットワーク プロトコルの概要を示しています。

表 5 Cisco IP Phone でサポートされているネットワーク プロトコル

ネットワーク プロトコル

目的

使用上の注意

Bluetooth

Bluetooth は、短距離におけるデバイスの通信方法を指定する Wireless Personal Area Network(WPAN)プロトコルです。

Cisco IP Phone 8851 および 8861 は、Bluetooth 4.0 をサポートします。

ブートストラップ プロトコル(BootP)

BootP は、特定の起動情報(自身の IP アドレスなど)を Cisco IP Phone などのネットワーク デバイスが検出できるようにするものです。

Cisco Audio Session Tunnel(CAST)

CAST プロトコルを使用すると、Cisco IP Phone およびその関連アプリケーションでリモート IP Phone を検出し、その IP Phone と通信することができます。その際、Cisco Unified Communications Manager(CM)やゲートウェイなどの従来のシグナリング コンポーネントに変更を加える必要はありません。

Cisco IP Phone は CAST を CUVA と Cisco Unified CM の間のインターフェイスとして使用し、Cisco IP Phone を SIP プロキシとして使用します。

Cisco Discovery Protocol(CDP)

CDP は、シスコの製造するすべての装置で動作するデバイス検出プロトコルです。

デバイスは、CDP を使用して自身の存在をネットワーク内の他のデバイスにアドバタイズし、他のデバイスの情報を受信することができます。

Cisco IP Phone では、補助 VLAN ID、ポートごとの電源管理の詳細情報、Quality of Service(QoS)設定情報などの情報を、CDP を使用して Cisco Catalyst スイッチとやり取りしています。

Cisco Peer-to-Peer Distribution Protocol(CPPDP)

CPPDP は、デバイスのピアツーピア階層を形成するために使用するシスコ独自のプロトコルです。 この階層はピア デバイスからネイバー デバイスにファームウェア ファイルを配布するために使用されます。

CPPDP は、ピア ファームウェア共有機能で使用されます。

ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)

DHCP は、IP アドレスを動的に確保して、ネットワーク デバイスに割り当てるものです。

DHCP を使用すると、IP 電話機をネットワークに接続すれば、その電話機が機能するようになります。IP アドレスを手動で割り当てたり、ネットワーク パラメータを別途設定したりする必要はありません。

DHCP は、デフォルトで有効になっています。 無効にした場合は、個々の電話機がある場所で、IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ、および TFTP サーバを手動で設定する必要があります。

シスコでは、DHCP のカスタム オプション 150 を使用することを推奨します。 この方法では、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定します。 サポートされているその他の DHCP 設定については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Dynamic Host Configuration Protocol」と「Cisco TFTP」の章を参照してください。

(注)     

オプション 150 を使用できない場合、DHCP オプション 66 の使用を試みることができます。

ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)

HTTP は、インターネットや Web 経由で情報を転送し、ドキュメントを移送するための標準的な手段です。

Cisco IP Phone では、XML サービスおよびトラブルシューティングに HTTP を使用します。

Hypertext Transfer Protocol Secure(HTTPS)

Hypertext Transfer Protocol Secure(HTTPS)は、サーバの暗号化とセキュアな ID を確保できるように、ハイパーテキスト転送プロトコルと SSL/TLS プロトコルを組み合わせたものです。

HTTP と HTTPS の両方をサポートする Web アプリケーションには 2 つの URL が設定されています。 HTTPS をサポートする Cisco IP Phone は、HTTPS URL を選択します。

IEEE 802.1X

IEEE 802.1X 標準は、クライアント/サーバベースのアクセス コントロールと認証プロトコルを定義します。これにより、未承認のクライアントが一般にアクセス可能なポートから LAN に接続するのを制限します。

クライアントが認証されるまでは、802.1X アクセス コントロールによって、クライアントが接続されているポートを経由する Extensible Authentication Protocol over LAN(EAPOL)トラフィックのみが許可されます。 認証が完了すると、標準トラフィックがポートを通過できます。

Cisco IP Phone では、EAP-FAST および EAP-TLS 認証方式をサポートすることによって、IEEE 802.1X 標準が実装されています。

電話機で 802.1X 認証が有効になっている場合、PC ポートとボイス VLAN を無効にする必要があります。

IEEE 802.11n/802.11ac

IEEE 802.11 標準は、ワイヤレス ローカル エリア ネットワーク(WLAN)におけるデバイスの通信方法を指定します。

802.11n は 2.4 GHz 帯域と 5 GHz 帯域で動作し、802.11ac は 5 GHz 帯域で動作します。

802.11 インターフェイスは、イーサネットのケーブル接続が利用できないか望ましくない場合の展開オプションです。

インターネット プロトコル(IP)

IP は、パケットの宛先アドレスを指定し、ネットワーク経由で送信するメッセージング プロトコルです。

IP を使用して通信するには、ネットワーク デバイスに対して、IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイが割り当てられている必要があります。

IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイの識別情報は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)を通じて Cisco IP Phone を使用する場合は、自動的に割り当てられます。 DHCP を使用しない場合は、個々の電話機がある場所で、これらのプロパティを手動で割り当てる必要があります。

Cisco IP Phone は、IPv6 アドレスをサポートしています。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Features and Services Guide』の「Internet Protocol Version 6 (IPv6)」の章を参照してください。

Link Layer Discovery Protocol(LLDP)

LLDP は、CDP と同様の標準化されたネットワーク検出プロトコルで、一部のシスコ デバイスとサードパーティ製デバイスでサポートされています。

Cisco IP Phone は、PC ポートで LLDP をサポートします。

Link Layer Discovery Protocol-Media Endpoint Devices(LLDP-MED)

LLDP-MED は、音声製品用 LLDP 標準の拡張です。

Cisco IP Phone は、次のような情報をやり取りするために、SW ポートで LLDP-MED をサポートします。

  • ボイス VLAN の設定
  • デバイスの検出
  • 電源管理
  • インベントリ管理

LLDP-MED サポートの詳細については、LLDP-MED および『Cisco Discovery Protocol』ホワイト ペーパーを参照してください。

http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​tech/​tk652/​tk701/​technologies_​white_​paper0900aecd804cd46d.shtml

リアルタイム転送プロトコル(RTP)

RTP は、インタラクティブな音声のようなリアルタイム データをデータ ネットワーク経由で転送するための標準プロトコルです。

Cisco IP Phone では、RTP プロトコルを使用して、リアルタイム音声トラフィックを他の電話機やゲートウェイとやり取りします。

リアルタイム制御プロトコル(RTCP)

RTCP は RTP と連動して、RTP ストリーム上で QoS データ(ジッター、遅延、ラウンドトリップ遅延など)を伝送します。

RTCP はデフォルトで有効になっています。

セッション記述プロトコル(SDP)

SDP は SIP プロトコルの一部であり、2 つのエンドポイント間で接続が確立されている間に、どのパラメータを使用できるかを決定します。 会議は、会議に参加するすべてのエンドポイントがサポートする SDP 機能だけを使用して確立されます。

コーデック タイプ、DTMF 検出、コンフォート ノイズなどの SDP 機能は、通常は運用中の Cisco Unified Communications Manager またはメディア ゲートウェイでグローバルに設定されています。 SIP エンドポイントの中には、これらのパラメータをエンドポイント上で設定できるものがあります。

Session Initiation Protocol(SIP)

SIP は、IP を介したマルチメディア会議のためのインターネット技術特別調査委員会(IETF)標準です。 SIP は、アプリケーション層の ASCII ベースの制御プロトコルであり(RFC 3261 で規定)、2 つ以上のエンドポイント間でコールを確立、維持、および終了するために使用できます。

他の VoIP プロトコルと同様に、SIP はシグナリングとセッション管理の機能をパケット テレフォニー ネットワークの内部で処理します。 シグナリングによって、ネットワーク境界を越えてコール情報を伝送することが可能になります。 セッション管理とは、エンドツーエンド コールの属性を制御する機能を提供することです。

Cisco IP Phone は、電話機が IPv6 アドレス モード、IPv4 アドレス モード、またはデュアルスタック モードで実行されているときに SIP プロトコルをサポートします。

伝送制御プロトコル(TCP)

TCP は、コネクション型の転送プロトコルです。

Cisco IP Phone では、Cisco Unified Communications Manager への接続、および XML サービスへのアクセスに TCP を使用します。

トランスポート レイヤ セキュリティ(TLS)

TLS は、通信のセキュリティ保護と認証に使用される標準プロトコルです。

セキュリティが実装されると、Cisco IP Phone では、Cisco Unified Communications Manager へのセキュアな登録で TLS プロトコルが使用されます。

トリビアル ファイル転送プロトコル(TFTP)

TFTP を使用すると、ファイルをネットワーク経由で転送できます。

Cisco IP Phone で TFTP を使用すると、電話タイプ固有の設定ファイルを取得できます。

TFTP は DHCP サーバが自動的に識別する TFTP サーバがネットワーク内に必要です。 DHCP サーバが指定する以外の TFTP サーバを電話機で使用する場合は、電話機の [ネットワークの設定(Network Configuration)] メニューを使用して、TFTP サーバの IP アドレスを手動で割り当てる必要があります。

詳細については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Cisco TFTP」の章を参照してください。

ユーザ データグラム プロトコル(UDP)

UDP は、データ パケットを配信するためのコネクションレス型メッセージング プロトコルです。

UDP は RTP ストリームにのみ使用されます。 電話機の SIP シグナリングは UDP をサポートしていません。

VLAN の連携

Cisco IP Phone は内蔵イーサネット スイッチを備えているため、電話機や、電話機の背面にあるコンピュータ(アクセス)ポートおよびネットワーク ポートにパケットを転送できます。

コンピュータ(アクセス)ポートにコンピュータを接続した場合、コンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。 このように物理リンクが共有されるため、ネットワークの VLAN 設定について、次のような考慮事項が存在します。

  • 現在の VLAN を IP サブネット ベースで設定することは可能です。 ただし、追加の IP アドレスを取得して、同じポートに接続している他のデバイスと同じサブネットに電話機を割り当てることはできません。
  • VLAN をサポートしている電話機上に存在するデータ トラフィックによって、VoIP トラフィックの品質が低下することがあります。
  • ネットワーク セキュリティを確保するために、VLAN 音声トラフィックと VLAN データ トラフィックの分離が必要になることがあります。

これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離することで解決できます。 電話機の接続先となるスイッチ ポートには、伝送用に、それぞれ別個の VLAN を設定します。

  • IP Phone で送受信される音声トラフィック(Cisco Catalyst 6000 上などの補助 VLAN)
  • IP Phone のコンピュータ(アクセス)ポート経由でスイッチに接続されている PC で送受信されるデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)

電話機を独立した補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上するとともに、各電話機に割り当てるための IP アドレスが十分にない既存ネットワークに対しても、多数の電話機を追加できるようになります。

詳細については、Cisco スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。 スイッチに関する情報には、次の URL からもアクセスできます。

http:/​/​cisco.com/​en/​US/​products/​hw/​switches/​index.html

Cisco Unified Communications Manager の連携

Cisco Unified Communications Manager は、業界標準のオープンなコール処理システムです。 Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアは、従来の PBX 機能を企業の IP ネットワークに統合して、電話機間でコールを確立および切断します。 Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランなどの機能で必要になる IP テレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。 また、Cisco Unified Communications Manager には、次の機能もあります。

  • 電話機のファームウェアの提供
  • TFTP サービスを使用した設定信頼リスト(CTL)および Identity Trust List(ITL)
  • 電話機の登録
  • コールの保存。この機能により、プライマリ Communications Manager と電話機間でシグナリングが消失してもメディア セッションが継続されます。

この章で説明されている IP Phone と連携するための Cisco Unified Communications Manager の設定方法については、『Cisco Communications Manager Administration Guide』の「Cisco IP Phone Configuration」の章を参照してください。


(注)  


設定しようとする Cisco IP Phone のモデルが、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話のタイプ(Phone Type)] ドロップダウン リストに表示されない場合は、Cisco.com にアクセスして、使用している Cisco Unified Communications Manager の最新のサポート パッチをインストールします。


Cisco Unified Communications Manager Express の連携

Cisco IP Phone が Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)と連携する場合は、電話機を CME モードにする必要があります。

ユーザが会議機能を起動すると、タグにより、電話機はローカルまたはネットワーク ハードウェアのどちらかの会議ブリッジを使用できます。

Cisco IP Phone では、次のアクションはサポートされていません。

  • [転送(Transfer)]:接続されたコール転送のシナリオでのみサポートされます。
  • [会議(Conference)]:接続されたコール転送のシナリオでのみサポートされます。
  • [参加(Join)]:[会議(Conference)] ボタンまたはフックフラッシュ アクセスを使用してサポートされます。
  • [保留(Hold)]:[保留(Hold)] を使用してサポートされます。
  • [割り込み(Barge)]:サポートされていません。
  • [直接転送(Direct Transfer)]:サポートされていません。
  • [選択(Select)]:サポートされていません。

ユーザは、異なる回線にわたる会議および転送コールを作成できません。

ボイス メッセージ システムの連携

Cisco Unified Communications Manager を使用すると、Cisco Unity ボイス メッセージング システムなどのさまざまなボイス メッセージング システムと統合できます。 各種システムと統合できるため、特定のシステムの使用方法に関する情報をユーザに提供する必要があります。

次の情報を、各ユーザに提供してください。

  • ボイス メッセージ システム アカウントへのアクセス方法。 Cisco Unified Communications Manager を使用して、Cisco IP Phone のメッセージ ボタンを設定しておく必要があります。
  • ボイス メッセージ システムにアクセスするための初期パスワード。 すべてのユーザが使用できる、ボイス メッセージ システムのデフォルト パスワードを設定しておく必要があります。
  • ボイス メッセージの受信が電話機でどのように示されるか。 Cisco Unified Communications Manager を使用して、メッセージ受信インジケータ(MWI)メソッドを設定しておく必要があります。

電話機起動の概要

VoIP ネットワークへの接続時に、Cisco IP Phone 8841、8851、8861 は標準起動プロセスを実行します。 実際のネットワークの設定に応じて、Cisco IP Phone で次の手順の一部のみが発生します。

  1. スイッチからの電力の取得。 電話機が外部電源を使用していない場合、電話機に接続されているイーサネット ケーブル経由でスイッチからのインライン パワーが供給されます。
  2. (ワイヤレス LAN 上の Cisco IP Phone 8861 のみ)アクセス ポイントのスキャン。 Cisco IP Phone 8861 は、RF カバレッジ区域を無線でスキャンします。 電話機はネットワーク プロファイルを検索し、SSID と認証タイプが一致するアクセス ポイントをスキャンします。 電話機は、ネットワーク プロファイルと一致する最も高い RSSI をアクセス ポイントに関連付けます。
  3. (ワイヤレス LAN 上の Cisco IP Phone 8861 のみ)アクセス ポイントの認証。 Cisco IP Phone は、認証プロセスを開始します。 次の表では、認証プロセスについて説明します。

    認証タイプ

    キー管理オプション

    説明

    オープン

    なし

    すべてのデバイスでアクセス ポイントに認証できます。 セキュリティを高めるため、オプションとして静的 WEP 暗号化を使用できます。

    共有キー

    なし

    電話機は WEP キーを使用してチャレンジ テキストを暗号化します。アクセス ポイントは、チャレンジ テキストの暗号化に使用された WEP キーを検証してから、ネットワーク アクセスを使用可能にする必要があります。

    PEAP または EAP-FAST

    なし

    RADIUS サーバがユーザ名とパスワードを認証してから、ネットワーク アクセスが使用可能になります。

  4. 保存されている電話イメージのロード。 Cisco IP Phone は、ファームウェア イメージとユーザ定義の設定値を保存するための不揮発性フラッシュ メモリを備えています。 起動時に、電話機はブートストラップ ローダーを実行して、フラッシュ メモリに保存されている電話機ファームウェアをロードします。 このイメージを使用して、電話機はソフトウェアとハードウェアを初期化します。
  5. VLAN の設定。 Cisco IP Phone を Cisco Catalyst スイッチに接続している場合、スイッチは、スイッチ上に定義されているボイス VLAN を電話機に通知します。 電話機は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)要求を使用して IP アドレスの取得を開始するには、VLAN メンバーシップをあらかじめ把握している必要があります。
  6. IP アドレスの取得。 Cisco IP Phone で DHCP を使用して IP アドレスを取得する場合、電話機は DHCP サーバにクエリーを発行してアドレスを取得します。 ネットワークで DHCP を使用していない場合は、個々の電話機がある場所でスタティック IP アドレスを手動で割り当てる必要があります。
  7. CTL ファイルの要求 TFTP サーバに、CTL ファイルが保管されています。 このファイルには、電話機と Cisco Unified Communications Manager の間の安全な接続を確立するために必要な証明書も含まれています。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「Configuring the Cisco CTL Client」の章を参照してください。
  8. ITL ファイルの要求 電話機は、まず CTL ファイルを要求し、次に ITL ファイルを要求します。 ITL ファイルは電話機が信頼できるエンティティの証明書を含んでいます。 証明書がサーバとのセキュア接続の認証、またはサーバによるデジタル署名の認証に使用されます。 Cisco Unified Communications Manager 8.5 以降は ITL ファイルをサポートします。
  9. TFTP サーバへのアクセス。 DHCP サーバは、IP アドレスを割り当てる以外に、Cisco IP Phone に対して TFTP サーバも指定します。 電話機の IP アドレスを静的に定義した場合は、電話機がある場所で TFTP サーバを設定する必要があります。設定すると、電話機は TFTP サーバに直接アクセスします。

    (注)  


    DHCP で割り当てられる TFTP サーバの代わりに、代替 TFTP サーバを割り当てて使用することもできます。


  10. 設定ファイルの要求。 TFTP サーバは、設定ファイルを保持しています。このファイルは、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータに加え、電話機に関するその他の情報を定義しています。
  11. Cisco Unified Communications Manager への接続。 設定ファイルは、Cisco IP Phone と Cisco Unified CM との間の通信方法、およびロード ID を電話機に提供する方法を定義します。 電話機は、このファイルを TFTP サーバから取得すると、リストで優先順位が最も高い Cisco Unified CM への接続を確立しようとします。 (暗号化または認証された)セキュアなシグナリングのために電話機のセキュリティ プロファイルを設定し、Cisco Unified Communications Manager をセキュア モードに設定している場合、電話機は TLS 接続を実行します。 それ以外の場合は、電話機は非セキュア TCP 接続を実行します。 電話機をデータベースに手動で追加した場合は、Cisco Unified Communications Manager が電話機を識別します。 電話機がデータベースに手動で追加されていない場合、自動登録が Cisco Unified Communications Manager で有効になっていれば、その電話機は、Cisco Unified Communications Manager データベースに対してその電話機自体の自動登録を試みます。

    (注)  


    CTL クライアントを設定している場合、自動登録は無効になっています。 その場合、電話機を手動で Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する必要があります。


外部デバイス

弊社では、不要な無線周波数(RF)および可聴周波数(AF)を遮断するヘッドセット、ケーブル、コネクタなどの高品質の外部デバイスの使用を推奨しています。


(注)  


すべての Cisco IP Telephony 製品が外部デバイス、コードまたはケーブルをサポートしているわけではありません。 詳細については、電話機のマニュアルを参照してください。


これらのデバイスの品質や、携帯電話および双方向ラジオなど他のデバイスとの間隔によっては、雑音が入ることもあります。 その場合は、次の方法で対処してください。
  • RF または AF の信号源から外部デバイスを離す。
  • RF または AF の信号源から外部デバイスのケーブルの経路を離す。
  • 外部デバイス用にシールドされたケーブルを使用するか、シールドおよびコネクタが高品質のケーブルを使用する。
  • 外部デバイスのケーブルを短くする。
  • 外部デバイスのケーブルに、フェライトまたは同様のデバイスを適用する。

シスコでは、外部デバイス、ケーブル、およびコネクタのパフォーマンスを保証できません。


注意    


欧州連合諸国では、EMC Directive(89/336/EC)に完全に準拠した外部スピーカー、マイクロフォン、ヘッドセットだけを使用してください。


USB ポート情報

Cisco IP Phone 8851 および 8861 は、各 USB ポートに接続される最大 5 台のデバイスをサポートします。 電話機に接続された各デバイスは、最大デバイス数に含まれます。 たとえば、ご使用の電話機は側面ポートで 5 台の USB デバイス、背面ポートでさらに 5 台の標準 USB デバイスをサポートできます。 多くのサードパーティ製 USB 製品は複数の USB デバイスとしてカウントされます。たとえば、USB ハブとヘッドセットを含むデバイスは、2 台の USB デバイスとしてカウントできます。 詳細については、USB デバイスのマニュアルを参照してください。


(注)  


  • 通電していないハブはサポートされません。また、電力供給されていても 5 個以上のポートを備えたハブはサポートされません。
  • USB ハブを経由して電話機に接続している USB ヘッドセットはサポートされません。

電話機に接続された Cisco IP Phone 8800 シリーズキー拡張モジュール(KEM)は、USB デバイスとしてカウントされます。 3 台の KEM が電話機に接続されている場合、3 台の USB デバイスとしてカウントされます。

電話機設定ファイル

電話機設定ファイルは TFTP サーバに保存されており、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータを定義しています。 通常、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified Communications Manager に加えると、その変更内容は、電話機設定ファイルに自動的に反映されます。

設定ファイルには、電話機がどのイメージ ロードを実行するかも記述されています。 このイメージ ロードが電話機にロードされているものと異なる場合、電話機は TFTP サーバにアクセスし、必要なロード ファイルを要求します。

Cisco Unified CM の管理 でセキュリティ関連の設定値を設定すると、電話機のコンフィギュレーション ファイルに機密情報が保存されます。 設定ファイルのプライバシーを確保するには、そのファイルを暗号化用に設定する必要があります。 詳細については、Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「Configuring Encrypted Phone Configuration Files」の章を参照してください。 Cisco Unified Communications Manager でリセットおよび登録されるたびに、電話機は設定ファイルを要求します。

次の条件を満たしている場合、電話機は、TFTP サーバにある XmlDefault.cnf.xml という名前のデフォルト設定ファイルにアクセスします。

  • Cisco Unified Communications Manager で自動登録を有効にした。
  • 該当する電話機が、Cisco Unified Communications Manager データベースにまだ追加されていない。
  • 該当する電話機を初めて登録する。