Cisco MediaSense 開発者ガイド リリース 10.5(1)
はじめに
はじめに

はじめに

Cisco MediaSense は、Open Recording Architecture(ORA)を使用してオープン インターフェイスを実装し、Web 2.0 の Application Programming Interface(API)を使用して、その機能をサードパーティのお客様に公開し、カスタム アプリケーションを作成するメディア録音プラットフォームです。

MediaSense は Cisco Unified Communications ソリューションの一部であり、以下の機能を提供します。

  • 音声およびビデオ セッションの記録。 タグ、管理、検索、監視、再生、その他の機能など、さまざまな機能をエンドユーザに提供します。
  • オープン エンドユーザ/開発者 API により、開発者は Cisco MediaSense API を使用して独自のアプリケーションを書き、独自の UI を生成できます。
  • ユーザ認証、信頼性、可用性オプション。
  • 記録の管理および設定。
  • メディア ストレージおよび管理。
  • オープンな Web ベースのアプリケーション インターフェイス。
  • コール制御用オープン SIP インターフェイス。
  • 音声とビデオ記録用に Cisco Unified Communications Manager と統合。
  • 音声録音用に Cisco Unified Border Element と統合。
  • データベース スキーマ(ユーザは、クライアント API によってデータを取得可能)。
  • 単一ノードとして、またはハイ アベイラビリティ(HA)セットアップで導入可能。
  • 有用性(トレース、サービスのモニタリング、およびアラーム)オプション。

MediaSense API

REST に似たインターフェイスを使用し、HTTP/HTTPS を介して MediaSense API にアクセスします。 MediaSense メソッドのコールは、MediaSense サーバに HTTP GET または POST 要求を送信することにより、インターネット上で行われます。

ユーザが HTTP/HTTPS 要求を送信すると、対応する JSON (http:/​/​www.json.org/​ を参照)形式の応答が返されます。 API リストの各 API は、各 API でサポートされる形式とサンプル スキーマを識別します。

MediaSense API ユーザ

その規制環境により、全セッションを録音し維持する必要のあるコンプライアンス記録会社は、MediaSense を使用できます。 コンプライアンス監査役やコンタクト センターのスーパーバイザは、これらの録音を使用してお客様の問題を解決したり、研修目的で使用することができます。 音声分析サーバやトランスクリプション エンジンでもこれらの録音を使用できます。

API を使用するには、Unified Communications Manager 内にエンド ユーザを作成し、それらのユーザを MediaSense にインポートして、1 つ以上の API ユーザを作成する必要があります。 API アクセスの管理者ユーザ クレデンシャルは使用できません。


(注)  


MediaSense は他のコンタクト センター製品の使用には依存しませんが、すべてのコンタクト センター製品とともに使用できます。 唯一の依存関係は、Unified Communications Manager または Cisco Unified Border Element に対するものです。つまり、録音用のメディア分岐のセットアップにいずれかを使用できます。 また、Unified Communications Manager を使用して、MediaSense 管理者と API ユーザを認証できます。


カスタム MediaSense アプリケーションの開発に関心があるアプリケーション開発者は、MediaSense プラットフォームでプロビジョニングされた導入で次の機能を実行できます。

  • ライブ セッションのモニタリング
  • 録音したセッションの再生
  • 録音したセッションを、内線番号、タグ、日付で検索
  • 録音したセッションを管理

MediaSense API の使用要件

MediaSense アプリケーションを作成するには、次の要件に従ってください。

  • ハードウェアおよびソフトウェアの要件
    • 設定および導入された MediaSense プラットフォーム(詳細については、 http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​products/​ps11389/​tsd_​products_​support_​series_​home.html の『Cisco MediaSense ユーザ ガイド』および『Cisco MediaSense のためのデザイン ガイド』をご覧ください)。
    • 信頼ベースのライセンス付与による機能のアクティベーション。 MediaSense では、ライセンスのインストールが不要です。
    • HTTP/HTTPS ポートを開きます(クライアントと MediaSense プラットフォーム間にファイアウォールがある場合)。 Cisco MediaSense によるポートの使用の詳細については、『User Guide for Cisco MediaSense(Cisco MediaSense ユーザ ガイド)』のポート情報の理解に関する章を参照してください。
  • 開発者の要件は次のとおりです。
    • HTTP、REST、JSON、および XML の基本的な理解が必要です。
    • SSH および UNIX の基本的な知識が必要です。

MediaSense の主なメリット

MediaSense API は、MediaSense プラットフォームの豊富な機能を活用し、高品質の MediaSense ベースのアプリケーションを迅速に開発するために必要なツールを開発者に提供します。 MediaSense API には、以下のような長所があります。

  • 機能豊富なクライアントをユーザが容易に開発できる、REST によく似た API Web インターフェイス。
  • JSON オプションは応答形式で利用可能です。
  • セキュリティ機能
    • MediaSense はセキュアな(HTTPS) API を提供します。 このプロトコル オプションを使用して、セッション全体に対して同じプロトコルを使用します。
    • MediaSense API を使用するアプリケーション向けのサードパーティ製ソフトウェアがアプリケーション ユーザとして認証されます。
  • イベント サブスクリプション モデルがサポートされます。 MediaSense は、パブリッシャとサブスクライバを考慮した設計によって、イベント インターフェイスへのサブスクリプションを簡単に行うことができます。 開発者は、適切なイベント インターフェイスをサブスクライブできます。
    • MediaSense は、HTTP を使用して 非同期イベントの通知をサポートします。
    • MediaSense は、以下の状況でイベントをトリガします。
      • 録音セッションが開始、停止、または更新されたとき。
      • システム レベルで一定のしきい値に達したとき。
    • 詳細については、「Event Subscription(イベント サブスクリプション)」を参照してください。
  • すぐに利用可能なセッション管理が MediaSense サーバに提供されます。

(注)  


MediaSense API ユーザを設定できるのは、MediaSense 管理からのみです。


MediaSense の概念

ここでは、一般的な MediaSense の概念と用語を識別し定義します。

録音へのセッションのマッピング

MediaSense およびこのマニュアル内でのセッションとは、1 人以上の参加者が関係する録音されたモノローグ、ダイアログ、または会議です。 MediaSense のセッションは、Unified Communications Manager の録音セッションと同じ意味を持ちます。 録音セッションの詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Features and Services Guide』(http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​partner/​products/​sw/​voicesw/​ps556/​prod_​maintenance_​guides_​list.html)を参照してください。

参加者はデバイスを使用して、このセッションを実施します。

デバイスは、エンドポイントまたはパーソナル コンピュータなどの物理エンティティであり、記録可能な任意のアイテムを指します。 デバイスは、各デバイスの電話番号または内線番号である deviceRef によって識別されます。 deviceId は各デバイスの一意の識別子で、次の図に示すように、デバイス名(MAC アドレスや ユニバーサル デバイス識別子 [UDI] など)に直接対応しています。

図 1. デバイス、デバイス ID、およびデバイス Ref

各セッションは sessionID で識別され、1 個以上のトラックが含まれます。 各トラックは 1 個のオーディオ ストリームまたは 1 個のビデオ ストリームに固有であり、trackNumber で識別されます。

セッションは、ライブ(アクティブ)または記録済み(完了済み)を使用できます。 ライブ セッションのモニタリングと録音を同時に実行できます。 録音されたセッションをいつでも再生できます。 sessionId を使用して、録音されたセッションを管理できます。

Cisco MediaSense プラットフォームを使用すれば、複数の録音が可能です。

  • Cisco IP Phone または Cisco Unified Border Element デバイスから分岐されたメディア。 この録音には 2 個のオーディオ チャネルがあります。
  • 電話機と MediaSense プラットフォーム間の直接コール。 この録音には 1 個のオーディオ チャネルと 1 個のオプション ビデオ チャネルがあります。 これらの録音は、本マニュアルで「ブログ録音」と呼ばれています。

次のコーデック オプションを使用した MediaSense 録音セッション。

  • オーディオ録音:g.711(aLaw または µ-Law)、g.722、または g.729(a または b)コーデック。
  • ビデオ録画:h.264 ベースライン コーデック(48 kHz オーディオ サンプリング レートのみを使用)。

トラックへのメディア ストリームのマッピング

メディア ストリームとは、ライブまたはレコーディングされたセッション内のオーディオ チャネルまたはビデオ チャネルを通じて送信されるパケットを指します。

トラックは、各メディア ストリームを識別し、参加者、期間、startDate、および trackNumber などの追加データによってそれを定量化します。 トラック 0 には、分岐デバイスからストリームされたメディアが含まれ、トラック 1 には、分岐デバイスに対してストリームされた メディアが含まれます。 1 つの sessionEvent では、各トラックは 1 人の参加者に関連付けられます。

trackNumber の割り当ては任意であり、メディア分岐が有効になっているダイヤル ピアからの入力または出力のどちらであるかに基づきます。 詳細については、Unified Border Element と Unified Communications Manager のメタデータの違いを参照してください。

保留から再開または転送から会議の動作

Unified Border Element は、メディア ストリームと Unified Border Element コールを関連付け、コールの参加者を識別するために MediaSense が使用するメタデータ情報を送信します。 SIP セッションの範囲内に蓄積されるメタデータは、レコーディング セッション オブジェクトの形式でクライアントに示されます。 Unified Communications Manager および Unified Border Element 双方のレコーディング セッションには、トラック、コール レコードおよびメディア イベントの情報が含まれます。

保留/再開、転送/会議などのコール機能をコール参加者が使用する際、Unified Border Element と Unified Communications Manager 導入とで動作は異なります。

  • Unified Border Element:SIP セッションは、対応するメディア トラック イベントによって複数回更新される場合があります。
  • Unified Communications Manager:コールが保留中の場合、レコーディング セッションは終了します。 参加者がコールを再開すると、新しいレコーディング セッションが作成されます。

次の表は、さまざまな代表的導入シナリオに対する応答を示しています。

導入 Unified Border Element フォーキング Unified Communications Manager フォーキング Unified Communications Manager Phone Endpoints での Unified Border Element フォーキング
コールの発信側 参加者 A 参加者 A 参加者 A
コールの受信者 参加者 B 参加者 B 参加者 B
保留と再開の実施者
  • 保留または転送:参加者 A
  • 再開または会議:参加者 A
  • どちらの参加者が保留したかに関係なく、レコーディング セッションは終了します。
  • どちらの参加者がコールを再開したかに関係なく、新しいレコーディング セッションが作成されます。
  • 保留(保留音:M0H)または転送:参加者 A
  • 再開または会議:参加者 A
クライアントが受信したタグ イベント数 2 つのタグ イベント:
  1. 1 つのイベント(保留または転送):タイプ:TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackInactive、トラック ナンバー:参加者 B
  2. 1 つのイベント(再開または会議):タイプ:TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackActive、トラック ナンバー:参加者 B
タグ イベントなし。 6 つのタグ イベント:保留または転送用 3 イベントと(再開または会議)用 3 イベント:
  1. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackInactive、トラック ナンバー:参加者 A
  2. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackInactive、トラック ナンバー:参加者 B
  3. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackActive、トラックナンバー:参加者 A
  4. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackInactive、トラック ナンバー:参加者 A
  5. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackInactive、トラック ナンバー:参加者 B
  6. タイプ: TAG_EVENT、処理:ADDED、タグ名:TrackActive、トラック ナンバー:参加者 B

クライアントはどのような時でもこれらの SYSTEM_DEFINED(TrackActive および TrackInactive)タグ名を削除できません。 トラックの初期状態はデフォルトでアクティブ(TrackActive)になると想定されます。 メディアの状態が、(保留から再開、または転送から会議)に変更になる場合、アクティブな状態(TrackActive)は、非アクティブ(TrackInactive)に変更されます。

保留から再開と一時停止から再開

MediaSense は、保留状態または一時停止状態にあったコールに戻るのに「再開」を使用します。

  • 保留状態から再開:
    • この作業は、デバイスから行うことができます。
    • TRACK レベルでシステム定義されたタグ イベントの TrackActive が追加されます。
  • 一時停止状態から再開
    • この作業は、API から行うことができます。
    • SESSION レベルでシステム定義されたタグ イベントの Resumed が追加されます。

録音の相関付け

MediaSense を使用して、ゲートウェイで分岐したメディアの録音を相関付けます。 次のオプションの 1 つを使用して、録音を相関付けることができます。

  • リアルタイム相関によって、クライアントは録音がアクティブな間に MediaSense API 要求を出すことができます(たとえば、録音の一時停止と再開機能、AgentID またはエージェントの指定する時間別注釈をつけた録音をタグ付けする機能)。
  • 履歴相関によって、クライアントは外部データベースから選択した録音(またはその逆)を探し、Cisco MediaSense メタデータからの情報を使用して、外部データベース内でコール情報を探すことができます。

この相関を確立するために、コール相関 ID (CCID)と callControllerType パラメータを使用します。

getSessionsByCCID API を使用して、CCID に基づき、録音またはライブ セッションの検索および取得を行います。

MediaSense メタデータと Unified Communications Manager CDR の相関付け

『Cisco Unified Communications Manager Call Detail Records Administration Guide(Cisco Unified Communications Manager コール詳細レコード管理ガイド)』では、コール詳細レコード(CDR)とコール管理レコード(CMR)を設定する方法と、これらのレコードの例について説明します。

MediaSense では、callcontrollertype が Cisco-Unified Communications Manager の場合、各コールのメタデータは xRefci (参照コール ID)と、分岐デバイスおよび遠端デバイスのデバイス参照(会議ブリッジまたはその他の電話)を提供します。 callcontrollertype が Cisco-Unified Communications Manager-Gateway の場合、各コールのメタデータには CCID (コール相関 ID)フィールドが含まれています。これは、Unified Communications Manager コール詳細レコードのフィールドに一致します。

元の発信番号、着信番号、コールのタイプなどの詳細を確認するには、『Cisco Unified Communications Manager Call Detail Records Administration Guide(Cisco Unified Communications Manager コール詳細レコード管理ガイド)』の「Call Detail Records(コール詳細レコード)」の項を参照してください。このマニュアルは、http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​products/​sw/​voicesw/​ps556/​prod_​maintenance_​guides_​list.html から入手できます。

すべてのコールが MediaSense サーバに保存されます。

再生と録音のダウンロード

MediaSense 録音は、リアルタイム ストリーミング プロトコル(RTSP)を使用してストリーミングし、.mp4 や .wav ファイルとしてダウンロードできます。または、HTTP 1.1 のチャンク転送コーディングを使用して RAW 形式でダウンロードできます。 これらの機能(例:VideoLAN クライアント [VLC])をサポートする任意のプレーヤーを使用して MediaSense 録音を再生できます。

一部のプレイヤー(例:VLC)を使用して RTSP 形式で分岐されたメディア録音を聞く場合、一度に聞けるのは 1 個のトラックだけです(両方を同時に聞くことはできません)。 両方のオーディオ チャネルとビデオを同時に視聴したい場合は、mp4Url または wavUrl リンクを使用して mp4 または wav 形式に MediaSense をエクスポートします。 標準の HTTP アクセス方式を使用してそのファイルをダウンロードし、両方のオーディオ チャネルとビデオを同時に視聴します。 .mp4 または .wav への変換によって、ファイルが移植可能になり、任意の場所にコピーできるようになります。

Session Query API によって返される downloadUrl パラメータを使用することにより、クライアント アプリケーションも RAW オーディオ形式の録音をダウンロードできます。 各 API には、オーディオ トラック用の downloadUrl しかありません。 MediaSense ビデオ トラックを RAW 形式でダウンロードすることはできません。 URL(ダウンロード、wav、および mp4)は、sessionState が CLOSED_NORMAL である場合にのみセッション クエリー応答に存在し、eventAction が ENDED である場合にのみ sessionEvent に存在します。 他の状態(ACTIVE、DELETED、または CLOSED_ERROR)にある他のセッションの場合、downloadUrl、wavUrl、および mp4Url は使用できません。

downloadUrl により、HTTP 1.1 のチャンク転送コーディング(RFC 2616、セクション 3.6.1)を使用してファイルをダウンロードできます。 したがって、本文には受信者により元のメディア ストリームへの再構成が必要な一連のチャンクが含まれます。 各チャンクは 16 進数で表わされるチャンク長を含む行で始まり、それと全く同じバイト数のバイナリ データが続きます。 ファイルの最初の行には、長さフィールドと、後続データのメディア コーデックのタイプを示す <;MEDIA-TYPE=> チャンク拡張タグが含まれます。 コーデックの値は次のいずれかになります。

  • "G711-Mulaw"

  • "G711-Alaw"

  • "G722"

  • "G729"

通常、データ チャンクは相互に直接連結されて、メディア ストリームを再構築します。ただし、長さ行にはオプションの <;SILENCE=n> チャンク拡張タグが含まれる場合があります。これは、問題のあるチャンクの前に n ミリ秒間の無音部分を挿入する必要があることを示します。 最終チャンクはゼロ バイト長で表示されます。 すべての行は「\ r」と「\ n」の両方の文字で終了します。

MediaSense は「MEDIA- TYPE」タグのすぐ後に続く raw ダウンロード本文のコンテンツに「START-TIME」タグも含めます。 START-TIME は、各トラックの最初のメディア パケットがレコーダにより受信された時刻を示します(1970 年8 月 1 日 GMT から経過したミリ秒単位の時間)。 このタグは、ダウンロードされた raw メディア トラックを配列して調整するために、クライアント アプリケーションにより使用されることがあります。これにより、たとえば、参加者は互いの発言を妨げることなく、交互に発言します。

すべての URL(rtsp を含む)は、クライアントにより不透明な文字列として処理されます。 クライアント コードは、完全に形成された HTTP URL の使用を前提とする以外には、その形式または構造に依存しません。これは、シスコが将来的に形式または構造を変更する権限を留保しているためです。 ただし、クライアントは必要に応じて URL パラメータを追加できます。 具体的には、timeout=n パラメータを追加すると、ダウンロードを中断する前に Cisco MediaSense はソケットへの書き込みを少なくとも n 秒間試みます(デフォルトでは 5 秒間)。 これにより、ネットワークまたはクライアントが低速な場合にシステムが保護されます。 受信した最後の行が「0\r\n」で終わっていることを確認することにより、クライアントはダウンロードが完了したかどうかを判断できます。

次に、G711-Mulaw メディア ストリームの例を示します。ここでは、3 個のチャンクに分割され、合計 26796 バイトのデータに対して、2 個の無音セグメント(計 240 ミリ秒)が組み入れられています。

------------
1234;MEDIA-TYPE=’G711-mulaw’;START-TIME=2069539211\r\n
0x1234 bytes of binary data\r\n
2222;SILENCE=’40’\r\n
0x2222 bytes of data\r\n
3456;SILENCE=’200’\r\n
0x3456 bytes of binary data\r\n
7788\r\n
0x7788 bytes of binary data\r\n
0\r\n

downloadUrl、wavUrl、および mp4url パラメータがダウンロード機能を提供するのに対し、rtspUrl パラメータはストリーミング機能を提供します。 したがって、他の URL は終了したセッションでのみ使用できるのに対し、rtspURL はアクティブなセッションと終了したセッションの両方で提供されます。

RTSP および HTTP 要求の認証とリダイレクト

MediaSense は基本認証を使用して、リアルタイム ストリーミング プロトコル(RTSP)要求とメディア関連の HTTP 要求を発行する API クライアントのユーザ名とパスワードを確認します。 OPTIONS コマンドは認証を必要としないため、このパターンの例外です。ただし、リダイレクトされることがあります。

認証後、MediaSense は他の URL に RTSP 要求とメディア関連の HTTP 要求を別の URL へリダイレクトします。 リダイレクトされた URL は不透明で変更されることがあるため、解析やキャッシュはできません。

以下は RTSP 認証および DESCRIBE コマンドのリダイレクトの例です。

  • 認証前
  • 認証中
  • リダイレクト後

説明(認証済み)

REQUEST
DESCRIBE rtsp://10.194.118.94/archive/e4137a336b0bf1 RTSP/1.0
CSeq: 7
Authorization: Basix YXBpdXNIcjpaXNjbw==
User-Agent: LibVLC/1.1.9 {LIVE555; Streaming Media v2011.03.14}
Accept: application/sdp

RESPONSE
RTSP/1.0 302 Moved Temporarily
Server: Cisco MediaSense Media Server
CSeq: 7
Location: rtsp://10.194.118.94:9554/archive/e4137a336b0bf1?token=abc123

説明(認証前)

REQUEST
DESCRIBE rtsp://10.194.118.94/archive/e4137a336b0bf1 RTSP/1.0
CSeq: 6
User-Agent: LibVLC/1.1.9 {LIVE555; Streaming Media v2011.03.14}
Accept:  application/sdp

RESPONSE
RTSP/1.0 401 Unauthorized
WWW-Authenticate: Basic realm=”Secured Area”
CSeq: 6
Server: Cisco MediaSense Media Server

説明(リダイレクト後)

REQUEST
DESCRIBE rtsp://10.194.118.94:9554/archive/e4137a336b0bf1?token=abc123 RTSP/1.0
CSeq: 8
User-Agent: LibVLC/1.1.9 (LIVE555; Streaming Media v2011.03.14)
Accept: application/sdp

RESPONSE
RTSP/1.0 200 ok
CSeq: 8
Content-Type: application/sdp
Content-Length=512

V=0
O=15237780159166911470 15237780159166912070 IN IP4 10.194.118.94
a=Cisco Live Media Streaming Session

HTTP ダウンロード要求の配信

一部のクライアントは、すべてのレコーディングのコピーを作成するために HTTP ダウンロード機能を使用します。その際、長期的なアーカイブとしてではなく、それらのファイルの一時領域として MediaSense が多く使用されます。 ダウンロード機能を使用することは、非常に有効な使用例です。 ただし、これらのダウンロード要求をバッチ化し、1 日 1 回(またはその他の定期的な期間で)発行することが望ましい場合があります。

リソースをさらに有効活用するためにこれらの要求を長期にわたって平均的に分散させます。 たとえば、コールのレコーディングが終了次第ダウンロードを開始するために、セッション ENDED イベントを使用します。

Media Forking

MediaSense がサポートするすべての Cisco IP Phone には、着信および発信メディア ストリームの分岐を可能にするビルトイン ブリッジ(BIB)があります。 MediaSense は、この機能を利用して分岐された着信および発信メディアを録音します。 メディア フォーキングの詳細については、Unified Communications Manager のマニュアルを参照してください。

コール フォーキングは電話機からではなく Unified Border Element アプリケーション内で実行されるため、Unified Border Element には BIB の概念がありません。

Cisco Unified Communications Manager のネットワークベースの録音

Unified Communications Manager のネットワークベースの録音(NBR)を使用すると、ゲートウェイを使用して通話を録音できます。 NBR によって、Unified Communications Manager はデバイス、場所、地域に関係なく、通話録音をルート指定できます。

NBR では、通話録音のメディア ソースは、IP 電話または SIP トランクを介して Unified Communications Manager に接続されたゲートウェイから提供されます。 Unified Communications Manager は、コール フローおよびコール参加者に基づいて、動的に適切なメディア ソースを選択します。

個別の録音設定が必要ないため、Integrated Services Router(ISR)が利用できない場合、NBR はビルトインブリッジ(BiB)に自動フォールバックを提供します。 これは、Unified Border Element でコンサルト コールを録音できず、BiB を別途有効にする必要があるため、お客様がエージェント対エージェントのコンサルト コールを録音ポリシーに含める必要がある場合に便利です。

Unified Communications Manager NBR の詳細については、『Features and Services Guide for Cisco Unified Communications Manager(Cisco Unified Communications Manager の新機能とサービス ガイド)』(http:/​/​www.cisco.com/​c/​en/​us/​support/​unified-communications/​unified-communications-manager-callmanager/​products-maintenance-guides-list.html)を参照してください。


(注)  


MediaSense 10.5(1) は TDM ゲートウェイの録音をサポートしていません。

ブログの録音

MediaSense では、サポートされる Cisco IP Phone を使用してブログの記録(オーディオとビデオ)を作成できます。 ブログを記録した後、サードパーティ製のアプリケーションでそれを公開できます。

ブログの記録は、次のいずれかの方法で開始できます。

  • ユーザが MediaSense サーバにダイヤルする。
  • API 要求に応じて、MediaSense サーバがユーザの電話を呼び出す。

クラスタの導入

MediaSense サーバは、1 つのクラスタに導入されます。 1 つのクラスタには、1 ~ 5 台のサーバを含めることができます。 導入に応じて、各クラスタは基本的なメディア記録とデータベース ストレージを提供し、スケーラブルな記録容量を処理します。

  • 1 サーバのクラスタは、小企業によって導入されます。 この場合サーバは、メディア記録、データベース ストレージ、および設定情報を管理します。
  • 2 サーバのクラスタは、データ レプリケーションと冗長性を配慮する企業が導入します。 この場合はどちらのサーバも、メディア記録、データベース ストレージ、および設定情報を管理します。 この導入によりハイ アベイラビリティを提供し、すべてのデータベースのデータが冗長に保存されるようにします。
  • 3 ~ 5 サーバのクラスタは、記録容量を増やして、重い負荷を処理します。 拡張サーバは、追加したメディアの記録を管理します。

Unified Communications Manager シナリオと Unified Border Element シナリオの違い

Unified Communications Manager は MediaSense で録音プロファイルまたはコール制御サービス接続(SIP トランク)を設定するために使用されます。 同様に、Unified Border Element を利用し、ダイヤル ピアとメディア クラス設定により MediaSense との通信が決まります。 コール シグナリングに関連しないほとんどは MediaSense を使用した Unified Communications Manager シナリオと MediaSense を使用した Unified Border Element シナリオ間で同じです。 MediaSense が Unified Communications Manager で展開されているか、Unified Border Element で展開されているかに関係なく、イベント、応答コード、パラメータ定義は両方のシナリオで同じです。

コール プロバイダーの種類を区別するために MediaSense が使用する API (アプリケーション プログラミング インタフェイス)パラメータの 1 つが callControllerType パラメータです。 このパラメータは両方の展開に存在しますが、パラメータの値は Unified Border Element と Unified Communications Manager で異なります。

次の表は、両方のシナリオ間の主な API 関連の違いについて示したものです。

MediaSense 機能 Unified Communications Manager を使用 (ビルトインブリッジの録音とネットワークベースの録音の両方に適用) Unified Border Element ダイヤル ピア分岐を使用
trackNumber パラメータの割り当て SessionEvents とセッション(API 応答)には次のトラック割り当てがあります。
  • トラック 0 は 1 人の参加者(分岐電話)に関連付けられます。
  • トラック 1 は 1 人の参加者(非分岐電話)または複数の参加者(非分岐の電話転送コールの場合)に関連付けられます。
trackNumber の割り当ては任意であり、メディア分岐が有効になっているダイヤル ピアからの入力または出力のどちらであるかに基づきます。
コール相関(xRefCi パラメータ) xRefCi パラメータは Unified Communications Manager によって生成されます。 xRefCi パラメータは MediaSense によって生成されます。 この場合、Unified Communications Manager レコードに xRefCi レコードの詳細は表示されません。 MediaSense ソリューションでは、ゲートウェイ分岐メディアの録音を関連付けることができます。 この相関を確立するために、コール相関 ID (CCID)と callControllerType パラメータを使用します。 詳細については、「相関録音」セクションを参照してください。 CCID パラメータは Unified Border Element によって生成されたシスコ GUID に対応し、ソリューション全体のエンドツーエンド コール トレースに使用できます。
発信側と着信側のトラックの識別 詳細については、Cisco MediaSense Web サイトの FAQ をご覧ください(発信側のトラックと着信側のトラックを判断する方法)。 数値が小さい xRefCi パラメータは、ほとんどの場合、発信側のトラックを示します。 トラック 0 には、メディア録音プロファイルが構成されダイヤル ピアに対応するメディア ストリームが含まれます。
保留状態にされたコール。
  • コールが保留中のとき、論理録音セッションは終了します。 セッションは関連しています。xRefCi パラメータの同じペアを共有します。
  • 終わりに近づいたところで、セッションは終了します。
  • SIP セッションは、対応するメディア トラック イベントによって複数回更新される場合があります。 保留/再開シーケンスにかかわらずセッションは 1 つです。
  • コールを保留にすると、SYSTEM_DEFINED TrackInactive タグが追加されます。
コール再開
  • 参加者がコールを再開すると、新しい録音セッションが作成されます。 セッションは関連しています。xRefCi パラメータの同じペアを共有します。
  • 終りに近づいたところで、新しいセッションが開始されます。
  • SIP セッションは、対応するメディア トラック イベントによって複数回更新される場合があります。 保留/再開シーケンスにかかわらずセッションは 1 つです。
  • コールを再開すると、SYSTEM_DEFINED TrackActive タグが追加されます。

(注)  


他の展開および管理関連の違いについての詳細情報については、シスコ MediaSense のユーザ マニュアルを参照してください(http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​products/​ps11389/​products_​user_​guide_​list.html から入手可能)。