Cisco Unified Communications Manager システム ガイド、リリース 10.0(1)
冗長化
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冗長化

この章では、いくつかの形式で冗長化を提供する Cisco Unified Communications Manager の冗長性について説明します。

  • コール処理の冗長化:Cisco Unified Communications Manager グループを使用すると、使用不能になったCisco Unified Communications Manager のコール処理をバックアップ Cisco Unified Communications Manager が担当するように指定できます。この形式の冗長化は、デバイス フェールオーバーと呼ばれています。

  • IM and Presence サービスのプレゼンス冗長グループ

  • メディア リソースの冗長化

  • CTI の冗長化

Cisco Unified Communications Manager 冗長化グループ

グループおよびクラスタは、Cisco Unified Communications Manager およびそれらに関連付けられたデバイスの論理的な集合で構成されています。 グループおよびクラスタは、必ずしもそのメンバーの物理的な位置に関連しているわけではありません。

クラスタは、共通のデータベースを共有する一連の Cisco Unified Communications Manager で構成されています。 Cisco Unified Communications Manager をインストールおよび設定するときに、どのサーバを同じクラスタに所属させるかを指定します。 クラスタでのデータベース リプリケーションの詳細については、クラスタでのデータベース リプリケーションを参照してください。

グループは、最大 3 つの Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストです。 各グループに 1 つまたは複数のデバイス プールを割り当てて、コール処理を冗長化できます。 グループの定義、各グループに所属する Cisco Unified Communications Manager の指定、各デバイス プールへの Cisco Unified Communications Manager グループの割り当てを行うには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用します。

Cisco Unified Communications Manager グループ

Cisco Unified Communications Manager グループは、最大 3 つの Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストです。 各グループにはプライマリ Cisco Unified Communications Manager を含める必要があり、1 ~ 2 台のバックアップ用 Cisco Unified Communications Manager を含めます。 グループ内で Cisco Unified Communications Manager をリストする順番が、優先順位になります。

Cisco Unified Communications Manager グループには、次の冗長化と回復の機能があります。

  • フェールオーバー:グループ内のプライマリ Cisco Unified Communications Manager に障害が起こるとフェールオーバーが発生し、デバイスはそのグループ内のバックアップ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。

  • フォールバック:障害を起こしたプライマリ Cisco Unified Communications Manager がサービスを再開すると、そのグループのデバイスはプライマリ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。

通常の動作時には、グループのプライマリ Cisco Unified Communications Manager が、そのグループに関連付けられた登録済みデバイス(電話機やゲートウェイなど)のコール処理を制御します。

何らかの理由でプライマリ Cisco Unified Communications Manager に障害が起こると、グループ内の第 1 バックアップ Cisco Unified Communications Manager が、プライマリ Cisco Unified Communications Manager に登録されていたデバイスを制御します。 グループの第 2 バックアップ Cisco Unified Communications Manager を指定している場合は、プライマリおよび第 1 バックアップ Cisco Unified Communications Manager 両方に障害が起きた場合に、第 2 バックアップがデバイスを制御します。

障害を起こしたプライマリ Cisco Unified Communications Manager がサービスを再開すると、再びグループを制御し、グループ内のデバイスは自動的にプライマリ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。

デバイスを Cisco Unified Communications Manager グループに関連付けるには、デバイス プールを使用します。 各デバイスを 1 つのデバイス プールに割り当て、各デバイス プールを 1 つの Cisco Unified Communications Manager グループに関連付けることができます。 グループとデバイス プールをさまざまな方法で組み合わせることにより、目的のレベルの冗長化を達成できます。


(注)  


1 つのデバイス プールに 1 台のサーバを置くことができ、そのサーバで最大 7500 台のデバイスをサポートできます(ハイエンド サーバのみ)。 Cisco Unified Communications Manager がサポートするサーバのタイプについては、代理店にお問い合わせください。


たとえば、次の図は、800 台のデバイスを制御する単一グループ内の 3 つの Cisco Unified Communications Manager を備えた簡単なシステムを示しています。

図 1. Cisco Unified Communications Manager グループ



この図は、2 つのデバイス プール DP1 と DP2 が割り当てられている Cisco Unified Communications Manager グループ G1 を示しています。 Cisco Unified Communications Manager 1 は、グループ G1 のプライマリ Cisco Unified Communications Manager であり、通常の動作時には、DP1 と DP2 の 800 台のデバイスをすべて制御しています。 Cisco Unified Communications Manager 1 に障害が起きた場合、800 台のデバイスの制御は Cisco Unified Communications Manager 2 に移ります。 Cisco Unified Communications Manager 2 にも障害が起きた場合、800 台のデバイスの制御は Cisco Unified Communications Manager 3 に移ります。

この構成では、コール処理の冗長化は実現していますが、コール処理の負荷は、この例の 3 台の Cisco Unified Communications Manager 間で適切に分散されていません。 ロード バランシングの詳細については、デバイスの分散による冗長化および負荷バランシングを参照してください。


(注)  


空の Cisco Unified Communications Manager グループは機能しません。


デバイスの分散による冗長化および負荷バランシング

Cisco Unified Communications Manager グループは、コール処理の冗長化と分散型コール処理の両方を実現します。 デバイス、デバイス プール、および Cisco Unified Communications Manager をグループ間でどう分散するかによって、システムの冗長化とロード バランシングのレベルが決まります。

多くの場合、グループ内の 1 つの Cisco Unified Communications Manager に障害が起きた場合に、他の Cisco Unified Communications Manager が過負荷にならないようにデバイスを分散する必要があります。 次の図は、3 つの Cisco Unified Communications Manager と 800 のデバイスから成るシステムで分散型コール処理と冗長化を実現するための Cisco Unified Communications Manager グループとデバイス プールの設定方法の 1 つを示しています。

図 2. 分散型コール処理と組み合わせた冗長化



上の図は、Cisco Unified Communications Manager 1 が 2 つのグループ、G1 と G2 でプライマリ コントローラとして機能するように設定され、デバイス プールに割り当てられた Cisco Unified Communications Manager グループを示しています。 Cisco Unified Communications Manager 1 に障害が起きた場合、デバイス プール DP1 の 100 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 2 に再登録され、DP2 の 300 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。 同様に、Cisco Unified Communications Manager 2 は、グループ G3 と G4 のプライマリ コントローラとして機能します。 Cisco Unified Communications Manager 2 に障害が起きた場合、DP3 の 100 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 1 に再登録され、DP4 の 300 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。 Cisco Unified Communications Manager 1 および Cisco Unified Communications Manager 2 の両方に障害が起きた場合、すべてのデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。

分散型コール処理の詳細については、コール処理の負荷バランスを参照してください。

プレゼンス冗長グループと高可用性

プレゼンス冗長グループは、同じクラスタの 2 つ以上の IM and Presence サービス ノードから構成され、IM and Presence サービスのクライアントとアプリケーションに冗長化とリカバリを提供します。 Cisco Unified CMの管理ページを使用して、ノードをプレゼンス冗長グループに割り当て、高可用性を有効化します。
  • フェールオーバー:プレゼンス冗長グループ内の IM and Presence サービス ノード上で 1 つ以上の重要なサービスに障害が発生した場合、またはグループ内のノードに障害が発生した場合、プレゼンス冗長グループ内で行われます。 クライアントは自動的に、そのグループ内の別の IM and Presence サービス ノードに接続します。

  • フォールバック:以下のいずれかの状況で、フォールバック コマンドがコマンドライン インターフェイス(CLI)または Cisco Unified Communications Manager から発行されると行われます。

    • 障害の発生した IM and Presence サービス ノードがサービスを再開し、すべての重要なサービスが実行している場合。 サービスが再開されると、グループ内のフェールオーバーしていたクライアントは回復したノードに再接続されます。

    • 致命的なサービスの不具合のために、アクティブ化されていたバックアップ IM and Presence サービス ノードで障害が発生し、ピア ノードがフェールオーバー状態で、自動回復フォールバックをサポートしている場合。

たとえば、ローカルの IM and Presence サービス ノードのサービスまたはハードウェアで障害が発生した場合、Cisco Jabber クライアントは、プレゼンス冗長グループを使用してバックアップ用 IM and Presence サービス ノードにフェールオーバーします。 障害が発生したノードがオンラインに戻ると、クライアントは自動的にローカルの IM and Presence サービス ノードに再接続します。 障害の発生したノードがオンラインに戻ったときに、自動フォールバック オプションを設定していない場合は、手動のフォールバック操作を行う必要があります。

プレゼンス冗長グループで、IM and Presence サービス ノードのノード フェールオーバー、フォールバック、およびリカバリを手動で開始できます。 自動フォールバック オプションを設定していない場合は、手動のフォールバック操作を行う必要があります。

メディア リソースの冗長化

メディア リソース リストは、メディア リソース グループを優先順に並べたリストを指定することにより、メディア リソースの冗長化を実現します。 アプリケーションは、メディア リソース リストに定義されている優先順に従って、必要なメディア リソースを使用可能なリソースの中から選択できます。 メディア リソースの冗長化の詳細については、メディア リソースの管理を参照してください。

CTI の冗長化

コンピュータ テレフォニー統合(CTI)は、コンピュータベースのアプリケーションとテレフォニー機能の間のインターフェイスを提供します。 CTI はさまざまな冗長化メカニズムを使用して、次の主要コンポーネントに起きた障害から回復します。

  • Cisco Unified Communications Manager

  • Cisco CTIManager

  • CTI を使用するアプリケーション

CTI は、Cisco Unified Communications Manager の冗長化グループを使用して、Cisco Unified Communications Manager の障害から回復します。 Cisco CTIManager 自体の障害から回復するために、CTI を使用するアプリケーションに対してプライマリ Cisco CTIManager およびバックアップ Cisco CTIManager を指定できます。 アプリケーションに障害が起きた場合、Cisco CTIManager はそのアプリケーションに宛てられたコールを転送電話番号にリダイレクトします。