Cisco Unified Contact Center Express 設計ガイド、リリース 10.5(1)
Unified CCX フェールオーバー
Unified CCX フェールオーバー

Unified CCX フェールオーバー

自動着呼分配(ACD)

アクティブ サーバの HA 障害が検出されると、ACD サブシステムは、アクティブ サーバからスタンバイ サーバに自動的にフェールオーバーできます。 すべての ACD 機能は 5 秒以内にスタンバイ サーバ上に復元されます。

音声自動応答(IVR)

HA システムでアクティブ サーバに障害が発生すると、IVR サブシステムが自動的にフェイルオーバーします。

キュー内のコールと IVR コール処理を受信するコールはすべて失われます。 エージェントに転送済みのコールは保持されます。

Unified CCX Outbound Dialer

ハイ アベイラビリティ状況での動作

アウトバウンドの通常操作で、コンタクト レコードのコールの状態とコールの結果を更新するには、Config Data Store(CDS)が必要です。 2 ノードのハイ アベイラビリティ システムに配置する場合、データベースへの書き込み操作を有効にするには、両方のノードで CDS を実行する必要があります。 アウトバウンド サブシステムは、パブリッシャ CDS が起動して稼働している限り、動作可能です。 ハイ アベイラビリティ環境では、マスター ノードのダイヤラだけがアクティブになります。

コンタクトがダイヤル発信される前に、そのコンタクトがキャンペーン用にインポートされ、フェールオーバーが発生した場合、コンタクトは翌日再試行されます。 各キャンペーンに対して再試行可能なコンタクトの数は以下のとおりです。

  • ダイレクト プレビュー キャンペーンの場合、この数は [コンタクト レコードのキャッシュ サイズ(Contact Records Cache Size)] フィールドで設定された最大値と等しくなります。

  • IVR ベースのプログレッシブおよびプレディクティブ キャンペーンの場合、この数は、専用ポートの数に設定されているラインあたりの回線数(LPP)を掛けた値と等しくなります。

  • エージェント ベースのプログレッシブおよびプレディクティブ キャンペーンの場合、この数は、中規模または大規模な VM プロファイルでは 45 になり、小規模な VM プロファイルでは 15 になります。

プレビュー アウトバウンドのフェールオーバーの場合:

  • 予約状態ではないプレビュー アウトバウンド コールがエージェントによるコールの受け入れを待っているときに、マスター エンジンがダウンすると、エージェントは自動的にログアウトされ、プレビュー コールはエージェント デスクトップから消えます。 フェールオーバー中にマスター エンジンが再起動すると、コンタクト レコードのコールの状態は「不明」に設定されます。 フェールオーバー中にマスター エンジンが再起動しない場合は、キャンペーンが開始され、対応可能なエージェントがあるときは、コンタクトがコールされます。

  • 予約状態ではないプレビュー アウトバウンド コールがエージェントによって受け入れられ、コールがカスタマーの電話を呼び出した場合、コールに変化はありません。 ただし、エージェントはログアウトされ、電話でしかコール制御機能を使用できなります。

  • エージェントがプレビュー アウトバウンド コールに対応中に、マスター エンジンがダウンすると、エージェントは自動的にログアウトされ、自動的にログイン状態に戻ります。 エージェントの状態は「受信不可」になります。 顧客がまだコールに対応している場合、エージェントはコール処理を続行しますが、エージェント デスクトップでアウトバウンド固有のオプションを使用できなくなります。

プログレッシブおよびプレディクティブ IVR ベースのアウトバウンドのフェールオーバーの場合:

  • フェールオーバーが発生すると、マスター エンジンの CTI ポートはサービス停止状態になり、顧客と CTI ポート間で進行中のコールは中断されます。 フェールオーバー後は、スタンバイ サーバがキャンペーン内に残っているコンタクトの処理を続行します。

プログレッシブおよびプレディクティブ エージェント ベースのアウトバウンドのフェールオーバーの場合:

  • コールがエージェントに転送される前に、エージェントがアウトバウンド キャンペーン用に予約され、マスター エンジンがダウンすると、エージェントは自動的にログアウトされます。 ダイヤル発信されるコンタクトが存在し、まだエージェントに接続されている場合、そのコンタクトは終了されます。

  • エージェントがバウンド コールに対応中に、マスター エンジンがダウンすると、エージェントは自動的にログアウトされ、自動的にログイン状態に戻ります。 エージェントの状態は「受信不可」になります。 顧客がまだコールに対応している場合、エージェントはコール処理を続行しますが、エージェント デスクトップでアウトバウンド固有のオプションを使用できなくなります。

  • エージェントがアウトバウンド コールに対応中に、Cisco Finesse サービスが再起動するか、エージェントがブラウザを終了した場合は、60 秒後に自動的にエージェントのログインが行われ、エージェントの状態は「受信不可」になります。 顧客がまだコールに対応している場合、エージェントはコール処理を続行しますが、エージェント デスクトップでアウトバウンド固有のオプションを使用できなくなります。

エンジンの冗長性

Unified Communications Manager に到着する Unified CCX ルート ポイント宛の着信コールはすべて、Unified CCX エンジンで受け入れられ、すべての Unified CCX コール処理と、ACD ルーティング サービスが動作可能になります。 多数のエージェントへの自動ログインには、最高 1 分かかります。

フェールオーバーが発生した場合は、自動ログイン プロセスが完了して、エージェントが手動で状態を「受信可」に設定するまで、ACD サブシステムはエージェントへのコールをルーティングできません。 Unified CCX にルーティングされたコールのエージェントがこれらのコールの存続を確認すると、CAD によって 1 分以内にエージェントの再ログインが自動実行され、フェールオーバーの発生を示すインジケータが画面に表示されます。 再ログイン後、エージェントはコールを受信する準備が整ったら、状態を「受信可」に設定する必要があります。 IPPA を使用しているエージェントは、新たにマスターになった Unified CCX Engine サーバに手動でログインする必要があります。

データセンター間の WAN リンクがダウンした場合:アイランド モード

接続障害によって「アイランド モード」と呼ばれる状況が発生します。この状況では、(ネットワークのそれぞれの側の)各ノードがマスターシップを引き継ぎ、コールを処理します。 各ノードはもう一方の側で障害が発生したかのように動作し、マスター(エンジンおよびデータ ストア コンポーネント)であることを宣言します。 すでにマスターであるノードはその状態を継続します。 電話機と CAD/CSD は、ネットワークの同じ側にあるエンジンと Unified Communications Manager のペアに登録する必要があります。 この処理は自動的に行われます。 フェールオーバー動作は次のとおりです。

  • 履歴データは、ローカル データ ストアに書き込まれます。
  • リアルタイム レポート(RTR)は、各ノードの状態を示します。
  • 設定は変更できません。
  • ネットワーク経由でエンタープライズ データベースに アクセスすることはできません。
  • これらはハイ アベイラビリティをサポートしないため、アウトバウンドは正常に機能しません。

アイランド モードの発生が 4 日間以上続いた場合、ノード間のデータベース レプリケーションは中断され、WAN リンクが回復した際に Unified CCX Administration Web インターフェイスから再確立する必要があります。

バックアップ スクリプトはパブリッシャで実行され、マスターシップを持つデータベースをバックアップします。 アイランド モードでは、1 つのノードのみがバックアップされ、他のノードで収集されたデータはバックアップされません。 このバックアップには不整合があり、復元するとデータは失われます。

接続の復元

ネットワーク接続が回復すると、エンジンのマスターシップのコンバージェンスが発生します。 2 つのマスターは共存できないため、ノードの一方がマスターシップを放棄します。 そのノードで処理されているアクティブ コールはすべて破棄され、そのノードにログインしているエージェントはログアウトされます。

同様に、コール アクティビティを中断することなく、データ ストアのコンバージェンスが行われます。 所定のレプリケーション保存期間内にリンクが回復した場合にのみ、コンバージェンスの実行直後にすべてのデータが複製されます。それ以外の場合は、顧客が [データストア コントロール センター(Datastore Control Center)] ページからレプリケーションを初期化する必要があります。


ヒント


Unified CCX Administration の [データストア コントロール センター(Datastore Control Center)] ページまたは CLI を使用して、レプリケーションの状態を検査できます。


マスター エンジンがダウンした場合

マスター エンジン(ノード 1 上)で障害が発生すると、CVD はノード 2 のエンジンをマスターとして選択します。 障害の発生時にノード 1 のエンジンで処理中だったコールは終了され、アクティブなコールもすべて終了されます。 エージェントがノード 2 のマスター エンジンを使って再ログイン中に新たに着信したコールは、ログインが完了するまでキューに格納されます。 履歴データはノード 2 のマスター エンジンのローカル データベースに書き込まれます。

WAN リンクとエンジンの 1 つがダウンした場合

WAN がダウンすると、WAN を介して Unified CM Sub 1 で提供された CTI 機能を使用できなくなります。 ノード 2 上のマスター エンジンは、Unified Communications Manager Sub 2 にフェールオーバーします。 キュー内のコールはすべて終了されます。 エージェントは再ログインする必要はありません。

一部のエージェントは「受信不可」状態のままになります。これは、対応するエージェントの電話が Unified Communications Manager Sub 1 に登録されているからです。 電話を強制的に再登録する自動機能はありません。

この状況は、WAN が正常な状態に戻ると修正されます。

Extend and Connect フェールオーバー

次の表は、Unified CCX と Cisco Unified Communications Manager のフェールオーバー時における持続接続コールの動作を示しています。

フェールオーバー Cisco Agent Desktop Cisco Finesse
持続接続コール ICD コール 持続接続コール ICD コール
Unified CCX フェールオーバー 終了しない 終了しない 終了しない 終了しない
Cisco Unified Communications Manager のフェールオーバー 終了

次のメッセージが表示されます。「Agent device is out of service.

エージェントは「受信不可」状態になります。
ICD コールは終了しません。

次のメッセージが表示されます。「Agent device is out of service.

エージェントは「受信不可」状態になります。
終了 終了しない エージェントは「受信不可」状態になります。
デスクトップ接続の損失 終了し、デスクトップ接続の復旧後に再確立されます。 終了 再接続すると、持続接続コールが再確立されます。 終了しない 終了しない

Cisco Finesse フェールオーバー

ここでは、Unified CCX のフェールオーバー時における Cisco Finesse の アクションについて説明します。

スマート フェールオーバー

Cisco Finesse のクライアントは、Cisco Finesse が他のサーバで IN_SERVICE 状態であることを確認しない限り、他のサーバへのリダイレクトを完了しません。 その時点までに障害側が復旧した場合、クライアントは自動的にそれに再接続します。

HA 配置の障害シナリオ

次の表は、ハイ アベイラビリティ配置で発生する可能性がある障害を示しています。

障害シナリオ

フェールオーバー

Unified CCX の状態

Cisco Finesse サイト A の状態

Cisco Finesse サイト B の状態

Cisco Finesse クライアントの動作

リカバリ

サイト A とサイト B の間の接続が切断(アイランド モード)。

いいえ

サイト A とサイト B の両方ががマスターになります。

IN_SERVICE

IN_SERVICE

クライアントは両方のサイトに接続して動作できます。

接続が再確立されると、Unified CCX はプライマリ ノードをマスターとします。 マスター以外のノードに接続しているクライアントはリダイレクトされます。

アクティブ ノードがダウン(サイト A)。

Yes

サイト B がマスターになります。

OUT_OF_SERVICE

IN_SERVICE

クライアントはサイト B に接続して動作できます。

接続が再確立されると、プライマリ ノードがマスターになります。 サイト B ノードに接続しているクライアントは、サイト A にリダイレクトされます。

Cisco Unified Intelligence Center

サーバがダウンした場合

2 ノードのハイ アベイラビリティ(HA)セットアップでは、任意のノードに接続してレポートにアクセスできます。 接続先のノードがダウンした場合は、他のノードにログインしてレポートにアクセスしてください。

アイランド モード

WAN がダウンすると、ノードはアイランド(island)モードで動作し、両方のノードがそれぞれマスターシップ(エンジンとデータ ストア コンポーネント)を引き継ぎます。 ノードのいずれかからレポートにアクセスできます。


(注)  


接続が復元されるまでノード間のデータ レプリケーションは行われないため、レポートでデータの不一致が生じます。


Web チャット

ハイ アベイラビリティ配置では、アクティブ サーバの障害を検出でき、Web チャット サブシステムはアクティブ サーバからスタンバイ サーバに自動的にフェールオーバーできます。 未応答のチャットはすべて新しいアクティブ サーバに移動されます。

ログインしているすべてのエージェントはログアウトされ、再びログインする必要がある新しいアクティブ サーバにリダイレクトされます。

Finesse エージェント デスクトップでは、アクティブなチャット セッションは終了させられます。 Cisco Agent Desktop ではアクティブなチャット セッションは継続されますが、エージェントはサーバからログアウトされます。 チャット セッションの終了後、エージェントは新しいアクティブ サーバにログインする必要があります。

Unified CCX は Web チャットに耐障害性を提供します。 HA 配置では、SocialMiner は両方の Unified CCX ノードと通信するように設定されます。 SocialMiner に新しいコンタクトが到着すると、両方の Unified CCX ノードに通知されます。

フェールオーバーが発生すると、キューに格納されていたコンタクトや未読のコンタクトは SocialMiner によって Unified CCX に再び取り込まれ、新しいマスター サーバがこれらのコンタクトをキューに格納して、割り当てを開始します。

注目:

Cisco SocialMiner は、HA 配置オプションをサポートしていません。 チャットは、SocialMiner がダウンすると使用できなくなります。


(注)  


Web チャットはアイランド モードのシナリオをサポートしていません。