Cisco UCS 設置場所の準備ガイド
設置場所の準備
設置場所の準備
発行日;2013/04/18   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

設置場所の準備

この章では、Cisco UCS システムの設置を準備するうえで、認識しておく必要がある基本的な設置環境の条件について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

Cisco UCS システムについて

環境要因が、UCS 機器のパフォーマンスと寿命に悪影響を与えることがあります。 Cisco UCS 機器は、乾燥して清潔で、換気が良く、空調が管理された環境に設置する必要があります。 正常な動作を確保するため、十分な換気を行ってください。 エアーフローが遮られたり、制限されたりしている場合や、取り込まれた空気の温度が高すぎると、温度異常が起きることがあります。温度異常が起きると、環境監視システムがブレード サーバまたはファブリック インターコネクト コンポーネントを保護するために電源を遮断します。

安定性と安全を確保するために、ラックには常に軽い機器の下に重い機器を配置するようにしてください。 Cisco UCS 機器を一緒に取り付ける場合は、Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシ シリーズをラックの下部に設置し、このブレード サーバの上にファブリック インターコネクトを配置します。

設置場所にホット アイルとコールド アイルが設けられている場合は、前面にあるラックの空気取り入れ口をコールド アイル側に、背面の排気口をホット アイル側に向けてください。 さらに、他の機器からの高温の排気が Cisco UCS 機器に取り込まれるように設置しないようにしてください。

温度

極端な温度下では、Cisco UCS 機器の動作効率の低下が生じたり、早期劣化、チップの障害、および機器の障害を含むさまざまな問題が生じたりすることがあります。 また、極端な温度変化によって、CPU がソケットから外れることがあります。 Cisco UCS 機器は、吸気温度が 10°C(50°F)を下回らず、35°C(95°F)を上回らない環境で動作する必要があります。 CPU のセンサーが 82°C(179.6°F)に到達すると、システムはその CPU をオフラインにします。

機器の温度を制御するには、機器のエアーフローを適切に確保する必要があります。 Cisco UCS 機器では、十分な通気を確保し、コンポーネントの交換に対応するため、前面に 36.0 インチ(91.4 cm)以上、シャーシの背面に 16 インチ(40.6 cm)以上のスペースを確保した、前面から背面へのエアーフローが必要です。 ラックの前面扉および背面扉は、開孔率が 65% 以上である場合、これらの間隔には含めません。また、室内の冷却計画は従来のホット アイル/コールド アイルを想定しています(この設置間隔は、他の冷却計画を採用している場合でも有効な場合があります)。 Cisco R シリーズ ラックは、ラックの選択として理想的です。 冷気が設計どおりに送られるようにするには、未使用の電源またはサーバ ベイに、必ずブランク パネルを使用します。 ラック内の前面パネル RU の空きスペースを埋めるためには、必ずブランク パネルを使用します。 ブランク パネルを使用すると、適切なエアーフローが確保され、ラック内で温風が再循環することを防ぎます。 ブランク パネルなしでラックを使用すると、冷却が不十分になり、温熱警告または温熱損傷まで引き起こすおそれがあります。

高地で Cisco UCS システムを動作させている場合には、十分な通気を確保することが重要です。 シャーシのすべてのスロットおよび開口部、特にファンのエアーフロー孔はふさがないようにします。 設置場所のクリーニングを定期的に実施して、ほこりやごみがたまらないようにしてください。ほこりやごみがたまるとシステムが過熱するおそれがあります。

Cisco UCS シリーズ システムが異常な低温にさらされた場合は、2 時間のウォームアップ時間をとって、正常な動作温度まで上昇してから、機器の電源をオンにしてください。


注意    


温度が異常に低くなったときに 2 時間のウォームアップ時間をとらないと、内部コンポーネントが損傷することがあります。


UCS システムによる発熱量は多くの要因によって変動する可能性がありますが、最大発熱量は「表 2-1」に記載されています。

表 1 システムの発熱量

コンポーネント

1 時間あたりの最大 BTU

Cisco UCS 6120XP ファブリック インターコネクト

1534

Cisco UCS 6140XP ファブリック インターコネクト

2561

Cisco UCS 6248UP ファブリック インターコネクト

1998

Cisco UCS 6296UP ファブリック インターコネクト

3163

Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシ(ファン、電源、ミッドプレーン)

1364

各 Cisco UCS ハーフ幅ブレード サーバ

1350(概算)

各 Cisco UCS フル幅ブレード サーバ 1

2700(概算)

1 ブレード サーバの発熱量はモデルごとに異なります。ご使用のシステムのブレード サーバに対応する取り付けおよびサービス ノートをご確認ください。 http:/​/​www.cisco.com/​en/​US/​products/​ps10280/​prod_​installation_​guides_​list.html を参照してください。

湿度

湿度が高いと、湿気が Cisco UCS 機器内に浸透することがあります。 湿気が原因で、内部コンポーネントが腐食したり、電気抵抗、熱伝導性、物理的強度が劣化したりすることがあります。 Cisco UCS 機器は、相対湿度 10~90 パーセントで動作するよう規定されています。

温暖期の空調と寒冷期の暖房により室温が四季を通して管理されている建物内では、機器にとって、通常許容できるレベルの湿度が維持されています。 ただし、Cisco UCS 機器を極端に湿度の高い場所に設置する場合は、除湿装置を使用して、湿度を許容範囲内に維持してください。

高度

標高の高い(気圧が低い)場所で Cisco UCS 機器を動作させると、対流型の強制空冷方式の効率が低下し、その結果、電気障害が発生することがあります。 また、このような状況では、内部圧力がかかっている密閉コンポーネント、たとえば、電解コンデンサが損傷したり、その効率が低下したりする場合もあります。 Cisco UCS 機器は 0~10,000 フィート(0~3,000 m)の高度で動作するよう規定されています。 10,000 フィート(3,000 m)を超えても機器は動作しますが、最大温度は、10,000 フィート(3,000 m)を超えた時点で、1,000 フィート(300 m)ごとに 1°C 低下します。 機器保管時の高度は -1,000~30,000 フィート(-305~9,144 m)です。

埃と微粒子

シャーシ内のさまざまな開口部を通じて空気を吸気および排気することによって、排気ファンは電源モジュールを冷却し、システム ファン トレイは機器を冷却します。 しかし、ファンはほこりやその他の微粒子を吸い込み、機器に混入物質を蓄積させ、内部シャーシの温度が上昇する原因にもなります。 清潔な作業環境を保つことで、ほこりやその他の微粒子による悪影響を大幅に減らすことができます。これらの異物は絶縁体となり、機器の機械的なコンポーネントの正常な動作を妨げます。

腐食

機器コネクタの腐食は、徐々に進行し、最終的に電気回路の間欠的な障害を引き起こす原因になります。 人間の指先に付着した油脂分や、高温多湿の環境に長時間さらされたことが原因で、Cisco UCS 機器内の各種のコンポーネントに取り付けられている金メッキされたエッジ コネクタやピン コネクタが腐食することがあります。 腐食を防ぐために、モジュール上の接点には触れないでください。また、極端な温度、および湿気や塩分の多い環境から機器を保護してください。

電磁干渉および無線周波数干渉

EMI および RFI の発生を抑えるために、次の注意事項に従ってください。

  • すべての空き拡張スロットに金属製のフィラー プレートを取り付けます。
  • 機器に周辺機器を接続する際は、必ず金属製のコネクタ シェル付きシールド ケーブルを使用します。

    (注)  


    強力な EMI を予測して防止するには、RFI の専門家に相談することが必要になる場合があります。


アース

Cisco UCS 機器が、電源によって供給される電圧の変動の影響を受けやすくなっています。 過電圧、低電圧、および過渡電圧(スパイク)によって、データがメモリから消去されたり、コンポーネントの障害が発生するおそれがあります。 このような問題から保護するには、ブレード サーバ シャーシとファブリック インターコネクトを格納するラックがアースされていることを常に確認する必要があります。 ラックがアースされている場合、ラック内に設置された UCS 機器は自動的にアースされます。 アース接続手順については、ラック固有の手順を参照してください。

電源

専用電源回路を使用する必要があります(電力を大量に消費する他の機器と回路を共用しないでください)。 入力電源の冗長性を確保するため、専用の電源を 2 つ使用することを推奨します。それぞれが、ブレード サーバ シャーシとファブリック インターコネクト内の各電源装置に半分ずつ電源を供給します。 Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシに使用する回路の定格電圧は、20A、200~250 VAC、または最大 62 A @ -48 VDC 入力にする必要があります。 Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトに使用する回路の定格電圧は、15A、100~240 VAC にする必要があります。 Cisco UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクトに使用する回路の定格電圧は、15A、100~240 VAC または 62 A @ -72 VDC にする必要があります。 これらの回路のコンセントは、機器内に設置する場合、各電源装置から 6 フィート(1.8 m)以内にする必要があります。 DC 電源を使用して機器を格納しているラックの近くに DC 切断のスイッチがあることを確認します。

電力バジェット

実際の電力消費は、システムで使用されるアプリケーションやサーバの数と種類によって異なります。 稼働時に問題が発生しないようにする最善の方法は、実際の電力消費または一般的な電力消費ではなく、システムの最大値の計画を立てることです。 必要な電源装置の数は、冗長性レベルとサーバ ブレードの数によって決まります。 UCS Manager の電源装置設定では、非冗長、N + 1 冗長およびグリッド冗長の各設定をサポートします。

各シングル スロット ブレード サーバには、最大 550W が給電されます。 各デュアル スロット ブレード サーバには、最大 1100W が給電されます。 シャーシ(ファブリック エクステンダ、ファンおよび電源を含む)には 600W が給電されます。 各電源は 2500 W を供給できます。 搭載されたブレード スロットが 7 台以下の場合、バジェット計算用に 550W の緩衝分を追加します。

特定の設定に必要な電源装置の数を決定するには、『Cisco UCS Power Calculator』を参照することもできます。

次に例を示します。

  • 5 台の B200 ブレード サーバには 3900 W(各サーバ用に 5 X 550 W、システム用に 600 W、緩衝分として 550W)が必要です。
  • 非冗長モードでは 2 個の電源装置が必要で、既存の追加の電源装置はすべて UCS Manager によってディセーブルになり、スペアとして認識されます。 この非冗長システムで 2 個の電源装置のうち 1 個への電源が失われた場合、シャーシ全体の電源がダウンします。 オンラインではなく非冗長構成内に存在するスペア電源装置は、電力消失時には即座にオンラインにならないため、このスペアは N+1 構成内の +1 電源と同じ動作はしません。
  • N+1 冗長モードでは、この例では 3 個の電源装置が必要です。 シャーシに最後に挿入される電源装置は +1 電源になります。 3 個の電源装置のうち 1 個への電源が失われた場合、+1 電源がただちに割り込み、システムは中断することなく動作し続けます。 3 個の電源装置のうち 2 個への電源が失われた場合、使用可能な電源で電力の需要に対応できるまで、シャーシ上部から降順にブレード サーバをシャット ダウンします。
  • グリッド冗長モードでは、この例では 4 個の電源装置が必要です。 4 個の電源装置のうち 1 個への電源が失われた場合、システムは中断することなく動作し続けます。 同じ配電網にある 2 個の電源装置への電源が失われた場合、システムは他の配電網に切り替え、中断することなく動作し続けます。 4 個の電源装置のうち 1 個への電源しか使用できない場合、使用可能な電源で電力の需要に対応できるまで、シャーシ上部から降順にブレード サーバをシャット ダウンします。

ユーザがシステムで使用する電源ポリシーを設定するには、『UCS Manager Configuration Guide』の「Configuring System-Related Policies」の章を参照してください。

ラックに関する要件

ラックの一般的な要件

Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシとファブリック インターコネクトは、前方のレールから背面のレールまでの奥行が 29 インチ(73.66 cm)以上 35 インチ(88.9 cm)以下である、標準 19 インチ(48.26 cm)ラック(仕様 EIA-310-D を参照)向けに設計されています。 Cisco R シリーズ ラックは、ラックの選択として理想的です。

サーバ ラックに閉じた前面扉および背面扉が含まれる場合、十分な通気を確保するため、扉の上から下まで均等に、全体の 65 パーセント以上が穿孔している必要があります。


(注)  


29 インチ(73.66 cm)ラックでは、ブレード サーバ シャーシは、ラックの背面の外側に 3 インチ(7.62 cm)拡張します。


Cisco UCS コンポーネントに使用するマウント レールおよびマウント キットでは、垂直マウント ラック内に正方形の穴が必要です。 丸形のネジ穴を備えるラックは、Cisco UCS 5108 マウント レールおよびマウント キットでは使用されません。

選択したラックに Cisco UCS 機器を保守するスペースを確保できることを確認するには、次の表を参照してください。

表 2 ラックのスペースに関する要件

ラックの側面

スペースに関する要件

前面

36 インチ(91.44 cm)と、必要に応じて Cisco UCS 装置の移動に使用するリフト用の追加のスペース。

背面

背面から最も離れたところで、ラックまたはシャーシの背面から 16 インチ(40.64 cm)。

側面

N/A(アクセス可能な部品はありません)

ラック スペース

表 2-3」には、開梱された Cisco UCS 機器の物理仕様を示します。 垂直設置スペースに 42 RU を備えているラックが推奨されますが、必須ではありません。 Cisco R シリーズ ラックは、ラックの選択として理想的です。

表 3 開梱された Cisco UCS 機器のサイズ

シャーシ

奥行

高さ

Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシ

17.5 インチ(44.5 cm)

32.0 インチ(81.2 cm)

10.5 インチ(26.7 cm)(6 RU)

Cisco UCS 6120XP ファブリック インターコネクト

17.3 インチ(43.9 cm)

30.0 インチ(76.2 cm)

1.72 インチ(4.4 cm)(1 RU)

Cisco UCS 6140XP ファブリック インターコネクト

17.3 インチ(43.9 cm)

30.0 インチ(76.2 cm)

3.44 インチ(8.8 cm)(2 RU)

Cisco UCS 6248UP ファブリック インターコネクト

17.3 インチ(43.9 cm)

29.5 インチ(74.9 cm)

1.72 インチ(4.4 cm)(1 RU)

Cisco UCS 6296UP ファブリック インターコネクト

17.3 インチ(43.9 cm)

29.5 インチ(74.9 cm)

3.44 インチ(8.8 cm)(2 RU)

ラックの間隔

UCS ファブリック インターコネクトのペアは、最大 20 台の Cisco UCS 5108 シャーシの接続を管理および提供できます(UCS Manager のバージョンに対応する『UCS Manager リリース ノート』を参照してください)。 理想的にはすべての Cisco UCS 5108 シャーシと UCS ファブリック インターコネクトは同じラック内または隣接するラックに搭載されます。 このとき、Twinax 銅トランシーバが理想的です。

表 4 サポートされる SFP+ 10 ギガビット イーサネット Twinax 銅トランシーバ

モデル

説明

SFP-H10GB-CU1M

10 ギガビット イーサネット:銅 SFP+(1 m、3.28 フィート)

SFP-H10GB-CU3M

10 ギガビット イーサネット:銅 SFP+(3 m、9.84 フィート)

SFP-H10GB-CU5M

10 ギガビット イーサネット:銅 SFP+(5 m、16.4 フィート)

SFP-H10GB-ACU7M

10 ギガビット イーサネット:銅 SFP+(7 m、22.9 フィート)

SFP-H10GB-ACU10M

10 ギガビット イーサネット:銅 SFP+(10 m、32.8 フィート)

距離が 10 m(32.8 フィート)を超える場合は、銅 SFP+ トランシーバの代わりに光 SFP+ トランシーバを使用できます。

表 5 サポートされる光 SFP+ トランシーバ

モデル

説明

SFP-10G-SR

ショートレンジ光 SFP+(最大 300 m/984 フィート)

SFP-10G-LR

ロングレンジ光 SFP+(最大 10 km/6.2 マイル)

FET-10G

ショートレンジ光 SFP+(最大 100 m/328 フィート)

2 SFP-10G-LR はファブリック インターコネクトと I/O モジュールの両方でサポートされますが、最大距離により全体的なパフォーマンスに影響を与える遅延課題が生じます。 このアプリケーションの有効な最大距離は 300 m です。

これらのトランシーバのマニュアルについては、『Cisco SFP and SFP+ Transceiver Module Installation Notes』を参照してください。

シャーシとファブリック インターコネクトの拡張モジュール間のファイバ チャネル接続に、次のトランシーバが使用する可能性があります。

表 6 サポートされるファイバ チャネル トランシーバ

モデル

説明

DS-SFP-FC4G-SW

4 Gbps ファイバ チャネル SFP(最大 300 m/984 フィート)

DS-SFP-FC8G-SW

8 Gbps ファイバ チャネル SFP(最大 150 m/492 フィート)

DS-SFP-FC4G-LW3

4 Gbps ファイバ チャネル SFP(最大 10 km/6.2 マイル)

DS-SFP-FC8G-LW1

8 Gbps ファイバ チャネル SFP(最大 10 km/6.2 マイル)

3 SFP はファブリック インターコネクトと I/O モジュールの両方でサポートされますが、最大距離により全体的なパフォーマンスに影響を与える遅延課題が生じます。 このアプリケーションの有効な最大距離は 300 m です。

各ファブリック インターコネクトは、SFP コネクタの次のモデルを使用する限られた数の 1GB 接続もサポートできます(これには UCS Manager 1.4(1) 以降が必要です)。

表 7 サポートされる 1 GB SFP トランシーバ

モデル

説明

GLC-T(V03 以上)

ショートレンジ銅 SFP(最大 300 m/984 フィート)

GLC-SX-MM

ショートレンジ光 SFP(最大 300 m/984 フィート)

GLC-LH-SM

ロングレンジ光 SFP(550 m/1804 フィート)