Cisco UCS Manager CLI コンフィギュレーション ガイド、リリース 2.2
Cisco UCS での電源管理
Cisco UCS での電源管理

目次

Cisco UCS での電源管理

この章は、次の項で構成されています。

Cisco UCS での電源管理

次の機能のいずれかを設定することで、Cisco UCS Manager で電源を管理できます。
  • Cisco UCS ドメイン内のすべてのシャーシの電源冗長性

  • ポリシー方式のシャーシ レベルの電力制限

  • 手動によるブレード レベルの電力制限

ラック サーバの電源管理

電力制限はラック サーバではサポートされません。

電源管理の注意事項

CIMC をリセットすると、CIMC がリブートするまでの間、Cisco UCS の電力モニタリング機能が短時間使用不能になります。 通常は 20 秒しかかかりませんが、その間にピーク電力制限を超える可能性があります。 非常に低い電力制限が設定された環境で、設定された電力制限を超えないようにするには、CIMC のリブートまたはアクティブ化を交互に実施することを検討してください。

電源ポリシーの設定

電源ポリシー

電源ポリシーは、Cisco UCS ドメイン内のすべてのシャーシに電源冗長性を指定するグローバル ポリシーです。 このポリシーは PSU ポリシーとも呼ばれます。

電源の冗長性の詳細については、『『Cisco UCS 5108 Server Chassis Hardware Installation Guide』』を参照してください。

電源ポリシーの設定

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1UCS-A# scope org org-name  

    指定した組織の組織モードを開始します。 ルート組織モードに入るには、「/」を org-name として入力します。

     
    ステップ 2UCS-A /org # scope psu-policy  

    PSU ポリシー モードを開始します。

     
    ステップ 3UCS-A /org/psu-policy # set redundancy {grid | n-plus-1 | non-redund}  

    次のいずれかの冗長タイプを指定します。

    • grid:シャーシに電力を供給するために 2 台の電源装置が使用されている場合、電源の冗長性を提供します。 1 台の電源装置が故障した場合、別の電源回路に接続された電源モジュールがシャーシに電力を提供し続けます。

    • n-plus-1:冗長性のため、非冗長プラス ワン追加電源を満足させるのに必要な電源数全体にわたって、シャーシの電源負荷のバランスを保ちます。 追加の電源装置が取り付けられている場合、認識され、オフになります。

    • non-redund:取り付け済み電源装置全体でシャーシの電力負荷のバランスを均等にします。

    電源の冗長性の詳細については、Cisco UCS 5108 Server Chassis Installation Guideを参照してください。

     
    ステップ 4UCS-A /org/psu-policy # commit-buffer  

    トランザクションをシステムの設定にコミットします。

     

    次に、グリッド冗長性を使用するように電源ポリシーを設定し、トランザクションをコミットする例を示します。

    UCS-A# scope org /
    UCS-A /org # scope psu-policy
    UCS-A /org/psu-policy # set redundancy grid			 
    UCS-A /org/psu-policy* # commit-buffer
    UCS-A /org/psu-policy #
    

    グローバル制限ポリシーの設定

    グローバル電力割り当てポリシー

    グローバル電力割り当てポリシーは、ポリシー方式のシャーシ グループ電力制限または手動によるブレード レベル電力制限のいずれを、シャーシ内のすべてのサーバに適用するか指定するグローバル ポリシーです。

    デフォルトの電力割り当て方法である、ポリシー方式のシャーシ グループ電力制限を使用することを推奨します。
    重要:

    手動によるブレード レベル電力割り当ての設定に変更を加えると、ポリシー方式のシャーシ グループ電力割り当てで設定されたグループや設定オプションが失われます。

    グローバル制限ポリシーの設定

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 UCS-A# scope power-cap-mgmt  

      電力制限管理モードを開始します。

       
      ステップ 2 UCS-A /power-cap-mgmt # set cap-policy {manual-blade-level-cap | policy-driven-chassis-group-cap}  

      指定された電力制限管理モードにグローバル制限ポリシーを設定します。

      デフォルトでは、グローバル制限ポリシーは Policy Driven Chassis Group Cap に設定されます。

       
      ステップ 3 UCS-A /power-cap-mgmt # commit-buffer  

      トランザクションをシステムの設定にコミットします。

       
      次の例では、手動ブレードの電力制限にグローバル制限ポリシーを設定し、トランザクションをコミットします。
      UCS-A# scope power-cap-mgmt
      UCS-A /power-cap-mgmt # set cap-policy manual-blade-level-cap
      UCS-A /power-cap-mgmt* # commit-buffer
      UCS-A /power-cap-mgmt #

      ポリシー方式のシャーシ グループの電力制限の設定

      ポリシー方式のシャーシ グループの電力制限

      グローバル制限ポリシーでポリシー方式の電源シャーシ グループ電力制限を選択すると、費用のかかる電力障害のリスクを冒すことなく、Cisco UCS でサーバのオーバーサブスクリプションを維持できます。 これは、二重のプロセスによって実現されます。 シャーシ レベルでは、Cisco UCS は使用可能な電力量を電源グループのメンバに分配します。 ブレード レベルでは、シャーシに割り当てられた電力量が優先順位に基づいてブレードに分配されます。

      サービス プロファイルの関連付けや関連付け解除が実行されるたびに、UCS Manager はシャーシ内の各ブレード サーバへの電力割り当てを再計算します。 必要に応じて、優先順位の低いサービス プロファイルの電力が優先順位の高いサービス プロファイルに再分配されます。

      データセンターの回路ブレーカーを保護するために、UCS 電源グループは 1 秒未満で電力を制限します。 ブレードは、シャーシの電力配分が最適化されるまで 20 秒間その上限にとどまる必要があります。 これは、必要とされる一時的なスパイクに反応することがないよう、意図的によりゆっくりとしたタイムスケールで実行されます。


      (注)  


      システムは、各スロットのサーバを起動するのに十分な電力をリザーブしています。これは、スロットが空の場合でも同様です。 このリザーブ電力が、より多くの電力を必要とするサーバで使用されることはありません。 電力制限に準拠しないブレードはペナルティを課されるか、シャットダウンされます。


      電源グループ

      電源グループは、すべてが同じ配電ユニット(PDU)から電源を得ているシャーシのセットです。 Cisco UCS Manager では、1 つ以上のシャーシを含む電源グループを作成し、その電源グループに AC ワット単位でピーク電力制限を設定することができます。

      シャーシ レベルの電力制限を設定するには、以下が必要です。
      • IOM、CIMC、および BIOS バージョン 1.4 以上

      • 2 台の PSU

      ピーク電力キャップは、特定の電源グループ内のすべてのブレード サーバで使用可能な最大電力を表すスタティック値です。 電源グループにブレードを追加、または電源グループからブレードを除外し、手動でピーク電力キャップを変更しなかった場合、電源グループはピーク電力キャップを調整して、その電源グループ内のすべてのブレードの基本的な電源投入要件をサポートします。

      最低 AC 1556 ワットが各シャーシに設定されます。 これは、満載したシャーシに電源を供給するために必要な最低電力量である DC 電力 1400 ワットに変換されます。

      シャーシが電源グループに追加されると、シャーシ内のブレードに関連付けられているすべてのサービス プロファイルもその電源グループの一部になります。 同様に、シャーシに新規ブレードを追加すると、そのブレードは、当然のこととして、シャーシの電源グループの一部になります。

      (注)  


      電源グループの作成は、サーバ プールの作成とは異なります。 ただし、電源修飾子を作成してサーバ プール ポリシーに追加することで、サーバ プールに同じ電源グループのメンバを組み入れることができます。


      シャーシを除外または削除すると、そのシャーシは電源グループから削除されます。

      次の表は、電源バジェットの割り当て時および電源グループとの連動時に、表示される可能性のあるエラー メッセージを示しています。
      エラー メッセージ Cause 推奨処置
      Insufficient budget for power group POWERGROUP_NAME

      このメッセージは、シャーシに電力制限を割り当てる際に最小限度を満たしていない場合に表示されます。

      電力制限を AC 1556 ワット(DC 1400 ワット)以上に増加します。

      Insufficient power available to discover server Chassis ID/BladeID

      このメッセージは、新しいブレードの導入時にブレードの検出に使用可能なブート電力が不十分な場合に表示されます。

      次のいずれかを実行して、電源バジェットを再度割り当てることができます。
      • 電源グループ内のシャーシまたはブレードを削除または解放します。

      • グループの電源バジェットを増加します。

      • グループのブレードに関連付けられている優先順位を下げます。

      電源グループの作成

      はじめる前に

      グローバル電力割り当てポリシーが Policy Driven Chassis Group Cap に設定されていることを確認してください。

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 UCS-A# scope power-cap-mgmt  

        電力制限管理モードを開始します。

         
        ステップ 2 UCS-A /power-cap-mgmt # create power-group power-group-name  

        電源グループを作成し、電源グループ モードを開始します。

         
        ステップ 3 UCS-A /power-cap-mgmt/power-group # set peak {peak-num | disabled | uninitialized}  

        電源グループに使用可能な最大ピーク時電力(W)を指定します。

         
        ステップ 4 UCS-A /power-cap-mgmt/power-group # create chassis chassis-id  

        指定されたシャーシを電源グループに追加し、電源グループ シャーシ モードを開始します。

         
        ステップ 5 UCS-A /power-cap-mgmt/power-group/chassis # commit-buffer  

        トランザクションをシステムの設定にコミットします。

         

        次の例は、powergroup1 という電力グループを作成し、電源グループの最大ピーク時電力(10000 W)を指定し、シャーシ 1 をグループに追加し、トランザクションをコミットします。

        UCS-A# scope power-cap-mgmt
        UCS-A /power-cap-mgmt # create power-group powergroup1
        UCS-A /power-cap-mgmt/power-group* # set peak 10000
        UCS-A /power-cap-mgmt/power-group* # create chassis 1
        UCS-A /power-cap-mgmt/power-group/chassis* # commit-buffer
        UCS-A /power-cap-mgmt/power-group/chassis #

        電源グループの削除

        手順
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 UCS-A# scope power-cap-mgmt  

          電力制限管理モードを開始します。

           
          ステップ 2 UCS-A /power-cap-mgmt # delete power-group power-group-name  

          指定された電源グループを削除します。

           
          ステップ 3 UCS-A /power-cap-mgmt/power-group/chassis # commit-buffer  

          トランザクションをシステムの設定にコミットします。

           

          次の例は、powergroup1 という名前の電源ポリシーを削除し、トランザクションをコミットします。

          UCS-A# scope power-cap-mgmt
          UCS-A /power-cap-mgmt # delete power-group powergroup1
          UCS-A /power-cap-mgmt* # commit-buffer
          UCS-A /power-cap-mgmt #

          電源制御ポリシー

          Cisco UCS は、電力制御ポリシーの優先順位設定をブレードのタイプおよび設定と共に使用して、シャーシ内の各ブレードに対する初期電力割り当てを計算します。 通常の動作中、シャーシ内のアクティブなブレードは、同じシャーシ内のアイドル ブレードから電力を借りることができます。 すべてのブレードがアクティブで、電力制限に到達した場合は、優先順位が高い電力制御ポリシーを備えたサービス プロファイルが、優先順位の低い電力制御ポリシーを備えたサービス プロファイルよりも優先されます。

          優先順位は 1 ~ 10 の段階にランク付けされており、1 が最も高い優先順位、10 が最も低い優先順位を表します。 デフォルトの優先順位 5 です。

          ミッション クリティカルなアプリケーションには、no-cap という特殊な優先順位も使用できます。 優先順位を no-cap に設定すると、Cisco UCS が特定のサーバの未使用電力を利用するのを回避できます。 この設定を行うと、サーバ タイプに対して許可されている最大の電力容量がサーバに割り当てられます。


          (注)  


          このポリシーはサービス プロファイルに組み込む必要があります。また。このサービス プロファイルを有効にするには、サーバに関連付ける必要があります。


          電力制御ポリシーの作成

          手順
             コマンドまたはアクション目的
            ステップ 1 UCS-A# scope org org-name  

            指定した組織の組織モードを開始します。 ルート組織モードを開始するには、org-name に / と入力します。

             
            ステップ 2 UCS-A /org # create power-control-policy power-control-pol-name  

            電力制御ポリシーを作成し、電力制御ポリシー モードを開始します。

             
            ステップ 3 UCS-A /org/power-control-policy # set priority {priority-num | no-cap}  

            電力制御ポリシーにプライオリティを指定します。

             
            ステップ 4 UCS-A /org/power-control-policy # commit-buffer  

            トランザクションをシステムの設定にコミットします。

             

            次の例は、powerpolicy15 という電力制御ポリシーを作成し、プライオリティをレベル 2 に設定し、トランザクションをコミットします。

            UCS-A# scope org /
            UCS-A /org # create power-control-policy powerpolicy15
            UCS-A /org/power-control policy* # set priority 2
            UCS-A /org/power-control policy* # commit-buffer
            UCS-A /org/power-control policy #
            次の作業

            サービス プロファイルに電力制御ポリシーを含めます。

            電力制御ポリシーの削除

            手順
               コマンドまたはアクション目的
              ステップ 1 UCS-A# scope org org-name  

              指定した組織の組織モードを開始します。 ルート組織モードを開始するには、org-name に / と入力します。

               
              ステップ 2 UCS-A /org # delete power-control-policy power-control-pol-name  

              指定された電力制御ポリシーを削除します。

               
              ステップ 3 UCS-A /org # commit-buffer  

              トランザクションをシステムの設定にコミットします。

               

              次の例は、powerpolicy15 という名前の電力制御ポリシーを削除し、トランザクションをコミットします。

              UCS-A# scope org /
              UCS-A /org # delete power-control-policy powerpolicy15
              UCS-A /org* # commit-buffer
              UCS-A /org #

              手動ブレード レベル電力制限の設定

              手動によるブレード レベルの電力制限

              手動によるブレード レベルの電力制限がグローバル制限ポリシーで設定されている場合は、Cisco UCS ドメイン ドメインの各ブレード サーバに対して電力制限を設定できます。

              次の設定オプションを使用できます。

              イネーブル

              サーバが一度に消費可能な最大電力量を指定できます。 この最大値には、0 ~ 1100 W の任意の量を指定できます。

              ディセーブル

              サーバに対して電力使用量の制限を課しません。 サーバは、必要なだけ電力を使用できます。

              サーバの電力使用量が瞬間的に上昇し、設定されている最大値以上になった場合でも、Cisco UCS Manager によってサーバが切断またはシャットダウンされることはありません。 代わりに、Cisco UCS Manager は、サーバにとって適切な量まで電力を低減します。 この削減により、サーバの速度(CPU 速度など)が低下する可能性があります。


              (注)  


              手動によるブレード レベル電力制限は、[Equipment] > [Policies] > [Global Policies] > [Global Power Allocation Policy] の順に設定します。電力制御ポリシーで設定された優先順位は関係ありません。


              サーバのブレード レベル電力制限の設定

              はじめる前に

              グローバル電力割り当てポリシーが Manual Blade Level Cap に設定されていることを確認してください。

              手順
                 コマンドまたはアクション目的
                ステップ 1UCS-A# scope server chassis-id / server-id  

                指定サーバのシャーシ サーバ モードを開始します。

                 
                ステップ 2UCS-A /chassis/server # set power-budget committed {disabled | watts}  

                次のいずれかの電力使用量レベルにサーバをコミットします。

                • disabled :サーバの電力使用量を制限しません。

                • watts :サーバの電力使用量の上限をユーザが指定できます。 この設定を選択した場合は、サーバが使用できる最大ワット数を入力します。 範囲は 0 ~ 10000000 W です。

                 
                ステップ 3UCS-A /chassis/server # commit-buffer  

                トランザクションをシステムの設定にコミットします。

                 
                ステップ 4UCS-A /chassis/server # show power-budget  

                (任意)電力使用量レベル設定を表示します。

                 

                次に、サーバの電力使用量を最大 1000 W に設定し、トランザクションをコミットする例を示します。

                UCS-A# scope server 2/4
                UCS-A /chassis/server # set power-budget committed 1000
                UCS-A /chassis/server* # commit-buffer
                UCS-A /chassis/server # show power-budget
                Power Budget:
                    Committed (W): 1100
                    Oper Committed (W): Disabled
                
                UCS-A /chassis/server # 
                

                ブレード レベル電力制限の表示

                手順
                   コマンドまたはアクション目的
                  ステップ 1UCS-A# scope server chassis-id / server-id  

                  指定サーバのシャーシ サーバ モードを開始します。

                   
                  ステップ 2UCS-A /chassis/server # show stats  

                  サーバで収集された電力使用量の統計情報を表示します。

                   

                  次に、サーバの電力使用量を表示する例を示します。

                  UCS-A# scope server 2/4
                  UCS-A /chassis/server # show stats
                  
                  Mb Power Stats:
                      Time Collected: 2010-04-15T21:18:04.992
                      Monitored Object: sys/chassis-1/blade-2/board
                      Suspect: No
                      Consumed Power (W): 118.285194
                      Input Voltage (V): 11.948000
                      Input Current (A): 9.900000
                      Thresholded: Input Voltage Min
                  
                  UCS-A /chassis/server #