Cisco UCS Manager CLI コンフィギュレーション ガイド リリース 2.2
組織の設定
組織の設定

組織の設定

この章は、次の内容で構成されています。

マルチテナント環境の組織

マルチテナント機能を使用すると、Cisco UCS ドメインの大きな物理的インフラストラクチャを組織と呼ばれる論理的なエンティティに分割することができます。 その結果、各組織に専用の物理インフラストラクチャを設けなくても各組織を論理的に分離できます。

マルチテナント環境では、関連する組織を通じて、各テナントに一意のリソースを割り当てられます。 これらのリソースには、各種のポリシー、プール、および Quality of Service 定義などがあります。 また、すべてのユーザにすべての組織へのアクセス権を付与する必要がない場合は、ロケールを実装して、組織ごとにユーザ権限やロールを割り当てたり、制限したりすることもできます。

マルチテナント環境をセットアップすると、すべての組織が階層的になります。 最上位の組織は常にルートです。 ルートに作成したポリシーおよびプールはシステム全体にわたるもので、このシステムに含まれるすべての組織で使用できます。 しかし、他の組織で作成されたポリシーやプールが使用できるのは、同じ階層でそれより上にある組織だけです。 たとえば、あるシステムに Finance と HR という組織があり、これらは同じ階層に存在しないとします。この場合、Finance は HR 組織にあるポリシーは一切使用できず、また、HR は Finance 組織にあるポリシーには一切アクセスできません。 しかし、Finance と HR は両方とも、ルート組織にあるポリシーやプールを使用できます。

マルチテナント環境に組織を作成する場合、各組織、または同じ階層のサブ組織に対して、次のうちの 1 つ以上をセットアップすることもできます。

  • リソース プール

  • ポリシー

  • サービス プロファイル

  • サービス プロファイル テンプレート

ルート組織は常にトップ レベルの組織です。

マルチテナント環境における階層的な名前解決

マルチテナント環境では、Cisco UCS は組織の階層を使用して、ポリシーおよびリソース プールの名前を解決します。 Cisco UCS Manager がプールに割り当てられているポリシーまたはリソースの詳細を検索すると、次のことが起こります。

  1. Cisco UCS Manager は、サービス プロファイルまたはポリシーに割り当てられた組織内で、指定された名前のポリシーおよびプールの有無をチェックします。

  2. ポリシーが検出されるか、使用可能なリソースがプール内に存在する場合、Cisco UCS Manager はこのポリシーまたはリソースを使用します。 ローカル レベルで使用可能なリソースがプールに存在しない場合、Cisco UCS Manager は階層内で上位の親組織に移動し、同じ名前のプールを検索します。 Cisco UCS Manager は、ルート組織に到達するまでこの手順を繰り返します。

  3. 検索がルート組織まで到達し、使用可能なリソースまたはポリシーが検出されない場合、Cisco UCS Manager はローカル組織に戻り、デフォルト ポリシーまたはデフォルト プール内で使用可能なリソースの検出を開始します。

  4. 適用可能なデフォルト ポリシーまたは使用可能なリソースがデフォルト プール内で検出されると、Cisco UCS Manager はこのポリシーまたはリソースを使用します。 プール内に使用可能なリソースが存在しない場合、Cisco UCS Manager は階層内で上位の親組織に移動し、デフォルト プールを検索します。 Cisco UCS Manager は、ルート組織に到達するまでこの手順を繰り返します。

  5. Cisco UCS Manager は、適用可能なポリシーまたは使用可能なリソースを階層内で検出できない場合、割り当てエラーを返します。

例:単一階層でのサーバ プール名の解決

この例では、すべての組織がルート組織下の同一レベルにあります。 たとえば、サービス プロバイダーは、各顧客に対して個別の組織を作成します。 この構成では、組織は、自身の組織およびルート組織に割り当てられたポリシーおよびリソースだけにアクセスできます。

この例で、XYZcustomer 組織のサービス プロファイルは、XYZcustomer サーバ プールのサーバを使用するように設定されています。 リソース プールおよびポリシーがサービス プロファイルに割り当てられると、次の動作が発生します。

  1. Cisco UCS Manager は、XYZcustomer サーバ プール内で使用可能なサーバをチェックします。

  2. 使用可能なサーバが XYZcustomer サーバ プールに存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 プール内に使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager はルート組織で同じ名前のサーバをチェックします。

  3. ルート組織に XYZcustomer サーバ プールが含まれており、このプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 プール内に使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は XYZcustomer 組織に戻り、デフォルトのサーバ プールを調べます。

  4. XYZcustomer 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager はルート組織内でデフォルト サーバ プールを調べます。

  5. ルート組織内のデフォルト サーバ プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は割り当てエラーを返します。

例:多階層でのサーバ プール名の解決

この例では、各組織に少なくとも 1 つのサブ組織が含まれています。 たとえば、企業は、企業内の各主要部門に対しておよびこれらの部門のサブ部門に対して組織を作成できます。 この構成では、各組織が、自身のローカル ポリシーとリソース プール、および親階層内のリソース プールにアクセスできます。

この例では、Finance 組織に 2 つのサブ組織(AccountsPayable および AccountsReceivable)が含まれています。 AccountsPayable(AP)組織のサービス プロファイルは、AP サーバ プールのサーバを使用するように設定されています。 リソース プールおよびポリシーがサービス プロファイルに割り当てられると、次の動作が発生します。

  1. Cisco UCS Manager は、サービス プロファイルに定義されている AP サーバ プールで使用可能なサーバをチェックします。

  2. 使用可能なサーバが AP サーバ プールに存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、Finance 組織で同じ名前のプールの有無を調べます。

  3. Finance 組織に同じ名前のプールが含まれており、このプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、ルート組織で同じ名前のプールの有無を調べます。

  4. ルート組織に同じ名前のプールが含まれており、このプールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は AccountsPayable 組織に戻り、デフォルトのサーバ プールを調べます。

  5. AccountsPayable 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、Finance 組織のデフォルト サーバ プールを調べます。

  6. Finance 組織内のデフォルト プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は 1 階層上位に移動し、ルート組織のデフォルトのサーバ プールを調べます。

  7. ルート組織内のデフォルト サーバ プールに使用可能なサーバが存在する場合、Cisco UCS Manager はこのサーバとサービス プロファイルを関連付け、検索を終了します。 デフォルト プールに使用可能なサーバが存在しない場合、Cisco UCS Manager は割り当てエラーを返します。

ルート組織下の組織の設定

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1UCS-A# scope org /  

    ルート組織モードを開始します。

     
    ステップ 2UCS-A /org # create org org-name  

    ルート組織下に選択された組織を作成し、指定した組織で組織モードを開始します。

    (注)     

    ある組織モードから別の組織モードに移るとき、コマンド プロンプトは変更されません。

     
    ステップ 3UCS-A /org # commit-buffer  

    トランザクションをシステムの設定にコミットします。

     

    次の例は、root 組織の下に Finance という名前の組織を作成し、トランザクションをコミットします。

    UCS-A# scope org /
    UCS-A /org # create org Finance
    UCS-A /org* # commit-buffer
    UCS-A /org # 
    

    非ルートの組織下の組織の設定

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1UCS-A# scope org /  

      ルート組織モードを開始します。

       
      ステップ 2UCS-A /org # scope org org-name  

      指定した組織の組織モードを開始します。

      (注)     

      ある組織モードから別の組織モードに移るとき、コマンド プロンプトは変更されません。

       
      ステップ 3UCS-A /org # create org org-name  

      事前設定された非ルート組織下に選択された組織を作成し、指定した組織で組織モードを開始します。

       
      ステップ 4UCS-A /org # commit-buffer  

      トランザクションをシステムの設定にコミットします。

       

      次の例は、NorthAmerica 組織の下に Finance という名前の組織を作成し、トランザクションをコミットします。

      UCS-A# scope org /
      UCS-A /org # scope org NorthAmerica
      UCS-A /org # create org Finance
      UCS-A /org* # commit-buffer
      UCS-A /org # 
      

      組織の削除

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1UCS-A# scope org /  

        ルート組織モードを開始します。

         
        ステップ 2UCS-A /org # delete org org-name  

        指定した組織を削除します。

         
        ステップ 3UCS-A /org # commit-buffer  

        トランザクションをシステムの設定にコミットします。

         

        次に、Finance という名前のルート組織下の組織を削除し、トランザクションをコミットする例を示します。

        UCS-A# scope org /
        UCS-A /org # delete org Finance
        UCS-A /org* # commit-buffer
        UCS-A /org #