Cisco UCS Manager CLI コンフィギュレーション ガイド リリース 2.2
Cisco UCS Manager CLI の概要
Cisco UCS Manager CLI の概要

Cisco UCS Manager CLI の概要

この章は、次の内容で構成されています。

管理対象オブジェクト

Cisco UCS は管理対象オブジェクト モデルを使用します。このモデルでは、管理対象オブジェクトは管理可能な物理エンティティまたは論理エンティティを抽象的に表現したものです。 たとえば、サーバ、シャーシ、I/O カード、およびプロセッサは、管理対象オブジェクトとして表現される物理エンティティです。また、リソース プール、ユーザ ロール、サービス プロファイル、およびポリシーは、管理対象オブジェクトとして表現される論理エンティティです。

管理対象オブジェクトには関連付けられている設定可能なプロパティが複数存在する場合があります。

コマンド モード

CLI のコマンド モードは階層構造になっており、EXEC モードがこの階層の最高レベルとなります。 高いレベルのモードは、低いレベルのモードに分岐します。 高いレベルのモードから 1 つ低いレベルのモードに移動するには、createenter、および scope コマンドを使用します。また、モード階層で 1 つ高いレベルに移動するには、exit コマンドを使用します。


(注)  


コマンド モードの大半は管理対象オブジェクトに関連付けられているため、あるオブジェクトと関連付けられているモードにアクセスできるようにするには、まず、そのオブジェクトを作成する必要があります。 アクセスするモードに対する管理対象オブジェクトを作成するには、create および enter コマンドを使用します。 scope コマンドは管理対象オブジェクトを作成するものではありません。すでに管理対象オブジェクトが存在するモードにアクセスするだけです。


各モードには、そのモードで入力できるコマンドのセットが含まれています。 各モードで使用できるほとんどのコマンドは、関連付けられた管理対象オブジェクトに関係しています。 割り当てられたロールとロケールによっては、そのモードで使用できるコマンドのサブセットだけにしかアクセスできないことがありますが、アクセスできないコマンドは非表示にされます。

各モードの CLI プロンプトには、モード階層における現在のモードまでのフルパスが表示されます。 これにより、コマンド モード階層での現在位置がわかりやすくなります。また、階層内を移動する必要がある場合には、非常に便利な機能です。

次の表に、主要なコマンド モード、各モードへのアクセスに使用するコマンド、および各モードに関連付けられている CLI プロンプトを示します。

表 1 主要なコマンド モードとプロンプト

モード名

アクセスに使用するコマンド

モード プロンプト

EXEC

任意のモードから top コマンド

#

アダプタ

EXEC モードで scope adapter コマンド

/adapter #

chassis

EXEC モードから scope chassis コマンド

/chassis #

イーサネット サーバ

EXEC モードで scope eth-server コマンド

/eth-server #

イーサネット アップリンク

EXEC モードで scope eth-uplink コマンド

/eth-uplink #

ファブリック インターコネクト

EXEC モードで scope fabric-interconnect コマンド

/fabric-interconnect #

ファイバ チャネル アップリンク

EXEC モードで scope fc-uplink コマンド

/fc-uplink #

ファームウェア

EXEC モードで scope firmware コマンド

/firmware #

ホスト イーサネット インターフェイス

EXEC モードで scope host-eth-if コマンド

/host-eth-if #

ホスト ファイバ チャネル インターフェイス

EXEC モードで scope host-fc-if コマンド

/host-fc-if #

モニタリング

EXEC モードで scope monitoring コマンド

/monitoring #

組織

EXEC モードで scope org コマンド

/org #

security

EXEC モードで scope security コマンド

/security #

サーバ

EXEC モードで scope server コマンド

/server #

サービス プロファイル

EXEC モードで scope service-profile コマンド

/service-profile #

system

EXEC モードで scope system コマンド

/system #

仮想 HBA

EXEC モードで scope vhba コマンド

/vhba #

仮想 NIC

EXEC モードで scope vnic コマンド

/vnic #

オブジェクト コマンド

オブジェクト管理用に 4 つの一般的なコマンドがあります。
  • create object
  • delete object
  • enter object
  • scope object

scope コマンドは、永続的オブジェクトでもユーザ インスタンス化オブジェクトでも、すべての管理対象オブジェクトで使用できます。 その他のコマンドを使用して、ユーザ インスタンス化オブジェクトを作成および管理できます。 すべての create object コマンドには、それぞれ対応する delete object コマンドおよび enter object コマンドが存在します。

ユーザ インスタンス化オブジェクトの管理では、次の表に説明するように、これらのコマンドの動作はオブジェクトが存在するかどうかによって異なります。
表 2 オブジェクトが存在しない場合のコマンドの動作
コマンド 動作

create object

オブジェクトが作成され、該当する場合、そのコンフィギュレーション モードが開始されます。

delete object

エラー メッセージが生成されます。

enter object

オブジェクトが作成され、該当する場合、そのコンフィギュレーション モードが開始されます。

scope object

エラー メッセージが生成されます。

表 3 オブジェクトが存在する場合のコマンドの動作
コマンド 動作

create object

エラー メッセージが生成されます。

delete object

オブジェクトが削除されます。

enter object

該当する場合、オブジェクトのコンフィギュレーション モードが開始されます。

scope object

オブジェクトのコンフィギュレーション モードが開始されます。

コマンドの実行

任意のモードで Tab キーを使用すると、コマンドを実行できます。 コマンド名の一部を入力して Tab を押すと、コマンド全体が表示されるか、または別のキーワードを選択するか引数値を入力する必要があるところまで表示されます。

コマンド履歴

CLI では、現在のセッションで使用したすべてのコマンドが保存されます。 上矢印キーまたは下矢印キーを使用すると、これまでに使用したコマンドを 1 つずつ表示できます。 上矢印キーを押すと履歴内の直前のコマンドが、下矢印キーを押すと履歴内の次のコマンドが表示されます。 履歴の末尾に到達した場合、下矢印キーを押しても何も起こりません。

履歴内のすべてのコマンドは、履歴を 1 つずつ表示し、目的のコマンドを再度呼び出し、Enter を押すだけでもう一度実行することができます。 このコマンドは手動で入力したように表示されます。 また、コマンドを再度呼び出した後、Enter を押す前にコマンドを変更することもできます。

保留コマンドのコミット、廃棄、および表示

CLI でコンフィギュレーション コマンドを入力する場合、commit-buffer コマンドを入力するまで、そのコマンドは適用されません。 コミットされるまで、コンフィギュレーション コマンドは保留状態となり、discard-buffer コマンドを入力して廃棄できます。

複数のコマンド モードで保留中の変更を積み重ね、commit-buffer コマンド 1 つでまとめて適用できます。 任意のコマンド モードで show configuration pending コマンドを入力して、保留中のコマンドを表示できます。


(注)  


複数のコマンドをまとめてコミットするのは、アトミック操作ではありません。 失敗したコマンドがあっても、成功したコマンドは適用されます。 失敗したコマンドはエラー メッセージで報告されます。


コマンドが保留中の場合、コマンド プロンプトの前にアスタリスク(*)が表示されます。 アスタリスクは、commit-buffer コマンドを入力すると消去されます。

次に、プロンプトがコマンド エントリのプロセス中に変わる例を示します。

switch-1# scope chassis 1
switch-1 /chassis # enable locator-led
switch-1 /chassis* # show configuration pending
 scope chassis 1
+    enable locator-led
 exit
switch-1 /chassis* # commit-buffer
switch-1 /chassis #

CLI に関するオンラインヘルプ

疑問符(?)文字を入力すれば、いつでも コマンド構文の現在の状態で使用可能なオプションが表示されます。

プロンプトに何も入力されていない状態で ? を入力すると、 そのときのモードで使用できるコマンドがすべて表示されます。 コマンドの一部が入力されているときに ? と入力すると、 コマンド構文のそのときの位置で使用できるキーワードと引数がすべて表示されます。

CLI セッション制限

Cisco UCS Manager は、同時にアクティブにできる CLI セッションの数を合計で 32 セッションに制限します。 この値は設定可能です。

Web セッション制限

Web セッション制限は、ある時点でシステムへのアクセスを許可された Web セッション数(GUI と XML の両方)を制限するために Cisco UCS Manager によって使用されます。

デフォルトでは、Cisco UCS Manager が許容する同時 Web セッション数は、最大値の 256 に設定されています。

CLI からの Cisco UCS Manager の Web セッション制限の設定

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1UCS-A# scope system  

    システム モードを開始します。

     
    ステップ 2UCS-A /system # scope services  

    システム サービス モードを開始します。

     
    ステップ 3UCS-A /system/services # scope web-session-limits  

    システム サービス Web セッション制限モードを開始します。

     
    ステップ 4UCS-A /system/services/web-session-limits # set total num-of-logins-total  

    システム内のすべてのユーザに許可される HTTP および HTTPS の同時セッションの最大数。

    1 ~ 256 の整数を入力します。

     
    ステップ 5UCS-A /system/services/web-session-limits # commit-buffer  

    トランザクションをシステムの設定にコミットします。

     

    次に、システムで許可される HTTP および HTTPS セッションの最大数を 200 に設定し、トランザクションをコミットする例を示します。

    UCS-A# scope system
    UCS-A /system # scope services
    UCS-A /system/services # scope web-session-limits			
    UCS-A /system/services/web-session-limits* # set total 200
    UCS-A /system/services/web-session-limits* # commit-buffer
    UCS-A /system/services/web-session-limits # 

    ログイン前バナー

    ログイン前バナーを使用すると、ユーザが Cisco UCS Manager GUI にログインするときに、Cisco UCS Manager[Create Pre-Login Banner] ダイアログボックス内のバナー テキストを表示し、ユーザ名とパスワードの入力プロンプトを表示するよりも前に、ユーザが閉じるまで表示します。 ユーザが Cisco UCS Manager CLI にログインすると、Cisco UCS Manager はダイアログボックスにバナー テキストを表示し、ユーザがパスワードの入力を促される前にダイアログボックスを閉じるまで待ちます。 その後、ユーザに表示するコピーライト ブロック上のバナーテキストを繰り返します。

    ログイン前バナーの作成

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1UCS-A# scope security  

      セキュリティ モードを開始します。

       
      ステップ 2UCS-A /security # scope banner 

      バナー セキュリティ モードを開始します。

       
      ステップ 3UCS-A /security/banner # create pre-login-banner 

      ログイン前バナーを作成します。

       
      ステップ 4UCS-A /security/banner/pre-login-banner # set message 

      Cisco UCS ManagerCisco UCS Manager GUI または CLI のログイン プロンプトを表示する前にユーザに表示するメッセージ を指定します

      このフィールドには、標準の ASCII 文字を入力できます。

      ログイン前バナー メッセージのテキストを入力するためのダイアログを開始します。

       
      ステップ 5プロンプトで、ログイン前バナー メッセージを入力し、Enter キーを押します。 

      入力内容の次の行に、「ENDOFBUF」と入力して終了します。

      [set message] ダイアログをキャンセルするには、Ctrl+C キーを押します。

       
      ステップ 6UCS-A /security/banner/pre-login-banner # commit-buffer 

      トランザクションをシステムの設定にコミットします。

       

      次の例は、ログイン前バナーを作成します。

      UCS-A# scope security
      UCS-A /security # scope banner
      UCS-A /security/banner # create pre-login-banner
      UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # set message
      Enter lines one at a time. Enter ENDOFBUF to finish. Press ^C to abort.
      Enter prelogin banner:
      >Welcome to UCS System 1
      >ENDOFBUF
      UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # commit-buffer
      UCS-A /security/banner/pre-login-banner #
      

      ログイン前バナーの変更

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1UCS-A# scope security  

        セキュリティ モードを開始します。

         
        ステップ 2UCS-A /security # scope banner 

        バナー セキュリティ モードを開始します。

         
        ステップ 3UCS-A /security/banner # scope pre-login-banner 

        ログイン前バナーのバナー セキュリティ モードを開始します。

         
        ステップ 4UCS-A /security/banner/pre-login-banner # set message 

        Cisco UCS ManagerCisco UCS Manager GUI または CLI のログイン プロンプトを表示する前にユーザに表示するメッセージ を指定します

        このフィールドには、標準の ASCII 文字を入力できます。

        ログイン前バナー メッセージのテキストを入力するためのダイアログを開始します。

         
        ステップ 5プロンプトで、ログイン前バナー メッセージを変更し、Enter キーを押します。 

        入力内容の次の行に、「ENDOFBUF」と入力して終了します。

        [set message] ダイアログをキャンセルするには、Ctrl+C キーを押します。

         
        ステップ 6UCS-A /security/banner/pre-login-banner # commit-buffer 

        トランザクションをシステムの設定にコミットします。

         

        次に、ログイン前バナーを変更する例を示します。

        UCS-A# scope security
        UCS-A /security # scope banner
        UCS-A /security/banner # create pre-login-banner
        UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # set message
        Enter lines one at a time. Enter ENDOFBUF to finish. Press ^C to abort.
        Enter prelogin banner:
        Welcome to UCS System 1
        ENDOFBUF
        UCS-A /security/banner/pre-login-banner* # commit-buffer
        UCS-A /security/banner/pre-login-banner #
        

        ログイン前バナーの削除

        手順
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1UCS-A# scope security  

          セキュリティ モードを開始します。

           
          ステップ 2UCS-A /security # scope banner 

          バナー セキュリティ モードを開始します。

           
          ステップ 3UCS-A /security/banner # delete pre-login-banner 

          システムからログイン前バナーを削除します。

           
          ステップ 4UCS-A /security/banner # commit-buffer 

          トランザクションをシステムの設定にコミットします。

           

          次に、ログイン前バナーを削除する例を示します。

          UCS-A# scope security
          UCS-A /security # scope banner
          UCS-A /security/banner # delete pre-login-banner
          UCS-A /security/banner* # commit-buffer
          UCS-A /security/banner #