Cisco UCS Director 管理ガイド、リリース 5.4
概要
概要

概要

この章は、次の項で構成されています。

Cisco UCS Director

Cisco UCS Director は、シスコおよびシスコ以外の多岐にわたるデータ インフラストラクチャ コンポーネントと、Cisco UCS および Cisco Nexus プラットフォームに基づいており、業界をリードするコンバージド インフラストラクチャ ソリューションとして、安全性に非常に優れたエンドツーエンドの管理、オーケストレーション、および自動化を提供します。サポート対象のインフラストラクチャ コンポーネントとソリューションの完全なリストについては、『Cisco UCS Director Compatibility Matrix』を参照してください。

Cisco UCS Director は、次の標準テンプレートを使用する 64 ビットのアプライアンスです。

  • Open Virtualization Format(OVF)for VMware vSphere

  • Virtual Hard Disk(VHD)for Microsoft Hyper-V

Cisco UCS Director を介した管理

Cisco UCS Director は、Cisco UCS を通じてコンピューティング層およびネットワーク層の統合を拡張し、データセンター インフラストラクチャ コンポーネントの包括的な可視性と管理性を提供します。Cisco UCS Director を使用して、シスコやシスコ以外が提供するサポート対象のコンポーネントを設定、管理、およびモニタできます。実行できるタスクには次のものがあります。

  • すべての Cisco UCS サーバおよびコンピューティング アプリケーションを対象にした、サービス プロファイルとテンプレートの作成、複製、および導入。

  • コンバージド インフラストラクチャにおける組織の使用状況、トレンドおよび容量の継続的なモニタリング。たとえば、すべてのデータセンター間の仮想マシン(VM)の使用率を示すヒート マップを表示できます。

  • 一貫したリピート可能な方法によるコンバージド インフラストラクチャへの容量の導入や追加

  • Cisco UCS ドメインや Cisco Nexus ネットワーク デバイスなどのデータセンター コンポーネントの管理、監視、報告。

  • 物理インフラストラクチャへのサービスを追加するための仮想サービス カタログの拡張。

  • 非仮想化ワークロードで動作する仮想化ワークロードに対応するための安全なマルチテナント環境の管理。

Cisco UCS Director による自動化とオーケストレーション

Cisco UCS Director を使用することで、自動化サービスを提供するワークフローを構築し、そのワークフローを発行してオンデマンド方式でサービスをユーザに拡大することができます。社内の他の専門家と協力して、単純または複雑なプロビジョニングと設定のプロセスを自動化するためのポリシーの作成や、Cisco UCS Director ワークフローの構築といった作業を迅速かつ容易に行うことができます。

一度構築および検証された後は、これらのワークフローは誰が実行しても常に同じように実行できます。経験豊富なデータセンター管理者がそれらを実行したり、または、ロールベース アクセス コントロールを実行してユーザや顧客が必要に応じてセルフサービス ベースでワークフローを実行できるようにすることができます。

Cisco UCS Director を使用することで、シスコやシスコ以外が提供するサポート対象の各種ハードウェアやソフトウェアのデータセンター コンポーネント間で、多岐にわたるタスクおよびユースケースを自動化できます。自動化できる使用例には以下のものがありますが、これらに限定されません。

  • VM のプロビジョニングとライフサイクル管理

  • ネットワーク リソースの設定とライフサイクル管理

  • ストレージ リソースの設定とライフサイクル管理

  • テナント オンボーディングとインフラストラクチャの設定

  • アプリケーション インフラストラクチャのプロビジョニング

  • セルフサービス カタログと VM プロビジョニング

  • オペレーティング システムのインストールを含むベアメタル サーバのプロビジョニング

機能と利点

Cisco UCS Director の機能と利点を以下に示します。

機能 利点

中央管理

  • 管理者に物理、仮想、ベアメタル環境全体のシステムをモニタリング、プロビジョニング、管理する単一インターフェイスを提供

  • 統合型ダッシュボード、レポート、ヒート マップを提供し、トラブルシューティングとパフォーマンスのボトルネックを削減

セルフサービス カタログ

  • エンドユーザが IT の規定したポリシーやガバナンスに沿って、新しいインフラストラクチャ インスタンスの発注および導入が可能

適応型のプロビジョニング

  • リアルタイムで利用可能な機能、内部ポリシー、アプリケーション ワークロード要件を使用して、リソースの可用性を最適化

動的な容量管理

  • 継続的なモニタリングにより、リアルタイムでインフラストラクチャ使用率を示し、キャパシティ プランニングと管理を改善

  • 使用率の低いリソースや使用率の高いリソースを特定

複数のハイパーバイザのサポート

  • VMware ESX、ESXi、Microsoft Hyper-V、Red Hat の各ハイパーバイザをサポート

コンピューティングの管理

  • 物理、仮想、ベアメタルの各サーバおよびブレードをモニタリング、管理、プロビジョニング

  • エンド ユーザがスナップショットを介して仮想マシンのライフサイクル管理とビジネス継続性を実現可能

  • 管理者にサーバ使用率のトレンド分析を提供

ネットワーク管理

  • 物理スイッチ、仮想スイッチ、動的ネットワーク トポロジをポリシーベースでプロビジョニング

  • 管理者が VLAN、仮想ネットワーク インターフェイス カード(vNIC)、ポート グループ、ポート プロファイル、IP および動的ホスト制御プロトコル(DHCP)割り当て、アクセス コントロール リスト(ACL)を、複数のネットワーク デバイスにわたって設定可能

ストレージの管理

  • ファイラ、仮想ファイラ(vFiler)、論理ユニット番号(LUN)、ボリュームをポリシーベースでプロビジョニングおよび管理可能

  • 統合ダッシュボードにより、管理者が組織的な使用状況、トレンド、キャパシティ分析の詳細を包括的に可視性可能

物理的および仮想的な管理機能

物理サーバの管理

  • 設定と変更の検出および収集

  • 物理サーバのモニタリングと管理

  • ポリシーベースでのサーバ プロビジョニングの実行

  • ブレードの電力管理

  • サーバ ライフサイクルの管理

  • サーバの使用傾向と容量分析の実行

  • Preboot eXecution Environment(PXE)ブート管理機能を使用したベアメタル プロビジョニングの実行

仮想コンピューティング管理

  • 仮想コンピューティング環境の検出、収集、モニタリング

  • ポリシーベースでのプロビジョニングと動的リソース割り当ての実行

  • ホストサーバの負荷と電力の管理

  • VM ライフサイクルとスナップショットの管理

  • VM の容量とスプロール、ホストの使用率を評価するための分析の実行

物理ストレージの管理

  • ストレージ ファイラの検出、収集、モニタリング

  • ポリシーベースでの vFiler プロビジョニングの実行

  • ボリュームのプロビジョニングとマッピング

  • 論理ユニット番号(LUN)と iGroup インスタンスの作成とマッピング

  • SAN ゾーン管理の実行

  • Network-Attached Storage(NAS)および SAN ベースのストレージのモニタリングと管理

  • ストレージ実装のベスト プラクティスと推奨事項

仮想ストレージの管理

  • vFiler のストレージおよびストレージ プールの検出、収集、モニタリング

  • シックおよびシン クライアントを対象としたポリシーベースでのストレージ プロビジョニングの実行

  • 新しいデータ ストアの作成と仮想デバイス コンテキスト(VDC)へのマッピング

  • VM へのディスクの追加とサイズ調整

  • 組織でのストレージ使用率のモニタリングと管理

  • 仮想ストレージの傾向と容量分析の実行

物理ネットワークの管理

  • 物理ネットワーク要素の検出、収集、モニタリング

  • 複数のスイッチ間のプロビジョニング VLAN

  • ネットワーク デバイスに対するアクセス コントロール リスト(ACL)の設定

  • ストレージ ネットワークの設定

  • 動的ネットワーク トポロジの実装

仮想ネットワークの管理

  • VM へのネットワークの追加

  • IP および DHCP 割り当てによるポリシーベースでのプロビジョニングの実行

  • VLAN およびプライベート VLAN に対する仮想ネットワーク インターフェイス カード(vNIC)の設定と接続

  • VM のためのポート グループとポート プロファイルの作成

  • 組織での仮想ネットワークの使用率のモニタリング

モデルベースのオーケストレーション

Cisco UCS Director には、1000 以上のタスクや、すぐに使用できるワークフローなどが含まれているタスク ライブラリが用意されています。モデルベースのオーケストレーションとワークフロー デザイナを使用すると、インフラストラクチャの管理や運用タスクをカスタマイズしたり、自動化したりできます。また、個々の必要性に対応して、システムの拡張とカスタマイズを進められます。

次の表は、タスク ライブラリの 1 日目から 3 日目のメンテナンスおよび更新アクティビティを示しています。

1 日目 2 日目 3 日目
  • テナントの追加

  • 申請者の移行または追加

  • エンタープライズ システムとの統合

  • セルフサービス ポータルの使用

  • パフォーマンスのモニタリング

  • ミーティングおよび請求の開始

  • テナントの変更の管理

  • セルフサービス Infrastructure as a Service(IaaS)

  • ハードウェアの追加とアップグレード

  • 用途変更

Cisco UCS Director のガイド付きセットアップ ウィザード

Cisco UCS Director には、いくつかの機能の設定をサポートする一連のウィザードが組み込まれています。使用可能なガイド付きセットアップ ウィザードは次のとおりです。

  • [デバイス検出(Device Discovery)]:このウィザードでは、デバイスを検出し、そのデバイスをポッドに割り当てることができます。

  • [システム初期設定(Initial System Configuration)]:このウィザードでは、ライセンスのアップロード、SMTP、NTP、および DNS サーバのセットアップなど、Cisco UCS Director をセットアップするための初期タスクを実行できます。

  • [vDC の作成(vDC Creation)]:このウィザードでは、プライベート クラウドで VM をプロビジョニングするために必要なポリシーを設定できます。

  • [FlexPod の設定(FlexPod Configuration)]:このウィザードでは FlexPod のアカウントをセットアップできます。

  • [Vblockポッド設定(Vblock Pod Configuration)]:このウィザードでは、アカウントを検出し、ポッドに割り当てることができます。

  • [VSPEXポッド設定(VSPEX Pod Configuration)]:このウィザードでは、アカウントを検出し、ポッドに割り当てることができます。

  • [仮想SANポッド設定(Virtual SAN Pod Configuration)]:このウィザードでは、仮想 SAN ポッドを設定し、デバイスを追加することができます。

最初に Cisco UCS Director にログインすると、[ウィザードエクスプローラ(Wizard Explorer)] ウィンドウが表示されます。このウィンドウから、使用可能なガイド付きセットアップ ウィザードの詳細を表示し、そのいずれかを選択して起動できます。ログインするたびにこの [ウィザード エクスプローラ(Wizard Explorer)] を表示させないようにするには、[今後このページを表示しない(Do not show this page again)] チェックボックスをオンにします。これらのウィザードを後で起動するには、[管理(Administration)] > [ガイド付きセットアップ(Guided Setup)] をクリックします。

システムが提供するこれらのウィザードに加え、以前に設定したワークフローからウィザードを作成することもできます。詳細については、ワークフローからのウィザードの作成を参照してください。

ワークフローからのウィザードの作成

有効なワークフローをウィザードに変換して Cisco UCS Director に保存することができます。

はじめる前に

Cisco UCS Director で、有効なワークフローを作成しました。

手順
    ステップ 1   メニュー バーで、[管理(Administration)] > [ガイド付きセットアップ(Guided Setup)] を選択します。
    ステップ 2   [ワークフローからの作成(Create from Workflow)] をクリックします。
    ステップ 3   [ワークフローからのウィザードの作成(Create Wizard from Workflow)] ダイアログボックスで、次のフィールドに値を入力します。

    名前

    説明

    [ワークフローの選択(Select Workflow)] フィールド

    [選択(Select)] をクリックして、ウィザードに変換するワークフローのチェック ボックスをオンにします。

    [ラベル(Label)] フィールド

    ウィザードの名前。これは、ウィザードの基本名です。

    [2つ目のラベル(Second Label)] フィールド

    ウィザードの 2 次名。

    [説明(Description)] フィールド

    ウィザードの説明。

    [アイコンイメージ(Icon Image)] フィールド

    [選択(Select)] をクリックして、このワークフローに関連付けるアイコンのチェック ボックスをオンにします。

    ステップ 4   [送信(Submit)] をクリックします。
    ステップ 5   [OK] をクリックします。

    次の作業

    次の作業を実行できます。

    • ウィザードを起動する。

    • ウィザードを編集する。

    • ウィザードの詳細を表示する。

    • インターフェイスでのウィザードの順序を変更する。

    • ウィザードを削除する。

    共通のユーザ インターフェイス オプション

    次の表は、アプリケーション ユーザ インターフェイスのすべてのページで利用できるオプションについて説明します。これらのオプションは、すべてのページで同じタスクを実行します。

    アイコン

    ラベル

    説明





    [更新(Refresh)]

    ページ上の報告されたデータを更新します。





    [お気に入り(Favorite)]

    [お気に入り(Favorite)] メニューにページを追加します。

    このオプションを使用すると、頻繁にアクセスするページを簡単に表示できるようになります。





    [追加(Add)]

    [追加(Add)] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスで新しいリソースを追加できます。





    [編集(Edit)]

    [編集(Edit)] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスでリソースを編集できます。





    [テーブルのカスタマイズ(Customize Table)]

    [レポートテーブルのカスタマイズ(Customize Report Table)] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスで表示する列を選択できます。





    [エクスポート レポート(Export Report)]

    [レポートのエクスポート(Export Report)] ダイアログ ボックスが表示されます。このダイアログ ボックスでレポートをシステムにダウンロードできます。

    次のいずれかの形式でレポートを生成できます。

    • PDF

    • CSV

    • XLS





    [拡張(Expand)]

    ページに表示されているすべてのフォルダを展開します。





    [折りたたむ(Export Report)]

    ページに表示されているすべてのフォルダを折りたたみます。





    [高度な検索フィルタを追加(Add Advanced Filter)]

    ページに追加のフィルタリング パラメータを追加します。





    [検索フィールド(Search Field)]

    ページ上の特定のレコードをフィルタリングするためのキーワードを入力します。

    Cisco UCS Director ユーザ インターフェイスへのセキュアな接続の設定

    システムへのセキュアな接続を設定するには、次の手順を実行します。

    手順
      ステップ 1   server.xml ファイルで、redirectPort パラメータの値を 443 に更新します。

      このファイルは、/opt/infra/web_cloudmgr/apache-tomcat/conf/ ディレクトリにあります。

      <Connector port="80" protocol="HTTP/1.1"
      connectionTimeout="20000"
      redirectPort="443" 
      maxHttpHeaderSize="65536"/>
      
      ステップ 2   web.xml ファイルの次の行をアンコメントします。
      <security-constraint>
      <web-resource-collection>
      <web-resource-name>HTTPSOnly</web-resource-name>
      <url-pattern>/*</url-pattern>
      </web-resource-collection>
      <user-data-constraint>
      <transport-guarantee>CONFIDENTIAL</transport-guarantee>
      </user-data-constraint>
      </security-constraint>
      

      これらの行は、 ファイルの任意の場所に追加できます。

      このファイルは、/opt/infra/web_cloudmgr/apache-tomcat/conf/ ディレクトリにあります。

      ステップ 3   ユーザ インターフェイスを起動してシステムにログインします。

      最初のログイン

      ホスト名と IP アドレスのいずれかと次のクレデンシャルを使用して、Cisco UCS Director にログインします。

      • ユーザ名:admin

      • パスワード:admin


      (注)  


      最初の管理アカウントを作成した後、起動時の管理アカウントを削除するか、少なくともデフォルトのパスワードを変更することをお勧めします。セルフサービス ポータルにアクセスするには、有効な電子メール アドレスが必要です。

      システム設定の推奨順序

      次の図は、Cisco UCS Director を使用した環境設定のワークフローを示しています。

      図 1. 環境設定のサンプル ワークフロー



      環境を設定するときは、以下の章を参照してください。

      名前 説明
      初期設定 2、3、4、5

      ライセンスの適用、管理者プロファイルの設定、グループの作成、およびユーザの作成の方法について説明します。言語サポートへのアクセス、ポータル カスタマイズの適用、およびシステム設定の方法を習得します。

      物理インフラストラクチャ 6

      任意でのポッドと物理アカウントの追加、ネットワーク要素の追加、接続のテスト、およびアカウント検出の検証の方法について説明します。

      (注)      必要に応じて、物理インストラクチャよりも前に仮想インフラストラクチャを作成できます。
      仮想インフラストラクチャ 7

      クラウドの作成、クラウド検出および接続の検証、接続のテスト、および vCenter プラグインの表示の方法について説明します。

      ポリシー 8

      コンピューティング ポリシー、ストレージ ポリシー、ネットワーク ポリシー、およびシステム ポリシーを作成して管理する方法について説明します。Microsoft Windows カタログの OS ライセンスを追加する方法を習得します。

      仮想データセンター 9

      グループ、ポリシー、およびコスト モデルに対する特定の環境を管理するための VDC の設定方法、および VDC レベルでのリソース制限の設定と管理の方法について説明します。

      カタログ 10

      カタログ項目の設定方法、カタログへのアクセス権限をグループに追加する方法、およびカタログ項目の公開方法について説明します。

      Self-Service プロビジョニング 11

      プロビジョニング サービス リクエストの作成および管理方法について説明します。

      Multi-Disk プロビジョニング 12

      1 つまたは複数のデータストアで VM ディスク プロビジョニングを設定する方法を説明します。また、テンプレートで追加ディスクごとに個別のディスク ポリシーを設定する手順についても説明します。

      チャージバック 13

      チャージバック サマリー レポート、詳細レポート、およびリソース アカウンティング レポートを作成する方法について説明します。コスト モデルが定義され、部門や組織内のポリシーに割り当てられる仕組みも示します。

      クラウド管理 14

      クラウドを完全に可視化し、リソース使用率をモニタし、クラウド スタック(クラウド、クラスタ、ホスト サーバ、および仮想マシン)を管理する方法について説明します。

      ライフサイクル 15

      プロビジョニング後のライフサイクル管理アクション(VM の電源管理、VM のサイズ変更、VM スナップショット管理などの VM アクション)を実行する方法を説明します。

      CloudSense 16

      Cisco UCS Director で生成可能な、基礎となる物理インフラストラクチャと仮想インフラストラクチャに関する分析レポートについて説明します。