Cisco UCS Director Vblock 管理ガイド リリース 5.0
概要
概要

概要

この章は、次の内容で構成されています。

Vblock について

Vblock は、仮想および非仮想の統合コンピューティング、ネットワーキング、およびストレージ ソリューションで使用できるハードウェアおよびソフトウェア統合環境です。 Vblock は次の用途で使用できます。

  • 運用コストを削減し、ハイブリッド クラウド コンピューティングに対応できるようにインフラストラクチャを統合するために、ハイ アベイラビリティとスケーラブルな Vblock ストレージ ソリューションを必要とするデータセンター。

  • エンド ユーザおよび仮想化アプリケーションにコンピューティング リソースを提供する、プライベート クラウド サービスへのインターフェイス。


(注)  


Vblock 環境向けに導入されるハードウェアには高度なモジュラが用意されており、それぞれの顧客導入に必要となる特有の Vblock ラックマウント スキームに応じて多様化されています。 詳細については、Web でシスコ検証済みデザインを参照してください。


Vblock 環境には次のコンポーネントがあります。

  • 複数のホストにおけるネットワーキング、ストレージ、およびセキュリティの設定を標準化および簡素化し、ホスト コンプライアンスをモニタするために、Cisco UCS DirectorCisco UCS Director Baremetal Agent が VMware vCenter ホストまたは Hyper-V ホストにインストールおよび設定されます。 詳細については『Cisco UCS Director Installation Guide』および『Cisco UCS Director Baremetal Agent Setup Guide』を参照してください。

  • Vblock 仮想化ソフトウェア、コンピューティング、および 1 つのラックに格納されている以下の Vblock コンポーネントによってスケーラブルなストレージが実現します。

    • EMC VNX ストレージを備えた Vblock System 200 シリーズ。
    • EMC VNX ストレージを備えた Vblock System 300 シリーズ。
    • EMC Symmetrix VMAX 10K および 20K ストレージを備えた Vblock System 720 シリーズ。
  • Cisco Nexus コンポーネントによって、ルーティングおよびスイッチング機能が提供されます。

  • Cisco UCS Manager によって、仮想マシン(VM)を含む Cisco UCS Director のすべてのソフトウェアおよびハードウェア コンポーネントの統合された組み込み管理が実現されます。 次の図は、Vblock のハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントを示しています。

図 1. EMC VNX ストレージを備えた Vblock System シリーズのハードウェアおよびソフトウェア コンポーネント

Vblock サポート

Cisco UCS Director は次の方法で統合ストレージ システムのサポートを支援します。

  • auto-discovery

  • モニタリング

  • すべての VNX コンポーネントの明確な管理:RAID グループ、ストレージ プール、論理ユニット番号(LUN)、ストレージ グループ、イニシエータ、ファイル システム、ボリューム、ネットワーク ファイル システム(NFS)、および Common Internet File System(CIFS)


(注)  


Vblock アカウントを追加する前に Pod を作成してください。 詳細については、Pod の追加を参照してください。


EMC VNX Block、File、および Unified アカウントのサポート

VNX バージョン 5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、および 7500 の EMC VNX Block、File、および Unified アカウントがサポートされています。

Cisco UCS Director では、次の 3 種類の VNX アカウントを追加できます。

  • VNX File アカウント:X-Blade エンクロージャ、2 ~ 8 ブレード、設定可能なフェールオーバー オプション、および柔軟な I/O 接続性。 ライセンスあたり 1 つのデータ ムーバがあります。

  • VNX Block アカウント:ストレージまたはデータ プロセッサ エンクロージャ、デュアル アクティブ ストレージ プロセッサ、自動フェールオーバー、および柔軟な I/O 接続性。 ライセンスあたり 2 つのサービス プロバイダーがあります。

  • VNX Unified アカウント:VNX File および VNX Block のための単一プラットフォーム。 ライセンスあたり 2 つのサービス プロバイダーがあります。


(注)  


このマニュアルでは、EMC VNX Block、File、および Unified の各アカウントの設定について説明します。 これらの VNX アカウントとその管理方法の詳細については、『Cisco UCS Director EMC VNX Management Guide』を参照してください。


PowerPath 仮想環境のサポート

PowerPath 仮想環境(VE)は、EMC ストレージ コンポーネントと VMware ホスト間で使用可能な EMC 機能です。 EMC PowerPath VE はフェールオーバー/リカバリ操作の自動化、負荷分散の最適化、およびパス管理の標準化によって、仮想環境でのデータ パス プールを自動化および最適化します。

PowerPath ソフトウェアは VMware ホストにインストールされます。 PowerPath VE 機能が有効になったら、ホストは EMC ストレージ コンポーネントを検出できます。 Cisco UCS Director 内部からストレージを検出し、データソースとして関連付けることができます。


(注)  


VMware ホストと EMC ストレージ コンポーネントでの PowerPath VE の設定については、このマニュアルでは説明しません。


EMC Isilon について

EMC Isilon ストレージ システムは、クラスタを構成する 3 つ以上のノードからなります。 各ノードは、ディスク ドライブ、CPU、メモリ、ネットワーク インターフェイスなどの業界標準ハードウェアが格納されている、自己完結型のラックマウント可能デバイスです。 各 EMS Isilon システムは、FreeBSD をベースにした OneFS オペレーティング システム(OS)と統合されます。

OneFS により、ノードで構成されたクラスタが単一の共有リソースに統合されます。 また、OneFS には、Isilon クラスタ全体でグローバルな一貫性と同期を維持するため、クラスタ内の各ノードにわたるファイル ストライピング機能、完全分散型ロック マネージャ、キャッシング、完全分散型メタデータ、およびリモート ブロック マネージャも含まれています。

Isilon クラスタは、グローバル ネームスペースを使用した単一ストレージ プールです。 このクラスタにより、複数のボリュームとファイル システムをサポートできます。

Cisco UCS Director での EMC Isilon のサポート

Cisco UCS Director は、EMC Isilon システムの管理、モニタ、レポート処理を行います。 データは Isilon クラスタ プラットフォームおよびネームスペース REST API を介して収集されます。この API は、HTTP または HTTPS 経由で Cisco UCS Director に接続されています。 このデータは分析され、Plain Old Java Object(POJO)として出力にバインドされ、これらのオブジェクトは Pod 全体に分散されます。

EMC VPLEX について

VPLEX は、仮想ストレージ システムと、プライベート クラウド内のデータへのアクセスを提供する EMC のテクノロジーです。 VPLEX は、Vblock などの POD 展開により、またはスタンドアロン デバイスとして、UCS Director で実装できます。 VPLEX の機能は次のとおりです。

  • 単一インターフェイスを使用して、マルチベンダーの高可用性ストレージおよびコンピューティング インフラストラクチャが、さまざまな計算ロケーションおよびストレージ ロケーション間で、処理を停止することなく、アプリケーションとデータをリアルタイムで動的に移動できるようにします。 VPLEX は、同一データセンター内、キャンパス全体、または特定の地域内で分散キャッシュ コヒーレンシ インテリジェンスに拡張クラスタリングを統合します。 キャッシュ コヒーレンシにより、データの損失、破損、上書きが発生しないようにキャッシュ管理が行われます。

  • 組織に対し、動的かつ柔軟にデータを使用可能にします。 たとえば、従来であれば処理停止と手動での復元手順が必要であった障害の発生時にも、業務を継続できます。

  • サイト内およびサイト間で同一データを一貫して提供、維持し、分散データ コラボレーションを実現します。

  • 仮想マシン(VM)のサーバとして機能する ESX ホストと、データを Pod 内、Pod 間、および複数 Pod にわたって拡張可能なストレージ エリア ネットワーク(SAN)のストレージの間で、それ自体を確立します。

Pod での EMC VPLEX のサポート

プライベート クラウド内のデータへアクセスするための VPLEX 仮想ストレージ システム テクノロジーは、この Pod に関連付けられ、この Pod によりサポートされます。 Cisco UCS Director は VPLEX Element Manager API を使用してデータを収集し、VPLEX サーバに HTTPS 経由で接続します。 VPLEX アカウントが設定され、Pod が VPLEX クラスタに関連付けられると、VPLEX は次の管理機能とモニタ機能を提供します。

  • 1 ~ 4 台のエンジンとして展開され、単一の耐障害性クラスタを構成する 2 つ以上の VPLEX ディレクタに関するレポートと ESX ホストのクラスタ インベントリ。

  • 2 つのディレクタ、管理モジュール、および冗長電源を含むエンジンに関する VPLEX エンジン インベントリとレポート。

  • VPLEX コア ソフトウェアである GeoSynchrony を実行する CPU モジュールに関するディレクタ インベントリとレポート。 各エンジンには 2 つのディレクタが含まれています。 それぞれに専用リソースがあり、独立して機能できます。

  • ファスト イーサネット ポートおよびイニシエータ ポートに関するポート インベントリとレポート。

  • 最近の書き込みと最近アクセスしたデータの一時ストレージに関する VPLEX(ローカルおよびグローバル)データ キャッシュ レポート。

  • アレイからエクスポートされた論理装置番号(LUN)に関するストレージ ボリューム インベントリとレポート。

  • ストレージ ボリュームのスライス(ブロック範囲)の範囲管理(作成、削除、レポート)。

  • ミラーが地理的に離れた場所に配置されている RAID 1 デバイスのデバイス管理(作成、削除、ミラーのアタッチ/デタッチ、レポート)。

  • ESX ホストに表示される 2 つ以上のストレージ ボリューム上に分散可能な仮想ボリュームの仮想ボリューム管理(作成、変更、削除、レポート)。

  • ホストによるストレージへのアクセスの制御に使用される仮想ボリューム、フロントエンド ポート、および登録済みイニシエータ(ホスト)の組み合わせに対するストレージ ビュー管理(作成、変更、削除、レポート)。

  • 失敗イベントの前に失われる可能性があるデータの量を判別するためのリカバリ ポイント。

VPLEX の使用例の詳細については、「Cisco Virtualized Workload Mobility Design Considerations」の章の「EMC VPLEX Metro Functional Overview」の項を参照してください。 この章は、『Data Center Interconnect Design Guide for Virtualized Workload Mobility with Cisco, EMC, and VMware』に収録されています。

EMC RecoverPoint について

EMC RecoverPoint は、Pod 内および Pod 間でのさまざまなストレージ 環境に対してポイント イン タイム リカバリを有効にすることで、運用および災害時回復のための継続的なデータ保護を実現します。

RecoverPoint は、ブロック ベースのストレージ プロトコルのために異種アレイ間での非同期レプリケーションを提供し、データ損失を回復可能にすることで、データを保護する IP ベースの継続バックアップ ソリューションです。 VMware Site Recovery Manager(SRM)機能をポイント イン タイム リカバリ機能で拡張することで、データの破損または損失が発生した場合に、過去のデータを確認し、一貫性のある状態で復元することが可能になります。

Cisco UCS Director では、Vblock クラスタに関する次の EMC RecoverPoint レポートにアクセスできます。
  • 災害発生時に、VPLEX システム内の VPLEX 分散仮想ボリューム上でのアプリケーション データに対するアプリケーション依存書き込みの整合性を確保するコンシステンシ グループ。

  • 初期コンシステンシ グループのコンシステンシ グループ コピー。

  • 本番ソース ボリュームと、そのローカル レプリカ ボリュームまたはローカルおよびリモート レプリカ ボリュームで構成されるレプリケーション セット。 コンシステンシ グループは 1 つ以上のレプリケーション セットからなります。


(注)  


これらのレポートへのアクセス方法の詳細については、「EMC RecoverPoint レポートの表示」の項を参照してください。

システム要件

コンポーネント 要件

Vblock ハードウェア接続

詳細については、『VCE Vblock Series 300 Technical Specifications』および『VCE Vblock Series 700 Technical Specifications』を参照してください。

ネットワーキング

Cisco Nexus 5000/5500 シリーズ スイッチ 2 台

Cisco UCS 6100 または 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト 2 台

Cisco Nexus 1000V スイッチ

コンピューティング

1 台以上の Cisco UCS シャーシとシャーシあたり 2 台のファブリック エクステンダを搭載したモジュール

ストレージ

EMC VNX または VMAX 10K または 20K ストレージ システム

管理およびソフトウェア

Cisco UCS Manager、VCE Vision Intelligent Operations ソフトウェア(Vblock System 300 および 700)。

Cisco UCS Director

サポートされているすべてのバージョンについては、『Compatibility Matrix』を参照してください。

Cisco UCS Director Baremetal Agent

サポートされているすべてのバージョンについては、『Compatibility Matrix』を参照してください。

Cisco UCS Director— リソース予約

2 GB メモリおよび 3000-GHz 以上の CPU

Cisco UCS Director Baremetal Agent — リソース予約

2 GB メモリおよび 2000-GHz 以上の CPU

VMware(vCenter Server/ESXI/ESXi/vSphere、または Microsoft Hyper-V Manager)サーバ

サポートされているすべてのバージョンについては、『Compatibility Matrix』を参照してください。

Vblock の実装の概要

Vblock はさまざまな方法で実装できます。 このセクションでは、Vblock の一般的な実装に関連する基本的なタスクについて説明します。


    ステップ 1   貴社の Vblock ネットワークに最適な構成設計の調査と計画。 Vblock ソリューション、サービス、およびサポートの詳細については、Web のCisco Vblock Systems ページを参照してください。 また、『VCE Management and Orchestration Workflow Automation for Vblock Infrastructure Platforms』ホワイトペーパーも参照してください。
    ステップ 2   Vblock 設計に必要なハードウェア接続要件を判断するには、『VCE Vblock Series 700 Technical Specifications』および 『VCE Vblock Series 300 Technical Specifications』を使用してください。
    ステップ 3   VNX または VMAX の Vblock 設計に必要なネットワーク接続要件を確認するには、『EMC VNX Series Technical Specifications』または EMC Symmetrix VMAX 10K および 20K の仕様を参照してください。
    ステップ 4   実装に含まれる個々のデバイスまたはソフトウェア、または Vblock に関するライセンス情報を入手します。 詳細については、『Cisco UCS Director Install and Upgrade Guides』を参照してください。
    ステップ 5   Cisco UCS DirectorCisco UCS Director Baremetal Agent を VMware(vCenter Server/ESXI/ESXi、vSphere、または Microsoft Hyper-V Manager)サーバにインストールします。 詳細については、『Cisco UCS Director Install and Upgrade Guides』の Web ページを参照してください。
    ステップ 6   「初期 Vblock 設定」の章に記載されているタスクに従って Vblock アカウントを追加します。
    ステップ 7   「初期 Vblock 設定」の章に記載されている次のタスクに従ってデバイスを Cisco UCS Director に接続します。
    1. アカウントを追加して、Cisco UCS Manager に接続します。
    2. EMC VNX ユニファイド ストレージ システムまたは EMC Symmetrix VMAX 10K および 20K ストレージ システムを接続します。
    3. Cisco Nexus シリーズ スイッチを接続します。
    (注)     

    UCS Manager の設定の詳細については、Web の『Cisco UCS Director Management Guide for Cisco UCS Manager』を参照してください。

    ステップ 8   Cisco UCS Director Baremetal Agent のネットワーク設定」の章を参照して、Cisco UCS Director Baremetal AgentCisco UCS Director に接続し、管理とプリブート実行環境(PXE)のための単一ネットワークまたは個別ネットワークの DHCP サーバ パラメータを設定します。
    ステップ 9   Cisco UCS Director Baremetal AgentCisco UCS Director に接続しており、Cisco UCS Director Baremetal Agent と同じネットワーク上でベアメタル プロビジョニングが実行されていることを確認します。
    ステップ 10   「Vblock の操作」の章を使用して、最上位のルート組織、ポリシー、プール、vNIC テンプレートなどを作成します。
    ステップ 11   「オーケストレーション ワークフローの操作」の章を参照して、事前に定義されているオーケストレーション ワークフローに移動し、事前に定義されているオーケストレーション ワークフローの設定方法と、設定されたワークフローの検証方法を確認します。 Cisco Developed Integrations ページで、定期的に追加される Cisco UCS Director ワークフローを確認してください。