Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45)/Cisco MGX 8950/Cisco MGX 8830/Cisco MGX 8880 ハードウェア インストレーション ガイド
カード冗長構成、回線冗長構成、バル ク分散の計画
カード冗長構成、回線冗長構成、バルク分散の計画
発行日;2012/02/04 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

カード冗長構成、回線冗長構成、バルク分散の計画

スタンドアロンと冗長構成のカード設定計画

スタンドアロン カード構成のガイドライン

1:1 カード冗長構成のガイドライン

事前設定された冗長構成(PXM と SRM)

設定可能な 1:1 カード冗長構成

1:N カード冗長構成のガイドライン(RPM を除く)

バルク分散なしの 1:N 冗長構成

バルク分散ありの 1:N 冗長構成

RPM に対する 1:N カード冗長構成のガイドライン

スタンドアロンと冗長構成の回線設定計画

スタンドアロンの回線設定ガイドライン

スタンドアロン カードの設定

1:1 冗長構成のカード設定

1:N 冗長構成のカード設定(RPM を除く)

1:N 冗長構成 RPM の設定

冗長構成の回線設定ガイドライン

カード内 APS 設定

カード間 APS 設定

バルク分散の計画

高度なソフトウェア機能の計画

ATM の逆多重化(IMA)設定:MGX 8830、MGX 8850(PXM45)、および MGX 8850(PXM1E)

カード冗長構成、回線冗長構成、バルク分散の計画

この章では、MGX スイッチでのカード冗長構成、回線冗長構成、およびバルク分散の計画について説明します。カード冗長構成は、同一種類または類似種類(MPSM-8-T1E1 カードは、他種類のカードをサポートします)のセカンダリ カードをスタンバイ カードとして使用し、アクティブ カードの障害時に切り替えを行う機能です。回線冗長構成は、カード冗長構成と同じようなフォールト トレランス機能を、スイッチに接続された個々の回線に拡張したものです(この章では、 スイッチ という用語は、MGX スイッチおよび MGX 8880 ゲートウェイを示します)。

バルク分散は、SRM カードを使用して、選択したサービス モジュールからの T1 や E1 トラフィックを集約し、それらのトラフィックを SRM カードに接続されたより高速のカードに転送する機能です。SRM カードは、集約されたトラフィックを受信すると、個々のサービス モジュールに分散します。バルク分散の基本機能は、多数の T1 や E1 回線の代わりに、少数の T3 や OC-3 回線をスイッチで使用できるようにすることです。次の利点は、SRME カードを使用して、バルク分散を使用しない場合には回線の冗長構成を行えないカードに、回線の冗長構成を提供できることです。

これらのサービスの構成変更は、サービスの中断や多大な設定変更につながることがあるので、初期段階でサービスの計画を立てることが重要です。ここでの計画では、設定を始める前に、コントローラ カードやサービス モジュールをシャーシにどのように取り付けるか、回線をどのようにカードに接続するかを決定します。ハードウェアが設置されたら、ソフトウェアの設定チームはこの計画に従ってスイッチを設定します。スイッチが正常に動作するためには、ハードウェアの設定が、計画されたソフトウェアの設定と一致しなければなりません。

この章で説明する機能は、すべてのカードでサポートされているわけではありません。 表 4-1 に、すべてのカード種類と、それらのカードでサポートされている機能を示します。

 

表 4-1 各カードのカード冗長構成、回線冗長構成、バルク分散の機能

カードの種類
カードの冗長構成
オプション
回線冗長構成のサポート
バルク分散のサポート

AUSM8T1/B1
AUSM8E1/B1

スタンドアロン

なし2

1:N

AXSM-1-2488
AXSM-1-2488/B
AXSM-1-9953-XG

スタンドアロン

なし

×

1:1

カード間 APS

AXSM-2-622-E

スタンドアロン

なし

×

1:1

カード間およびカード内 APS

AXSM-4-622
AXSM-4-622/B
AXSM-4-2488-XG

スタンドアロン

カード内 APS

×

1:1

カード間およびカード内 APS

AXSM-8-155-E

スタンドアロン

カード内 APS

×

1:1

カード間およびカード内 APS

AXSM-16-155
AXSM-16-155/B
AXSM-16-155-XG

スタンドアロン

カード内 APS

×

1:1

カード間およびカード内 APS

AXSM-16-T3E3
AXSM-16-T3E3/B
AXSM-16-T3E3-E
AXSM-32-T1E1-E

スタンドアロン

なし

×

1:1

CESM-8E11
CESM-8T11
CESM-8T1/B

スタンドアロン

なし2

1:N

FRSM-2CT3
FRSM-2T3E3

スタンドアロン

なし

×

1:1

FRSM-8E11
FRSM-8E1-C1
FRSM-8T11
FRSM-8T1-C1

スタンドアロン

なし2

1:N

FRSM-12-T3E3

スタンドアロン

なし

×

1:1

FRSM-HS2/B

スタンドアロン

なし

×

1:13

MPSM-8-T1E1

スタンドアロン

なし2

1:N

MPSM-T3E3-155

スタンドアロン

カード内 APS

×

1:1

カード間およびカード内 APS

PXM1E-4-155
PXM1E-8-155

スタンドアロン

カード内 APS

×

事前設定の 1:1 構成

カード間およびカード内 APS

PXM1E-8-T3/E3
PXM1E-16-T1/E1

スタンドアロンの 1:1 構成

なし

×

事前設定の 1:1 構成

PXM1E-COMBO

スタンドアロン

カード内 APS

×

事前設定の 1:1 構成

カード間およびカード内 APS

PXM45

スタンドアロン

なし

×

事前設定の 1:1 構成

RPM-PR-256
RPM-PR-512
RPM-XF-512

スタンドアロン

なし

×

1:N SRM なし

SRM-3T3

スタンドアロン

なし

事前設定の 1:1 構成

SRME

スタンドアロン

なし

事前設定の 1:1 構成

カード間 APS

SRME/B

スタンドアロン

なし

事前設定の 1:1 構成

カード間 APS4

VISM-PR-8E1
VISM-PR-8T1

スタンドアロン

なし

1:N

VXSM-4-155

スタンドアロン

カード内 APS

×

1:1

カード間およびカード内5 APS

VXSM-48-T1E1

スタンドアロン

なし

×

1:1

1.この種類のカードでは、スタンバイ カードとして MPSM-8-T1E1 を使用できます。

2.冗長 PXM1E と冗長 SRME、または SRME/B を使用してバルク分散を行うと、カード間 APS 回線冗長構成(SRME 経由)がサポートされます。

3.1:1 冗長構成がサポートされるのは、SCSI2-2HSSI/B バック カードと FRSM-HS1/B HSSI Y 字型ケーブルを使用した場合だけです。12IN1-8S バック カードを使用するスロットでは、1:1 冗長構成がサポートされません。

4.SRME/B は、T3、SONET、および SDH インターフェイスをサポートします。カード間 APS が使用できるのは、SONET および SDH インターフェイスだけです。

5.VXSM のカード内 APS がサポートされるのは、MGX 8880 のスロット 3 と 4 に 1:1 でカードを冗長構成した場合だけです。

スタンドアロンと冗長構成のカード設定計画

PXM カードやサービス モジュールは、カードの種類、スイッチ内の他のカード、およびカードの設定に応じて、スタンドアロン モードまたは冗長構成モードのどちらかで動作します。以降に、スタンドアロン構成および冗長構成でカードを使用するための取り付け計画のガイドラインを説明します。

スタンドアロン カード構成のガイドライン

スタンバイ カードや冗長カードなしでカードをスイッチに挿入すると、カードはスタンドアロン モードで動作します。スタンドアロンのカードに障害が発生すると、そのカード上のすべての接続がダウンし、トラフィックが失われます。MGX スイッチに取り付けられるカードはすべて、スタンドアロン モードで動作可能です。ただし、カードや回線の障害でトラフィックと接続を失わないように、冗長構成を採用することをお勧めします。

Cisco MGX スイッチのカードはすべて、特別な設定を行わずにスタンドアロン モードで動作します。スタンドアロン設定は、研究環境や他の重要度の低い状況で使用します。

スタンドアロン設定では、次のガイドラインに従って、適切なバック カードを取り付ける必要があります。

すべての PXM カードに、両方のバック カードを取り付ける必要があります。

2 枚のバック カードをサポートする AXSM カード、FRSM12 カード、および VXSM カードには、少なくともバック カードを 1 枚取り付ける必要があります。

RPM カードには、取り付け要件に応じて、バック カードを取り付けます。

MGX 8880 の設置では、冗長バック カードをスロット 4 と 20 に取り付ける必要があります。このため、フロント カード スロット 4 をスタンドアロンに使用するのは実用的ではありません(実際には、スロット 4 のスタンドアロン カードはスロット 3 のバック カードに接続することができますが、スタンドアロンのフロント カードおよびバック カードはすべてスロット 3 に装着する方がわかりやすく実用的です)。

他のすべてのサービス モジュールには、バック カードを 1 枚取り付けるか、バルク分散を設定する必要があります。

SRM カードはオプションであり、1:N カード冗長構成、バルク分散、Bit Error Rate Testing(BERT; ビット誤り率試験)サービスを Cisco MGX スイッチに追加します。これらのサービスは選択したサービス モジュールに適用されます。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM45) スイッチでは、PXM をスタンドアロンで取り付けても、選択したサービス モジュールに対して 1:N カード冗長構成をサポートすることができます。

SRM カードを取り付ける場合、 表 4-2 に示されているように、SRM カードと PXM カードの関係に注意することが重要です。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM1E) スイッチでは、スロット 7 の PXM は、スロット 15 と 31 の SRM と動作するように事前設定されています。スロット 15 の SRM は、上部ベイに SRM サービスを提供し、スロット 31 の SRM は下部ベイに SRM サービスを提供します。

 

表 4-2 PXM カードと SRM カードの関係(設定済み)

スイッチ
PXM スロット
上部ベイ
SRM スロット
下部ベイ
SRM スロット

Cisco MGX 8830

1

7

2

14

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45)、Cisco MGX 8880

7

15

31

8

16

32

PXM カードと SRM カードの関係は事前設定されており、変更できないため、 表 4-2 に示した設定オプションを使用してこれらのカードを取り付けることが重要です。PXM カードと SRM カードを取り付けるときには、次のガイドラインに従います。

スタンドアロン PXM 設定を使用する場合は、各ベイでスタンドアロン SRM 1 枚がサポートされます。

Cisco MGX 8830 では、スタンドアロン SRM はスイッチ内のすべてのカードにサービスを提供します。また、スタンドアロン PXM をサポートするスロットに取り付ける必要があります。たとえば、スタンドアロン PXM をスロット 1 に取り付けた場合、スタンドアロン SRM はスロット 7 に取り付ける必要があります。

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチおよび MGX 8880 メディア ゲートウェイでは、SRM を 2 枚まで取り付けて、SRM サービスを上下のベイに提供することができます。たとえば、スタンドアロン PXM をスロット 8 に取り付けた場合、スロット 16 のスタンドアロン SRM が上部ベイに SRM サービスを提供し、スロット 32 のスタンドアロン SRM が下部ベイに SRM サービスを提供します。

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチに 2 枚のスタンドアロン SRM を取り付ける場合、ベイごとに異なる種類の SRM カードを取り付けることができます。たとえば、一方のベイに SRM-3T3/C カードを取り付けて、他方のベイに SRME/B カードを取り付けることができます。

Cisco MGX 8880 メディア ゲートウェイでサポートされている SRM は、SRME/B だけです。

SRM カードは Cisco MGX 8950 スイッチではサポートされていません。

1:1 カード冗長構成のガイドライン

1:1 カード冗長構成により、単一カードの障害に対して最適な保護が行われます。1:1 カード冗長構成では、1 枚目のカードがアクティブ モードで動作し、2 枚目のカードがホット スタンバイ モードで動作して、アクティブ カードの障害時におけるサービス提供に備えます。切り替え時間を最短化してサービス中断を避けるために、スタンバイ カードは 1 枚のアクティブ カードのために予約され、他のカードはサポートしません。スタンバイ カードは、アクティブ状態になるまでは、サービスをサポートしません。


) PXM カードの障害が原因でスイッチ全体のサービスが中断するのを避けるため、PXM カードは冗長構成で使用することをお勧めします。


Cisco MGX スイッチの 1:1 カード冗長構成には、事前設定されている冗長構成と設定可能な冗長構成の 2 つのタイプがあります。以降で、これらの冗長構成のタイプについて説明し、これらの冗長構成を設定するためのカード取り付けガイドラインを示します。


) 1:1 カード冗長構成は、古い用語で Y 字型ケーブル冗長構成と呼ばれることがあります。これは、古いカード セットで、Y 字型ケーブルを使用して両方の 1:1 冗長カードを同一の通信回線に接続していたためです。しかし、APS による回線冗長構成の採用により、Y 字型ケーブルを使用しない 1:1 カード冗長構成が標準的になったので、このマニュアルでは 1:1 カード冗長構成という用語を使用します。


事前設定された冗長構成(PXM と SRM)

Cisco MGX スイッチは、PXM カードと SRM カードの冗長構成をサポートするように事前設定されています。冗長 PXM カードと SRM カードを使用する場合は、 表 4-3 に示されている適切なスロットにカードを取り付けるだけです。

 

表 4-3 Cisco MGX スイッチで事前設定されている冗長構成

スイッチ
冗長構成での役割
PXM スロット
上部ベイ
SRM スロット
下部ベイ
SRM スロット

Cisco MGX 8830

プライマリ

1

7

セカンダリ

2

14

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45)、Cisco MGX 8880

プライマリ

7

15

31

セカンダリ

8

16

32

Cisco MGX 8950

プライマリ

7

セカンダリ

8

SRM カードはオプションであり、1:N カード冗長構成、バルク分散、ビット誤り率試験(BERT)サービスを Cisco MGX スイッチに追加します。これらのサービスは選択したサービス モジュールに適用されます。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM45) スイッチでは、一部のカードに対して 1:1 冗長構成を使用し、別のカードに対して 1:N カード冗長構成を使用することができます。

SRM カードを取り付ける場合、 表 4-3 に示されているように、SRM カードと PXM カードの関係に注意することが重要です。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM1E) スイッチでは、プライマリの事前設定カード セットは、スロット 7 の PXM、上部ベイをカバーするスロット 15 の SRM、下部ベイをカバーするスロット 31 の SRM カードです。セカンダリの設定は、スロット 8 の PXM、上部ベイをカバーするスロット 16 の SRM、下部ベイをカバーするスロット 32 の SRM カードです。プライマリ カード セットに障害が発生すると、セカンダリ カード セットへの切り替えが行われます。図 4-1図 4-2 に、SRM カードをサポートするスイッチでの PXM カードと SRM カードの位置を示します。

図 4-1 PXM と SRM が冗長構成された Cisco MGX 8850 スイッチ、Cisco MGX 8880 メディア ゲートウェイ

 

図 4-2 PXM と SRM が冗長構成された Cisco MGX 8830 スイッチ

 

PXM カードと SRM カードの関係は事前設定されており、変更できないため、目的の設定をサポートする適切なスロットにカードを取り付けることが重要です。PXM カードと SRM カードを取り付けるときには、次のガイドラインに従います。

PXM1E を冗長構成で設置する場合は、カード セットが同一でなければなりません。

冗長構成の PXM を使用し、SRM サービスが必要な場合は、SRM サービスを使用する各ベイに冗長構成の SRM を取り付ける必要があります。

Cisco MGX 8830 では、SRM の冗長構成ペアがスイッチ内のすべてのサービス モジュール スロットにサービスを提供します。

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチおよび Cisco MGX 8880 メディア ゲートウェイでは、SRM の冗長構成ペアは片方のベイだけにサービスを提供します。たとえば、下部ベイで冗長構成の SRM サービスを行うには、スロット 31 と 32 に SRM カードを取り付ける必要があります。

Cisco MGX 8830 スイッチ、または Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチの片方のベイに冗長構成の SRM を取り付ける場合、冗長構成の SRM は互換性のある構成でなければなりません。スイッチは、同一のベイで 2 つの異なる SRM 構成をサポートできません。次に、有効な SRM の冗長構成を示します。

SRM-3T3/C 2 枚

SRM-3T3/C 1 枚 と SRME/B 1枚(BNC-3T3-M バック カード使用)

SRME 2 枚

SRME/B 2 枚

SRME 1枚と SRME/B 1枚

Cisco MGX 8880 メディア ゲートウェイは、SRME/B だけをサポートします。

冗長構成の SRM を取り付ける場合、両方の SRM に同じ種類のバック カードを使用する必要があります。

Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチ、または Cisco MGX 8880 メディア ゲートウェイに冗長構成の SRM を取り付ける場合は、一方のベイと他方のベイで、異なる構成の SRM を取り付けることができます。たとえば、上部ベイで SRME/B サービスと BNC-3T3-M バック カードを使用し、下部ベイで SRME/B サービスと MGX-SMFIR-1-155 バック カードを使用することができます。

Cisco MGX 8950 スイッチでは、SRM カードがサポートされていません。

設定可能な 1:1 カード冗長構成

設定可能な 1:1 カード冗長構成の動作は、1:1 PXM 冗長構成の動作によく似ています。違いは、冗長構成が事前設定されていない点です。AXSM、FRSM12、および VXSM などのカードで 1:1 カード冗長構成を設定するには、カードを適切なスロットに取り付けて、冗長構成ペアとして動作するように設定する必要があります。設定後、一方のカードがアクティブ モードで動作し、もう一方のカードがホット スタンバイ モードで動作します。アクティブなカードに障害が発生すると、スタンバイ カードに切り替わり、呼は失われません。


) この設定は、サービス モジュールに限ってフォールト トレランスを実現します。選択した AXSM、PXM1E、および VXSM カードなど、一部のカードでは、回線の冗長構成をサポートします。回線の冗長構成の詳細については、この章で後述する「冗長構成の回線設定ガイドライン」を参照してください。


設定可能な 1:1 カード冗長構成を計画する場合には、次のことを考慮してください。

設定可能な 1:1 カード冗長構成は、数多くのサービス モジュール ファミリでサポートされています。1:1 カード冗長構成をサポートするサービス モジュールについては、 表 4-1 を参照してください。

冗長構成用の 2 枚のカードをスタンドアロンの回線に接続する場合、それらのカードは使用可能な任意のスロットに入れることができます。つまり、隣接したスロットに取り付ける方が配線が簡単ですが、そのように取り付けなくても構いません。

冗長構成カードを、カード間 APS を使用して冗長回線に接続する場合は、これらのカードを隣接スロットに装着する必要があります。詳細については、この章で後述する「冗長構成の回線設定ガイドライン」を参照してください。

Cisco MGX 8950 スイッチでカード間 APS を使用して冗長構成カードを冗長回線に接続する場合、奇数番号のスロットが開始番号になるように、冗長 AXSM-XG カードを隣接スロットに装着する必要があります。たとえば、冗長構成 AXSM-XG カードはスロット 3 と 4 に取り付けられます。ただし、スロット 4 と 5 に冗長構成 AXSM-XG カードを取り付けると、これらのカードにカード間 APS を設定することができません。

フロント カードは、同一である必要があります。AXSM OC-48 カードと AXSM OC-3 カードのように、一致しないカードを取り付けると、これらのカードを冗長構成ペアとして設定することができません。

バック カード セットは、互換性がある必要があります。つまり、T1、E1、T3、および E3 インターフェイスでは、同一のバック カードを使用する必要があります。光インターフェイスおよび STM-1 インターフェイスでは、フロント カードに合わせて適切な速度のバック カードを使用する必要がありますが、異なる種類のインターフェイスを使用できます。たとえば、サービス モジュールがシングル モードとマルチモードの光ファイバ インターフェイスをサポートしている場合、同じ冗長構成カード セットで両方の種類のインターフェイスを使用することができます。

カードは、スタンドアロンの回線(Y 字型ケーブル)や冗長回線(APS)用にケーブルで接続し、設定する必要があります。ケーブル接続を行う前にカードを設定することもできますが、冗長構成カード セットは、カード ペア間でケーブル接続が正しく行われるまで動作しません。詳細については、この章で後述する「スタンドアロンと冗長構成の回線設定計画」を参照してください。

1:N カード冗長構成のガイドライン(RPM を除く)

1:N カード冗長構成では、1 枚のスタンバイ カードを使用して、複数のアクティブ カードをバックアップします。アクティブ カードに障害が発生すると、スタンバイ カードが適切な設定情報をロードし、アクティブ カードの動作を引き継ぎます。スタンバイ カードがアクティブ モードに変わると、他のアクティブ カードのバックアップは行えません。

RPM カードの 1:N 冗長構成を除き、1:N カード冗長構成を行うには、1 枚以上の SRM カードのサービスを必要とします。SRM カードは、次のモードで 1:N 冗長構成をサポートします。

バルク分散なしの 1:N 冗長構成

バルク分散ありの 1:N 冗長構成

以降で、1:N 冗長構成がこの 2 つの構成でどのように動作するかを説明し、1:N 冗長構成を設定するためのカードの取り付けガイドラインを示します。

バルク分散なしの 1:N 冗長構成

1:N 冗長構成をバルク分散なしで使用する場合、図 4-3 に示すように、各々の 1:N 冗長構成のカード セットに対して特別な冗長構成バック カードを取り付けます。この冗長構成バック カードは、カード上にコネクタがなく、スタンバイ カードの背面に取り付けます。1:N 冗長構成のカード セットのアクティブ カードに障害が発生すると、スタンバイ カードに切り替わります。SRM はスタンバイ バック カードからの通信を、特別な冗長構成バック カード経由で、障害が発生したカード背面のバック カードに送ります。この構成により、スタンバイ カードが、障害が発生したプライマリ カード背面のバック カードに接続された回線を使用できるようになります。

図 4-3 バルク分散なしの 1:N 冗長構成の例

 

回線の再ルーティングは、Cisco MGX スイッチの各ベイに装備されている 1 本の冗長バスを介して行われます。Cisco MGX 8830 スイッチには冗長バスが 1 本あり、Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチおよび MGX 8880 スイッチには各ベイに 1 本、あわせて 2 本の冗長バスがあります。冗長バスは、同時に 1 組の 1:N 冗長構成カード セットにしか使用できないので、ベイ内のいずれかの 1:N 保護カードに障害が発生すると、冗長バスは、他の 1:N 冗長構成カード セットに使用できなくなります。

バルク分散なしの 1:N 冗長構成をサポートするには、次のガイドラインに従ってカードを取り付ける必要があります。

SRM-3T3/C、SRME、および SRME/B カードは、T1 または E1 回線を使用する 8 ポートの AUSM、FRSM、CESM、MPSM、および VISM-PR カードに 1:N カード冗長構成を提供します。サービス モジュールがサポートする 1:N カード冗長構成については、 表 4-1 を参照してください。

1:N 冗長構成カード セット(バルク分散なし)を構成するすべてのカードに、バック カードが必要です。それぞれのプライマリ カードには、回線が接続された適切なバック カードが必要であり、セカンダリ カードには、適切な冗長構成バック カードが必要です。

1:N 冗長構成セットのプライマリ バック カードのインターフェイスは、すべて同じ種類である必要があります。たとえば、すべてのカードが T1 バック カードであるか、または E1 バック カードである必要があります。同一の冗長構成セット内に、種類が異なるインターフェイスを使用しないでください。

セカンダリ カードが AUSM、CESM、FRSM、または VISM である場合、1:N 冗長構成カード セットを構成するカードはすべて同じ種類である必要があります。たとえば、FRSM-8T1 は、他の FRSM-8T1 カードのスタンバイ カードとして使用できますが、AUSM-8T1/B のスタンバイ カードとして使用できません。

セカンダリ カードが MPSM-8-T1E1 である場合、MPSM-8-T1E1 は、AUSM、FRSM、CESM、および MPSM-8-T1E1 のバック アップを行うことができます。たとえば、1 枚の MPSM-8-T1E1 を、AUSM、FRSM、CESM、および MPSM-8-T1E1 カードのセカンダリ カードとして使用することができます。

1:N 冗長構成カード セットのカードはすべて、同じベイに取り付ける必要があります。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチでは、ある 1:N 冗長構成カード セットのカードはすべて、上部ベイか下部ベイのどちらかに取り付ける必要があります。1:N 冗長構成カード セットは、上下のベイ間に分散することはできません。

SRM は、1:N 冗長構成を行う各ベイに取り付ける必要があります。また、ベイ内の SRM の枚数は、取り付けられている PXM の枚数と一致し、「スタンドアロン カード構成のガイドライン」や「1:1 カード冗長構成のガイドライン」に説明されているように取り付ける必要があります。

バルク分散ありの 1:N 冗長構成

バルク分散は、個々のサービス モジュール上の複数の T1 回線または E1 回線からの通信パスを結合し、SRM バック カードに接続されている T3 回線または OC-3 回線に転送する SRM カードの機能です。SRM の T3 回線または OC-3 回線で受信される通信は、個々の T1 または E1 データ ストリームに分離され、適切なサービス モジュールに転送されます。バルク分散は、複数の T1 回線または E1 回線の代わりに、1 本の T3 回線または OC-3 回線をサービス モジュールの通信に使用できるようにします。

1:N 冗長構成をバルク分散とともに使用する場合、1:N 冗長構成のカード セット内のサービス モジュールの背面にはバック カードを取り付けません。保護されたカードへの通信回線はすべて、図 4-4 に示すように、バックプレーンを介して SRM バック カードへ再ルーティングされます。

図 4-4 バルク分散を使用した 1:N 冗長構成の例

 

1:N 冗長構成のカード セットのアクティブ カードに障害が発生すると、スタンバイ カードに切り替わります。SRM はスタンバイ バック カードからの通信を、SRM の T3 回線または OC-3 回線内の適切な論理回線に送ります。バルク分散を使用する場合、1:N 冗長構成のカード セットがバックプレーン上の冗長バスを使用しないため、SRM は 1:N 冗長構成の複数のカード セットにおける障害をサポートすることができます。

バルク分散を使用する 1:N 冗長構成をサポートするには、次のガイドラインに従います。

SRM の T3 構成(BNC-3T3-M バック カードを使用する SRM-3T3/C、および SRME/B)は、T1 回線を使用する 8 ポートの AUSM、FRSM、CESM、MPSM-8-T1E1、および VISM-PR カードのみでバルク分散をサポートします。サービス モジュールがサポートするバルク分散については、 表 4-1 を参照してください。

SONET および SDH 構成(MGX-SMFIR-1-155 または MGX-STM1-EL-1 バック カードを使用する SRME、および SRME/B)は、T1 または E1 回線を使用する 8 ポートの AUSM、FRSM、CESM、MPSM-8-T1E1、および VISM-PR カードでバルク分散をサポートします。サービス モジュールがサポートするバルク分散については、 表 4-1 を参照してください。

バルク分散を使用する 1:N 冗長構成カード セットを構成するカードには、バック カードがまったく必要ありません。バルク分散を使用可能にすると、カード上のすべての回線が SRM を経由します。

セカンダリ カードが AUSM、FRSM、または CESM である場合、1:N 冗長構成カード セットを構成するカードはすべて同じ種類である必要があります。たとえば、FRSM-8T1 は、他の FRSM-8T1 カードのスタンバイ カードとして使用できますが、MPSM-8-T1E1 のスタンバイ カードとして使用できません。

セカンダリ カードが MPSM-8-T1E1 である場合、MPSM-8-T1E1 は、AUSM、FRSM、CESM、および MPSM-8-T1E1 のバック アップを同時に行うことができます。

1:N 冗長構成カード セットのカードはすべて、同じベイに取り付ける必要があります。たとえば、Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45) スイッチでは、ある 1:N 冗長構成カード セットのカードはすべて、上部ベイか下部ベイのどちらかに取り付ける必要があります。1:N 冗長構成カード セットは、上下のベイ間に分散されてはなりません。

SRM は、1:N 冗長構成を行う各ベイに取り付ける必要があります。また、ベイ内の SRM の枚数は、取り付けられている PXM の枚数と一致し、「スタンドアロン カード構成のガイドライン」や「1:1 カード冗長構成のガイドライン」に説明されているように取り付ける必要があります。

バルク分散を使用可能にしても、バルク分散なしの 1:N 冗長構成の使用の妨げにはなりません。たとえば、同じベイに、バルク分散ありの 1:N 冗長構成カード セットと、バルク分散なしの 1:N 冗長構成カード セットを設定できます。

RPM に対する 1:N カード冗長構成のガイドライン

RPM-PR カードと RPM-XF カードは、SRM カードのサービスを使用しないで 1:N カード冗長構成で動作できます。この構成では、冗長構成カード セットのいずれかのアクティブな RPM に障害が発生した場合に、1 枚のスタンバイ RPM カードに切り替わります。詳細については、『 Cisco MGX Route Processor Module (RPM-PR) Installation and Configuration Guide, Release 2.1 』または『 Cisco MGX Route Processor Module (RPM-XF) Installation and Configuration Guide, Release 4 』を参照してください。


) RPM にバック カードが取り付けられている場合、アクティブおよびスタンバイの RPM バック カードのイーサネット接続または POS 接続は、アクティブ カードとスタンバイ カードで同じ IP 接続となるように設定されている必要があります。このように設定されていない場合、RPM の切り替え時に、IP 接続が失われることがあります。


スタンドアロンと冗長構成の回線設定計画

ほとんどのカードはスタンドアロンの回線設定しかサポートしませんが、PXM1E、AXSM、VXSM、および SRME/B などの一部のカードは、冗長構成の回線もサポートします。 表 4-1 に、すべてのカード タイプと、それらがサポートする冗長構成の回線設定が示されています。以降では、スタンドアロンや冗長構成の回線設定を計画する場合に必要な情報について説明します。

スタンドアロンの回線設定ガイドライン

スタンドアロンの回線設定は、スタンドアロンのカード設定または冗長構成のカード設定をサポートするために使用します。ただし、使用するスタンドアロンの回線設定は、次のカード設定のいずれかによって異なります。

スタンドアロン カード

1:1 冗長構成のカード

1:N 冗長構成のカード(RPM を除く)

1:N 冗長構成の RPM

スタンドアロン カードの設定

スタンドアロンのカードにスタンドアロンの回線を使用する計画を立てる場合は、次のガイドラインを考慮してください。

各回線のコネクタには、単一回線(送受信)を接続する必要があります。1:1 冗長カード設定で以降に紹介される Y 字型ケーブルは、使用しないでください。

スタンドアロン PXM1E カードまたは SRM カードに対するスタンドアロン回線の場合は、該当のカードに予約された冗長構成用のスロットにカードを取り付けないでください。

MGX 8880 スイッチのスロット 4 は、冗長構成バック カードを使用するように事前設定されています。この冗長構成バック カードは、スロット 4 のフロント カードを、スロット 3 に取り付けられた任意のバック カードに物理的に接続するバック カードです。スロット 4 は、単独でスタンドアロン設定をサポートすることができません。このため、スロット 4 は、1:1 冗長構成のカード設定だけに使用することをお勧めします。

1:1 冗長構成のカード設定

1:1 冗長構成のカード設定にスタンドアロンの回線を使用する計画を立てる場合は、次のガイドラインを考慮してください。

たいていの場合、冗長構成バック カード両方の一致する回線番号間に Y 字型ケーブルを 1 組使用する必要があります(送信コネクタ用に 1 本、受信コネクタ用に 1 本)。各 Y 字型ケーブルは、送受信コネクタのペアをスタンドアロン回線に接続します。通常、BNC、SMB、MCC、または光ファイバ コネクタを使用する各回線に対して Y 字型ケーブルが 1 組必要です。AXSM-32-T1E1-E などの一部のカードでは、特殊なバック カード コネクタと Y 字型ケーブルを使用して送信パスと受信パスの両方を 1 本のケーブルで伝送します。

冗長構成のカードは、1:1 冗長構成、つまり「Y 字型ケーブル」冗長構成に設定する必要があります。

MMF バックカードの Y 字型ケーブル接続は可能ですが、光パワー バジェットについて十分に評価する必要があります。MMF インターフェイスを Y 字型ケーブルで接続する場合は、次の情報を考慮する必要があります。

Y 字型ケーブルの使用で生じる損失は、ケーブル自身、ファイバ コネクタ、パッチ パネルなどで発生し、光パワー バジェットに影響することがあります。

単一終端で Y 字型ケーブルを使用する場合は、通常、許容可能な光パワー バジェット内です。両終端で Y 字型ケーブルを使用する場合は、正常に動作できないような大きな減衰を招く可能性が高くなります。

シスコの光 Y 字型ケーブルは、Y 字型ケーブルの各端に光パワーを効率的に等分できる光スプリッタを採用しています。このスプリットの結果は実効 3db の減衰です(Y 字型ケーブルのファイバ コネクタ自身で生じる減衰は含みません)。

MGX 8880 のスロット 4 は、スロット 4 のフロント カードを、スロット 3 の任意のバック カードに接続する冗長構成バック カードに使用します。スロット 3 と 4 での 1:1 カード冗長構成にスタンドアロン回線を使用する場合は、バック カード セットが 1 組しかないため、Y 字型ケーブルは不要です。


) 1:1 カード冗長構成は、古い用語で Y 字型ケーブル冗長構成と呼ばれることがあります。これは、古いカード セットで、Y 字型ケーブルを使用して両方の 1:1 冗長カードを同一の通信回線に接続していたためです。しかし、APS による回線冗長構成の採用により、Y 字型ケーブルを使用しない 1:1 カード冗長構成が標準的になったので、このマニュアルでは 1:1 カード冗長構成という用語を使用します。


図 4-5 に、冗長 PXM1E カードで Y 字型ケーブルを使用してスタンドアロン回線に接続する方法を示します。

図 4-5 スタンドアロン回線を使用する冗長 PXM1E の構成

 

図 4-6 に、冗長 AXSM カードをスタンドアロン回線に接続する方法を示します。FRSM12 や FRSM-HS2/B などの、1:1 カード冗長構成をサポートする他のサービス モジュールは、同じような方法で Y 字型ケーブル接続を使用します。

図 4-6 スタンドアロン回線を使用する冗長 AXSM の構成

 


) この設定は、フロント カードだけにフォールト トレランスを実現します。この設定は、バック カードや回線に対してはフォールト トレランスを実現しません。バックカードおよび回線に対してフォールト トレランスを実装する必要がある場合は、「冗長構成の回線設定ガイドライン」を参照してください。


1:N 冗長構成のカード設定(RPM を除く)

1:N 冗長構成のカード設定にスタンドアロンの回線を使用する計画を立てる場合は、次のガイドラインを考慮してください。

各回線のコネクタには、単一回線(送受信)を接続する必要があります。1:1 冗長カード設定で紹介した Y 字型ケーブルは、使用しないでください。

バルク分散なしの 1:N 冗長構成のカード設定では、この章の始めで述べた「バルク分散なしの 1:N 冗長構成」のガイドラインに従って冗長構成のカード セットを設定する必要があります。

バルク分散ありの 1:N 冗長構成のカード設定では、この章の始めで述べた「バルク分散ありの 1:N 冗長構成」のガイドラインに従って冗長構成のカード セットを設定する必要があります。

スタンドアロン回線を収容するカードでバルク分散を行う場合、その回線はサービス モジュールから SRM カードの間でスタンドアロンです。これは、スイッチのバックプレーンを経由する 1 本の物理的な接続です。ただし、スタンドアロン回線が SRM に到達後、冗長 SRM で SONET、SDH、または STM-1 インターフェイスを使用する場合は、SRME および SRME/B で冗長構成の回線を設定することができます。SRME または SRME/B で冗長構成の回線を設定すると、そのカード ペアを介してバルク分散を使用するすべてのカードが、冗長構成の回線で保護されることになります。詳細については、この章で後述する「冗長構成の回線設定ガイドライン」を参照してください。

1:N 冗長構成 RPM の設定

複数の RPM を単一のネットワークに接続する方法は、バック カードの種類によって異なります。たとえば、単一の 10/100 のイーサネット ネットワークへの接続上で 2 枚の RPM-PR を使用して1:N 冗長構成を設定する場合は、対応するポートや回線をネットワーク上のハブに直接接続します。Y 字型ケーブルは使用しません。

RPM カードを 1:N 冗長構成に設定する詳細については、『 Cisco MGX Route Processor Module (RPM-PR) Installation and Configuration Guide, Release 2.1 』または『 Cisco MGX Route Processor Module (RPM-XF) Installation and Configuration Guide, Release 4 』を参照してください。

冗長構成の回線設定ガイドライン

冗長構成の回線設定を行うと、フォールト トレランスがそれぞれの回線に拡張されます。冗長構成のカードと同じように、冗長構成の回線がペアとして動作します。1 本の回線に障害が発生すると、冗長構成ペアの 2 本目の回線に切り替わります。

Cisco MGX スイッチは、Automatic Protection Switching(APS; 自動保護切り替え)を使用して、回線のフォールトトレランスを実現します。APS は SONET のコンポーネントであるため、光インターフェイスおよび STM-1 インターフェイス(SONET OC-3と電気的に同等)だけで使用することができます。 表 4-1 に、すべてのカード タイプと、APS のサポートが示されています。


) 冗長構成の回線(APS)は T1 カードと E1 カードではサポートされません。ただし、収容しているサービス モジュールに冗長構成の SRM カード セット経由でバルク分散が設定されていると、SRME および SRME/B は T1 や E1 回線に冗長構成の回線保護を間接的に提供できます。詳細については、この章で後述する「カード間 APS 設定」を参照してください。


スイッチの設定によって APS をサポートできるかどうかが決まりますが、APS は、有効にされ、設定されてから動作します。APS を計画する場合は、次のようにハードウェアを準備します。

計画する APS 設定をサポートする適切なスロットにフロント カードを配置します。

必要な場合は、APS コネクタを取り付けます。

現用回線と予備回線を、各回線の役割が回線の両端で同じになるようにケーブル接続します。

APS を使用可能にして設定する場合、冗長構成の各回線ペアに対して、 現用回線 予備回線 を定義します。現用回線はプライマリ回線あるいは優先回線であり、回線が動作可能であるかぎり、その回線で通信が行われます。現用回線に障害が発生すると、APS は予備回線への切り替えを開始します。2 台のスイッチ間で APS が適切に動作するには、一方のスイッチの現用回線が、他方のスイッチでも現用回線である必要があります。予備回線についても同様です。ほとんどのサービス モジュールに、現用回線を収容できる回線と、予備回線を収容できる回線について、特定の要件があります。このため、スイッチで APS をサポートできるように設定するには、ハードウェアを正しく設置することが必要です。

Cisco MGX スイッチは、2 種類の APS、すなわち、カード内 APS とカード間 APS をサポートします。以降で、この 2 つの APS オプションについて説明し、APS の設定を準備するガイドラインを示します。

カード内 APS 設定

カード内 APS 設定は、同一のバック カード上または同一のバック カード セット内の現用回線と予備回線で作成します。図 4-7 に示すように、カード内 APS により、スタンドアロンのカード設定に対して冗長構成の回線保護を行うことができるようになります。

図 4-7 カード内 APS を使用するスタンドアロン PXM1E

 

図 4-8 に、スタンドアロンの AXSM を冗長構成の回線に接続する方法を示します。

図 4-8 カード内 APS を使用するスタンドアロン AXSM

 

フロント カードは、バック カードよりも非常に複雑で高価なため、ほとんどの 1:1 冗長構成カード設定の場合で、カード内 APS は実用的ではありません。ほとんどのサービス モジュールにおいて、カード内 APS を使用すると、使用可能なポート数が半減します。

例外は、VXSM-4-155 です。VXSM-4-155 では 4 ポートのバック カードを使用して、ポート数が倍増します。VSXM-4-155 でカード内 APS を使用すると、ポート数を減らさずに、4 ポートすべてをカード内 APS に設定できます。図 4-9 に、スタンドアロン VXSM を冗長構成の回線に接続する方法を示します。

図 4-9 カード内 APS を使用するスタンドアロン VXSM

 

カード内 APS 設定を計画する際には、次の条件を考慮してください。

すべてのカードがカード内 APS をサポートしているわけではありません。 表 4-1 に、すべてのカード タイプと、カード内 APS のサポートが示されています。

VXSM-4-155 を除くすべてのカードで、現用回線と予備回線を、同じバック カードの隣接ポートに接続する必要があります。

VXSM-4-155 カードでは、現用回線は上部ベイのバック カードのポートに接続し、予備回線は下部ベイのバック カードの対応ポートに接続します。たとえば、ポート 2 をカード内 APS に設定する場合、現用回線は上部ベイのポート 2 に接続し、予備回線は下部ベイのポート 2 に接続します。

VXSM-4-155 を除くすべてのカードで、現用回線は奇数番号のポートに割り当てる必要があります。たとえば、現用回線を回線 1 に、予備回線を回線 2 にします。

VXSM-4-155 を除くすべてのカードで、現用回線は予備回線より小さい番号のポートに割り当てる必要があります。たとえば、現用回線をポート 3 に、予備回線をポート 4 に割り当てます。予備回線がポート 2 にある場合は、現用回線をポート 3 に割り当てないでください。

APS 回線の両端のスイッチは、APS 用に設定する必要があります。また、各回線の役割(現用または予備)は回線の両端で同じにする必要があります。

MGX 8880 のスロット 4 は、スロット 4 のフロント カードを、スロット 3 の任意のバック カードに接続する冗長構成バック カードに使用します。スロット 4 は、それ自身ではカード内 APSをサポートしないため、スロット 4 ではなくスロット 3 を使用してカード内 APS によるスタンドアロン カード運用を行うか、またはカード間 APS を使用してスロット 3 と 4 で 1:1 カード冗長構成を使用することをお勧めします。

AXSM-1-2488、AXSM-1-9953-XG、および SRME カードのバック カードにはポートが 1 つしかないため、これらのカードにカード内 APS を設定することはできません。この章で後述するカード間 APS を設定することはできます。これは、SONET または SDH インターフェイスを使用する SRME/B カードでも同様です。

カード間 APS 設定

カード間 APS 設定は、異なるバック カード上の現用回線と予備回線で作成します。図 4-10 に示すように、カード間 APS により、冗長構成のフロント カードで提供されるフォールト トレランスがバック カードと回線に拡張されます。

図 4-10 カード間 APS を使用する冗長構成の PXM1E 設定

 

バック カードと回線のフォールトトレランスは、カード間 APS で提供されます。現用回線または現用回線が接続されたバック カードで障害が発生すると、通信トラフィックは予備回線と予備回線が接続されたバック カードを介して再ルーティングされます。

図 4-11 に、冗長構成の AXSM カード セットにカード間 APS を使用する方法を示します。

図 4-11 カード間 APS を使用する冗長構成の AXSM 設定

 

図 4-12 に、カード間 APS を使用する冗長構成の SRME を示します。

図 4-12 カード間 APS を使用する冗長構成の SRME

 

カード間 APS を使用する冗長構成の回線設定を計画する際には、次の条件を考慮してください。

すべてのカードがカード間 APS をサポートしているわけではありません。 表 4-1 に、すべてのカード タイプと、カード間 APS のサポートが示されています。

カードの冗長構成は、この章で前述した「1:1 カード冗長構成のガイドライン」に従って、設定または検証する必要があります。

一部の種類の PXM1E バック カードでは、カード間 APS をサポートするために APS ミニバックプレーンが必要です。PXM1E APS ミニバックプレーンの条件は、 表 4-4 に示します。

冗長構成の AXSM、MPSM、VXSM カードは、カード間 APS をサポートするには、隣接スロットに取り付ける必要があります。

一部の種類のサービス モジュールのバック カードでは、カード間 APS をサポートするために APS ミニバックプレーンが必要です。APS ミニバックプレーンの条件は、 表 4-4 に示します。

MGX 8880 メディア ゲートウェイでは、スロット 3 と 4 はカード間 APS をサポートしません。

SONET または SDH インターフェイスを使用する場合、SRME/B がサポートする APS は SRME と同じになります。

冗長構成の SRME および SRME/B バック カードは、APS ミニバックプレーンで結合する必要があります。SRME の APS ミニバックプレーンの条件は、 表 4-4 に示します。

現用回線はプライマリ カード上に、予備回線はセカンダリ カード上に定義する必要があります。プライマリ カードとセカンダリ カードは、PXM1E と SRM では事前設定されており、AXSM、MPSM、および VXSM では設定時に定義します。

現用回線と予備回線の番号は、カード間 APS 設定では同一でなければなりません。たとえば、プライマリ PXM1E-COMBO カードの回線 9 に現用回線を割り当て、セカンダリ カードの回線 9 に予備回線を割る当てることができます。一方のカードの回線 9 に現用回線を割り当て、他方のカードの回線 10 に予備回線を割り当てることはできません。

APS 回線の両端のスイッチは、APS 用に設定する必要があります。また、各回線の役割(現用または予備)は回線の両端で同じにする必要があります。

表 4-4 に、カード間 APS に必要な APS コネクタの条件を示します。

 

表 4-4 APS コネクタのオプションと条件

フロント カードの
タイプ
MGX 8830 の
APS オプション
MGX 8850 の
APS オプション
MGX 8880 の
APS オプション
MGX 8950 の
APS オプション

AXSM/A カード(AXSM ラベルつき)

AXSM-1-2488

スロット 1~6、9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

AXSM-4-622

AXSM-16-155

AXSM/B カード

AXSM-1-2488/B

スロット 1~6、9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

スロット 1、2、5、および 6:
APS コネクタ組み込み

スロット 3 および 4:
カード間 APS 不可

スロット 9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

スロット 1~6、11~16:
MGX-APS-CON-8950

AXSM-4-622/B

AXSM-16-155/B

AXSM-E カード

AXSM-2-622-E

スロット 1~6、9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

スロット 1、2、5、および 6:
APS コネクタ組み込み

スロット 3 および 4:
カード間 APS 不可

スロット 9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

AXSM-8-155-E

AXSM-XG カード

AXSM-1-9953-
XG

スロット 1~6、11~16:
APS コネクタ組み込み

AXSM-4-2488-
XG

スロット 1~6、11~16:
APS コネクタ組み込み

AXSM-16-155-
XG

スロット 1~6、9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

スロット 1~6、11~16:
MGX-APS-CON-8950

MPSM-T3E3-155

スロット 3~6、10~13:
MGX-8830-APS-CON

スロット 1~6、9~14、17~22、25~30:
MGX-8850-APS-CON

PXM1E-4-155

スロット 1 および 2:
MGX-8830-APS-CON

スロット 7 および 86
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON7

PXM1E-8-155

スロット 1 および 2:
MGX-8830-APS-CON

スロット 7 および 8:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON2

PXM1E-
COMBO

スロット 1 および 2:
APS コネクタ組み込み

スロット 7 および 8:
APS コネクタ組み込み

SRME

スロット 7 および 14:
MGX-8850-APS-CON

スロット 15、16、31、32:
MGX-8850-APS-CON

スロット 15、16、31、32:
MGX-8850-APS-CON

SRME/B8

スロット 7 および 14:
MGX-8850-APS-CON

スロット 15、16、31、32:
MGX-8850-APS-CON

スロット 15、16、31、32:
MGX-8850-APS-CON

VXSM-4-155

スロット 1~6、9~14:

スロット 1、2、5、および 6:
APS コネクタ組み込み

スロット 3 および 4:
カード間 APS 不可

スロット 9~14:
MGX-8850-APS-CON
MGX-APS-CON

6.Cisco MGX 8850(PXM1E)スイッチでは、APS ミニバックプレーンを使用しないで PXM1E-4-155 のカード間 APS をサポートできます。ただし、将来、PXM1E-8-155 にアップグレードすることを考えて、PXM1E-4-155 カードに APS ミニバックプレーンを取り付けることをお勧めします。

7.MGX-APS-CON コネクタは、PXM1E とともに使用することはできません。代わりに、MGX-8850-APS-CON コネクタを使用してください。

8.APS コネクタは、MGX-SMFIR-1-155 および MGX-STM1-EL-1 バック カードのみでサポートされています。

バルク分散の計画

バルク分散は、SRM カードを使用して、選択したサービス モジュールからの T1 や E1 トラフィックを多重化し、それらのトラフィックを SRM カードに接続されたより高速のカードに転送する機能です。SRM カードは、多重化されたトラフィックを受信すると、個々のサービス モジュールに分散します。バルク分散の基本機能は、多数の T1 や E1 回線の代わりに、少数の T3 や OC-3 回線をスイッチで使用できるようにすることです。次の利点は、SRME および SRME/B カードを使用して、バルク分散を使用しない場合には回線の冗長構成を行えないカードに、回線の冗長構成を提供できることです。

バルク分散を計画する場合には、次のガイドラインを考慮してください。

バルク分散は、T1 と E1 サービス モジュールとともに動作します。バルク分散をサポートするサービス モジュールについては、 表 4-1 を参照してください。

サービス モジュールでバルク分散を使用するように設定すると、このサービスはサービス モジュール上のすべての回線に適用され、バック カードが不要になります。

スタンドアロン SRM は、この章で前述した「スタンドアロン カード構成のガイドライン」のガイドラインに従って取り付ける必要があります。

冗長構成の SRM は、この章で前述した「1:1 カード冗長構成のガイドライン」のガイドラインに従って取り付ける必要があります。

バルク分散を使用するスタンドアロンのサービス モジュールは、この章で前述した「スタンドアロン カード構成のガイドライン」のガイドラインに従って取り付ける必要があります。

バルク分散を使用する冗長構成のサービス モジュールは、この章で前述した「1:N カード冗長構成のガイドライン(RPM を除く)」のガイドラインに従って取り付ける必要があります。

スタンドアロンまたは冗長構成の SRM-3T3/C 設定は、最大 80 本の T1 チャネルをサポートします(各チャネルはサービス モジュールの T1 ポートを 1 つサポート)。これらのチャネルは、ベイごとに最大 10 のカード スロット間に分散することができます。

スタンドアロンまたは冗長構成の SRME/B 設定(BNC-3T3-M バック カード使用)は、最大 84 本の T1 チャネルをサポートします(各チャネルはサービス モジュールの T1 ポートを 1 つサポート)。これらのチャネルは、ベイごとに最大 11 のカード スロット間に分散することができます。

E1 チャネルの最大数は 63本 です(各チャネルはサービス モジュールの E1 ポートを 1 つサポート)。これらのチャネルは、ベイごとに最大 8 のカード スロット間に分散することができます。

スタンドアロンまたは冗長構成の SRME または SRME/B SONET/SDH 設定は、ベイあたり最大 84 本の T1 チャネルか、63 本の E1 チャネルをサポートできます。これらのチャネルはベイ内の 12 のカード スロットのすべてに分散することができます。

高度なソフトウェア機能の計画

ATM の逆多重化(IMA)設定:MGX 8830、MGX 8850(PXM45)、および MGX 8850(PXM1E)

PXM1E-16-T1E1 と AXSM-32-T1E1-E カードは、 Inverse Multiplexing over ATM (IMA; ATM の逆多重化)による単一の高速論理 ATM ポートをサポートします。IMA は複数の T1 回線または E1 回線をグループ化して、単一の高速 ATM ポートを形成します。


) PXM1E-16-T1E1 カードは MGX 8830 および MGX 8850(PXM45)スイッチで使用し、AXSM-32-T1E1-E カードは MGX 8850 (PXM45)スイッチで使用します。

この機能は MGX 8950 には適用されません。


IMA の利点は、スイッチに T3/E3 回線がなくても、広帯域をサポートできることです。T1 IMA は最大 16本(1.544 MBps)のリンクを、E1 IMA は最大 16 本(2.048 MBps)のリンクを、それぞれサポートします。

次に、IMA の特性の一部を示します。

ATM フォーラム 1.0 および 1.1 に準拠

1 つの IMA グループ内では、T1 回線間で最大 200 ミリ秒、E1 回線間では最大 250 ミリ秒の遅延差に対応

IMA が無効な場合には、個々の T1/E1 インターフェイスを、回線の最大速度で動作する単一ポートとして利用できる

IMA が有効な場合には、 n x T1 グループで T1 ポート n 個、 n x E1 グループで E1 ポート n 個をサポート

有効な場合には、サポートされる任意の構成の IMA ポートをカードに複数設定できる(特定の T1 または E1 回線は、同時に 1 つの T1/E1 または IMA ポートだけで使用可能)。

T1/E1 回線に障害が発生すると、IMA ポートが自動的に調整されて、残りの回線で運用が続行されます。IMA グループ内の T1/E1 リンクの最小値を設定して、個々の T1/E1 リンクで障害が発生しても、リンク数がその最小値を下回らない限り、IMA グループの運用は続行するようにできます。


) スイッチに IMA を設定するために必要なただ 1 つのハードウェアの条件は、グループ内の回線がすべて 2 台のスイッチで 2 枚の同じカード間に配線されていることです。回線の配線後、IMA の設定はすべてソフトウェアで行います。


ここで説明した IMA またはその他の構成をソフトウェアで設定するには、『 Cisco MGX 8850 (PXM1E/PXM45), Cisco MGX 8950, Cisco MGX 8830, and Cisco MGX 8880 Configuration Guide, Release 5 』を参照してください。リリース 5 より前の MGX スイッチを設定する場合は、 表 1-7 を参照して、使用する設定ガイドを調べてください。また、MGX のマニュアルをオンラインで探す方法については、 「関連マニュアル」(P. xxxiii) を参照してください。