Cisco IGX 8400 シリーズ プロビジョニング ガイド (Release 9.3.3 以降)
Cisco IGX 8400 シリーズの ATM サー ビス
Cisco IGX 8400 シリーズの ATM サービス
発行日;2012/02/03 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

Cisco IGX 8400 シリーズの ATM サービス

ATM サービスの機能の概要

ATM トラフィック クラス

サービス クラス テンプレート

Qbin

IGX でサポートされる ATM 接続

UXM-E 接続

IGX での ATM サービスのプロビジョニング

帯域幅の計算と管理

ATM 接続の設定

ATM サービスに関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

関連情報

Cisco IGX 8400 シリーズの ATM サービス

この章では、少なくとも 1 つの IGX ノードを持つネットワークで ATM サービスをプロビジョニングおよび管理する方法について説明します。異なるタイプのノード(BPX など)がネットワークにある場合、これらのノードで ATM サービスのプロビジョニングを行う方法については、該当製品のマニュアルを参照してください。

BPX については、マニュアル『 Cisco BPX 8600 Series Installation and Configuration 』の第 1 章「 The BPX Switch: Functional Overview 」を参照してください。

ATM サービスの機能の概要

IGX では次の ATM サービス機能がサポートされています。

ローカル管理インターフェイス プロトコルの LMI、ELMI、および ILMI のサポート

標準ベースの ATM 逆多重化(IMA:「IGX の IMA」を参照)

トラフィック クラスとサービス クラス (CoS) テンプレート(サービス クラス テンプレート (SCT):「ATM トラフィック クラス」を参照)

CoS バッファの個別設定(Qbin:「Qbin」を参照)

VSI で使用する Qbin テンプレート(VSI:「Qbin テンプレート」を参照)

ATM トラフィック クラス

IGX では、ATM の標準サービス クラス(CoS)要件を満たす、次の標準 ATM トラフィック クラスがサポートされています。

Constant Bit Rate(CBR; 固定ビット レート)。正確なクロック同期と誤りのない配信が必要な接続に使用されます(圧縮されていない音声接続や、ストリーミング ビデオ サーバへの接続など)。CBR 接続では、バースト性データは扱いません。

Variable Bit Rate(VBR; 可変ビット レート)。Real Time(RT; リアルタイム)と Nonreal Time(NRT; 非リアルタイム)の 2 つのクラスに分類されます。VBR(RT)は、発信元と送信先の間で固定タイミング関係が必要な接続に使用されます。VBR(NRT)は、固定タイミング関係は必要でないが、保証された QoS が必要な接続に使用されます。トラフィックのバーストは、設定された範囲内で可能です。

Available Bit Rate(ABR; 使用可能ビット レート)は、発信元と送信先の間でタイミング関係が必要でない接続に使用されます。ABR では、ベストエフォート型のサービスを行いますが、セル紛失率やセル伝送遅延に対する最小値を保証しません。ABR は、主にルータ トラフィックなどの LAN-WAN サービスで使用されます。

Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)。接続で任意の量(指定した最大値まで)のデータを送信できますが、セル紛失率またやセル伝送遅延に対する最小値を保証しません。

サービス クラス テンプレート


) Service Class Template(SCT; サービス クラス テンプレート)は、主に仮想回線(VC)で使用され、IGX を、Label Swich Controller(LSC; ラベル スイッチ コントローラ)の VSI マスターと連携動作するように設定する場合に使用する必要があります。


SCT を使用すると、標準接続プロトコルのパラメータ セットを、異なるハードウェア プラットフォームにマップすることができます。たとえば、BPX と IGX の SCT は異なりますが、BPX と IGX は完全な QoS を実現する等価の CoS をやり取りすることができます。

IGX では、NPM に SCT のセットが保存されます。UXM または UXM-E を初めて設定するときに、適切な SCT がカードにダウンロードされます。 また後に、カードに新しいインターフェイスを設定すると、新しいインターフェイスにとって適切な SCT がカードにダウンロードされます。

各 SCT には、次の情報が保持されます。

接続の確立に必要なパラメータ。UPC アクション、さまざまな帯域幅関連の項目、VC ごとのしきい値(VC 用)などのエントリがあります。

QoS をサポートするための CoS バッファ(Qbin)を設定するために必要なパラメータ

各 SCT には、関連する Qbin マッピング テーブルがあります。Qbin テーブルでは、セルを一時的に格納し、利用可能な帯域幅と CoS の優先度に基づいてそれらのセルをインターフェイスに送出することで、帯域幅を管理します。


) インターフェイスを設定すると、デフォルト SCT であるテンプレート 1 が自動的に Virtual Interface(VI; 仮想インターフェイス)に割り当てられます。


VSI に割り当てられる SCT は 9 つあります。図 8-1 に、SCT の詳細を示します。


注意 SCT は稼働中のインターフェイスに割り当てなおすことができます。この場合、UXM または UXM-E とコントローラの間の再同期化処理が行われます。ただし、Cisco MPLS VSI コントローラでは、稼働中のインターフェイスに SCT を割り当てなおすと、カードのすべての接続がコントローラと再同期化されるので、サービスに影響を与えることがあります。

図 8-1 サービス テンプレートの概要

 

Qbin

Qbin は、セルを格納し、利用可能な帯域幅と CoS の優先度に基づいてそれらのセルをインターフェイスに送出します(図 8-2 を参照)。たとえば、CBR セルと ABR セルがスイッチの同じインターフェイスから送出される必要がある場合で、そのインターフェイスがすでに他のソースからの CBR セルを送信している場合は、新しく着信した CBR セルと ABR セルは、そのインターフェイスに関係付けられた Qbin に保持されます。インターフェイスがアクセス可能になると、Qbin は送信のために CBR セルをインターフェイスに送ります。CBR セルの送信が終わると、ABR セルがインターフェイスに渡されて、送信先に送信されます。

図 8-2 UXM の仮想インターフェイスと Qbin

 

Qbin は、VSI マスターが別のコントローラ(ラベル スイッチ コントローラ:LSC)上で動作している、VSI である VI で使用されます。VSI マスターが VSI を処理するためには、各仮想回線(VC、FR ネットワークで使用する場合は仮想チャネルと呼ぶ)が、32 ビットのサービス タイプ識別子で指定したサービス クラスを受け取る必要があります。IGX では、次のサービス タイプの識別子がサポートされています。

ATM Forum

MPLS スイッチング

VSI スレーブは、LSC の VSI マスターから接続確立要求を受け取ると、このサービス タイプ識別子を使用して、SCT データベース内の対応する接続の拡張パラメータ設定を指し示します。次に、VSI スレーブはこの拡張パラメータ設定を使用して、接続を確立し、継続中の接続の維持と完了のために必要な設定を行います。

通常、VSI マスターは VSI スレーブに、サービス タイプ識別子(ATM Forum または MPLS)、QoS パラメータ(CLR または CDV など)、および帯域幅パラメータ(PCR または MCR)を送信します。

Qbin テンプレート

Qbin テンプレートには、インターフェイスに関連する Qbin のデフォルト設定が定義されています。SCT をインターフェイスに割り当てると、スイッチ ソフトウェアにより、Qbin テンプレートから Qbin 設定がコピーされ、そのインターフェイスに関係するすべての Qbin に適用されます。

Qbin テンプレートは、VSI パーティションに利用可能な Qbin だけに適用されます。つまり、Qbin テンプレートは、Qbin 10 ~ 15 だけに適用されます。 Qbin 0 ~ 9 は、Automatic Routing Management(ARM; 自動ルーティング管理)によって予約されており、ARM 用に設定されます。

インターフェイスに関連する Qbin のパラメータのいくつかは、各インターフェイスごとに再設定できます。この変更は、インターフェイスに関連する Qbin には影響しますが、NPM に保存されている Qbin テンプレートには影響しません。

図 8-3 に、SCT と Qbin テンプレート間の関係を示します。

図 8-3 サービス テンプレートと関連する Qbin の選択

 

IGX でサポートされる ATM 接続

IGX でサポートされている ATM 接続を 表 8-1 に示します。

 

表 8-1 IGX でサポートされる ATM 接続

シャーシ
接続エンドポイント
シャーシ
接続エンドポイント

IGX

UXM、UXM-E

IGX

UXM

IGX

UXM、UXM-E

IGX

UXM-E

IGX

UXM、UXM-E

BPX

BXM

IGX

UXM、UXM-E

BPX

ASI

IGX

UXM、UXM-E

MGX

AUSM

IGX

UXM、UXM-E

IGX

URM

UXM-E 接続

UXM-E は、NNI または UNI として稼働しているインターフェイスに対して、最大 8000 までの仮想回線(VC)接続または仮想パス(VP)接続をサポートします。接続は、ATM 接続またはゲートウェイ接続です。


) UXM-E は、最大 4000 のゲートウェイ接続をサポートします。


UXM-E は、Virtual Source/Virtual Destination(VS/VD;仮想発信元/仮想送信先)あり/なしの標準 ABRと、ForeSight 使用 ABR(ABRFST)の両方をサポートします。

ゲートウェイ接続では、UXM-E が、FastPacket と ATM セル間の変換を行い、ATMとフレームリレー間のService or Network Interworking(SIW; サービス インターワーキングまたは NIW ;ネットワーク インターワーキング)を提供する必要があります。

フレームリレー サービス、またはサービス インターワーキングとネットワーク インターワーキングの詳細については、第 9 章「 Cisco IGX 8400 シリーズのフレームリレー サービス 」を参照してください。

表 8-2 に、UXM-E でサポートされる接続の詳細を示します。

 

表 8-2 ATM エンドポイントと接続タイプ

エンドポイント
サポートされている接続タイプ

UXM-E および UXM-E

VP および VC 接続:CBR.1、VBR.1-3、UBR.1-2、ABRFST、ABR.1(VS/VD あり)、ABR.1(VS/VD なし)

UXM-E および BXM

VP および VC 接続:CBR.1、VBR.1-3、UBR.1-2、ABRFST、ABR.1(VS/VD あり)、ABR.1(VS/VD なし)

UXM-E および ASI-T3(ASI-E3)

VP および VC 接続:CBR.1、VBR.1-3、UBR.1-2、ABRFST、ABR.1(VS/VD なし)

UXM-E および ASI-OC3

VP および VC 接続:CBR.1、VBR.1-3、UBR.1-2、ABRFST、ABR.1(VS/VD なし)

UXM-E および AUSM

VP および VC 接続:CBR.1、VBR.1-3、UBR.1-2、ABRFST、ABR.1(VS/VD なし)

UXM-E および UFM

ATM フレーム転送接続(単一 VPI/VCI への HDLC フレーム):VBR.3、ABRFST

ATM-FR NIW 接続:VBR.3、ABRFST

ATM-FR SIW 接続:VBR.3、ABRFST

UXM-E および FRM

ATM フレーム転送接続(単一 VPI/VCI への HDLC フレーム):VBR.3、ABRFST

ATM-FR NIW 接続:VBR.3、ABRFST

UXM-E および FRSM

ATM フレーム転送接続(単一 VPI/VCI への HDLC フレーム):VBR.3、ABRFST

ATM-FR NIW 接続:VBR.3、ABRFST

ATM-FR SIW 接続:VBR.3、ABRFST

ATM-FUNI 接続:VBR.3、ABRFST

UXM または UXM-E の詳細については、「ユニバーサル スイッチング モジュール」を参照してください。カードの制限についての詳細は、『 Cisco IGX 8400 Series Installation Guide 』の付録 A「 General IGX 8410 Switch Specifications 」を参照してください。

IGX での ATM サービスのプロビジョニング

ここでは、IGX ノードで ATM サービスのプロビジョニングを行う方法について説明します。ここでの説明は、UXM カード セットと UXM-E カード セットに適用されます。これらのカードの詳細については、「IGX 8400 シリーズのカード」「ユニバーサル スイッチング モジュール」を参照してください。

ATM サービスのプロビジョニングを行う前に、ノードの基本設定およびトランクの設定を行い、ノードに少なくとも1 本の ATM 回線を設定する必要があります。

ATM サービスのプロビジョニングを行うには、次の作業を行います。

1. 帯域幅を最適化する接続を計画します(「帯域幅の計算と管理」を参照)。

2. 接続のトラフィック クラス (CoS) を決定します(「ATM 接続の設定」を参照)。

3. ローカル ノードでポートをアクティブにして設定します。

4. (オプション)ローカル管理インターフェイス(LMI、ELMI、または ILMI)を指定します。

5. (オプション)各トラフィック クラスの CoS キューを設定します。

6. (LSC および LER を利用するネットワーク トポロジの場合)VI と VSI を設定します。

7. (LSC および LER を利用するネットワーク トポロジの場合)VI と VSI に SCT を適用します。

8. (LSC および LER を利用するネットワーク トポロジの場合)必要に応じて Qbin を再設定します。

9. 回線に接続を設定します。

帯域幅の計算と管理

ポートの合計帯域幅は回線特性によって決まります(『 Cisco IGX 8400 Series Installation Guide 』の IGX 8400 シリーズのカードおよび付録 A「 General IGX 8410 Switch Specifications 」を参照してください)。しかし、この合計帯域幅を使用して、さまざまな機能をサポートできます。また、他のポートと多重化して、大きなスループットを提供することもできます(「IGX の IMA」を参照)。


ヒント ATM ネットワークで帯域幅の計算および管理を行う場合は、ネットワークに実装されるすべての機能に必要な帯域幅要件を考慮します。オーバサブスクリプションにならないようにしてください。


Connection Admission Control(CAC; 接続アドミッション制御)を使用すると、ポートに設定されたすべての接続の合計帯域幅がポートのキャパシティまでに制限されます。

ネットワーク トラフィックの最適化の詳細については、「帯域幅の割り当ての計画」を参照してください。

ATM 接続の設定

ATM 接続を設定する前に、ATM 接続に使用するノード、トランク、および回線の設定が必要です。ノードの設定については、 Cisco IGX 8400 シリーズのノードを参照してください。トランクの設定については、 Cisco IGX 8400 シリーズのトランクを参照してください。回線の設定については、 Cisco IGX 8400 シリーズの回線を参照してください。

ATM 接続を設定する手順は次のとおりです。


ステップ 1 スイッチ ソフトウェアの dsplns コマンドを使用して、回線がアクティブになっていることを確認します。

ステップ 2 スイッチ ソフトウェアの upport コマンドを使用して、ATM ポートをアクティブにします。


ヒント URM では、スイッチ ソフトウェアの addport コマンドを使用して、組み込み UXM-E と組み込みルータの間にある内部 ATM ポートをアクティブにする必要があります。URM に固有の設定手順の詳細については、「URM の設定」を参照してください。


ステップ 3 スイッチ ソフトウェアの cnfport コマンドを使用して、ATM ポートの特性を設定します。

ステップ 4 スイッチ ソフトウェアの dspportq コマンドを使用して、4 つのすべての出力キュー(CBR、NRT-VBR、RT-VBR、ABR)についてキュー項目数とキューしきい値を表示します。

ステップ 5 (オプション)スイッチ ソフトウェアの cnfportq コマンドを使用して、ポート キュー パラメータを設定します。

ステップ 6 スイッチ ソフトウェアの vt コマンドを使用して、接続のリモート エンドにあるノードにログインします。

ステップ 7 リモート ノードで、ステップ 1 ~ 5 を繰り返します。

ステップ 8 スイッチ ソフトウェアの dspcls コマンドで、利用可能な接続クラスを表示します。適切な接続クラスがすでに設定されている場合は、ステップ 9 addcon コマンドで使用するために、その番号を記録します。


ワンポイント・アドバイス 接続クラスは、複数の ATM 接続を設定するためのテンプレートとして使用します。適当な接続クラスが設定されていない場合は、cnfcls コマンドを使用して、設定する接続に最も似ている接続クラスを修正して利用します。


ステップ 9 スイッチ ソフトウェアの addcon コマンドを使用して、ポートに目的の接続を追加します。


ヒント 両方のエンドポイントが UXM-E または BXM である接続では、トランク セル ルーティングの制約を有効にするか、無効にするかを尋ねるプロンプトが表示されます。スイッチ ソフトウェアで UXM-E 間の接続をトランク セル ルーティングに制限すると、ATM セルが FastPacket トランクを通過しないようになります。



 

ATM サービスに関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

表 8-3 のスイッチ ソフトウェア コマンドの詳細については、次のソースを参照してください。

addad cpytrkict コマンド:『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 3 章「Alphabetical List of Commands addad through cpytrkict」

dchst window コマンド:『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 4 章「Alphabetical List of Commands dchst through window」

 

表 8-3 ATM 接続に関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

コマンド
説明

addcon

指定の接続を追加します。

addport

指定の ATM ポートを追加します。

clrchstats

チャネル統計情報をクリアします。

cnfatmcls

ATM クラス テンプレートを設定します。


) ATM クラス テンプレートは、VSI の設定で使用する SCT とは異なります。


cnfcls

クラス テンプレートを設定します。

cnfcon

指定の接続を設定します。

cnfport

指定のポートを設定します。

cnfportq

ARM ポート キューを設定します。

delcon

指定の接続を削除します。

delport

指定の ATM ポートを削除します。

dnport

指定のポートを非アクティブ(ダウン)にします。

dspatmcls

指定したポートの ATM クラスを表示します。

dspchstats

チャネル統計情報を表示します。

dspcls

クラス テンプレートを表示します。

dspcon

指定した接続の情報を表示します。

dspconcnf

指定した接続の接続設定情報を表示します。

dspcons

回線の接続をすべて表示します。

dsplmistats

LMI 統計情報を表示します。

dspport

ポート情報を表示します。

dspportq

指定したポートの ARM ポート Qbin 情報を表示します。

dspports

ノードに設定されたポートをすべて表示します。

dspportstats

ポートの統計情報を表示します。

upport

指定のポートをアクティブ(アップ)にします。

関連情報

IGX のフレームリレー サービスについては、第 9 章 Cisco IGX 8400 シリーズのフレームリレー サービスを参照してください。

設置と基本的な設定方法については、『 Cisco IGX 8400 Series Installation Guide 』の第 1 章「 Cisco IGX 8400 Series Product Overview 」を参照してください。

スイッチ ソフトウェア コマンドの詳細については、『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 1 章「 Command Line Fundamentals 」を参照してください。