Cisco IGX 8400 シリーズ プロビジョニング ガイド (Release 9.3.3 以降)
Cisco IGX 8400 シリーズの音声サー ビス
Cisco IGX 8400 シリーズの音声サービス
発行日;2012/02/03 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

Cisco IGX 8400 シリーズの音声サービス

音声サービスの機能の概要

シグナリング

交換

IGX でサポートされる音声接続

UVM のシグナリング

UVM の D チャネル圧縮機能

CVM のシグナリング

URM のシグナリング

アイドル コード抑制

チャネルのパススルー

時分割多重トランスポート

音声サービスのプロビジョニング

音声接続の設定

音声サービスに関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

関連情報

Cisco IGX 8400 シリーズの音声サービス

音声サービスの機能の概要

IGX では、次の音声サービス モジュールを取り付けて設定すると、音声接続がサポートされます。

ユニバーサル音声モジュール(UVM:「ユニバーサル音声モジュール」を参照)

チャネル化音声モジュール(CVM:「チャネル化音声モジュール」を参照)

ユニバーサル ルータ モジュール(URM:「ユニバーサル ルータ モジュール」を参照)

シグナリング

シグナリングにより、電話機やその他の機器は、ネットワーク装置および送信先装置と通信して、呼の確立、切断、およびその他の必要な機能を行うことができます。

シグナリング方法は、次のように、監視、アドレッシング、または警告のいずれかに分類されます。これらのすべてのシグナリング方法がないと発呼できません。

監視シグナリングでは、ループかトランクかの状態変化を検出し、検出すると呼を接続するために回線(ループ)を閉じるなどの事前に定義された応答を生成します。

アドレッシング シグナリングでは、ダイヤルされた番号を Private Branch Exchange (PBX; 構内交換機)、central office (CO; セントラル オフィス)、またはその他の交換機に渡します。番号を渡された装置は、発呼側と着呼側の間のパスを確立します。

警告シグナリングでは、ダイヤル トーン、呼び出し音、ダイヤルしている番号、通話中音、およびオフフック通知などの可聴音をユーザに提供します。

シグナリングは、インバンド(データ パスと同じ回線で転送される)の場合と、アウトバンド(別の回線で転送される)の場合があります(現在は後者が一般的です)。

交換

交換では、発呼側(装置)を着呼側(装置)に接続します。交換機は、着信データを調べ、宛先を判断します。次に、スイッチ マトリクスにより送信パスを設定して、着信ポートを適切な発信ポートに接続します。

IGX でサポートされる音声接続

次のトピックの詳細については、示したページを参照してください。

IGX でサポートされている接続については、 表 7-1 を参照してください。

CVM のシグナリングについては、「CVM のシグナリング」を参照してください。

URM のシグナリングについては、「URM のシグナリング」を参照してください。

UVM のシグナリングについては、「UVM のシグナリング」を参照してください。

 

表 7-1 IGX でサポートされる音声接続

発信エンドポイント
着信エンドポイント
接続タイプ

CVM

CVM

音声、データ、音声+データ

 

HDM (IGX)

データ

 

UVM

音声、データ、音声+データ

URM

UFM

VoFR

 

URM

音声+データ(CBR、VBRrt、VBRnt)、VoFR、VoATM、データ(ABR、UBR、FST)

 

UXM

音声+データ(CBR、VBRrt、VBRnt)
データ(ABR、UBR、FST)

UVM

CVM

音声、データ、音声+データ


) CVM は、LDCELP または CSACELP 圧縮を使用した接続を終端できません。


 

HDM (IGX)

データ

 

UVM

音声、データ、音声+データ

UVM のシグナリング

UVM を使用すると、トール品質の音声が実現され、企業またはサービス プロバイダー向けに広域における帯域幅の有効利用を行えます。音声圧縮と無音圧縮によって帯域幅を節約することで、バースト性トラフィックに帯域幅を使用したり、トランクごとの音声チャネル数を増やすことができます。UVM では、チャネル化された T1、E1、または J1 回線をサポートしており、音声、データ、または両タイプのトラフィックを伝送できます。

UVM では、次の任意の種類の音声チャネル シグナリングを設定できます。

ロブド ビット シグナリング(D4 または ESF フレーム形式):T1 回線用

CAS:E1 または J1 回線用

透過 CCS(ISDN および DPNSS):すべての回線用

E&M-DC5A および DC5A-E&M 変換:国際的な用途の場合

UVM は、CAS シグナリングおよび CCS シグナリングの両方をサポートします。ただし、CCS (DPNSS や ISDN シグナリングなど)は、クリア(透過的)チャネル経由でサポートされます。 表 7-2 に、UVM でサポートされるシグナリングを示します。

 

表 7-2 UVM でサポートされるシグナリング

回線タイプ
回線フレーミング
シグナリング方式
シグナリング ビット

T1

D4

CSS

--

T1

ESF

CSS

--

T1

ESF

CAS

ABAB

T1

ESF

CAS

ABCD

T1

D4

CAS

AB

E1 または Y1

--

CAS

ABCD

E1 または Y1

--

CSS

--

UVM は、T1 フレーム、E1 フレーム、または J1 フレームの CAS シグナリング ビットから情報を取り出します。シグナリング ビットの状態が変わると、UVM は接続のもう一端にあるカードにシグナリング パケットを送信します。UVM は AB ビットまたは ABAB ビット(T1 回線の場合)、あるいは ABCD ビット(E1 または Y1 回線の場合)を設定、反転、および消去して、一部の信号変換に対応します。


ヒント シグナリング設定を表示するには、スイッチ ソフトウェアの dsplncnf コマンドを使用します。回線のシグナリングを設定するには、スイッチ ソフトウェアの cnfln コマンドを使用します。



ヒント CCS では(E1 または J1 回線)、チャネル 16 を t タイプ接続または td タイプ接続として設定します。


伝送リンクがダウンすると、シグナリング ビットは、事前に決められた状態に変更され、接続中の呼が破棄され、音声回線への新規アクセスがブロックされます。通常、事前に決められた状態は、「アイドル後にビジー」(接続中の呼をすべて破棄する短期間のアイドル状態に続いて、障害がクリアされるまでビジー状態)ですが、他の条件シーケンスも可能です。


ヒント Voice-Frequency(VF; 音声周波数)シグナリングの条件設定(チャネルのオンフック(アイドル)状態を指定し、接続が失われた場合に CVM または UVM から強制されるシグナリング状態を指定)を行うには、スイッチ ソフトウェアの cnfcond コマンドおよび cnfvchtp コマンドを入力します。cnfvchtp コマンドのオプションとして、画面で音声インターフェイスのタイプを 1 つ選択します。接続が失われると、チャネル音声とシグナリングの条件がただちに適用されます。


UVM の D チャネル圧縮機能

D チャネル圧縮機能では、データ ストリームからアイドル パターンを除去することにより、CCS シグナリング チャネルが消費する帯域幅が削減されます。この機能により、帯域幅を約 75 % まで減少できます。


ヒント D チャネル圧縮を有効にするには、Cisco WAN Manager からシグナリング接続を追加するか、またはスイッチ ソフトウェアの addcon コマンドを使用して、接続タイプに「td」を指定します。UVM での最大 td 接続数は 32 です。


CVM のシグナリング

CVM は、E1 フレーム、T1 フレーム、または J1 フレームのシグナリング ビットから情報を取り出します。シグナリング ビットの状態が変わると、CVM または UVM は接続のもう一端の CVM に向けてシグナリング パケットを生成します。

CVM では、次の任意の種類の音声チャネル シグナリングを設定できます。

損失ビット シグナリング(D4 または ESF フレーム形式):T1 回線用

CAS:E1 または J1 回線用

透過 CCS(ISDN および DPNSS):全種類の回線用

E&M-DC5A および DC5A-E&M 変換:国際的な適用の場合

CVM は、CAS シグナリングおよび CCS シグナリングの両方をサポートします。ただし、CCS(DPNSS や ISDN シグナリングなど)は、クリア(透過的)チャネル経由でサポートされます。 表 7-3 に、CVM でサポートされるシグナリングを示します。

 

表 7-3 CVM でサポートされるシグナリング

回線タイプ
回線フレーミング
シグナリング方式
シグナリング ビット

T1

ESF

CAS

ABAB

T1

ESF

CAS

ABCD

T1

D4

CAS

AB

T1

-

CSS

-

E1

-

CAS

ABCD

E1

-

CSS

-


ヒント E1 回線の CCS では、チャネル 16 を t タイプ接続として設定して、シグナリングを伝送します。


CVM は、E1 フレームまたは T1 フレームのシグナリング ビットから CAS シグナリング情報を取り出します。シグナリング ビットの状態が変わると、CVM は接続のもう一端の CVM または UVM に向けてのシグナリング パケットを生成します。テンプレートから、2-W E&M、FXO/FXS、または DPO/DPS などの数多くの音声インターフェイス タイプのいずれか 1 つを選択して、VF シグナリングの条件設定を行うことができます。また、シグナル条件をカスタマイズして指定することもできます。

URM のシグナリング

URM は、VoIP を含む IP サービス類をすべて提供し、シスコの任意の IOS ベース プラットフォームとエンドツーエンドで運用できます。URM は、T1 フレームまたは E1 フレームの CAS シグナリング ビットから情報を取り出します。シグナリング ビットの状態が変わると、URM は接続のもう一端にあるカードにシグナリング パケットを送信します。CCS シグナリング(DPNSS や ISDN シグナリングなど)は、クリア(透過的)チャネル経由でサポートされます。

URM では、次の任意の種類の音声チャネル シグナリングを設定できます。

CAS:電話インターフェイス シグナリング T1 CAS、透過 CAS シグナリング

CCS:Q.Sig T1/E1、Q.921、ISDN PRI(ユーザ側)、CCS-DPNSS、透過(IP および ATM)

アイドル コード抑制

アイドル コード抑制(ICS)は、ビデオ コールのアイドル(オンフック)状態を検出して、アイドル状態の間パケット送信を抑制します(ビデオ コールは n x 64 kbps のデータ接続を使用します)。UVM または CVM は、反復するアイドル コードを検出することでアイドル状況を識別します。IGX スイッチ ソフトウェアは、ICS 機能を動的に有効化、無効化します。


ヒント データ チャネルで ICS を有効にするには、スイッチ ソフトウェアの cnfdch コマンドを使用します。


チャネルのパススルー

チャネルのパススルーを使用すると、ローカルで接続された 2 つの音声カード セットを使用して T1、E1、または J1 回線で最大数のチャネルをサポートできます。

たとえば、G.728(LDCELP)圧縮または G.729(CSACELP)圧縮を使用できるチャネル数は 16 だけです。ただし、1 つの回線で使用できるチャネルの合計数は 16 を超えてもかまいません。 チャネルのパススルーを使用すると、回線上で使用できる 16 を超えるチャネルが第 1 (プライマリ)の音声カード セットから第 2 のカード セットに渡され、処理されます。

チャネルのパススルーは G.729A CSACELP では必要ありません。また、PCM または ADPCM を使用しているチャネルには適用されません。


ヒント 回線でチャネルのパススルーを有効にするには、スイッチ ソフトウェアの cnflnpass コマンドを使用します。


時分割多重トランスポート

Time-division multiplexing (TDM; 時分割多重)トランスポートは、モデル C の CVM カードだけでサポートされます。

TDM トランスポートは、タイムスロットをバンドルして、ネットワークを経由する単一の透過的な接続を形成します。TDM トランスポートでは次の機能がサポートされます。

1 ~ 31 のタイムスロットをバンドルして、64 ~ 1984 KBps の速度を実現

8/8 ライン コーディング

フレーム内のタイムスロット アラインメントの保持

データ チャネルのバンドルだけをサポート

音声サービスのプロビジョニング

ここでは、IGX ノードで音声サービスのプロビジョニングを行う方法について説明します。ここでの説明は、UVM カードと CVM カードに適用されます。URM カードを使用して音声サービスのプロビジョニングを行う方法については、ご使用の Cisco IOS リリースをサポートしている Cisco IOS マニュアルを参照してください(「ユーザ マニュアルへのアクセス方法」も参照してください)。

UVM、CVM、および URM カード セットの詳細については、「ユニバーサル音声モジュール」「チャネル化音声モジュール」、および「ユニバーサル ルータ モジュール」を参照してください。

音声サービスのプロビジョニングを行う場合は、次の作業を行います。

1. 回線を設定して有効にします(「IGX の回線設定」を参照)。

2. (オプション、UVM のみ)チャネルのパススルーを設定します(「チャネルのパススルー」を参照)。音声接続のためのチャネル パラメータを設定します(「音声接続の設定」を参照)。

3. 回線に音声接続を追加します。

a. 表 7-4 に示すスイッチ ソフトウェア コマンドを使用して、音声チャネル パラメータを設定します。

音声接続の設定

音声接続を設定する前に、音声接続に使用するノード、トランク、および回線の設定が必要です。ノードの設定については Cisco IGX 8400 シリーズのノードを、トランクの設定については Cisco IGX 8400 シリーズのトランクを、回線の設定については Cisco IGX 8400 シリーズの回線を、それぞれ参照してください。

音声接続を設定する手順は次のとおりです。


ステップ 1 スイッチ ソフトウェアの addcon コマンドを使用して、回線に音声接続を追加します。

ステップ 2 スイッチ ソフトウェアの cnfchdl コマンドを使用して、チャネルのダイヤル タイプを設定します。

ステップ 3 スイッチ ソフトウェアの cnfchec コマンドを使用して、チャネルのエコー キャンセラを設定します。

ステップ 4 スイッチ ソフトウェアの cnfchgn コマンドを使用して、音声チャネルに挿入される利得量を設定します。

ステップ 5 (オプション)スイッチ ソフトウェアの cnfcond コマンドおよび cnfvchtp コマンドを使用して、条件設定テンプレートおよび音声インターフェイス タイプを作成または取り込んで、チャネルが使用するシグナリング タイプを設定します。

ステップ 6 (オプション)スイッチ ソフトウェアの cnfrcvsig コマンドおよび cnfxmtsig コマンドを使用して、音声チャネルの送受信シグナリングを設定します。

ステップ 7 (オプション)スイッチ ソフトウェアの cnfchutl コマンドでチャネルの利用率を設定します。


 

音声サービスに関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

表 7-4 のスイッチ ソフトウェア コマンドの詳細については、次のソースを参照してください。

addad cpytrkict コマンド:『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 3 章「Alphabetical List of Commands addad through cpytrkict」

dchst window コマンド:『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 4 章「Alphabetical List of Commands dchst through window」

 

表 7-4 音声サービスに関連するスイッチ ソフトウェア コマンド

コマンド
説明

cnflnpass

(LDCELP または G.729 準拠の CSACELP を使用した UVM に適用)UVM にチャネルのパススルーを設定します。

cnfchdl

チャネルのダイヤル タイプを設定します。オプションは、inband、pulse、および user-configured です。

cnfchec

チャネルのエコー キャンセラを設定します。一定の範囲の音声チャネルのエコー キャンセラを有効化または無効化し、その他のエコー キャンセラの機能を設定します。

cnfchgn

音声チャネルに挿入される利得量を設定します。

cnfchutl

チャネルの利用率を設定します。

cnfcond

チャネルの条件設定テンプレートを設定します。

cnfln

回線を設定します。

cnfrcvsig

チャネルの受信シグナリングを設定します。

cnfuvmchparm

(UVM のみ)チャネル パラメータを設定します。

cnfvchparm

音声チャネルのパラメータを設定します。

cnfvchtp

チャネルの音声インターフェイス タイプを設定します。

cnfxmtsig

チャネルの送信シグナリングを設定します。

dspchan

音声チャネルを定義しているデータ構造を表示します。

dsplncnf、dspln

現在の回線設定を表示します。

dspsig

ローカル ノードが音声チャネルから受信した現在のシグナリング状態を表示します。

dsputl

回線のすべての音声接続について利用率情報を表示します。

dnln

回線を非アクティブ(ダウン)にします。

upln

回線をアクティブ(アップ)にします。

関連情報

IGX の ATM サービスについては、第8 章 Cisco IGX 8400 シリーズの ATM サービスを参照してください。

設置と基本的な設定方法については、『 Cisco IGX 8400 Series Installation Guide 』の第 1 章の「 Cisco IGX 8400 Series Product Overview 」を参照してください。

スイッチ ソフトウェア コマンドの詳細については、『 Cisco WAN Switching Command Reference 』の第 1 章「 Command Line Fundamentals 」を参照してください。