IP マルチキャスト コンフィギュレーション ガイド、 Cisco IOS Release 15.1S
PIM デンス モード ステート リフレッシュ
PIM デンス モード ステート リフレッシュ
発行日;2012/02/02 | 英語版ドキュメント(2011/04/17 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

PIM デンス モード ステート リフレッシュ

機能概要

利点

制約事項

関連機能およびテクノロジー

サポートされているプラットフォーム

サポートされている規格、MIB、および RFC

前提条件

設定作業

PIM デンス モード ステート リフレッシュの設定

PIM DM ステート リフレッシュのモニタリングと維持

設定例

コマンド リファレンス

PIM デンス モード ステート リフレッシュ

この機能モジュールでは、PIM バージョン 2 マルチキャスト ルーティング アーキテクチャのデンス動作モードが拡張された、Protocol Independent Multicast(PIM)Dense Mode(DM; デンス モード)ステート リフレッシュ機能について説明します。この機能モジュールでは、次の内容について説明します。

「機能概要」

「サポートされているプラットフォーム」

「サポートされている規格、MIB、および RFC」

「前提条件」

「設定作業」

「PIM DM ステート リフレッシュのモニタリングと維持」

「設定例」

「コマンド リファレンス」

機能概要

PIM デンス モードは、フラッディング/プルーニング原則で動作するソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築します。ソースからのマルチキャスト パケットは、PIM デンス モード ネットワークのすべてのエリアにフラッディングされます。マルチキャスト グループ メンバまたは PIM ネイバーに直接接続されていない PIM ルータは、マルチキャスト パケットを受信すると、ソース ベースの配信ツリーをバックアップするプルーニング メッセージをパケットのソースに向けて送信します。その結果、以降のマルチキャスト パケットは、配信ツリーのプルーニングされたブランチにフラッディングしません。ところが、PIM デンス モードでのプルーニングされたステートは、およそ 3 分間ごとにタイムアウトし、PIM デンス モード ネットワーク全体が、マルチキャスト パケットとプルーニング メッセージで再フラッディングされます。PIM デンス モード ネットワークでのこの再フラッディングによる不要なトラフィックは、帯域幅を消費します。

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能は、定期的に制御メッセージをソース ベースの配信ツリーの下流へと転送することにより、PIM デンス モードのプルーニングされたステートをタイムアウトしないように維持します。制御メッセージは、配信ツリー内の各ルータの発信インターフェイス上のプルーニング ステートをリフレッシュします。

利点

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能は、PIM デンス モードでのプルーニングされたステートをタイムアウトしないようにします。これは、PIM デンス モード ネットワークのプルーニングされたブランチへの不要なマルチキャスト トラフィックの再フラッディングを大幅に低減することにより、ネットワーク帯域幅を節約します。この機能は、PIM デンス モード マルチキャスト ネットワーク内の PIM ルータが、トポロジの変更(ソースのマルチキャスト グループへの参加と脱退)をデフォルトの 3 分のステート リフレッシュ タイムアウト期間が経過する前に認識することも可能にします。

制約事項

PIM デンス モード ネットワーク内のすべてのルータが、ステート リフレッシュ制御メッセージの処理と転送のために、PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能をサポートしている Cisco IOS ソフトウェア リリース(Cisco IOS Release 12.1(5)T など)を実行していなければなりません。

ステート リフレッシュ制御メッセージの発生間隔は、同一 LAN 上のすべての PIM ルータで同じでなければなりません。特に、LAN に直接接続されている各ルータ インターフェイスで同じ発生間隔が設定されていなければなりません。

関連機能およびテクノロジー

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能は、PIM バージョン 2 マルチキャスト ルーティング アーキテクチャの拡張で、リリース 12.1 の『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide』 および『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference 』に記載されています。

サポートされているプラットフォーム

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能は、次のプラットフォームでサポートされています。

Cisco 800 シリーズ

Cisco 1400 シリーズ

Cisco 1600 シリーズ

Cisco 1700 シリーズ

Cisco 2500 シリーズ

Cisco 2600 シリーズ

Cisco 3600 シリーズ

Cisco 4000 シリーズ(Cisco 4000、4000-M、4500、4500-M、4700、4700-M)

Cisco 7000 シリーズ

Cisco 7200 シリーズ

Cisco 7500 シリーズ

Cisco AS5800 アクセス サーバ

Cisco AS5400 シリーズ

Cisco AS5300 シリーズ

Cisco AS5200 シリーズ

Cisco MC3810 シリーズ

Cisco MGX8850 WAN エッジ スイッチ

Cisco uBR7200 シリーズ

サポートされている規格、MIB、および RFC

規格

この機能によってサポートされる新しい規格や変更された規格はありません。

MIB

この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。

プラットフォームと Cisco IOS リリースによってサポートされる MIB のリストを入手するには、および MIB モジュールをダウンロードするには、Cisco Connection Online(CCO)にある Cisco MIB Web サイト(http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml)にアクセスしてください。

RFC

この機能によってサポートされる新しい RFC や変更された RFC はありません。

前提条件

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能を設定するには、その前にインターフェイス上で PIM デンス モードをイネーブルにしておく必要があります。

設定作業

PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能をイネーブルにするための設定作業はありません。デフォルトでは、PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースを実行するすべての PIM ルータが、ステート リフレッシュ制御メッセージを自動的に処理し、転送します。PIM ルータ上でのステート リフレッシュ制御メッセージの処理と転送をディセーブルにするには、 ip pim state-refresh disable グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

ステート リフレッシュ制御メッセージの発生は、デフォルトではディセーブルになっています。PIM ルータ上の制御メッセージの発生を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで始めて、次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

Router(config)# interface type number

インターフェイスを指定して、ルータをインターフェイス コンフィギュレーション モードにします。

Router(config-if)# ip pim state-refresh origination-interval [ interval ]

PIM デンス モード ステート リフレッシュ制御メッセージの発生を設定します。オプションで、 interval 引数を使用することにより、制御メッセージ間の秒数を設定できます。デフォルトの間隔は、60 秒です。インターバルの範囲は、4 ~ 100 秒です。

PIM デンス モード ステート リフレッシュの設定

show ip pim interface [ type number ] detail および show ip pim neighbor [ interface ] コマンドを使用して、PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能が正常に設定されていることを確認します。 show ip pim interface [ type number ] detail コマンドによる次の出力は、ステート リフレッシュ制御メッセージの処理、転送、および発生がイネーブルになっていることを示します。

Router# show ip pim interface fastethernet 0/1 detail
 
FastEthernet0/1 is up, line protocol is up
Internet address is 172.16.8.1/24
Multicast switching:process
Multicast packets in/out:0/0
Multicast boundary:not set
Multicast TTL threshold:0
PIM:enabled
PIM version:2, mode:dense
PIM DR:172.16.8.1 (this system)
PIM neighbor count:0
PIM Hello/Query interval:30 seconds
PIM State-Refresh processing:enabled
PIM State-Refresh origination:enabled, interval:60 seconds
PIM NBMA mode:disabled
PIM ATM multipoint signalling:disabled
PIM domain border:disabled
Multicast Tagswitching:disabled
 

次の show ip pim neighbor [ interface ] コマンド出力の Mode フィールドに表示されている S は、ネイバーの PIM デンス モード ステート リフレッシュ機能が設定されていることを示します。

Router# show ip pim neighbor
 
PIM Neighbor Table
Neighbor Interface Uptime/Expires Ver DR
Address Priority/Mode
172.16.5.1 Ethernet1/1 00:09:03/00:01:41 v2 1 / B S

PIM DM ステート リフレッシュのモニタリングと維持

次に示すのは、マルチキャスト グループ 239.0.0.1 に debug ip pim 特権 EXEC コマンドを設定した後に、PIM ルータによって送受信された PIM デンス モード ステート リフレッシュ制御メッセージです。

Router# debug ip pim 239.0.0.1
 
*Mar 1 00:25:10.416:PIM:Originating refresh message for
(172.16.8.3,239.0.0.1)
*Mar 1 00:25:10.416:PIM:Send SR on Ethernet1/1 for (172.16.8.3,239.0.0.1)
TTL=9
 

show ip mroute コマンドが表示する次の出力は、インターフェイス イーサネット 1/0 およびマルチキャスト グループ 239.0.0.1 に得られたプルーニング タイマーの変更です(次の出力は、ルータ上で debug ip pim 特権 EXEC コマンドがすでに設定されていることを前提としています)。 show ip mroute コマンドからの最初の出力では、プルーニング タイマーは 00:02:06 になっています。デバッグ メッセージは、PIM デンス モード ステート リフレッシュ制御メッセージがイーサネット インターフェイス 1/0 上で送受信されていることと、その他の PIM デンス モード ステート リフレッシュ ルータが発見されたことを示しています。 show ip mroute コマンドからの 2 つ目の出力では、プルーニング タイマーが 00:02:55 にリセットされています。

Router# show ip mroute 239.0.0.1
 
(172.16.8.3, 239.0.0.1), 00:09:50/00:02:06, flags:PT
Incoming interface:Ethernet1/1, RPF nbr 172.16.5.2
Outgoing interface list:
Ethernet1/0, Prune/Dense, 00:09:43/00:02:06
 
Router#
*Mar 1 00:32:06.657:PIM:SR on iif from 172.16.5.2 orig 172.16.8.1 for
(172.16.8.3,239.0.0.1)
*Mar 1 00:32:06.661: flags:prune-indicator
*Mar 1 00:32:06.661:PIM:Cached metric is [0/0]
*Mar 1 00:32:06.661:PIM:Keep RPF nbr 172.16.5.2
*Mar 1 00:32:06.661:PIM:Send SR on Ethernet1/0 for (172.16.8.3,239.0.0.1)
TTL=8
*Mar 1 00:32:06.661: flags:prune-indicator
 
Router# show ip mroute 239.0.0.1
 
(172.16.8.3, 239.0.0.1), 00:10:01/00:02:55, flags:PT
Incoming interface:Ethernet1/1, RPF nbr 172.16.5.2
Outgoing interface list:
Ethernet1/0, Prune/Dense, 00:09:55/00:02:55

設定例

次の例は、ファスト イーサネット インターフェイス 0/1 上で 60 秒ごとに PIM デンス モード ステート リフレッシュ制御メッセージを発生、処理、および転送する PIM ルータです。

 
ip multicast-routing
 
interface FastEthernet0/1
ip address 172.16.8.1 255.255.255.0
ip pim state-refresh origination-interval 60
ip pim dense-mode
 

次の例は、ファスト イーサネット インターフェイス 1/1 上で PIM デンス モード ステート リフレッシュ制御メッセージの処理と転送だけを行う PIM ルータです。

ip multicast-routing
 
interface FastEthernet1/1
ip address 172.16.7.3 255.255.255.0
ip pim dense-mode

コマンド リファレンス

次のコマンドは、このモジュールで説明した機能で導入または修正されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS IP Multicast Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipmulti/command/reference/imc_book.html )を参照してください。 Cisco IOS の全コマンドを参照する場合は、 http://tools.cisco.com/Support/CLILookup にある Command Lookup Tool を使用するか、または『 Cisco IOS Master Commands List 』を参照してください。

ip pim state-refresh disable

ip pim state-refresh origination-interval

show ip pim interface