IP マルチキャスト コンフィギュレーション ガイド、 Cisco IOS Release 15.1S
ECMP 上のロード スプリット IP マルチキャ スト トラフィック
ECMP 上のロード スプリット IP マルチキャスト トラフィック
発行日;2012/02/02 | 英語版ドキュメント(2011/04/17 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 8MB) | フィードバック

目次

ECMP 上のロード スプリット IP マルチキャスト トラフィック

機能情報の入手方法

この章の構成

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの前提条件

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの情報

ロード スプリットとロード バランシング

複数の等価コスト パスが存在する場合の IP マルチキャストのデフォルト動作

IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの方法

ECMP マルチキャスト ロード スプリットの概要

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての予測性

ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての局在化

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

RPF パス選択のための PIM ネイバー クエリーおよびハロー メッセージへの ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

PIM-DM および Bidir-PIM での DF 選定でのアサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

PIM-SM および PIM-SSM での PIM アサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

ユニキャスト ルーティングが変わった場合の ECMP マルチキャスト ロード スプリットと再コンバージェンス

ECMP マルチキャスト ロード スプリットでの BGP の使用

スタティック mroute での ECMP マルチキャスト ロード スプリットの使用

IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの別の方法

ECMP を介して IP マルチキャスト トラフィックをロード スプリットする方法

ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ECMP マルチキャスト ロード スプリット

前提条件

制約事項

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの設定例

例:S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

例:基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

例:ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

その他の参考資料

関連資料

規格

MIB

RFC

シスコのテクニカル サポート

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの機能情報

ECMP 上のロード スプリット IP マルチキャスト トラフィック

このモジュールでは、Equal Cost Multipath(ECMP; 等価コスト マルチパス)を介した IP マルチキャスト トラフィックをロード スプリットする方法を説明します。異なるソースからのマルチキャスト トラフィックや異なるソースとグループからのマルチキャスト トラフィックは、ネットワークでのマルチ パスの利点を活かすために、複数の等価コスト パスにロード スプリットされます。

機能情報の入手方法

ご使用のソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報および警告については、ご使用のプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能に関する情報を検索したり、各機能がサポートされているリリースに関するリストを参照したりするには、「ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの機能情報」を参照してください。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよび Cisco ソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの前提条件

このモジュールは、次の前提条件が満たされることを想定しています。

IP Multicast Technology Overview 』モジュールの概念を理解している。

ネットワークに IP マルチキャストが設定されている。『 Configuring Basic IP Multicast 』モジュールを参照してください。

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの情報

「ロード スプリットとロード バランシング」

「複数の等価コスト パスが存在する場合の IP マルチキャストのデフォルト動作」

「IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの方法」

「ECMP マルチキャスト ロード スプリットの概要」

「RPF パス選択のための PIM ネイバー クエリーおよびハロー メッセージへの ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響」

「PIM-DM および Bidir-PIM での DF 選定でのアサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響」

「PIM-SM および PIM-SSM での PIM アサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響」

「ユニキャスト ルーティングが変わった場合の ECMP マルチキャスト ロード スプリットと再コンバージェンス」

「ECMP マルチキャスト ロード スプリットでの BGP の使用」

「スタティック mroute での ECMP マルチキャスト ロード スプリットの使用」

「IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの別の方法」

ロード スプリットとロード バランシング

ロード スプリットとロード バランシングは、同じではありません。ロード スプリットは、(*, G) および (S, G) トラフィック ストリームを複数の等価コスト Reverse Path Forwarding(RPF; リバース パス転送)パスにランダムに分散させる手段を提供します。これは、必ずしもそれらの等価コスト RPF パスにマルチキャスト トラフィックがロード バランシングされた状態になるとは限りません。IP マルチキャストのロード スプリットに使用される方法は、(*, G) および (S, G) トラフィック ストリームをランダムに分散させることによって、フローをカウントしてではなく、むしろ疑似乱数判定を作成して、使用可能な各 RPF パスに等価な量のトラフィック フローを分散させようとします。これらの方法は、総称して ECMP マルチキャスト ロード スプリット法と呼ばれます。したがって、ECMP マルチキャスト ロード スプリット法は、ほぼ同量の帯域幅を使用する多くのトラフィック ストリームがあるネットワークでのロード シェアリングを向上させます。

一連の等価コスト リンクにわたってわずか 2、3 の (S, G) または (*, G) ステート フローしかない場合は、それらの良好なバランスが得られる可能性は非常に低くなります。この制限を克服するために、事前に計算されたソース アドレス((S, G) ステートの場合)または Rendezvous Point(RP; ランデブー ポイント)アドレス((*, G) ステートの場合)を使用して、妥当な形のロード バランシングを達成できます。この制限は、Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)におけるフローごとのロード スプリットや、EtherChannel にも同等に当てはまります。わずか 2、3 のフローしかない場合は、ロード スプリットのこれらの方法は、何らかの手動でのエンジニアリングなしには良好な負荷分散にはなりません。

複数の等価コスト パスが存在する場合の IP マルチキャストのデフォルト動作

デフォルトでは、Protocol Independent Multicast Sparse Mode(PIM-SM; Protocol Independent Multicast スパース モード)、Source Specific Multicast(PIM-SSM)、Bidirectional PIM(Bidir-PIM; 双方向 PIM)、および PIM Dense Mode(PIM-DM; PIM デンス モード)グループについては、複数の等価コスト パスが使用可能な場合、Reverse Path Forwarding(RPF; リバース パス転送)for IPv4 マルチキャスト トラフィックは、最も大きい IP アドレスを持つ PIM ネイバーに基づきます。この方法は、 最高 PIM ネイバー動作 と呼ばれます。この動作は、RFC 2362 for PIM-SM に従ったものですが、PIM-SSM、PIM-DM、および Bidir-PIM にも適用されます。

複数の等価 コスト パスが存在する場合の IP マルチキャストのデフォルト動作を説明するためにここで使用するサンプル トポロジを図 1 に示します。

図 1 複数の等価コスト パスが存在する場合の IP マルチキャストのデフォルト動作

 

図 1 では、2 つのソース、S1 と S2 が、IPv4 マルチキャスト グループ、G1 と G2 にトラフィックを送信しています。PIM-SM、PIM-SSM、PIM-DM のいずれかが、このトポロジに使用できます。PIM-SM を使用する場合は、ルータ 2 では ip pim spt-threshold コマンドにデフォルトの 0 が使用され、Interior Gateway Protocol(IGP; 内部ゲートウェイ プロトコル)が実行されており、S1 および S2 の show ip route コマンドの出力は(ルータ 2 で入力された場合)、ルータ 1 上のシリアル インターフェイス 0 とシリアル インターフェイス 1 をルータ 2 上の等価コスト ネクスト ホップ PIM ネイバーとして表示するものとします。

さらに設定しなければ、図 1 に示したトポロジでの IPv4 マルチキャスト トラフィックは、常に 1 つのシリアル インターフェイス(シリアル インターフェイス 0 またはシリアル インターフェイス 1)を流れます。どちらのインターフェイスが使用されるかは、どちらの IP アドレスが大きいかによって決まります。たとえば、ルータ 1 上のシリアル インターフェイス 0 とシリアル インターフェイス 1 で設定されている IP アドレスが、それぞれ 10.1.1.1 と 10.1.2.1 であるものとします。このシナリオが与えられているとして、PIM-SM と PIM-SSM の場合、ルータ 2 は、図 1 に示されるすべてのソースおよびグループについて、常に PIM 加入メッセージを 10.1.2.1 に送信し、常にシリアル インターフェイス 1 上で IPv4 マルチキャスト トラフィックを受信します。PIM-DM の場合は、ルータ 2 は、常に IP マルチキャスト トラフィックをシリアル インターフェイス 1 上で受信し、その場合にだけ、PIM 加入メッセージが PIM-DM で使用されず、代わりにルータ 2 はシリアル インターフェイス 0 を通る IP マルチキャスト トラフィックをプルーニングし、それをシリアル インターフェイス 1 を通じて受信します。これは、ルータ 1 上ではシリアル インターフェイス 1 が最も大きい IP アドレスを持つためです。

IPv4 RPF ルックアップが中継マルチキャスト ルータによって実行され、IPv4 (*,G) および (S, G) マルチキャスト ルート(ツリー)のための RPF インターフェイスと RPF ネイバーが決定されます。RPF ルックアップは、RPF ルート選択とルート パス選択によって構成されます。RPF ルート選択は、IP ユニキャスト アドレスに対してだけ動作し、マルチキャスト ツリーのルートを識別します。(*, G) ルート(PIM-SM および Bidir-PIM)の場合は、マルチキャスト ツリーのルートはグループ G の RP アドレスになり、(S, G) ツリー(PIM-SM、PIM-SSM、および PIM-DM)の場合は、マルチキャスト ツリーのルートはソース S になります。RPF ルート選択は、Routing Information Base(RIB; ルーティング情報ベース)内で、また設定されている(または入手可能な)場合には Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP)ルーティング テーブル、Multiprotocol Border Gateway Protocol(MBGP; マルチプロトコル ボーダー ゲートウェイ プロトコル)ルーティング テーブル、または設定済みのスタティック mroute 内で、RP またはソースに向けての最良のルートを探し出します。得られたルートが使用可能な 1 つのパスだけだった場合は、RPF ルックアップが完了し、ルータのネクスト ホップ ルータおよびインターフェイスが、このマルチキャスト ツリーの RPF ネイバーと RPF インターフェイスになります。そのルートに使用可能な複数のパスがある場合は、ルート パス選択を使用して、どのパスを選択するかが決定されます。

IP マルチキャストでは、ルート パス選択に次の方法が使用できます。


) IP マルチキャストで使用できる、ルート パス選択のデフォルトの方法以外のすべての方法で、何らかの形での ECMP マルチキャスト ロード スプリットが可能です。


最高 PIM ネイバー:これは、デフォルトの方法です。設定は必要ありません。複数の等価コスト パスが使用できる場合は、RPF for IPv4 マルチキャスト トラフィックは、最も大きい IP アドレスを持つ PIM ネイバーに基づき、その結果、設定しなければ、ECMP マルチキャスト ロード スプリットはデフォルトでディセーブルになります。

ソース アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリット法: ip multicast multipath コマンドを使用して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定できます。この形式の ip multicast multipath コマンドを入力すると、S ハッシュ アルゴリズムを使用したソース アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリットがイネーブルになります。詳細については、「S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット」を参照してください。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットのソースおよびグループ アドレスに基づいた方法: ip multicast multipath コマンドに s-g-hash キーワードと basic キーワードを指定して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定できます。この形式の ip multicast multipath コマンドを入力すると、基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用する、ソースとグループ アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリットがイネーブルになります。詳細については、「基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット」を参照してください。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットのソース、グループ、およびネクスト ホップに基づいた方法: ip multicast multipath コマンドに s-g-hash キーワードと next-hop-based キーワードを指定して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定できます。この形式のコマンドを入力すると、ソース、グループ、およびネクスト ホップ アドレスに基づいた、ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用する ECMP マルチキャスト ロード スプリットがイネーブルになります。詳細については、「ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット」を参照してください。

デフォルト動作(最高 PIM ネイバー動作)は、IP マルチキャストでのどのような形の ECMP ロード スプリットにもならず、使用可能なパスのネクスト ホップ PIM ネイバーの中から最も大きい IP アドレスを持つ PIM ネイバーを選択します。ネクスト ホップは show ip pim neighbor コマンドの出力に表示された場合に PIM ネイバーとみなされます。これは、それからの PIM のハロー メッセージが受信され、タイムアウトしていない場合です。使用可能なネクスト ホップのいずれも PIM ネイバーでない場合は、そのまま最も高い IP アドレスを持つネクスト ホップが選択されます。

IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの方法

一般に、IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットには、次の方法が使用できます。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットは、ソース アドレスに基づいたロード スプリット、ソース アドレスとグループ アドレスに基づいたロード スプリット、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレス に基づいたロード スプリットが可能です。等価パスが認識された後は、ECMP マルチキャスト ロード スプリットは、ユニキャスト トラフィックのようなパケットごとではなく、(S, G) ごとに動作します。

IP マルチキャストをロード キャストする別の方法として、2 つまたは 3 つの等価コスト パスを統合して 1 つの Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)トンネルにし、ユニキャスト ルーティング プロトコルがロード スプリットを実行できるようにする方法や、ファスト EtherChannel インターフェイス、ギガビット EtherChannel インターフェイス、Multilink PPP(MLPPP; マルチリンク PPP)リンク バンドル、マルチリンク フレーム リレー(FR.16)リンク バンドルなどのバンドル インターフェイス内でロード スプリットする方法があります。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットの概要

デフォルトでは、IPv4 マルチキャスト トラフィックの ECMP マルチキャスト ロード スプリットはディセーブルになっています。ECMP マルチキャスト ロード スプリットは、 ip multicast multipath コマンドを使用してイネーブルにできます。

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づくトラフィックの ECMP マルチキャスト ロード スプリットは、 ip multicast multipath コマンドを使用してイネーブルにできます。 ip multicast multipath コマンドを設定すると、各 (*, G) または (S, G) ステートの RPF インターフェイスが、ステートの解決される RPF アドレスに応じて、使用可能な等価コスト パスの中から選択されます。(S, G) ステートの場合は、RPF アドレスはステートのソース アドレス、(*, G) ステートの場合は、RPF アドレスはステートのグループ アドレスに関連付けられている RP のアドレスです。

ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定すると、異なるステートのマルチキャスト トラフィックが、複数の等価コスト インターフェイスを介して受信できるようになります。IPv4 マルチキャストによって適用される方法は、IPv4 CEF でのデフォルトのフローごとのロード スプリットや、ファイルおよびギガビット EtherChannel で使用されるロード スプリットと、原理の面で非常によく似ています。ただし、ECMP マルチキャスト ロード スプリットのこの方法は、局在化する傾向があります。


) ECMP マルチキャスト ロード スプリットと局在化の詳細については、「ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての局在化」を参照してください。


基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにするには、 s-g-hash キーワードと basic キーワードを指定して ip multicast multipath コマンドを使用します。 basic キーワードは、基本 S-G ハッシュ アルゴリズムとして知られる、ソース アドレスとグループ アドレスに基づいた単純なハッシュをイネーブルにします。基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値を出すためにランダム化を一切使用しないため、予測可能です。ただし、S-G ハッシュ アルゴリズムは、特定のソースとグループについて、どのルータ上でそのハッシュが計算されたかに関係なく常に同じハッシュが得られるため、局在化する傾向があります。


) ECMP マルチキャスト ロード スプリットと局在化の詳細については、「ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての局在化」を参照してください。



) 基本 S-G ハッシュ アルゴリズムでは、Bidir-PIM グループは無視されます。


ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての予測性

IPv4 マルチキャストで ECMP マルチキャスト ロード スプリットに使用される方法は、トポロジ内の複数の場所に同数の等価コスト パスが存在するネットワークで、一貫したロード スプリットを可能にします。いったん RP アドレスまたはソース アドレスが N 個のパスにわたってフロー スプリットを持つように計算されたら、それらは、トポロジ内のすべての場所で同じように、その N 個のパスに分割されます。したがって、一貫したロード スプリットが予測を可能にし、ひいては IPv4 マルチキャスト トラフィックのロード スプリットを手動でエンジニアリングすることを可能にします。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットに S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合の副産物としての局在化

IPv4 マルチキャストで、マルチキャスト トラフィックのソース アドレスによるロード スプリットまたはソース アドレスとグループ アドレスによるロード スプリットを行うために使用されるハッシュ メカニズムは、通常、 局在化 と呼ばれる問題を抱えています。ソース アドレス、またはソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットの副産物である局在化は、一部のトポロジでルータがロード スプリットに使用可能なすべてのパスを効果的に使用することを妨げる問題です。

図 2 に、ソース アドレスに基づく、またはソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定した場合の局在化の問題を説明するために、ここで使用するトポロジを示します。

図 2 局在化のトポロジ

 

図 2 に示したトポロジで、ルータ 7 が、ソース S1 ~ S10 に向けて、ルータ 5 とルータ 6 を介して 2 つの等価コスト パスを持つことに注目してください。このトポロジでは、ECMP トポロジ内のすべてのルータで、マルチキャスト ロード スプリットが ip multicast multipath コマンドでイネーブルにされているものとします。このシナリオでは、ルータ 7 は、10 個の (S, G) ステートに等価コスト ロード スプリットを適用します。このシナリオでの局在化の問題は、ルータ 7 に影響します。このルータは、ソース S1 ~ S5 にはルータ 5 上のシリアル インターフェイス 0 を選択し、ソース S6 ~ S10 にはルータ 6 上のシリアル インターフェイス 1 を選択することになるからです。さらに、このトポロジでは、局在化の問題による影響はルータ 5 とルータ 6 にも及びます。ルータ 5 は、ルータ 1 上のシリアル インターフェイス 0 とルータ 2 上のシリアル インターフェイス 1 を通じて、S1 ~ S5 への 2 つの等価コストパスを持ちます。ルータ 5 は、2 つのパスのどちらを使用するかの選択に同じハッシュ アルゴリズムを適用するため、ソース S1 ~ S5 には 2 つのアップストリーム パスのうちの片方だけを使用することになります。つまり、すべてのトラフィックがルータ 1 とルータ 5 を流れるか、 または ルータ 2 とルータ 5 を流れるかのいずれかになります。このトポロジで、ロード スプリットのためにルータ 1 とルータ 5 および ルータ 2 とルータ 5 を使用することは不可能です。同様に、局在化の問題は、ルータ 3 とルータ 6 および ルータ 4 とルータ 6 についても当てはまります。つまり、このトポロジで、ロード スプリットのためにルータ 3 とルータ 6 および ルータ 4 とルータ 6 の両方を使用することは不可能です。

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット

ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにするには、 s-g-hash キーワードと next-hop-based キーワードを指定して ip multicast multipath コマンドを使用します。 next-hop-based キーワードは、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づいた、より複雑なハッシュであるネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムをイネーブルにします。ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値の計算にランダム化を一切使用しないため、予測可能です。S ハッシュ アルゴリズムや基本 S-G ハッシュ アルゴリズムと違って、ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムに使用されるハッシュ メカニズムは、局在化の傾向がありません。


) IPv4 マルチキャストでのネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムは、IPv6 ECMP マルチキャスト ロード スプリットで使用されているのと同じアルゴリズムです。そのため、PIM-SM ブートストラップ ルータ(BSR)で使用されているのと同じハッシュ関数を使用します。


ネクスト ホップ ベースのハッシュ メカニズムは局在化をもたらさず、パスに障害が発生したときにもより優れた RPF 安定性を維持します。これらの利点には、ソース アドレスまたは RP IP アドレスを使用して信頼性を持って予測したり、ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した場合にロード スプリットの成果をエンジニアリングしたりすることができないという代償が伴います。多くの顧客のネットワークは等価コスト マルチパス トポロジが実装されているため、多くの場合、ロード スプリットの手動のエンジニアリングは要件にはなりません。むしろ、IP マルチキャストのデフォルト動作が IP ユニキャストと似ていることの方が要件になります。つまり、IP マルチキャストがベストエフォート型で等価コスト パスを使用することが期待されます。したがって、IPv4 マルチキャストのロード スプリットは、局在化による異常のため、デフォルトではイネーブルにできませんでした。


) Cisco IOS CEF ユニキャスト対応のロード スプリットも、局在化を示さない方法を使うほか、ロード スプリットの結果の予想やロード スプリットの結果の計画には使用できません。


ネクスト ホップ ベースのハッシュ関数は、PIM ネイバーの実際のネクスト ホップ IP アドレスを計算に導入して、ハッシュの結果が各ルータで異なるようにし、結果として局在化の問題をなくすため、局在化を避けることができます。局在化の回避に加えて、このハッシュ メカニズムは、パスに障害が発生した場合の選択される RPF パスの安定性も向上させます。4 つの等価コスト パスを持ち、これらのパス全体にわたってロード スプリットされる大量のステートを持つルータについて考えましょう。これらのパスの 1 つに障害が発生し、残りの 3 つのパスが使用可能な状態になったとします。局在化を発生させるハッシュ メカニズム(S ハッシュおよび基本 S-G ハッシュ アルゴリズムで使用されるハッシュ メカニズム)では、おそらくすべてのステートの RPF パスが再コンバージェンスされ、したがって、これら 3 つのパスの間で、特にすでにこれら 3 つのパスのいずれかを使用していたパスが変更されます。したがって、これらのステートは、その RPF インターフェイスとネクスト ホップ ネイバーが不必要に変更されることになります。この問題が発生するのは、このアルゴリズムでは、選択されるパスが、考慮できるすべてのパスの総数を取ることにより決定されるためです。このため、いったんパスが変わると、すべてのステートの RPF 選択も変更の対象となります。ネクスト ホップ ベースのハッシュ アルゴリズムでは、RPF の変更されたパスを使用していたステートだけが、残る 3 つのパスのいずれかへと再コンバージェンスする必要があります。すでにこれらのパスのいずれかを使用しているステートは、変更されません。4 つ目のパスが再び稼動し始めると、最初はそれを使用していたステートが、ただちに再コンバージェンスしてそのパスに戻ります。他のステートは、一切影響を受けません。


) ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムでは、Bidir-PIM グループは無視されます。


RPF パス選択のための PIM ネイバー クエリーおよびハロー メッセージへの ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

ip multicast multipath コマンドがイネーブルになって おらず 、RP またはソースに向けて複数の等価コスト パスが存在する場合、IPv4 マルチキャストは、まず最も大きい IP アドレスの PIM ネイバーを選択します。PIM ネイバーとは、受信した PIM ハロー(または PIMv1 クエリー)メッセージのソース ルータです。例として、IGP によって学習されたか、または 2 つのスタティック ルートを通じて設定された 2 つの等価コスト パスを持つルータを考えましょう。これら 2 つのパスのネクスト ホップは、10.1.1.1 と 10.1.2.1 です。これらのネクスト ホップ ルータの両方が PIM ハロー メッセージを送信した場合、10.1.2.1 が最も IP アドレスの大きい PIM ネイバーとして選択されます。10.1.1.1 だけが PIM ハロー メッセージを送信した場合は、10.1.1.1 が選択されます。これらのルータのいずれも PIM ハロー メッセージを送信しなかった場合は、10.1.2.1 が選択されます。PIM ハロー メッセージへのこの違いが、スタティック マルチキャスト ルート(mroute)しか持たない特定のタイプのダイナミック フェールオーバー シナリオの構築を可能にします。それ以外では、これはあまり有用ではありません。


) スタティック mroute の設定方法の詳細については、Cisco IOS IP マルチキャスト FTP サイトの「Configuring Multiple Static Mroutes in Cisco IOS」設定ノートを参照してください。この FTP サイトは次の FTP パスからご利用になれます。ftp://ftpeng.cisco.com/ipmulticast/config-notes/static-mroutes.txt


ip multicast multipath コマンドがイネーブルに なっている 場合、ネイバーからの PIM ハロー メッセージの存在は考慮されません。つまり、選択される RPF ネイバーは、そのネイバーからの PIM ハロー メッセージを受信したかどうかに左右されません。選択は、等価コスト ルート エントリの有無にだけ依存します。

PIM-DM および Bidir-PIM での DF 選定でのアサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

ip multicast multipath コマンドが変更するのは、ダウンストリームの RPF 選択だけです。Bidir-PIM での Designated Forwarder(DF; 指定フォワーダ)選定や、PIM-DM でのアップストリーム ルータへのアサート処理には影響しません。

図 3 に、ECMP マルチキャスト ロード スプリットの PIM-DM におけるアサート処理および Bidir-PIM における DF 選定に与える影響を説明するために、ここで使用するトポロジを示します。

図 3 ECMP マルチキャスト ロード スプリットと PIM-DM におけるアサート処理および Bidir-PIM における DF 選定

 

図 3 では、ルータ 2 が S1 と S2 およびルータ 1 上の RP アドレスへの 2 つの等価コスト パスを持っています。両方のパスが、イーサネット インターフェイス 1 を通ります。片方のパスはルータ 3、他方のパスはルータ 4 に向かいます。PIM-SM と PIM-SSM (*, G) および (S, G) RPF 選択の場合は、このトポロジでのルータ 2 の動作と 図 1 に示したトポロジでのルータ 2 の動作に違いはありません。一方、PIM-DM または Bidir-PIM を使用する場合は、違いがあります。

図 3 に示したトポロジで PIM-DM を使用する場合は、ルータ 3 とルータ 4 がイーサネット インターフェイス 1 へのステートのトラフィックのフラッディングを開始させ、トラフィックを転送してトラフィックの重複を回避するために、PIM アサート処理を使用してそれらの中から 1 つのルータを選定します。ルータ 3 とルータ 4 は両方とも同じルート コストを持つため、常にイーサネット インターフェイス 1 上で最も大きい IP アドレスを持つルータがアサート処理で選択されます。この結果、このトポロジで PIM-DM を使用した場合は、トラフィックは、ルート 3 とルート 4 の間でロード スプリット されません

図 3 に示されているトポロジで Bidir-PIM を使用すると、イーサネット インターフェイス 1 上のルータ 2、ルータ 3、およびルータ 4 の間で DF 選定と呼ばれる処理が発生します。DF 選定の処理では、特定の RP を使用する任意のグループについてイーサネット インターフェイス 1 を介してトラフィックを転送するために、そのインターフェイスに設定されている最も大きい IP アドレスを持つルータに基づいて各 RP に 1 つのルータが選定されます。複数の RP が使用されている場合でも(たとえば、G1 に 1 つ、G2 に別の 1 つなど)、それらの RP の DF 選定では、常にイーサネット インターフェイス 1 に設定されている最も大きい IP アドレスを持つルータが選定されます(このトポロジでは、ルータ 3 にもルータ 4 にも)。DF 選定に使用される選定ルールは、実質的には PIM アサート処理に使用される選定ルールと同じで、唯一異なるのは、ネゴシエーションに使用されるプロトコル メカニズムが DF 選定の方が洗練されているという点だけです(より理にかなった結果を返すために)。結果として、このトポロジで Bidir-PIM を使用した場合、イーサネット インターフェイス 1 で常にロード スプリットが発生します。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットが RPF 選択には影響し、Bidir-PIM での PIM-DM または DF 選定のアサート処理には影響 しない のは、アサート処理と DF 選定の両方が、参加するルータ間で一貫性を保つように実装されている必要がある連携処理であるためです。これらを変更すると、何らかの形でのプロトコルの変更が必要になり、それについて、参加しているルータによる合意が必要になります。RPF 選択は、純粋にルータ ローカル ポリシーであるため、各ルータでの個別のプロトコル変更を伴わずにイネーブルにしたりディセーブルにしたりできます。

等価コスト パスが同一 LAN 上でのアップストリーム PIM ネイバーではなく、異なる LAN またはポイントツーポイント リンク上のネイバーであるトポロジでは、PIM-DM と Bidir-PIM には ip multicast multipath コマンドで ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定するのが唯一の効果的な方法です。

PIM-SM および PIM-SSM での PIM アサート処理に対する ECMP マルチキャスト ロード スプリットの影響

PIM-SM を (*, G) または (S, G) 転送で使用していた場合、または PIM-SSM を (S, G) 転送で使用していた場合でも、PIM アサート処理が発生したことが原因で ip multicast multipath コマンドでの ECMP マルチキャスト ロード スプリットが有効でなくなる場合もあります。

PIM-SM および PIM-SSM での ECMP マルチキャスト ロード スプリットの PIM アサート処理への影響を説明するためにここで使用するサンプル トポロジを図 4 に示します。

図 4 PIM-SM および PIM-SSM での ECMP マルチキャスト ロード スプリットと PIM アサート処理

 

図 4 に示すトポロジでは、ルータ 2 とルータ 5 の両方がCisco ルータで、 ip multicast multipath コマンドを使用して ECMP マルチキャスト ロード スプリット用に一貫性を持って設定されており、ロード スプリットが期待どおりに動作し続けるようになっています。つまり、両方のルータがルータ 3 とルータ 4 を等価コスト ネクスト ホップとして持ち、等価コスト パスのリストを同じ方法で(IP アドレスにより)ソートします。各 (S, G) ステートまたは (*, G) ステートに対してマルチパス ハッシュ関数を適用すると、それらは同じ RPF ネイバー(ルータ 3 またはルータ 4 )を選択し、その PIM 加入をこのネイバーに送信するようになります。

ルータ 5 とルータ 2 が ip multicast multipath コマンドで一貫性のないように設定されている場合、またはルータ 5 がサードパーティ製ルータの場合は、ルータ 2 とルータ 5 が、一部の (*, G) ステートまたは (S, G) ステートに対して異なる RPF ネイバーを選択する可能性があります。たとえば、ルータ 2 は、特定の (S, G) ステートに対してルータ 3 を選択し、ルータ 5 は特定の (S, G) ステートに対してルータ 4 を選択したりします。このシナリオでは、ルータ 3 とルータ 4 が両方ともそのステートのトラフィックのイーサネット インターフェイス 1 への転送を開始し、お互いの転送したトラフィックを見て、トラフィックの重複を回避するためにアサート処理を開始します。その結果、その (S, G) ステートについては、イーサネット インターフェイス 1 に最も大きい IP アドレスを持つルータがトラフィックを転送します。ところが、ルータ 2 とルータ 5 は両方ともアサート選定での選択結果を追跡し、このアサートで選択されたルータが自分がその RPF 選択で計算して得たルータと同じでなくても、そのステートのための PIM 加入をこのアサートで選択されたルータに送信します。このため、PIM-SM と PIM-SSM では、ECMP マルチキャスト ロード スプリットの動作が保証されるのは、LAN 上のすべてのダウンストリーム ルータが一貫性を持って設定された Cisco ルータである場合だけです。

ユニキャスト ルーティングが変わった場合の ECMP マルチキャスト ロード スプリットと再コンバージェンス

ユニキャスト ルーティングが変わると、すべての IP マルチキャスト ルーティング ステートが、利用可能なユニキャスト ルーティング情報を元にしてただちに再コンバージェンスされます。特に、1 つのパスが停止した場合、残りのパスがただちに再コンバージェンスされ、そのパスが再び稼動し始めた場合、それ以降は、マルチキャスト転送は、そのパスが停止する前に使用されていた同じ RPF パスに再コンバージェンスされます。再コンバージェンスは、 ip multicast multipath コマンドが設定されていてもいなくても発生します。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットでの BGP の使用

ECMP マルチキャスト ロード スプリットは、BGP を通じて学習した RPF 情報とも、その他のプロトコルから学習した RPF 情報と同じ方法で一緒に動作します。このプロトコルによりインストールされた複数のパスの中から 1 つのパスを選択します。BGP での主な違いは、デフォルトでは単一のパスしかインストールされないことです。たとえば、BGP スピーカーがプレフィクスに 2 つの同一外部 BGP(eBGP)パスを学習した場合、最も小さいルータ ID を持つパスが最良パスとして選択されます。この最良パスが IP ルーティング テーブルにインストールされます。BGP マルチパス サポートがイネーブルになっており、隣接する同一の AS から複数の eBGP パスが学習された場合、単一の最良パスが選ばれるのではなく、複数のパスが IP ルーティング テーブルにインストールされます。デフォルトでは、BGP は IP ルーティング テーブルに 1 つのパスしかインストールしません。

BGP に学習されるプレフィクスに ECMP マルチキャスト ロード スプリットを使用するには、 maximum-paths コマンドを使用して BGP マルチパスをイネーブルにする必要があります。一度設定されると、BGP によりリモート ネクスト ホップ情報がインストールされた場合、その BGP ネクスト ホップに対して(ユニキャストとして)最良のネクスト ホップを検出するため、RPF ルックアップが再帰的に実行されます。たとえば、与えられたプレフィクスに対して単一の BGP パスしかないのに、その BGP ネクスト ホップに到達する IGP パスが 2 つあった場合、マルチキャスト RPF は、この異なる 2 つの IGP パス間で正しくロード スプリットします。


) BGP マルチパスの詳細については、『iBGP Multipath Load Sharing』モジュールおよび『BGP Multipath Load Sharing for Both eBGP and iBGP in an MPLS-VPN』モジュールを参照してください。


スタティック mroute での ECMP マルチキャスト ロード スプリットの使用

特定のソースまたは RP に対して IGP を使用して等価コスト ルートをインストールすることが可能でない場合、 ip route コマンドを使用してスタティック ルートを設定して、ロード スプリットのための等価コスト パスを指定することができます。Cisco IOS ソフトウェアは、プレフィクスに対し 1 つのスタティック mroute という設定をサポートしていないため、等価コスト パスの設定に、( ip mroute コマンドを使用して設定された)スタティック mroute は使用できません。再帰的なルート ルックアップを使用した場合のこの制限にはいくつかの回避策がありますが、その回避策は等価コスト マルチパス ルーティングには適用できません。


) スタティック mroute の設定方法の詳細については、Cisco IOS IP マルチキャスト FTP サイトの「Configuring Multiple Static Mroutes in Cisco IOS」設定ノートを参照してください。この FTP サイトは次の FTP パスからご利用になれます。ftp://ftpeng.cisco.com/ipmulticast/config-notes/static-mroutes.txt


スタティック mroute を等価コスト マルチパスに指定したいだけの場合は、IPv4 マルチキャストでは、 ip mroute コマンドを使用してスタティック mroute を指定できます。ただし、これらのスタティック mroute はマルチキャストにしか適用されません。ユニキャスト ルーティングとマルチキャスト ルーティングの両方に適用される等価コスト マルチパスを指定したい場合は、 ip route コマンドで設定できます。Cisco IOS IPv6 マルチキャストでは、このような制限はありません。つまり、等価コスト マルチパス mroute を、ユニキャスト ルーティングとマルチキャスト ルーティングの一方にしか適用しない、あるいはこの双方に適用するスタティック IPv6 mroute に設定することができます。


) IPv6 スタティック mroute 設定の詳細については、『Implementing IPv6 Multicast』モジュールを参照してください。


IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの別の方法

IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットは、複数のパラレル リンクを単一のトンネルに統合し、マルチキャスト トラフィックがそのトンネルを介してルーティングされるようにすることによっても達成できます。ロード スプリットのこの方法は、ECMP マルチキャスト ロード スプリットよりも設定が複雑で、 ip multicast multipath コマンドを使用して設定します。GRE リンクを使用した等価コスト パスを介したロード スプリットを設定するのが有利である例として、(S, G) ステートまたは (*, G) ステートの合計数が非常に小さく、各ステートによって伝送される帯域幅の変動が大きいため、ソースまたは RP アドレスの手動でのエンジニアリングでさえトラフィックの適切なロード スプリットを保証できない場合が挙げられます。


) ECMP マルチキャスト ロード スプリットの可用性があるため、通常は、パケットごとのロード シェアリングが必要な場合にしかトンネルを使用する必要はありません。


IP マルチキャスト トラフィックは、ファストまたはギガビット EtherChannel インターフェイス、MLPPP リンク バンドル、マルチリンク フレーム リレー(FRF.16)バンドルなどのバンドル インターフェイスを介したロード スプリットにも使用できます。GRE またはその他のタイプのトンネルも、このような形態のレイヤ 2 リンク バンドルを構成できます。このようなレイヤ 2 メカニズムを使用する場合は、ユニキャストとマルチキャストのトラフィックがどのようにロード スプリットされるかを理解しておく必要があります。


) トンネルを介した等価コスト パス間で IP マルチキャスト トラフィックをロード スプリットするには、その前に CEF のパケットごとのロード バランシングを設定しておく必要があります。これをしなければ、GRE パケットにパケットごとのロード バランシングが行われません。CEF のパケットごとのロード バランシングを設定する方法については、『Configuring a Load-Balancing Scheme for CEF Traffic』モジュールを参照してください。


Cisco IOS ソフトウェアにおける MLPPP リンク バンドル、ファストまたはギガビット EtherChannel、およびマルチリンク フレームリレー(FRF.16)バンドルのサポートの詳細については、 シスコのテクニカル サポート サイト でハードウェア プラットフォームに基づいて検索してください。

ECMP を介して IP マルチキャスト トラフィックをロード スプリットする方法

ここでは、次の手順について説明します。

「ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」(必須)

ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

複数の等価コスト パスの間で IP マルチキャスト トラフィックをロード スプリットするには、ソース アドレス、ソース アドレスとグループ アドレス、ソース アドレスとグループ アドレスとネクスト ホップ アドレスのいずれに基づいて EMCP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにするかに応じて、次の手順のいずれかを実行します。

「S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

「基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

「ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

ECMP マルチキャスト ロード スプリット

ソースから 2 つ以上の等価コスト パスが使用できる場合は、ユニキャスト トラフィックはそれらのパスの間でロード スプリットされます。一方、マルチキャスト トラフィックは、デフォルトでは、複数の等価コスト パスの間でロード スプリットすることはありません。一般に、マルチキャスト トラフィックは、RPF ネイバーから下流に流れます。PIM 仕様によると、複数のネイバーが同じメトリックを持つ場合、このネイバーは最も大きい IP アドレスを持っていなければなりません。

ip multicast multipath コマンドでロード スプリットを設定すると、システムは、S ハッシュ アルゴリズムを使用して、ソース アドレスに基づいて、複数の等価コスト パスの間でマルチキャスト トラフィックをロード スプリットします。 ip multicast multipath コマンドを設定していて、複数の等価コスト パスが存在する場合、マルチキャスト トラフィックを伝送するパスは、ソース IP アドレスに基づいて選択されます。異なる複数のソースからのマルチキャスト トラフィックが、異なる複数の等価コスト パスの間でロード スプリットされます。同一ソースから異なる複数のマルチキャスト グループに送信されたマルチキャスト トラフィックについては、複数の等価コスト パスの間でロード スプリットは行われません。


ip multicast multipath コマンドは、トラフィックのロード バランシングではなくロード スプリットを行います。ソースからのトラフィックは、そのトラフィックがその他のソースからのトラフィックよりはるかに多い場合でも、1 つのパスしか使用しません。


ip multicast multipath コマンドが s-g-hash キーワードで設定されており、複数の等価コスト パスが存在する場合、ソース アドレスとグループ アドレス、またはソース アドレスとグループ アドレスとネクスト ホップ アドレスに基づいて、等価コスト パスの間でロード スプリットが発生します。IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットにオプションの s-g-hash キーワードを指定する場合は、次のキーワードのいずれかを指定することによって、等価コスト パスの計算に使用するアルゴリズムを選択しなければなりません。

basic :ソース アドレスとグループ アドレスに基づいた、シンプルなハッシュをイネーブルにします。基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値の計算にランダム化を一切使用しないため、予測可能です。ただし、基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、特定のソースとグループについて、どのルータ上でそのハッシュが計算されたかに関係なく常に同じハッシュが得られるため、局在化する傾向があります。

next-hop-based :ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づいたより複雑なハッシュをイネーブルにします。ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値を出すためにランダム化を一切使用しないため、予測可能です。S ハッシュ アルゴリズムや基本 S-G ハッシュ アルゴリズムと違って、ネクスト ホップ ベースのハッシュ メカニズムは局在化の傾向がありません。

前提条件

複数の着信インターフェイスからのトラフィックの レシーバ になると想定されるルータ上で、 ip multicast multipath コマンドをイネーブルにしておきます。ユニキャストの視点からすると、複数の発信インターフェイスに接続されている 送信 ルータ上でマルチキャストがアクティブになっています。

ソース アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにする場合は、ソースの数が十分(少なくとも 3 つ以上)あることを確認しておきます。ECMP マルチキャスト ロード スプリットは統計的にソース アドレスに基づくため、ソースが 2 つしかない場合、2 つのソースが同じリンクを使用することになる可能性があります。これでは、もちろん、ECMP ロード スプリット機能は無効になります。

Shortest Path Tree(SPT; 最短パス ツリー)フォワーディングで PIM-SM を使用する場合は、すべての (S, G) ステートのフォワーディングに T ビットをセットしておきます。

この作業を実行する前に、ソースに複数のパスがあることを確認しておきます。 ip-address 引数にソースの IP アドレスを指定して show ip route コマンドを使用すれば、そのソースに複数のパスが使用できることを確認でき、RP の IP アドレスを指定すれば、その RP に複数のパスが使用できることを確認できます。 show ip route コマンドの出力に複数のパスが表示されない場合は、 ip multicast multipath コマンドを使用して ECMP マルチキャスト ロード スプリットを設定することはできません。

ECMP マルチキャスト ロード スプリットの設定に先立って、 show ip rpf コマンドを使用して、ソースが IP マルチキャスト マルチパス機能を利用できるかどうかを確認しておくことをベスト プラクティスとして推奨します。

BGP は、デフォルトでは複数の等価コスト パスをインストールしません。 maximum-paths コマンドを使用して(たとえば BGP での)マルチパスを設定してください。詳細については、「ECMP マルチキャスト ロード スプリットでの BGP の使用」を参照してください。

制約事項

ip multicast multipath コマンドは、同一の PIM ネイバー IP アドレスに複数の等価コスト パスを介して到達できるような設定はサポートしていません。この状況は、通常、番号付けされていないインターフェイスを使用している場合に発生します。 ip multicast multipath コマンドを設定する場合は、すべてのインターフェイスに異なる IP アドレスを使用してください。

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ソース アドレスに基づいたマルチキャスト トラフィックの ECMP マルチキャスト ロード スプリット(S ハッシュ アルゴリズムを使用)をイネーブルにして、ネットワーク上にある複数のパスの利点を活かすには、次の作業を実行します。S ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値の計算にランダム化を一切使用しないため、予測可能です。ただし、S ハッシュ アルゴリズムは、特定のソースについて、どのルータ上でそのハッシュが計算されたかに関係なく常に同じハッシュが得られるため、局在化する傾向があります。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. ip multicast multipath

4. 冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

5. end

6. show ip rpf source-address [ group-address ]

7. show ip route ip-address

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip multicast multipath

 

Router(config)# ip multicast multipath

S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにします。

このコマンドは RPF ネイバーが選択される方法を変更するため、ループを回避するために、冗長トポロジ内のすべてのルータに一貫性を持たせて設定しなければなりません。

ルータ上でマルチキャストがアクティブになっています。

ステップ 4

冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

--

ステップ 5

end

 

Router(config)# end

グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show ip rpf source-address [ group-address ]

 

Router# show ip rpf 10.1.1.2

(任意)IP マルチキャスト ルーティングが RPF チェックの実行に使用する情報を表示します。

IP マルチキャスト トラフィックが正常にロード スプリットされるようにするために、このコマンドを使用して RPF 選択を確認します。

ステップ 7

show ip route ip-address

 

Router# show ip route 10.1.1.2

(任意)IP ルーティング テーブルの現在のステータスを表示します。

このコマンドを使用して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットのために、ソースまたは RP までに複数のパスが使用できることを確認します。

ip-address 引数については、ソースまでに複数のパスが使用できることを確認するにはソースの IP アドレスを入力し(最短パス ツリーの場合)、RP までに複数のパスが使用できることを確認するには RP の IP アドレスを入力します(共有ツリーの場合)。

基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ソース アドレスとグループ アドレスに基づいたマルチキャスト トラフィックの ECMP マルチキャスト ロード スプリット(基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用)をイネーブルにして、ネットワーク上にある複数のパスの利点を活かすには、次の作業を実行します。基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値の計算にランダム化を一切しようしないため、予測可能です。ただし、基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、特定のソースとグループについて、どのルータ上でそのハッシュが計算されたかに関係なく常に同じハッシュが得られるため、局在化する傾向があります。

基本 S-G ハッシュ アルゴリズムは、ECMP マルチキャスト ロード スプリットに対して、S ハッシュ アルゴリズムよりも柔軟なサポートを提供します。ロード スプリットに基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用すると、特に、グループに多数のストリームを送信するデバイスや、IPTV サーバや MPEG ビデオ サーバのように多くのチャネルをブロードキャストするデバイスからのマルチキャスト トラフィックを、複数の等価コスト パスの間でより効果的にロード スプリットすることが可能になります。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. ip multicast multipath s-g-hash basic

4. 冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

5. end

6. show ip rpf source-address [ group-address ]

7. show ip route ip-address

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip multicast multipath s-g-hash basic

 

Router(config)# ip multicast multipath s-g-hash basic

基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブルにします。

このコマンドは RPF ネイバーが選択される方法を変更するため、ループを回避するために、冗長トポロジ内のすべてのルータに一貫性を持たせて設定しなければなりません。

ルータ上でマルチキャストがアクティブになっています。

ステップ 4

冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

--

ステップ 5

end

 

Router(config)# end

グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show ip rpf source-address [ group-address ]

 

Router# show ip rpf 10.1.1.2

(任意)IP マルチキャスト ルーティングが RPF チェックの実行に使用する情報を表示します。

IP マルチキャスト トラフィックが正常にロード スプリットされるようにするために、このコマンドを使用して RPF 選択を確認します。

ステップ 7

show ip route ip-address

 

Router# show ip route 10.1.1.2

(任意)IP ルーティング テーブルの現在のステータスを表示します。

このコマンドを使用して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットのために、ソースまたは RP までに複数のパスが使用できることを確認します。

ip-address 引数については、ソースまでに複数のパスが使用できることを確認するにはソースの IP アドレスを入力し(最短パス ツリーの場合)、RP までに複数のパスが使用できることを確認するには RP の IP アドレスを入力します(共有ツリーの場合)。

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づいたマルチキャスト トラフィックの ECMP マルチキャスト ロード スプリット(ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用)をイネーブルにして、ネットワーク上にある複数のパスの利点を活かすには、次の作業を実行します。ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムは、ハッシュ値の計算にランダム化を一切使用しないため、予測可能です。S ハッシュ アルゴリズムや基本 S-G ハッシュ アルゴリズムと違って、ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムに使用されるハッシュ メカニズムは、局在化の傾向がありません。

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムは、ECMP マルチキャスト ロード スプリットに対して、S ハッシュ アルゴリズムよりも柔軟なサポートを提供し、局在化の問題をなくします。ECMP マルチキャスト ロード スプリットにネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用すると、グループに多数のストリームを送信するデバイスや、IPTV サーバや MPEG ビデオ サーバのように多くのチャネルをブロードキャストするデバイスからのマルチキャスト トラフィックを、複数の等価コスト パスの間でより効果的にロード スプリットすることが可能になります。

手順の概要

1. enable

2. configure terminal

3. ip multicast multipath s-g-hash next-hop-based

4. 冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

5. end

6. show ip rpf source-address [ group-address ]

7. show ip route ip-address

手順の詳細

コマンドまたはアクション
目的

ステップ 1

enable

 

Router> enable

特権 EXEC モードをイネーブルにします。

プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。

ステップ 2

configure terminal

 

Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

ip multicast multipath s-g-hash next-hop-based

 

Router(config)# ip multicast multipath s-g-hash next-hop-based

ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをイネーブル化します。

このコマンドは RPF ネイバーが選択される方法を変更するため、ループを回避するために、冗長トポロジ内のすべてのルータに一貫性を持たせて設定しなければなりません。

ルータ上でマルチキャストがアクティブになっています。

ステップ 4

冗長トポロジ内のすべてのルータについて、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。

--

ステップ 5

end

 

Router(config)# end

グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show ip rpf source-address [ group-address ]

 

Router# show ip rpf 10.1.1.2

(任意)IP マルチキャスト ルーティングが RPF チェックの実行に使用する情報を表示します。

IP マルチキャスト トラフィックが正常にロード スプリットされるようにするために、このコマンドを使用して RPF 選択を確認します。

ステップ 7

show ip route ip-address

 

Router# show ip route 10.1.1.2

(任意)IP ルーティング テーブルの現在のステータスを表示します。

このコマンドを使用して、ECMP マルチキャスト ロード スプリットのために、ソースまたは RP までに複数のパスが使用できることを確認します。

ip-address 引数については、ソースまでに複数のパスが使用できることを確認するにはソースの IP アドレスを入力し(最短パス ツリーの場合)、RP までに複数のパスが使用できることを確認するには RP の IP アドレスを入力します(共有ツリーの場合)。

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの設定例

ここでは、次の設定例について説明します。

「例:S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

「例:基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

「例:ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化」

例:S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

次の例は、S ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをルータ上でイネーブルにする方法を示します。

ip multicast multipath

例:基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

次の例は、基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをルータ上でイネーブルにする方法を示します。

ip multicast multipath s-g-hash basic

例:ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットのイネーブル化

次の例は、ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリットをルータ上でイネーブルにする方法を示します。

ip multicast multipath s-g-hash next-hop-based

その他の参考資料

関連資料

関連項目
参照先

IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォルト設定、使用に関する注意事項、および例

『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』

規格

規格
タイトル

この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。

--

MIB

MIB
MIB リンク

この機能がサポートする新しい MIB または変更された MIB はありません。また、この機能で変更された既存 MIB のサポートはありません。

選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェア リリース、および機能セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

シスコのテクニカル サポート

説明
リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。

以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。
・テクニカル サポートを受ける
・ソフトウェアをダウンロードする
・セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける
・ツールおよびリソースへアクセスする
- Product Alert の受信登録
- Field Notice の受信登録
- Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索
・Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する
・トレーニング リソースへアクセスする
・TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する

この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html

ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの機能情報

表 1 に、このモジュールで説明した機能をリストし、特定の設定情報へのリンクを示します。

Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。


表 1 には、一連のソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入されたソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。


 

表 1 ECMP を介した IP マルチキャスト トラフィックのロード スプリットの機能情報

機能名
リリース
機能情報

IP マルチキャスト ロード スプリット:S、G、およびネクスト ホップを使用した ECMP

12.2(33)SRB
15.0(1)M
15.0(1)S

IP マルチキャスト ロード スプリット:S、G、およびネクスト ホップを使用した ECMP 機能は、ソースおよびグループ アドレス、およびソース、グループ、およびネクスト ホップ アドレスに基づいたロード スプリットのサポートを追加することにより、Equal Cost Multipath(ECMP; 等価コスト マルチパス)マルチキャスト ロード スプリットのためのより柔軟なサポートを導入します。この機能により、多数のストリームをグループに送信するデバイスまたは多数のチャネルをブロードキャストするデバイス(Internet Protocol TeleVision(IPTV)サーバや Moving Picture Experts Group(MPEG)ビデオ サーバなど)からのマルチキャスト トラフィックを、等価コスト パスの全域にわたってより効果的にロード スプリットできます。この機能が導入されるまでは、Cisco IOS ソフトウェアはソース アドレスに基づいた ECMP マルチキャスト ロード スプリットだけをサポートしていました。この方法では、単一のソースから複数のグループに送信されたマルチキャスト トラフィックは等価コスト パスの全域にわたってロード スプリットできませんでした。

この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。

「基本 S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレスとグループ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット」

「ネクスト ホップ ベースの S-G ハッシュ アルゴリズムを使用した、ソース アドレス、グループ アドレス、およびネクスト ホップ アドレスに基づく ECMP マルチキャスト ロード スプリット」

ip multicast multipath コマンドが導入または変更されました。