Catalyst 3750 Metro スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
Flex Link および MAC アドレス テーブル 移動更新機能の設定
Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定
発行日;2012/02/04 | 英語版ドキュメント(2011/06/02 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 12MB) | フィードバック

目次

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の概要

Flex Link

VLAN Flex Link ロード バランシングおよびサポート

Flex Link マルチキャスト高速コンバージェンス

他の Flex Link ポートを mrouter ポートとして学習

インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)レポートの生成

IGMP レポートの漏出

MAC アドレス テーブル移動更新

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新の設定

デフォルト設定

設定時の注意事項

Flex Link の設定

Flex Link の VLAN ロード バランシングの設定

MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新のモニタリング

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定

この章では、Flex Link を設定する方法について説明します。Flex Link は、Catalyst 3750 Metro スイッチ上のインターフェイスのペアで、相互バックアップを提供します。また、MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定方法についても説明します。これは、Flex Link 双方向高速コンバージェンス機能とも呼ばれます。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の概要」

「Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新の設定」

「Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新のモニタリング」

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新機能の概要

ここでは、次の情報について説明します。

「Flex Link」

「VLAN Flex Link ロード バランシングおよびサポート」

「Flex Link マルチキャスト高速コンバージェンス」

「MAC アドレス テーブル移動更新」

Flex Link

Flex Link は、レイヤ 2 インターフェイス(スイッチ ポートまたはポート チャネル)のペアで、一方のインターフェイスが他方のインターフェイスのバックアップとして動作するように設定されています。この機能は、Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)の代替ソリューションとして役立ちます。Flex Link があれば、STP をディセーブルにしても基本的なリンクの冗長性は失われません。Flex Link は一般的に、カスタマーがスイッチで STP を稼動させない場合に、サービスプロバイダーまたは企業ネットワークで設定されます。スイッチで STP が稼動している場合、すでに STP がリンクレベルの冗長性またはバックアップ機能を提供しているので、Flex Link を設定する必要はありません。

一方のレイヤ 2 インターフェイスを Flex Link またはバックアップ リンクとして割り当てることで、他方のレイヤ 2 インターフェイス(アクティブ リンク)に Flex Link を設定します。一方のリンクがアップ状態でトラフィックを転送する場合、他方のリンクはスタンバイ モードになって、シャット ダウンした場合にトラフィックを転送する準備をします。特定の時点では、インターフェイスうちの 1 つだけがリンクアップ ステートになってトラフィックを転送します。プライマリ リンクがシャット ダウンした場合、スタンバイ リンクがトラフィックの転送を開始します。アクティブ リンクが再び動作を開始した場合、リンクはスタンバイ モードになって、トラフィックは転送されません。Flex Link インターフェイスでは、STP はディセーブルです。

図 20-1 では、スイッチ A のポート 1 および 2 はアップリンク スイッチ B および C と接続されています。ポートは Flex Link として設定されているので、インターフェイスのうちの 1 つだけがトラフィックを転送し、残りのインターフェイスがスタンバイ モードになります。ポート 1 がアクティブ リンクの場合、ポート 1 とスイッチ B の間でトラフィックの転送を開始します。ポート 2(バックアップ リンク)とスイッチ C の間のリンクは、トラフィックを転送しません。ポート 1 がダウンした場合、ポート 2 がアップ状態になってスイッチ C へのトラフィックの転送を開始します。ポート 1 が再び動作を開始した場合、ポート 1 はスタンバイ モードになってトラフィックは転送しません。ポート 2 はトラフィックを転送し続けます。

また、トラフィックの転送に優先ポートを指定して、プリエンプト メカニズムを設定するように選択できます。たとえば、図 20-1 では、Flex Link ペアをプリエンプト モードで設定することにより、ポート 2 より帯域幅の大きいポート 1 が再び動作を開始したあと、ポート 1 が 60 秒後にトラフィックの転送を開始し、ポート 2 がスタンバイとなります。これは、 switchport backup interface preemption mode bandwidth および switchport backup interface preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力することで実行できます。

図 20-1 Flex Link の設定例

 

プライマリ(転送)リンクがダウンした場合、トラップはネットワーク管理ステーションに通知します。スタンバイ リンクがダウンした場合、トラップはユーザに通知します。

Flex Link はレイヤ 2 ポートおよびポート チャネルだけでサポートされ、VLAN でもレイヤ 3 ポートでもサポートされません。

VLAN Flex Link ロード バランシングおよびサポート

VLAN Flex Link ロード バランシングにより、ユーザは相互に排他的な VLAN のトラフィックを両方のポートで同時に転送するように Flex Link ペアを設定できます。たとえば、Flex Link ポートが 1 ~ 100 の VLAN に対して設定されている場合、最初の 50 の VLAN のトラフィックを 1 つのポートで転送し、残りの VLAN のトラフィックをもう一方のポートで転送できます。どちらかのポートで障害が発生した場合には、もう一方のアクティブ ポートがすべてのトラフィックを転送します。障害が発生したポートが復旧すると、そのポートで優先される VLAN でトラフィックの転送が再開されます。このように、冗長性を提供するのとは別に、この Flex Link ペアはロード バランシングにも使用できます。また、Flex Link VLAN ロード バランシングによってアップリンク スイッチが制約を受けることはありません。

図 20-2 VLAN Flex Link ロード バランシングの設定例

 

Flex Link マルチキャスト高速コンバージェンス

Flex Link マルチキャスト高速コンバージェンスにより、Flex Link で障害が発生したあとのマルチキャスト トラフィックのコンバージェンス時間が短縮されます。この機能は、次のソリューションを組み合わせることにより実装されます。

「他の Flex Link ポートを mrouter ポートとして学習」

「インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)レポートの生成」

「IGMP レポートの漏出」

他の Flex Link ポートを mrouter ポートとして学習

一般的なマルチキャスト ネットワークでは、VLAN ごとにクエリアが存在します。ネットワーク エッジに配置されたスイッチには、クエリーを受信する Flex Link ポートのいずれかがあります。また、Flex Link ポートではいかなる場合も常に転送も実行されています。

クエリーを受信するポートは、スイッチ上で mrouter ポートとして追加されます。mrouter ポートは、スイッチで学習されるすべてのマルチキャスト グループに含まれます。切り替え後は、クエリーはもう一方の Flex Link ポートで受信されます。次に、もう一方の Flex Link ポートが mrouter ポートとして学習されます。切り替え後は、マルチキャスト トラフィックはもう一方の Flex Link ポートを通過するようになります。トラフィックのより高速なコンバージェンスを実現するため、どちらかの Flex Link ポートが mrouter ポートとして学習された場合には常に、両方の Flex Link ポートを mrouter ポートして学習します。どちらの Flex Link ポートも、常にマルチキャスト グループに含まれます。

通常の動作モードでは両方の Flex Link ポートがグループに含まれますが、バックアップ ポート上のすべてのトラフィックはブロックされます。そのためバックアップ ポートが mrouter ポートとして追加されても、通常のマルチキャスト データ フローは影響されません。切り替えが実行されると、バックアップ ポートはブロックされず、トラフィックを通過させます。この場合、アップストリーム マルチキャスト データはバックアップ ポートのブロックが解除されるとすぐに通過します。

インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)レポートの生成

切り替え後、バックアップ リンクがアップ状態になると、ブロックされる Flex Link ポートに接続されるアップストリーム ルータ上のポートはいずれのマルチキャスト グループにも含まれないため、アップストリームの新しいディストリビューション スイッチはマルチキャスト データの転送を開始しません。バックアップ リンクがブロックされているため、マルチキャスト グループに関するレポートはダウンストリーム スイッチにより転送されませんでした。このポートがマルチキャスト グループを学習するまで(ポートがレポートを受信したあとにだけ実行される)、ポート上でのデータ フローはありません。

一般クエリーが受信されると、レポートがホストにより送信され、通常のシナリオでは 60 秒以内に一般クエリーが送信されます。バックアップ リンクが転送を開始すると、マルチキャスト データをより高速にコンバージェンスするために、ダウンストリーム スイッチは一般クエリーを待機せずに、このポート上のすべての学習済みグループのプロキシ レポートを即座に送信します。

IGMP レポートの漏出

マルチキャスト トラフィックのコンバージェンスを最小限の損失で実現するには、Flex Link のアクティブ リンクがダウンする前に冗長データ パスを設定する必要があります。これは、Flex Link のバックアップ リンク上で IGMP レポート パケットだけを漏出することにより実現できます。これらの漏出された IGMP レポート メッセージは、アップストリームの分散ルータにより処理されるため、マルチキャスト データ トラフィックはバックアップ インターフェイスに転送されます。バックアップ インターフェイスのすべての着信トラフィックはアクセス スイッチの入力でドロップされるため、ホストがマルチキャスト トラフィックを重複して受信することはありません。Flex Link のアクティブ リンクで障害が発生すると、アクセス スイッチはバックアップ リンクからのトラフィックの受信を即座に開始します。この方式の唯一の欠点は、分散スイッチ間のリンクの帯域幅および分散スイッチとアクセス スイッチの間のバックアップ リンクの帯域幅を消費してしまうことです。この機能はデフォルトではディセーブルに設定されていて、switchport backup interface interface-id multicast fast-convergence コマンドを使用することにより設定できます。

切り替え時にこの機能がイネーブルに設定されている場合は、スイッチはバックアップ ポート(フォワーディング ポートとなった)上でプロキシ レポートを生成しません。

設定例

次に、Flex Link が GigabitEthernet1/0/11 および GigabitEthernet1/0/12 上で設定されている場合に、もう一方の Flex Link を mrouter ポートとして学習する場合の設定例と show interfaces switchport backup コマンドの出力を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/0/11
Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)# switchport mode trunk
Switch(config-if)# switchport backup interface Gi1/0/12
Switch(config-if)# exit
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/0/12
Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)# switchport mode trunk
Switch(config-if)# end
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
GigabitEthernet1/0/11 GigabitEthernet1/0/12 Active Up/Backup Standby
Preemption Mode : off
Multicast Fast Convergence : Off
Bandwidth : 100000 Kbit (Gi1/0/11), 100000 Kbit (Gi1/0/12)
Mac Address Move Update Vlan : auto
 

次の出力では VLAN 1 および VLAN 401 のクエリアを示します。また、これらのクエリーは GigabitEthernet1/0/11 を介してスイッチに到達します。

Switch# show ip igmp snooping querier
Vlan IP Address IGMP Version Port
-------------------------------------------------------------
1 1.1.1.1 v2 Gi1/0/11
401 41.41.41.1 v2 Gi1/0/11
 

次に、VLAN 1 および VLAN 401 用の show ip igmp snooping mrouter コマンドの出力を示します。

Switch# show ip igmp snooping mrouter
Vlan ports
---- -----
1 Gi1/0/11(dynamic), Gi1/0/12(dynamic)
401 Gi1/0/11(dynamic), Gi1/0/12(dynamic)
 

同様に、両方の Flex Link ポートは学習されたグループに含まれます。この例では、GigabitEthernet2/0/11 は、2 つのマルチキャスト グループに関係する VLAN 1 のレシーバ/ホストです。

Switch# show ip igmp snooping groups
Vlan Group Type Version Port List
-----------------------------------------------------------------------
1 228.1.5.1 igmp v2 Gi1/0/11, Gi1/0/12, Gi2/0/11
1 228.1.5.2 igmp v2 Gi1/0/11, Gi1/0/12, Gi2/0/11
 

ホストが一般クエリーに応答すると、スイッチはすべての mrouter ポート上でこのレポートを転送します。この例では、ホストがグループ 228.1.5.1 のレポートを送信した場合、バックアップ ポート GigabitEthernet1/0/12 はブロックされるため、レポートは GigabitEthernet1/0/11 上だけで転送されます。アクティブ リンクである GigabitEthernet1/0/11 がダウンすると、バックアップ ポートである GigabitEthernet1/0/12 が転送を開始します。

このポートが転送を開始するとすぐに、スイッチはホストの代わりに、グループ 228.1.5.1 および 228.1.5.2 のプロキシ レポートを送信します。アップストリーム ルータはグループを学習し、マルチキャスト データの転送を開始します。これは、Flex Link のデフォルト動作です。ユーザが switchport backup interface gigabitEthernet 1/0/12 multicast fast-convergence コマンドを使用して高速コンバージェンスを設定すると、この動作は変更されます。次に、この機能をオンにする例を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitEthernet 1/0/11
Switch(config-if)# switchport backup interface gigabitEthernet 1/0/12 multicast fast-convergence
Switch(config-if)# exit
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/0/11 GigabitEthernet1/0/12 Active Up/Backup Standby
Preemption Mode : off
Multicast Fast Convergence : On
Bandwidth : 100000 Kbit (Gi1/0/11), 100000 Kbit (Gi1/0/12)
Mac Address Move Update Vlan : auto
 

次の出力では VLAN 1 および VLAN 401 のクエリアを示します。また、これらのクエリーは GigabitEthernet1/0/11 を介してスイッチに到達します。

Switch# show ip igmp snooping querier
Vlan IP Address IGMP Version Port
-------------------------------------------------------------
1 1.1.1.1 v2 Gi1/0/11
401 41.41.41.1 v2 Gi1/0/11
 

次に、VLAN 1 および VLAN 401 用の show ip igmp snooping mrouter コマンドの出力を示します。

Switch# show ip igmp snooping mrouter
Vlan ports
---- -----
1 Gi1/0/11(dynamic), Gi1/0/12(dynamic)
401 Gi1/0/11(dynamic), Gi1/0/12(dynamic)
 

同様に、両方の Flex Link ポートは学習されたグループに含まれます。この例では、GigabitEthernet2/0/11 は、2 つのマルチキャスト グループに関係する VLAN 1 のレシーバ/ホストです。

Switch# show ip igmp snooping groups
Vlan Group Type Version Port List
-----------------------------------------------------------------------
1 228.1.5.1 igmp v2 Gi1/0/11, Gi1/0/12, Gi2/0/11
1 228.1.5.2 igmp v2 Gi1/0/11, Gi1/0/12, Gi2/0/11
 

ホストが一般クエリーに応答した場合は常に、スイッチはすべての mrouter ポート上でこのレポートを転送します。コマンドライン ポートを介してこの機能をオンにした場合、およびスイッチが GigabitEthernet1/0/11 上でレポートを転送した場合、レポートはバックアップ ポート GigabitEthernet1/0/12 にも漏出します。アップストリーム ルータはグループを学習し、GigabitEthernet1/0/12 がブロックされるために入力でドロップされる、マルチキャスト データの転送を開始します。アクティブ リンクである GigabitEthernet1/0/11 がダウンすると、バックアップ ポートである GigabitEthernet1/0/12 が転送を開始します。マルチキャスト データはアップストリーム ルータによりすでに転送されているため、いずれのプロキシ レポートも送信する必要がありません。レポートをバックアップ ポートに漏出することにより冗長マルチキャスト パスが設定され、マルチキャスト トラフィックのコンバージェンスに要する時間が最小化されます。

MAC アドレス テーブル移動更新

MAC アドレス テーブル移動更新機能を使用すると、プライマリ(フォワーディング)リンクがダウンし、スタンバイ リンクがトラフィックの転送を開始するときに、スイッチで双方向の高速コンバージェンスを提供できます。

図 20-3 のスイッチ A はアクセス スイッチで、スイッチ A のポート 1 およびポート 2 は、Flex Link のペアを介してアップリンク スイッチ B および D に接続されています。ポート 1 はトラフィックを転送し、ポート 2 はバックアップ ステートです。PC からサーバへのトラフィック転送は、ポート 1 からポート 3 へ流れます。PC の MAC アドレスはスイッチ C のポート 3 で学習されます。サーバから PC へのトラフィック転送は、ポート 3 からポート 1 へ流れます。

MAC アドレス テーブル移動更新機能が設定されていない状態でポート 1 がダウンすると、ポート 2 がトラフィック転送を開始します。短時間、スイッチ C はポート 3 を使用してサーバから PC へのトラフィックを転送しますが、PC はポート 1 がダウンしているため、そのトラフィックを受信しません。スイッチ C がポート 3 の PC の MAC アドレスを削除してポート 4 で再度学習すると、サーバから PC へのトラフィックを転送できます(ポート 2 を使用します)。

図 20-3 で、MAC アドレス テーブル移動更新機能を設定してスイッチ上でイネーブルにしている場合、ポート 1 がダウンしても、ポート 2 が PC からサーバへトラフィック転送を開始します。スイッチは MAC アドレス テーブル移動更新パケットをポート 2 から送信します。スイッチ C はこのパケットをポート 4 で受信すると、すぐにポート 4 で PC の MAC アドレスを学習するので、コンバージェンスを繰り返す時間を短縮できます。

アクセス スイッチ(スイッチ A)を設定して MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを 送信 できます。また、アップリンク スイッチ B、C、D を設定して MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを 受信 し、処理することもできます。スイッチ C は MAC アドレス テーブル移動更新メッセージをスイッチ A から受信すると、ポート 4 で PC の MAC アドレスを学習します。次に、スイッチ C は PC のフォワーディング テーブルのエントリを含む MAC アドレス テーブルを更新します。

スイッチ A は、MAC アドレス テーブルの更新を待機する必要はありません。スイッチがポート 1 で障害を検出し、新規転送ポートであるポート 2 からのサーバ トラフィックの転送を即座に開始します。この変更は 100 ミリ秒(ms)以内に発生します。PC はスイッチ A に直接接続され、接続ステータスは変更されません。スイッチ A は、MAC アドレス テーブル内の PC エントリを更新する必要はありません。

図 20-3 MAC アドレス テーブル移動更新の例

 

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新の設定

ここでは、次の情報について説明します。

「デフォルト設定」

「設定時の注意事項」

「Flex Link の設定」

「Flex Link の VLAN ロード バランシングの設定」

「MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定」

デフォルト設定

Flex Link は設定されていません。また、バックアップ インターフェイスも定義されていません。

プリエンプト モードはオフです。

プリエンプト遅延は 35 秒です。

Flex Link VLAN ロード バランシングは設定されていません。

MAC アドレス テーブル移動更新機能はスイッチに設定されていません。

設定時の注意事項

Flex Link を設定するときには、次の注意事項に従ってください。

最大 16 個のバックアップ リンクを設定できます。

アクティブ リンクに対して設定可能な Flex Link バックアップ リンクは 1 つだけで、アクティブ インターフェイスとは異なるインターフェイスでなければなりません。

インターフェイスが所属できる Flex Link ペアは 1 つだけです。インターフェイスは、1 つのアクティブ リンクに対してのみバックアップ リンクになれます。アクティブ リンクは別の Flex Link ペアに属することはできません。

いずれのリンクも EtherChannel に属するポートにはなれません。ただし、2 つのポート チャネル(EtherChannel 論理インターフェイス)を Flex Link として設定でき、ポート チャネルと物理インターフェイスを Flex Link として設定でき、ポート チャネルまたは物理インターフェイスをアクティブ リンクにできます。

バックアップ リンクはアクティブ リンクと同じタイプ(ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、またはポート チャネル)にする必要はありません。ただし、スタンバイ リンクがトラフィック転送を開始した場合にループが発生したり動作が変更したりしないように、両方の FLex Link を似たような特性で設定する必要があります。

Flex Link ポートでは、STP はディセーブルです。ポートの VLAN が STP 用に設定されていても、Flex Link ポートは STP に参加しません。STP がイネーブルでない場合、設定したトポロジでループが発生しないようにしてください。

Flex Link 機能で VLAN ロード バランシングを設定するときには、次の注意事項に従ってください。

Flex Link VLAN ロード バランシングでは、バックアップ インターフェイス上で優先 VLAN を選択する必要があります。

同一 Flex Link ペアに対してプリエンプト メカニズムと VLAN ロード バランシングを設定することはできません。

MAC アドレス テーブル移動更新機能を設定するときには、次の注意事項に従ってください。

MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを 送信 する場合、この機能をアクセス スイッチに設定してイネーブルにします。

MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを 受信 する場合、この機能をアップリンク スイッチに設定してイネーブルにします。

Flex Link の設定

Flex Link のペアを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

ステップ 3

switchport backup interface interface-id

物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show interface [ interface-id ] switchport backup

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup config

(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

Flex Link バックアップ インターフェイスをディセーブルにするには、 no switchport backup interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、バックアップ インターフェイスを装備したインターフェイスを設定し、設定を確認する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface fastethernet1/0/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface fastethernet1/0/2
Switch(conf-if)# end
Switch# show interface switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
 
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/0/1 FastEthernet1/0/2 Active Up/Backup Standby
FastEthernet1/0/3 FastEthernet1/0/4 Active Up/Backup Standby
Port-channel1 GigabitEthernet1/0/1 Active Up/Backup Standby
 

Flex Link のペアのプリエンプト方式を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

ステップ 3

switchport backup interface interface-id

物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。

ステップ 4

switchport backup interface interface-id preemption mode [ forced | bandwidth | off ]

Flex Link インターフェイス ペアのプリエンプト メカニズムおよび遅延を設定します。次のプリエンプト モードを設定することができます。

forced :アクティブ インターフェイスが常にバックアップ インターフェイスより先に使用されます。

bandwidth :より大きい帯域幅のインターフェイスが常にアクティブ インターフェイスとして動作します。

off :アクティブ インターフェイスとバックアップ インターフェイスのどちらも優先されません。

ステップ 5

switchport backup interface interface-id preemption delay delay-time

ポートが他のポートより先に使用されるまでの遅延時間を設定します。

(注) 遅延時間の設定は、forced および bandwidth モードでだけ機能します。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show interface [ interface-id ] switchport backup

設定を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup config

(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

プリエンプト方式を削除するには、 no switchport backup interface interface-id preemption mode インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。遅延時間をデフォルトにリセットするには、 no switchport backup interface interface-id preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、バックアップ インターフェイスのペアに対してプリエンプト モードを bandwidth に設定し、設定を確認する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/0/2
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/0/2 preemption mode forced
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/0/2 preemption delay 50
Switch(conf-if)# end
Switch# show interface switchport backup detail
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/0/21 GigabitEthernet1/0/2 Active Down/Backup Down
Interface Pair : Gi1/0/21, Gi1/0/2
Preemption Mode : forced
Preemption Delay : 50 seconds
Bandwidth : 10000 Kbit (Gi1/0/1), 10000 Kbit (Gi1/0/2)
Mac Address Move Update Vlan : auto
 
<output truncated>

Flex Link の VLAN ロード バランシングの設定

Flex Link の VLAN ロード バランシングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

ステップ 3

switchport backup interface interface-id prefer vlan vlan-range

物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定し、インターフェイス上に割り当てられた VLAN を指定します。指定できる VLAN ID 範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show interfaces [ interface-id ] switchport backup

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup config

(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN ロード バランシング機能をディセーブルにするには、 no switchport backup interface interface-id prefer vlan vlan-range インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

この例では、スイッチで VLAN 1 ~ 50、60、100 ~ 120 が設定されています。

Switch(config)# interface fastEthernet 1/0/6
Switch(config-if)# switchport backup interface fastEthernet 1/0/8 prefer vlan 60,100-120
 

インターフェイスが両方ともアップの状態である場合は、ファスト イーサネット ポート 1/0/8 が VLAN 60 および 100 ~ 120 のトラフィックを転送し、ファスト イーサネット ポート 1/0/6 が VLAN 1 ~ 50 のトラフィックを転送します。

Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
 
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet2/0/6 FastEthernet1/0/8 Active Up/Backup Standby
 
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
 

Flex Link インターフェイスがダウンすると(LINK_DOWN)、このインターフェイスで優先される VLAN は Flex Link ペアのピア インターフェイスに移動します。この例では、インターフェイス 1/0/6 がダウンした場合、インターフェイス 1/0/8 が Flex Link ペアのすべての VLAN を引き継ぎます。

Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
 
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet2/0/6 FastEthernet2/0/8 Active Down/Backup Up
 
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
 

Flex Link インターフェイスがアップになると、このインターフェイスで優先される VLAN はピア インターフェイスでブロックされ、アップしたインターフェイスでフォワーディング ステートになります。この例では、インターフェイスのファスト イーサネット ポート 1/0/6 がアップになると、このインターフェイスで優先される VLAN がピア インターフェイスのファスト イーサネット ポート 1/0/8 でブロックされ、ファスト イーサネット ポート 1/0/6 で転送されます。

Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
 
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet2/0/6 FastEthernet2/0/8 Active Up/Backup Standby
 
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
 
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
 
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/0/3 FastEthernet1/0/4 Active Down/Backup Up
 
Vlans Preferred on Active Interface: 1-2,5-4094
Vlans Preferred on Backup Interface: 3-4
Preemption Mode : off
Bandwidth : 10000 Kbit (Fa1/0/3), 100000 Kbit (Fa1/0/4)
Mac Address Move Update Vlan : auto

MAC アドレス テーブル移動更新機能の設定

ここでは、次の情報について説明します。

スイッチを設定して、MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを送信する。

スイッチを設定して、MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信する。

MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを送信するようにアクセス スイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。

ステップ 3

switchport backup interface interface-id

または

switchport backup interface interface-id mmu primary vlan vlan-id

物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。MAC アドレス テーブル移動更新の VLAN は、インターフェイスで一番小さい VLAN ID です。

物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を設定し、MAC アドレス テーブル移動更新の送信に使用される、インターフェイス上の VLAN ID を指定します。

1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。

ステップ 4

end

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

mac address-table move update transmit

アクセス スイッチをイネーブルにして、ネットワーク内の他のスイッチに MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを送信します(プライマリ リンクがダウンし、スイッチがスタンバイ リンクを使用してトラフィックの転送を開始する場合)。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show mac address-table move update

設定を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup config

(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

アクセス スイッチで MAC アドレス テーブル移動更新機能をディセーブルにするには、 no mac address-table move update transmit インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移動更新情報を表示するには、 show mac address-table move update 特権 EXEC コマンドを使用します。

この例は、アクセス スイッチを設定して MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを送信し、設定を確認する方法を示します。

Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface fastethernet1/0/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface fastethernet1/0/2 mmu primary vlan 2
Switch(conf-if)# end
Switch(conf)# mac address-table move update transmit
Switch(conf)# end
Switch# show mac-address-table move update
Switch-ID : 01d0.2bfc.3180
Dst mac-address : 0180.c200.0010
Vlans/Macs supported : 1023/8320
Default/Current settings: Rcv Off/Off, Xmt Off/Off
Max packets per min : Rcv 40, Xmt 60
Rcv packet count : 0
Rcv conforming packet count : 0
Rcv invalid packet count : 0
Rcv packet count this min : 0
Rcv threshold exceed count : 0
Rcv last sequence# this min : 0
Rcv last interface : None
Rcv last src-mac-address : 0000.0000.0000
Rcv last switch-ID : 0000.0000.0000
Xmt packet count : 0
Xmt packet count this min : 0
Xmt threshold exceed count : 0
Xmt pak buf unavail cnt : 0
Xmt last interface : None
 

MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信および処理するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mac address-table move update receive

スイッチをイネーブルにして MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信し、その処理を実行します。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show mac address-table move update

設定を確認します。

ステップ 5

copy running-config startup config

(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

アクセス スイッチで MAC アドレス テーブル移動更新機能をディセーブルにするには、 no mac address-table move update receive コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移動更新情報を表示するには、 show mac address-table move update 特権 EXEC コマンドを使用します。

次に、MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信して、その処理を実行できるようにスイッチを設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(conf)# mac address-table move update receive
Switch(conf)# end

Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新のモニタリング

表 20-1 に、Flex Link 設定および MAC アドレス テーブル移動更新情報を監視する特権 EXEC コマンドを示します。

 

表 20-1 Flex Link および MAC アドレス テーブル移動更新情報のモニタリング コマンド

コマンド
目的

show interface [ interface-id ] switchport backup

1 つのインターフェイスに設定された Flex Link バックアップ インターフェイス、または設定した Flex Link すべてと、アクティブおよびバックアップ インターフェイスそれぞれのステート(アップまたはスタンバイ モード)を表示します。

show mac address-table move update

スイッチに MAC アドレス テーブル移動更新情報を表示します。