Catalyst 3750 Metro スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
HSRP および拡張オブジェクト トラッキング の設定
HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定
発行日;2012/02/04 | 英語版ドキュメント(2011/06/02 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 12MB) | フィードバック

目次

HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定

拡張オブジェクト トラッキングの概要

拡張オブジェクト トラッキング機能の設定

デフォルト設定

インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング

トラッキング リストの設定

ブール論理式を使用したトラッキング リストの設定

ウェイトしきい値を使用したトラッキング リストの設定

パーセンテージしきい値を使用したトラッキング リストの設定

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

他のトラッキング特性の設定

IP SLA オブジェクト トラッキングの設定

スタティック ルーティング サポートの設定

プライマリ インターフェイスの設定

Cisco IP SLA モニタリング エージェントとトラッキング オブジェクトの設定

ルーティング ポリシーとデフォルト ルートの設定

拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング

HSRP および拡張オブジェクト トラッキングの設定

この章では、Catalyst 3750 Metro スイッチに拡張オブジェクト トラッキングを設定する方法について説明します。この機能を使用すると、Hot Standby Routing Protocol(HSRP; ホット スタンバイ ルーティング プロトコル)トラッキング メカニズムが拡張され、インターフェイスのラインプロトコル ステートをトラッキングできるようになります。インターフェイスのラインプロトコル ステートがダウンすると、そのインターフェイスの HSRP プライオリティが低下し、より高いプライオリティを持つ別の HSRP デバイスがアクティブになります。拡張オブジェクト トラッキング機能は HSRP とトラッキング メカニズムを分離し、HSRP 以外のプロセスで使用可能な個別のスタンドアロン型トラッキング プロセスを作成します。その結果、インターフェイスのラインプロトコル ステートに加えて他のオブジェクトのトラッキングが可能になります。HSRP や Gateway Local Balancing Protocol(GLBP)などのクライアント プロセスでは、トラッキングするオブジェクトを登録して、オブジェクトがステートを変更したときに通知を要求できます。この機能は、ルーティング システムのアベイラビリティを高め、復旧のスピードを早めるとともに、停止および停止期間を削減します。

拡張オブジェクト トラッキングおよびこれを設定するためのコマンドの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1839/products_feature_guide09186a00801541be.html

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「拡張オブジェクト トラッキングの概要」

「拡張オブジェクト トラッキング機能の設定」

「拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング」

拡張オブジェクト トラッキングの概要

各トラッキング オブジェクトには、トラッキング Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)で指定される一意の番号があります。クライアント プロセスでは、この番号を使用して特定のオブジェクトをトラッキングします。トラッキング プロセスでは、値の変更(増加または減少値)について定期的にトラッキング オブジェクトをポーリングし、即時または指定した時間後に、対象のクライアント プロセスに変更を送信します。複数のクライアントが同じオブジェクトをトラッキングでき、オブジェクトのステート変更時に個別のアクションを実行できます。

また、リストのステートを測定するためにウェイトしきい値またはパーセンテージしきい値のいずれかを使用してリスト内のオブジェクトを組み合わせてトラッキングすることも可能です。ブール論理を使用してオブジェクトを組み合わせることが可能です。ブール AND 機能のあるトラッキング リストでは、アップになっているトラッキング オブジェクトに対して、リスト内の各オブジェクトがアップ ステートになっている必要があります。ブール OR 機能のあるトラッキング リストでは、アップになっているトラッキング オブジェクトに対して、リスト内の 1 つのオブジェクトだけがアップ ステートになっている必要があります。

拡張オブジェクト トラッキング機能の設定

ここでは、次のような拡張オブジェクト トラッキングの設定について説明します。

「デフォルト設定」

「インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング」

「トラッキング リストの設定」

「HSRP オブジェクト トラッキングの設定」

「他のトラッキング特性の設定」

「IP SLA オブジェクト トラッキングの設定」

「スタティック ルーティング サポートの設定」

デフォルト設定

オブジェクト トラッキングの種類は設定されていません。

インターフェイスのラインプロトコルまたは IP ルーティング ステートのトラッキング

ラインプロトコル ステートまたはインターフェイス IP ルーティング ステートをトラッキングできます。IP ルーティング ステートをトラッキングする場合、アップになっているオブジェクトは次の 3 つの条件を満たす必要があります。

インターフェイス上の IP ルーティングがイネーブルでありアクティブである。

インターフェイス ラインプロトコル ステートがアップである。

インターフェイス IP アドレスが既知である。

これら 3 つの条件がすべて満たされない場合、IP ルーティング ステートはダウンとなります。

インターフェイスのラインプロトコル ステートまたは IP ルーティング ステートを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-number interface interface-id line-protocol

(任意)インターフェイスのラインプロトコル ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

object-number は、トラッキング オブジェクトを識別するもので、1 ~ 500 を使用できます。

interface interface-id は、トラッキングされるインターフェイスです。

ステップ 3

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

track object-number interface interface-id ip routing

(任意)インターフェイスの IP ルーティング ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを登録し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。IP ルート トラッキングは、ルーティング テーブル内の IP ルートと、IP パケットをルーティングするインターフェイスの能力をトラッキングします。

object-number は、トラッキング オブジェクトを識別するもので、1 ~ 500 を使用できます。

interface interface-id は、トラッキングされるインターフェイスです。

ステップ 6

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、インターフェイスのラインプロトコル ステートをトラッキングして、その設定を確認する例を示します。

Switch(config)# track 33 interface gigabitethernet 1/0/1 line-protocol
Switch(config-track)# end
Switch# show track 33
Track 33
Interface GigabitEthernet1/0/1 line-protocol
Line protocol is Down (hw down)
1 change, last change 00:18:28

トラッキング リストの設定

ブール論理式、ウェイトしきい値、パーセンテージしきい値を使用して、オブジェクトのトラッキング リストを設定できます。トラッキング リストには、1 つまたは複数のオブジェクトが含まれています。トラッキング リストに追加する前に、オブジェクトが存在していなければなりません。

ブール論理式を設定して、AND または OR 演算子を使用して計算を指定します。

ウェイトしきい値でトラッキング リスト ステートを測定する場合、重み値をトラッキング リスト内の各オブジェクトに割り当てます。トラッキング リストのステートは、しきい値に一致するかどうかで決定されます。各オブジェクトのステートは、全オブジェクトの合計重みと各オブジェクトのウェイトしきい値を比較することで決定されます。

パーセンテージしきい値でトラッキング リスト ステートを測定する場合、パーセンテージしきい値をトラッキング リスト内の各オブジェクトに割り当てます。各オブジェクトに割り当てられたパーセンテージとリストを比較して、各オブジェクトのステートが決定されます。

ブール論理式を使用したトラッキング リストの設定

ブール論理式を使用してトラッキング リストを設定することにより、AND または OR 演算子を使用して計算できます。たとえば、AND 演算子を使用して 2 つのインターフェイスをトラッキングする場合、 up は両方のインターフェイスがアップで、 down はいずれかのインターフェイスがダウンであることを意味します。

ブール論理式を使用してオブジェクトのトラッキング リストを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list boolean { and | or }

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

boolean :ブール計算に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

and :すべてのオブジェクトがアップの場合はリストがアップ、1 つまたは複数のオブジェクトがダウンの場合はダウンであることを指定します。

or :すべてのオブジェクトがアップの場合はリストがアップ、すべてのオブジェクトがダウンの場合はダウンであることを指定します。

ステップ 3

object object-number [ not ]

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。キーワード not は、オブジェクトのステートを否定します。つまり、オブジェクトがアップの場合、トラッキング リストはオブジェクトをダウンとして検出します。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、 no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、2 つのオブジェクトが含まれていて、そのうちの 1 つのオブジェクトのステートが偽のものを含む、ブール AND 論理式を使用してトラッキング リスト 4 を設定する例を示します。リストがアップの場合、リストでオブジェクト 2 がダウンであることが検出されます。

Switch(config)# track 4 list boolean and
Switch(config-track)# object 1
Switch(config-track)# object 2 not
Switch(config-track)# exit

ウェイトしきい値を使用したトラッキング リストの設定

ウェイトしきい値をトラッキングするには、オブジェクトのトラッキング リストを設定し、しきい値として使用する重みを指定し、各オブジェクトの重みを設定します。各オブジェクトのステートは、アップ ステートの全オブジェクトの合計重みと各オブジェクトのウェイトしきい値を比較することで決定されます。

ブール NOT 演算子をウェイトしきい値リストに使用できません。

ウェイトしきい値を使用してトラッキング リストを設定し、各オブジェクトの重みを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list threshold weight

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

threshold :しきい値に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

weight :しきい値が重みに基づいていることを指定します。

ステップ 3

object object-number [ weight weight-number ]

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。オプションの weight weight-number には、オブジェクトのウェイトしきい値を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

threshold weight { up number | [ down number ]}

ウェイトしきい値を指定します。

up number :指定できる範囲は 1 ~ 255 です。

down number :(任意) up number で選択した番号によって変化します。 up number を 25 に設定した場合、ダウン番号で表示される範囲は 0 ~ 24 です。

ステップ 5

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、 no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次の例では、ウェイトしきい値でトラッキングするようにトラッキング リスト 4 を設定します。オブジェクト 1 とオブジェクト 2 がダウンの場合、オブジェクト 3 が上限しきい値(アップ 30)を満たすことから、トラッキング リスト 4 はアップになります。しかし、オブジェクト 3 がダウンの場合、オブジェクト 1 と 2 がアップでなければウェイトしきい値を満たせません。

Switch(config)# track 4 list threshold weight
Switch(config-track)# object 1 weight 15
Switch(config-track)# object 2 weight 20
Switch(config-track)# object 3 weight 30
Switch(config-track)# threshold weight up 30 down 10
Switch(config-track)# exit
 

この設定は、オブジェクト 1 とオブジェクト 2 が 2 つの小帯域幅の接続を表し、オブジェクト 3 が 1 つの大帯域幅の接続を表している場合に効果的です。設定された down 10 値は、トラッキング オブジェクトがアップになると、しきい値が 10 以下になるまでダウンにならないことになりますが、この例ではすべての接続がダウンになります。

パーセンテージしきい値を使用したトラッキング リストの設定

パーセンテージしきい値をトラッキングするには、オブジェクトのトラッキング リストを設定し、しきい値として使用するパーセンテージを指定し、リスト内にある各オブジェクトのパーセンテージを指定します。各オブジェクトに割り当てられたパーセンテージとリストを比較して、各オブジェクトのステートが決定されます。

ブール NOT 演算子をパーセンテージしきい値リストに使用できません。

パーセンテージしきい値を使用してオブジェクトのトラッキング リストを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track track-number list threshold percentage

トラッキング リスト オブジェクトを設定し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。 track-number は 1 ~ 500 です。

threshold :しきい値に基づいてトラッキング リストのステートを指定します。

percentage :しきい値がパーセンテージに基づいていることを指定します。

ステップ 3

object object-number

トラッキングするオブジェクトを指定します。指定できる範囲は 1 ~ 500 です。

(注) オブジェクトが存在していないと、これをトラッキング リストに追加できません。

ステップ 4

threshold percentage { up number | [ down number ]}

しきい値パーセンテージを指定します。

up number :指定できる範囲は 1 ~ 100 です。

down number :(任意) up number で選択した番号によって変化します。 up number を 25 に設定した場合、ダウン番号で表示される範囲は 0 ~ 24 です。

ステップ 5

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show track object-number

指定したオブジェクトがトラッキングされていることを確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

トラッキング リストを削除する場合は、 no track track-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、3 つのオブジェクトと、リストのステートを測定するために指定したパーセンテージがあるトラッキング リスト 4 を設定する例を示します。

Switch(config)# track 4 list threshold percentage
Switch(config-track)# object 1
Switch(config-track)# object 2
Switch(config-track)# object 3
Switch(config-track)# threshold percentage up 51 down 10
Switch(config-track)# exit

HSRP オブジェクト トラッキングの設定

スタンバイ HSRP グループを設定し、オブジェクト ステートに基づいてオブジェクトをトラッキングして HSRP 優先度を変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-number { interface interface-id { line-protocol | i p routing} | ip route ip-address/prefix-length { metric threshold | reachability } | list { boolean { and | or }} | { threshold { weight | percentage }}}

(任意)設定ステートをトラッキングするためにトラッキング リストを作成し、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

interface interface-id を入力して、トラッキングするインターフェイスを選択します。

line-protocol を入力して、インターフェイス ラインプロトコル ステートをトラッキングします。または ip routing を入力して、インターフェイス IP ルーティング ステートをトラッキングします。

ip route ip-address/prefix-length を入力して、IP ルートのステートをトラッキングします。

metric threshold を入力して、しきい値メトリックをトラッキングします。または reachability を入力して、ルータに到達可能かどうかをトラッキングします。

デフォルトの上限しきい値は 254 で、デフォルトの下限しきい値は 255 です。

list を入力して、リストにグループ化されているオブジェクトをトラッキングします。前のページで説明したリストを設定します。

Boolean については、 「ブール論理式を使用したトラッキング リストの設定」 を参照してください。

threshold weight については、 「ウェイトしきい値を使用したトラッキング リストの設定」 を参照してください。

threshold percentage については、 「パーセンテージしきい値を使用したトラッキング リストの設定」 を参照してください。

(注) トラッキングする各インターフェイスについて、これを繰り返します。

ステップ 3

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 4

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 5

standby [ group-number ] ip [ ip-address [ secondary ]]

HSRP グループの番号および仮想 IP アドレスを使用して、HSRP グループを作成(またはイネーブルに)します。

(任意) group-number :HSRP がイネーブルであるインターフェイスのグループ番号を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 255 で、デフォルトは 0 です。HSRP グループが 1 つしかない場合は、グループ番号を入力する必要はありません。

(1 つのインターフェイスで必須、それ以外は任意) ip-address :ホット スタンバイ ルータ インターフェイスの仮想 IP アドレスを指定します。少なくとも 1 つのインターフェイスに対して仮想 IP アドレスを入力する必要があります。他のインターフェイスは、その仮想 IP アドレスを学習します。

(任意) secondary :IP アドレスがセカンダリ ホット スタンバイ ルータ インターフェイスであることを指定します。このキーワードが省略された場合、設定されたアドレスはプライマリ IP アドレスになります。

ステップ 6

standby [ group-number ] track object-number [ decrement [ priority-decrement ]]

HSRP を設定して、オブジェクトをトラッキングし、オブジェクトのステートに基づいてホット スタンバイ プライオリティを変更します。

(任意) group-number :トラッキングが適用されるグループ番号を入力します。

object-number :トラッキングするオブジェクトを表す番号を入力します。指定できる範囲は 1 ~ 500 で、デフォルトは 1 です。

(任意) decrement priority-decrement :トラッキング オブジェクトがダウンした(またはアップに戻った)際の、ルータのホット スタンバイ プライオリティを減少(または増加)させる幅を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 で、デフォルトは 10 です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show standby

スタンバイ ルータ IP アドレスとトラッキング ステートを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

他のトラッキング特性の設定

拡張オブジェクト トラッキングを他の特性のトラッキングにも使用できます。

track ip route reachability グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して IP ルートの到達可能性をトラッキングできます。

track ip route metric threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ルートがしきい値を超えるのか下回るのかを判別できます。

track resolution グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ルーティング プロトコルのメトリック分解のデフォルト値を変更できます。

track timer トラッキング コンフィギュレーション コマンドを使用して、定期的にトラッキング オブジェクトをポーリングするためのトラッキングプロセスを設定できます。

拡張オブジェクト トラッキング設定を確認するには、 show track 特権 EXEC コマンドを使用します。

拡張オブジェクト トラッキングおよびこれを設定するためのコマンドの詳細については、次の URL にアクセスしてください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1839/products_feature_guide09186a00801541be.html

IP SLA オブジェクト トラッキングの設定

Cisco IOS IP Service Level Agreement(SLA; サービス レベル契約)(IP SLA)はネットワーク パフォーマンスを測定および診断するツールです。トラフィックを生成してネットワーク パフォーマンスを測定するアクティブ モニタリングを使用します。Cisco IP SLA の動作は、ネットワークのトラブルシューティング、設計、分析に使用できるリアルタイム メトリックを収集します。

スイッチの Cisco IP SLA の詳細については、「Cisco IOS IP SLA 動作の設定」を参照してください。IP SLA コマンドについては、次の URL の『 Cisco IOS IP SLAs Command Reference, Release 12.4T 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6441/products_command_reference_book09186a008049739b.html

IP SLA 動作のオブジェクト トラッキングにより、クライアントは IP SLA オブジェクトの出力をトラッキングし、この情報を使用してアクションを開始できます。それぞれの IP SLA 動作は、トラッキング プロセスによって解釈される OK OverThreshold などの Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)動作リターン コード値を維持します。IP SLA 動作は 2 つの側面、ステートと到達可能性をトラッキングできます。ステートに関しては、リターン コードが OK であればトラック ステートはアップであり、OK でなければトラック ステートはダウンです。到達可能性のリターン コードが OK または OverThreshold であれば到達可能性はアップであり、OK でなければ到達可能性はダウンです。

IP SLA 動作のステートまたは IP SLA IP ホストの到達可能性をトラッキングするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

track object-number rtr operation-number state

トラッキング コンフィギュレーション モードを開始し、IP SLA 動作のステートをトラッキングします。

object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

operation-number の範囲は 1 ~ 2147483647 です。

ステップ 3

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

track object-number rtr operation-number reachability

トラッキング コンフィギュレーション モードを開始し、IP SLA IP ホストの到達可能性をトラッキングします。

object-number の範囲は 1 ~ 500 です。

operation-number の範囲は 1 ~ 2147483647 です。

ステップ 6

delay { up seconds [ down seconds ] | [ up seconds ] down seconds }

(任意)トラッキング オブジェクトの通信ステートの変更を遅延させるための時間を秒数で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 180 秒です。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show track object-number

トラッキング情報を表示して設定を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、IP SLA ステート トラッキングを設定して表示する例を示します。

Switch(config)# track 2 200 state
Switch(config)# end
Switch# show track 2
Track 2
Response Time Reporter 1 state
State is Down
1 change, last change 00:00:47
Latest operation return code: over threshold
Latest RTT (millisecs) 4
Tracked by:
HSRP Ethernet0/1 3
 

次に、ルートの到達可能性に関する出力結果の例を示します。

Switch(config)# track 3 500 reachability
Switch(config)# end
Switch# show track 3
Track 3
Response Time Reporter 1 reachability
Reachability is Up
1 change, last change 00:00:47
Latest operation return code: over threshold
Latest RTT (millisecs) 4
Tracked by:
HSRP Ethernet0/1 3

スタティック ルーティング サポートの設定

Cisco IOS リリース 12.2(46)SE 以降のリリースが動作するスイッチは、拡張オブジェクト トラッキングのスタティック ルーティングをサポートします。拡張オブジェクト トラッキングを使用したスタティック ルーティング サポートにより、ICMP ping を使用して設定済みスタティック ルートまたは DHCP ルートがダウンしたときを特定する能力がスイッチに与えられます。トラッキングがイネーブルならば、システムはルートのステートをトラッキングし、そのステートが変更された場合にクライアントに通知します。スタティック ルート オブジェクト トラッキングは、Cisco IP SLA を使用して ICMP ping を生成し、プライマリ ゲートウェイへの接続の状態を監視します。

スイッチの Cisco IP SLA サポートの詳細については、「Cisco IOS IP SLA 動作の設定」 を参照してください。

スタティック ルート オブジェクトの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_3/12_3x/12_3xe/feature/guide/dbackupx.html

このプロセスを使用して、スタティック ルート オブジェクト トラッキングを設定します。


ステップ 1 スタティック ルーティングまたは DHCP にプライマリ インターフェイスを設定します。

ステップ 2 プライマリ インターフェイスおよびトラッキング オブジェクトを使用して IP アドレスに ping を実行し、エージェントの状態を監視するよう IP SLA エージェントを設定します。

ステップ 3 セカンダリ インターフェイスを使用して、デフォルトのスタティック ルートを設定します。このルートは、プライマリ ルートが削除された場合にだけ使用します。


 

プライマリ インターフェイスの設定

スタティック ルーティングにプライマリ インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

プライマリまたはセカンダリ インターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

description string

インターフェイスの記述を追加します。

ステップ 4

ip address ip-address mask [ secondary]

インターフェイスのプライマリまたはセカンダリ IP アドレスを設定します。

ステップ 5

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

DHCP にプライマリ インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

プライマリまたはセカンダリ インターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

description string

インターフェイスの記述を追加します。

ステップ 4

ip dhcp client route track number

追加されたルートと指定されたトラック番号を関連付けるよう DCHP クライアントを設定します。有効な番号は、1 ~ 500 です。

ステップ 5

ip address dhcp

イーサネット インターフェイスで DHCP から IP アドレスを取得します。

ステップ 6

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

Cisco IP SLA モニタリング エージェントとトラッキング オブジェクトの設定

Cisco IP SLA にネットワーク モニタリングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip sla operation-number

Cisco IP SLA 処理の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

icmp-echo { destination-ip-address | destination hostname [ source- ipaddr { ip-address | hostname source-interface interface-id ]

Cisco IP SLA エンドツーエンド ICMP エコー応答時間の処理を設定し、IP SLA ICMP エコー コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

timeout milliseconds

要求パケットの応答に対する処理の待機時間を指定します。

ステップ 5

frequency seconds

処理をネットワークに送信するレートを設定します。

ステップ 6

threshold milliseconds

処理の反応イベントを生成して履歴情報を保存する上昇しきい値(ヒステリシス)を指定します。

ステップ 7

exit

IP SLA ICMP エコー コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 8

ip sla schedule operation-number [ life { forever | seconds }] start-time time | pending | now | after time ] [ ageout seconds ] [ recurring ]

1 つの IP SLA 動作にスケジューリング パラメータを設定します。

ステップ 9

track object-number rtr operation-number { state | reachability }

Cisco IOS IP SLA 処理の状態をトラッキングし、トラッキング コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 10

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 11

show track object-number

トラッキング情報を表示して設定を確認します。

ステップ 12

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ルーティング ポリシーとデフォルト ルートの設定

オブジェクト トラッキングを使用してバックアップ スタティック ルーティングにルーティング ポリシーを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。手順のコマンドの詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_3/12_3x/12_3xe/feature/guide/dbackupx.html

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

access-list access-list-number

拡張 IP アクセス リストを定義します。任意の特性を設定します。

ステップ 3

route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]

ルートマップ コンフィギュレーション モードを開始し、あるルーティング プロトコルから別のルーティング プロトコルにルートを再配信する条件を定義します。

ステップ 4

match ip address { access-list number | access-list name }

標準または拡張アクセス リストによって許可された、またはパケットでポリシー ルーティングを実行する宛先ネットワーク番号アドレスのあるルートを配信します。複数の番号または名前を入力できます。

ステップ 5

set ip next-hop dynamic dhcp

DHCP ネットワーク専用です。DHCP クライアントが学習した最新のゲートウェイにネクストホップを設定します。

ステップ 6

set interface interface-id

ルーティング ネットワーク専用です。ポリシールーティングにおいてルートマップの match 句を通過する出力パケットの送信先を示します。

ステップ 7

exit

ルートマップ コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 8

ip local policy route-map map-tag

ローカル ポリシー ルーティングに使用するルートマップを特定します。

ステップ 9

ip route prefix mask { ip-address | interface-id [ ip-address ]} [ distance ] [ name ] [ permanent | track track-number ] [ tag tag ]

ルーティング ネットワーク専用です。スタティック ルートを確立します。

track track-number を入力すると、設定されたトラッキング オブジェクトがアップの場合だけ、スタティック ルートをインストールするよう指定します。

ステップ 10

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 11

show ip route track table

IP ルート トラッキング テーブルに関する情報を示します。

ステップ 12

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

設定例については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_3/12_3x/12_3xe/feature/guide/dbackupx.html

拡張オブジェクト トラッキングのモニタリング

拡張オブジェクト トラッキング情報を表示するには、 表 42-1 に示す特権 EXEC コマンドまたはユーザ EXEC コマンドを使用します。

 

表 42-1 トラッキング情報を表示するためのコマンド

コマンド
目的

show ip route track table

IP ルート トラッキング テーブルに関する情報を表示します。

show track [ object-number ]

すべてのトラッキング リストまたは指定したリストの情報を表示します。

show track brief

トラッキング情報出力を 1 行表示します。

show track interface [ brief ]

トラッキングするインターフェイス オブジェクトの情報を表示します。

show track ip [ object-number ] [ brief ] route

トラッキングする IP ルート オブジェクトの情報を表示します。

show track resolution

トラッキングするパラメータの分解を表示します。

show track timers

トラッキングするポーリング インターバル タイマーを表示します。