Catalyst 3750 Metro スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(37)SE
SNMP の設定
SNMP の設定
発行日;2012/01/07 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

SNMP の設定

SNMP の概要

SNMP のバージョン

SNMP マネージャの機能

SNMP エージェントの機能

SNMP コミュニティ ストリング

SNMP による MIB 変数へのアクセス

SNMP 通知

SNMP ifIndex MIB オブジェクト値

MIB のデータ収集と転送

SNMP の設定

SNMP のデフォルト設定

SNMP 設定時の注意事項

SNMP エージェントのディセーブル化

コミュニティ ストリングの設定

SNMP グループおよびユーザの設定

SNMP 通知の設定

エージェント コンタクトおよびロケーションの設定

SNMP 経由で使用する TFTP サーバの制限

MIB のデータ収集と転送の設定

Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルの設定

SNMP の例

SNMP ステータスの表示

SNMP の設定

この章では、Catalyst 3750 Metro スイッチに SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を設定する方法について説明します。


) この章で使用されるコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチ コマンド リファレンスおよび次の URL にある『Cisco IOS Commands Master List』Release 12.2 を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1835/products_product_indices_list.html
MIB バルク統計情報のデータ収集および MIB 設定プロセスのコマンドについては、次の URL にある『Cisco IOS Commands Master List』Release 12.4 を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6350/products_product_indices_list.html


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「SNMP の概要」

「SNMP の設定」

「SNMP ステータスの表示」

SNMP の概要

SNMP はアプリケーション レイヤ プロトコルで、マネージャとエージェント間の通信用メッセージ形式を規定します。SNMP システムは、SNMP マネージャ、SNMP エージェント、および MIB(管理情報ベース)で構成されます。SNMP マネージャは、CiscoWorks などの Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)の一部に組み入れることができます。エージェントおよび MIB はスイッチ上で動作します。スイッチに SNMP を設定するには、マネージャとエージェント間の関係を定義します。

SNMP エージェントは MIB 変数を格納し、SNMP マネージャは、この変数の値を要求または変更することができます。マネージャは、エージェントから値を取得したり、エージェントに値を保存したりすることもできます。エージェントは、デバイス パラメータおよびネットワーク データに関する情報の保存場所である MIB からデータを収集します。また、エージェントはマネージャから要求されるデータ取得または設定に対応します。

エージェントは、非送信請求トラップをマネージャに送信します。トラップとは、ネットワーク上のある状態を SNMP マネージャに通知するメッセージです。トラップは、不正なユーザ認証、再起動、リンクのステータス(アップまたはダウン)、MAC アドレス追跡、TCP 接続の切断、ネイバーとの接続の切断、その他の重要なイベントを表示します。

スイッチは、Cisco IOS Release 12.2(37)SE 以降の Cisco Data Collection MIB をサポートしていませんが、Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使用して、選択した MIB データを指定の NMS ステーションに定期的に転送できます。また、このリリースから、Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルも設定できます。

ここでは、次の内容について説明します。

「SNMP のバージョン」

「SNMP マネージャの機能」

「SNMP エージェントの機能」

「SNMP コミュニティ ストリング」

「SNMP による MIB 変数へのアクセス」

「SNMP 通知」

「SNMP ifIndex MIB オブジェクト値」

「MIB のデータ収集と転送」

SNMP のバージョン

このソフトウェア リリースでは、次の SNMP バージョンをサポートしています。

SNMPv1 ― SNMP、完全インターネット標準(RFC 1157 に定義)。

SNMPv2C は、SNMPv2Classic のパーティベース管理およびセキュリティ フレームワークを SNMPv2C のコミュニティストリングベース管理フレームワークに置き換えるもので、
SNMPv2Classic のバルク検索を保持しながら、エラー処理が改良されています。SNMPv2C の機能は次のとおりです。

SNMPv2 ― SNMP のバージョン 2、インターネット標準ドラフト(RFC 1902 ~ 1907 に定義)。

SNMPv2C ― SNMPv2 に対応するコミュニティストリングベース管理フレームワーク、実験的インターネット プロトコル(RFC 1901に定義)。

SNMPv3 ― SNMP のバージョン 3 は、RFC 2273 ~ 2275 に定義された相互運用可能な標準ベース プロトコルです。SNMPv3 はネットワーク経由でパケットの認証および暗号化を行い、デバイスへの安全なアクセスを実現します。以下のセキュリティ機能が組み込まれています。

メッセージ整合性 ― パケットが送信中に不正に変更されないようにします。

認証 ― メッセージの送信元が有効かどうかを判別します。

暗号化 ― パッケージの内容をスクランブルし、不正送信元に読み取られないようにします。


) 暗号化を選択する場合は、priv キーワードを指定します。このキーワードは、暗号化ソフトウェア イメージがインストールされている場合のみ使用できます。


SNMPv1 と SNMPv2C は、ともにコミュニティベース形式のセキュリティを使用します。エージェントの MIB にアクセスできるマネージャのコミュニティは、IP アドレスのアクセス コントロール リストとパスワードによって定義されています。

SNMPv2C には、バルク検索メカニズムと管理ステーションへのより詳細なエラー メッセージ報告機能が組み込まれています。バルク検索メカニズムは表や大量の情報を検索し、必要なラウンドトリップ数を最小限にします。SNMPv2C の改良されたエラー処理には、各種のエラー状況を区別する拡張エラー コードが組み込まれています。エラー状況は、SNMPv1 の単一のエラー コードを使用して報告されます。SNMPv2C のエラー リターン コードが、エラー タイプを報告します。

SNMPv3 は、セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの両方を備えています。セキュリティ モデルは、ユーザおよびそのユーザが所属するグループに対して設定する認証方法です。セキュリティ レベルは、1 つのセキュリティ モデルの中で許可されるセキュリティのレベルを表します。セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの組み合わせによって、SNMP パケットを処理するときに使用するセキュリティ メカニズムが決まります。使用可能なセキュリティ モデルは SNMPv1、SNMPv2C、および SNMPv3 です。

表31-1 に、セキュリティ モデルおよびセキュリティ レベルをさまざまに組み合わせた場合の特性を示します。

 

表31-1 SNMP セキュリティ モデルおよびレベル

モデル
レベル
認証
暗号化
結果

SNMPv1

noAuthNoPriv

コミュニティ ストリング

なし

認証にコミュニティ ストリングの照合を使用します。

SNMPv2C

noAuthNoPriv

コミュニティ ストリング

なし

認証にコミュニティ ストリングの照合を使用します。

SNMPv3

noAuthNoPriv

ユーザ名

なし

認証にユーザ名の照合を使用します。

SNMPv3

authNoPriv

MD5 または SHA

なし

HMAC-MD5 または HMAC-SHA アルゴリズムに基づいて認証を行います。

SNMPv3

authPriv
(暗号ソフトウェア イメージが必要)

MD5 または SHA

DES(データ暗号化規格)

HMAC-MD5 または HMAC-SHA アルゴリズムに基づいて認証を行います。
CBC-DES(DES-56)標準に基づく認証に加え、DES 56 ビット暗号化を行います。

管理ステーションがサポートする SNMP のバージョンを使用するには、SNMP エージェントを設定する必要があります。エージェントは複数のマネージャと通信できるため、SNMPv1、SNMPv2C、および SNMPv3 プロトコルによる通信をサポートするようにソフトウェアを設定できます。

SNMP マネージャの機能

SNMP マネージャは MIB 情報を使用し、 表31-2 に示す動作を実行します。

 

表31-2 SNMP の動作

動作
説明

get-request

特定の変数から値を取得します。

get-next-request

テーブル内の変数から値を取得します。 1

get-bulk-request 2

テーブルの複数行など、大きなデータ ブロックを取得します。小さなデータ ブロックを何回も送信する必要はありません。

get-response

NMS から送られる get-request、get-next-request、および set-request に応答します。

set-request

特定の変数に値を格納します。

trap

イベントの発生時に、SNMP エージェントから SNMP マネージャに送られる、非送信請求メッセージです。

1.この動作では、SNMP マネージャに正確な変数名を認識させる必要はありません。テーブル内を順に検索し、必要な変数を検出します。

2.get-bulk コマンドが機能するのは SNMPv2 以降に限られます。

SNMP エージェントの機能

SNMP エージェントは、次のように SNMP マネージャの要求に応答します。

MIB 変数の取得 ― SNMP エージェントは、NMS からの要求に応答してこの機能を開始します。エージェントは、要求された MIB 変数の値を取得し、その値で NMS に応答します。

MIB変数の設定 ― SNMP エージェントは、NMS からのメッセージに応答してこの機能を開始します。SNMP エージェントは、MIB 変数の値を NMS から要求された値に変更します。

また、SNMP エージェントは非送信請求トラップ メッセージを送信し、エージェントで重要なイベントが発生したことを NMS に通知します。トラップ条件の例には、ポートまたはモジュールが起動または停止した場合、スパニングツリー トポロジの変更が発生した場合、認証障害が発生した場合などがあります。

SNMP コミュニティ ストリング

SNMP コミュニティ ストリングは MIB オブジェクトへのアクセスを認証し、組み込みパスワードとして機能します。NMS がスイッチにアクセスするには、NMS 上のコミュニティ ストリングの定義が、スイッチ上の 3 つのコミュニティ ストリングの定義と 1 つまたは複数一致する必要があります。

コミュニティ ストリングは、次のいずれかのアトリビュートを持ちます。

Read-Only(RO) ― 許可した管理ステーションに、コミュニティ ストリングを除く MIB 内のオブジェクトすべてに対する読み取りアクセス権を与えます。ただし、書き込みアクセスは許可しません。

Read-Write(RW) ― 許可した管理ステーションに、MIB 内のオブジェクトすべてに対する読み取りおよび書き込みアクセス権を与えます。ただし、コミュニティ ストリングへのアクセスは許可しません。

Read-Write-all ― 許可した管理ステーションに、コミュニティ ストリングも含めた MIB 内のオブジェクトすべてに対する読み取りおよび書き込みアクセス権を与えます。

SNMP による MIB 変数へのアクセス

NMS の一例は、CiscoWorks ネットワーク管理ソフトウェアです。CiscoWorks 2000 ソフトウェアは、スイッチの MIB 変数を使用してデバイスの変数を設定し、ネットワーク上のデバイスに対するポーリングを実行して特定の情報を入手します。ポーリング結果は、グラフ形式で表示されます。この結果を分析して、インターネットワーキングに関する問題のトラブルシューティング、ネットワーク パフォーマンスの改善、デバイスの設定の確認、トラフィック負荷のモニタなどを行うことができます。

図31-1に示すように、SNMP エージェントは MIB からデータを収集します。エージェントは SNMP マネージャに対してトラップ(特定イベントの通知)を送信し、SNMP マネージャはトラップを受信してそれを処理します。トラップは、ネットワーク上で発生した不正なユーザ認証、再起動、リンク ステータス(アップまたはダウン)、MAC アドレス追跡などに関する条件を SNMP マネージャに通知します。SNMP エージェントはさらに、SNMP マネージャから get-request get-next-request 、および set-request 形式で送られる MIB 関連のクエリーに応答します。

図31-1 SNMP ネットワーク

 

サポートされている MIB とそのアクセス方法については、 付録A「サポートされている MIB」 を参照してください。

SNMP 通知

SNMP を使用すると、スイッチは特定のイベントが発生したときに SNMP マネージャに通知を送信することができます。SNMP 通知は、トラップまたはインフォーム要求として送信できます。コマンド構文内に、トラップまたはインフォームを選択するオプションが指定されていない場合、キーワード traps はトラップまたはインフォーム、あるいはその両方を表します。SNMP 通知をトラップまたはインフォームのどちらで送信するかを指定するには、 snmp-server host コマンドを使用します。


) SNMPv1 はインフォームをサポートしていません。


レシーバはトラップの受信時に確認応答を送信しないため、トラップは信頼性が低く、送信側はトラップが受信されたかどうかを判別できません。SNMP マネージャはインフォーム要求を受信すると、SNMP 応答 Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を使用してメッセージを確認します。送信側が応答を受信しない場合は、インフォーム要求を再送信します。このため、インフォームの方がトラップよりも目的の宛先に到達する可能性が高くなります。

インフォームはトラップよりも信頼性が高いため、スイッチおよびネットワーク内のリソースの消費量も多くなります。送信後すぐに廃棄されるトラップと異なり、インフォーム要求は応答を受信するか、または要求が時間切れになるまでメモリ内に保持されます。トラップの送信は 1 回限りですが、インフォームは何回も再送信されたり、再試行されたりすることがあります。再試行が繰り返されるとトラフィックが増加し、ネットワークのオーバーヘッドが大きくなるため、トラップおよびインフォームの使用の際は信頼性とリソースのどちらを重視するかの選択が必要となります。SNMP マネージャですべての通知を受信することが重要な場合はインフォーム要求を使用し、ネットワーク トラフィックまたはスイッチのメモリが重要で、通知が必要ない場合は、トラップを使用します。

SNMP ifIndex MIB オブジェクト値

NMS では、IF-MIB がインターフェイス インデックス(ifIndex)オブジェクト値を生成して割り当てます。ifIndex オブジェクト値は、0 より大きい一意の数値で、物理インターフェイスや論理インターフェイスの識別に使用します。スイッチを再起動したり、スイッチ ソフトウェアをアップグレードしても、スイッチは前と同じ値をインターフェイスに使用します。たとえば、スイッチがポート 2 に 10003 の ifIndex 値を割り当てた場合、スイッチの再起動後もこの値は変わりません。

スイッチは 表31-3 のいずれかの値を使用して、インターフェイスに ifIndex 値を割り当てます。

 

表31-3 ifIndex 値

インターフェイス タイプ
ifIndex 範囲

SVI 3

1 ~ 4999

EtherChannel

5000 ~ 5012

ループバック

5013 ~ 5077

トンネル

5078 ~ 5142

物理(ギガビット イーサネットまたは SFP 4 モジュール インターフェイスなど)

10000 ~ 14500

ヌル

14501

3.SVI = Switch Virtual Interface(スイッチ仮想インターフェイス)

4.SFP = Small Form-factor Pluggable(着脱可能小型フォーム ファクタ)


) スイッチは範囲内で連続している値は使用しません。


MIB のデータ収集と転送

ある特定のデバイスから指定の NMS へ定期的に MIB データを転送するように設定するには、複数の MIB のデータをリストにまとめて、ポーリング間隔を設定します。リスト内のすべての MIB オブジェクトは指定の間隔でポーリングされ、データは設定された転送間隔で指定の NMS に転送されます。定期的なデータ収集と転送メカニズムは バルク統計情報 機能とも呼ばれます。

バルク統計情報を設定するには、バルク統計情報オブジェクト リストを使用してモニタする SNMP オブジェクト タイプを指定します。さらに、バルク統計情報スキーマを使用して収集するオブジェクトのインスタンスを指定します。一連の Object Identifier(OID; オブジェクト ID)を使用すると、MIB、MIB テーブル、MIB オブジェクト、オブジェクトのインデックスを指定できます。

バルク統計情報オブジェクトはユーザ指定の MIB オブジェクトのセットです。このオブジェクト セットは、ユーザ指定の名前で識別される同一の MIB インデックスを共有しています。

バルク統計情報スキーマは、ユーザ指定の名前で識別され、オブジェクト リスト名、オブジェクト リストのオブジェクト用に取得されるインスタンス、およびポーリング間隔が含まれています。

データを収集するように設定すると、すべての収集データに 1 つの仮想バルク統計情報ファイルが作成されます。NMS へのファイル転送方法(FTP、RCP、TFTP)、ファイルの転送頻度(デフォルトは 30 分)、セカンダリの宛先(プライマリ NMS が使用できない場合)を指定できます。転送間隔時間は収集間隔時間にもなります。収集間隔が終了すると、そのバルク統計情報ファイルは凍結し、新しいデータを格納するためにローカルのバルク統計情報ファイルが新たに作成されます。凍結したファイルは指定の宛先に転送されたあと、(一定期間デバイスのメモリに保存するように設定していなければ)削除されます。転送が上手くいかない場合、SNMP 通知を NMS へ送信するようにスイッチを設定したり、ローカル デバイスに Syslog メッセージを入力するように設定できます。

SNMP の設定

ここでは、スイッチに SNMP を設定する方法について説明します。具体的な設定情報は次のとおりです。

「SNMP のデフォルト設定」

「SNMP 設定時の注意事項」

「SNMP エージェントのディセーブル化」

「コミュニティ ストリングの設定」

「SNMP グループおよびユーザの設定」

「SNMP 通知の設定」

「エージェント コンタクトおよびロケーションの設定」

「SNMP 経由で使用する TFTP サーバの制限」

「MIB のデータ収集と転送の設定」

「Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルの設定」

「SNMP の例」

SNMP のデフォルト設定

表31-4 に、SNMP のデフォルト設定を示します。

 

表31-4 SNMP のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

SNMP エージェント

ディセーブル 5

SNMP トラップ レシーバ

設定なし

SNMP トラップ

TCP 接続のトラップ( tty )以外は、イネーブルになりません。

SNMP バージョン

version キーワードを指定しない場合、デフォルトはバージョン 1 です。

SNMPv3 認証

キーワードを指定しない場合、デフォルトは noauth (noAuthNoPriv)セキュリティ レベルです。

SNMP 通知タイプ

タイプを指定しない場合、すべての通知が送信されます。

5.スタートアップ コンフィギュレーションに snmp-server グローバル コンフィギュレーション コマンドが含まれていないときの、スイッチ起動時のデフォルト設定です。

SNMP 設定時の注意事項

SNMP グループ は、SNMP ユーザを SNMP ビューにマッピングするテーブルです。SNMP ユーザ は、SNMP グループのメンバーです。SNMP ホスト は、SNMP トラップ動作の受信側です。SNMP エンジン ID は、ローカルまたはリモート SNMP エンジンの名前です。

SNMP を設定する場合の注意事項は、次のとおりです。

SNMP グループを設定する場合は、通知ビューを指定しないでください。 snmp-server host グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ユーザ用の通知ビューが自動生成され、そのユーザに関連付けられたグループに追加されます。グループの通知ビューを変更すると、そのグループに関連付けられたすべてのユーザに影響を与えます。通知ビューを設定する時期については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』 Release 12.2 を参照してください。

リモート ユーザを設定するには、ユーザが所属するデバイスのリモート SNMP エージェントの IP アドレスまたはポート番号を指定します。

特定のエージェントのリモート ユーザを設定する前に、 snmp-server engineID グローバル コンフィギュレーション コマンドで remote オプションを指定し、SNMP エンジン ID を設定してください。リモート エージェントの SNMP エンジン ID およびユーザ パスワードは、認証およびプライバシ ダイジェストを計算するために使用されます。リモート エンジン ID を先に設定しないと、コンフィギュレーション コマンドは失敗します。

SNMP インフォームを設定する場合は、SNMP データベース内のリモート エージェントの SNMP エンジンIDを設定してから、プロキシ要求またはインフォームを送信する必要があります。

ローカル ユーザがリモート ホストに関連付けられていない場合、スイッチは auth (authNoPriv)および priv (authPriv)認証レベルのインフォームを送信しません。

SNMP エンジン ID の値を変更すると、重大な悪影響を及ぼします。(コマンドラインから入力した)ユーザのパスワードは、パスワードおよびローカル エンジン ID に基づいて MD5 または SHA セキュリティ ダイジェストに変換されます。コマンドライン パスワードはその後、RFC 2274 の要求に従って破棄されます。この破棄が原因で、エンジン ID の値が変更されると、SNMPv3 ユーザのセキュリティ ダイジェストが無効になるため、 snmp-server user username グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SNMP ユーザを再設定しなければなりません。同様に、エンジン ID が変更された場合は、コミュニティ ストリングを再設定する必要があります。

SNMP エージェントのディセーブル化

SNMP エージェントをディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no snmp-server

SNMP エージェントの動作をディセーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show running-config

設定を確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

no snmp-server グローバル コンフィギュレーション コマンドは、デバイス上で実行されているすべてのバージョン(バージョン 1、バージョン 2C、およびバージョン 3)をディセーブルにします。SNMP をイネーブルにする特定の IOS コマンドはありません。最初に入力する snmp-server グローバル コンフィギュレーション コマンドによって、SNMP のすべてのバージョンがイネーブルになります。

コミュニティ ストリングの設定

SNMP マネージャとエージェント間の関係を定義するには、SNMP コミュニティ ストリングを使用します。コミュニティ ストリングはパスワードと同様に機能し、スイッチのエージェントへのアクセスを許可します。任意で、ストリングに関連付けられた次の特性を 1 つまたは複数指定することができます。

エージェントへアクセスするコミュニティ ストリングの使用が許可されている、SNMP マネージャの IP アドレスに関するアクセス リスト。

MIB ビュー。指定のコミュニティがアクセス可能な全 MIB オブジェクトのサブセットを定義します。

コミュニティがアクセス可能な MIB オブジェクトの読み取りおよび書き込み権限、または読み取り専用権限。

スイッチ上でコミュニティ ストリングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server community string [ view view-name ] [ ro | rw ] [ access-list-number ]

コミュニティ ストリングを設定します。

string には、パスワードのように機能し、SNMP プロトコルへのアクセスを許可するストリングを指定します。任意の文字数で、1 つまたは複数のコミュニティ ストリングを設定できます。

(任意) view には、コミュニティがアクセス可能なビュー レコードを指定します。

(任意)許可した管理ステーションに MIB オブジェクトを検索させる場合は読み取り専用( ro )、MIB オブジェクトを検索して変更させる場合は読み取りおよび書き込み( rw )を指定します。デフォルトでは、コミュニティ ストリングはすべてのオブジェクトへの読み取り専用アクセスを許可します。

(任意) access-list-number には、1 ~ 99 および 1300 ~ 1999 の範囲で標準の IP アクセス リスト番号を入力します。

ステップ 3

access-list access-list-number { deny | permit } source [ source-wildcard ]

(任意)ステップ 2 で標準のIPアクセス リスト番号を指定した場合はリストを作成し、必要な回数だけこのコマンドを繰り返します。

access-list-number には、ステップ 2 で指定したアクセス リスト番号を入力します。

deny キーワードを指定すると、条件が一致した場合にアクセスが拒否されます。 permit キーワードを指定すると、条件が一致した場合にアクセスが許可されます。

source には、エージェントへアクセスするコミュニティ ストリングの使用が許可されている SNMP マネージャの IP アドレスを入力します。

(任意) source-wildcard を指定する場合は、送信元に適用するワイルドカード ビットをドット付き 10 進表記で入力します。無視するビット位置に 1 を配置します。

アクセス リストの末尾には、すべてに適用される暗黙の拒否ステートメントが常に存在することに注意してください。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。


) SNMP コミュニティのアクセスをディセーブルにするには、そのコミュニティに対するコミュニティ ストリングをヌル ストリングに設定します(コミュニティ ストリングに値を入力しない)。


特定のコミュニティ ストリングを削除するには、 no snmp-server community string グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、SNMP にストリング comaccess を割り当て、読み取り専用アクセスを許可し、IP アクセス リスト 4 がコミュニティ ストリングを使用してスイッチの SNMP エージェントにアクセスするよう指定する方法を示します。

Switch(config)# snmp-server community comaccess ro 4

SNMP グループおよびユーザの設定

スイッチ上のローカルまたはリモート SNMP サーバ エンジンに、識別名(エンジン ID)を指定することができます。SNMP ユーザを SNMP ビューにマッピングする SNMP サーバ グループを設定し、SNMP グループに新規ユーザを追加することができます。

スイッチ上で SNMP を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server engineID { local engineid-string | remote ip-address [ udp-port port-number ] engineid-string }

SNMP のローカル コピーまたはリモート コピーのいずれかの名前を設定します。

engineid-string は、SNMP のコピー名を含む 24 文字の ID ストリングです。後続の値がゼロの場合、エンジン ID に 24 文字すべてを指定する必要はありません。後続値がすべてゼロとなる位置まで、エンジン ID の一部を指定します。たとえば、123400000000000000000000 のエンジン ID を設定する場合は、 snmp-server engineID local 1234 と入力します。

remote を選択した場合は、SNMP のリモート コピーが格納されたデバイスの ip-address 、および任意でリモート デバイス上の UDP ポートを指定します。デフォルト値は 162 です。

ステップ 3

snmp-server group groupname { v1 | v2c | v3 [ auth | noauth | priv ]} [ read readview ] [ write writeview ] [ notify notifyview ] [ access access-list ]

リモート デバイスに新規の SNMP グループを設定します。

groupname には、グループ名を指定します。

セキュリティ モデルを指定します。

v1 は、使用可能なセキュリティ モデルのうち、安全性が最も低いモデルです。

v2c は、2 番めに安全性が低いモデルです。このモデルを使用すると、インフォームおよび整数を標準の 2 倍の幅で伝送できます。

v3 は最も安全性が高いモデルで、認証レベルを選択する必要があります。

auth ― MD5 および SHA パケット認証をイネーブルにします。

noauth ― noAuthNoPriv セキュリティ レベル。キーワードを指定しない場合は、このレベルがデフォルトです。

priv ― DES パケット暗号化(別名 プライバシ )をイネーブルにします。


priv キーワードは、暗号ソフトウェア イメージがインストールされている場合のみ使用できます。


(任意) read readview には、エージェントの内容表示のみが可能なビューの名前を示すストリング(64 文字以下)を入力します。

(任意) write writeview には、データを入力してエージェントの内容を設定するビューの名前を示すストリング(64 文字以下)を入力します。

(任意) notify notifyview には、通知、インフォーム、またはトラップを指定するビューの名前を示すストリング(64 文字以下)を入力します。

(任意) access access-list には、アクセス リストの名前を示すストリング(64 文字以下)を入力します。

ステップ 4

snmp-server user username groupname [ remote host [ udp-port port ]] { v1 | v2c | v3 [ auth { md5 | sha } auth-password ]} [ encrypted ] [ access access-list ]

SNMP グループに新規ユーザを設定します。

username は、エージェントに接続されたホスト上のユーザ名です。

groupname は、ユーザが関連付けられているグループの名前です。

(任意)ユーザが属するリモート SNMP エンティティおよびホスト名を指定する場合は、 remote を入力します。このエンティティの IP アドレスを指定する場合は、さらにオプションの UDP ポート番号を指定します。デフォルト値は 162 です。

SNMP バージョン番号( v1 v2c 、または v3 )を入力します。 v3 を入力する場合は、次のオプションを使用します。

auth ― 認証レベル設定セッションです。
HMAC-MD5-96 または HMAC-SHA-96 認証レベルのいずれかを指定でき、パスワード ストリング(64 文字以下)が必要となります。

encrypted ― パスワードが暗号化形式で表示されるように指定します。

(任意) access access-list には、アクセス リストの名前を示すストリング(64 文字以下)を入力します。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show running-config

設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

SNMP 通知の設定

トラップ マネージャは、トラップを受信して処理する管理ステーションです。トラップは、特定のイベントが発生した場合に、スイッチが生成するシステム アラートです。デフォルトでトラップ マネージャは定義されていないため、トラップは送信されません。IOS リリースが稼働するスイッチでは、無制限にトラップ マネージャを設定することができます。


) 多くのコマンドは、コマンド構文内でキーワード traps を使用します。トラップまたはインフォームを選択するオプションがコマンド内に指定されていない場合、キーワード traps はトラップまたはインフォーム、あるいはその両方を表します。SNMP 通知をトラップまたはインフォームのどちらで送信するかを指定するには、snmp-server host コマンドを使用します。


表31-5 に、サポートされているスイッチのトラップ(通知タイプ)を一部示します。これらのトラップの一部または全部をイネーブルにし、トラップ マネージャがトラップを受信するように設定することができます。


fru-ctrl キーワードは、CLI のオンライン ヘルプに表示されますが、サポートされていません。


 

表31-5 スイッチの通知タイプ

通知タイプのキーワード
説明

bgp

BGP ステート変更トラップを生成。このオプションは、拡張マルチレイヤ イメージがインストールされている場合のみ使用できます。

bridge

STP ブリッジ MIB トラップを生成。

bulkstat collection transfer

データの収集またはデータ転送が失敗したとき、あるいは bulkstats ファイルが最大サイズに達したときにトラップを生成。

cluster

クラスタ設定の変更時にトラップを生成。

config

SNMP 設定の変更時にトラップを生成。

copy-config

SNMP コピー設定の変更時にトラップを生成。

cpu threshold

CPU しきい値違反が発生したときのトラップを生成。

entity

SNMP エンティティの変更時にトラップを生成。

envmon

環境モニタ トラップを生成。ファン、シャットダウン、電源装置、温度の環境トラップの一部またはすべてをイネーブルにすることができます。

flash

SNMP FLASH 通知を生成。

hsrp

Hot Standby Router Protocol(HSRP)の変更時にトラップを生成。

ipmulticast

IP マルチキャスト ルーティングの変更時にトラップを生成。

mac-notification

MAC アドレス通知のトラップを生成。

msdp

Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)の変更時にトラップを生成。

ospf

OSPF の変更時にトラップを生成。無効な PIM メッセージ、ネイバーの変更、ランデブー ポイント(RP)マッピングの変更のトラップの一部またはすべてをイネーブルにすることができます。

pim

Protocol-Independent Multicast(PIM)の変更時にトラップを生成。無効な PIM メッセージ、ネイバーの変更、ランデブー ポイント(RP)マッピングの変更のトラップの一部またはすべてをイネーブルにすることができます。

port-security

SNMP ポート セキュリティ トラップを生成。秒当たりの最大トラップ レートを設定することもできます。指定できる範囲は 0 ~ 1000 です。デフォルトは 0(レート制限なし)です。

rtr

SNMP Response Time Reporter(RTR)に対してトラップを生成。

snmp

認証、コールド スタート、ウォーム スタート、リンク アップ、リンク ダウン時の SNMP タイプ通知のトラップを生成。

storm-control

SNMP ストーム制御時にトラップを生成。秒当たりの最大トラップ レートを設定することもできます。指定できる範囲は 0 ~ 1000 で、デフォルトは 0(制限が課されず、トラップは毎回送信される)です。

stpx

SNMP STP 拡張 MIB トラップを生成。

syslog

SNMP Syslog トラップを生成。

tty

TCP 接続時にトラップを生成。このトラップは、デフォルトでイネーブルに設定されています。

vlan-membership

SNMP VLAN メンバーシップの変更時にトラップを生成。

vlancreate

SNMP VLAN 作成トラップを生成。

vlandelete

SNMP VLAN 削除トラップを生成。

vtp

VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)の変更時にトラップを生成。


fru-ctrl、flash insertion、および flash removal キーワードは、コマンドラインのヘルプ ストリングには表示されますが、サポートされていません。snmp-server enable informs コマンドはサポートされていません。SNMP インフォーム通知の送信をイネーブルにするには、snmp-server enable traps コマンドと、snmp-server host host-addr informs コマンドを組み合わせて使用します。


表31-5 に示す通知タイプを受信する場合は、特定のホストに対して snmp-server host グローバル コンフィギュレーション コマンドを実行します。

ホストにトラップまたはインフォームを送信するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server engineID remote ip-address engineid-string

リモート ホストのエンジン ID を指定します。

ステップ 3

snmp-server user username groupname remote host [ udp-port port ] { v1 | v2c | v3 [ auth { md5 | sha } auth-password ]} [ encrypted ] [ access access-list ]

ステップ 2 で作成したリモート ホストに対応する SNMP ユーザを設定します。


) アドレスに対してリモート ユーザを設定する場合は、最初にそのリモート ホストのエンジン ID を設定する必要があります。リモート エンジン ID を設定する前にユーザを設定しようとすると、エラー メッセージが表示され、コマンドは実行されません。


ステップ 4

snmp-server host host-addr
[ traps | informs ] [ version { 1 | 2c | 3 [ auth | noauth | priv ]}] community-string [ udp-port port ] [ notification-type ]

SNMP トラップ動作の受信側を指定します。

host-addr には、ホスト(対象となる受信デバイス)の名前またはインターネット アドレスを指定します。

(任意)SNMP トラップをホストに送信する場合は、 traps (デフォルト)を入力します。

(任意)SNMP インフォームをホストに送信する場合は、 informs を入力します。

(任意)SNMP バージョン( 1 2c 、または 3 )を指定します。SNMPv1 はインフォームをサポートしていません。

(任意)バージョン 3 の場合は、認証レベル( auth、noauth 、または priv )を選択します。


priv キーワードは、暗号ソフトウェア イメージがインストールされている場合のみ使用できます。


community-string には、通知動作によって送信されたパスワードと同様のコミュニティ ストリングを入力します。

(任意) udp-port port には、リモート デバイスの UDP ポートを入力します。

(任意) notification-type には、表31-5に示されているキーワードを使用します。タイプを指定しない場合、すべての通知が送信されます。

ステップ 5

snmp-server enable traps notification-types

トラップまたはインフォームを送信するスイッチをイネーブルにし、送信する通知タイプを指定します。通知タイプの一覧については、表31-5を参照するか、または snmp-server enable traps ? を入力してください。

複数のトラップ タイプをイネーブルにするには、トラップ タイプごとに snmp-server enable traps コマンドを個別に入力する必要があります。

ステップ 6

snmp-server trap-source interface-id

(任意)送信元インターフェイスを指定します。これにより、トラップ メッセージ用の IP アドレスが設定されます。このコマンドを実行すると、インフォーム用の送信元 IP アドレスも設定されます。

ステップ 7

snmp-server queue-length length

(任意)各トラップ ホストのメッセージ キュー長を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 1000 で、デフォルトは 10 です。

ステップ 8

snmp-server trap-timeout seconds

(任意)トラップ メッセージの再送信間隔を定義します。指定できる範囲は 1 ~ 1000 秒で、デフォルトは 30 秒です。

ステップ 9

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 10

show running-config

設定を確認します。

ステップ 11

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

snmp-server host コマンドは、通知を受信するホストを指定します。 snmp-server enable trap コマンドは、指定された通知(トラップまたはインフォーム用)のメカニズムをグローバルにイネーブルにします。インフォームを受信するホストをイネーブルにするには、ホストに対して snmp-server host informs コマンドを設定し、 snmp-server enable traps コマンドを使用してインフォームをグローバルにイネーブルにする必要があります。

トラップを受信するように指定されたホストを削除する場合は、 no snmp-server host host グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。 no snmp-server host コマンドにキーワードを指定しないで使用すると、ホストに対して、トラップはディセーブルになりますが、インフォームはディセーブルになりません。インフォームをディセーブルにするには、 no snmp-server host informs グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。特定のトラップ タイプをディセーブルにするには、 no snmp-server enable traps notification-types グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

エージェント コンタクトおよびロケーションの設定

SNMP エージェントのシステム コンタクトおよびロケーションを設定して、コンフィギュレーション ファイルからこれらの記述にアクセスできるようにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server contact text

システム コンタクト ストリングを設定します。

次に例を示します。

snmp-server contact Dial System Operator at beeper 21555 .

ステップ 3

snmp-server location text

システム ロケーション ストリングを設定します。

次に例を示します。

snmp-server location Building 3/Room 222

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

SNMP 経由で使用する TFTP サーバの制限

SNMP を経由してコンフィギュレーション ファイルの保存およびロードに使用する TFTP サーバを、アクセス リストに指定されたサーバに限定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server tftp-server-list access-list-number

SNMP を経由してコンフィギュレーション ファイルのコピーに使用する TFTP サーバを、アクセス リスト内のサーバに限定します。

access-list-number には、1 ~ 99 および 1300 ~ 1999 の範囲で標準の IP アクセス リスト番号を入力します。

ステップ 3

access-list access-list-number { deny | permit } source [ source-wildcard ]

標準アクセス リストを作成します。必要な回数だけこのコマンドを繰り返します。

access-list-number には、ステップ 2 で指定したアクセス リスト番号を入力します。

deny キーワードを指定すると、条件が一致した場合にアクセスが拒否されます。 permit キーワードを指定すると、条件が一致した場合にアクセスが許可されます。

source には、スイッチへのアクセスが許可された TFTP サーバの IP アドレスを入力します。

(任意) source-wildcard を指定する場合は、送信元に適用されるワイルドカード ビットをドット付き 10 進表記で入力します。無視するビット位置に 1 を配置します。

アクセス リストの末尾には、すべてに適用される暗黙の拒否ステートメントが常に存在することに注意してください。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

MIB のデータ収集と転送の設定

ここでは、MIB データ収集の基本的な設定について説明します。詳細については、次の URL にある『 Periodic MIB Data Collection and Transfer Mechanism 』の機能モジュールを参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1829/products_feature_guide09186a008014c77d.html

バルク統計情報オブジェクト リストとスキーマ オプションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server mib bulkstat object-list list-name

SNMP バルク統計情報オブジェクト リストを定義し、バルク統計情報オブジェクト リスト コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

add { object-name | oid }

MIB オブジェクトをバルク統計情報オブジェクト リストに追加します。

object-name には、リストに追加する MIB オブジェクト名を入力します。Interfaces MIB または Cisco Committed Access Rate MIB のオブジェクト名のみ入力できます。

oid には、リストに追加する MIB オブジェクトの OID を入力します。

オブジェクト リスト内のすべてのオブジェクトは、同じ MIB インデックス内に存在する必要がありますが、同じ MIB テーブルに属する必要はありません。監視するすべてのオブジェクトが追加されるまで、このコマンドを繰り返します。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

snmp-server mib bulkstat schema schema-name

SNMP バルク統計情報スキーマを指定し、バルク統計情報スキーマ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 6

object-list list-name

このスキーマに含めるバルク統計情報オブジェクト リストを指定します。スキーマごとにオブジェクトを 1 つのみ指定してください。複数の object-list コマンドが入力されると、最新のコマンドが以前のコマンドを上書きします。

ステップ 7

instance { exact | wild } { interface interface-id | oid oid }

このスキーマにおけるオブジェクトのインスタンス情報を指定します。スキーマごとに 1 つの instance コマンドのみを入力してください。複数の instance コマンドが入力されると、最新のコマンドが以前のコマンドを上書きします。

オブジェクト リストに追加された指定のインスタンスが完全な OID の場合、 exact を入力します。

指定 OID のすべてのサブインデックスがスキーマに属している場合、 wild を入力します。

インスタンス OID ではなくインターフェイス ID を指定する場合、 interface interface-id を入力します。

スキーマのインスタンス OID を指定する場合、 oid oid を入力します。

ステップ 8

poll interval interval

スキーマに指定されたオブジェクト インスタンスからのデータ収集の時間間隔を分単位で設定します。指定できる範囲は 1 ~ 20000 分で、デフォルト値は 5 分です。

ステップ 9

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 10

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、バルク統計情報オブジェクト リストとスキーマを設定する例を示します。

Switch(config)# snmp mib bulkstat object-list ifMIB
Switch(config-bulk-objects)# add 1.3.6.1.2.1.2.1.2.2.2.1.11
Switch(config-bulk-objects)# add ifName
Switch(config-bulk-objects)# exit
Switch(config)# snmp mib bulkstat schema testschema
Switch(config-bulk-sc)# object-list ifMIB
Switch(config-bulk-sc)# instance wild oil 1
Switch(config-bulk-sc)# poll-interval 1
Switch(config-bulk-sc)# exit
 

バルク統計情報の転送オプションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server mib bulkstat transfer transfer-id

名前で転送設定を特定し、バルク統計情報の転送コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

buffer-size bytes

(任意)バルク統計情報データ ファイルの最大サイズをバイト単位で指定します。指定できる範囲は 1024 ~ 2147483647 バイトです。デフォルトは 2048 バイトです。

ステップ 4

format { bulkBinary | bulkASCII | schemaASCII }

(任意)バルク統計情報データ ファイルの形式を指定します。デフォルトは schemaASCII です。

ステップ 5

schema schema-name

転送するバルク統計情報スキーマを指定します。必要なスキーマの数だけこのコマンドを繰り返します。1 つの転送設定に複数のスキーマを関連付けられます。

ステップ 6

transfer-interval minutes

(任意)転送前に、システムが MIB データを収集する時間を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 2147483647 分で、デフォルト値は 30 分です。転送間隔は収集間隔と同じです。

ステップ 7

url primary URL

バルク統計情報ファイルの転送先 NMS(ホスト)と、転送に使用するプロトコル(FTP、RCP、TFTP)を指定します。 url secondary コマンドを入力して、オプションでバックアップ用の転送先を指定することもできます。

ステップ 8

retry number

(任意)転送の再試行回数を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 100 です。デフォルト値は 0 です(再試行なし)。

ステップ 9

retain minutes

(任意)バルク統計情報ファイルをシステム メモリに保存する期間を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 20000 分で、デフォルト値は 0 分です(転送が成功すると、そのファイルはただちに削除されます)。

ステップ 10

enable

バルク統計情報のデータ収集を開始し、この設定プロセスを転送します。定期的な収集と転送を開始するには、このコマンドを入力する必要があります。

ステップ 11

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 12

show mib bulk transfer

設定を確認します。

ステップ 13

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

収集プロセスを停止するには、 no enable バルク統計情報転送コンフィギュレーション モード コマンドを入力します。収集プロセスを再開するには、 enable コマンドをもう一度入力します。 enable コマンドでプロセスを再開するたびに、データは新しいバルク統計情報ファイルに収集されます。

次に、バルク統計情報転送の設定と収集プロセスのイネーブル化の例を示します。

Switch(config)# snmp mib bulkstat transfer testtransfer
Switch(config-bulk-tr)# format schemaASCII
Switch(config-bulk-tr)# buffer-size 2147483647
Switch(config-bulk-tr)# schema testschema1
Switch(config-bulk-tr)# schema testschema2
Switch(config-bulk-tr)# transfer-interval 1
Switch(config-bulk-tr)# url primary tftp://host/folder/bulkstat1
Switch(config-bulk-tr)# retain 20
Switch(config-bulk-tr)# retry 2
Switch(config-bulk-tr)# enable
Switch(config-bulk-tr)# exit
 

設定済みの転送プロセスを表示するには、 show snmp mib bulk transfer 特権 EXEC コマンドを入力します。

Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルの設定

Cisco IOS Release 12.2(37)SE 以降のリリースでは、CLI を使用して Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルを設定できます。


) Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルの設定コマンドについては、次の URL にある『Cisco IOS Commands Master List』Release 12.4 を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6350/products_product_indices_list.html


CPU しきい値テーブルを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を行います。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

process cpu statistics limit entry-percentage number [ size seconds ]

CPU 使用率統計情報に関するプロセスのエントリ制限と履歴テーブルのサイズを設定します。

entry-percentage number には、プロセスが履歴テーブル用に使用する必要がある CPU 使用率のパーセント(1 ~ 100)を入力します。

(任意) size seconds には、履歴テーブルに格納される CPU 統計情報の期間を秒単位で設定します。指定できる範囲は 5 ~ 86400 秒で、デフォルトは 600 秒です。

ステップ 3

process cpu threshold type { total | process | interrupt } rising percentage interval seconds [ falling percentage interval seconds ]

CPU しきい値の通知タイプと値を設定します。

threshold type に、CPU の total 使用率、CPU process の使用率、または CPU intercept 使用率を設定します。

rising percentage には、CPU リソースのパーセンテージ(1 ~ 100)を入力します。このパーセンテージを超えると CPU しきい値の通知がトリガーされます。

interval seconds には、CPU しきい値違反の期間を秒単位(5 ~ 86400)で入力します。指定した期間に達した場合、CPU しきい値の通知がトリガーされます。デフォルト値は 5 秒です。

(任意) falling percentage interval seconds は、設定した期間で使用率がこのレベルより低くなった場合に CPU しきい値の通知をトリガーする場合の値を設定します。パーセントは、rising percentage 以下にする必要があります。デフォルトでは、falling percentage と rising percentage の値は同じです。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

SNMP の例

次に、SNMP のすべてのバージョンをイネーブルにする例を示します。この設定では、コミュニティ ストリング public を使用してすべてのオブジェクトに読み取り専用権限でアクセスするように SNMP マネージャを許可します。この設定により、スイッチがトラップを送信することはありません。

Switch(config)# snmp-server community public
 

次に、コミュニティ ストリング public を使用してすべてのオブジェクトに読み取り専用権限でアクセスするように SNMP マネージャを許可する例を示します。このスイッチは、SNMPv1 を使用してホスト 192.180.1.111 および 192.180.1.33 に、SNMPv2C を使用してホスト 192.180.1.27 に、それぞれ VTP トラップを送信します。コミュニティ ストリング public がトラップとともに送信されます。

Switch(config)# snmp-server community public
Switch(config)# snmp-server enable traps vtp
Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.27 version 2c public
Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.111 version 1 public
Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.33 public
 

次に、コミュニティ ストリング comaccess を使用するアクセス リスト 4 のメンバーに、すべてのオブジェクトへの読み取り専用アクセス権を許可する例を示します。その他の SNMP マネージャは、オブジェクトへのアクセス権がありません。コミュニティ ストリング public を使用し、SNMPv2C によって SNMP 認証失敗トラップがホスト cisco.com に送信されます。

Switch(config)# snmp-server community comaccess ro 4
Switch(config)# snmp-server enable traps snmp authentication
Switch(config)# snmp-server host cisco.com version 2c public
 

次に、エンティティ MIB トラップをホスト cisco.com に送信する例を示します。コミュニティ ストリングは制限されています。スイッチは最初の行により、すでにイネーブルになっているトラップ以外にエンティティ MIB トラップの送信もイネーブルになります。2 行めはこれらのトラップの宛先を指定し、ホスト cisco.com に対する以前の snmp-server host コマンドを無効にします。

Switch(config)# snmp-server enable traps entity
Switch(config)# snmp-server host cisco.com restricted entity
 

次に、スイッチがコミュニティ ストリング public を使用し、すべてのトラップをホスト myhost.cisco.com に送信できるように設定する例を示します。

Switch(config)# snmp-server enable traps
Switch(config)# snmp-server host myhost.cisco.com public
 

次に、ユーザをリモート ホストに関連付け、ユーザがグローバル コンフィギュレーション モードを開始したときに auth (authNoPriv)認証レベル インフォームを送信する例を示します。

Switch(config)# snmp-server engineID remote 192.180.1.27 00000063000100a1c0b4011b

Switch(config)# snmp-server group authgroup v3 auth

Switch(config)# snmp-server user authuser authgroup remote 192.180.1.27 v3 auth md5 mypassword

Switch(config)# snmp-server user authuser authgroup v3 auth md5 mypassword

Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.27 informs version 3 auth authuser config

Switch(config)# snmp-server enable traps

Switch(config)# snmp-server inform retries 0

 

次に、SNMP の通知をイネーブルにして、定期的な MIB データ収集と転送メカニズム(バルク統計情報)の転送ステータスに関する情報を入手する例を示します。

Switch(config)# snmp-server enable traps bulkstat
Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.27 informs version 2 public bulkstat
 

次に、SNMP の通知をイネーブルにして、Cisco Process MIB CPU しきい値テーブルの情報を入手する例を示します。

Switch(config)# snmp-server enable traps cpu threshold
Switch(config)# snmp-server host 192.180.1.27 informs version 2 public cpu

SNMP ステータスの表示

違法なコミュニティ ストリング エントリ、エラー、および要求された変数を含む、SNMP 入出力の統計情報を表示するには、 show snmp 特権 EXEC コマンドを使用します。 表31-6 に示されたその他の特権 EXEC コマンドを使用して、SNMP 情報を表示することもできます。この出力表示内のフィールドについては、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』 Release 12.2 を参照してください。

 

表31-6 SNMP 情報表示用のコマンド

機能
デフォルト設定

show snmp

SNMP の統計情報を表示します。

show snmp engineID [ local | remote ]

デバイス上に設定されているローカル SNMP エンジンおよびすべてのリモート エンジンに関する情報を表示します。

show snmp group

ネットワーク上の各 SNMP グループに関する情報を表示します。

show snmp mib bulk transfer

定期的な MIB データ収集と転送メカニズム(バルク統計情報機能)によって生成されたファイルの転送ステータスを表示します。

show snmp pending

ペンディング SNMP 要求に関する情報を表示します。

show snmp sessions

現在の SNMP セッションに関する情報を表示します。

show snmp user

SNMP ユーザ テーブル内の各 SNMP ユーザ名に関する情報を表示します。