Catalyst 3750 Metro スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(37)SE
IGMP スヌーピングおよび MVR の設定
IGMP スヌーピングおよび MVR の設定
発行日;2012/01/07 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 9MB) | フィードバック

目次

IGMP スヌーピングおよび MVR の設定

IGMP スヌーピングの概要

IGMP バージョン

マルチキャスト グループへの加入

マルチキャスト グループからの脱退

即時脱退

IGMP レポート抑制

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングのデフォルト設定

IGMP スヌーピングのイネーブル化またはディセーブル化

スヌーピング方式の設定

マルチキャスト ルータ ポートの設定

グループに加入するホストのスタティックな設定

IGMP 即時脱退のイネーブル化

IGMP スヌーピング クエリアの設定

IGMP レポート抑制のディセーブル化

IGMP スヌーピング情報の表示

MVR の概要

マルチキャスト TV アプリケーションでの MVR の使用方法

MVR の設定

MVR のデフォルト設定

MVR 設定時の注意事項および制限事項

MVR グローバル パラメータの設定

アクセス ポートでの MVR の設定

トランク ポートでの MVR の設定

MVR 情報の表示

IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定

IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定

IGMP プロファイルの設定

IGMP プロファイルの適用

IGMP グループの最大数の設定

IGMP スロットリング アクションの設定

IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定

IGMP スヌーピングおよび MVR の設定

この章では、ローカル Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングのアプリケーションである Multicast VLAN Registration(MVR)など、Catalyst 3750 Metro スイッチに IGMP スヌーピングを設定する方法について説明します。また、IGMP フィルタリングを使用してマルチキャスト グループ メンバーシップを制御する手順についても説明します。


) ここで使用されるコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチ コマンド リファレンスおよび『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 3 of 3:Multicast』 Release 12.2 の「IP Multicast Routing Commands」を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「IGMP スヌーピングの概要」

「IGMP スヌーピングの設定」

「IGMP スヌーピング情報の表示」

「MVR の概要」

「MVR の設定」

「MVR 情報の表示」

「IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定」

「IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定」


) IGMP スヌーピングや MVR などの機能を利用して IP マルチキャスト グループ アドレスを管理したり、スタティック IP アドレスを使用したりすることができます。


IGMP スヌーピングの概要

レイヤ 2 スイッチは、IGMP スヌーピングを使用して、レイヤ 2 インターフェイスをダイナミックに設定することにより、マルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制するため、マルチキャスト トラフィックが IP マルチキャスト デバイスに対応付けられたインターフェイスにのみ転送されます。名前が示すとおり、IGMP スヌーピングでは、LAN スイッチはホストとルータの間で IGMP 伝送をスヌーピングし、マルチキャスト グループとメンバー ポートを追跡する必要があります。スイッチは、特定のマルチキャスト グループのホストから IGMP レポートを受け取ると、転送テーブル エントリにホストのポート番号を追加します。また、ホストから IGMP Leave Group メッセージを受け取ると、テーブル エントリからホスト ポートを削除します。また、マルチキャスト クライアントから IGMP メンバーシップ レポートを受信しない場合、定期的にエントリの削除も行います。


) IP マルチキャストおよび IGMP の詳細については、RFC 1112 および RFC 2236 を参照してください。


マルチキャスト ルータ(Catalyst 3750 Metro スイッチを含む)は、すべての VLAN に定期的に一般クエリーを送出します。このマルチキャスト トラフィックを必要とするすべてのホストは、Join 要求を送信し、これによって転送テーブルのエントリに追加されます。IGMP Join 要求の送信元である各グループについて、IGMP スヌーピング IP マルチキャスト転送テーブルの VLAN ごとに 1 つのエントリが作成されます。

スイッチは、MAC アドレスベース グループでなく、IP マルチキャスト グループベースのブリッジングをサポートします。マルチキャスト MAC アドレスベース グループが設定されている場合に、設定中の IP アドレスが設定済みの MAC アドレス、または予約済みマルチキャスト MAC アドレス(224.0.0.xxx の範囲)に変換されると(エイリアスが作成されると)、コマンド エラーになります。スイッチでは IP マルチキャスト グループが使用されるため、アドレスのエイリアスに関する問題は発生しません。

IGMP スヌーピングを通じて学習する IP マルチキャスト グループは、ダイナミックです。ただし、 ip igmp snooping vlan vlan-id static ip_address interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、マルチキャスト グループをスタティックに設定することができます。マルチキャスト グループ アドレスのグループ メンバーシップをスタティックに設定すると、その設定は IGMP スヌーピングによるどの自動操作よりも優先されます。マルチキャスト グループ メンバーシップのリストは、ユーザ側で定義した設定と IGMP スヌーピングにより学習された設定の両方で構成されます。

マルチキャスト インターフェイスのないサブネットでの IGMP スヌーピングをサポートするよう、IGMP スヌーピング クエリアを設定することができます。これは、マルチキャスト トラフィックはルーティングする必要がないためです。IGMP スヌーピング クエリアの詳細については、「IGMP スヌーピング クエリアの設定」を参照してください。

ポート スパニングツリー、ポート グループ、または VLAN ID が変更された場合、VLAN 上のこのポートから IGMP スヌーピングで学習されたマルチキャスト グループは削除されます。

ここでは、スイッチの IGMP スヌーピングに関する特性について説明します。

「IGMP バージョン」

「マルチキャスト グループへの加入」

「マルチキャスト グループからの脱退」

「即時脱退」

IGMP バージョン

スイッチは、IGMP バージョン 1、IGMP バージョン 2、および IGMP バージョン 3 をサポートしています。これらのバージョンはスイッチ上で相互運用できます。たとえば、IGMP スヌーピングが IGMPv2 スイッチ上でイネーブルであり、スイッチがホストから IGMPv3 レポートを受信した場合、スイッチは IGMPv3 レポートをマルチキャスト ルータに転送できます。


) スイッチは、宛先マルチキャスト MAC アドレスのみに基づいて、IGMPv3 スヌーピングをサポートします。送信元 MAC アドレスまたはプロキシ レポートに基づいてスヌーピングをサポートすることはありません。


IGMPv3 スイッチは、Basic IGMPv3 Snooping Support(BISS)をサポートします。このサポートには IGMPv1 および IGMPv2 スイッチでのスヌーピング機能のサポートおよび IGMPv3 メンバーシップ レポート メッセージのサポートが含まれます。BISS は、ネットワークに IGMPv3 ホストが含まれる場合のマルチキャスト トラフィックのフラッディングを抑制します。IGMPv2 または IGMPv1 ホストでの IGMP スヌーピング機能とほぼ同数までポートへのトラフィックを抑制します。


) IGMPv3 Join および Leave メッセージは、IGMP フィルタリングまたは MVR を実行しているスイッチではサポートされません。


IGMPv3 スイッチは、Source Specific Multicast(SSM)機能を実行しているデバイスからのメッセージを受信したり、そのデバイスにメッセージを転送したりすることができます。IGMPv3 と IGMP の SSM の詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/sw/iosswrel/ps1834/products_feature_guide09186a008008048a. html

マルチキャスト グループへの加入

スイッチに接続されたホストが IP マルチキャスト グループに加入しようとする場合、このホストが IGMP バージョン 2 クライアントであれば、加入する IGMP マルチキャスト グループを指定して、非送信請求の IGMP Join メッセージを送信します。また、スイッチはルータから一般クエリーを受信すると、VLAN 内のすべてのポートにそのクエリーを転送します。マルチキャスト グループに加入しようとする IGMP バージョン 1 またはバージョン 2 ホストは、スイッチに Join メッセージを送信して応答します。スイッチの CPU は、グループのマルチキャスト転送テーブル エントリがまだ作成されていないと、これを作成します。また、Join メッセージを受信したインターフェイスの転送テーブル エントリへの追加も行います。そのインターフェイスに関連付けられているホストは、マルチキャスト グループのマルチキャスト トラフィックを受信します。図23-1 を参照してください。

図23-1 最初の IGMP Join メッセージ

 

ルータ A がスイッチに一般クエリーを送信し、スイッチがそのクエリーを同じ VLAN のすべてのメンバーであるポート 2 ~ 5 に転送します。ホスト 1 はマルチキャスト グループ 224.1.2.3 に加入して、このグループに IGMP メンバーシップ レポート(IGMP Join メッセージ)をマルチキャストしようとします。CPU は、ホスト 1 からマルチキャストされた IGMP レポートを受信すると、IGMP レポート内のその情報を使用して、ホスト 1 およびルータに接続されたポート番号を含む転送テーブル エントリを設定します( 表23-1 を参照)。

 

表23-1 IGMP スヌーピング転送テーブル

宛先アドレス
パケット タイプ
ポート

224.1.2.3

IGMP

1、2

スイッチのハードウェアは、IGMP 情報パケットをマルチキャスト グループの他のパケットと区別できます。テーブル内の情報は、224.1.2.3 マルチキャスト IP アドレス宛の、IGMP パケットではないフレームを、ルータおよびグループに加入しているホストに送信するよう、スイッチング エンジンに指示します。

別のホスト(たとえばホスト 4)が同じグループに非送信請求の IGMP Join メッセージを送信する場合(図23-2を参照)、CPU はメッセージを受信して、転送テーブルにホスト 4 のポート番号を追加します( 表23-2 を参照)。転送テーブルは CPU に対してのみ IGMP メッセージを送るため、メッセージはスイッチの他のポートにはフラッディングしないことに注意してください。既知のマルチキャスト トラフィックはグループには転送されますが、CPU には転送されません。

図23-2 2 番めのホストのマルチキャスト グループへの加入

 

 

表23-2 アップデートされた IGMP スヌーピング転送テーブル

宛先アドレス
パケット タイプ
ポート

224.1.2.3

IGMP

1、2、5

マルチキャスト グループからの脱退

ルータは定期的にマルチキャスト一般クエリーを送信し、スイッチはこのクエリーを VLAN のすべてのポートを通じて転送します。このクエリーを必要とするホストがこれに応答します。VLAN の 1 つまたは複数のホストがマルチキャスト トラフィックを必要とする場合は、ルータは VLAN にマルチキャスト トラフィックを転送し続けます。スイッチがマルチキャスト グループ トラフィックを転送するのは、IGMP スヌーピングによって維持されている、IP マルチキャスト グループの転送テーブルにリストされているホストに限られます。

ホストは、マルチキャスト グループを脱退する場合、メッセージを送信せずに脱退することも、Leave メッセージを送信することもできます。スイッチは、ホストから Leave メッセージを受信すると、グループ固有のクエリーを送出して、そのインターフェイスに接続しているその他のデバイスに、特定のマルチキャスト グループのトラフィックを必要としているものがあるかどうかを調べます。次に、その MAC グループの転送テーブルをアップデートして、そのグループのマルチキャスト トラフィックを必要とするホストのみが転送テーブルにリストされるようにします。ルータは、VLAN からのレポートを受信しなかった場合は、IGMP キャッシュからその VLAN のグループを削除します。

即時脱退

即時脱退は、IGMP バージョン 2 のホストについてのみサポートされます。

IGMP スヌーピングの即時脱退(immediate-leave)処理を使用すると、スイッチは、グループ固有のクエリーをインターフェイスに送信することなく、転送テーブルから Leave メッセージを送信したインターフェイスを削除できます。VLAN インターフェイスは、最初の Leave メッセージで指定されたマルチキャスト グループのマルチキャスト ツリーから削除されます。即時脱退処理によって、複数のマルチキャスト グループを同時に使用する場合でも、スイッチド ネットワーク上のすべてのホストに対して最適な帯域幅管理を行うことができます。


) 即時脱退処理機能は、各ポートに 1 つのホストが接続された VLAN 上でのみ使用してください。ポートに複数のホストが接続されている VLAN 上で即時脱退をイネーブルにすると、一部のホストが誤って廃棄される可能性があります。


設定手順の詳細については、「IGMP 即時脱退のイネーブル化」を参照してください。

IGMP レポート抑制


) IGMP レポート抑制は、マルチキャスト クエリーに IGMPv1 および IGMPv2 レポートがある場合にのみサポートされます。この機能は、クエリーに IGMPv3 レポートが含まれている場合はサポートされません。


スイッチは IGMP レポート抑制を使用して、マルチキャスト ルータ クエリーあたり 1 つの IGMP レポートのみをマルチキャスト デバイスに転送します。IGMP ルータの抑制がイネーブル(デフォルト)になっている場合、スイッチは、グループのすべてのホスト ブレード サーバからの最初の IGMP レポートをすべてのマルチキャスト ルータに送信します。スイッチは、グループの残りの IGMP レポートをマルチキャスト ルータには送信しません。これは、マルチキャスト デバイスに重複レポートが送信されないようにする機能です。

マルチキャスト ルータ クエリーに IGMPv1 および IGMPv2 レポートに対する要求のみが含まれる場合、スイッチは、グループのすべてのホスト ブレード サーバからの最初の IGMPv1 または IGMPv2 レポートのみをすべてのマルチキャスト ルータに転送します。

マルチキャスト ルータ クエリーにも IGMPv3 レポートへの要求が含まれている場合、スイッチはグループのすべての IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 レポートをマルチキャスト デバイスに転送します。

IGMP レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートがマルチキャスト ルータに転送されます。設定手順の詳細については、「IGMP レポート抑制のディセーブル化」を参照してください。

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングを使用すると、スイッチは、IGMP パケットを調べたり、その内容に基づいて転送を判断したりすることができるようになります。

ここでは、IGMP スヌーピングを設定する方法について説明します。

「IGMP スヌーピングのデフォルト設定」

「IGMP スヌーピングのイネーブル化またはディセーブル化」

「スヌーピング方式の設定」

「マルチキャスト ルータ ポートの設定」

「グループに加入するホストのスタティックな設定」

「IGMP 即時脱退のイネーブル化」

「IGMP スヌーピング クエリアの設定」

「IGMP レポート抑制のディセーブル化」

IGMP スヌーピングのデフォルト設定

表23-3 に、IGMP スヌーピングのデフォルト設定を示します。

 

表23-3 IGMP スヌーピングのデフォルト設定

機能
デフォルト設定

IGMP スヌーピング

グローバルおよび VLAN 単位でイネーブル

マルチキャスト ルータ

設定なし

マルチキャスト ルータの学習(スヌーピング)方式

PIM-DVMRP

IGMP スヌーピング即時脱退

ディセーブル

スタティック グループ

設定なし

IGMP スヌーピング クエリア

ディセーブル

IGMP レポートの抑制

イネーブル

IGMP スヌーピングのイネーブル化またはディセーブル化

デフォルトでは、IGMP スヌーピングはスイッチ上でグローバルにイネーブルです。グローバルにイネーブルまたはディセーブルに設定されていると、既存のすべての VLAN インターフェイスでもイネーブルまたはディセーブルになっています。IGMP スヌーピングは、デフォルトですべての VLAN でイネーブルになっていますが、VLAN 単位でイネーブルおよびディセーブルに設定することもできます。

グローバル IGMP スヌーピングは、VLAN IGMP スヌーピングに優先します。グローバル スヌーピングがディセーブルになっている場合は、VLAN スヌーピングをイネーブルにできません。グローバル スヌーピングがイネーブルの場合、VLAN スヌーピングはイネーブルまたはディセーブルのどちらにも設定できます。

スイッチ上で IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping

既存のすべての VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

すべての VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブルにするには、 no ip igmp snooping グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id

VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングをイネーブルにします。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。


) VLAN スヌーピングをイネーブルにする前に、IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにする必要があります。


ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングをディセーブルにするには、指定した VLAN 番号について no ip igmp snooping vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

スヌーピング方式の設定

マルチキャスト対応ルータ ポートは、すべてのレイヤ 2 マルチキャスト エントリごとに転送テーブルに追加されます。スイッチは、次のいずれか 1 つの方式でそれらのポートを学習します。

IGMP クエリー、Protocol-Independent Multicast(PIM)パケット、Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP)パケットに対するスヌーピング

他のルータからの Cisco Group Management Protocol(CGMP)パケットの待ち受け

ip igmp snooping mrouter グローバル コンフィギュレーション コマンドによるマルチキャスト ルータ ポートへのスタティックな接続

IGMP クエリーおよび PIM/DVMRP パケットをスヌーピングするように、あるいは CGMP self-join または proxy-join パケットの待ち受けを行うようにスイッチを設定できます。デフォルトでは、スイッチはすべての VLAN の PIM/DVMRP パケットをスヌーピングします。CGMP パケットからのみマルチキャスト ルータ ポートを学習させるには、 ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn cgmp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。このコマンドを入力すると、ルータは CGMP self-join または proxy-join パケットのみを待ち受け、その他の CGMP パケットは待ち受けません。PIM/DVMRP パケットからのみマルチキャスト ルータ ポートを学習させるには、 ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn pim-dvmrp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。


) 学習方式として CGMP を使用し、VLAN 内のマルチキャスト ルータを CGMP プロキシ対応にしない場合、ダイナミックにルータにアクセスするには ip cgmp router-only コマンドを実行する必要があります。詳細については、第39章「IP マルチキャスト ルーティングの設定」を参照してください。


VLAN インターフェイスがダイナミックにマルチキャストルータにアクセスする方法を変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn { cgmp | pim-dvmrp }

VLAN 上で IGMP スヌーピングをイネーブルにします。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

マルチキャスト ルータの学習方式を指定します。

cgmp ― CGMP パケットを待ち受けます。この方式は制御トラフィックの削減に便利です。

pim-dvmrp ― IGMP クエリーおよび PIM/DVMRP パケットをスヌーピングします。これはデフォルト設定です。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping

設定を確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトの学習方式に戻すには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn cgmp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、学習方式として CGMP パケットを使用するように IGMP スヌーピングを設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 1 mrouter learn cgmp
Switch(config)# end

マルチキャスト ルータ ポートの設定

マルチキャスト ルータ ポートを追加する(マルチキャスト ルータにスタティック接続を追加する)には、スイッチ上で ip igmp snooping vlan mrouter グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。


) マルチキャスト ルータへのスタティック接続は、スイッチ ポートに限り、サポートされます。


マルチキャスト ルータへのスタティック接続をイネーブルに設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter interface interface-id

マルチキャスト ルータの VLAN ID を指定し、そのマルチキャスト ルータに対するインターフェイスを指定します。

指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

インターフェイスは物理インターフェイスまたはポート チャネルに設定できます。指定できるポート チャネルは 1 ~ 12 です。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping mrouter [ vlan vlan-id ]

VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピングがイネーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN からマルチキャスト ルータ ポートを削除するには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、マルチキャスト ルータへのスタティック接続をイネーブルに設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 200 mrouter interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config)# end

グループに加入するホストのスタティックな設定

ホストまたはレイヤ 2 ポートは、通常はマルチキャスト グループにダイナミックに加入しますが、インターフェイスでホストをスタティックに設定することもできます。

マルチキャスト グループのメンバーとしてレイヤ 2 ポートを追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id static ip_address interface interface-id

マルチキャスト グループのメンバーとしてレイヤ 2 ポートをスタティックに設定します。

vlan-id は、マルチキャスト グループ VLAN ID です。指定できる範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

ip-address は、グループ IP アドレスです。

interface-id は、メンバー ポートです。物理インターフェイスまたはポート チャネル(1 ~ 12)に設定できます。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping groups

メンバー ポートおよび IP アドレスを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

マルチキャスト グループからレイヤ 2 ポートを削除するには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id static mac-address interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、インターフェイスでホストをスタティックに設定する例を示します。

Switch# configure terminal

Switch(config)# ip igmp snooping vlan 105 static 224.2.4.12 interface gigabitethernet1/0/1

Switch(config)# end

IGMP 即時脱退のイネーブル化

IGMP 即時脱退をイネーブルにすると、スイッチは、ポートで IGMP バージョン 2 Leave メッセージを検出して、そのポートを削除します。即時脱退処理機能は、VLAN の各ポートごとにレシーバーが 1 つ存在する場合にのみ使用してください。


) 即時脱退は、IGMP バージョン 2 のホストについてのみサポートされます。


IGMP 即時脱退をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id immediate-leave

VLAN インターフェイス上で IGMP 即時脱退をイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping vlan vlan-id

VLAN 上で IGMP 即時脱退がイネーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN 上で IGMP 即時脱退をディセーブルにするには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id immediate-leave グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、VLAN 130 で IGMP 即時脱退をイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 130 immediate-leave
Switch(config)# end

IGMP スヌーピング クエリアの設定

IGMP スヌーピング クエリアを設定するときは、次の注意事項に従ってください。

グローバル コンフィギュレーション モードで VLAN を設定します。

VLAN インターフェイスで IP アドレスを設定します。イネーブルになると、IGMP スヌーピング クエリアは、クエリー送信元アドレスとしてクエリー IP アドレスを使用します。

VLAN インターフェイスに IP アドレスが設定されていない場合、IGMP スヌーピング クエリアは、IGMP クエリアの設定済みグローバル IP アドレスを使用しようとします。グローバル IP アドレスが指定されていない場合、IGMP クエリアは VLAN Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)IP アドレス(存在する場合)を使用しようとします。SVI IP アドレスがない場合、スイッチは、スイッチで設定されている最初の使用可能な IP アドレスを使用します。最初の使用可能な IP アドレスは、 show ip interface 特権 EXEC コマンドの出力に表示されます。IGMP スヌーピング クエリアは、スイッチで使用可能な IP アドレスが見つからない場合でも、IGMP 一般クエリーを生成しません。

IGMP スヌーピング クエリアは、IGMP バージョン 1 および 2 をサポートしています。

管理上でイネーブルのときに、IGMP スヌーピング クエリアは、ネットワークにマルチキャスト ルータの存在を検出した場合に非クエリア ステートに移行します。

管理上でイネーブルのときに、IGMP スヌーピング クエリアは、次の条件に該当する場合に操作上のディセーブル ステートに移行します。

IGMP スヌーピングが VLAN でディセーブルである。

PIM が、該当する VLAN の SVI でイネーブルである。

VLAN で IGMP スヌーピング クエリアをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping querier

IGMP スヌーピング クエリアをイネーブルにします。

ステップ 3

ip igmp snooping querier address ip_address

(任意)IGMP スヌーピング クエリアの IP アドレスを指定します。IP アドレスを指定しない場合、クエリアは、IGMP クエリアに設定されたグローバル IP アドレスを使用しようとします。


) IGMP スヌーピング クエリアは、スイッチで IP アドレスが見つからない場合でも、IGMP 一般クエリーを生成しません。


ステップ 4

ip igmp snooping querier query-interval interval-count

(任意)IGMP クエリア間の間隔を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 18000 秒です。

ステップ 5

ip igmp snooping querier tcn query [ count count | interval interval ]

(任意)Topology Change Notification(TCN; トポロジ変更通知)クエリー間の時間を設定します。指定できるクエリー数の範囲は 1 ~ 10 で、間隔の範囲は 1 ~ 255 秒です。

ステップ 6

ip igmp snooping querier timer expiry timeout

(任意)IGMP クエリアの存続時間を設定します。指定できる範囲は 60 ~ 300 秒です。

ステップ 7

ip igmp snooping querier version version

(任意)クエリア機能が使用する IGMP のバージョン番号を選択します。1 または 2 を選択します。

ステップ 8

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show ip igmp snooping vlan vlan-id

(任意)VLAN インターフェイスで IGMP スヌーピング クエリアがイネーブルになっていることを確認します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

ステップ 10

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、IGMP スヌーピング クエリアの送信元アドレスを 10.0.0.64 に設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping querier 10.0.0.64
Switch(config)# end
 

次に、IGMP スヌーピング クエリアの最大応答時間を 25 秒に設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping querier query-interval 25
Switch(config)# end
 

次に、IGMP スヌーピング クエリアのタイムアウトを 60 秒に設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping querier timeout expiry 60
Switch(config)# end
 

次に、IGMP スヌーピング クエリア機能をバージョン 2 に設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# no ip igmp snooping querier version 2
Switch(config)# end

IGMP レポート抑制のディセーブル化


) IGMP レポート抑制は、マルチキャスト クエリーに IGMPv1 および IGMPv2 レポートがある場合にのみサポートされます。この機能は、クエリーに IGMPv3 レポートが含まれている場合はサポートされません。


IGMP レポート抑制は、デフォルトではイネーブルになっています。イネーブルになっている場合、スイッチはマルチキャスト ルータ クエリーあたり 1 つの IGMP レポートのみを転送します。レポート抑制がディセーブルになっているときは、すべての IGMP レポートがマルチキャスト ルータに転送されます。

IGMP レポート抑制をディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no ip igmp snooping report-suppression

IGMP レポート抑制をディセーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping

IGMP レポート抑制がディセーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IGMP レポート抑制を再度イネーブルにするには、 ip igmp snooping report-suppression グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IGMP スヌーピング情報の表示

ダイナミックに学習された、またはスタティックに設定されたルータ ポートおよび VLAN インターフェイスの IGMP スヌーピング情報を表示できます。IGMP スヌーピング用に設定した VLAN の MAC アドレス マルチキャスト エントリも表示できます。

IGMP スヌーピング情報を表示するには、 表23-4 に示す、1 つまたは複数の特権 EXEC コマンドを使用します。

 

表23-4 IGMP スヌーピング情報表示用のコマンド

コマンド
説明

show ip igmp snooping [ vlan vlan-id ]

スイッチのすべての VLAN または指定された VLAN のスヌーピング設定情報を表示します。

(任意)単一の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を使用します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

show ip igmp snooping groups [ count | dynamic [ count ] | user [ count ]]

スイッチまたは特定のパラメータに関するマルチキャスト テーブル情報を表示します。

count ― 実際のエントリではなく、指定されたコマンド オプションに対するエントリの総数を表示します。

dynamic ― IGMP スヌーピングを通して学習されたエントリを表示します。

user ― ユーザが設定したマルチキャスト エントリのみを表示します。

show ip igmp snooping groups vlan vlan-id
[ ip_address | count | dynamic [ count ] | user [ count ]]

マルチキャスト VLAN または VLAN の特定のパラメータに関するマルチキャスト テーブル情報を表示します。

vlan-id ― 指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

count ― 実際のエントリではなく、指定されたコマンド オプションに対するエントリの総数を表示します。

dynamic ― IGMP スヌーピングを通して学習されたエントリを表示します。

ip_address ― 指定されたグループ IP アドレスを持つマルチキャスト グループの特性を表示します。

user ― ユーザが設定したマルチキャスト エントリのみを表示します。

show ip igmp snooping mrouter [ vlan vlan-id ]

ダイナミックに学習された、または手動で設定されたマルチキャスト ルータ インターフェイスに関する情報を表示します。


) IGMP スヌーピングをイネーブルにすると、スイッチはマルチキャスト ルータの接続先であるインターフェイスを自動的に学習します。これらはダイナミックに学習されるインターフェイスです。


(任意)単一の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を使用します。

show ip igmp snooping querier [ vlan vlan-id ]

VLAN で最新の受信 IGMP クエリー メッセージの受信ポートおよび IP アドレスに関する情報を表示します。

(任意)単一の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を使用します。

show ip igmp snooping querier [ vlan vlan-id ] detail

VLAN で最新の受信 IGMP クエリー メッセージの受信ポートおよび IP アドレス、および VLAN の IGMP スヌーピング クエリアの設定および動作ステートに関する情報を表示します。

これらのコマンドのキーワードおよびオプションの詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。

MVR の概要

MVR は、イーサネット リングベースのサービス プロバイダー ネットワークで、マルチキャスト トラフィックを広範囲に配信するアプリケーション(サービス プロバイダー ネットワークでの複数の TV チャネルのブロードキャストなど)用に設計された機能です。MVR により、ポート上の加入者は、ネットワーク全般のマルチキャスト VLAN のマルチキャスト ストリームに対して、加入または非加入を設定することができます。ネットワーク上で 1 つのマルチキャスト VLAN を共有しながら、加入者は異なる VLAN に存続できます。MVR を使用すると、マルチキャスト VLAN 内でマルチキャスト ストリームを継続的に送信しながら、帯域およびセキュリティを確保するために、加入者 VLAN からストリームを隔離することができます。

MVR では、加入者ポートが、IGMP Join または Leave メッセージを送信することによって、マルチキャスト ストリームへの加入または非加入(Join または Leave)を実行することを前提にしています。このメッセージは、イーサネット接続の IGMP バージョン 2 互換ホストから発信できます。MVR は IGMP スヌーピングの基本メカニズムで動作しますが、2 つの機能は相互に独立して動作します。それぞれ、もう一方の動作に影響を与えることなくイネーブルまたはディセーブルにできます。ただし、IGMP スヌーピングと MVR がともにイネーブルの場合は、MVR は、MVR 上で設定されたマルチキャスト グループからの Join および Leave メッセージに対してのみ反応します。残りすべてのマルチキャスト グループからの Join および Leave メッセージは、IGMP スヌーピングによって管理されます。

スイッチの CPU は、MVR IP マルチキャスト ストリームおよびスイッチ転送テーブル上の関連 IP マルチキャスト グループを識別し、IGMP メッセージを代行受信します。また、受信側が送信元とは別の VLAN にいる場合でも、マルチキャスト ストリームの受信側として加入者をテーブルに追加したり、テーブルから削除したりするように転送テーブルを書き換えます。この転送動作は、さまざまな VLAN 間で通信されるトラフィックを選択的に許可します。

スイッチの MVR 動作は、互換モードまたはダイナミック モードに設定できます。

互換モードの場合、MVR ホストによって受信されたマルチキャスト データは、ポートの MVR ホスト メンバーシップに関係なく、すべての MVR データ ポートに転送されます。マルチキャスト データは、IGMP レポートまたは MVR スタティック設定を使用して、MVR ホストが明示的に加入したレシーバー ポートにのみ転送されます。また、MVR ホストから受信された IGMP レポートは、スイッチに設定された MVP データ ポートからは転送されません。

ダイナミック モードの場合、スイッチ上の MVR ホストで受信されたマルチキャスト データは、IGMP レポートまたは MVR スタティック設定を使用して、MVR ホストが明示的に加入した MVR データ ポートおよびクライアント ポートからのみ転送されます。MVR ホストから着信した IGMP レポートは、スイッチ内のすべての MVR データ ポートからも転送されます。これにより、スイッチが互換モードで動作している場合と異なり、MVR データ ポート リンクで不要な帯域幅が使用されなくなります。

MVR に参加するのは、レイヤ 2 ポートのみです。ポートは MVR レシーバー ポートとして設定する必要があります。各スイッチでサポートされる MVR マルチキャスト VLAN は、1 つのみです。

マルチキャスト TV アプリケーションでの MVR の使用方法

マルチキャスト TV アプリケーションでは、PC またはセットトップ ボックスを装備した TV で、マルチキャスト ストリームを受信することができます。複数のセットトップ ボックスまたは複数の PC は、MVR のレシーバー ポートとして設定されたスイッチ ポートである、1 つの加入者ポートに接続できます。図23-3に設定例を示します。セットトップ ボックスまたは PC には、DHCP によって IP アドレスが割り当てられます。加入者がチャネルを選択すると、対応するマルチキャストに加入するために、セットトップ ボックスまたは PC からスイッチ A に対して IGMP レポートが送信されます。IGMP レポートが、設定済みの IP マルチキャスト グループ アドレスの 1 つと一致すると、スイッチの CPU は、ハードウェアのアドレス テーブルを変更し、指定されたマルチキャスト ストリームをマルチキャスト VLAN から受信した場合にそのマルチキャスト ストリームを転送する宛先として、このレシーバー ポートと VLAN をアドレス テーブルに追加します。マルチキャスト VLAN との間でマルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートを、MVR 送信元ポートと呼びます。

図23-3 MVR の例

 

加入者がチャネルを変更するか、TV をオフにすると、セットトップ ボックスからマルチキャスト ストリームの IGMP Leave メッセージが送信されます。スイッチの CPU は、レシーバー ポートの VLAN を介して、MAC ベースの一般クエリーを送信します。VLAN 内に、このグループに加入している他のセットトップ ボックスがある場合は、そのセットトップ ボックスはクエリーで指定された最大応答時間内に応答する必要があります。応答を受信しない場合、CPU はこのグループの転送宛先からレシーバー ポートを除外します。

即時脱退機能がイネーブルになっていない場合、スイッチは、レシーバー ポートの加入者から IGMP Leave メッセージを受信すると、そのポートに IGMP クエリーを送信して IGMP グループ メンバーシップ レポートを待ちます。設定された時間内にレポートを受信しなかった場合は、マルチキャスト グループ メンバーシップからレシーバー ポートが削除されます。即時脱退機能を使用する場合、IGMP クエリーは、IGMP Leave メッセージを受信したレシーバー ポートから送信されません。Leave メッセージを受信するとただちに、レシーバー ポートがマルチキャスト グループ メンバーシップから削除されるため、脱退遅延時間が短縮されます。即時脱退機能は、1 つの受信デバイスを接続したレシーバー ポートでのみイネーブルにしてください。

MVR では、各 VLAN の複数の加入者に対して TV チャネルのマルチキャスト トラフィックを重複して送信する必要がありません。すべてのチャネルに対するマルチキャスト トラフィックが、VLAN トランクで 1 回だけ送信されます(マルチキャスト VLAN 上のみ)。IGMP Leave および Join メッセージは、加入者ポートが割り当てられている VLAN 内で送信されます。これらのメッセージによって、レイヤ 3 デバイス上でマルチキャスト VLAN のマルチキャスト トラフィック ストリームが、ダイナミックに登録されます。アクセス レイヤ スイッチ(スイッチ A)は、マルチキャスト VLAN から別の VLAN 上の加入者ポートにトラフィックが転送されるように転送動作を変更し、2 つの VLAN 間で伝送されるトラフィックを選択的に許可します。

IGMP レポートは、マルチキャスト データと同じ IP マルチキャスト グループ アドレスに送信されます。スイッチ A の CPU は、レシーバー ポートからのすべての IGMP Join および Leave メッセージを取り込み、MVR モードに基づいて、送信元(アップリンク)ポートのマルチキャスト VLAN に転送する必要があります。

MVR の設定

ここでは、基本的な MVR の設定情報について説明します。

「MVR のデフォルト設定」

「MVR 設定時の注意事項および制限事項」

「MVR グローバル パラメータの設定」

「アクセス ポートでの MVR の設定」

「トランク ポートでの MVR の設定」

「MVR 情報の表示」

MVR のデフォルト設定

表23-5 に、MVR のデフォルト設定を示します。

 

表23-5 MVR のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

MVR

グローバルおよびインターフェイス単位でディセーブル

マルチキャスト アドレス

設定なし

クエリー応答時間

0.5 秒

マルチキャスト VLAN

VLAN 1

モード

compatible

インターフェイス(ポート単位)のデフォルト

レシーバーおよび送信元のどちらのポートでもない

即時脱退

すべてのポートでディセーブル

MVR 設定時の注意事項および制限事項

MVR の設定時は、次の注意事項に従ってください。

スイッチのレシーバー ポートは別の VLAN に属していてもかまいませんが、マルチキャスト VLAN に属することはできません。

Cisco IOS Release 12.2(25)SEG 以前のリリースでは、MVR レシーバー ポートとして設定できるのはアクセス ポートだけでした。Cisco IOS Release 12.2(35)SE 以降のリリースでは、トランク ポートも MVR レシーバー ポートとして設定できます。

スイッチ上に設定できるマルチキャスト エントリ(MVR グループ アドレス)の最大数(受信できる TV チャネルの最大数)は 256 です。

送信元 VLAN で受信されレシーバー ポートから送信される MVR マルチキャスト データの Time To Live(TTL)は、スイッチを通過するたびに値が 1 ずつ小さくなります。

スイッチの MVR では、MAC マルチキャスト アドレスでなく、IP マルチキャスト アドレスが使用されるため、エイリアスが設定された IP マルチキャスト アドレスを使用できます。ただし、スイッチを Catalyst 3550 または Catalyst 3500 XL スイッチと相互運用している場合は、IP アドレス間で、または予約済みの IP マルチキャスト アドレス(224.0.0.xxx の範囲)に対して、エイリアスを持つ IP アドレスを設定しないでください。

プライベート VLAN ポートで MVR を設定しないでください。

スイッチ上でマルチキャスト ルーティングがイネーブルの場合、MVR はサポートされません。MVR がイネーブルの場合に、マルチキャスト ルーティングおよびマルチキャスト ルーティング プロトコルをイネーブルにすると、MVR がディセーブルになり、警告メッセージが表示されます。マルチキャスト ルーティングおよびマルチキャスト ルーティング プロトコルがイネーブルの場合に、MVR をイネーブルにしようとすると、MVR をイネーブルにする操作が取り消され、エラー メッセージが表示されます。

スイッチ上で、MVR と IGMP スヌーピングを共存させることができます。

MVR レシーバー ポートで受信された MVR データは、MVR 送信元ポートに転送されません。

MVR は IGMPv3 メッセージをサポートしません。

MVR グローバル パラメータの設定

デフォルト設定を使用する場合には、オプションの MVR パラメータを設定する必要はありません。デフォルトのパラメータ値を変更する場合(MVR VLAN を除く)には、先に MVR をイネーブルにする必要があります。


) ここで使用されるコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。


MVR パラメータを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mvr

スイッチ上で MVR をイネーブルに設定します。

ステップ 3

mvr group ip-address [ count ]

スイッチ上に IP マルチキャスト アドレスを設定します。または、 count パラメータを使用して、連続する MVR グループ アドレスを設定します( count の範囲は 1 ~ 256 で、デフォルトは 1 です)。このアドレス宛のマルチキャスト データは、スイッチ上のすべての送信元ポート、およびこのマルチキャスト アドレス上のデータを受信するように設定されているすべてのレシーバー ポートに送信されます。各マルチキャスト アドレスは、1 つの TV チャネルに対応付けられます。

ステップ 4

mvr querytime value

(任意)マルチキャスト グループ メンバーシップからレシーバー ポートを削除するまでに、レシーバー ポートで IGMP レポート メンバーシップを待機する最大待機時間を指定します。値は、1/10 秒単位で指定します。指定できる範囲は 1 ~ 100 で、デフォルトは 5/10、つまり 0.5 秒です。

ステップ 5

mvr vlan vlan-id

(任意)マルチキャスト データを受信するVLANを指定します。すべての送信元ポートはこの VLAN に属する必要があります。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。デフォルトは VLAN 1 です。

ステップ 6

mvr mode { dynamic | compatible }

(任意)MVR モードを指定します。

dynamic ― 送信元ポートでのダイナミック MVR メンバーシップを可能にします。

compatible ― Catalyst 3500 XL および Catalyst 2900 XL スイッチと互換性があり、送信元ポートでのダイナミックな IGMP Join をサポートしません。

デフォルト設定は、 compatible モードです。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show mvr または show mvr members

設定を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スイッチをデフォルト設定に戻すには、 no mvr [ mode | group ip-address | querytime | vlan ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、MVR をイネーブルにして、MVR グループ アドレスを設定し、クエリー時間を 1 秒(10/10)に設定し、MVR マルチキャスト VLAN を VLAN 22 として指定し、MVR モードをダイナミックに設定する方法を示します。

Switch(config)# mvr
Switch(config)# mvr group 228.1.23.4
Switch(config)# mvr querytime 10
Switch(config)# mvr vlan 22
Switch(config)# mvr mode dynamic
Switch(config)# end
 

show mvr members 特権 EXEC コマンドを使用すると、スイッチ上の MVR マルチキャスト グループ アドレスを確認することができます。

アクセス ポートでの MVR の設定

レイヤ 2 MVR インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mvr

スイッチ上で MVR をイネーブルに設定します。

ステップ 3

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ 2 ポートのタイプおよび番号を入力します。

ステップ 4

mvr type { source | receiver }

MVR ポートを次のいずれかに設定します。

source ― マルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートを送信元ポートとして設定します。加入者は、直接送信元ポートに接続できません。スイッチ上の送信元ポートは、すべて 1 つのマルチキャスト VLAN に属します。

receiver ― ポートが加入者ポートで、マルチキャスト データの受信だけを行う場合には、レシーバー ポートとして設定します。レシーバー ポートは、スタティックな設定、または IGMP Join および Leave メッセージによって、マルチキャスト グループのメンバーになるまでは、データを受信しません。レシーバー ポートは、マルチキャスト VLAN に属することはできません。

デフォルト設定は非 MVR ポートです。MVR 特性で非 MVR ポートを設定しようとすると、操作は無効になります。

ステップ 5

mvr vlan vlan-id group [ ip-address ]

(任意)マルチキャスト VLAN および IP マルチキャスト アドレスに送信されたマルチキャスト トラフィックを受信するように、ポートをスタティックに設定します。グループのメンバーとしてスタティックに設定されたポートは、スタティックに削除されるまではグループ メンバーのままです。


) compatible モードでは、このコマンドはレシーバー ポートのみに対して適用されます。dynamic モードでは、レシーバー ポートおよび送信元ポートに適用されます。


レシーバー ポートは、IGMP JoinおよびLeaveメッセージによって、マルチキャスト グループにダイナミックに加入することもできます。

ステップ 6

mvr immediate

(任意)ポート上の MVR の即時脱退機能をイネーブルにします。


) このコマンドはレシーバー ポートのみに適用されます。この機能は単一の受信デバイスが接続されているレシーバー ポート上でのみイネーブルにしてください。


ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show mvr [ interface | members ]

設定を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイスをデフォルト設定に戻すには、 no mvr [ type | immediate | vlan vlan-id | group ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、インターフェイスをレシーバー ポートとして設定し、マルチキャスト グループ アドレスに送信されたマルチキャスト トラフィックを受信するようにポートをスタティックに設定し、インターフェイスに即時脱退機能を設定して、結果を確認する例を示します。

Switch(config)# mvr
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# mvr type receiver
Switch(config-if)# mvr vlan 22 group 228.1.23.4
Switch(config-if)# mvr immediate
Switch(config)# end
Switch# show mvr interface
Port Type Mode VLAN Status Immediate Leave
---- ---- ---- ---- ------- ---------------
Gia1/0/2 RECEIVER Trunk 201 ACTIVE/DOWN DISABLED

トランク ポートでの MVR の設定

Cisco IOS Release 12.2(25)SEG 以前のリリースでは、MVR レシーバー ポートとして設定できるのはアクセス ポートだけでした。Cisco IOS Release 12.2(35)SE 以降のリリースでは、トランク ポートも MVR レシーバー ポートとして設定できます。


) アクセス ポートおよびトランク ポートの詳細については、第10章「インターフェイス特性の設定」を参照してください。


トランク ポートを MVR レシーバー ポートとして設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mvr

スイッチ上で MVR をイネーブルに設定します。

ステップ 3

interface interface-id

設定するレイヤ 2 ポートを入力し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

switchport mode trunk

トランキング モードを無条件に TRUNK に設定します。


) トランク ポートを MVR レシーバー ポートとして設定する場合、ソース ポートを Network Node Interface(NNI; ネットワーク ノード インターフェイス)に設定し、MVR トランク レシーバー ポートを User Node Interface(UNI)に設定することを推奨します。


ステップ 5

mvr type receiver

トランク ポートを MVR レシーバー ポートとして指定します。

ステップ 6

mvr vlan source- vlan-id receiver vlan receiver-vlan-id

MVR VLAN からの MVR トラフィックを、レシーバー VLAN で指定されたトランク上の VLAN に配信するように、このトランク ポートをイネーブルにします。

ステップ 7

mvr vlan vlan-id group ip-address receiver vlan -id

(任意)トランク ポートを、レシーバー VLAN 上のグループのスタティック メンバーに設定します。

ステップ 8

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show mvr

show mvr interface

または

show mvr members

設定を確認します。

ステップ 10

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、ポートを MVR トランク レシーバー ポートとして設定し、VLAN に割り当てたあと、グループのスタティック メンバーに設定し、結果を確認する例を示します。

Switch(config)# mvr
Switch(config)# interface fastethernet 0/10
Switch(config)# switchport mode trunk
Switch(config)# mvr type receiver
Switch(config)# mvr vlan 100 receiver vlan 201
Switch(config)# mvr vlan 100 group 239.1.1.1 receiver vlan 201
Switch(config)# end
Switch# show mvr interface
 

インターフェイスをデフォルト設定に戻すには、 no mvr [ type | immediate | vlan vlan-id | group ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

MVR 情報の表示

スイッチまたは指定されたインターフェイスの MVR 情報を表示することができます。MVR 情報を表示するには、特権 EXEC モードで 表23-6 のコマンドを実行します。

 

表23-6 MVR 情報表示用のコマンド

show mvr

スイッチの MVR ステータスと値を表示します。これには、MVR がイネーブルまたはディセーブルであるかの判別、マルチキャスト VLAN、マルチキャスト グループの最大数(256)および現在の数(0 ~ 256)、クエリー応答時間、および MVR モードがあります。

show mvr interface [ interface-id ] [ members [ vlan vlan-id ]]

すべての MVR インターフェイスおよびそれぞれの MVR コンフィギュレーションを表示します。

特定のインターフェイスを入力すると、次の情報が表示されます。

タイプ ― レシーバーまたは送信元

モード ― アクセスまたはトランク

VLAN ― ソース ポートの MVR VLAN およびレシーバー ポートのレシーバー VLAN

ステータス ― 次のいずれか

ACTIVE は、ポートが VLAN に含まれていることを意味します。

UP/DOWN は、ポートが転送中か非転送中のどちらかであるという意味です。

INACTIVE は、ポートがどの VLAN にも属していないことを意味します。

即時脱退 ― イネーブルまたはディセーブル

members キーワードを指定すると、このポートのすべてのマルチキャスト グループ メンバーが表示されます。また、VLAN ID を指定すると、VLAN のすべてのマルチキャスト グループ メンバーが表示されます。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。

show mvr members [ ip-address ]

任意の IP マルチキャスト グループまたは指定された IP マルチキャスト グループ IP アドレスのメンバーであるすべてのレシーバー ポートおよび送信元ポートを表示します。

IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定

一部の環境(メトロポリタンまたは Multiple-Dwelling Unit [MDU] インストレーションなど)では、スイッチ ポート上のユーザが所属する複数のマルチキャスト グループを管理する必要があります。そうすることによって、契約やサービス計画のタイプに基づいて IP/TV などのマルチキャスト サービスの配信を制御できます。また、スイッチ ポート上のユーザが所属できるマルチキャスト グループ数も制限できます。

IGMP フィルタリング機能を使用すると、IP マルチキャスト プロファイルを設定して個々のスイッチ ポートに対応付けることにより、ポート単位でマルチキャスト加入をフィルタリングできます。IGMP プロファイルには 1 つまたは複数のマルチキャスト グループを格納できます。また、IGMP プロファイルによって、このグループへのアクセスを許可するか拒否するかを指定できます。マルチキャスト グループへのアクセスを拒否する IGMP プロファイルがスイッチ ポートに適用された場合、IP マルチキャスト トラフィックのストリームを要求する IGMP Join レポートは廃棄され、ポートはそのグループから IP マルチキャスト トラフィックを受信できません。フィルタリング アクションによってマルチキャスト グループへのアクセスが許可された場合、ポートからの IGMP レポートが転送され、通常の処理が行われます。

IGMP フィルタリングが制御するのは、Join および Leave レポートなど、グループ固有のクエリーやメンバーシップ レポートのみです。一般的な IGMP クエリーは制御しません。IGMP フィルタリングは、IP マルチキャスト トラフィックの転送指示機能には関係しません。フィルタリング機能は、マルチキャスト トラフィックの転送に、CGMP または MVR のどちらを使用しても同様に動作します。

IGMP フィルタリングを適用できるのは、IP マルチキャスト グループ アドレスをスタティックに設定する場合でなく、ダイナミックに学習する場合のみです。

IGMP スロットリング機能を使用すれば、レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定することもできます。IGMP グループの最大数を設定し、IGMP スヌーピング転送テーブルに最大数のエントリが含まれ、インターフェイスが IGMP Join レポートを受信する場合、インターフェイスを設定して、IGMP レポートを廃棄したり、転送テーブルでランダムに選択したマルチキャスト エントリを受信した IGMP レポートと置き換えたりすることができます。


) IGMPv3 Join および Leave メッセージは、IGMP フィルタリングを実行しているスイッチではサポートされません。


ここでは、IGMP フィルタリングおよびスロットリングを設定する方法について説明します。

「IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定」

「IGMP プロファイルの設定」(任意)

「IGMP プロファイルの適用」(任意)

「IGMP グループの最大数の設定」(任意)

「IGMP スロットリング アクションの設定」(任意)

IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定

表23-7 に、IGMP フィルタリングのデフォルト設定を示します。

 

表23-7 IGMP フィルタリングのデフォルト設定

機能
デフォルト設定

IGMP フィルタリング

適用なし

IGMP グループの IGMP 最大数

最大数の設定なし

IGMP プロファイル

定義なし

IGMP プロファイル アクション

範囲アドレスを拒否

グループの最大数が転送テーブルに含まれている場合の、デフォルトの IGMP スロットリング アクションは IGMP レポートを拒否することです。設定時の注意事項については、「IGMP スロットリング アクションの設定」を参照してください。

IGMP プロファイルの設定

IGMP プロファイルを設定するには、プロファイル番号を指定して ip igmp profile グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを開始して、IGMP プロファイルを作成します。このモードでは、ポートからの IGMP Join 要求をフィルタリングするのに使用する、IGMP プロファイルのパラメータを指定できます。IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードの場合は、次のコマンドでプロファイルを作成できます。

deny :一致アドレスを拒否するように指定します。これがデフォルトです。

exit :IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを終了します。

no :コマンドを無効にするか、そのデフォルトを設定します。

permit :一致アドレスを許可するよう指定します。

range :そのプロファイルの IP アドレスの範囲を指定します。1 つの IP アドレスまたは、開始アドレスおよび終了アドレスで指定した範囲を設定することもできます。

デフォルトでは、スイッチに IGMP プロファイルは設定されていません。プロファイルの設定時に、 permit または deny のどちらのキーワードも指定されていない場合は、デフォルトで IP アドレスの範囲へのアクセスが拒否されます。

IGMP プロファイルを作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp profile profile number

IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを開始し、設定するプロファイルに番号を割り当てます。指定できる範囲は 1 ~ 4294967295 です。

ステップ 3

permit | deny

(任意)IP マルチキャスト アドレスへのアクセスを許可または拒否するアクションを設定します。アクションが設定されていない場合は、プロファイルのデフォルト設定によってアクセスが拒否されます。

ステップ 4

range ip multicast address

アクセスが制御される IP マルチキャスト アドレスまたは IP マルチキャスト アドレスの範囲を入力します。範囲を入力する場合は、最小値の IP マルチキャスト アドレス、スペース、最大値の IP マルチキャスト アドレスの順で入力します。

range コマンドを複数回使用すると、複数のアドレスまたはアドレス範囲を入力できます。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show ip igmp profile profile number

プロファイル設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

プロファイルを削除するには、 no ip igmp profile profile number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IP マルチキャスト アドレスまたは IP マルチキャスト アドレス範囲を削除するには、 no range ip multicast address IGMP プロファイル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、1 つの IP マルチキャスト アドレスへのアクセスを許可する IGMP プロファイル 4 を作成して、その設定を確認する例を示します。アクションが拒否 deny(デフォルト)である場合は、 show ip igmp profile の出力には表示されません。

Switch(config)# ip igmp profile 4
Switch(config-igmp-profile)# permit
Switch(config-igmp-profile)# range 229.9.9.0
Switch(config-igmp-profile)# end
Switch# show ip igmp profile 4
IGMP Profile 4
permit
range 229.9.9.0 229.9.9.0

IGMP プロファイルの適用

IGMP プロファイルの定義に従ってアクセスを制御するには、 ip igmp filter インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して該当するインターフェイスにプロファイルを適用します。IGMP プロファイルを適用できるのは、レイヤ 2 アクセス ポートのみです。ルーテッド ポートや SVI には適用できません。また、EtherChannel ポート グループに属するポートにはプロファイルを適用できません。1 つのプロファイルを複数のインターフェイスに適用することができますが、各インターフェイスに適用できるプロファイルは 1 つのみです。

スイッチ ポートに IGMP プロファイルを適用するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。このインターフェイスは、EtherChannel ポート グループに属していないレイヤ 2 ポートでなければなりません。

ステップ 3

ip igmp filter profile number

指定した IGMP プロファイルをこのインターフェイスに適用します。指定できるプロファイル番号の範囲は 1 ~ 4294967295 です。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイスからプロファイルを削除するには、 no ip igmp filter profile number インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ポートに IGMP プロファイル 4 を適用する例を示します。

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip igmp filter 4
Switch(config-if)# end

IGMP グループの最大数の設定

レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定するには、 ip igmp mac-groups インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。最大数をデフォルト(制限なし)に戻す場合は、このコマンドの no 形式を使用します。

この制限が適用されるのはレイヤ 2 ポートのみです。ルーテッド ポートや SVI には IGMP グループの最大数を設定できません。また、このコマンドは EtherChannel ポート グループに属するポートには使用できません。

スイッチ ポートに IGMP プロファイルを適用するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。このインターフェイスは、EtherChannel グループに属していないレイヤ 2 ポートでなければなりません。

ステップ 3

ip igmp max-groups number

インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定します。指定できる範囲は 0 ~ 4294967294 で、デフォルトは最大数の設定なしです。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

最大グループ数の制限を削除して、最大数の設定なしのデフォルトに戻すには、 no ip igmp max-groups インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ポートが加入できる IGMP グループ数を 25 に制限する例を示します。

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip igmp max-groups 25
Switch(config-if)# end

IGMP スロットリング アクションの設定

レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定したあとは、既存のグループを IGMP レポートで受け取った新しいグループで置き換えるようにインターフェイスを設定できます。これには、 ip igmp max-groups action replace インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。IGMP Join レポートを廃棄するデフォルトのスロットリング アクションに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

IGMP スロットリング アクションを設定するときは、次の注意事項に従ってください。

この制限は、レイヤ 2 ポートにのみ適用されます。このコマンドは、論理 EtherChannel インターフェイス上では使用できますが、EtherChannel ポート グループに属するポート上では使用できません。

最大グループ制限がデフォルト(最大数なし)に設定されているときに ip igmp max-groups action { deny | replace } コマンドを入力しても、何も効果はありません。

インターフェイスにより転送テーブルにマルチキャスト エントリが追加されたあとでスロットリング アクションおよび最大グループ制限を設定する場合、転送テーブルのエントリは、スロットリング アクションに従って無効になるか、削除されます。

スロットリング アクションを deny に設定した場合、それまで転送テーブルにあったエントリは削除されませんが、無効になります。これらのエントリが無効になったあとに転送テーブルに最大数のエントリがあると、スイッチはインターフェイスで受信した次の IGMP レポートを廃棄します。

スロットリング アクションを replace に設定した場合は、それまで転送テーブルにあったエントリが削除されます。転送テーブルに最大数のエントリが含まれる場合は、スイッチにより、ランダムに選択されたエントリが受信した IGMP レポートに置き換えられます。

スイッチが転送テーブルのエントリを削除しないようにするには、インターフェイスが転送テーブルにエントリを追加する前に IGMP スロットリング アクションを設定します。

転送テーブルに最大数のエントリがある場合にスロットリング アクションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。このインターフェイスは、EtherChannel グループまたは EtherChannel インターフェイスに属していないレイヤ 2 ポートです。トランク ポートは不可です。

ステップ 3

ip igmp max-groups action { deny | replace }

インターフェイスが IGMP レポートを受信し、転送テーブルに最大数のエントリがある場合は、インターフェイスが実行するアクションを指定します。

deny ― レポートを廃棄します。

replace ― 受信した IGMP レポートで既存のグループを置き換えます。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

レポートを廃棄するデフォルトのアクションに戻すには、 no ip igmp max-groups action インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IGMP フィルタリングおよびスロットリングのデフォルト設定

IGMP プロファイルの特性を表示できます。また、スイッチのすべてのインターフェイスまたは指定したインターフェイスの IGMP プロファイルと最大グループ数設定を表示できます。スイッチ上のすべてのインターフェイス、または特定のインターフェイスの IGMP スロットリング設定を表示することもできます。

IGMP フィルタリングのスロットリング設定を表示するには、 表23-8 に記載された特権 EXEC コマンドを使用します。

 

表23-8 IGMP フィルタリング設定および IGMP スロットリング設定を表示するコマンド

show ip igmp profile [ profile number ]

特定の IGMP プロファイル、またはスイッチ上で定義されているすべての IGMP プロファイルを表示します。

show running-config [ interface interface-id ]

特定のインターフェイスの設定、またはスイッチ上のすべてのインターフェイスの設定を表示します。インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数(設定されている場合)やインターフェイスに適用されている IGMP プロファイルなどがこれに含まれます。