Catalyst 3750 Metro スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(25)SEG
音声 VLAN の設定
音声 VLAN の設定
発行日;2012/01/06 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

音声 VLAN の設定

音声 VLAN の概要

Cisco IP Phone の音声トラフィック

Cisco IP Phone のデータ トラフィック

音声 VLAN の設定

音声 VLAN のデフォルト設定

音声 VLAN 設定時の注意事項

Cisco 7960 IP Phone に接続するポートの設定

IP Phone の音声トラフィックの設定

着信データ フレームのプライオリティの設定

音声 VLAN の表示

音声 VLAN の設定

この章では、Catalyst 3750 Metro スイッチに音声 VLAN(仮想 LAN)機能を設定する方法について説明します。音声 VLAN は、Catalyst 6500 ファミリー スイッチのマニュアルでは、 補助 VLAN と呼ばれる場合もあります。


) この章で使用されるコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「音声 VLAN の概要」

「音声 VLAN の設定」

「音声 VLAN の表示」

音声 VLAN の概要

音声 VLAN 機能によって、アクセス ポートは、IP Phone からの IP 音声トラフィックを搬送できるようになります。スイッチが Cisco 7960 IP Phone に接続されている場合、IP Phone はレイヤ 3 IP precedence とレイヤ 2 Class of Service(CoS; サービス クラス)値(どちらもデフォルトでは 5 に設定される)を付けて音声トラフィックを送信します。データが不均一に送信されると IP Phone 通話の音質は劣化する可能性があるので、スイッチは IEEE 802.1p CoS に基づく Quality of Service(QoS; サービス品質)をサポートしています。QoS は、分類とスケジューリングを使用して、スイッチからのネットワーク トラフィックを予測可能な方法で送信します。QoS の詳細については、 第 32 章「QoS の設定」 を参照してください。

Cisco 7960 IP Phone は設定変更可能なデバイスで、802.1p プライオリティでトラフィックを転送するように設定できます。IP Phone によって割り当てられたトラフィック プライオリティを信頼または無効にするようにスイッチを設定できます。

Cisco IP Phone は、統合型 3 ポート内蔵 10/100 スイッチを装備しています(図15-1を参照)。ポートは次のデバイスとの接続を提供します。

ポート1は、スイッチまたはその他の Voice-over-IP(VoIP)デバイスに接続します。

ポート 2 は、IP Phone トラフィックを搬送する内蔵 10/100 インターフェイスです。

ポート 3(アクセス ポート)、は PC またはその他のデバイスに接続します。

図15-1に、Cisco 7960 IP Phone の接続方法の 1 つを示します。

図15-1 スイッチに接続した Cisco 7960 IP Phone

 

Cisco IP Phone の音声トラフィック

Cisco IP Phone が接続されたアクセス ポートは、接続デバイスから電話機への音声トラフィック用に 1 つの VLAN を使用し、データ トラフィック用に別の VLAN を使用するように設定できます。スイッチ上のアクセス ポートは、Cisco Discovery Protocol(CDP)パケットを送信するように設定できます。CDP パケットは、接続された Cisco IP Phone に、次のいずれかの方法で音声トラフィックをスイッチへ送信するように指示します。

レイヤ 2 CoS プライオリティ値のタグ付きフレームを音声 VLAN 内に送信

レイヤ 2 CoS プライオリティ値のタグ付きフレームをアクセス VLAN 内に送信

タグなし(レイヤ 2 CoS プライオリティ値なし)フレームをアクセス VLAN 内に送信


) どの構成でも音声トラフィックはレイヤ 3 IP precedence 値(デフォルトは、音声トラフィックの場合が 5、音声制御トラフィックの場合が 3)を搬送します。


Cisco IP Phone のデータ トラフィック

スイッチは、Cisco IP Phone のアクセス ポートに接続されたデバイスからのタグ付きデータ トラフィック(802.1Q または 802.1p フレーム タイプのトラフィック)を処理することもできます(図15-1を参照)。スイッチ上のレイヤ 2 アクセス ポートは、CDP パケットを送信するように設定できます。この CDP パケットは、接続された Cisco IP Phone に次のモードのいずれかに IP Phone アクセス ポートを設定するように指示します。

信頼モードでは、Cisco IP Phone のアクセス ポートを通じて受信したすべてのトラフィックが変更されずに IP Phone を通過します。

信頼できないモードでは、IP Phone のアクセス ポートを通じて受信した 802.1Q または 802.1p フレームのすべてのトラフィックが、設定済みのレイヤ 2 CoS 値を受け取ります。デフォルトのレイヤ 2 CoS 値は 0 です。デフォルトのモードは、信頼できないモードです。


) Cisco IP Phone に接続されたデバイスからのタグなしトラフィックは、IP Phone のアクセス ポートの信頼状態に関係なく、変更されずに IP Phone を通過します。


音声 VLAN の設定

ここでは、アクセス ポートに音声 VLAN を設定する方法について説明します。ここでは、次の設定情報について説明します。

「音声 VLAN のデフォルト設定」

「音声 VLAN 設定時の注意事項」

「Cisco 7960 IP Phone に接続するポートの設定」

音声 VLAN のデフォルト設定

音声 VLAN 機能はデフォルトではディセーブルに設定されています。

音声 VLAN 機能をイネーブルにすると、すべてのタグなしトラフィックは、ポートのデフォルトの CoS プライオリティに従って送信されます。

CoS 値は、802.1p または 802.1Q タグ付きトラフィックでは信頼されません。

音声 VLAN 設定時の注意事項

音声 VLAN 設定時の注意事項は次のとおりです。

音声 VLAN はスイッチのアクセス ポートに設定する必要があります。音声 VLAN はトランク ポートではサポートされていません。音声 VLAN はレイヤ 2 ポートにのみ設定できます。


) 音声 VLAN がサポートされるのは、アクセス ポートのみです。設定で許可されている場合でも、トランク ポートではサポートされません。


プライベート VLAN ポートに音声 VLAN を設定しないでください。

音声 VLAN をイネーブルにする前に、mls qos グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してスイッチで QoS をイネーブルにし、mls qos trust cos インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してポートの信頼状態を trust に設定することを推奨します。自動 QoS 機能を使用すると、これらの設定値が自動的に設定されます。詳細については、 第 32 章「QoS の設定」 を参照してください。

Cisco IP Phone へコンフィギュレーション ファイルを送信するために、Cisco IP Phone に接続するスイッチ ポートの CDP をイネーブルにする必要があります(デフォルトでは、CDP はすべてのスイッチ インターフェイスでグローバルにイネーブルになっています)。

音声 VLAN を設定すると、PortFast 機能は自動的にイネーブルに設定されます。音声 VLAN 機能をディセーブルにしても自動的にディセーブルになりません。

Cisco IP Phone と Cisco IP Phone に接続されたデバイスが同じ VLAN に属する場合は、同じサブネットに属する必要があります。次の状態は、それらが同じ VLAN に属していることを示しています。

両方が、802.1p またはタグなしフレームを使用している。

Cisco IP Phone が 802.1p フレームを使用し、デバイスがタグなしフレームを使用している。

Cisco IP Phone がタグなしフレームを使用し、デバイスが 802.1p フレームを使用している。

Cisco IP Phone が 802.1Q フレームを使用し、音声 VLAN がアクセス VLAN と同一である。

Cisco IP Phone と IP Phone に接続されたデバイスが、同じ VLAN とサブネットに属していても、異なるフレーム タイプを使用する場合、同じサブネット内のトラフィックはルーティングされないため(ルーティングによってフレーム タイプの違いは排除されてしまう)、それらは通信できません。

音声 VLAN では、スタティック セキュア MAC(メディア アクセス制御)アドレスを設定できません。

音声 VLAN ポートは、次のポート タイプにすることもできます。

ダイナミック アクセス ポート。詳細については、「VMPS クライアントのダイナミック アクセス ポートの設定」を参照してください。

802.1x 認証ポート。詳細については、「IEEE 802.1x 認証の設定」を参照してください。

保護ポート。詳細については、「保護ポートの設定」を参照してください。

SPAN(スイッチド ポート アナライザ)または RSPAN セッションの送信元または宛先ポート。

セキュア ポート。詳細については、「ポート セキュリティの設定」を参照してください。


) インターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにし、さらに音声 VLAN を使用するようにも設定する場合は、ポートで許可されるセキュア アドレスの最大数を、アクセス VLAN で許可されているセキュア アドレスの最大数に 2 を加えた値に設定する必要があります。ポートが Cisco IP Phone に接続されている場合は、IP Phone に MAC アドレスが最大で 2 つ必要です。IP Phone アドレスは音声 VLAN 上で学習されますが、アクセス VLAN 上で学習される場合もあります。PC を IP Phone に接続するには、さらに MAC アドレスが必要になります。


Cisco 7960 IP Phone に接続するポートの設定

Cisco 7960 IP Phone は、PC またはその他のデバイスへの接続もサポートするので、Cisco IP Phone にスイッチを接続するポートは、混合トラフィックを搬送できます。ポートは、IP Phone が音声トラフィックとデータ トラフィックをどのように搬送しているか判断するように設定できます。

ここで説明する内容は次のとおりです。

「IP Phone の音声トラフィックの設定」

「着信データ フレームのプライオリティの設定」

IP Phone の音声トラフィックの設定

Cisco IP Phone に接続するポートは、CDP パケットを送信するように設定できます。この CDP パケットは、IP Phone に、音声トラフィックを送信する方法を設定するように指示します。IP Phone は、レイヤ 2 CoS 値を持ち、特定の音声 VLAN に対応する 802.1Q フレームで音声トラフィックを搬送できます。802.1p プライオリティ タギングを使用して、音声トラフィックにより高いプライオリティを付け、ネイティブ(アクセス)VLAN 経由ですべての音声トラフィックを転送できます。また、IP Phone はタグなしトラフィックを送信することもできれば、自分の設定を使用してアクセス VLAN 内でトラフィックを送信することもできます。どの構成でも、音声トラフィックはレイヤ 3 IP precedence 値(デフォルトは 5)を搬送します。

ポートに音声トラフィックを設定するには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phone に接続されているインターフェイスを指定します。

ステップ 3

mls qos trust cos

パケット CoS 値を使用して入力トラフィックのパケットを分類するようにインターフェイスを設定します。タグなしパケットの場合は、ポートのデフォルトの CoS 値が使用されます。


) ポートの信頼状態を設定する前に、最初に、mls qos グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、グローバルに QoS をイネーブルにする必要があります。


ステップ 4

switchport voice vlan { vlan-id | dot1p | none | untagged}

Cisco IP Phone が音声トラフィックを搬送する方法を設定します。

vlan-id -- 指定された VLAN 経由ですべての音声トラフィックを転送するように、Cisco IP Phone を設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phone は、802.1Q プライオリティ値 5 で音声トラフィックを転送します。有効な VLAN ID は 1 ~ 4094 です。

dot1p -- 音声トラフィック用に 802.1p プライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブ VLAN(VLAN 0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように、Cisco IP Phone を設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phone は、802.1p プライオリティ値 5 で音声トラフィックを転送します。

none -- IP Phone は、自分の設定を使用してタグなし音声トラフィックを送信できます。

untagged -- タグなし音声トラフィックを送信するように IP Phone を設定します。

ステップ 5

end

イネーブル EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show interfaces interface-id switchport
または

show running-config interface interface-id

音声 VLAN エントリを確認します。

QoS と音声 VLAN の設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、IP Phone に接続されたポートが、CoS 値を使用して入力トラフィックを分類し、音声トラフィックに 802.1p プライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブ VLAN(VLAN 0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# mls qos trust cos
Switch(config-if)# switchport voice vlan dot1p
Switch(config-if)# end
 

ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport voice vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

着信データ フレームのプライオリティの設定

PC またはその他のデータ処理デバイスを Cisco IP Phone のポートに接続できます。タグ付きデータ トラフィック(802.1Q または 802.1p フレーム)を処理するため、CDP パケットを送信するようにスイッチを設定できます。この CDP パケットは、IP Phone に、Cisco IP Phone のアクセス ポートに接続デバイスからのデータ パケットを送信する方法を指示します。PC は、割り当てられた CoS 値を持つパケットを生成できます。接続デバイスから IP Phone に到達したフレームのプライオリティを変更しない(信頼する)、または無効化する(信頼しない)ように、Cisco IP Phone を設定できます。

Cisco IP Phone で、非音声ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定するには、イネーブル EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
説明

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phone に接続されているインターフェイスを指定します。

ステップ 3

switchport priority extend { cos value | trust }

IP Phone アクセス ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定します。

cos value -- 指定の CoS 値を持つ PC または接続デバイスから受信したプライオリティを無効化するように、IP Phone を設定します。CoS 値は 0 ~ 7 の数字です。7 が最高のプライオリティになります。デフォルトのプライオリティは、 cos 0 です。

trust -- PC または接続デバイスから受信したプライオリティを信頼するよう IP Phone アクセス ポートを設定します。

ステップ 4

end

イネーブル EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show interfaces interface-id switchport

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、IP Phone に接続されたポートが、PC または接続先デバイスから受信したフレームのプライオリティを変更しないように設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# switchport priority extend trust
Switch(config-if)# end
 

ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

音声 VLAN の表示

インターフェイスの音声 VLAN 設定を表示するには、 show interfaces interface-id switchport イネーブル EXEC コマンドを使用します。