Catalyst 6500 シリーズ スイッチ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 12.2SX
IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチング の設定
IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定
発行日;2012/01/12 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 11MB) | フィードバック

目次

IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

レイヤ 3 スイッチングの機能概要

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの概要

レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの例

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

設定時の注意事項および制約事項

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの設定

ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示

IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

この章では、Catalyst 6500 シリーズ スイッチに IP ユニキャスト レイヤ 3 スイッチングを設定する手順について説明します。


) この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、以下のマニュアルを参照してください。

次の URL の『 Catalyst 6500 Series Switch Cisco IOS Command Reference 』Release 12.2SX

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/122sx/cmdref/index.htm

次の URL の Release 12.2 のマニュアル

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/index.htm


 

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「レイヤ 3 スイッチングの機能概要」

「ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定」

「設定時の注意事項および制約事項」

「ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの設定」

「ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示」


) • IPX トラフィックは、Multilayer Switch Feature Card(MSFC; マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード)で高速スイッチングされます。詳細については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fatipx_c/index.htm

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングについては、 第29章「IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定」 を参照してください。


 

レイヤ 3 スイッチングの機能概要

ここではレイヤ 3 スイッチングについて説明します。

「ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの概要」

「レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え」

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの概要

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングを使用すると、サブネット間における IP ユニキャスト トラフィックの転送を、MSFC ではなく Policy Feature Card(PFC; ポリシー フィーチャ カード)および Distributed Feature Card(DFC)で行うことができます。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、MSFC 上のソフトウェアを使用せずに、PFC および DFC 上でワイヤ速度による転送機能を提供します。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの実行には、MSFC からの最低限のサポートが必要です。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングが不可能なトラフィックは、MSFC がルーティングします。

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、MSFC に設定されているルーティング プロトコルをサポートします。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、MSFC に設定されているルーティング プロトコルに代わるものではありません。

各モジュールに IP ユニキャスト レイヤ3スイッチングをローカルで提供するために、ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、PFC および DFC 上で等しく稼働します。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングでは、次の機能を提供します。

Policy-Based Routing(PBR; ポリシー ベース ルーティング)用のハードウェア Access Control List(ACL; アクセス制御リスト)スイッチング

TCP インターセプトのハードウェア NetFlow スイッチング、再帰 ACL 転送判断

その他のすべての IP ユニキャスト トラフィック用のハードウェア Cisco Express Forwarding(CEF)スイッチング

PFC 上のハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、DFC を装備していないモジュールをサポートします。レイヤ 3 スイッチングが不可能なトラフィックは、MSFC が転送します。

トラフィックはアクセス リストおよび Quality of Service(QoS; サービス品質)によって処理されたあとで、ハードウェア レイヤ 3 スイッチングされます。

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、入力ポート モジュール上でローカルに各パケットの転送先を決定し、出力ポートに各パケットの書き換え情報を送信します。出力ポート上でパケットが Catalyst 6500 シリーズ スイッチから送信されるときに、書き換えが行われます。

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングにより、レイヤ 3 スイッチド トラフィックのフロー統計情報が生成されます。ハードウェア レイヤ 3 フロー統計情報は NetFlow Data Export(NDE; NetFlow データ エクスポート)に使用できます( 第51章「NetFlow および NDE の設定」 を参照)。

レイヤ 3 スイッチド パケットの書き換え

特定のサブネット上の送信元から別のサブネット上の宛先へパケットをレイヤ 3 スイッチングするとき、Catalyst 6500 シリーズ スイッチは MSFC から学習した情報に基づいて、出力ポートでパケットの書き換えを行います。この書き換えにより、パケットは MSFC がルーティングしたように表示されます。

パケットの書き換えによって変更されるフィールドは、次の 5 つです。

レイヤ 2(MAC[メディア アクセス制御])宛先アドレス

レイヤ 2(MAC)送信元アドレス

レイヤ 3 IP Time to Live(TTL)

レイヤ 3 チェックサム

レイヤ 2(MAC)チェックサム(別名フレーム チェックサムまたは FCS)


) パケットは、ネクストホップのサブネットに適したカプセル化を使用して書き換えられます。


送信元 A と宛先 B が異なるサブネットに属し、送信元 A が MSFC にパケットを送信して宛先 B へルーティングされる場合、スイッチはそのパケットが MSFC のレイヤ 2(MAC)アドレスに送信されたと認識します。

レイヤ 3 スイッチングを実行するため、スイッチはレイヤ 2 フレーム ヘッダーを書き換え、レイヤ 2 宛先アドレスを宛先 B のレイヤ 2 アドレスに変更し、レイヤ 2 送信元アドレスを MSFC のレイヤ 2 アドレスに変更します。レイヤ 3 アドレスは変更されません。

IP ユニキャストおよび IP マルチキャスト トラフィックの場合、スイッチはレイヤ 3 TTL 値を 1 減らし、レイヤ 3 パケット チェックサムを再計算します。スイッチはレイヤ 2 フレーム チェックサムを再計算し、書き換えたパケットを宛先 B のサブネットに転送します(または、マルチキャスト パケットの場合、必要に応じて複製します)。

受信 IP ユニキャスト パケットの形式は(概念的には)、次のとおりです。

 

レイヤ 2 フレーム ヘッダー
レイヤ 3 IP ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

宛先

送信元

TTL

チェックサム

MSFC MAC

送信元 A MAC

宛先 B IP

送信元 A IP

n

計算 1

スイッチが IP ユニキャスト パケットの書き換えを行ったあとの形式は(概念的には)、次のとおりです。

 

レイヤ 2 フレーム ヘッダー
レイヤ 3 IP ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

宛先

送信元

TTL

チェックサム

宛先 B MAC

MSFC MAC

宛先 B IP

送信元 A IP

n-1

計算 2

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの例

図27-1に、単純なネットワーク トポロジーを示します。この例では、ホスト A は販売部門の VLAN(IP サブネット 171.59.1.0)、ホスト B はマーケティング部門の VLAN(IP サブネット 171.59.3.0)、ホスト C はエンジニアリング部門の VLAN(IP サブネット 171.59.2.0)にあります。

ホスト A がホスト C に対して HTTP ファイル転送を開始すると、ハードウェア レイヤ 3 スイッチングはローカル Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)および隣接テーブルの情報を使用して、ホスト A からホスト C にパケットを転送します。

図27-1 ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのトポロジー例

 

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

表27-1 に、ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定を示します。

 

表27-1 ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

機能
デフォルト値

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステート

イネーブル(ディセーブルにはできません)

MSFC 上の Cisco IOS CEF イネーブル ステート

イネーブル(ディセーブルにはできません)

MSFC 上の Cisco IOS dCEF 1 イネーブル ステート

イネーブル(ディセーブルにはできません)

1.dCEF = Distributed Cisco Express Forwarding

設定時の注意事項および制約事項

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングを設定する場合、次の注意事項および制約事項に注意してください。

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、次の入力および出力カプセル化をサポートします。

イーサネット V2.0(ARPA)

1 バイト コントロールを使用する 802.2 対応の 802.3(SAP1)

802.2 対応の 802.3 および Subnetwork Access Protocol(SNAP)

ハードウェア レイヤ 3 スイッチングの設定


) MSFC 上のユニキャスト ルーティングの設定手順については、第23章「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。


ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、永続的にイネーブルになります。したがって設定作業は不要です。

レイヤ 3 スイッチド トラフィックに関する情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show interface {{ type 2 slot/port } | { port-channel number }} | begin L3

レイヤ 3 スイッチド トラフィックの要約を表示します。

2.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、ポート FastEthernet 3/3 上のハードウェア レイヤ 3 スイッチド トラフィックに関する情報を表示する例を示します。

Router# show interface fastethernet 3/3 | begin L3
L3 in Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 12 pkt, 778 bytes mcast
L3 out Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 0 pkt, 0 bytes
4046399 packets input, 349370039 bytes, 0 no buffer
Received 3795255 broadcasts, 2 runts, 0 giants, 0 throttles
(テキスト出力は省略)
Router#
 

) レイヤ 3 スイッチング パケット カウントは、約 5 秒間隔で更新されます。


Cisco IOS CEF および dCEF は、永続的にイネーブルになります。ハードウェア レイヤ 3 スイッチングをサポートするための設定作業は不要です。

PFC を(存在する場合は DFC も)利用して、ハードウェア レイヤ 3 スイッチングは、フローごとのロードバランスを IP の送信元および宛先のアドレスに基づいて使用します。フローごとのロードバランスは、パケットごとのロードバランスでは必要となるパケットの再配列を行いません。どのようなフローに対しても、PFC や DFC を装備したすべてのスイッチが、まったく同じロードバランスの判断を行うので、結果としてロードバランスがランダムにならない場合があります。

MSFC3 上の Cisco IOS CEF ip load-sharing per-packet ip cef accounting per-prefix 、および ip cef accounting non-recursive コマンドは、MSFC 上のソフトウェアで CEF スイッチングされるトラフィックだけに適用されます。これらのコマンドは、PFC 上または DFC を搭載したスイッチング モジュール上でハードウェア レイヤ 3 スイッチングされるトラフィックには影響しません。

MSFC 上の Cisco IOS CEF および dCEF の詳細については、次のマニュアルを参照してください。

次の URL の「Cisco Express Forwarding」

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fswtch_c/swprt1/index.htm

次の URL の『 Cisco IOS Switching Services Command Reference

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fswtch_r/index.htm

ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示

ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報は、VLAN 単位で収集されます。

ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show interfaces {{ type 3 slot/port } | { port-channel number }}

ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報を表示します。

3.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、ハードウェア レイヤ 3 スイッチング統計情報を表示する例を示します。

Router# show interfaces gigabitethernet 9/5 | include Switched
L2 Switched: ucast: 8199 pkt, 1362060 bytes - mcast: 6980 pkt, 371952 bytes
L3 in Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 0 pkt, 0 bytes mcast
L3 out Switched: ucast: 0 pkt, 0 bytes - mcast: 0 pkt, 0 bytes
 

隣接テーブルの情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show adjacency [{{ type 4 slot/port } | { port-channel number }} | detail | internal | summary ]

隣接テーブルの情報を表示します。オプションの detail キーワードを指定すると、レイヤ 2 情報を含む詳細な隣接情報が表示されます。

4.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、隣接統計情報を表示する例を示します。

Router# show adjacency gigabitethernet 9/5 detail
Protocol Interface Address
IP GigabitEthernet9/5 172.20.53.206(11)
504 packets, 6110 bytes
00605C865B82
000164F83FA50800
ARP 03:49:31

) 隣接統計情報は、約 60 秒間隔で更新されます。