Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド リリース12.2(33)SXH以降
IPv6 マルチキャスト トラフィック用の MLD スヌーピングの設定
IPv6 マルチキャスト トラフィック用の MLD スヌーピングの設定
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 18MB) | フィードバック

目次

IPv6 マルチキャスト トラフィック用の MLD スヌーピングの設定

MLD スヌーピングの概要

MLD スヌーピングの概要

MLD メッセージ

送信元ベースのフィルタリング

EHT

MLD スヌーピング プロキシ レポート機能

IPv6 マルチキャストグループへの加入

マルチキャスト グループからの脱退

通常の脱退処理

高速脱退処理

MLD スヌーピング クエリアの概要

MLD スヌーピングのデフォルト設定

MLD スヌーピング設定時の注意事項および制約事項

MLD スヌーピング クエリア設定時の注意事項および制約事項

MLD スヌーピング クエリアのイネーブル化

MLD スヌーピングの設定

MLD スヌーピングのイネーブル化

マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続の設定

マルチキャスト ルータ ポートのスタティックな設定

MLD スヌーピング クエリー時間の設定

高速脱退処理のイネーブル化

SSM セーフ レポート機能のイネーブル化

EHT の設定

レポート抑制の設定

MLD スヌーピング情報の表示

マルチキャスト ルータ インターフェイスの表示

MAC アドレス マルチキャスト エントリの表示

VLAN インターフェイスの MLD スヌーピング情報の表示

IPv6 マルチキャスト トラフィック用の MLD スヌーピングの設定

この章では、Cisco IOS リリース 12.2SX で IPv6 マルチキャスト トラフィックの Multicast Listener Discovery(MLD)スヌーピングを設定する方法について説明します。


) • この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、次の URL の『Cisco IOS Master Command List, Release 12.2SX』を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/mcl/122sxmcl/12_2sx_mcl_book.html

IPv4 マルチキャスト トラフィックを抑制するには、「IPv4 マルチキャスト トラフィック用 IGMP スヌーピングおよび MVR の設定」を参照してください。

PFC3C モードおよび PFC3CXL モードで、MLD バージョン 1(MLDv1)および MLD バージョン 2(MLDv2)をサポートします。

以下のモードは MLD バージョン 2(MLDv2)だけをサポートします。

PFC3A

PFC3B

PFC3BXL


 

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「MLD スヌーピングの概要」

「MLD スヌーピングのデフォルト設定」

「MLD スヌーピング設定時の注意事項および制約事項」

「MLD スヌーピング クエリア設定時の注意事項および制約事項」

「MLD スヌーピング クエリアのイネーブル化」

「MLD スヌーピングの設定」

MLD スヌーピングの概要

ここでは、MLD スヌーピングについて説明します。

「MLD スヌーピングの概要」

「MLD メッセージ」

「送信元ベースのフィルタリング」

「EHT」

「MLD スヌーピング プロキシ レポート機能」

「IPv6 マルチキャストグループへの加入」

「マルチキャスト グループからの脱退」

「MLD スヌーピング クエリアの概要」

MLD スヌーピングの概要

MLD スヌーピングにより、スイッチで MLD パケットを調べ、パケットの内容に基づいて転送先を決定できます。

MLD または MLD スヌーピング クエリアからの MLD クエリーを受信するサブネットで、MLD スヌーピングを使用するように、スイッチを設定できます。MLD スヌーピングは、IPv6 マルチキャスト トラフィックが受信対象のポートだけに転送されるようにレイヤ 2 LAN ポートをダイナミックに設定し、それによって、レイヤ 2 で IPv6 マルチキャスト トラフィックを抑制します。

MLD は、マルチキャスト ルータのレイヤ 3 で稼動し、マルチキャスト トラフィックのルーティングが必要なサブネットでレイヤ 3 MLD クエリーを生成します。MLD の詳細については、次のマニュアルを参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/12_2sx/ipv6_12_2sx_book.html

MLD スヌーピング クエリアをスイッチに設定して、マルチキャスト ルータ インターフェイスがないサブネットにおいて MLD スヌーピングをサポートできます。MLD スヌーピング クエリアの詳細については、「MLD スヌーピング クエリアのイネーブル化」を参照してください。

MLD(マルチキャスト ルータ上)またはローカルで、MLD スヌーピング クエリアは、スイッチが VLAN のすべてのポートを通じて転送する、一般的な MLD クエリーを定期的に送信し、ホストがそれに応答します。MLD スヌーピングは レイヤ 3 MLD トラフィックをモニタします。


) PFC/DFC 3C/3CXL は送信元だけのレイヤ 2 エントリをサポートしていますが、PFC/DFC 3B/3BXL は送信元だけのレイヤ 2 エントリをサポートしていません。そのため、IPv6 マルチキャスト フラッディングは、送信元だけのネットワークで防ぐことはできません。



) マルチキャスト グループで、VLAN 中に送信元だけがありレシーバーがない場合は、MLD スヌーピングはマルチキャスト トラフィックをマルチキャスト ルータ ポート宛てだけに抑制します。


MLD メッセージ

MLD メッセージは、次のとおりです。

マルチキャスト リスナー クエリー:

一般的なクエリー:どのマルチキャスト アドレスにリスナーがいるかを学習するためにマルチキャスト ルータから送信されます。

マルチキャスト アドレス固有クエリー:特定のマルチキャスト アドレスにリスナーがいるかどうかを学習するためにマルチキャスト ルータから送信されます。

マルチキャスト アドレスおよび送信元固有クエリー:特定のマルチキャスト アドレス用指定リストの送信元に、リスナーがいるかどうかを学習するために、マルチキャスト ルータから送信されます。

マルチキャスト リスナー レポート

現在のステート レコード(送信請求):ホストが関係するすべてのマルチキャスト グループの INCLUDE または EXCLUDE モードを指定するために、クエリーに対する応答でホストから送信されます。

フィルタ モード変更レコード(非送信請求):1 つ以上のマルチキャスト グループの INCLUDE または EXCLUDE モードを変更するためにホストから送信されます。

送信元リスト変更レコード(非送信請求):マルチキャスト送信元に関する情報を変更するためにホストから送信されます。

送信元ベースのフィルタリング

MLD は送信元ベースのフィルタリングを使用します。これによりホストおよびルータは、特定のマルチキャスト グループで許可またはブロックされる送信元アドレスを特定できます。送信元ベースのフィルタリングでは、MLD メッセージ内にある以下の情報に基づいてトラフィックの許可またはブロックを行います。

送信元リスト

INCLUDE または EXCLUDE モード

レイヤ 2 テーブルが(MAC グループ、VLAN)ベースのため、MLD のホストを使用する場合、マルチキャストの送信元は、各 MAC グループごとに 1 つだけ設定することを推奨します。


) 送信元ベースのフィルタリングは、ハードウェアではサポートされません。このステートはソフトウェアだけで維持され、EHT および統計情報収集に使用されます。


EHT

MLD では、ポート上のメンバシップ情報の明示的なトラッキングをサポートします。明示的なトラッキング データベースは、高速脱退処理、プロキシ レポート機能、統計情報収集に使用されます。VLAN で明示的なトラッキングがイネーブルの場合、MLD スヌーピング ソフトウェアはホストから受信する MLD 通知を処理し、次の情報を含む 明示的なトラッキング データベースを作成します。

ホストに接続されたポート

ホストによって報告されたチャネル

ホストによって報告された各グループのフィルタ モード

ホストによって報告された各グループの送信元リスト

各グループのルータ フィルタ モード

送信元を要求するグループごとのホスト リスト


) • EHT をディセーブルにすると、高速脱退処理およびプロキシ レポート機能がディセーブルになります。

EHT がイネーブルでスイッチが report-suppression モードで動作している場合、マルチキャスト ルータは VLAN インターフェイスを介してアクセスされるホストをすべてトラッキングできない場合があります。


 

MLD スヌーピング プロキシ レポート機能

MLD にはレポート抑制がないので、すべてのホストがクエリーに応じて詳細なマルチキャスト メンバシップ情報をルータに送信します。スイッチは応答をスヌーピングし、データベースを更新し、レポートをルータに転送します。マルチキャスト ルータがレポートで過負荷になるのを防止するために、MLD スヌーピングはプロキシ レポート機能を実行します。

プロキシ レポート機能は、マルチキャスト グループの最初のレポートだけをルータに転送し、同じマルチキャスト グループの他のレポートをすべて抑制します。

プロキシ レポート機能は、送信請求レポートと非送信請求レポートの両方を処理します。プロキシ レポート機能はイネーブルです。ディセーブルにはできません。


) EHT をディセーブルにすると、高速脱退処理およびプロキシ レポート機能がディセーブルになります。


IPv6 マルチキャストグループへの加入

ホストは、IPv6 マルチキャスト ルータからの一般的なクエリーに応じて、非送信請求 MLD レポートを送信するか、または MLD レポートを送信して、IPv6 マルチキャスト グループに参加します(スイッチは、一般的なクエリーを、IPv6 マルチキャスト ルータから VLAN 中のすべてのポートに転送します)。スイッチは、これらのレポートをスヌーピングします。

スヌーピングされた MLD レポートに応じて、スイッチは、レポートを受信した VLAN のレイヤ 2 転送テーブルにエントリを 1 つ作成します。このマルチキャスト トラフィックに関係する別のホストが MLD レポートを送る場合、スイッチは、レポートをスヌーピングして既存のレイヤ 2 転送テーブル エントリにそれを追加します。スイッチは、MLD レポートをスヌーピングする各マルチキャスト グループ用レイヤ 2 転送テーブルで、VLAN あたり 1 つのエントリだけを生成します。

MLD スヌーピングは、マルチキャスト グループごとに 1 つを除いたすべてのホスト レポートを抑制し、その 1 つのレポートを IPv6 マルチキャスト ルータに転送します。

スイッチは、レポートで指定されたマルチキャスト グループ用のマルチキャスト トラフィックを、レポートを受信したインターフェイスに転送します(図 31-1 を参照)。

MLD スヌーピングを通じて学習されるレイヤ 2 マルチキャスト グループは、ダイナミックです。ただし、 mac-address-table static コマンドを使用して、レイヤ 2 マルチキャスト グループをスタティックに設定することもできます。マルチキャスト グループ アドレスのグループ メンバシップをスタティックに指定した場合、そのスタティックな設定は、MLD スヌーピングの学習よりも優先されます。マルチキャスト グループ メンバシップのリストは、スタティックな設定値と、MLD スヌーピングによって学習された設定値の両方で構成できます。

図 31-1 初期 MLD リスナー レポート

 

マルチキャスト ルータ A が MLD 一般クエリーをスイッチに送信し、スイッチがそのクエリーを、同じ VLAN のすべてのメンバーのポート 2 ~ 5 に転送します。ホスト 1 は、IPv6 マルチキャスト グループに加入する意思があり、MLD レポートを 0x0100.5E01.0203 と同じ MAC 宛先アドレスを持つグループにマルチキャストします。スイッチは、ホスト 1 による MLD レポート マルチキャストをスヌーピングすると、スイッチは、MLD レポート内の情報を利用して、 表 31-1 に示すように転送テーブル エントリを作成します。これには、ホスト 1 のポート番号、マルチキャスト ルータ、およびスイッチが含まれます。

 

表 31-1 MLD スヌーピング転送テーブル

宛先 MAC アドレス
パケットのタイプ
ポート

0100.5exx.xxxx

MLD

0

0100.5e01.0203

!MLD

1, 2

スイッチ ハードウェアは、MLD 情報パケットを、マルチキャスト グループ用の他のパケットと区別できます。テーブル中の最初のエントリは、MLD パケットだけを CPU に送信するように指示します。これによって、スイッチがマルチキャスト フレームで過負荷になるのを防止できます。2 番めのエントリは、MLD パケット(!MLD)ではない 0x0100.5E01.0203 マルチキャスト MAC アドレス宛てのフレームをマルチキャスト ルータとグループに加入したホストに送信するように指示します。

別のホスト(たとえば、ホスト 4)が、同じグループ用に非送信請求 MLD レポートを送る場合(図 31-2 を参照)、スイッチがそのメッセージをスヌーピングし、ホスト 4 のポート番号を転送テーブルに追加します( 表 31-2 を参照)。転送テーブルはスイッチ宛てだけに MLD メッセージを送るので、メッセージは他のポートへフラッディングされません。認識されているマルチキャスト トラフィックは、スイッチ宛てではなくグループ宛てに転送されます。

図 31-2 2 番めのホストのマルチキャスト グループへの加入

 

 

表 31-2 更新された MLD スヌーピング転送テーブル

宛先 MAC アドレス
パケットのタイプ
ポート

0100.5exx.xxxx

MLD

0

0100.5e01.0203

!MLD

1, 2, 5

マルチキャスト グループからの脱退

ここでは、マルチキャスト グループからの脱退について説明します。

「通常の脱退処理」

「高速脱退処理」

通常の脱退処理

関連するホストは、一般的な MLD クエリーに定期的に応答を続ける必要があります。VLAN 中の 1 つ以上のホストが一般的な MLD クエリーに定期的に応答しているかぎり、マルチキャスト ルータは引き続きマルチキャスト トラフィックを VLAN に転送します。ホストをマルチキャスト グループから脱退させたい場合は、そのホストで定期的な一般的 MLD クエリーを無視するか(「暗黙的脱退」と言います)、またはグループ固有の MLD フィルタ モード変更レコードを送信します。

MLD スヌーピングが、グループの EXCLUDE モードを設定するホストからフィルタ モード変更レコードを受信すると、MAC アドレスの一般的なクエリーを送信して、そのインターフェイスに接続されている他のホストがその特定のマルチキャスト グループに対するトラフィックに関係があるかどうかを判断します。

MLD スヌーピングが、この一般的なクエリーに対して MLD レポートを受信しなかった場合、インターフェイスに接続されている他のホストの中に、このマルチキャスト グループのトラフィックの受信に関与しているホストはないと見なし、指定されたマルチキャスト グループに対応するレイヤ 2 転送テーブル エントリからそのインターフェイスを削除します。

残りのインターフェイスのうち、グループに関係するホストが接続されたインターフェイスだけからフィルタ モード変更レコードが送信され、一般的なクエリーに応答する MLD レポートを MLD スヌーピングが受信しない場合、MLD スヌーピングはグループ エントリを削除して、MLD フィルタ モード変更レコードをマルチキャスト ルータにリレーします。マルチキャスト ルータが VLAN からレポートを受信しない場合、マルチキャスト ルータは MLD キャッシュからその VLAN 用のグループを削除します。

テーブル エントリを更新するまでスイッチが待機する時間を、「最終メンバー クエリー時間」と呼びます。この時間を設定するには、ipv6 mld snooping last-member-query-interval interval コマンドを入力します。

高速脱退処理

高速脱退処理は、デフォルトでイネーブルに設定されています。高速脱退処理をディセーブルにするには、EHT をオフにします。

高速脱退処理は、送信元グループ ベースのメンバシップ情報をソフトウェアに維持し、LTL インデックスを MAC GDA 単位で割り当てることによって実装されます。

高速脱退処理をイネーブルにすると、ホストは送信元からこれ以上トラフィックを受信しない場合に特定のグループに対し BLOCK_OLD_SOURCES{src-list} メッセージを送信します。スイッチがホストからこのメッセージを受信すると、スイッチは特定グループのホストの送信元リストを解析します。この送信元リストが Leave メッセージで受信されたリストとまったく同じである場合、スイッチは LTL インデックスからホストを削除し、このマルチキャスト グループ トラフィックをホストへ転送するのを停止します。

送信元リストが一致しない場合、ホストがいずれの送信元からのトラフィック受信にも関与しなくなるまで、スイッチはホストを LTL インデックスから削除しません。


) EHT をディセーブルにすると、高速脱退処理およびプロキシ レポート機能がディセーブルになります。


MLD スヌーピング クエリアの概要

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないため、PIM および MLD を設定していない VLAN 内で MLD スヌーピングをサポートするには、MLD スヌーピング クエリアを使用します。

IP マルチキャスト ルーティングが設定されたネットワークでは、IP マルチキャスト ルータが MLD クエリアとして機能します。VLAN の IP マルチキャスト トラフィックに、レイヤ 2 スイッチングだけを行う必要がある場合、IP マルチキャスト ルータは必要ではありません。ただし、VLAN 上に IP マルチキャスト ルータがない場合には、クエリーを送信できるよう他のスイッチを MLD クエリアとして設定する必要があります。

MLD スヌーピング クエリアがイネーブルの場合、MLD スヌーピング クエリアは、IP マルチキャスト トラフィックの受信を希望するスイッチから、MLD レポート メッセージを開始する MLD クエリーを定期的に送信します。MLD スヌーピングはこれらの MLD レポートを待ち受けて、適切な転送を確立します。

MLD スヌーピング クエリアは、VLAN 内のすべてのスイッチでイネーブルにできます。ただし VLAN が、MLD を使用して IP マルチキャスト トラフィックの情報をレポートするスイッチに接続されている場合は、VLAN ごとに 1 つ以上のスイッチを MLD スヌーピング クエリアとして設定する必要があります。

IP マルチキャスト ルーティングがイネーブルであるかどうかにかかわらず、VLAN 上で MLD クエリーを生成するようにスイッチを設定できます。

MLD スヌーピングのデフォルト設定

表 31-3 に、MLD スヌーピングのデフォルト設定を示します。

 

表 31-3 MLD スヌーピングのデフォルト設定

機能
デフォルト値

MLD スヌーピング クエリア

ディセーブル

MLD スヌーピング

イネーブル

マルチキャスト ルータ

設定なし

MLD レポート抑制

イネーブル

MLD スヌーピング ルータ学習方式

PIM または MLD パケットによって自動的に学習

高速脱退処理

イネーブル

MLD EHT

イネーブル

MLD スヌーピング設定時の注意事項および制約事項

MLD スヌーピングを設定する際に、以下の注意事項と制約事項に従ってください。

PFC3C モードおよび PFC3CXL モードだけで、MLD バージョン 1(MLDv1)および MLD バージョン 2(MLDv2)をサポートします。

以下のモードは MLD バージョン 2(MLDv2)だけをサポートします。

PFC3A

PFC3B

PFC3BXL

MLD は、Internet Group Management Protocol version 3(IGMPv3)から派生したものです。MLD プロトコル動作とステート移行、ホストとルータの動作、クエリーとレポート メッセージの処理、メッセージ転送ルール、タイマー動作は、IGMPv3 とまったく同じです。MLD プロトコルの詳細については、draft-vida-mld-.02.txt を参照してください。

MLD プロトコル メッセージは、Internet Control Message Protocol version 6(ICMPv6)メッセージです。

MLD メッセージ形式は、IGMPv3 メッセージとほぼ同一です。

Cisco IOS ソフトウェアの IPv6 マルチキャストは、MLD バージョン 2 を使用します。この MLD バージョンは、MLD バージョン 1 と完全な下位互換性があります(RFC 2710 で規定)。MLD バージョン 1 だけをサポートするホストは、MLD バージョン 2 を実行しているルータと相互運用します。MLD バージョン 1 と MLD バージョン 2 ホストの両方が混在する LAN はサポートされます。

MLD スヌーピングは、プライベート VLAN をサポートします。プライベート VLAN は、MLD スヌーピングに制約を課しません。

MLD スヌーピングは MAC マルチキャスト グループ 0100.5e00.0001 ~ 0100.5eff.ffff のトラフィックを抑制します。

MLD スヌーピングは、ルーティング プロトコルによって生成されたレイヤ 2 マルチキャストは抑制しません。

MLD スヌーピング クエリア設定時の注意事項および制約事項

MLD スヌーピング クエリアを設定する際に、以下の注意事項と制約事項に従ってください。

グローバル コンフィギュレーション モードで VLAN を設定します(「VLAN の設定」を参照)。

VLAN インターフェイスの IPv6 アドレスを設定します(「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照)。MLD スヌーピング クエリアがイネーブルの場合、IPv6 アドレスをクエリー送信元アドレスとして使用します。

VLAN インターフェイスに IPv6 アドレスが設定されていないと、MLD スヌーピング クエリアは起動しません。MLD スヌーピング クエリアは、IPv6 アドレスが消去されるとディセーブルになります。MLD スヌーピング クエリアは、イネーブルの場合、IPv6 アドレスを設定すると再起動します。

MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにすると、IPv6 マルチキャスト ルータからの MLD トラフィックを検出しても起動しません。

MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにすると、IPv6 マルチキャスト ルータから MLD トラフィックが検出されない場合、60 秒後に起動します。

MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにしても、IPv6 マルチキャスト ルータからの MLD トラフィックを検出するとディセーブルになります。

MLD スヌーピングがイネーブルの場合、QoS(Quality of Service)は MLD パケットをサポートしません。

VLAN 内のスイッチは、MLD スヌーピング クエリアをサポートする場合はすべてで、MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにできます。1 つのスイッチをクエリアとして選択します。

MLD スヌーピング クエリアのイネーブル化

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないため、PIM および MLD を設定していない VLAN 内で MLD スヌーピングをサポートするには、MLD スヌーピング クエリアを使用します。

VLAN で MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 address prefix / prefix_length

IPv6 アドレスおよび IPv6 サブネットを設定します。

ステップ 3

Router(config-if)# ipv6 mld snooping querier

MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにします。

Router(config-if)# no ipv6 mld snooping querier

MLD スヌーピング クエリアをディセーブルにします。

ステップ 4

Router(config-if)# end

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 5

Router# show ipv6 mld interface vlan vlan_ID | include querier

設定を確認します。

次に、VLAN 200 で MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。

Router# interface vlan 200
Router(config-if)# ipv6 address 2001:0DB8:0:1::/64 eui-64
Router(config-if)# ipv6 mld snooping querier
Router(config-if)# end
Router# show ipv6 mld interface vlan 200 | include querier
MLD snooping fast-leave is enabled and querier is enabled

MLD スヌーピングの設定


) MLD スヌーピングを使用するには、IPv6 マルチキャスト ルーティング用にサブネットでレイヤ 3 インターフェイスを設定するか、またはサブネットで MLD スヌーピング クエリアをイネーブルにします(「MLD スヌーピング クエリアのイネーブル化」を参照)。


ここでは、MLD スヌーピングを設定する手順について説明します。

「MLD スヌーピングのイネーブル化」

「マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続の設定」

「高速脱退処理のイネーブル化」

「EHT の設定」

「レポート抑制の設定」

「MLD スヌーピング情報の表示」


) グローバルにイネーブルにするコマンドを除き、すべての MLD スヌーピング コマンドは VLAN インターフェイス上だけでサポートされます。


MLD スヌーピングのイネーブル化

MLD スヌーピングをグローバルにイネーブル化するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# ipv6 mld snooping

MLD スヌーピングをイネーブルにします。

Router(config)# no ipv6 mld snooping

MLD スヌーピングをディセーブルにします。

ステップ 2

Router(config)# end

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 3

Router# show ipv6 mld interface vlan vlan_ID | include globally

設定を確認します。

次に、MLD スヌーピングをグローバルにイネーブルにし、設定を確認する例を示します。

Router(config)# ipv6 mld snooping
Router(config)# end
Router# show ipv6 mld interface vlan 200 | include globally
MLD snooping is globally enabled
Router#
 

特定の VLAN で MLD スヌーピングをイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping

MLD スヌーピングをイネーブルにします。

Router(config-if)# no ipv6 mld snooping

MLD スヌーピングをディセーブルにします。

ステップ 3

Router(config-if)# end

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 4

Router# show ipv6 mld interface vlan vlan_ID | include snooping

設定を確認します。

次に、VLAN 25 で MLD スヌーピングをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。

Router# interface vlan 25
Router(config-if)# ipv6 mld snooping
Router(config-if)# end
Router# show ipv6 mld interface vlan 25 | include snooping
MLD snooping is globally enabled
MLD snooping is enabled on this interface
MLD snooping fast-leave is enabled and querier is enabled
MLD snooping explicit-tracking is enabled
MLD snooping last member query response interval is 1000 ms
MLD snooping report-suppression is disabled
Router#

マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続の設定

マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続を設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# mac-address-table static mac_addr vlan vlan_id interface type 1 slot/port [ disable-snooping ]

マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続を設定します。

ステップ 2

Router(config-if)# end

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 3

Router# show mac-address-table address mac_addr

設定を確認します。

1.type = fastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

スタティックな接続を設定する場合、 disable-snooping キーワードを入力することで、スタティックに設定されたマルチキャスト MAC アドレスにアドレス指定されたマルチキャスト トラフィックが、同じ VLAN 内の別のポートに送信されるのも防止できます。

次に、マルチキャスト レシーバーへのスタティックな接続を設定する例を示します。

Router(config)# mac-address-table static 0050.3e8d.6400 vlan 12 interface fastethernet 5/7

マルチキャスト ルータ ポートのスタティックな設定

マルチキャスト ルータへのスタティックな接続を設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping mrouter interface type 2 slot/port

マルチキャスト ルータへのスタティックな接続を設定します。

ステップ 3

Router(config-if)# end

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 4

Router# show ipv6 mld snooping mrouter

設定を確認します。

2.type = fastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

ルータへのインターフェイスは、コマンドを入力する VLAN に存在する必要があります。インターフェイスは管理上アップ状態で、回線プロトコルはアップ状態である必要があります。

次に、マルチキャスト ルータへのスタティックな接続を設定する例を示します。

Router(config-if)# ipv6 mld snooping mrouter interface fastethernet 5/6
Router(config-if)#

MLD スヌーピング クエリー時間の設定

特定のマルチキャスト グループにホストがまだ関係しているかどうかを判別するグループ固有のクエリーを送信した後で、スイッチが待機する時間を設定できます。


) MLD スヌーピング高速脱退処理と MLD スヌーピング クエリー時間の両方を設定した場合は、高速脱退処理が優先されます。


スイッチによって送信される MLD スヌーピング クエリーの待機時間を設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping last-member-query-interval interval

スイッチによって送信される IGMP クエリーの待機時間を設定します。デフォルトは 1 秒です。有効な範囲は 1000 ~ 9990 ミリ秒です。

ステップ 3

Router# show ipv6 mld interface vlan vlan_ID | include last

設定を確認します。

次に、MLD スヌーピング クエリー時間を設定する例を示します。

Router(config-if)# ipv6 mld snooping last-member-query-interval 1000
Router(config-if)# exit
Router# show ipv6 mld interface vlan 200 | include last
MLD snooping last member query response interval is 1000 ms

高速脱退処理のイネーブル化

VLAN 上で高速脱退処理をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping fast-leave

VLAN 上で高速脱退処理をイネーブルにします。

ステップ 3

Router# show ipv6 mld interface vlan vlan_ID | include fast-leave

設定を確認します。

次に、VLAN 200 インターフェイスで高速脱退処理をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。

Router# interface vlan 200
Router(config-if)# ipv6 mld snooping fast-leave
Configuring fast leave on vlan 200
Router(config-if)# end
Router# show ipv6 mld interface vlan 200 | include fast-leave
MLD snooping fast-leave is enabled and querier is enabled
Router#

SSM セーフ レポート機能のイネーブル化

Source-Specific Multicast(SSM)セーフ レポート機能をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping ssm-safe-reporting

SSM セーフ レポート機能をイネーブルにします。

Router(config-if)# no ipv6 mld snooping ssm-safe-reporting

設定を消去します。

次に、SSM セーフ レポート機能を設定する例を示します。

Router(config)# interface vlan 10
Router(config-if)# ipv6 mld snooping ssm-safe-reporting

EHT の設定


) EHT をディセーブルにすると、高速脱退処理およびプロキシ レポート機能がディセーブルになります。


VLAN で EHT をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping explicit-tracking

EHT をイネーブルにします。

Router(config-if)# no ipv6 mld snooping explicit-tracking

EHT 設定を消去します。

ステップ 3

Router# show ipv6 mld snooping explicit-tracking vlan vlan_ID

EHT を表示します。

次に、EHT をイネーブルにする例を示します。

Router(config)# interface vlan 25
Router(config-if)# ipv6 mld snooping explicit-tracking
Router(config-if)# end
Router# show ipv6 mld snooping explicit-tracking vlan 25
Source/Group Interface Reporter Filter_mode
------------------------------------------------------------------------
10.1.1.1/226.2.2.2 Vl25:1/2 16.27.2.3 INCLUDE
10.2.2.2/226.2.2.2 Vl25:1/2 16.27.2.3 INCLUDE

レポート抑制の設定

VLAN レポート抑制をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface vlan vlan_ID

VLAN インターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ipv6 mld snooping report-suppression

レポート抑制をイネーブルにします。

Router(config-if)# no ipv6 mld snooping report-suppression

レポート抑制設定を消去します。

ステップ 3

Router# show ipv6 mld interface vlan_ID | include report-suppression

レポート抑制のステータスを表示します。

次に、EHT をイネーブルにする例を示します。

Router(config)# interface vlan 25
Router(config-if)# ipv6 mld snooping report-suppression
Router(config-if)# end
Router# Router# show ipv6 mld interface vlan 25 | include report-suppression
MLD snooping report-suppression is enabled

MLD スヌーピング情報の表示

ここでは、MLD スヌーピング情報の表示方法について説明します。

「マルチキャスト ルータ インターフェイスの表示」

「MAC アドレス マルチキャスト エントリの表示」

「VLAN インターフェイスの MLD スヌーピング情報の表示」

マルチキャスト ルータ インターフェイスの表示

IGMP スヌーピングをイネーブルにすると、スイッチはマルチキャスト ルータの接続先インターフェイスを自動的に学習します。

マルチキャスト ルータ インターフェイスを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show ipv6 mld snooping mrouter vlan_ID

マルチキャスト ルータ インターフェイスを表示します。

次に、VLAN 1 のマルチキャスト ルータ インターフェイスを表示する例を示します。

Router# show ipv6 mld snooping mrouter vlan 1
vlan ports
-----+----------------------------------------
1 Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router
Router#

MAC アドレス マルチキャスト エントリの表示

VLAN の MAC アドレス マルチキャスト エントリを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mac-address-table multicast vlan_ID [ count ]

VLAN の MAC アドレス マルチキャスト エントリを表示します。

次に、VLAN 1 の MAC アドレス マルチキャスト エントリを表示する例を示します。

Router# show mac-address-table multicast vlan 1
vlan mac address type qos ports
-----+---------------+--------+---+--------------------------------
1 0100.5e02.0203 static -- Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router
1 0100.5e00.0127 static -- Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router
1 0100.5e00.0128 static -- Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router
1 0100.5e00.0001 static -- Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router,Switch
Router#
 

次に、ある VLAN について MAC アドレス エントリの総数を表示する例を示します。

Router# show mac-address-table multicast 1 count
 
Multicast MAC Entries for vlan 1: 4
Router#

VLAN インターフェイスの MLD スヌーピング情報の表示

VLAN インターフェイスについて MLD スヌーピング情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show ipv6 mld snooping {{ explicit-tracking vlan_ID }| { mrouter [ vlan vlan_ID ]} | { report-suppression vlan vlan_ID } | { statistics vlan vlan_ID }

特定の VLAN インターフェイス上の MLD スヌーピング情報を表示します。

次に、VLAN 25 の明示的なトラッキング情報を表示する例を示します。

Router# show ipv6 mld snooping explicit-tracking vlan 25
Source/Group Interface Reporter Filter_mode
------------------------------------------------------------------------
10.1.1.1/226.2.2.2 Vl25:1/2 16.27.2.3 INCLUDE
10.2.2.2/226.2.2.2 Vl25:1/2 16.27.2.3 INCLUDE
 

次に、VLAN 1 のマルチキャスト ルータ インターフェイスを表示する例を示します。

Router# show ipv6 mld snooping mrouter vlan 1
vlan ports
-----+----------------------------------------
1 Gi1/1,Gi2/1,Fa3/48,Router
 

次に、VLAN 25 の IGMP スヌーピング統計情報の例を示します。

Router# show ipv6 mld snooping statistics interface vlan 25
 
Snooping staticstics for Vlan25
#channels:2
#hosts :1
 
Source/Group Interface Reporter Uptime Last-Join Last-Leave
10.1.1.1/226.2.2.2 Gi1/2:Vl25 16.27.2.3 00:01:47 00:00:50 -
10.2.2.2/226.2.2.2 Gi1/2:Vl25 16.27.2.3 00:01:47 00:00:50 -