Catalyst 6500 シリーズ スイッチ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド - リリース 12.1 E
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの 設定
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定
発行日;2012/02/02 | 英語版ドキュメント(2011/06/13 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能概要

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの概要

マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング フロー マスク

レイヤ 3 スイッチド マルチキャスト パケットの書き換え

フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチング

PFC1 または PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー

PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー

フローの完全スイッチング

非 RPF トラフィックの処理

非 RPF トラフィックの概要

スタブ ネットワークのための RPF 障害のフィルタリング

RPF 障害トラフィックのレート制限

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング設定時の注意事項および制約事項

PFC2 と MSFC2

PFC1 と MSFC または MSFC2

PFC1 と PFC2 の基本的な制約事項

サポートされていない機能

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

IGMPv3、IGMP v3lite、および URD を使用した Source Specific Multicast

IP マルチキャスト ルーティングのグローバルなイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上での IP PIM のイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上での IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル化

レイヤ 3 スイッチングのグローバル スレッシュホールドの設定

直接接続されたサブネットのインストールのイネーブル化

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限のイネーブル化

RPF 障害の CEF ベースのレート制限のイネーブル化

ショートカット整合性検査のイネーブル化

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定

RPF 障害のレート制限情報の表示

IP マルチキャスト レイヤ 3 ハードウェア スイッチング要約情報の表示

IP マルチキャスト ルーティング テーブルの表示

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示

debug コマンドの使用

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報のクリア

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

この章では、Catalyst 6500 シリーズ スイッチに IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングを設定する手順について説明します。


) この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、『Catalyst 6500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能概要」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング設定時の注意事項および制約事項」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定」


) この章では、厳密に区別されている場合を除き、「PFC」という用語は PFC2 または PFC1 のいずれかを、また、「MSFC」は MSFC2 または MSFC1 いずれかを表します。


IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能概要

ここでは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能について説明します。

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの概要」

「マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング フロー マスク」

「レイヤ 3 スイッチド マルチキャスト パケットの書き換え」

「フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチング」

「非 RPF トラフィックの処理」

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの概要

Policy Feature Card 2(PFC2; ポリシー フィーチャ カード 2)は、ハードウェア レプリケーション テーブルおよびハードウェア Cisco Express Forwarding(CEF)(PFC2 の Forwarding Information Base [FIB; 転送情報ベース] および隣接テーブルを使用)を使用して、IP マルチキャスト フローのレイヤ 3 スイッチング機能を提供します。Distributed Forwarding Cards(DFC; 分散型フォワーディング カード)を装備したシステムでは、IP マルチキャスト フローは、Multicast Distributed Hardware Switching(MDHS)を使用してローカルにレイヤ 3 スイッチングされます。MDHS は、各 DFC 上のローカルなハードウェア CEF テーブルおよびレプリケーション テーブルを使用して、DFC を装備した各スイッチング モジュール上で、レイヤ 3 スイッチングおよび Reverse Path Forwarding(RPF)障害のレート制限をローカルに実行します。

PFC2 および DFC は、(*,G)ステート フローのハードウェア スイッチングをサポートします。PFC1、PFC2、および DFC は、非 RPF トラフィックのレート制限をサポートします。

Policy Feature Card 1(PFC1; ポリシー フィーチャ カード 1)は、NetFlow およびハードウェア レプリケーション テーブルを使用して、Multilayer Switching(MLS; マルチレイヤ スイッチング)による IP マルチキャスト フローのレイヤ 3 スイッチング機能を提供します。

マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングは、高度な Application-Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け集積回路)スイッチング ハードウェアを使用して、IP サブネット間で IP マルチキャスト データ パケット フローを転送します。その結果、プロセッサを集中的に使用するマルチキャスト転送および複製といったネットワーク ルータの負荷を軽減します。

ハードウェア スイッチングが不可能なレイヤ 3 フローは、引き続きルータによってソフトウェアで転送されます。ルートの決定には、Protocol Independent Multicast(PIM)が使用されます。

PFC1、PFC2、および DFC はいずれも、レイヤ 2 マルチキャスト転送テーブルを使用して、レイヤ 2 マルチキャスト トラフィックを転送する必要があるポート(ある場合)を判別します。マルチキャスト転送テーブル エントリは、Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピングとともに読み込まれます(「IGMP スヌーピングの設定」を参照)。

マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ

PFC1、PFC2、および DFC は、次のようにして 1 つ以上のハードウェア テーブルにレイヤ 3 スイッチング情報を保持します。

PFC1 は、レイヤ 3 フローを {送信元 IP、IP グループ、入力インターフェイス/VLAN} として NetFlow キャッシュに読み込みます。また、レイヤ 3 書き換え情報と、フローの出力インターフェイス(レプリケーション エントリなど)のリストへのポインタを保存します。フローがこれらのパラメータと一致しない場合は、これは NetFlow 不一致と見なされ、レイヤ 2 ルックアップに基づいて着信ポートでブリッジされます。

PFC2 および DFC は、適切なマスクを使用して(S,G)または(*,G)フローをハードウェア FIB テーブルに読み込みます。たとえば、(S/32, G/32)および(*/0, G/32)です。RPF インターフェイスおよび隣接ポインタ情報も、各エントリに保存されます。隣接テーブルには、書き換え情報およびレプリケーション エントリへのポインタが含まれます。フローが FIB エントリと一致した場合、RPF チェックによって着信インターフェイス/Virtual LAN(VLAN; 仮想 LAN)がエントリと比較されます。一致しない場合は RPF 障害であり、レート制限機能がイネーブルになっている場合はレート制限の対象になります。

PFC1 を装備したシステムでは、最大スイッチング キャッシュ サイズは 128K エントリで、スイッチ上のすべてのレイヤ 3 スイッチング プロセス(IP ユニキャスト MLS や Internetwork Packet Exchange [IPX] MLS など)によって共有されます。ただし、32K エントリを超えるキャッシュによって、フローが PFC によってスイッチングされず、MSFC に転送される可能性が高くなります。

PFC1 または PFC2 を装備したシステムでは、MSFC は新しいフローのトラフィックを受信するたびに、自身のマルチキャスト ルーティング テーブルを更新し、新しい情報を PFC に転送します。さらに、MSFC 上のマルチキャスト ルーティング テーブルのエントリが期限切れになると、MSFC はそのエントリを削除し、更新された情報を PFC に転送します。DFC を装備したシステムでは、すべての DFC および PFC2 に対称的にフローが読み込まれます。

レイヤ 3 スイッチング キャッシュには、すべてのアクティブなレイヤ 3 スイッチド フローに関するフロー情報が含まれます。スイッチング キャッシュが読み込まれた後、既存のフローに属することが識別されたマルチキャスト パケットは、そのフローに対応するキャッシュ エントリに基づいて、レイヤ 3 スイッチングできます。PFC はキャッシュ エントリごとに、IP マルチキャスト グループに対応する出力インターフェイスのリストを維持します。PFC はこのリストを使用して、特定のマルチキャスト フローからのトラフィックをどの VLAN に複製しなければならないかを識別します。

レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリに有効なコマンドは、次のとおりです。

clear ip mroute コマンドを使用して)マルチキャスト ルーティング テーブルをクリアすると、マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリがすべてクリアされます。

no ip multicast-routing コマンドを使用して)MSFC 上の IP マルチキャスト ルーティングをディセーブルにすると、PFC 上のマルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリがすべて消去されます。

(no mls ip multicast コマンドを使用して)インターフェイス単位でマルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをディセーブルにすると、このインターフェイスを RPF インターフェイスとして使用するフローは、ソフトウェアで MSFC だけによってルーティングされます。

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング フロー マスク

PFC1 を使用する IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングでは、マルチキャスト source-destination-VLAN フロー マスクだけがサポートされます。PFC1 は、{送信元 IP、宛先グループ IP、送信元 VLAN} ごとにマルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリを 1 つ維持します。マルチキャスト source-destination-VLAN フロー マスクは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの場合は送信元 VLAN がエントリの一部として組み込まれているという点で、IP ユニキャスト MLS source-destination-ip フロー マスクとは異なります。送信元 VLAN は、マルチキャスト フローのマルチキャスト RPF インターフェイスです。フローは、送信元装置の IP アドレス、宛先 IP マルチキャスト グループ アドレス、および送信元 VLAN に基づいています。MSFC は、RPF インターフェイスを使用して、ユニキャスト パケットを送信元に返送します。

レイヤ 3 スイッチド マルチキャスト パケットの書き換え


) IP マルチキャスト パケットでは、ARPA の書き換えだけがサポートされます。Subnetwork Address Protocol(SNAP)の書き換えはサポートされません。


マルチキャスト パケットがマルチキャスト送信元から宛先マルチキャスト グループにレイヤ 3 スイッチングされる場合は、PFC1 は、MSFC から取得した情報とレイヤ 3 スイッチング キャッシュに保存されている情報に基づいてパケットの書き換えを実行します。PFC2 と DFC の場合は、パケットの書き換えは、MSFC2 から取得された情報に基づいて行われ、隣接テーブルに保存されます。パケットの書き換えの形式は、PFC1、PFC2、および DFC で同じです。

たとえば、サーバ A が IP マルチキャスト グループ G1 を宛先とするマルチキャスト パケットを送信するとします。送信元 VLAN 以外の VLAN 上にグループ G1 のメンバーが存在する場合、PFC は他の VLAN にトラフィックを複製するとき、パケットの書き換えを実行する必要があります(スイッチはさらに、送信元 VLAN 内でパケットをブリッジします)。

PFC がマルチキャスト パケットを受信した時点でのパケットの形式は(概念的には)、次のとおりです。

 

レイヤ 2 フレーム ヘッダー
レイヤ 3 IP ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

宛先

送信元

TTL

チェックサム

グループ G1 Media Access Control(MAC) 1

送信元 A MAC

グループ G1 IP

送信元 A IP

n

計算 1

1.この例では、宛先 B はグループ G1 のメンバーです。

PFC は、パケットを次のように書き換えます。

レイヤ 2 フレーム ヘッダーの送信元 MAC アドレスを、ホストの MAC アドレスから MSFC の MAC アドレスに変更します(この MAC アドレスは、フローのマルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリに保存されます)。

IP ヘッダーの Time to Live(TTL; 存続可能時間)を 1 だけ減らし、IP ヘッダー チェックサムを再計算します。

その結果、表示される書き換え済みの IP マルチキャスト パケットは、ルーティングされていることになります。PFC は書き換えたパケットを該当する宛先 VLAN に複製し、パケットはその VLAN 上で IP マルチキャスト グループ G1 のメンバーに転送されます。

PFC がパケットの書き換えを行った後の形式は(概念的には)、次のとおりです。

 

フレーム ヘッダー
IP ヘッダー
データ
FCS

宛先

送信元

宛先

送信元

TTL

チェックサム

グループ G1 MAC

MSFC MAC

グループ G1 IP

送信元 A IP

n-1

計算 2

フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチング

特定のフローで、1 つ以上の出力レイヤ 3 インターフェイスがマルチレイヤ スイッチングされ、1 つ以上の出力インターフェイスがマルチレイヤ スイッチングされない場合、そのフローは部分的にスイッチングされていると見なされます。部分的にスイッチングされるフローが作成されると、そのフローに属するすべてのマルチキャスト トラフィックが MSFC に到達し、マルチレイヤ スイッチングされない出力インターフェイス上でソフトウェアによって転送されます。

ここでは、フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチングについて説明します。

「PFC1 または PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー」

「PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー」

「フローの完全スイッチング」

PFC1 または PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー

システムに PFC1 または PFC2 がインストールされている場合は、次の状況で、フローは完全にスイッチングされずに部分的にスイッチングされる可能性があります。

スイッチが、マルチキャスト送信元の RPF インターフェイスで( ip igmp join-group コマンドを使用して)IP マルチキャスト グループのメンバーとして設定されている場合

登録ステートの間、PIM sparse(疎)モードで、スイッチが送信元への最初のホップ ルータである場合(この場合、スイッチは Rendezvous Point [RP; ランデブー ポイント] に PIM 登録メッセージを送信する必要があります)

フローの出力インターフェイスで、マルチキャスト TTL スレッシュホールドが設定されている場合(ip multicast ttl-threshold コマンドを使用)

フローの RPF インターフェイスにマルチキャスト ヘルパーが設定されていて、マルチキャストからブロードキャストへの変換が必要な場合

出力インターフェイスが Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP; ディスタンスベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル)トンネル インターフェイスの場合

RPF インターフェイスの Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)が、出力インターフェイスの MTU よりも大きい場合

インターフェイスに Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)が設定されていて、出力インターフェイス用に送信元アドレスの変換が必要な場合

PFC2 で部分的にスイッチングされるフロー

PFC2 システムでは、共有ツリーから Shortest-Path-Tree(SPT)へのスレッシュホールドが無限に等しくない場合、(*,G)フローは最後のホップ リーフ ルータ上で部分的にスイッチングされます。これによって、フローは SPT から移行できます。


) PFC2 では、出力インターフェイスで出力 Access Control List(ACL; アクセス制御リスト)と一致するフローは、ソフトウェアでルーティングされます。


フローの完全スイッチング

特定のフローで、すべての出力レイヤ 3 インターフェイスがレイヤ 3 スイッチングされ、かつフローに上記の状況がいずれも該当しない場合、そのフローは完全にスイッチングされていると見なされます。完全にスイッチングされるフローが作成されると、PFC は、送信元 VLAN 上でそのフロー用にブリッジされているマルチキャスト トラフィックが VLAN の MSFC インターフェイスに到達できないようにして、そのフローの転送および複製など MSFC の負荷を軽減します。

フローが完全にスイッチングされると、そのフローに関してはパケット単位でのマルチキャスト統計情報を記録できません。そのため、PFC はすべての完全にスイッチングされたフローに関するマルチキャスト パケットおよびバイト カウント統計情報を、定期的に MSFC に送信します。MSFC は対応するマルチキャスト ルーティング テーブル エントリを更新し、そのマルチキャスト ルートに対応する期限タイマーをリセットします。


) PIM-RP または PIM-dense(密)モードでは(*,G)ステートが作成されますが、フローの転送には使用されず、これらのフローについてはレイヤ 3 スイッチング エントリは作成されません。


非 RPF トラフィックの処理

ここでは、非 RPF トラフィックの処理について説明します。

「非 RPF トラフィックの概要」

「スタブ ネットワークのための RPF 障害のフィルタリング」

「RPF 障害トラフィックのレート制限」

非 RPF トラフィックの概要

複数のルータが同一 LAN セグメントに接続する冗長設定では、1 台のルータだけが、出力インターフェイス上でマルチキャスト トラフィックを送信元から受信側まで転送します(図 18-1 を参照)。このようなトポロジでは、PIM Designated Router(PIM DR; PIM 指定ルータ)だけが共通の VLAN 内でデータを転送し、非 PIM DR は転送されたマルチキャスト トラフィックを受信します。このトラフィックは、誤ったインターフェイスに着信して RPF チェックに失敗するため、冗長ルータ(非 PIM DR)はこのトラフィックを廃棄する必要があります。このように RPF チェックに失敗するトラフィックを、「非 RPF トラフィック」といいます。

Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、PFC のハードウェアで、非 RPF トラフィックをフィルタリング(廃棄)するか、またはレート制限することによって処理します。

図 18-1 スタブ ネットワークにおける冗長マルチキャスト ルータの設定

 

スタブ ネットワークのための RPF 障害のフィルタリング

PFC1、PFC2、および DFC は、sparse(疎)モードのスタブ ネットワーク用に、RPF 障害の ACL ベースのフィルタリング機能をサポートしています。冗長ルータ上で mls ip multicast stub コマンドを入力して、ACL ベースの方式による RPF 障害のフィルタリングをイネーブルにすると、次の ACL が自動的に PFC にダウンロードされ、指定するインターフェイスに適用されます。

access-list 100 permit ip A.B.C.0 0.0.0.255 any
access-list 100 permit ip A.B.D.0 0.0.0.255 any
access-list 100 permit ip any 224.0.0.0 0.0.0.255
access-list 100 permit ip any 224.0.1.0 0.0.0.255
access-list 100 deny ip any 224.0.0.0 15.255.255.255
 

ACL によって、ハードウェアで RPF 障害がフィルタリングおよび廃棄されるため、ルータに転送されなくなります。

ACL ベース方法の RPF 障害フィルタリング機能は、ダウンストリーム ルータの存在しない、sparse(疎)モードのスタブ ネットワークに限って使用してください。dense(密)モード グループの場合は、PIM アサート メカニズムを正常に動作させるために、ルータ上で RPF 障害パケットを認識する必要があります。dense(密)モードのネットワーク、および sparse(疎)モードの中継ネットワークでは、CEF ベースまたは NetFlow ベースのレート制限を使用して、RPF 障害のレートを制限してください。

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングについての詳細は、「RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定」を参照してください。

RPF 障害トラフィックのレート制限

RPF チェックに失敗するパケット(非 RPF パケット)のレート制限を行うと、ほとんどの非 RPF パケットがハードウェアで廃棄されます。マルチキャスト プロトコルの仕様に従って、PIM アサート メカニズムが正しく機能するには、ルータが非 RPF パケットを確認する必要があるため、すべての非 RPF パケットをハードウェアで廃棄できません。PIM アサート メカニズムをサポートするために、PFC は非 RPF フロー パケットの一部を MSFC にリークします。

ここでは、RPF 障害の 2 つのレート制限モードについて説明します。

「RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限」

「RPF 障害の CEF ベースのレート制限」


) PFC2 と DFC では、両方のレート制限モードがサポートされます。PFC2 が装備されたシステムと DFC では、RPF 障害の CEF ベースのレート制限がデフォルトです。RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限は、PFC1 でサポートされる唯一のレート制限モードです。


RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限を使用すると、非 RPF フローごとに NetFlow エントリが作成されます。非 RPF パケットの到着時に、MSFC は、グループ、送信元、およびパケットが PFC に到着したインターフェイスに関する情報を伝達します。次に、PFC は NetFlow エントリをインストールし、内部ルータ ポートを除く、VLAN 内のすべてのポートにパケットをブリッジします。

PFC は、2 秒ごとに非 RPF トラフィックの有無を検査します。非 RPF トラフィックが存在する場合は、エントリは最大で 20 秒間保持されます。

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限を設定するには、「RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限のイネーブル化」を参照してください。

RPF 障害の CEF ベースのレート制限

PFC2 と DFC では、RPF 障害の CEF ベースのレート制限と RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限の両方がサポートされます。CEF ベース モードでは、PFC2 または DFC は、非 RPF パケットを MSFC2 にブリッジするのではなく廃棄します。PIM アサート メカニズムをサポートするために、CEF ベースのレート制限は 10 秒間隔で機能します。各 10 秒間隔内の短時間で、パケットは MSFC にリークされます。各 10 秒間隔の残り時間中に、非 RPF パケットはハードウェアで廃棄されます。RPF 障害の CEF ベースのレート制限は、PFC2 が装備されたシステムと DFC ではデフォルトでイネーブルになっており、ユーザの設定は不要です。

RPF 障害の CEF ベースのレート制限の設定についての詳細は、「RPF 障害の CEF ベースのレート制限のイネーブル化」を参照してください。

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

表 18-1 に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定を示します。

 

表 18-1 IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのデフォルト設定

機能
デフォルト値

スタブ ネットワーク用の ACL

全インターフェイスでディセーブル

直接接続されたサブネット エントリのインストール

グローバルにイネーブル

CEF ベースのレート制限

グローバルにイネーブル(PFC2 だけ)

Netflow ベースのレート制限

グローバルにディセーブル

マルチキャスト ルーティング

グローバルにディセーブル

PIM ルーティング

全インターフェイスでディセーブル

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング

マルチキャスト ルーティングがイネーブルで、インターフェイス上で PIM がイネーブルになっている場合はイネーブル

ショートカット整合性検査

イネーブル

インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)スヌーピングは、すべての VLAN インターフェイス上で、デフォルトでイネーブルに設定されています。インターフェイス上で IGMP スヌーピングをディセーブルにしても、マルチキャスト レイヤ 3 フローは引き続きハードウェアによりスイッチングされます。IGMP スヌーピングをディセーブルに設定したインターフェイス上でフローをブリッジすると、VLAN のすべての転送インターフェイスにフラッディングが発生します。IGMP スヌーピングの設定については、「IGMP スヌーピングの設定」を参照してください。

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング設定時の注意事項および制約事項

ここでは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定に関する制約事項について説明します。

「PFC2 と MSFC2」

「PFC1 と MSFC または MSFC2」

「PFC1 と PFC2 の基本的な制約事項」

「サポートされていない機能」

PFC2 と MSFC2

PFC2 と MSFC2 が装備されているシステムでは、次のような場合に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングは IP マルチキャスト フローに提供されません。

224.0.0.*(* は 0 ~ 255)の範囲の IP マルチキャスト グループ。これらのグループは、ルーティング プロトコルが使用します。レイヤ 3 スイッチングは、グループ 224.0.2.* ~ 239.*.*.* でサポートされます。


) 224.0.0.* の範囲のグループはルーティング コントロール パケット専用で、VLAN のすべての転送ポートにフラッディングする必要があります。これらのアドレスは、マルチキャスト MAC アドレス範囲 01-00-5E-00-00-xxxx は 0 ~ 0xFF)に対応します。


PIM 自動 RP マルチキャスト グループ(IP マルチキャスト グループ アドレス 224.0.1.39 および 224.0.1.40)

インターフェイスまたはグループの PIM sparse(疎)モードの実行時にフローの SPT ビットがクリアされる場合

IP オプションを指定されたパケット。ただし、IP オプションを指定されていないフロー内でのパケットは、ハードウェア スイッチングされます。

トンネル インターフェイスで受信する送信元トラフィック(MBONE トラフィックなど)

PFC1 と MSFC または MSFC2

PFC1 と MSFC または MSFC2 が装備されているシステムでは、次のような場合に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングは IP マルチキャスト フローに提供されません。

次の範囲に入る IP マルチキャスト グループ(* は 0 ~ 255 の範囲内)

224.0.0.* ~ 239.0.0.*
224.128.0.* ~ 239.128.0.*


) 224.0.0.* の範囲のグループはルーティング コントロール パケット専用で、VLAN のすべての転送インターフェイスにフラッディングする必要があります。これらのアドレスはすべて、マルチキャスト MAC アドレス範囲 01-00-5E-00-00-xxxx は 0 ~ 0xFF の範囲)に対応します。


PIM 自動 RP マルチキャスト グループ(IP マルチキャスト グループ アドレス 224.0.1.39 および 224.0.1.40)

インターフェイスまたはグループが PIM sparse(疎)モードを実行している場合にマルチキャスト共有ツリーで転送されるフロー(つまり、{*,G,*} 転送)

インターフェイスまたはグループの PIM sparse(疎)モードの実行時にフローの SPT ビットがクリアされる場合

フラグメンテーションを必要とするパケットと、IP オプションが指定されたパケット。ただし、IP オプションが指定されていないフロー内でのパケットは、レイヤ 3 スイッチングされます。

トンネル インターフェイスで受信する送信元トラフィック(MBONE トラフィックなど)

PFC1 と PFC2 の基本的な制約事項

レイヤ 3 フローに対応するレイヤ 2 エントリがレイヤ 2 転送テーブルに存在しない場合は、入力 ACL 拒否はハードウェア ACL エンジンによって適用されません。ACL は、MSFC ソフトウェアによって適用されます。

サポートされていない機能

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにした場合、レイヤ 3 インターフェイスに関する IP アカウンティングでは、正確な値が報告されません。show ip accounting コマンドはサポートされません。

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定

ここでは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定手順について説明します。

「IGMPv3、IGMP v3lite、および URD を使用した Source Specific Multicast」

「IP マルチキャスト ルーティングのグローバルなイネーブル化」

「レイヤ 3 インターフェイス上での IP PIM のイネーブル化」

「レイヤ 3 インターフェイス上での IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル化」

「レイヤ 3 スイッチングのグローバル スレッシュホールドの設定」

「直接接続されたサブネットのインストールのイネーブル化」

「RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限のイネーブル化」

「RPF 障害の CEF ベースのレート制限のイネーブル化」

「ショートカット整合性検査のイネーブル化」

「RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定」

「RPF 障害のレート制限情報の表示」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 ハードウェア スイッチング要約情報の表示」

「IP マルチキャスト ルーティング テーブルの表示」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示」

「debug コマンドの使用」

「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報のクリア」


) Release 12.1(11b)E 以降では、コンフィギュレーション モードで、EXEC モード レベル コマンドの前に do キーワードを入力することによって、EXEC モード レベル コマンドを入力できます。


IGMPv3、IGMP v3lite、および URD を使用した Source Specific Multicast

IGMPv3、IGMP v3lite、および URL Rendezvous Directory(URD)を使用した Source Specific Multicast の詳細および手順については、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios121/121newft/121t/121t5/dtssm5t.htm

IP マルチキャスト ルーティングのグローバルなイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにするには、事前に IP マルチキャスト ルーティングをグローバルにイネーブルにする必要があります。

詳しい説明および設定手順については、次のマニュアルを参照してください。

次の URL の『 Cisco IOS IP and IP Routing Configuration Guide Release 12.1

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios121/121cgcr/ip_c/index.htm

次の URL の『 Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference Release 12.1

http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios121/121cgcr/ip_r/index.htm

IP マルチキャスト ルーティングをグローバルにイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# ip multicast-routing

IP マルチキャスト ルーティングをグローバルにイネーブルにします。

Router(config)# no ip multicast-routing

IP マルチキャスト ルーティングをグローバルにディセーブルにします。

次に、マルチキャスト ルーティングをグローバルにイネーブルにする例を示します。

Router(config)# ip multicast-routing
Router(config)#

レイヤ 3 インターフェイス上での IP PIM のイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングを動作させるには、事前にレイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにする必要があります。

レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type 2 slot/port }}

設定するインターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# ip pim { dense-mode | sparse-mode | sparse-dense-mode }

レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をイネーブルにします。

Router(config-if)# no ip pim [ dense-mode | sparse-mode | sparse-dense-mode ]

レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をディセーブルにします。

2.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、インターフェイス上でデフォルト モード( sparse-dense-mode )を使用して PIM をイネーブルにする例を示します。

Router(config-if)# ip pim
Router(config-if)#

次に、インターフェイス上で PIM sparse(疎)モードをイネーブルにする例を示します。

Router(config-if)# ip pim sparse-mode
Router(config-if)#

レイヤ 3 インターフェイス上での IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル化

レイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにすると、インターフェイス上では IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングがデフォルトでイネーブルになります。次の作業は、インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをディセーブルにした後、再びイネーブルにする場合だけ行います。

PIM は、VLAN インターフェイスも含めて、任意のレイヤ 3 インターフェイス上でイネーブルに設定できます。


) IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングを動作させるには、事前に関与するすべてのレイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにする必要があります。レイヤ 3 インターフェイス上での PIM の設定手順については、「レイヤ 3 インターフェイス上での IP PIM のイネーブル化」を参照してください。


レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type 3 slot/port }}

設定するインターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# mls ip multicast

レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにします。

ステップ 3

Router(config-if)# no mls ip multicast

レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをディセーブルにします。

3.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにする例を示します。

Router(config-if)# mls ip multicast
Router(config-if)#

レイヤ 3 スイッチングのグローバル スレッシュホールドの設定

スレッシュホールドに満たないマルチキャスト トラフィックは、すべて MSFC によってルーティングされるように、グローバルなマルチキャスト レート スレッシュホールド(パケット/秒で指定)を設定できます。これによって、低速のレイヤ 3 フローに対応するスイッチング キャッシュ エントリの作成を防止できます。


) このコマンドは、すでにルーティングされているフローには影響しません。既存のルートにスレッシュホールドを適用するには、ルートをいったんクリアして、再び確立させます。


レイヤ 3 スイッチング スレッシュホールドを設定するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# mls ip multicast threshold ppsec

IP MMLS スレッシュホールドを設定します。

Router(config)# no mls ip multicast threshold

デフォルトの IP MMLS スレッシュホールドに戻します。

次に、レイヤ 3 スイッチング スレッシュホールドを 10 パケット/秒に設定する例を示します。

Router(config)# mls ip multicast threshold 10
Router(config)#

直接接続されたサブネットのインストールのイネーブル化

PIM sparse(疎)モードでは、インターフェイスの指定ルータであるファースト ホップ ルータが、送信元トラフィックを PIM 登録メッセージにカプセル化し、ランデブー ポイントにユニキャストしなければならない場合があります。グループの新しい送信元がルーティング テーブルで学習されないようにするには、(*,G)フローを完全なハードウェア スイッチド フローのままにする必要があります。ハードウェアに(subnet/mask, 224/4)エントリをインストールすると、FIB によって両方の(*,G)フローが完全なハードウェア スイッチド フローのままになり、新たに直接接続された送信元が正常に学習されます。直接接続されたサブネットのインストールは、デフォルトでグローバルにイネーブル化されます。PIM 対応のインターフェイスごとに(subnet/mask, 224/4)が 1 つインストールされます。

FIB エントリを表示するには、show mls ip multicast connected コマンドを入力します。

直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# mls ip multicast connected

直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにします。

Router(config)# no mls ip multicast connected

直接接続されたサブネットのインストールをディセーブルにします。

次に、直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにする例を示します。

Router(config)# mls ip multicast connected
Router(config)#

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限のイネーブル化

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにイネーブルしたり、レイヤ 3 インターフェイス単位でイネーブルしたりできます。グローバル レベルでイネーブルにすると、この機能は適格なすべてのレイヤ 3 インターフェイスで自動的にイネーブルになります。


) PFC2 で RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をイネーブルにするには、最初に、デフォルトでイネーブルになっている RPF 障害の CEF ベースのレート制限をディセーブルにする必要があります。


RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# mls ip multicast non-rpf netflow

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにイネーブルにします。

Router(config)# no mls ip multicast non-rpf netflow

RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにディセーブルにします。

ステップ 2

Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type 4 slot/port } | { port-channel channel_ID }}

設定するレイヤ 3 インターフェイスを選択します。

ステップ 3

Router(config-if)# mls ip multicast non-rpf netflow

レイヤ 3 インターフェイスで RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにイネーブルにします。

Router(config-if)# no mls ip multicast non-rpf netflow

レイヤ 3 インターフェイスで RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにディセーブルにします。

4.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、非 RPF 障害の NetFlow ベースのレート制限をグローバルにイネーブルにする例を示します。

Router(config)# mls ip multicast non-rpf netflow
Router(config)#

RPF 障害の CEF ベースのレート制限のイネーブル化

PFC2 が装備されたシステムでは、RPF 障害の CEF ベースのレート制限はデフォルトでイネーブルになっています。RPF 障害の CEF ベースのレート制限は、グローバルにだけイネーブルにできます。

RPF 障害の CEF ベースのレート制限をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# mls ip multicast non-rpf cef

RPF 障害の CEF ベースのレート制限をグローバルにイネーブルにします。

Router(config)# no mls ip multicast non-rpf cef

RPF 障害の CEF ベースのレート制限をグローバルにディセーブルにします。

次に、RPF 障害の CEF ベースのレート制限をグローバルにイネーブルにする例を示します。

Router(config)# mls ip multicast non-rpf CEF
Router(config)#

ショートカット整合性検査のイネーブル化

ショートカット整合性検査機能をイネーブルにすると、マルチキャスト ルート テーブルおよびマルチキャスト ハードウェア エントリの整合性が検査され、矛盾が修正されます。show mls ip multicast consistency-check コマンドを入力して、矛盾を表示できます。

整合性検査がイネーブルの場合、マルチキャスト ルート テーブルは 2 秒ごとにスキャンされ、全体スキャンは 4 分以内に完了します。

ショートカットの整合性検査をイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router(config)# mls ip multicast consistency-check

ショートカットの整合性検査をイネーブルにします。

Router(config)# no mls ip multicast consistency-check num

デフォルトに戻します。

次に、ハードウェア ショートカットの整合性検査をイネーブルにする例を示します。

Router (config)# mls ip multicast consistency-check
Router (config)#

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを設定すると、ハードウェアで RPF 障害をフィルタリングするための ACL がハードウェア ベースの ACL エンジンにダウンロードされ、指定するインターフェイスに適用されます。

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングをインターフェイス上でイネーブルにするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type 5 slot/port } | { port-channel number }}

設定するインターフェイスを選択します。

ステップ 2

Router(config-if)# mls ip multicast stub

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを、インターフェイス上でイネーブルにします。

Router(config-if)# no mls ip multicast stub

RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを、インターフェイス上でディセーブルにします。

5.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

RPF 障害のレート制限情報の表示

RPF 障害のレート制限情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ip multicast summary

RPF 障害のレート制限情報を表示します。

次に、RPF 障害のレート制限情報を表示する例を示します。

Router# show mls ip multicast summary
10004 MMLS entries using 1280464 bytes of memory
Number of partial hardware-switched flows:4
Number of complete hardware-switched flows:10000
Router#

IP マルチキャスト レイヤ 3 ハードウェア スイッチング要約情報の表示


) show interface statistics コマンドでは、ハードウェア スイッチングされたパケットについては表示されず、ソフトウェア スイッチングされたパケットに関する情報だけが表示されます。


show ip pim interface count コマンドを実行すると、IP PIM インターフェイス上の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステート、およびそのインターフェイス上で送受信されたパケット数が表示されます。

IP PIM レイヤ 3 インターフェイスに関する IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show ip pim interface [{{ vlan vlan_ID } | { type 6 slot/port } | { port-channel number }}] count

すべての MSFC IP PIM レイヤ 3 インターフェイスに関する、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステート情報を表示します。

Router# show ip interface

レイヤ 3 インターフェイス上の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステートを表示します。

6.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、インターフェイスの IP PIM 設定を表示する例を示します。

Router# show ip pim interface count
 
State:* - Fast Switched, D - Distributed Fast Switched
H - Hardware Switching Enabled
Address Interface FS Mpackets In/Out
10.15.1.20 GigabitEthernet4/8 * H 952/4237130770
10.20.1.7 GigabitEthernet4/9 * H 1385673757/34
10.25.1.7 GigabitEthernet4/10* H 0/34
10.11.1.30 FastEthernet6/26 * H 0/0
10.37.1.1 FastEthernet6/37 * H 0/0
1.22.33.44 FastEthernet6/47 * H 514/68
 
Router# show ip mroute count
IP Multicast Statistics
56 routes using 28552 bytes of memory
13 groups, 3.30 average sources per group
Forwarding Counts:Pkt Count/Pkts per second/Avg Pkt Size/Kilobits per second
Other counts:Total/RPF failed/Other drops(OIF-null, rate-limit etc)
 
Group:224.2.136.89, Source count:1, Group pkt count:29051
Source:132.206.72.28/32, Forwarding:29051/-278/1186/0, Other:85724/8/56665
Router#

) -tive カウンタは、対応するエントリの出力インターフェイス リストがヌルであることを意味し、このフローが引き続きアクティブであることを表します。


次に、インターフェイス VLAN 10 について、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定を表示する例を示します。

Router# show ip interface vlan 10
Vlan10 is up, line protocol is up
Internet address is 10.0.0.6/8
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by non-volatile memory
MTU is 1500 bytes
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Multicast reserved groups joined: 224.0.0.1 224.0.0.2 224.0.0.13 224.0.0.10
Outgoing access list is not set
Inbound access list is not set
Proxy ARP is enabled
Security level is default
Split horizon is enabled
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are never sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is disabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is enabled
IP Fast switching turbo vector
IP Normal CEF switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast, CEF
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Probe proxy name replies are disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect exclude is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
IP multicast multilayer switching is enabled
IP mls switching is enabled
Router#

IP マルチキャスト ルーティング テーブルの表示

show ip mroute コマンドを実行すると、IP マルチキャスト ルーティング テーブルが表示されます。

IP マルチキャスト ルーティング テーブルを表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show ip mroute [ hostname | group_number ]

IP マルチキャスト ルーティング テーブルおよびハードウェア スイッチド インターフェイスを表示します。

次に、IP マルチキャスト ルーティング テーブルを表示する例を示します。

Router# show ip mroute 230.13.13.1
IP Multicast Routing Table
Flags:D - Dense, S - Sparse, s - SSM Group, C - Connected, L - Local,
P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag, T - SPT-bit set,
J - Join SPT, M - MSDP created entry, X - Proxy Join Timer Running
A - Advertised via MSDP, U - URD, I - Received Source Specific Host
Report
Outgoing interface flags:H - Hardware switched
Timers:Uptime/Expires
Interface state:Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode
 
(*, 230.13.13.1), 00:16:41/00:00:00, RP 10.15.1.20, flags:SJC
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20
Outgoing interface list:
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:16:41/00:00:00, H
 
(*, 230.13.13.2), 00:16:41/00:00:00, RP 10.15.1.20, flags:SJC
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
Outgoing interface list:
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:16:41/00:00:00, H
 
(10.20.1.15, 230.13.13.1), 00:14:31/00:01:40, flags:CJT
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
Outgoing interface list:
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:14:31/00:00:00, H
(132.206.72.28, 224.2.136.89), 00:14:31/00:01:40, flags:CJT
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
Outgoing interface list:Null
Router#

) RPF-MFD フラグは、フローが完全にハードウェアでスイッチングされていることを表します。H フラグは、フローが出力インターフェイス上でハードウェア スイッチングされていることを示します。


IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示

show mls ip multicast コマンドを実行すると、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングに関する詳細情報が表示されます。

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングに関する詳細情報を表示するには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# show mls ip multicast group ip_address [interface type slot/port | statistics]

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング グループの情報を表示します。

Router# show mls ip multicast interface {{ vlan vlan_ID } | { type 7 slot/port } | { port-channel number }} [statistics | summary]

すべてのインターフェイスについて、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの詳細情報を表示します。

Router# show mls ip multicast source ip_address [interface {{ vlan vlan_ID } | { type1 slot/port } | { port-channel number }} | statistics]

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの送信元の情報を表示します。

Router# show mls ip multicast summary

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの要約情報を表示します。

Router# show mls ip multicast statistics

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの統計情報を表示します。

7.type = ethernetfastethernetgigabitethernet、または tengigabitethernet

次に、特定の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング エントリに関する情報を表示する例を示します。

Router# show mls ip multicast group 10.1.0.11
Multicast hardware switched flows:
Total shortcut installed: 0
 

次に、IP マルチキャスト グループの情報を表示する例を示します。

Router# show mls ip multicast group 230.13.13.1 source 10.20.1.15
Multicast hardware switched flows:
(10.20.1.15, 230.13.13.1) Incoming interface:Gi4/8, Packets switched:0
Hardware switched outgoing interfaces:Gi4/9
RPF-MFD installed
 
Total hardware switched flows :1
Router#
 

次に、VLAN 10 について、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング情報を表示する例を示します。

Router# show mls ip multicast interface vlan 10
Multicast hardware switched flows:
(10.1.0.15, 224.2.2.15) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 0
Hardware switched outgoing interfaces:
MFD installed: Vlan10
 
(10.1.0.19, 224.2.2.19) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 1970
Hardware switched outgoing interfaces:
MFD installed: Vlan10
 
(10.1.0.11, 224.2.2.11) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 0
Hardware switched outgoing interfaces:
MFD installed: Vlan10
 
(10.1.0.10, 224.2.2.10) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 2744
Hardware switched outgoing interfaces:
MFD installed: Vlan10
 
(10.1.0.17, 224.2.2.17) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 3340
Hardware switched outgoing interfaces:
MFD installed: Vlan10
 
(10.1.0.13, 224.2.2.13) Incoming interface: Vlan10, Packets switched: 0
Hardware switched outgoing interfaces:

次に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの統計情報を表示する例を示します。

Router# show mls ip multicast statistics
 
MLS Multicast Operation Status:
MLS Multicast configuration and state:
Router Mac: 00e0.b0ff.7b00, Router IP: 33.0.33.24
MLS multicast operating state: ACTIVE
Shortcut Request Queue size 4
Maximum number of allowed outstanding messages: 1
Maximum size reached from feQ: 3096
Feature Notification sent: 1
Feature Notification Ack received: 1
Unsolicited Feature Notification received: 0
MSM sent: 205170
MSM ACK received: 205170
Delete notifications received: 0
Flow Statistics messages received: 35211
 
MLS Multicast statistics:
Flow install Ack: 996508
Flow install Nack: 1
Flow update Ack: 1415959
Flow update Nack: 0
Flow delete Ack: 774953
Complete flow install Ack: 958469
 
Router#

debug コマンドの使用

表 18-2 に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング関連の debug コマンドを示します。これらのコマンドを使用して、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの問題をトラブルシューティングできます。

 

表 18-2 IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの debug コマンド

コマンド
説明

[ no ] debug mls ip multicast events

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング イベントを表示します。

[ no ] debug mls ip multicast errors

マルチキャスト MLS 関連のエラーに関するデバッグ メッセージをオンにします。

[ no ] debug mls ip multicast group group_id group_mask

フローのサブセットに対してデバッグをオンにします。

[ no ] debug mls ip multicast messages

ハードウェア スイッチング エンジンとの間で送受信される IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング メッセージを表示します。

[ no ] debug mls ip multicast all

すべての IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング メッセージをオンにします。

[ no ] debug mdss errors

MDSS8 エラー メッセージをオンにします。

[ no ] debug mdss events

MDSS 関連イベントをオンにします。

[ no ] debug mdss all

MDSS メッセージをすべてオンにします。

8.MDSS = Multicast Distributed Switching Services

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報のクリア

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報をクリアするには、次の作業を行います。

 

コマンド
目的

Router# clear mls ip multicast statistics

IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報をクリアします。

次に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報をクリアする例を示します。

Router# clear mls ip multicast statistics
 

show mls multicast statistics コマンドを実行すると、PFC が処理しているマルチキャスト フローに関する各種の情報が表示されます。関連する MSFC、VLAN、マルチキャスト グループ アドレス、またはマルチキャスト トラフィック送信元を任意に組み合わせて、エントリを表示できます。 show mls ip multicast statistics コマンドの例は、「IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示」を参照してください。