Catalyst 4500 シリーズ スイッチ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Release 12.2(46)SG
Y.1731(AIS および RDI)の設定
Y.1731(AIS および RDI)の設定
発行日;2012/01/07 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 14MB) | フィードバック

目次

Y.1731(AIS および RDI)の設定

用語の定義

Y.1731 の概要

バックグラウンド

サーバ MEP

AIS

ETH-RDI

Y.1731 の設定

Y.1731 設定時の注意事項

AIS パラメータの設定

AIS 障害状態からの MEP のクリア

AIS 障害状態からの SMEP のクリア

Y.1731 情報の表示

Y.1731(AIS および RDI)の設定

Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、大規模ネットワークのサービス プロバイダーに障害管理およびパフォーマンス管理を提供する Y.1731 Ethernet Alarm Indication Signal(ETH-AIS[アラーム表示信号])機能および Ethernet Remote Defect Indication(ETH-RDI[リモート障害表示])機能をサポートしています。この章では、Y.1731 ETH-AIS および ETH-RDI を設定する方法について説明します。

Y.1731 のコマンドおよび設定に関する詳細については、次の URL にアクセスして、Cisco IOS フィーチャ モジュールを参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/products/ps6922/products_feature_guide09186a008066fcb8.html

この章の内容は、次のとおりです。

「用語の定義」

「Y.1731 の概要」

「Y.1731 の設定」

「Y.1731 情報の表示」

用語の定義

 

用語
定義

CC

Ethernet OAM Continuity Check

CCM

Ethernet OAM Continuity Check Message

CCDB

Ethernet OAM Continuity Check Database

CFM

Ethernet Connectivity Fault Management

EI

Ethernet Infrastructure または EVC Infrastructure

EVC

Ethernet Virtual Circuit:イーサネット バーチャル サーキット

LMEP

Local Mep:ローカル MEP

MEP

Maintenance Endpoint

MIP

Maintenance Intermediate Point

OAM

Operations Administration and Maintenance

サービス VLAN

プロバイダー ネットワーク内のカスタマー サービス インスタンスを一意に識別する VLAN タグ

SMEP

Server MEP:サーバ MEP

SNMP

Simple Network Management Protocol:簡易ネットワーク管理プロトコル

SP

Service Provider:サービス プロバイダー

UNI

User to Network Interface

VLAN

Virtual LAN

Y.1731 の概要

ここでは、Y.1731 の概念情報について説明します。

「バックグラウンド」

「AIS」

「ETH-RDI」

バックグラウンド

イーサネットがメトロポリタンおよび WAN のテクノロジーとして使用されるようになり、従来のイーサネットのエンタープライズ向けの機能に、新しく Operations Administration and Maintenance(OAM)要件が加わっています。イーサネット テクノロジーが、より規模の大きいな、複雑さを増したユーザ ベースに広範に使用されるに伴い、リンク アップタイムの運用管理がきわめて重要になっています。障害の切り分けと対応をいかに迅速に行えるかが、サービス プロバイダーの競争力に直接影響します。

サーバ MEP

サーバ MEP は、サーバ レイヤ終端機能とサーバ/ETH アダプテーション機能の複合機能であり、サーバ レイヤ終端機能またはサーバ/ETH アダプテーション機能により障害が検出された際に、各 ETH レイヤ MEP に通知するために使用されます。この場合、サーバ レイヤ終端機能はサーバ レイヤ固有の OAM メカニズムを実行します。サーバ MEP は ETH-AIS 機能をサポートする必要があり、サーバ/ETH アダプテーション機能は、サーバ レイヤ終端機能またはアダプテーション機能によりサーバ レイヤで障害が検出された際に ETH-AIS 情報を含むフレームを発行するために必要です。

バーチャル MEP は、リンク レイヤまたはトランスポート レイヤに定義された CFM MA の論理的な終端地点です。サーバ MEP は、メンテナンス レベル 1 で実行または定義されたものとして想定できます。たとえば、外向型サーバ MEP を IEEE 802.3ah OAM の各終端地点または MPLS PW OAM の終端地点に対応付けることが可能です。

AIS

ETH-AIS では、サーバ(サブ)レイヤでの障害状態の検出に続くアラームを抑制できます。Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)環境内では個別の復旧機能が提供されているので、STP 環境で ETH-AIS を適用することは通常ありません。Catalyst 4500 Metro スイッチについては、AIS が設定可能になっており、管理者は STP 環境で AIS をイネーブルにしたりディセーブルにしたりできます。

ETH-AIS 情報を含むフレームの送信は、MEP(またはサーバ MEP)でイネーブルにしたりディセーブルにしたりできます。

障害状態が検出されると、ETH-AIS 情報を含むフレームが、MEP(サーバ MEP を含む)によってクライアントのメンテナンス レベルで発行できます。障害状態には、たとえば次のものが含まれます。

ETH-CC がイネーブルになっている場合の信号障害状態

ETH-CC がディセーブルになっている場合の AIS 状態

マルチポイント ETH 接続の場合、MEP は ETH-AIS 情報を含むフレームを受信した際に、障害状態が発生したサーバ(サブ)レイヤのエンティティを特定できません。さらに重要なことは、MEP はアラームを抑制する対象のピア MEP の関連するサブセットを特定できません。これは受信した ETH-AIS 情報にそうした情報が含まれていないからです。このため、MEP は ETH-AIS 情報を含むフレームを受信すると、接続が存在するかどうかにかかわらずすべてのピア MEP のアラームを抑制します。

しかし、ポイントツーポイント ETH 接続の場合、MEP のピア MEP は 1 つだけです。したがって、ETH-AIS 情報を受信した際に、アラームを抑制する対象のピア MEP は明白です。

ETH-AIS 情報を含むフレームを発行するように設定されているのは MEP(サーバ MEP を含む)だけです。MEP は、障害状態を検出すると ETH-AIS 情報を含むフレームの定期送信を、設定されたクライアントのメンテナンス レベルでただちに開始できます。Cisco IOS では、インターフェイスに設定された MIP レベルで送信します。MEP は、障害状態が取り除かれるまで ETH-AIS 情報を含むフレームの定期送信を続けます。ETH-AIS 情報を含むフレームを受信して AIS 状態を検出すると、MEP はすべてのピア MEP に関連する Loss of Continuity(連続性の喪失)アラームを抑制します。MEP は AIS 状態でないときに連続性喪失の障害状態を検出すると Loss of Continuity アラームの生成を再開します。

ETH-RDI

MEP は ETH-RDI を使用して、障害状態が発生したことをピア MEP に伝えることができます。ETH-RDI が使用されるのは、ETH-CC 送信がイネーブルになっている場合に限られます。

ETH-RDI には次の 2 種類の用途があります。

片終端障害管理 ― 受信側の MEP が RDI 障害状態を検出した場合、その障害がこの MEP の他の障害状態と関連し合い、故障の原因となることがあります。1 つの MEP で ETH-RDI 情報が受信されない場合は、そのメンテナンス レベル全体に障害がないことを意味します。

遠端パフォーマンス モニタリングへの寄与 ― 遠端に障害状態があったことを表し、パフォーマンス モニタリング プロセスに対する 1 つの入力情報として使用されます。

障害状態にある MEP は、ETH-RDI 情報を含むフレームを送信します。MEP は、ETH-RDI 情報を含むフレームを受信すると、ピア MEP が障害状態になったことを確認します。しかし、マルチポイント ETH 接続の場合、MEP は ETH-RDI 情報を含むフレームを受信した際に、RDI 情報を送信した MEP に発生した障害状態に関連するピア MEP サブセットを特定できません。これは送信側 MEP 自身がそうした情報を常に持っているわけではないからです。

図57-1 AIS メッセージおよび障害(リンク障害)時の CC(RDI を使用した)の生成と伝播

 

Y.1731 の設定


) Y.1731 はデフォルトでイネーブルです。


ここでは、次の内容について説明します。

「Y.1731 設定時の注意事項」

「AIS パラメータの設定」

「AIS 障害状態からの MEP のクリア」

「AIS 障害状態からの SMEP のクリア」

Y.1731 設定時の注意事項

Y.1731 の設定時の注意事項および制約事項は次のとおりです。

STP 環境には個別の復旧機能が提供されているので、STP 環境に ETH-AIS を適用することは想定されていません。

デフォルトでは、CFM メンテナンス ドメイン上で AIS はイネーブルです。次に、メンテナンス ドメイン上で AIS をディセーブルにするために使用できるコマンドについて説明します。なお、RDI は CC メッセージ内のフラグ ビットです。提供された CC 送信がイネーブルになっている場合、CC メッセージの現在の RDI フラグは true または false に設定されます。

AIS パラメータの設定

AIS パラメータを設定するには、次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

Switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

Switch (config)# ethernet cfm ais domain name vlan range

config-ais-mep-cfm サブモードを開始して、MA ごとに MA に属するすべてのローカル MEP のパラメータを設定します。

name にはドメイン名を指定します。

range は VLAN ID です。たとえば、「100」、「1-4095」、「100,200-300,400,500」などのように入力します。

domain vlan rang には、VLAN 分離または一致のコンフィギュレーションのみが受け入れられます。

ステップ 3

Switch(config-ais-mep-cfm)# disable

AIS 送信をディセーブルにします。

ステップ 4

Switch(config-ais-mep-cfm)# period period

AIS 送信期間を設定します。

ステップ 5

Switch(config-ais-mep-cfm)# level level

MA に属する MEP の AIS フレームを送信するメンテナンス レベルを確立します。

指定できるレベルは 0 ~ 7 です。

ステップ 6

Switch(config-ais-mep-cfm)# expiry-threshold threshold

AIS 有効期限しきい値を設定します。

デフォルトの有効期限しきい値は 3.5 です。この CLI コマンドを使用して、MA の有効期限しきい値パラメータを変更できます。

ステップ 7

Switch(config-ais-mep-cfm)# express alarm

AIS メッセージにより MEP が AIS 障害状態に入った場合のアラームの抑制を設定します。

ステップ 8

Switch(config-ais-mep-cfm)# exit

グローバル コンフィギュレーションに戻ります。

ステップ 9

Switch(config)# [no] ethernet cfm ais
link-status global

config-ais-link-cfm サブモードを開始して、E-OAM の報告によりリンク ステータスがダウンした場合に必要なパラメータを設定します。

ステップ 10

Switch(config-if)# [no] ethernet cfm ais link-status period period

インターフェイス上のリンク ステータスにより生成される ETH-AIS 送信期間を設定します。

ステップ 11

Switch(config-if)# [no] ethernet cfm ais link-status level level

インターフェイス上のリンク ステータスにより送信される AIS フレームを送信するメンテナンス レベルを設定します。

ステップ 12

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 13

Switch# show ethernet cfm smep interface name

Switch# show ethernet cfm maintenance-points local detail

Switch# show ethernet cfm maintenance-points remote detail

Switch# show ethernet cfm error

設定を確認します。

ステップ 14

Switch# show running-config

入力を確認します。

ステップ 15

Switch# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

設定を削除する場合、またはデフォルト設定に戻す場合は、上記コマンドの no 形式を使用します。

AIS 障害状態からの MEP のクリア

AIS 障害状態から MEP をクリアするには、次のいずれかのコマンドを使用します。

Switch# clear ethernet cfm ais domain domain name mpid local mpid vlan vlan#
Switch# clear ethernet cfm ais domain domain name mpid local mpid evc evc_name

AIS 障害状態からの SMEP のクリア

AIS 障害状態から SMEP をクリアするには、次のいずれかのコマンドを使用します。

Switch# clear ethernet cfm ais link-status interface interface_name
Switch# clear ethernet cfm error

) この操作を行うと、AIS を含むすべてのエラー状態がクリアされます。


Y.1731 情報の表示

次に、RDI 障害を追跡する方法と設定パラメータを確認する方法の例を示します。

Switch# show ethernet cfm main local detail
MEP Settings:
-------------
MPID: 1109
DomainName: PROVIDER_DOMAIN
Level: 4
Direction: I
EVC: evc_1
Interface: Gi3/1
CC-Status: Enabled
MAC: 001b.d550.91fd
Defect Condition: No Defect
presentRDI: FALSE (RDI 障害はなし)
AIS-Status: Enabled
AIS Period: 60000(ms)
AIS Expiry Threshold: 3.5
Level to transmit AIS: Default
Suppress Alarm configuration: Enabled
Suppressing Alarms: No
 
MIP Settings:
-------------
Level Type Port MAC
7 MIP Gi3/1 001b.d550.91fd
4 MIP Te1/2 001b.d550.91fd
Switch#
*Feb 18 05:40:35.659: %ETHER_CFM-6-ENTER_AIS: local mep with mpid 1109 level 4 id 100 dir I Interface GigabitEthernet3/1 enters AIS defect condition
(gi3/2 が AIS 状態になる)
Switch# show ethernet cfm main local detail
MEP Settings:
-------------
MPID: 1109
DomainName: PROVIDER_DOMAIN
Level: 4
Direction: I
EVC: evc_1
Interface: Gi3/1
CC-Status: Enabled
MAC: 001b.d550.91fd
Defect Condition: AIS
presentRDI: TRUE (RDI 障害が発生)
AIS-Status: Enabled
AIS Period: 60000(ms)
AIS Expiry Threshold: 3.5
Level to transmit AIS: Default
Suppress Alarm configuration: Enabled
Suppressing Alarms: Yes
 
MIP Settings:
-------------
Level Type Port MAC
7 MIP Gi3/1 001b.d550.91fd
4 MIP Te1/2 001b.d550.91fd
Switch# show ethernet cfm error
Level Vlan MPID Remote MAC Reason Service ID
4 100 2101 001d.4566.aa3d 0 lifetime TLV customerX
4 100 - 001b.d550.91fd Receive AIS customerX
Switch#
*Feb 18 05:51:08.567: %ETHER_CFM-6-EXIT_AIS: local mep with mpid 1109 level 4 id 100 dir I Interface GigabitEthernet3/1 exited AIS defect condition
(gi3/2 は AIS 状態から回復)
Switch# show ethernet cfm main local detail
MEP Settings:
-------------
MPID: 1109
DomainName: PROVIDER_DOMAIN
Level: 4
Direction: I
EVC: evc_1
Interface: Gi3/1
CC-Status: Enabled
MAC: 001b.d550.91fd
Defect Condition: No Defect
presentRDI: FALSE (RDI 障害は解消)
AIS-Status: Enabled
AIS Period: 60000(ms)
AIS Expiry Threshold: 3.5
Level to transmit AIS: Default
Suppress Alarm configuration: Enabled
Suppressing Alarms: No
 
MIP Settings:
-------------
Level Type Port MAC
7 MIP Gi3/1 001b.d550.91fd
4 MIP Te1/2 001b.d550.91fd
Switch#
 

Y.1731 情報を表示するには、次のコマンドを使用します( 表57-1 )。

 

表57-1 Y.1731 情報の表示

コマンド
目的
show ethernet cfm maintenance-point local detail

ローカル メンテナンス ポイント上の AIS ステータスおよび障害状態を表示します。

show ethernet cfm smep [interface <name>]

SMEP上の AIS ステータスおよび障害状態を表示します。

show ethernet cfm error

AIS 障害状態によるエラーを表示します。

show ethernet cfm maintenance-points remote [detail

リモート メンテナンス ポイント上の AIS ステータスおよび障害状態を表示します。