Catalyst 4000 ファミリー スイッチ Cisco IOS ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド,Cisco IOS Release 12.1(13)EW
Catalyst 4507Rスイッチでの スーパバ イザ エンジンの冗長設定
Catalyst 4507Rスイッチでのスーパバイザ エンジンの冗長設定
発行日;2012/02/04 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf | フィードバック

目次

Catalyst 4507Rスイッチでのスーパバイザ エンジンの冗長設定

スーパバイザ エンジン冗長構成の概要

スーパバイザ エンジンの冗長構成

動作

スーパバイザ エンジンの同期化

スーパバイザ エンジンの冗長構成に関する注意事項および制約事項

スーパバイザ エンジンの冗長設定

スーパバイザ エンジンの設定の同期化

ソフトウェア アップグレードの実行

スタンバイ スーパバイザ エンジンへのファイルのコピー

Catalyst 4507Rスイッチでのスーパバイザ エンジンの冗長設定

この章では、Catalyst 4507Rスイッチ上でスーパバイザ エンジンの冗長構成を設定する方法について説明します。

この章の主な内容は、次のとおりです。

「スーパバイザ エンジン冗長構成の概要」

「スーパバイザ エンジンの冗長構成」

「スーパバイザ エンジンの冗長構成に関する注意事項および制約事項」

「スーパバイザ エンジンの冗長設定」

「スーパバイザ エンジンの設定の同期化」

「ソフトウェア アップグレードの実行」

「スタンバイ スーパバイザ エンジンへのファイルのコピー」


) この章で使用しているコマンドの構文および使用方法の詳細については、『Cisco IOS Command Reference for the Catalyst 4000 Family Switch』および次のURLにある関連マニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios121/121cgcr/index.htm


スーパバイザ エンジン冗長構成の概要

Catalyst 4507Rスイッチでは、プライマリ スーパバイザ エンジンが故障した場合にスタンバイ スーパバイザ エンジンが処理を引き継ぐため、スイッチはスーパバイザ エンジンが故障しても、速やかに、効率的に動作を再開できます。この機能をスーパバイザ エンジンの冗長性と呼びます。ソフトウェアでは、この機能はRoute Processor Redundancy(RPR;ルート プロセッサ冗長性)動作モードによってイネーブルになります。RPRはその機能に関する一般的な用語です。

スタンバイ スーパバイザ エンジンはRPRモードで稼働します。RPRモードを使用すると、スタンバイ スーパバイザ エンジンは部分的に起動し、アクティブな設定の同期的なコピーを維持します。これによりスタンバイ スーパバイザ エンジンを始動するのに要した時間を短縮し、1.5分(スタンバイでのコールド ブート用)~30秒(起動の完了とリンクの再確立用)でトラフィックを処理し始めます。

スーパバイザ エンジンの冗長性は、スイッチオーバー時間の削減以外に次のものに対応します。

スタンバイ スーパバイザ エンジンのOnline Insertion and Removal(OIR;ホットスワップ)

ソフトウェアのアップグレード(ソフトウェア アップグレードの実行を参照)

自動起動とbootvarの同期化

スーパバイザ エンジンのアクティブまたはスタンバイ ステータスを検出および決定するハードウェア信号

アクティブ スーパバイザ エンジンからスタンバイ スーパバイザ エンジンへ、60秒間隔でクロック同期化を実行

アクティブ スーパバイザ エンジンが故障した場合、スタンバイ スーパバイザ エンジンへの自動スイッチオーバー

スイッチ に電源を入れると、2つのスーパバイザ エンジン間でプライマリおよびスタンバイのどちらの役割を担うかが自動的に決定されます。通常の場合、最初に起動したスーパバイザ エンジン(スロット1またはスロット2のいずれかに搭載)が、アクティブ スーパバイザ エンジンになります。

スイッチオーバーは次の場合に発生します。

アクティブ スーパバイザ エンジンの故障または取り外し

ユーザによる強制的なスイッチオーバー

ユーザによるアクティブ スーパバイザ エンジンのリロード

コア ダンプの発生


) スイッチオーバー時には、一部のアドレス ステートが失われ、動的に再確認された後で復元されるため、トラフィックが一時中断されます。


スーパバイザ エンジンの冗長構成

ここでは、スーパバイザ エンジンの冗長構成について説明します。

「動作」

「スーパバイザ エンジンの同期化」

動作

スーパバイザ エンジンの冗長構成がイネーブルになっている場合、アクティブ スーパバイザ エンジンが故障すると、または手動によるスイッチオーバーが実行されると、スタンバイ スーパバイザ エンジンが自動的にプライマリ スーパバイザ エンジンの動作を引き継ぎます。スタンバイ スーパバイザ エンジンは自動的に初期化および設定済みなので、スイッチオーバーの時間が削減されます。スーパバイザ エンジンの冗長構成により、さらに次のような利点がもたらされます。

スタンバイ スーパバイザ エンジンのOIR

スーパバイザ エンジンの冗長構成により、メンテナンス用にスタンバイ スーパバイザ エンジンのOIRが可能になります。スタンバイ スーパバイザ エンジンを搭載すると、アクティブ スーパバイザ エンジンがその存在を検出し、スタンバイ スーパバイザ エンジンを完全初期化ステートに移行させます。

ソフトウェアのアップグレード

ソフトウェアのアップグレードおよびダウングレード時間を最小限に抑えるため、アップグレードまたはダウングレードするソフトウェア バージョンをスタンバイ スーパバイザ エンジンにプリロードしてから、スタンバイ スーパバイザ エンジンにスイッチオーバーするようにシステムを設定できます。

スーパバイザ エンジンの冗長構成は、手動によるユーザ始動のスイッチオーバーにも対応します。スイッチオーバーを起動するには、 redundancy force-switchover コマンドを使用します。

スーパバイザ エンジンの同期化

スタンバイ スーパバイザ エンジンは完全に初期化されていないので、設定変更が発生した際に変更を受信する場合のみアクティブ スーパバイザ エンジンと相互作用して、両方のスーパバイザ エンジンのコンフィギュレーション情報を同一に保ちます。スタートアップ コンフィギュレーション ファイルの同期は、RPRモードの場合、デフォルトでイネーブルです。スタンバイ スーパバイザ エンジンにCLI(コマンドライン インターフェイス)コマンドを入力することはできません。

スタンバイ スーパバイザ エンジンがRPRモードで稼働している場合は、次の動作によってコンフィギュレーション情報の同期化が発生します。

スタンバイ スーパバイザ エンジンが最初にオンラインになった時点で、コンフィギュレーション情報がアクティブ スーパバイザ エンジンからスタンバイ スーパバイザ エンジンに同期化されます。この同期によって、スタンバイ スーパバイザ エンジン上のスタートアップ コンフィギュレーション ファイルすべてが上書きされます。

auto-synch コマンドがイネーブルである場合、アクティブ スーパバイザ エンジン上のスタートアップ コンフィギュレーションへの変更は、スタンバイ スーパバイザ エンジン上で自動的に同期化されます。

スーパバイザ エンジンの冗長構成に関する注意事項および制約事項

スーパバイザ エンジンの冗長構成に関する注意事項および制約事項は、次のとおりです。

スーパバイザ エンジンの冗長構成では、2つのアクティブ スーパバイザ エンジンを必要とするロードバランシングやその他の機能を装備していません。アクティブになるスーパバイザ エンジンは1つだけです。スタンバイ スーパバイザ エンジンが処理を引き継いでスイッチが回復するまで、ネットワーク サービスは中断されます。

RPRモードで利用できる2つのギガビット イーサネット インターフェイスは、各スーパバイザ上の最初のギガビット イーサネット ポートです。つまり、使用できるのはGig 1/1およびGig 2/1だけです。他の2つのポートGig 1/2およびGig 2/2は使用できません。

スーパバイザ エンジンの冗長構成がイネーブルで、Cisco IOSソフトウェアのバージョンがともにCisco IOS Release 12.1(12c)EW以降の場合、スーパバイザ エンジンは互いに異なるバージョンを実行することができます。

スイッチオーバー時に、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)テーブルが消去されます。したがって、ルート テーブルの再コンバージェンスまでの間、トラフィックのルーティングが中断されます。

スタティックIPルートは、コンフィギュレーション ファイルのエントリに基づいて設定されるので、スイッチオーバー後も維持されます。

アクティブ スーパバイザ エンジン上で維持されているダイナミック ステート情報は、スタンバイ スーパバイザ エンジンへの同期化が行われず、スイッチオーバー時に失われます。Border Gateway Protocol(BGP)セッションなどのダイナミック ステート情報は、スイッチオーバー時に失われます。

Catalyst 4507Rは、スーパバイザ エンジンの冗長構成に対応する唯一のCatalyst 4000ファミリー スイッチです。

アクティブ スーパバイザ エンジンおよびスタンバイ スーパバイザ エンジンは、スロット1およびスロット2に搭載されている必要があります。

アクティブ スーパバイザ エンジンおよびスタンバイ スーパバイザ エンジンは、ともにSupervisor Engine IVモジュールでなければなりません。それより古いバージョンはサポートされていません。

各スーパバイザ エンジンは、単独でスイッチを稼働させるためのリソースを備える必要があります。すなわち、すべてのスーパバイザ エンジン リソースを重複させる必要があります。したがって、各スーパバイザ エンジンにそれぞれ独自のフラッシュ デバイスおよびコンソール ポート接続が必要です。

スーパバイザ エンジンごとに個別のコンソール接続を行ってください。コンソール ポートにY字ケーブルを接続しないでください。

startup-configのコンフィギュレーション レジスタを自動起動用に設定する必要があります( ブート フィールドの変更を参照)。


) ネットワークからの起動はサポートされていません。


これらの要件が満たされている場合、スイッチはデフォルトでRPRモードで動作します。

スーパバイザ エンジンの冗長設定

2つ目のスーパバイザ エンジンが検出されると、デフォルトでスーパバイザ エンジンの冗長構成が設定されます。

次に、冗長ステートを表示する例を示します。

Switch#show redundancy states
my state = 13 -ACTIVE
peer state = 4 -STANDBY COLD
Mode = Duplex
Unit = Primary
Unit ID = 1
 
Redundancy Mode (Operational) = RPR
Redundancy Mode (Configured) = RPR
Split Mode = Disabled
Manual Swact = Enabled
Communications = Up
 
client count = 4
client_notification_TMR = 30000 milliseconds
keep_alive TMR = 4000 milliseconds
keep_alive count = 1
keep_alive threshold = 7
RF debug mask = 0x0
Switch#
 

スーパバイザ エンジンの設定の同期化

通常の動作時には、2つのスーパバイザ エンジン間でstartup-config、ブート変数、config-register、およびVLAN(仮想LAN)データベース設定がデフォルトで同期化されます。スイッチオーバー時には、新しいアクティブ スーパバイザ エンジンが現在の設定を使用します。

2つのスーパバイザ エンジンが使用する設定を手動で同期化するには、アクティブ スーパバイザ エンジン上で次の作業を行います。

 

コマンド
説明

ステップ 1

Switch(config)# redundancy

冗長コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

Switch(config-red)# main-cpu

main-cpuコンフィギュレーション サブモードを開始します。

ステップ 3

Switch(config-r-mc)# auto-sync { startup-config | config-register | bootvar | standard }

設定要素を同期化します。

ステップ 4

Switch(config-r-mc)# end

イネーブルEXECモードに戻ります。

ステップ 5

Switch# copy running-config startup-config

NVRAM(不揮発性RAM)上のコンフィギュレーション ファイルを強制的に手動で同期化します。


) DRAM上の実行コンフィギュレーション ファイルを同期化する場合、このステップは不要です。



auto-sync standardコマンドを実行しても、カレンダーとVLANデータベースは同期化されません。


次に、auto-sync standard コマンドを使用して、デフォルトの自動同期化機能を再びイネーブルにし、アクティブ スーパバイザ エンジンの startup-config および config-register 設定をスタンバイ スーパバイザ エンジンと同期化させる例を示します。ブート変数のアップデートは自動的に行われるため、ディセーブルにできません。

Switch(config)# redundancy
Switch(config-red)# main-cpu
Switch(config-r-mc)# auto-sync standard
Switch(config-r-mc)# end
Switch# copy running-config startup-config

) 標準の自動同期対象の設定要素を個別に手動で同期化するには、デフォルトの自動同期化機能をディセーブルにします。


次に、デフォルトの自動同期化をディセーブルにして、アクティブ スーパバイザ エンジンのconfig-registerのみをスタンバイ スーパバイザ エンジンに自動的に同期化し、スタートアップ コンフィギュレーションの同期化を許可しない例を示します。

Switch(config)# redundancy
Switch(config-red)# main-cpu
Switch(config-r-mc)# no auto-sync standard
Switch(config-r-mc)# auto-sync config-register
Switch(config-r-mc)# end

ソフトウェア アップグレードの実行

スーパバイザ エンジンの冗長構成がサポートするソフトウェアのアップグレード手順によって、システムのリロードを伴わずに、スーパバイザ エンジン上のCisco IOSソフトウェア イメージをアップグレードできます。

ソフトウェアのアップグレードを実行するには、次の作業を行います。

 

コマンド
説明

ステップ 1

Switch# copy source_device : source_filename slot0: target_filename

または

Switch# copy source_device : source_filename bootflash: target_filename

または

Switch# copy source_device : source_filename slaveslot0: target_filename
 

または

Switch# copy source_device : source_filename slavebootflash: target_filename

両方のスーパバイザ エンジンのブートフラッシュに、新しいCisco IOSソフトウェア イメージをコピーします。

ステップ 2

Switch# config terminal

Switch(config)# config-register 0x2

Switch(config)# boot system flash device : file_name

新しいイメージが起動されるように、スーパバイザ エンジンを設定します。

ステップ 3

Switch# copy running-config start-config

設定を保存します。

ステップ 4

Switch# redundancy reload peer

スタンバイ スーパバイザ エンジンをリロードし、オンラインに戻します(新しいバージョンのCisco IOSソフトウェアが稼働します)。


) スタンバイ スーパバイザ エンジンのリロードは、すべての設定変更の同期化が確実に完了してから行ってください。


ステップ 5

Switch# redundancy force-switchover

スタンバイ スーパバイザ エンジンに手動で切り替えます。スタンバイ スーパバイザ エンジンが、新しいCisco IOSソフトウェア イメージを実行するアクティブ スーパバイザ エンジンになります。モジュールがリロードされ、新しいアクティブ スーパバイザ エンジンからモジュール ソフトウェアがダウンロードされます。

以前のアクティブ スーパバイザ エンジンが新しいイメージで再起動され、スタンバイ スーパバイザ エンジンになります。

次に、ソフトウェア アップグレードの実行例を示します。

Switch# config terminal
Switch(config)# config-register 0x2
Switch(config)# boot system flash slot0: c6sup22-jsv-mz.121-11.E
Switch# copy running-config start-config
Switch# hw-module reset
Switch# redundancy force-switchover
Switch#

スタンバイ スーパバイザ エンジンへのファイルのコピー

スタンバイ スーパバイザ エンジン上の slot0: デバイスにアクティブ スーパバイザ エンジンのファイルを手動でコピーするには、次のコマンドを使用します。

Switch# copy source_device:source_filename slaveslot0:target_filename
 

スタンバイ スーパバイザ エンジン上の bootflash: デバイスにファイルをコピーする場合は、次のコマンドを使用します。

Switch# copy source_device:source_filename slavebootflash:target_filename