Catalyst 3750-X および 3560-X スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 15.0(2)SE 以降
VTP の設定
VTP の設定
発行日;2013/05/14 | 英語版ドキュメント(2013/04/22 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 20MB) | フィードバック

目次

VTP の設定

VTP の概要

VTP ドメイン

VTP モード

VTP アドバタイズ

VTP バージョン 2

VTP バージョン 3

VTP プルーニング

VTP とスイッチ スタック

VTP の設定

VTP のデフォルト設定

VTP 設定時の注意事項

ドメイン名

パスワード

VTP バージョン

設定要件

VTP モードの設定

VTP バージョン 3 のパスワードの設定

VTP バージョン 3 のプライマリ サーバの設定

VTP バージョンのイネーブル化

VTP プルーニングのイネーブル化

ポート単位の VTP の設定

VTP ドメインへの VTP クライアント スイッチの追加

VTP のモニタ

VTP の設定

この章では、Catalyst 3750-X または 3560-X スイッチで VLAN トランキング プロトコル(VTP)と VLAN データベースを使用して VLAN を管理する方法について説明します。特に明記しないかぎり、 スイッチ という用語は Catalyst 3750-X または 3560-X スタンドアロン スイッチおよび Catalyst 3750-X スイッチ スタックを意味します。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。


この章の内容は、次のとおりです。

「VTP の概要」

「VTP の設定」

「VTP のモニタ」

VTP の概要

VTP は、レイヤ 2 のメッセージ プロトコルであり、ネットワーク全体にわたって VLAN の追加、削除、名前の変更を管理することにより、VLAN 設定の整合性を維持します。VTP により、VLAN 名の重複、誤った VLAN タイプの指定、セキュリティ違反など、さまざまな問題を引き起こしかねない設定の誤りや矛盾が最小限に抑えられます。

VLAN を作成する前に、ネットワークで VTP を使用するかどうかを決定する必要があります。VTP を使用すると、1 台または複数のスイッチ上で中央集約的に設定変更を行い、その変更を自動的にネットワーク上の他のスイッチに伝達できます。VTP を使用しない場合、VLAN 情報を他のスイッチに送信することはできません。

VTP は、1 台のスイッチで行われた更新が VTP を介してドメイン内の他のスイッチに送信される環境で動作するように設計されています。VLAN データベースに対する複数の更新が同一ドメイン内のスイッチ上で同時に発生する環境の場合、VTP は適していません。VLAN データベースの不整合が生じます。

VTP 機能はスタック全体でサポートされており、スタック内のすべてのスイッチが、スタック マスターから継承した同一の VLAN および VTP コンフィギュレーションを保持します。スイッチが VTP メッセージを通じて新しい VLAN について学習したり、ユーザが新しい VLAN を設定したりすると、新しい VLAN 情報がスタック内のすべてのスイッチに伝達されます。

スイッチがスタックに参加するか、またはスタックの結合が発生すると、新しいスイッチはスタック マスターから VTP 情報を取得します。

スイッチは、IP ベースまたは IP サービス フィーチャ セットを実行している場合は 1005 の VLAN をサポートし、LAN ベース フィーチャ セットを実行している場合は 255 の VLAN をサポートします。ただし、ルーテッド ポート、SVI、およびその他の設定済み機能の個数によって、スイッチ ハードウェアの使用状況は左右されます。VTP が新しい VLAN をスイッチに通知し、スイッチが使用可能な最大限のハードウェア リソースをすでに使用している場合、スイッチはハードウェア リソース不足を伝えるメッセージを送信して、VLAN をシャットダウンします。 show vlan ユーザ EXEC コマンドの出力に、サスペンド ステートの VLAN が示されます。

VTP バージョン 1 およびバージョン 2 は、標準範囲の VLAN(VLAN ID 1 ~ 1005)だけをサポートします。Cisco IOS Release 12.2(52)SE 以降では VTP バージョン 3 をサポートします。VTP バージョン 3 は、VLAN 範囲全体(VLAN 1 ~ 4094)をサポートします。拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)は、VTP バージョン 3 でだけサポートされます。拡張 VLAN がドメインに設定されている場合は、VTP バージョン 3 から VTP バージョン 2 に変換できません。

ここでは、次の概要について説明します。

「VTP ドメイン」

「VTP モード」

「VTP アドバタイズ」

「VTP バージョン 2」

「VTP バージョン 3」

「VTP プルーニング」

「VTP とスイッチ スタック」

VTP ドメイン

VTP ドメイン(別名 VLAN 管理ドメイン)は、1 つのスイッチ、または同じ VTP ドメイン名を共有して同一管理下にある相互接続された複数のスイッチまたはスイッチ スタックで構成されます。スイッチは、1 つの VTP ドメインにだけ所属できます。そのドメインに対してグローバル VLAN の設定を変更します。

デフォルトの設定では、トランク リンク(複数 VLAN のトラフィックを伝送するリンク)を介してドメインについてのアドバタイズを受信しない限り、またはユーザがドメイン名を設定しない限り、スイッチは VTP 非管理ドメイン ステートです。管理ドメイン名を指定するか学習するまでは、VTP サーバ上で VLAN を作成または変更できません。また、VLAN 情報はネットワークを介して伝播されません。

スイッチがトランク リンクを介して VTP アドバタイズを受信すると、スイッチは管理ドメイン名および VTP コンフィギュレーション リビジョン番号を継承します。その後スイッチは、別のドメイン名または古いコンフィギュレーション リビジョン番号が指定されたアドバタイズについては、すべて無視します。


注意 VTP クライアント スイッチを VTP ドメインに追加する前に、必ず VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が VTP ドメイン内の他のスイッチのコンフィギュレーション リビジョン番号より小さいことを確認してください。VTP ドメイン内のスイッチは常に、VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が最大のスイッチの VLAN コンフィギュレーションを使用します。VTP ドメイン内のリビジョン番号よりも大きなリビジョン番号を持つスイッチを追加すると、VTP サーバおよび VTP ドメインからすべての VLAN 情報が消去される場合があります。VTP コンフィギュレーション リビジョン番号の確認手順およびリセット手順については、「VTP ドメインへの VTP クライアント スイッチの追加」を参照してください。

VTP サーバ上の VLAN 設定を変更すると、その変更は VTP ドメイン内のすべてのスイッチに伝播されます。VTP アドバタイズは、Inter-Switch Link(ISL)、IEEE 802.1Q を含め、すべての IEEE トランク接続に送信されます。VTP は、複数の LAN タイプにわたり、固有の名前と内部インデックスの対応によって VLAN を動的にマッピングします。このマッピングにより、ネットワーク管理者がデバイスを管理するための作業負担が大幅に軽減されます。

VTP トランスペアレント モードでスイッチを設定した場合、VLAN の作成および変更は可能ですが、その変更はドメイン内の他のスイッチには送信されません。また、変更が作用するのは、個々のスイッチに限られます。ただし、スイッチがこのモードのときに設定を変更すると、変更内容がスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。この変更はスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存することもできます。

ドメイン名およびパスワードの設定時の注意事項については、「ドメイン名」を参照してください。

VTP モード

サポート対象のスイッチまたはスイッチ スタックを、 表 17-1 に示す VTP モードのいずれかに設定できます。

 

表 17-1 VTP モード

VTP モード
説明

VTP サーバ

VTP サーバ モードでは、VLAN の作成、変更、削除ができます。また、VTP ドメイン全体に対して他のコンフィギュレーション パラメータ(VTP バージョンなど)を指定できます。VTP サーバは、同一 VTP ドメイン内の他のスイッチに自身の VLAN 設定をアドバタイズし、トランク リンクを介して受信したアドバタイズに基づいて、自身の VLAN 設定を他のスイッチと同期させます。

VTP サーバがデフォルトのモードです。

VTP サーバ モードでは、VLAN 設定は NVRAM に保存されます。スイッチがコンフィギュレーションを NVRAM に書き込んでいる間に障害を検出すると、VTP モードはサーバ モードからクライアント モードに自動的に移行します。この場合、スイッチは NVRAM が動作するまで VTP サーバ モードに戻ることができません。

VTP クライアント

VTP クライアントは VTP サーバと同様に動作し、対応するトランクで VTP アップデートを送受信しますが、VTP クライアント上で VLAN の作成、変更、削除を行うことはできません。VLAN は、ドメインに含まれる、他のサーバ モードのスイッチで設定します。

VTP バージョン 1 および 2 の VTP クライアント モードでは、VLAN 設定は NVRAM に保存されません。VTP バージョン 3 では、VLAN 設定はクライアント モードで NVRAM に保存されます。

VTP トランスペアレント

VTP トランスペアレント スイッチは、VTP に参加しません。VTP トランスペアレント スイッチは自身の VLAN 設定をアドバタイズせず、受信したアドバタイズに基づいて自身の VLAN 設定を同期させることもありません。ただし、VTP バージョン 2 またはバージョン 3 では、トランスペアレント スイッチは、トランク インターフェイスを介して他のスイッチから受信した VTP アドバタイズを転送します。VTP トランスペアレント モードでは、スイッチ上の VLAN を作成、変更、削除できます。

VTP バージョン 1 および 2 では、拡張範囲 VLAN を作成するときはスイッチを VTP トランスペアレント モードにする必要があります。VTP バージョン 3 でも、クライアント モードまたはサーバ モードでの拡張範囲 VLAN の作成をサポートしています。「拡張範囲 VLAN の設定」を参照してください。

VTP バージョン 1 および 2 では、プライベート VLAN を作成する場合、スイッチは VTP トランスペアレント モードにする必要があります。また、このプライベート VLAN の設定後は VTP モードをトランスペアレント モードからクライアント モードやサーバ モードに変更しないでください。VTP バージョン 3 では、クライアント モードとサーバ モードでもプライベート VLAN をサポートします。「プライベート VLAN の設定」を参照してください。プライベート VLAN が設定されている場合、VTP モードをトランスペアレントからクライアント モードやサーバ モードに変更しないでください。

スイッチが VTP トランスペアレント モードの場合、VTP および VLAN の設定は NVRAM に保存されますが、他のスイッチにはアドバタイズされません。このモードでは、VTP モードおよびドメイン名はスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。この情報をスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存するには、 copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを使用します。スイッチ スタックでは、実行コンフィギュレーションと保存されているコンフィギュレーションは、スイッチ内のすべてのスイッチについて同じです。

VTP オフ

VTP オフ モードでのスイッチの機能は、トランクを介して VTP アドバタイズを転送しないことを除くと VTP トランスペアレント スイッチとしての機能と同じです。

VTP アドバタイズ

VTP ドメイン内の各スイッチは、専用のマルチキャスト アドレスに対して、それぞれのトランク ポートからグローバル コンフィギュレーション アドバタイズを定期的に送信します。このようなアドバタイズを受信したネイバー スイッチは、必要に応じて各自の VTP および VLAN 設定をアップデートします。


) トランク ポートは VTP アドバタイズメントを送受信するので、スイッチまたはスイッチ スタック上で少なくとも 1 つのトランクポートが設定されていて、そのトランク ポートが別のスイッチのトランク ポートに接続されている必要があります。そうでない場合、スイッチは VTP アドバタイズを受信できません。トランク ポートの詳細については「VLAN トランクの設定」を参照してください。


VTP アドバタイズにより、次のグローバル ドメイン情報が配信されます。

VTP ドメイン名

VTP 設定のリビジョン番号

アップデート ID およびアップデート タイムスタンプ

各 VLAN の Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送単位)サイズを含む MD5 ダイジェスト VLAN コンフィギュレーション

フレーム形式

VTP アドバタイズではさらに、設定されている各 VLAN について、次の VLAN 情報が配信されます。

VLAN ID(ISL および IEEE 802.1Q)

VLAN 名

VLAN タイプ

VLAN ステート

VLAN タイプ固有のその他の VLAN 設定情報

VTP バージョン 3 では、VTP アドバタイズにはプライマリ サーバ ID、インスタンス番号、および開始インデックスも含まれます。

VTP バージョン 2

ネットワークで VTP を使用する場合、VTP のどのバージョンを使用するかを決定する必要があります。デフォルトでは、バージョン 1 の VTP が動作します。

VTP バージョン 1 でサポートされず、バージョン 2 でサポートされる機能は、次のとおりです。

トークンリング サポート:VTP バージョン 2 は、Token Ring Bridge Relay Function(TrBRF; トークンリング ブリッジ リレー機能)および Token Ring Concentrator Relay Function(TrCRF; トークンリング コンセントレータ リレー機能)VLAN をサポートします。トークンリング VLAN の詳細については、「標準範囲 VLAN の設定」を参照してください。

認識不能な Type-Length-Value(TLV)のサポート:VTP サーバまたは VTP クライアントは、TLV が解析不能であっても、設定の変更を他のトランクに伝播します。認識されなかった TLV は、スイッチが VTP サーバ モードで動作している場合、NVRAM に保存されます。

バージョン依存型トランスペアレント モード:VTP バージョン 1 の場合、VTP トランスペアレント スイッチが VTP メッセージ中のドメイン名およびバージョンを調べ、バージョンおよびドメイン名が一致する場合に限りメッセージを転送します。VTP バージョン 2 がサポートするドメインは 1 つだけですが、VTP バージョン 2 トランスペアレント スイッチは、ドメイン名が一致した場合のみメッセージを転送します。

整合性検査:VTP バージョン 2 の場合、CLI(コマンドライン インターフェイス)、または SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を介して新しい情報が入力された場合に限り、VLAN 整合性検査(VLAN 名、値など)を行います。VTP メッセージから新しい情報を取得した場合、または NVRAM から情報を読み込んだ場合には、整合性検査を行いません。受信した VTP メッセージの MD5 ダイジェストが有効であれば、情報を受け入れます。

VTP バージョン 3

VTP バージョン 1 または 2 でサポートされず、バージョン 3 でサポートされる機能は、次のとおりです。

拡張認証:認証を hidden または secret として設定できます。設定を hidden にしている場合、パスワード文字列からの秘密キーは VLAN のデータベース ファイルに保存されますが、設定においてプレーン テキストで表示されることはありません。代わりに、パスワードに関連付けられているキーが 16 進表記で実行コンフィギュレーションに保存されます。ドメインにテイクオーバー コマンドを入力するときは、パスワードを再入力する必要があります。キーワード secret を入力する場合、パスワードに秘密キーを直接設定できます。

拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)のデータベース伝播のサポート。VTP バージョン 1 および 2 で伝播する範囲は、VLAN 1 ~ 1005 だけです。拡張 VLAN を設定している場合は、VTP バージョン 3 からバージョン 1 または 2 に変換できません。


) VTP プルーニングは引き続き VLAN 1 ~ 1005 にだけ適用され、VLAN 1002 ~ 1005 は予約されたままで変更できません。


プライベート VLAN サポート(スイッチで IP ベースまたは IP サービス フィーチャ セットが稼働している場合)。

ドメインの任意のデータベースのサポート。VTP 情報の伝播に加えて、バージョン 3 は Multiple Spanning Tree Protocol(MSTP)データベース情報を伝播できます。VTP プロトコルの個別インスタンスが VTP を使用する各アプリケーションで実行されます。

VTP プライマリ サーバと VTP セカンダリ サーバ。VTP プライマリ サーバはデータベース情報をアップデートし、システム内のすべてのデバイスによって行われるアップデートを送信します。VTP セカンダリ サーバで実行できるのは、プライマリ サーバから NVRAM に受け取ったアップデート済み VTP コンフィギュレーションのバックアップだけです。

デフォルトでは、すべてのデバイスはセカンダリ サーバとして起動します。 vtp primary 特権 EXEC コマンドを入力してプライマリ サーバを指定することができます。プライマリ サーバのステータスは、管理者がドメインでテイクオーバー メッセージを発行する場合、データベースのアップデート用に必要となるだけです。プライマリ サーバなしで実用 VTP ドメインを持つことができます。プライマリ サーバのステータスは、スイッチにパスワードが設定されている場合でも、装置がリロードしたり、ドメインのパラメータが変更したりすると失われます。

トランク(ポート)単位で VTP をオンまたはオフにするオプション。[ no ] vtp インタフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、ポート単位で VTP をイネーブルまたはディセーブルにできます。トランク ポート上で VTP をディセーブルにすると、そのポートのすべての VTP インスタンスがディセーブルになります。VTP の設定を、MST データベースには off にする一方で、同じポートの VLAN データベースには on にすることはできません。

グローバルに VTP モードをオフに設定すると、システムのすべてのトランク ポートにこの設定が適用されます。ただし、VTP インスタンス ベースでこのモードのオンまたはオフを指定することはできます。たとえば、VLAN データベースには、スイッチを VTP サーバとして設定する一方で、MST データベースには VTP を off に設定することができます。

VTP プルーニング

VTP プルーニングを使用すると、トラフィックが宛先デバイスに到達するために使用しなければならないトランク リンクへのフラッディング トラフィックが制限されるので、使用可能なネットワーク帯域幅が増えます。VTP プルーニングを使用しない場合、スイッチは受信側のスイッチで廃棄される可能性があっても、VTP ドメイン内のすべてのトランク リンクに、ブロードキャスト、マルチキャスト、および不明のユニキャスト トラフィックをフラッディングします。VTP プルーニングはデフォルトでディセーブルです。

VTP プルーニングは、プルーニング適格リストに指定された VLAN トランク ポートへの不要なフラッディング トラフィックを阻止します。プルーニング適格リストに指定された VLAN だけが、プルーニングの対象になります。デフォルトでは、スイッチのトランク ポート上で VLAN 2 ~ 1001 がプルーニング適格です。プルーニング不適格として設定した VLAN については、引き続きフラッディングが行われます。VTP プルーニングはすべてのバージョンの VTP でサポートされます。

図 17-1 に、VTP プルーニングを使用しない場合のスイッチド ネットワークを示します。スイッチ A のポート 1 およびスイッチ D のポート 2 は、Red という VLAN に割り当てられています。スイッチ A に接続されたホストからブロードキャストが送信された場合、スイッチ A は、このブロードキャストをフラッディングします。Red VLAN にポートを持たないスイッチ C、E、F も含めて、ネットワーク内のすべてのスイッチがこのブロードキャストを受信します。

図 17-1 VTP プルーニングを使用しない場合のフラッディング トラフィック

 

図 17-2 に、VTP プルーニングをイネーブルに設定したスイッチド ネットワークを示します。スイッチ A からのブロードキャスト トラフィックは、スイッチ C、E、F には転送されません。図に示されているリンク ポート(スイッチ B のポート 5、およびスイッチ D のポート 4)で、Red VLAN のトラフィックがプルーニングされるからです。

図 17-2 VTP プルーニングによるフラッディング トラフィックの最適化

 

VTP サーバで VTP プルーニングをイネーブルにすると、管理ドメイン全体でプルーニングがイネーブルになります。VLAN をプルーニング適格または不適格として設定する場合、影響を受けるのは、そのトランク上の VLAN のプルーニングだけです(VTP ドメイン内のすべてのスイッチに影響するわけではありません)。

「VTP プルーニングのイネーブル化」を参照してください。VTP プルーニングは、イネーブルにしてから数秒後に有効になります。VTP プルーニング不適格の VLAN からのトラフィックは、プルーニングの対象になりません。VLAN 1 および VLAN 1002 ~ 1005 は常にプルーニング不適格です。これらの VLAN からのトラフィックはプルーニングできません。拡張範囲 VLAN(1005 を超える VLAN ID)もプルーニング不適格です。

VTP プルーニングは VTP トランスペアレント モードでは機能しないように設計されています。ネットワーク内に VTP トランスペアレント モードのスイッチが 1 台または複数存在する場合は、次のいずれかを実行する必要があります。

ネットワーク全体の VTP プルーニングをオフにします。

VTP トランスペアレント スイッチのアップストリーム側にあるスイッチのトランク上で、すべての VLAN をプルーニング不適格にすることによって、VTP プルーニングをオフにします。

インターフェイスに VTP プルーニングを設定するには、 switchport trunk pruning vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します(「プルーニング適格リストの変更」を参照)。VTP プルーニングは、インターフェイスがトランキングを実行している場合に作用します。VLAN プルーニングの適格性は、VTP ドメインで VTP プルーニングがイネーブルであるかどうか、特定の VLAN が存在するかどうか、およびインターフェイスが現在トランキングを実行しているかどうかにかかわらず、設定できます。

VTP とスイッチ スタック

VTP 設定は、スイッチ スタックのすべてのメンバで同じです。スイッチ スタックが VTP サーバまたはクライアント モードになっている場合は、スタック内のすべてのスイッチが同一の VTP 設定を持ちます。VTP モードがトランスペアレントの場合は、スタックは VTP には加入しません。

スタックに参加したスイッチは、VTP および VLAN のプロパティをスタック マスターから継承します。

すべての VTP アップデートが、スタック全体で保持されます。

スタック内のスイッチの VTP モードが変更されると、そのスタック内のその他のスイッチも VTP モードを変更し、スイッチの VLAN データベースの一貫性が保たれます。

VTP バージョン 3 は、スタンドアロン スイッチでもスタックでも同じように機能しますが、スイッチ スタックが VTP データベースのプライマリ サーバである場合だけは例外です。この場合は、スタック マスターの MAC アドレスがプライマリ サーバ ID として使用されます。マスター スイッチをリロードするか、またはその電源を切ると、新しいスタック マスターが選択されます。

永続 MAC アドレス機能を設定しない場合は( stack-mac persistent timer [ 0 | time-value ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力)、新しいマスターが選択されると、選択されたマスターは、新しいマスター MAC アドレスをプライマリ サーバとしてテイクオーバー メッセージを送信します。

永続 MAC アドレスが設定されている場合は、新しいマスターは、設定済みの stack-mac persistent timer 値を待ちます。この時間内に以前のマスター スイッチがスタックに再参加しなければ、新しいマスターがテイクオーバー メッセージを発行します。

スイッチ スタックの詳細については、「スイッチ スタックの管理」を参照してください。

VTP の設定

ここでは、次の設定について説明します。

「VTP のデフォルト設定」

「VTP 設定時の注意事項」

「VTP モードの設定」

「VTP バージョンのイネーブル化」

「VTP プルーニングのイネーブル化」

「ポート単位の VTP の設定」

「VTP ドメインへの VTP クライアント スイッチの追加」

VTP のデフォルト設定

表 17-2 に、VTP のデフォルト設定を示します。

 

表 17-2 VTP のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

VTP ドメイン名

ヌル

VTP モード(VTP バージョン 1 およびバージョン 2)

サーバ

VTP モード(VTP バージョン 3)

このモードは、VTP バージョン 3 に変換する前のバージョン 1 または 2 のモードと同じです。

VTP バージョン

バージョン 1(バージョン 2 はディセーブル)

MST データベース モード

トランスペアレント

VTP バージョン 3 のサーバ タイプ

セカンダリ

VTP パスワード

なし。

VTP プルーニング

ディセーブル

VTP 設定時の注意事項

VTP パスワード、バージョン、VTP ファイル名、最新の VTP 情報を提供するインターフェイス、ドメイン名、およびモードを設定する場合、さらにプルーニングをディセーブルまたはイネーブルに設定する場合には、 vtp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。使用できるキーワードの詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスに記載されているコマンドの説明を参照してください。VTP 情報は VTP VLAN データベースに保存されます。VTP モードがトランスペアレントである場合、VTP ドメイン名およびモードはスイッチの実行コンフィギュレーション ファイルにも保存されます。この情報をスイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存するには、 copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを入力します。スイッチをリセットした場合にも、VTP モードをトランスペアレントとして保存するには、このコマンドを使用する必要があります。

スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに VTP 情報を保存して、スイッチを再起動すると、スイッチの設定は次のように選択されます。

スタートアップ コンフィギュレーションおよび VLAN データベース内の VTP モードがトランスペアレントであり、VLAN データベースとスタートアップ コンフィギュレーション ファイルの VTP ドメイン名が一致する場合は、VLAN データベースが無視され(クリアされ)、スタートアップ コンフィギュレーション ファイル内の VTP および VLAN 設定が使用されます。VLAN データベース内の VLAN データベース リビジョン番号は変更されません。

スタートアップ コンフィギュレーション内の VTP モードまたはドメイン名が VLAN データベースと一致しない場合、VLAN ID 1 ~ 1005 のドメイン名、VTP モード、および VTP 設定には VLAN データベース情報が使用されます。

ドメイン名

VTP を初めて設定するときは、必ずドメイン名を割り当てる必要があります。また、VTP ドメイン内のすべてのスイッチを、同じドメイン名で設定しなければなりません。VTP トランスペアレント モードのスイッチは、他のスイッチと VTP メッセージを交換しません。これらのスイッチについては VTP ドメイン名を設定する必要はありません。


) NVRAM および DRAM の記憶域が十分にある場合は、VTP ドメイン内のすべてのスイッチを VTP サーバ モードにする必要があります。



注意 すべてのスイッチが VTP クライアント モードで動作している場合は、VTP ドメインを設定しないでください。ドメインを設定すると、そのドメインの VLAN 設定を変更できなくなります。VTP ドメイン内の少なくとも 1 台のスイッチを VTP サーバ モードに設定してください。

パスワード

VTP ドメインのパスワードは設定できますが、必須ではありません。ドメイン パスワードを設定する場合は、すべてのドメイン スイッチで同じパスワードを共有し、管理ドメイン内のスイッチごとにパスワードを設定する必要があります。パスワードのないスイッチ、またはパスワードが不正なスイッチは、VTP アドバタイズを拒否します。

ドメインに VTP パスワードを設定する場合、VTP 設定なしで起動したスイッチは、正しいパスワードを使用して設定しない限り、VTP アドバタイズを受信しません。設定後、スイッチは同じパスワードおよびドメイン名を使用した VTP アドバタイズを受信します。

VTP 機能を持つ既存のネットワークに新しいスイッチを追加した場合、その新しいスイッチに適切なパスワードを設定して初めて、スイッチはドメイン名を学習します。


注意 VTP ドメイン パスワードを設定したにもかかわらず、ドメイン内の各スイッチに管理ドメイン パスワードを割り当てなかった場合には、管理ドメインが正常に動作しません。

VTP バージョン

実装する VTP バージョンを決定する場合は、次の注意事項に従ってください。

VTP ドメイン内のすべてのスイッチは同じドメイン名を使用する必要がありますが、すべてが同じ VTP バージョンを実行する必要はありません。

VTP バージョン 2 対応のスイッチ上で VTP バージョン 2 がディセーブルに設定されている場合、VTP バージョン 2 対応スイッチは、VTP バージョン 1 を実行しているスイッチと同じ VTP ドメインで動作できます(デフォルトでは VTP バージョン 2 はディセーブルになっています)。

VTP バージョン 1 を実行しているものの、VTP バージョン 2 に対応可能なスイッチが VTP バージョン 3 アドバタイズを受信すると、このスイッチは VTP バージョン 2 に自動的に移行します。

VTP バージョン 3 を実行しているスイッチが VTP バージョン 1 を実行しているスイッチに接続すると、VTP バージョン 1 のスイッチは VTP バージョン 2 に移行し、VTP バージョン 3 のスイッチは、スケールダウンしたバージョンの VTP パケットを送信するため、VTP バージョン 2 スイッチは自身のデータベースをアップデートできます。

VTP バージョン 3 を実行するスイッチは、拡張 VLAN を持つ場合はバージョン 1 または 2 に移行できません。

同一 VTP ドメイン内のすべてのスイッチがバージョン 2 に対応可能な場合を除いて、スイッチ上で VTP バージョン 2 をイネーブルにしないでください。あるスイッチでバージョン 2 をイネーブルにすると、ドメイン内のすべてのバージョン 2 対応スイッチでバージョン 2 がイネーブルになります。バージョン 1 専用のスイッチがドメインに含まれている場合、そのスイッチはバージョン 2 対応スイッチとの間で VTP 情報を交換できません。

VTP バージョン 1 および 2 スイッチは、VTP バージョン 3 アドバタイズメントを転送できないため、ネットワークのエッジに配置することを推奨します。

使用環境に TrBRF および TrCRF トークンリング ネットワークが含まれている場合に、トークンリング VLAN スイッチング機能を正しく動作させるには、VTP バージョン 2 またはバージョン 3 をイネーブルにする必要があります。トークンリングおよびトークンリング Net を実行する場合は、VTP バージョン 2 をディセーブルにします。

VTP バージョン 1 およびバージョン 2 は、拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)の設定情報を伝播しません。これらの VLAN は各装置で手動によって設定する必要があります。VTP バージョン 3 は拡張範囲 VLAN をサポートします。拡張 VLAN を設定している場合、VTP バージョン 3 から VTP バージョン 2 に変換できません。

VTP バージョン 3 装置のトランク ポートが VTP バージョン 2 装置からのメッセージを受信した場合、この装置は、VLAN データベースをスケールダウンし、その特定のトランク上で VTP バージョン 2 フォーマットを使用して送信します。VTP バージョン 3 装置は、最初にそのトランク ポートで VTP バージョン 2 パケットを受信しない限り、VTP バージョン 2 フォーマットのパケットを送信しません。

VTP バージョン 3 装置が、あるトランク ポートで VTP バージョン 2 装置を検出した場合、両方のネイバーが同一トランク上で共存できるように、VTP バージョン 2 パケットだけでなく VTP バージョン 3 パケットの送信も継続します。

VTP バージョン 3 装置は、VTP バージョン 2 またはバージョン 1 の装置からの設定情報は受け入れません。

2 つの VTP バージョン 3 リージョンは、VTP バージョン 1 リージョンまたはバージョン 2 リージョンでは、トランスペアレント モードでだけ通信できます。

VTP バージョン 1 にだけ対応する装置は、VTP バージョン 3 装置との相互運用はできません。

設定要件

VTP を設定する場合は、スイッチがドメイン内の他のスイッチと VTP アドバタイズメントを送受信できるように、トランク ポートを設定する必要があります。

詳細については、「VLAN トランクの設定」を参照してください。

クラスタ メンバ スイッチの VTP を VLAN に設定する場合、 rcommand 特権 EXEC コマンドを使用して、そのメンバ スイッチにログインします。コマンドの詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。

VTP バージョン 1 および 2 では、そのスイッチで拡張範囲 VLAN を設定するとき、スイッチは VTP トランスペアレント モードでなければなりません。VTP バージョン 3 でも、クライアント モードまたはサーバ モードでの拡張範囲 VLAN の作成をサポートしています。

VTP バージョン 1 および 2 ではプライベート VLAN をサポートしません。VTP バージョン 3 ではプライベート VLAN をサポートします。プライベート VLAN を設定した場合、スイッチは VTP トランスペアレント モードでなければなりません。プライベート VLAN がスイッチに設定されている場合、VTP モードをトランスペアレント モードからクライアント モードやサーバ モードに変更しないでください。

VTP モードの設定

次のいずれかに VTP モードを設定できます。

スイッチが VTP サーバ モードの場合には、VLAN 設定を変更し、その変更をネットワーク全体に伝播できます。

スイッチが VTP クライアント モードの場合には、そのスイッチの VLAN 設定を変更できません。クライアント スイッチは、VTP ドメイン内の VTP サーバから VTP アップデート情報を受信し、それに基づいて設定を変更します。

スイッチを VTP トランスペアレント モードに設定すると、スイッチの VTP はディセーブルになります。VTP トランスペアレント スイッチは VTP アップデートを送信せず、他のスイッチから受信した VTP アップデートにも反応しません。ただし、VTP バージョン 2 を実行する VTP トランスペアレント モードのスイッチは、対応するトランク リンクで、受信した VTP アドバタイズを転送します。

VTP オフ モードは、VTP アドバタイズが転送されない以外は、VTP トランスペアレント モードと同じです。

次の注意事項に従ってください。

VTP バージョン 1 およびバージョン 2 では、スイッチ スタック上に拡張範囲 VLAN が設定されている場合は、VTP モードをクライアントまたはサーバに変更できません。エラー メッセージが表示され、設定が許可されません。VTP バージョン 1 およびバージョン 2 は、拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)の設定情報を伝播しません。これらの VLAN を各装置上に手動で設定する必要があります。


) VTP バージョン 1 およびバージョン 2 の場合、拡張範囲 VLAN(VLAN ID 1006 ~ 4094)を作成するには、事前に vtp mode transparent グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、VTP モードをトランスペアレントに設定する必要があります。VTP トランスペアレント モードでスイッチが開始するように、この設定をスタートアップ コンフィギュレーションに保存してください。このようにしないと、スイッチのリセット時に拡張範囲 VLAN 設定が失われ、VTP サーバ モード(デフォルト)で起動します。


VTP バージョン 3 は拡張範囲 VLAN をサポートします。拡張 VLAN が設定されている場合は、VTP バージョン 3 から VTP バージョン 2 に変換できません。

スイッチを VTP クライアント モードに設定した場合、VLAN データベース ファイル(vlan.dat)は作成されません。そのままスイッチの電源をオフにすると、VTP 設定はデフォルトにリセットされます。スイッチが再起動された後も VTP 設定を VTP クライアント モードに維持するには、VTP モードを設定する前に、VTP ドメイン名を設定する必要があります。


注意 すべてのスイッチが VTP クライアント モードで動作している場合は、VTP ドメイン名を設定しないでください。ドメイン名を設定すると、そのドメインの VLAN 設定を変更できなくなります。したがって、少なくとも 1 台のスイッチを VTP サーバとして設定してください。

VTP モードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

vtp domain domain-name

VTP 管理ドメイン名を設定します。1 ~ 32 文字の名前を使用できます。同一管理下にある VTP サーバ モードまたはクライアント モードのスイッチは、すべて同じドメイン名に設定する必要があります。

サーバ モード以外にはこのコマンドは任意です。VTP サーバ モードではドメイン名が必要です。スイッチで VTP ドメインにトランクを接続している場合、スイッチはドメインの VTP サーバからドメイン名を学習します。

他の VTP パラメータを設定する前に、VTP ドメインを設定する必要があります。

ステップ 3

vtp mode { client | server | transparent | off } { vlan | mst | unknown }

VTP モード(クライアント、サーバ、トランスペアレントまたはオフ)のスイッチの設定。

(任意)データベースを次のように設定します。

vlan :何も設定されていない場合は VLAN データベースがデフォルトです。

mst :多重スパニングツリー(MST)データベース。

unknown :データベース タイプは不明。

ステップ 4

vtp password password

(任意)VTP ドメイン用のパスワードを設定します。パスワードに使用できる文字数は 8 ~ 64 文字です。VTP パスワードを設定したにもかかわらず、ドメイン内の各スイッチに同じパスワードを割り当てなかった場合には、VTP ドメインが正常に動作しません。

VTP バージョン 3 で使用可能なオプションについては、「VTP バージョン 3 のパスワードの設定」を参照してください。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show vtp status

表示された VTP Operating Mode および VTP Domain Name フィールドの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

(注) スイッチの実行コンフィギュレーションに保存され、スタートアップ コンフィギュレーション ファイルにコピーできるのは、VTP モードおよびドメイン名だけです。

設定したドメイン名は、削除できません。別のドメインにスイッチを再び割り当てるしかありません。

別のモードのスイッチを VTP サーバ モードに戻すには、 no vtp mode グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。スイッチをパスワードがない状態に戻すには、 no vtp password グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ドメイン名が eng_group 、パスワードが mypassword という VTP サーバとしてスイッチを設定する例を示します。

Switch(config)# vtp domain eng_group
Setting VTP domain name to eng_group.
Switch(config)# vtp mode server
Setting device to VTP Server mode for VLANS.
Switch(config)# vtp password mypassword
Setting device VLAN database password to mypassword.
Switch(config)# end
 

VTP バージョン 3 のパスワードの設定

VTP バージョン 3 を使用する場合にパスワードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

vtp password password [ hidden | secret ]

(任意)VTP ドメイン用のパスワードを設定します。パスワードに使用できる文字数は 8 ~ 64 文字です。

(任意) hidden :パスワード文字列から生成された秘密キーが nvam:vlan.dat ファイルに保存されるようにするには、 hidden を入力します。VTP プライマリ サーバを設定してテイクオーバーを設定しようとすると、パスワードの再入力を要求されます。

(任意) secret :パスワードを直接設定するには、 secret を入力します。シークレット パスワードには 16 進数文字を 32 個含める必要があります。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show vtp password

設定を確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

パスワードをクリアするには、 no vtp password グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。

次に、非表示のパスワードの設定方法とその表示方法の例を示します。

Switch(config)# vtp password mypassword hidden
Generating the secret associated to the password.
Switch(config)# end
Switch# show vtp password
VTP password: 89914640C8D90868B6A0D8103847A733

VTP バージョン 3 のプライマリ サーバの設定

VTP サーバを VTP プライマリ サーバ(バージョン 3 限定)として設定し、テイクオーバー操作を開始するには、特権 EXEC モードの VTP サーバで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

vtp primary-server [ vlan | mst ] [ force ]

スイッチの動作ステートをセカンダリ サーバ(デフォルト)からプライマリ サーバに変更し、その設定をドメインにアドバタイズします。スイッチのパスワードが hidden に設定されている場合は、パスワードの再入力を要求されます。

(任意) vlan :テイクオーバー機能として VLAN データベースを選択します。これはデフォルトです。

(任意) mst :テイクオーバー機能として Multiple Spanning Tree(MST; 多重スパニングツリー)データベースを選択します。

(任意) force force と入力すると、競合するサーバの設定が上書きされます。 force を入力しない場合、テイクオーバーの実行前に確認を求められます。

次に、パスワードが非表示またはシークレットに設定されている場合に、VLAN データベースのプライマリ サーバ(デフォルト)としてスイッチを設定する方法の例を示します。

Switch# vtp primary vlan
Enter VTP password: mypassword
This switch is becoming Primary server for vlan feature in the VTP domain
 
VTP Database Conf Switch ID Primary Server Revision System Name
------------ ---- -------------- -------------- -------- --------------------
VLANDB Yes 00d0.00b8.1400=00d0.00b8.1400 1 stp7
 
Do you want to continue (y/n) [n]? y
 

VTP バージョンのイネーブル化

デフォルトで VTP バージョン 2 およびバージョン 3 はディセーブルになっています。

あるスイッチ上で VTP バージョン 2 をイネーブルにすると、VTP ドメイン内の VTP バージョン 2 に対応可能なすべてのスイッチでバージョン 2 がイネーブルになります。VTP バージョン 3 をイネーブルにするには、各スイッチ上で手動によって設定する必要があります。

VTP バージョン 1 および 2 では、VTP サーバ モードまたはトランスペアレント モードのスイッチでだけバージョンを設定できます。VTP バージョン 3 を実行するスイッチがクライアント モードの場合、既存の拡張 VLAN や既存のプライベート VLAN がなく、パスワードが非表示に設定されていないときであれば、バージョン 2 に変更できます。


注意 同一 VTP ドメイン内のスイッチ上で、VTP バージョン 1 と VTP バージョン 2 は相互運用できません。VTP ドメイン内のすべてのスイッチが VTP バージョン 2 をサポートしている場合を除き、VTP バージョン 2 をイネーブルにはしないでください。

TrCRF および TrBRF トークンリング環境では、トークンリング VLAN スイッチング機能を正しく動作させるために、VTP バージョン 2 または VTP バージョン 3 をイネーブルにする必要があります。トークンリングおよびトークンリング Net メディアの場合は、VTP バージョン 2 をディセーブルにする必要があります。


注意 VTP バージョン 3 では、プライマリ サーバとセカンダリ サーバの両方がドメイン内の 1 つのインスタンスに存在できます。

VTP バージョンを設定する場合の注意事項については、「VTP バージョン」を参照してください。

VTP バージョンを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

vtp version { 1 | 2 | 3 }

スイッチで VTP バージョンをイネーブルにします。デフォルトは VTP バージョン 1 です。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show vtp status

設定された VTP バージョンがイネーブルであることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトの VTP バージョン 1 に戻るには、 no vtp version グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

VTP プルーニングのイネーブル化

プルーニングは、トラフィックが宛先デバイスに到達するために使用しなければならないトランク リンクだけにフラッディング トラフィックを制限することによって、使用可能な帯域幅を増やします。VTP プルーニングをイネーブルにできるのは、スイッチが VTP サーバ モードの場合だけです。

VTP ドメイン内で VTP プルーニングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

vtp pruning

VTP 管理ドメインでプルーニングをイネーブルにします。

プルーニングは、デフォルトではディセーブルに設定されています。VTP サーバ モードの 1 台のスイッチ上に限ってプルーニングをイネーブルにする必要があります。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show vtp status

表示された VTP Pruning Mode フィールドの設定を確認します。

VTP プルーニングをディセーブルにするには、 no vtp pruning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

VTP バージョン 1 および 2 では、VTP サーバでプルーニングをイネーブルにすると、その VTP ドメイン全体でプルーニングがイネーブルになります。VTP バージョン 3 では、ドメイン内の各スイッチ上で手動によってプルーニングをイネーブルにする必要があります。

プルーニング適格リストに指定された VLAN だけが、プルーニングの対象になります。デフォルトでは、トランク ポート上で VLAN 2 ~ 1001 がプルーニング適格です。専用の VLAN および拡張範囲 VLAN をプルーニングすることはできません。プルーニング適格の VLAN を変更する手順については、「プルーニング適格リストの変更」を参照してください。

ポート単位の VTP の設定

VTP バージョン 3 では、ポート単位で VTP をイネーブルまたはディセーブルにできます。VTP は、トランク モードのポート上でだけイネーブルにできます。VTP トラフィックの着信または発信はブロックされ、転送されません。

ポート上で VTP をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

vtp

指定されたポート上で VTP をイネーブルにします。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config interface interface-id

ポートの変更を確認します。

ステップ 6

show vtp status

設定を確認します。

インターフェイス上で VTP をディセーブルにするには、 no vtp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

Switch(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
Switch(config-if)# vtp
Switch(config-if)# end

VTP ドメインへの VTP クライアント スイッチの追加

VTP クライアントを VTP ドメインに追加する前に、必ず VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が VTP ドメイン内の他のスイッチのコンフィギュレーション リビジョン番号より 小さい ことを確認してください。VTP ドメイン内のスイッチは常に、VTP コンフィギュレーション リビジョン番号が最大のスイッチの VLAN コンフィギュレーションを使用します。VTP バージョン 1 および 2 では、VTP ドメイン内のリビジョン番号よりも大きなリビジョン番号を持つスイッチを追加すると、VTP サーバおよび VTP ドメインからすべての VLAN 情報が消去される場合があります。VTP バージョン 3 では、VLAN 情報が消去されることはありません。

VTP ドメインに追加する 前に 、スイッチ上で VTP コンフィギュレーション リビジョン番号を確認およびリセットするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

show vtp status

VTP コンフィギュレーション リビジョン番号をチェックします。

番号が 0 の場合は、スイッチを VTP ドメインに追加します。

番号が 0 より大きい場合は、次の手順に従います。

a. ドメイン名を書き留めます。

b. コンフィギュレーション リビジョン番号を書き留めます。

c. 次のステップに進んで、スイッチのコンフィギュレーション リビジョン番号をリセットします。

ステップ 2

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

vtp domain domain-name

ドメイン名を、ステップ 1 で表示された元の名前から新しい名前に変更します。

ステップ 4

end

スイッチの VLAN 情報が更新され、コンフィギュレーション リビジョン番号が 0 にリセットされます。特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show vtp status

コンフィギュレーション リビジョン番号が 0 にリセットされていることを確認します。

ステップ 6

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 7

vtp domain domain-name

スイッチの元のドメイン名を入力します。

ステップ 8

end

スイッチの VLAN 情報が更新されて、特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 9

show vtp status

(任意)ドメイン名がステップ 1 のものと同じであり、コンフィギュレーション リビジョン番号が 0 であることを確認します。

コンフィギュレーション リビジョン番号をリセットした後に、スイッチを VTP ドメインに追加します。


) スイッチ上で VTP をディセーブルにし、VTP ドメイン内の他のスイッチに影響を与えることなく VLAN 情報を変更するには、vtp mode transparent グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。


VTP のモニタ

VTP の設定情報(ドメイン名、現在の VTP バージョン、VLAN 数)を表示することによって、VTP をモニタします。スイッチで送受信されたアドバタイズに関する統計情報を表示することもできます。

表 17-3 に、VTP アクティビティをモニタするための特権 EXEC コマンドを示します。

 

表 17-3 VTP モニタリング コマンド

コマンド
目的

show vtp counters

送受信された VTP メッセージに関するカウンタを表示します。

show vtp devices [ conflict ]

ドメイン内のすべての VTP バージョン 3 デバイスに関する情報を表示します。プライマリ サーバと競合する VTP バージョン 3 の装置が表示されます。 show vtp devices コマンドは、スイッチがトランスペアレント モードまたはオフ モードのときは情報を表示しません。

show vtp interface [ interface-id ]

すべてのインターフェイスまたは指定されたインターフェイスに対する VTP のステータスおよび設定を表示します。

show vtp password

VTP パスワードを表示します。表示されるパスワードの形式は、 hidden キーワードが入力されているか、または、暗号化がスイッチでイネーブル化されているかどうかによって異なります。

show vtp status

VTP スイッチの設定情報を表示します。