Catalyst 3560 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(40)SE
LLDP および LLDP-MED の設定
LLDP および LLDP-MED の設定
発行日;2013/09/18 | 英語版ドキュメント(2011/07/26 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 11MB) | フィードバック

目次

LLDP および LLDP-MED の設定

LLDP および LLDP-MED の概要

LLDP の概要

LLDP-MED の概要

LLDP および LLDP-MED の設定

デフォルトの LLDP 設定

LLDP 特性の設定

LLDP のグローバルなディセーブルおよびイネーブル

インターフェイス上での LLDP のディセーブルおよびイネーブル

LLDP-MED TLV の設定

LLDP および LLDP-MED のモニタおよびメンテナンス

LLDP および LLDP-MED の設定

この章では、Catalyst 3560 スイッチで リンク層検出プロトコル(LLDP)および LLDP Media Endpoint Discovery(LLDP-MED)を設定する方法について説明します。特に明記しない限り、 スイッチ という用語は、スタンドアロン スイッチおよびスイッチ スタックを指します。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスおよび『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference, Release 12.2』の「System Management Commands」を参照してください。


この章の内容は、次のとおりです。

「LLDP および LLDP-MED の概要」

「LLDP および LLDP-MED の設定」

「LLDP および LLDP-MED のモニタおよびメンテナンス」

LLDP および LLDP-MED の概要

ここでは、次の概念情報について説明します。

「LLDP の概要」

「LLDP-MED の概要」

LLDP の概要

Cisco Discovery Protocol(CDP)は、すべてのシスコ デバイス(ルータ、ブリッジ、アクセス サーバ、およびスイッチ)のレイヤ 2(データ リンク層)上で動作するデバイス検出プロトコルです。ネットワーク管理アプリケーションは CDP を使用することにより、ネットワーク接続されている 他のシスコ デバイスを自動的に検出し、識別できます。

スイッチでは他社製のデバイスをサポートし他のデバイス間の相互運用性を確保するために、IEEE 802.1AB リンク層検出プロトコル(LLDP)をサポートしています。LLDP は、ネットワーク デバイスがネットワーク上の他のデバイスに自分の情報をアドバタイズするために使用するネイバー探索プロトコルです。このプロトコルはデータリンク層で動作するため、異なるネットワーク層プロトコルが稼働する 2 つのシステムで互いの情報を学習できます。

LLDP は一連の属性をサポートし、これらを使用してネイバー デバイスを検出します。属性には、Type、Length、および Value の説明が含まれていて、これらを TLV と呼びます。LLDP をサポートするデバイスは、ネイバーとの情報の送受信に TLV を使用できます。設定情報、デバイスの機能、デバイス ID などの詳細情報は、このプロトコルを使用してアドバタイズできます。

スイッチは、次の基本管理 TLV をサポートします。これらは必須の LLDP TLV です。

ポート記述 TLV

システム名 TLV

システム記述 TLV

システム機能 TLV

管理アドレス TLV

次の IEEE 固有の LLDP TLV もアドバタイズに使用されて LLDP-MED をサポートします。

ポート VLAN ID TLV(IEEE 802.1 に固有の TLV)

MAC/PHY コンフィギュレーション/ステータス TLV(IEEE 802.3 に固有の TLV)


スイッチ スタックは、ネットワーク内で 1 つのスイッチと見なされます。したがって、LLDP は個々のスタック メンバではなく、スイッチ スタックを検出します。


LLDP-MED の概要

LLDP for Media Endpoint Devices(LLDP-MED)は LLDP の拡張版で、IP 電話などのエンドポイント デバイスとスイッチなどのネットワーク デバイスの間で動作します。特に VoIP アプリケーションをサポートし、検出機能、ネットワーク ポリシー、Power over Ethernet(PoE)、インベントリ管理、およびロケーション情報に関する TLV を提供します。デフォルトで、すべての LLDP-MED TLV がイネーブルです。

LLDP-MED では、次の TLV がサポートされます。

LLDP-MED 機能 TLV

LLDP-MED エンドポイントが、接続されたデバイスのサポートする機能およびデバイスでイネーブルになっている機能を判別できるようにします。

ネットワーク ポリシー TLV

ネットワーク接続デバイスとエンドポイントはともに、VLAN 設定、および関連するレイヤ 2 とレイヤ 3 属性をポート上の特定アプリケーションにアドバタイズできます。たとえば、スイッチは使用する VLAN 番号を IP 電話に通知できます。電話機は任意のスイッチに接続して、VLAN 番号を取得し、コール制御との通信を開始できます。

電源管理 TLV

LLDP-MED エンドポイントとネットワーク接続デバイスの間で拡張電源管理を可能にします。スイッチおよび IP 電話は、デバイスの受電方法、電源プライオリティ、デバイスの消費電力などの電源情報を通知することができます。

インベントリ管理 TLV

エンドポイントは、スイッチにエンドポイントの詳細なインベントリ情報を送信することが可能です。インベントリ情報には、ハードウェア リビジョン、ファームウェア バージョン、ソフトウェア バージョン、シリアル番号、メーカー名、モデル名、Asset ID TLV などがあります。

ロケーション TLV

スイッチからのロケーション情報をエンドポイント デバイスに提供します。ロケーション TLV はこの情報を送信することができます。

都市ロケーション情報

都市アドレス情報および郵便番号情報を提供します。都市ロケーション情報の例には、地名、番地、郵便番号などがあります。

ELIN ロケーション情報

発信側のロケーション情報を提供します。ロケーションは、緊急ロケーション識別番号(ELIN)によって決定されます。これは、緊急通報を Public Safety Answering Point(PSAP)にルーティングする電話番号で、PSAP はこれを使用して緊急通報者にコールバックすることができます。


) LLDP と LLDP-MED は、ネットワーク内で同時に動作できません。デフォルトでは、ネットワーク デバイスは、エンドポイント デバイスから LLDP-MED パケットを受信するまで、LLDP パケットのみを送信します。次にネットワーク デバイスは、LLDP パケットを受信するまで LLDP-MED パケットを送信します。


LLDP および LLDP-MED の設定

ここでは、次の設定情報について説明します。

「デフォルトの LLDP 設定」

「LLDP 特性の設定」

「LLDP のグローバルなディセーブルおよびイネーブル」

「インターフェイス上での LLDP のディセーブルおよびイネーブル」

「LLDP-MED TLV の設定」

デフォルトの LLDP 設定

表 26-1 に、デフォルトの LLDP 設定を示します。デフォルト設定を変更するには、LLDP グローバル コンフィギュレーション コマンドおよび LLDP インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

 

表 26-1 デフォルトの LLDP 設定

機能
デフォルト設定

LLDP グローバル ステート

イネーブル

LLDP ホールドタイム(廃棄までの時間)

120 秒

LLDP タイマー(パケット更新頻度)

30 秒

LLDP 再初期化遅延

2 秒

LLDP tlv-select

すべての TLV の送受信をイネーブルに

LLDP インターフェイス ステート

イネーブル

LLDP 受信

イネーブル

LLDP 転送

イネーブル

LLDP med-tlv-select

すべての MMDP-MED TLV の送信をイネーブルに

LLDP 特性の設定

LLDP 更新の頻度、情報を廃棄するまでの保持期間、および初期化遅延時間を設定できます。送受信する LLDP および LLDP-MED TLV も選択できます。

これらの特性を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。


) ステップ 2 ~ 5 はすべて任意であり、どの順番で実行してもかまいません。


 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

lldp holdtime seconds

(任意)デバイスから送信された情報を受信側デバイスが廃棄するまで保持する期間を指定します。

指定できる範囲は 0 ~ 65535 秒です。デフォルトは 120 秒です。

ステップ 3

lldp reinit

(任意)任意のインターフェイス上で LLDP の初期化の遅延時間(秒)を指定します。

指定できる範囲は 2 ~ 5 秒です。デフォルトは 2 秒です。

ステップ 4

lldp timer seconds

(任意)LLDP アップデートの送信頻度(秒)を設定します。

指定できる範囲は 5 ~ 65534 秒です。デフォルトは 30 秒です。

ステップ 5

lldp tlv-select

(任意)送受信する LLDP TLV を指定します。

ステップ 6

lldp med-tlv-select

(任意)送受信する LLDP-MED TLV を指定します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルト設定に戻すには、各 LLDP コマンドの no 形式を使用します。

次に、LLDP の特性を設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# lldp holdtime 120
Switch(config)# lldp reinit 2
Switch(config)# lldp timer 30
Switch(config)# end
 

その他の LLDP show コマンドについては、「LLDP および LLDP-MED のモニタおよびメンテナンス」を参照してください。

LLDP のグローバルなディセーブルおよびイネーブル

LLDP はデフォルトでイネーブルです。

LLDP をグローバルにディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no lldp run

LLDP をディセーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ディセーブル化されている LLDP-MED をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

lldp run

LLDP をイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

次に、グローバルに LLDP をディセーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# no lldp run

Switch(config)# end

次に、LLDP をグローバルにイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# lldp run
Switch(config)# end

インターフェイス上での LLDP のディセーブルおよびイネーブル

LLDP 情報を送受信するために、サポートされるすべてのインターフェイスで LLDP はデフォルトでイネーブルになっています。


) インターフェイスがトンネル ポートに設定されていると、LLDP は自動的にディセーブルになります。


インターフェイス上で LLDP をディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

LLDP をディセーブルにするインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

no lldp transmit

インターフェイス上で LLDP パケットは送信されません。

ステップ 4

no lldp receive

インターフェイス上で LLDP パケットは受信されません。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

ディセーブル化されている LLDP をインターフェイス上でイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

LLDP-MED をイネーブルにするインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

lldp transmit

インターフェイス上で LLDP パケットは送信されます。

ステップ 4

lldp receive

インターフェイス上で LLDP パケットは受信されます。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、インターフェイス上で LLDP をイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/1
Switch(config-if)# lldp transmit
Switch(config-if)# lldp receive
Switch(config-if)# end

LLDP-MED TLV の設定

デフォルトでは、スイッチはエンド デバイスから LLDP-MED パケットを受信するまで、LLDP パケットだけを送信します。デバイスは LLDP パケットのみを受信するまで、LLDP-MED パケットの送信を続けます。

lldp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すれば、インターフェイスが 表 26-2 にリストされている TLV を送信しないように設定できます。

 

表 26-2 LLDP-MED TLV

LLDP-MED TLV
説明

inventory-management

LLDP-MED インベントリ管理 TLV

location

LLDP-MED ロケーション TLV

network-policy

LLDP-MED ネットワーク ポリシー TLV

power-management

LLDP-MED 電源管理 TLV

インターフェイス上で TLV をディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

LLDP-MED TLV を設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

no lldp med-tlv-select tlv

ディセーブルにする TLV を指定します。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイス上で TLV をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

LLDP-MED TLV を設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

lldp med-tlv-select tlv

イネーブルにする TLV を指定します。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、インターフェイスでディセーブルにされている TLV をイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface GigabitEthernet0/1
Switch(config-if)# lldp med-tlv-select inventory management
Switch(config-if)# end

LLDP および LLDP-MED のモニタおよびメンテナンス

デバイス上の LLDP および LLDP-MED を監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次の手順を 1 つまたは複数実行します。

 

コマンド
説明

clear lldp counters

トラフィック カウンタをゼロにリセットします。

clear lldp table

ネイバーに関する情報を格納する LLDP テーブルを削除します。

show lldp

送信頻度、送信するパケットのホールドタイム、LLDP 初期化の遅延時間など、インターフェイス上のグローバル情報を表示します。

show lldp entry entry-name

特定のネイバーに関する情報を表示します。

アスタリスク(*)を入力して、すべてのネイバーを表示することも、情報が必要なネイバーの名前を入力することもできます。

show lldp interface [ interface-id ]

LLDP がイネーブルに設定されているインターフェイスに関する情報を表示します。

必要なインターフェイスの情報だけを表示できます。

show lldp neighbors [ interface-id ] [ detail ]

デバイス タイプ、インターフェイスのタイプや番号、ホールドタイム設定、機能、ポート ID など、ネイバーに関する情報を表示します。

特定のインターフェイスに関するネイバー情報だけを表示したり、詳細表示にするため表示内容を拡張したりできます。

show lldp traffic

送受信パケットの数、廃棄したパケットの数、認識できない TLV の数など、LLDP カウンタ類を表示します。