Catalyst 3560 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(25)SED
音声 VLAN の設定
音声 VLAN の設定
発行日;2013/09/17 | 英語版ドキュメント(2011/07/26 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 15MB) | フィードバック

目次

音声 VLAN の設定

音声 VLAN の概要

Cisco IP Phone の音声トラフィック

Cisco IP Phone のデータ トラフィック

音声 VLAN の設定

音声 VLAN のデフォルト設定

音声 VLAN 設定時の注意事項

Cisco7960 IP Phone に接続するポートの設定

Cisco IP Phone の音声トラフィックの設定

着信データ フレームのプライオリティ設定

音声 VLAN の表示

音声 VLAN の設定

この章では、Catalyst 3560 スイッチに音声 VLAN 機能を設定する方法について説明します。Catalyst 6500 ファミリ スイッチの一部のマニュアルでは、音声 VLAN を 補助 VLAN と表しています。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。


この章の内容は、次のとおりです。

「音声 VLAN の概要」

「音声 VLAN の設定」

「音声 VLAN の表示」

音声 VLAN の概要

音声 VLAN 機能を使用すると、アクセス ポートで IP Phone からの IP 音声トラフィックを伝送できます。スイッチを Cisco 7960 IP Phone に接続すると、IP Phone はレイヤ 3 IP precedence およびレイヤ 2 サービス クラス(CoS)値を使用して、音声トラフィックを送信します。どちらの値もデフォルトでは 5 に設定されます。データ送信が均質性に欠ける場合、IP Phone の音質が低下することがあります。そのため、このスイッチでは、IEEE 802.1p CoS に基づく Quality of Service(QoS)をサポートしています。QoS は、分類およびスケジューリングを使用して、スイッチからのネットワーク トラフィックを予測可能な方法で送信します。QoS の詳細については、「QoS の設定」 を参照してください。

Cisco7960 IP Phone は設定可能なデバイスであり、IEEE 802.1p プライオリティに基づいてトラフィックを転送するように設定できます。Cisco IP Phone によって割り当てられたトラフィック プライオリティを信頼するように、または上書きするようにスイッチを設定できます。

Cisco IP Phone には、3 ポートの 10/100 スイッチが統合されています。図 15-1 を参照してください。これらのポートは、次のデバイスへの接続専用です。

ポート 1 は、スイッチまたは他の Voice over IP(VoIP)デバイスに接続します。

ポート 2 は、IP Phone のトラフィックを伝送する内部 10/100 インターフェイスです。

ポート 3(アクセス ポート)は、PC または他のデバイスに接続します。

図 15-1 に、Cisco7960 IP Phone の接続方法の例を示します。

図 15-1 スイッチに接続された Cisco7960 IP Phone

 

Cisco IP Phone の音声トラフィック

Cisco IP Phone と接続するアクセス ポートを、1 つの VLAN は音声トラフィック用に、もう 1 つの VLAN は Cisco IP Phone に接続しているデバイスからのデータ トラフィック用に使用するように設定できます。スイッチ上のアクセス ポートを設定して、Cisco Discovery Protocol(CDP)パケットを送信させることができます。CDP には、接続する IP Phone に対して、次のいずれかの方法でスイッチに音声トラフィックを送信するように指定します。

レイヤ 2 CoS プライオリティ値のタグ付き音声 VLAN による送信

レイヤ 2 CoS プライオリティ値のタグ付きアクセス VLAN による送信

タグなし(レイヤ 2 CoS プライオリティ値なし)のアクセス VLAN による送信


) いずれの設定でも、音声トラフィックはレイヤ 3 IP precedence 値(音声トラフィックはデフォルトで 5、音声制御トラフィックは 3)を伝送します。


Cisco IP Phone のデータ トラフィック

スイッチは、Cisco IP Phone のアクセス ポートに接続されたデバイス(図 15-1 を参照)から送られた、タグ付きデータ トラフィック(IEEE 802.1Q または IEEE 802.1p フレーム タイプのトラフィック)を処理することもできます。スイッチ上のレイヤ 2 アクセス ポートが、CDP パケットを送信するように設定できます。CDP は、接続する IP Phone に、次のいずれかのモードで IP Phone上のアクセス ポートを設定するように指定します。

trusted(信頼性がある)モードでは、Cisco IP Phone のアクセス ポート経由で受信したすべてのトラフィックがそのまま IP Phone を通過します。

untrusted(信頼性がない)モードでは、Cisco IP Phone のアクセス ポート経由で受信した IEEE 802.1Q および IEEE 802.1p フレームのすべてのトラフィックに、設定されたレイヤ 2 CoS 値を与えます。デフォルトのレイヤ 2 CoS 値は 0 です。信頼できないモードがデフォルト設定です。


) Cisco IP Phone に接続されたデバイスからのタグなしトラフィックは、IP Phone のアクセス ポートの信頼状態に関係なく、そのまま IP Phone を通過します。


音声 VLAN の設定

ここでは、次の設定について説明します。

「音声 VLAN のデフォルト設定」

「音声 VLAN 設定時の注意事項」

「Cisco7960 IP Phone に接続するポートの設定」

音声 VLAN のデフォルト設定

音声 VLAN 機能は、デフォルトではディセーブルに設定されています。

音声 VLAN 機能がイネーブルの場合、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルトの CoS プライオリティに従って送信されます。

IEEE 802.1p または IEEE 802.1Q のタグ付きトラフィックでは、CoS 値が信頼されません。

音声 VLAN 設定時の注意事項

音声 VLAN の設定時の注意事項を次に示します。

音声 VLAN 設定は、トランク ポート上ではサポートされていないため、スイッチのアクセス ポート上で行ってください。音声 VLAN は、レイヤ 2 ポート上にだけ設定できます。


) 音声 VLAN はアクセス ポートでのみサポートされており、設定可能であってもトランク ポートではサポートされていません。


IP Phone での通信が適切に行えるように、音声 VLAN はスイッチ上でアクティブになっている必要があります。VLAN が存在しているかどうかを確認するには、 show vlan 特権 EXEC コマンドを使用します(リストで表示されます)。VLAN がリストになかった場合、音声 VLAN の作成方法について、「VLAN の設定」を参照してください。

音声 VLAN をプライベート VLAN ポートに設定しないでください。

Power Over Ethernet(PoE)スイッチは、シスコ先行標準の受電デバイスまたは IEEE 802.3af 準拠の受電デバイスが AC 電源から電力を供給されてない場合に、それらの受電デバイスに自動的に電力を供給できます。PoE インターフェイスの詳細については、「PoE ポートの電力管理モードの設定」を参照してください。

音声 VLAN をイネーブルにする前に、mls qos グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してスイッチ上で QoS をイネーブルに設定し、さらに mls qos trust cos インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してポートの信頼状態を trust に設定しておくことを推奨します。Auto-QoS 機能を使用すると、これらは自動的に設定されます。詳細については、「QoS の設定」を参照してください。

IP Phone にコンフィギュレーションを送信するために、Cisco IP Phone に接続するスイッチ ポート上で CDP をイネーブルにする必要があります (デフォルト設定では、CDP がすべてのスイッチ インターフェイスでグローバルにイネーブルです)。

音声 VLAN を設定すると、PortFast 機能が自動的にイネーブルになります。音声 VLAN をディセーブルにしても、PortFast 機能は自動的にディセーブルになりません。

Cisco IP Phone とその IP Phone に接続されたデバイスが同じ VLAN 上にある場合、両方とも同じ IP サブネットに属していなければなりません。次の条件が満たされている場合は、同じ VLAN 上にあります。

両方とも IEEE 802.1p またはタグなしフレームを使用する。

Cisco IP Phone が IEEE 802.1p フレームを使用し、デバイスがタグなしフレームを使用する。

Cisco IP Phone がタグなしフレームを使用し、デバイスが IEEE 802.1p フレームを使用する。

Cisco IP Phone が IEEE 802.1Q フレームを使用し、音声 VLAN がアクセス VLAN と同じである。

Cisco IP Phone と IP Phone に接続されたデバイスは、同一 VLAN、同一サブネット上にあっても、使用するフレーム タイプが異なる場合は通信できません。トラフィックは同一サブネット上でルーティングされないからです(ルーティングによってフレーム タイプの相違が排除されます)。

音声 VLAN には、スタティック セキュア MAC アドレスを設定できません。

音声 VLAN ポートには次のポート タイプがあります。

ダイナミック アクセス ポート。 詳細については、「VMPS クライアント上のダイナミックアクセス ポートの設定」を参照してください。

IEEE 802.1x 認証ポート。詳細については、「IEEE 802.1x 認証の設定」を参照してください。


) 音声 VLAN が設定され、Cisco IP Phone が接続されているアクセス ポートで IEEE 802.1x をイネーブルにした場合、その IP Phone のスイッチへの接続が最大 30 秒間失われます。


保護ポート。詳細については、「保護ポートの設定」を参照してください。

SPAN または RSPAN セッションの送信元ポートまたは宛先ポート。

セキュア ポート。詳細については、「ポート セキュリティの設定」を参照してください。


) 音声 VLAN も設定しているインターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにする場合、ポートで許容されるセキュア アドレスの最大数を、アクセス VLAN におけるセキュア アドレスの最大数に 2 を足した数に設定する必要があります。ポートを Cisco IP Phone に接続している場合、IP Phone に最大で 2 つの MAC アドレスが必要になります。IP Phone のアドレスは、音声 VLAN で学習され、アクセス VLAN でも学習される場合があります。PC を IP Phone に接続する場合、追加の MAC アドレスが必要になります。


Cisco7960 IP Phone に接続するポートの設定

Cisco7960 IP Phone は、PC または他のデバイスとの接続もサポートしているので、スイッチを Cisco IP Phone に接続するポートは、さまざまな種類のトラフィックを伝送できます。ポートを設定することによって、Cisco IP Phone による音声トラフィックおよびデータ トラフィックの伝送方法を決定できます。

ここでは、次の設定について説明します。

「Cisco IP Phone の音声トラフィックの設定」

「着信データ フレームのプライオリティ設定」

Cisco IP Phone の音声トラフィックの設定

Cisco IP Phone に CDP パケットを送信して IP Phone による音声トラフィックの送信方法を設定するように、IP Phone に接続するポートを設定できます。IP Phone は指定された音声 VLAN に、レイヤ 2 CoS 値を使用して、IEEE 802.1Q フレームの音声トラフィックを伝送できます。IEEE 802.1p のプライオリティ タグを使用すると、音声トラフィックにさらに高いプライオリティを与え、すべての音声トラフィックをネイティブ(アクセス)VLAN 経由で転送できます。Cisco IP Phone はタグなしの音声トラフィックを送信する、または独自の設定を使用してアクセス VLAN で音声トラフィックを送信することもできます。いずれの設定でも、音声トラフィックはレイヤ 3 IP precedence 値(デフォルトは 5)を伝送します。

ポート上で音声トラフィックを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

IP Phone に接続するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

mls qos trust cos

パケットの CoS 値を使用して着信するトラフィック パケットを分類するように、インターフェイスを設定します。タグなしパケットの場合、ポートのデフォルト CoS 値が使用されます。

グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用することによって、QoS をグローバルでイネーブルに設定しておく必要があります。

ステップ 4

switchport voice vlan { vlan-id | dot1p | none | untagged}

Cisco IP Phone による音声トラフィックの伝送方法を設定します。

vlan-id :すべての音声トラフィックが特定の VLAN を経由して転送されるように IP Phone を設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phone は IEEE 802.1p プライオリティ 5 を使用して音声トラフィックを転送します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。

dot1p :音声トラフィック用に IEEE 802.1p プライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブ VLAN(VLAN 0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように、Cisco IP Phone を設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phone は IEEE 802.1p プライオリティ 5 を使用して音声トラフィックを転送します。

none :IP Phone が独自の設定を使用してタグなしの音声トラフィックを送信するようにします。

untagged :タグなしの音声トラフィックを送信するように IP Phone を設定します。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show interfaces interface-id switchport または

show running-config interface interface-id

音声 VLAN の設定を確認します。

QoS および音声 VLAN の設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、Cisco IP Phone に接続されたポートが、CoS 値を使用して着信トラフィックを分類し、音声トラフィックに IEEE 802.1p プライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブ VLAN(VLAN0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# mls qos trust cos
Switch(config-if)# switchport voice vlan dot1p
Switch(config-if)# end

ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport voice vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

着信データ フレームのプライオリティ設定

PC またはその他のデータ デバイスを Cisco IP Phone ポートに接続できます。タグ付きデータ トラフィック(IEEE 802.1Q または IEEE 802.1p フレーム)を処理するために、スイッチが CDP パケットを送信するように設定できます。CDP は、Cisco IP Phone に、IP Phone 上のアクセス ポートに接続されたデバイスからのデータ パケットをどのように送信するかを指定します。PC は、CoS 値が割り当てられたパケットを生成できます。接続デバイスから IP Phone のポートに届いたフレームのプライオリティを変更しない(信頼する)または変更する(信頼しない)ように、IP Phone を設定できます。

Cisco IP Phone の非音声ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

Cisco IP Phone に接続するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

switchport priority extend
{ cos value | trust }

Cisco IP Phone のアクセス ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定します。

cos value :PC または接続しているデバイスから受信したプライオリティを指定の CoS 値に変更するように、IP Phone を設定します。値は 0 ~ 7 です。7 が最高のプライオリティです。デフォルトのプライオリティは cos 0 です。

trust :PC または接続しているデバイスから受信したプライオリティを信頼するように IP Phone のアクセス ポートを設定します。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show interfaces interface-id switchport

入力内容を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、Cisco IP Phone に接続しているポートを設定して、PC または接続しているデバイスから受信するフレームのプライオリティを変更しないようにする例を示します。

Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# switchport priority extend trust
Switch(config-if)# end
 

ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

音声 VLAN の表示

インターフェイスの音声 VLAN 設定を表示するには、 show interfaces interface-id switchport 特権 EXEC コマンドを使用します。