Catalyst 3550 マルチレイヤ スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.2(25)SEC
HSRP の設定
HSRP の設定
発行日;2013/06/03 | 英語版ドキュメント(2009/02/14 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 14MB) | フィードバック

目次

HSRP の設定

HSRP の概要

HSRP の設定

HSRP のデフォルト設定

HSRP 設定時の注意事項および制限事項

HSRP のイネーブル化

HSRP のプライオリティの設定

HSRP 認証およびタイマーの設定

HSRP グループおよびクラスタリングの設定

HSRP 設定の表示

HSRP の設定

この章では、Catalyst 3550 スイッチでホット スタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)を使用する方法について説明します。これによって、IP トラフィック ルーティングに冗長性を提供し、個々のルータのアベイラビリティに依存しないルーティングを実現します。


) レイヤ 2 モードの HSRP のバージョンを使用すると、クラスタ コマンド スイッチが故障した場合、クラスタ管理を引き継ぐ冗長コマンド スイッチを設定することもできます。クラスタリングの詳細については、「スイッチのクラスタ化」、および Cisco.com で利用できる『Getting Started with Cisco Network Assistant』を参照してください。



) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチ コマンド リファレンスおよび『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing and Services, Release 12.2』を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「HSRP の概要」

「HSRP の設定」

「HSRP 設定の表示」

HSRP の概要

HSRP は、デフォルト ゲートウェイ IP アドレスが設定された IEEE 802 LAN 上の IP ホストにファースト ホップ冗長性を確保することでネットワークのアベイラビリティを高めるシスコの標準方式です。HSRP を使用すると、特定のルータのアベイラビリティに依存せず IP トラフィックをルーティングできます。また、一連のルータ インターフェイスを組み合わせることで、1 台の仮想ルータ、または LAN 上のホストへのデフォルト ゲートウェイのように機能させることができます。ネットワークまたはセグメント上に HSRP を設定すると、仮想 MAC(メディア アクセス コントロール)アドレス、および設定されたルータ グループ間で共有される IP アドレスを使用できるようになり HSRP が設定された複数のルータは、仮想ルータの MAC アドレスおよび IP ネットワーク アドレスを使用できるようになります。仮想ルータは、実際には存在しません。相互にバックアップ機能を提供するように設定されている複数のルータに、共通のターゲットを表すルータです。1 台のルータがアクティブなルータとして、もう 1 台のルータがスタンバイ ルータとして選択されます。スタンバイ ルータは、指定されたアクティブ ルータが故障した場合に、グループの MAC アドレスおよび IP アドレスを制御するルータです。


) HSRP グループ内のルータには、Catalyst 3550 ルーテッド ポートやスイッチ仮想インターフェイス(SVI)など、HSRP をサポートする任意のルータ インターフェイスを指定できます。


HSRP は、ネットワーク上のホストからの IP トラフィックに冗長性を提供することで、ネットワークのアベイラビリティを高めます。ルータ インターフェイスのグループ内では、アクティブ ルータはパケットをルーティングするルータです。スタンバイ ルータは、アクティブ ルータが故障した場合、または事前に設定した条件が満たされた場合に、ルーティング作業を引き継ぐルータです。

standby ip インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、レイヤ 3 インターフェイスで HSRP がアクティブになります。IP アドレスを指定した場合は、IP アドレスがホットスタンバイ グループの指定アドレスとして使用されます。IP アドレスを指定しなかった場合は、スタンバイ機能によってアドレスが学習されます。

HSRP は、ホストがルータ ディスカバリ プロトコルをサポートしておらず、選択されたルータのリロードや電源故障時に新しいルータに切り替えることができない場合に有効です。HSRP をネットワーク セグメントに設定すると、HSRP は仮想 MAC アドレスと IP アドレスを 1 つずつ提供します。このアドレスは、HSRP が動作するグループ化されたルータ インターフェイス間で共有できます。プロトコルによってアクティブ ルータとして選択されたルータは、グループ MAC アドレス宛てのパケットを受信し、ルーティングします。 n 台のルータで HSRP が稼働している場合、 n +1 個の IP アドレスおよび MAC アドレスが割り当てられます。

指定されたアクティブ ルータの故障を HSRP が検出すると、選択されているスタンバイ ルータがホットスタンバイ グループ MAC アドレスおよび IP アドレスの制御を引き継ぎます。この時点で新しいスタンバイ ルータも選択されます。HSRP が稼働しているデバイスは、マルチキャスト UDP ベースの hello パケットを送受信することにより、ルータ障害の検出、アクティブ ルータおよびスタンバイ ルータの指定を行います。インターフェイスに HSRP が設定されている場合、そのインターフェイスではインターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)のリダイレクト メッセージがデフォルトでディセーブルとなっています。

スイッチは最大 16 の固有 HSRP グループの HSRP MAC アドレスをサポートします。各グループ アドレスは 16 までのレイヤ 3 インターフェイスで使用できるため、HSRP インターフェイスの最大数は 256 です。ただし、HSRP インターフェイスの数とアクティブな IP ルーティング プロトコルの数の関係や、その他の設定済み機能は、CPU 使用率に影響を及ぼす可能性があります。他のスイッチ機能の設定により、64 を超える HSRP インターフェイスを割り当てないことをお勧めします。スイッチは 256 個の HSRP MAC アドレス制限を超えると、最大 1 分後にエラー メッセージを返します。

16 個の HSRP MAC アドレスはそれぞれ、16 回の連続したレイヤ 3 インターフェイスによって使用できます。これは、各アドレスが VLAN グループに 4 ビット マスクを使用して関連付けられているためです。マスクでは、すべてのレイヤ 3 インターフェイスが同じ 16 の倍数であることが必要です。HSRP グループを作成すると、1 つのレイヤ 3 インターフェイス、同じ 16 の倍数である複数のレイヤ 3 インターフェイス、または同じ 16 の倍数である連続する範囲の 16 個のレイヤ 3 インターフェイスで同じ HSRP MAC アドレスを使用できます。

たとえば、HSRP グループ 1 をインターフェイスの VLAN 16 ~ 31(グループの最大である 16 個の VLAN)に割り当てられることができます。16~31 の範囲の VLAN ID は、すべて同じ 16 の倍数です(1 または 1 プラスいくつかの小さな数)。したがって、グループ 1 がインターフェイスの VLAN 16 ~ 31 に割り当てられている場合、1 つの HSRP MAC アドレス エントリだけがハードウェアで使用されます。インターフェイス VLAN 32 にグループ 1 も割り当てられている場合、追加 MAC アドレス エントリがハードウェアで使用されます。これは、VLAN 16 ~ 31 と同じ 16 の倍数でないためです。

代わりに、インターフェイス VLAN 16 にグループ 1 が割り当てられ、グループ 2 がインターフェイス VLAN 17 に割り当てられている場合、2 個の HSRP MAC アドレス エントリがハードウェアで使用されます。グループ 1 は 1 個の MAC アドレスを使用し、グループ 2 は他の MAC アドレス エントリを使用します。後でグループ 1 またはグループ 2 がインターフェイス VLAN 18 から VLAN 31 で設定された場合、追加の HSRP MAC アドレス エントリは使用されません。これは、これら 2 つのグループの MAC アドレス エントリがすでに作成され、16 ~ 31 のすべての VLAN インターフェイスに使用できるためです。

SVI VLAN ID 番号はインターフェイス VLAN ID 番号と同じです(たとえば、 インターフェイス VLAN 16 は VLAN 16 を使用します)。ルーテッド ポートでは、スイッチはインターフェイスに自動的に VLAN ID を割り当てます。割り当てられる番号は、1024 よりも大きい最初に使用可能な VLAN で始まります。また、これらの割り当てられる番号は、グループごとに 16 個の連続する VLAN の範囲に制限されます。

show vlan internal usage 特権 EXEC コマンドを使用すると、ルーテッド ポートに割り当てられた VLAN ID を確認できます。

インターフェイスは、複数の HSRP グループに属することができ、同じ HSRP グループは異なるインターフェイスに適用できます。


) 同一番号の HSRP グループは同じ仮想 MAC アドレスを使用し、ブリッジ グループを設定する場合にエラーが発生する可能性があります。


図 32-1に、HSRP 用に設定されたネットワークのセグメントを示します。各ルータには、仮想ルータの MAC アドレスおよび IP ネットワーク アドレスが設定されています。ルータ A の IP アドレスをネットワーク上のホストに設定する代わりに、デフォルト ルータとして仮想ルータの IP アドレスを設定します。ホスト C からホスト B にパケットが送信される場合、ホスト C は仮想ルータの MAC アドレスにパケットを送信します。何らかの理由により、ルータ A がパケットの転送を停止すると、ルータ B が仮想 IP アドレスおよび仮想 MAC アドレスに応答してアクティブ ルータとなり、アクティブ ルータの作業を行います。ホスト C は引き続き仮想ルータの IP アドレスを使用し、ホスト B 宛のパケットをアドレッシングします。ルータ B はそのパケットを受信し、ホスト B に送信します。ルータ B は HSRP の機能を使用し、ルータ A が動作を再開するまで、ホスト B のセグメント上のユーザと通信する必要があるホスト C のセグメント上のユーザに連続的にサービスを提供します。また、ホスト A セグメントとホスト B の間で、引き続き通常のパケット処理機能を実行します。

図 32-1 HSRP の一般的な構成

 

HSRP の設定

ここでは、HSRP の設定情報について説明します。

「HSRP のデフォルト設定」

「HSRP 設定時の注意事項および制限事項」

「HSRP のイネーブル化」

「HSRP のプライオリティの設定」

「HSRP 認証およびタイマーの設定」

「HSRP グループおよびクラスタリングの設定」

HSRP のデフォルト設定

表 32-1 に、HSRP のデフォルト設定を示します。

 

表 32-1 HSRP のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

HSRP グループ

未設定

スタンバイ グループ番号

0

スタンバイ MAC アドレス

0000.0c07.acXX に指定されたシステム。 XX は、HSRP グループ番号

スタンバイ プライオリティ

100

スタンバイ遅延

0(遅延なし)

スタンバイでのインターフェイス プライオリティの追跡

10

スタンバイ hello 時間

3 秒

スタンバイ ホールドタイム

10 秒

HSRP 設定時の注意事項および制限事項

HSRP を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

以下の手順では、次に示すレイヤ 3 インターフェイスの 1 つを指定する必要があります。

ルーテッド ポート: no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、レイヤ 3 ポートとして設定された物理ポートです。

SVI: interface vlan vlan_id グローバル コンフィギュレーション コマンドによって作成された VLAN インターフェイス。デフォルトではレイヤ 3 インターフェイスです。

レイヤ 3 モードの EtherChannel ポート チャネル: interface port-channel port- channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、イーサネット インターフェイスをチャネル グループにバインドして作成されたポートチャネル論理インターフェイス。詳細については、「レイヤ 3 EtherChannel の設定」を参照してください。

すべてのレイヤ 3 インターフェイスに IP アドレスを割り当てる必要があります。「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。

スイッチは最大 16 の固有 HSRP グループの HSRP MAC アドレス エントリをハードウェアでサポートします。他のスイッチ機能の設定により、64 を超える HSRP インターフェイスを割り当てないことをお勧めします。

HSRP グループは、1 つのレイヤ 3 インターフェイス、同じ 16 の倍数である複数のレイヤ 3 インターフェイス、または同じ 16 の倍数である連続する範囲の 16 個のレイヤ 3 インターフェイスで同じ HSRP MAC アドレスを使用できます。HSRP グループの詳細については、「HSRP の概要」を参照してください。

インターフェイスは、複数の HSRP グループに属することができ、同じ HSRP グループは異なるインターフェイスに適用できます。

複数の VLAN に同じ HSRP グループを設定した場合は、ブリッジ グループを使用して複数のインターフェイスを関連付けないでください。同一番号の HSRP グループは同じ仮想 MAC アドレスを使用し、ブリッジ グループを設定する場合にエラーが発生する可能性があります。

HSRP のイネーブル化

standby ip インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、設定されたインターフェイスで HSRP がアクティブになります。IP アドレスを指定した場合は、IP アドレスがホットスタンバイ グループの指定アドレスとして使用されます。IP アドレスを指定しなかった場合は、スタンバイ機能によってアドレスが学習されます。指定アドレスを使用し、ケーブル上に少なくとも 1 つのルーティング ポートを設定する必要があります。IP アドレスを設定すると、常に、現在使用されている別の指定アドレスが、設定した IP アドレスに変更されます。

standby ip コマンドがインターフェイス上でイネーブルに設定され、プロキシアドレス解決プロトコル(ARP)がイネーブルの場合、インターフェイスのホットスタンバイ ステートがアクティブになると、プロキシ ARP 要求に対する応答は、ホットスタンバイ グループの MAC アドレスを使用して実行されます。インターフェイスが別のステートの場合、プロキシ ARP の応答は抑制されます。


) マルチ VRF CE が設定されている場合は、2 つの異なる Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)に同じ HSRP スタンバイ アドレスを割り当てることはできません。


レイヤ 3 インターフェイス上で HSRP を作成する場合、またはイネーブルにする場合は、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、HSRP をイネーブルにするレイヤ 3 インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby [ group-number ] ip [ ip-address [ secondary ]]

HSRP グループの番号および仮想 IP アドレスを使用して、HSRP グループを作成(またはイネーブルに)します。

(任意) group-number :HSRP をイネーブルにするインターフェイスのグループ番号を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 0 です。HSRP グループが 1 つしかない場合は、グループ番号を入力する必要はありません。

(1 つのインターフェイスで必須、それ以外は任意) ip-address :ホットスタンバイ ルータ インターフェイスの仮想 IP アドレスを指定します。少なくとも 1 つのインターフェイスに対して仮想 IP アドレスを入力する必要があります。他のインターフェイスは、その仮想 IP アドレスを学習します。

(任意) secondary :IP アドレスはセカンダリ ホットスタンバイ ルータ インターフェイスです。ルータがセカンダリ ルータとスタンバイ ルータのいずれにも指定されず、かつプライオリティも設定されていない場合は、プライマリ IP アドレスが比較され、IP アドレスが大きいルータがアクティブ ルータ、IP アドレスが 2 番めに大きいルータがスタンバイ ルータになります。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show standby [ interface-id [ group ]]

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

HSRP をディセーブルにするには、 no standby [ group-number ] ip [ ip-address ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ギガビット イーサネット インターフェイス 0/1 上でグループ 1 用の HSRP をアクティブにする例を示します。ホットスタンバイ グループで使用される IP アドレスは、HSRP を使用して学習されます。


) これは、HSRP をイネーブルにするために必要な最小限の手順です。


Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# standby 1 ip
Switch(config-if)# end
Switch# show standby

HSRP のプライオリティの設定

standby priority standby preempt 、および standby track インターフェイス コンフィギュレーション コマンドはいずれも、アクティブ ルータとスタンバイ ルータを決定するための特性、および新しいアクティブ ルータが処理を引き継いだ場合の動作を設定するために使用されます。プライオリティを設定する場合の注意事項は、次のとおりです。

プライオリティを割り当てると、アクティブ ルータおよびスタンバイ ルータの選択に役立ちます。プリエンプションがイネーブルの場合は、プライオリティが最高のルータが指定されたアクティブ ルータになります。プライオリティが等しい場合、プライマリ IP アドレスが比較され、大きい IP アドレスが優先されます。

最大の値(1 ~ 255)が、最高のプライオリティ(アクティブ ルータになる確率が最も高い)を表します。

プライオリティ、プリエンプト、またはその両方を設定するときは、少なくとも 1 つのキーワード( priority preempt 、または両方)を指定する必要があります。

インターフェイスが standby track コマンドによって設定されている場合、ルータ上の別のインターフェイスがダウンすると、デバイスのプライオリティが動的に変更されることもあります。

standby track インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、ルータのホットスタンバイ プライオリティとインターフェイスのアベイラビリティが関連付けられます。この機能は、HSRP 用に設定されていないインターフェイスを追跡する場合に有効です。追跡対象のインターフェイスが故障すると、トラッキングが設定されているデバイスのホットスタンバイ プライオリティが 10 減少します。追跡対象でないインターフェイスの場合は、そのステートが変わっても、設定済みデバイスのホットスタンバイ プライオリティは変わりません。ホットスタンバイ用に設定されたインターフェイスごとに、追跡するインターフェイスのリストを個別に設定できます。

standby track interface-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、追跡対象のインターフェイスがダウンした場合のホットスタンバイ プライオリティの減少幅を指定できます。インターフェイスが稼働状態に戻ると、プライオリティは同じ分だけ増加します。

interface-priority 値が設定されている場合に、複数の追跡対象インターフェイスがダウンすると、設定済みプライオリティの減少幅が累積されます。プライオリティ値が設定されていない追跡対象インターフェイスが故障した場合、デフォルトの減少幅は 10 です。この値は累積されません。

インターフェイスに対してルーティングを最初にイネーブルにした時点で、完全なルーティング テーブルは存在しません。このインターフェイスがプリエンプトに設定されている場合はアクティブ ルータになりますが、十分なルーティング処理はできません。この問題を解決するには、ルータがルーティング テーブルを更新できるように遅延時間を設定します。

インターフェイスに HSRP プライオリティ特性を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、プライオリティを設定する HSRP インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby [ group-number ] priority priority [ preempt [ delay delay ]]

アクティブ ルータを選択するときに使用される priority 値を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルト プライオリティは 100 です。最大の値が、最高のプライオリティを表します。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

(任意) preempt :ローカル ルータのプライオリティがアクティブ ルータよりも高い場合、アクティブ ルータとして制御を行います。

(任意) delay :ローカル ルータがアクティブ ルータの役割を引き継ぐまでの時間を、指定された秒数だけ延期します。指定できる範囲は 0 ~ 3600(1 時間)で、デフォルトは 0 です(引き継ぐ前の遅延はありません)。

デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ステップ 4

standby [ group-number ] [ priority priority ] preempt [ delay delay ]

ルータを preempt に設定し、ローカル ルータのプライオリティがアクティブ ルータよりも高い場合は、アクティブ ルータとして制御を行います。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

(任意) priority :グループ プライオリティを設定または変更します。指定できる範囲は 1 ~ 255 で、デフォルトは 100 です。

(任意) delay :ローカル ルータがアクティブ ルータの役割を引き継ぐまでの時間を、指定された秒数だけ延期します。指定できる範囲は 0 ~ 36000(1 時間)で、デフォルトは 0 です(引き継ぐ前の遅延はありません)。

デフォルト値に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

ステップ 5

standby [ group-number ] track type number [ interface-priority ]

他のインターフェイスを追跡するようにインターフェイスを設定します。この設定により、他のインターフェイスの 1 つがダウンした場合は、そのデバイスのホットスタンバイ プライオリティが減少します。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

type :追跡対象のインターフェイス タイプを(インターフェイス番号とともに)入力します。

number :追跡対象のインターフェイス番号を(インターフェイス タイプとともに)入力します。

(任意) interface-priority :インターフェイスがダウンした場合、または稼働状態に戻った場合に、ルータのホットスタンバイ プライオリティを減少または増加させる幅を入力します。デフォルト値は 10 です。

ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show running-config

スタンバイ グループの設定を確認します。

ステップ 8

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

デフォルトのプライオリティ、プリエンプト、遅延値に戻すには、 no standby [ group-number ] priority priority [ preempt [ delay delay ]] および no standby [ group-number ] [ priority priority ] preempt [ delay delay ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

追跡を解除するには、 no standby [ group-number ] track type number [ interface-priority ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、スタンバイ ルータとしてインターフェイスをアクティブにし、IP アドレスとプライオリティ 120(デフォルト値よりも高い)を設定し、ルータがアクティブ ルータになる前に 300 秒(5 分)の遅延時間を設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# standby ip 172.20.128.3
Switch(config-if)# standby priority 120 preempt delay 300
Switch(config-if)# end

HSRP 認証およびタイマーの設定

HSRP 認証ストリングを設定したり、hello タイム インターバルやホールドタイムを変更することもできます。

これらの属性を設定する場合の注意事項は次のとおりです。

認証ストリングはすべての HSRP メッセージで暗号化されずに送信されます。相互運用できるように、接続されたすべてのルータおよびアクセス サーバに同じ認証ストリングを設定する必要があります。認証ストリングが一致しないと、HSRP によって設定された他のルータから、指定されたホットスタンバイ IP アドレスおよびタイマー値を学習できません。

スタンバイ タイマー値が設定されていないルータまたはアクセス サーバは、アクティブ ルータまたはスタンバイ ルータからタイマー値を学習できます。アクティブ ルータに設定されたタイマーは、常に他のタイマー設定よりも優先されます。

ホットスタンバイ グループのすべてのルータで、同じタイマー値を使用する必要があります。通常の場合 holdtime hellotime の 3 倍以上です。

インターフェイスに HSRP の認証とタイマーを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

 
コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、認証を設定する HSRP インターフェイスを入力します。

ステップ 3

standby [ group-number ] authentication string

(任意) authentication string :すべての HSRP メッセージで伝達されるストリングを入力します。認証ストリングには 8 文字までを指定できます。デフォルトのストリングは cisco です。

(任意) group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

ステップ 4

standby [ group-number ] timers hellotime holdtime

(任意)hello パケット間隔、およびアクティブ ルータのダウンを他のルータが宣言するまでの時間を設定します。

group-number :コマンドが適用されるグループ番号です。

hellotime :hello インターバル(秒)です。指定できる範囲は 1 ~ 255 秒で、デフォルトは 3 秒です。

holdtime :アクティブまたはスタンバイ ルータのダウンが宣言されるまでの時間(秒)です。指定できる範囲は 1 ~ 255 秒で、デフォルトは 10 秒です。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show running-config

スタンバイ グループの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

認証ストリングを削除するには、 no standby [ group-number ] authentication string インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。タイマーをデフォルト値に戻すには、 no sta ndby [ group-number ] timers hellotime holdtime インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、グループ 1 のホットスタンバイ ルータを相互運用させるために必要な認証ストリングとして、 word を設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# standby 1 authentication word
Switch(config-if)# end
 

次に、hello パケット間隔が 5 秒、ルータがダウンしたと見なされるまでの時間が 15 秒となるように、スタンバイ グループ 1 のタイマーを設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# standby 1 ip
Switch(config-if)# standby 1 timers 5 15
Switch(config-if)# end

HSRP グループおよびクラスタリングの設定

デバイスが HSRP スタンバイ ルーティングに参加し、クラスタリングがイネーブルの場合は、同じスタンバイ グループを使用して、コマンド スイッチの冗長性および HSRP の冗長性を確保できます。同じ HSRP スタンバイ グループをイネーブルにし、コマンド スイッチおよびルーティングの冗長性を確保するには、 cluster standby-group HSRP-group-name [ routing-redundancy ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。 routing-redundancy キーワードを指定せずに同じ HSRP スタンバイ グループ名でクラスタを作成すると、そのグループに対する HSRP スタンバイ ルーティングはディセーブルになります。

次に、スタンバイ グループ my_hsrp をクラスタにバインドし、同じ HSRP グループをイネーブルにしてコマンド スイッチおよびルータの冗長性に使用する例を示します。このコマンドを実行できるのは、コマンド スイッチに対してだけです。スタンバイ グループの名前または番号が存在しない場合、またはスイッチがメンバ スイッチである場合は、エラー メッセージが表示されます。

Switch# configure terminal
Switch(config)# cluster standby-group my_hsrp routing-redundancy
Switch(config)# end

HSRP 設定の表示

HSRP 設定を表示するには、次の特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。

show standby [ interface-id [ group ]] [ brief ] [ detail ]

スイッチ全体、特定のインターフェイス、HSRP グループ、またはインターフェイスの HSRP グループに関する HSRP 情報を表示できます。HSRP 情報の概要または詳細のいずれを表示するかを指定することもできます。デフォルト表示は detail です。多数の HSRP グループがある場合に、修飾子を指定しないで show standby コマンドを使用すると、正確に表示されないことがあります。

次に、 show standby 特権 EXEC コマンドを実行し、2 つのスタンバイ グループ(グループ 1 およびグループ 100)の HSRP 情報を表示する例を示します。

Switch# show standby
VLAN1 - Group 1
Local state is Standby, priority 105, may preempt
Hellotime 3 holdtime 10
Next hello sent in 00:00:02.182
Hot standby IP address is 172.20.128.3 configured
Active router is 172.20.128.1 expires in 00:00:09
Standby router is local
Standby virtual mac address is 0000.0c07.ac01
Name is bbb
VLAN1 - Group 100
Local state is Active, priority 105, may preempt
Hellotime 3 holdtime 10
Next hello sent in 00:00:02.262
Hot standby IP address is 172.20.138.51 configured
Active router is local
Standby router is unknown expired
Standby virtual mac address is 0000.0c07.ac64
Name is test