Catalyst 2950 および Catalyst 2955 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド Cisco IOS Release 12.1(22)EA11 以降
IGMP スヌーピングおよび MVR の設定
IGMP スヌーピングおよび MVR の設定
発行日;2012/05/10 | 英語版ドキュメント(2009/02/14 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 10MB) | フィードバック

目次

IGMP スヌーピングおよび MVR の設定

IGMP スヌーピングの概要

IGMP バージョン

マルチキャスト グループへの加入

マルチキャスト グループからの脱退

即時脱退処理

IGMP 脱退タイマーの設定

IGMP レポート抑制

Source-Only ネットワーク

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングのデフォルト設定

IGMP スヌーピングのイネーブル化およびディセーブル化

スヌーピング方法の設定

マルチキャスト ルータ ポートの設定

グループに加入するホストの静的な設定

IGMP 即時脱退処理のイネーブル化

IGMP Leave タイマーの設定

IGMP レポート抑制のディセーブル化

IP Multicast-Source-Only ラーニングのディセーブル化

エージング タイムの設定

IGMP スヌーピング情報の表示

MVR の概要

マルチキャスト TV アプリケーションで MVR を使用する場合

MVR の設定

MVR のデフォルト設定

MVR 設定時の注意事項および制限事項

MVR グローバル パラメータの設定

MVR インターフェイスの設定

MVR 情報の表示

IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定

IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリングのデフォルト設定

IGMP プロファイルの設定

IGMP プロファイルの適用

IGMP グループの最大数の設定

IGMP スロットリング アクションの設定

IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリング設定の表示

IGMP スヌーピングおよび MVR の設定

この章では、Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングを Catalyst 2950 または Catalyst 2955 上で設定する方法について、ローカル IGMP スヌーピング、Multicast VLAN Registration(MVR)の適用を含めて説明します。また、IGMP フィルタリングを使用したマルチキャスト グループ メンバシップの制御と、IGMP スロットリング アクションの設定手順についても説明します。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースのスイッチ コマンド リファレンスを参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「IGMP スヌーピングの概要」

「IGMP スヌーピングの設定」

「IGMP スヌーピング情報の表示」

「MVR の概要」

「MVR の設定」

「MVR 情報の表示」

「IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定」

「IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリング設定の表示」


) IP マルチキャスト グループにマップする MAC アドレスについては、IGMP スヌーピングや MVR などの機能から管理することも、またはスタティック MAC アドレスを使用することもできます。ただし、両方の方法は同時には使用できません。したがって、IGMP スヌーピングまたは MVR を使用する前に、静的に設定され、IP マルチキャスト グループにマップされたすべての MAC アドレスを削除する必要があります。


IGMP スヌーピングの概要

レイヤ 2 スイッチは IGMP スヌーピングを使用して、レイヤ 2 インターフェイスを動的に設定し、マルチキャスト トラフィックが IP マルチキャスト デバイスと対応付けられたインターフェイスだけに転送されるようにすることによって、マルチキャスト トラフィックのフラッディングを制限できます。名称が示すとおり、IGMP スヌーピングの場合は、LAN スイッチでホストとルータ間の IGMP 伝送をスヌーピング(詮索)し、マルチキャスト グループとメンバ ポートを追跡する必要があります。特定のマルチキャスト グループについて、ホストから IGMP レポートを受信したスイッチは、ホストのポート番号を転送テーブル エントリに追加します。ホストから IGMP Leave Group メッセージを受信した場合は、テーブル エントリからホスト ポートを削除します。マルチキャスト クライアントから IGMP メンバシップ レポートを受信しなかった場合にも、スイッチはエントリを定期的に削除します。


) IP マルチキャストおよび IGMP の詳細については、RFC 1112 および RFC 2236 を参照してください。


マルチキャスト ルータは、すべての VLAN に IGMP 一般クエリーを定期的に送信します。IGMP スヌーピングがイネーブルの場合、スイッチは、MAC マルチキャスト グループごとに 1 つのみの加入要求でルータ クエリーに応答します。また、IGMP 加入要求の受信元の各 MAC グループについて、レイヤ 2 転送テーブル内に VLAN ごとに 1 つのエントリを作成します。このマルチキャスト トラフィックに関心のあるホストはすべて Join 要求を送信し、転送テーブルのエントリに追加されます。

IGMP スヌーピングを通じて学習されるレイヤ 2 マルチキャスト グループは、ダイナミックです。ただし、 ip igmp snooping vlan static グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、MAC マルチキャスト グループを静的に設定できます。グループ メンバシップをマルチキャスト グループ アドレスに静的に指定すると、その設定値は IGMP スヌーピングによる自動操作より優先されます。マルチキャスト グループ メンバシップのリストは、ユーザが定義した設定値および IGMP スヌーピングによって学習された設定値の両方で構成できます。

ポート スパニング ツリー、ポート グループ、または VLAN ID が変更された場合、VLAN 上のこのポートから IGMP スヌーピングで学習されたマルチキャスト グループは削除されます。

ここでは、スイッチの IGMP スヌーピングに関する特性について説明します。

「IGMP バージョン」

「マルチキャスト グループへの加入」

「マルチキャスト グループからの脱退」

「即時脱退処理」

「IGMP 脱退タイマーの設定」

「IGMP レポート抑制」

「Source-Only ネットワーク」

IGMP バージョン

スイッチは、IGMP バージョン 1、IGMP バージョン 2、および IGMP バージョン 3 をサポートしています。これら 3 つのバージョンは、スイッチ上でそれぞれ相互運用できます。たとえば、IGMPv2 スイッチ上で IGMP スヌーピングがイネーブルの場合、このスイッチが IGMPv3 レポートをホストから受信すると、この IGMPv3 レポートをマルチキャスト ルータへ転送できます。


) スイッチは、宛先マルチキャスト MAC アドレスのみに基づいて IGMPv3 スヌーピングをサポートしています。送信元 MAC アドレスやプロキシ レポートに基づいてスヌーピングをサポートすることはありません。


IGMPv3 スイッチは、Basic IGMPv3 Snooping Support(BISS)をサポートしています。BISS は、IGMPv1 および IGMPv2 スイッチでのスヌーピング機能と、IGMPv3 メンバシップ レポート メッセージをサポートしています。ネットワークに IGMPv3 ホストがある場合、BISS によりマルチキャスト トラフィックのフラッディングは抑制されます。トラフィックは、IGMPv2 または IGMPv1 ホストの IGMP スヌーピング機能の場合とほぼ同じポート セットに抑制されます。


) IGMP フィルタリングまたは MVR が実行されているスイッチは、IGMPv3 Join および Leave メッセージをサポートしていません。


IGMPv3 スイッチは、Source Specific Multicast(SSM)機能を実行しているデバイスとメッセージの送受信を行うことができます。詳細については、次の URL にある『 Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Software Configuration Guide, Cisco IOS Release 12.1(12c)EW 』の「Configuring IP Multicast Layer 3 Switching」の章を参照してください。

http://www.cisco.com/en/US/docs/switches/lan/catalyst4500/12.1/12ew/configuration/guide/mcastmls.html

マルチキャスト グループへの加入

スイッチに接続されているホストが IP マルチキャスト グループに加入するには、加入する IP マルチキャスト グループを指定した、非請求 IGMP Join メッセージを送信します。別の方法として、ルータから一般クエリーを受信したスイッチは、そのクエリーを VLAN 内のすべてのポートに転送します。マルチキャスト グループに加入するホストは、スイッチに Join メッセージを送信して応答します。スイッチの CPU は、そのグループのマルチキャスト転送テーブル エントリがまだ存在していないのであれば、エントリを作成します。CPU はさらに、Join メッセージを受信したインターフェイスを転送テーブル エントリに追加します。そのインターフェイスと対応付けられたホストが、そのマルチキャスト グループ用のマルチキャスト トラフィックを受信します。図 21-1を参照してください。

図 21-1 IGMP Join の初期メッセージ

 

ルータ A がスイッチに一般クエリーを送信し、スイッチがそのクエリーを同じ VLAN のすべてのメンバであるポート 2 ~ 5 に転送します。ホスト 1 はマルチキャスト グループ 224.1.2.3 への加入を希望し、IGMP メンバシップ レポート(IGMP Join メッセージ)を同等の MAC 宛先アドレス 0x0100.5E01.0203 を持つグループにマルチキャストします。CPU が、ホスト 1 による IGMP レポート マルチキャストを受信すると、この CPU は IGMP レポート内の情報を利用して、 表 21-1 に示すように転送テーブル エントリを設定します。これには、ホスト 1 のポート番号、ルータ、スイッチの内部 CPU が含まれます。

 

表 21-1 IGMP スヌーピング転送テーブル

宛先アドレス
パケットのタイプ
ポート

0100.5exx.xxxx

IGMP

0

0100.5e01.0203

!IGMP

1、2

スイッチのハードウェアは、マルチキャスト グループの他のパケットと IGMP 情報パケットを区別できることに注意してください。

テーブル中の最初のエントリは、スイッチング エンジンに対して、IGMP パケットをスイッチ CPU だけに送信するように指示します。これによって、CPU がマルチキャスト フレームで過負荷になるのを防止できます。

第 2 のエントリは、スイッチング エンジンに、0x0100.5E01.0203 マルチキャスト MAC アドレス宛てのフレームを送信するように指示します。このフレームは、ルータ宛て、およびグループに加入しているホスト宛ての IGPM パケット(!IGMP)ではありません。

別のホスト(たとえばホスト 4)が同じグループに非請求の IGMP Join メッセージを送信する場合(図 21-2 を参照)、CPU はメッセージを受信して、転送テーブルにホスト 4 のポート番号を追加します( 表 21-2 を参照)。転送テーブルによって、CPU だけに IGMP メッセージが転送されるので、スイッチ上の他のポートにメッセージがフラッディングされることはありません。既知のマルチキャスト トラフィックは、グループに転送されますが、CPU には転送されません。不明のマルチキャスト トラフィックは、既知になるまで VLAN にフラッディングされ、また CPU に送信されます。

図 21-2 2 番めのホストのマルチキャスト グループへの加入

 

 

表 21-2 更新された IGMP スヌーピング転送テーブル

宛先アドレス
パケットのタイプ
ポート

0100.5exx.xxxx

IGMP

0

0100.5e01.0203

!IGMP

1、2、5

マルチキャスト グループからの脱退

ルータは定期的にマルチキャスト一般クエリーを送信し、スイッチはそれらのクエリーを VLAN 内のすべてのポート経由で転送します。関心のあるホストがクエリーに応答します。VLAN 内の少なくとも 1 つのホストがマルチキャスト トラフィックを受信しなければならない場合、ルータは VLAN に引き続き、マルチキャスト トラフィックを転送します。スイッチは、レイヤ 2 マルチキャスト グループの転送テーブルに含まれるホストだけに、マルチキャスト グループ トラフィックを転送します。

ホストは、マルチキャスト グループから脱退する場合、何も通知せずに脱退するか、Leave メッセージを送信します。スイッチは、ホストから Leave メッセージを受信すると、グループ固有のクエリーを送信して、そのインターフェイスに接続されている他のデバイスが、そのマルチキャスト グループのトラフィックと関連しているかどうかを判定します。スイッチはさらに、転送テーブルでその MAC グループの情報を更新し、そのグループのマルチキャスト トラフィックの受信に関心のあるホストだけが、転送テーブルに指定されるようにします。ルータが VLAN からレポートを受信しなかった場合、その VLAN 用のグループは IGMP キャッシュから削除されます。

即時脱退処理

即時脱退は、IGMP バージョン 2 のホストでのみサポートされます。

IGMP スヌーピングの即時脱退処理を使用すると、スイッチは、グループ固有のクエリーをインターフェイスに送信することなく、転送テーブルから Leave メッセージを送信するインターフェイスを削除できます。VLAN インターフェイスは、最初の Leave メッセージで指定されたマルチキャスト グループのマルチキャスト ツリーからプルーニングされます。即時脱退処理によって、複数のマルチキャスト グループを同時に使用する場合でも、スイッチド ネットワーク上のすべてのホストに対して最適な帯域幅管理を行うことができます。


) 即時脱退処理機能は、各ポートに 1 つのホストが接続された VLAN 上だけで使用してください。1 つのポートに複数のホストが接続されている VLAN で即時脱退機能をイネーブルにすると、一部のホストが誤って切断される可能性があります。


IGMP 脱退タイマーの設定

Cisco IOS リリース以前のリリースでは、IGMP スヌーピング Leave タイムは 5 秒に固定されています。クエリーのクエリー応答時間が満了する前にスイッチがメンバシップ レポートを受信しなかった場合、ポートはマルチキャスト グループ メンバシップから削除されます。ところが、アプリケーションによっては 5 秒未満の Leave 遅延が必要です。

Cisco IOS リリース以降のリリースでは、ホストの特定マルチキャスト グループへの関心が続いているかどうかを判断するために、グループ固有のクエリーを送信したあとにスイッチが待機する時間を設定できます。IGMP 脱退応答時間は、100 ~ 5000 ミリ秒の間で設定できます。タイマーはグローバルにまたは VLAN 単位で設定できますが、VLAN に脱退時間を設定すると、グローバルに設定した脱退時間は上書きされます。

IGMP レポート抑制


) IGMP レポート抑制がサポートされるのは、マルチキャスト クエリーに IGMPv1 および IGMPv2 レポートがある場合に限られます。この機能は、クエリーに IGMPv3 レポートが含まれている場合はサポートされません。


スイッチは、IGMP レポート抑制を使用して、1 つのマルチキャスト ルータ クエリーごとに IGMP レポートを 1 つだけマルチキャスト デバイスに転送します。IGMP ルータ抑制がイネーブルの場合(デフォルト)、このスイッチは、グループに対応するすべてのホストからの最初の IGMP レポートをすべてのマルチキャスト ルータに送信します。スイッチは、グループに対応する残りの IGMP レポートについては、マルチキャスト ルータに送信しません。この機能により、重複したレポートがマルチキャスト デバイスに送信されるのを防ぎます。

マルチキャスト ルータのクエリーに、IGMPv1 および IGMPv2 レポートだけに対応したレポートが含まれている場合、スイッチはグループ内のすべてのホストから、最初の IGMPv1 または IGMPv2 レポートだけを、すべてのマルチキャスト ルータに転送します。

また、マルチキャスト ルータ クエリーに、IGMPv3 レポートの要求も含まれている場合、スイッチは、グループのすべての IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 レポートをマルチキャスト デバイスに転送します。

IGMP レポート抑制をディセーブルにすると、すべての IGMP レポートはマルチキャスト ルータに転送されます。

Source-Only ネットワーク

Source-Only ネットワークでは、スイッチ ポートは、マルチキャスト送信元ポートとマルチキャスト ルータ ポートに接続されます。スイッチ ポートは、IGMP Join または Leave メッセージを送信するホストには接続されません。

スイッチは、Source-Only 学習方式を使用することにより、IP マルチキャスト ストリームから IP マルチキャスト グループについて学習します。スイッチは、マルチキャスト ルータ ポートだけにトラフィックを転送します。

デフォルトの学習方式は、IP マルチキャスト Source-Only ラーニングです。 no ip igmp snooping source-only-learning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、IP マルチキャスト Source-Only ラーニングをディセーブルにできます。

スイッチは、IGMP クエリー パケットに加えて、Protocol-Independent Multicast プロトコル バージョン 2(PIMv2)パケットも使用して、マルチキャスト ルータを検出します。これらのパケットはスイッチの CPU に送信されるため、CPU のトラフィックが一時的に上昇する可能性があります。 no ip igmp snooping mrouter learn pim v2 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、PIMv2 パケットによるマルチキャスト ルータ ディスカバリをディセーブルにすることができます。このコマンドは、 no ip igmp snooping source-only-learning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、Source-Only ラーニングをディセーブルにする場合にのみ有効です。

デフォルトでは、スイッチは、Source-Only 学習方式で学習され、使用されていない転送テーブルを期限切れにします。エージング タイムが長すぎる場合、またはディセーブルの場合には、Source-Only ラーニングを使用するか、または IGMP Join メッセージを使用してスイッチが学習した未使用のエントリによって、転送テーブルが満杯になります。スイッチは、新しい IP マルチキャスト グループのトラフィックを受信すると、そのパケットを同じ VLAN 内のすべてのポートにフラッディングします。この不必要なフラッディングによって、スイッチのパフォーマンスに悪影響を及ぼすおそれがあります。

エージングがディセーブルの場合で、Source-Only ラーニングを使用してスイッチが学習したマルチキャスト アドレスを削除したい場合には、転送テーブル エントリのエージングを再度イネーブルにします。これで、スイッチは、Source-Only 学習方式を使用して学習した未使用のマルチキャスト アドレスを期限切れにできます。

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングにより、スイッチで IGMP パケットを調べたり、パケットの内容に基づいて転送先を決定したりできます。

ここでは、IGMP スヌーピングを設定する手順について説明します。

「IGMP スヌーピングのデフォルト設定」

「IGMP スヌーピングのイネーブル化およびディセーブル化」

「スヌーピング方法の設定」

「マルチキャスト ルータ ポートの設定」

「グループに加入するホストの静的な設定」

「IGMP 即時脱退処理のイネーブル化」

「IGMP Leave タイマーの設定」

「IGMP レポート抑制のディセーブル化」

「IP Multicast-Source-Only ラーニングのディセーブル化」

「エージング タイムの設定」

「IGMP スヌーピング情報の表示」

IGMP スヌーピングのデフォルト設定

表 21-3 に、IGMP スヌーピングのデフォルト設定を示します。

 

表 21-3 IGMP スヌーピングのデフォルト設定

機能
デフォルト設定

IGMP スヌーピング

グローバルおよび VLAN 単位でイネーブル

マルチキャスト ルータ

未設定

マルチキャスト ルータの学習(スヌーピング)方式

PIM-DVMRP

IGMP スヌーピング即時脱退

ディセーブル

スタティック グループ

未設定

転送テーブル エントリの期限切れ

イネーブル デフォルト値は 600 秒(10 分)

IGMP レポート抑制

イネーブル

IGMP スヌーピングのイネーブル化およびディセーブル化

デフォルトでは、IGMP スヌーピングはスイッチ上でグローバルにイネーブルです。グローバルにイネーブルまたはディセーブルに設定されている場合、既存のすべての VLAN インターフェイスでもイネーブルまたはディセーブルです。デフォルトでは、IGMP スヌーピングはすべての VLAN でイネーブルですが、VLAN 単位で IGMP スヌーピングをイネーブルおよびディセーブルに設定できます。

グローバル IGMP スヌーピングは、VLAN IGMP スヌーピングよりも優先されます。グローバル スヌーピングがディセーブルの場合、VLAN スヌーピングをイネーブルに設定することはできません。グローバル スヌーピングがイネーブルの場合、VLAN スヌーピングをイネーブルまたはディセーブルに設定できます。

スイッチ上で IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping

既存のすべての VLAN インターフェイスで、IGMP スヌーピングをグローバルにイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

すべての VLAN インターフェイス上で IGMP スヌーピングをグローバルにディセーブルにするには、 no ip igmp snooping グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

特定の VLAN インターフェイス上で IGMP スヌーピングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id

VLAN インターフェイス上で IGMP スヌーピングをイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

特定の VLAN インターフェイス上で IGMP スヌーピングをディセーブルにするには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを、指定した VLAN 番号に対して使用します。

スヌーピング方法の設定

マルチキャスト対応のルータ ポートは、レイヤ 2 マルチキャスト エントリごとに転送テーブルに追加されます。スイッチは、次のいずれかの方法でポートを学習します。

IGMP クエリー、Protocol Independent Multicast(PIM)パケット、および Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP)パケットのスヌーピング

他のルータからの Cisco Group Management Protocol(CGMP)パケットの待ち受け

ip igmp snooping mrouter グローバル コンフィギュレーション コマンドによるマルチキャスト ルータ ポートへの静的な接続

IGMP クエリーおよび PIM パケットと DVMRP パケットのスヌーピング、または CGMP self-join パケットまたは proxy-join パケットのいずれかの待ち受けを行うように、スイッチを設定できます。デフォルトでは、スイッチはすべての VLAN 上の PIM パケットと DVMRP パケットをスヌーピングします。CGMP パケットだけでマルチキャスト ルータ ポートを学習するには、 ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn cgmp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。このコマンドを入力すると、ルータは CGMP self-join および proxy-join パケットだけを待ちうけ、その他の CGMP パケットは待ち受けなくなります。PIM パケットと DVMRP パケットだけでマルチキャスト ルータ ポートを学習するには、 ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn pim-dvmrp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

VLAN インターフェイスがマルチキャスト ルータに動的にアクセスする方法を変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn { cgmp | pim-dvmrp }

VLAN で IGMP スヌーピングをイネーブルにします。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。

マルチキャスト ルータの学習方式を指定します。

cgmp :CGMP パケットを待ち受けます。この方法は、制御トラフィックを減らす場合に有用です。

pim-dvmrp IGMP クエリーおよび PIM/DVMRP パケットをスヌーピングします。これがデフォルトです。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping

設定を確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

次に、CGMP パケットを学習方式として使用するように IGMP スヌーピングを設定する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 1 mrouter learn cgmp
Switch(config)# end
 

デフォルトの学習方式に戻すには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter learn cgmp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

マルチキャスト ルータ ポートの設定

マルチキャスト ルータ ポートを追加(マルチキャスト ルータに静的な接続を追加)するには、スイッチ上で ip igmp snooping vlan mrouter グローバル コンフィギュレーション コマンド を使用します。

マルチキャスト ルータへの静的な接続をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter interface interface-id

マルチキャスト ルータの VLAN ID を指定し、マルチキャスト ルータへのインターフェイスを指定します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping mrouter [ vlan vlan-id ]

VLAN インターフェイス上で IGMP スヌーピングがイネーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN からマルチキャスト ルータ ポートを削除するには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id mrouter interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、マルチキャスト ルータへのスタティック接続をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 200 mrouter interface gigabitethernet0/1
Switch(config)# end

グループに加入するホストの静的な設定

ホストまたはレイヤ 2 ポートは通常、マルチキャスト グループに動的に加入しますが、インターフェイス上にホストを静的に設定することもできます。

マルチキャスト グループのメンバとしてレイヤ 2 ポートを追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id static mac-address interface interface-id

マルチキャスト グループのメンバとしてレイヤ 2 ポートを静的に設定します。

vlan-id は、マルチキャスト グループの VLAN ID です。

mac-address は、グループ MAC アドレスです。

interface-id は、メンバ ポートです。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping mrouter vlan vlan-id

または
show mac address-table multicast vlan vlan-id

メンバ ポートが VLAN マルチキャスト グループのメンバであることを確認します。

メンバ ポートおよび MAC アドレスを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

マルチキャスト グループからレイヤ 2 ポートを削除するには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id static ip-address interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、インターフェイス上でホストを静的に設定して、設定を確認する例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 1 static 0100.5e00.0203 interface gigabitethernet0/1
Switch(config)# end

IGMP 即時脱退処理のイネーブル化

IGMP 即時脱退処理をイネーブルに設定すると、スイッチはポート上で IGMP バージョン 2 の Leave メッセージを検出した場合、ただちにそのポートを削除します。即時脱退機能は、VLAN の各ポートにレシーバーが 1 つ存在する場合にだけ使用してください。


) 即時脱退は、IGMP バージョン 2 のホストでのみサポートされます。


IGMP 即時脱退をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping vlan vlan-id immediate-leave

VLAN インターフェイス上で IGMP 即時脱退処理をイネーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping vlan vlan-id

VLAN 上で即時脱退がイネーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

VLAN 上で IGMP 即時脱退をディセーブルにするには、 no ip igmp snooping vlan vlan-id immediate-leave グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、VLAN 130 上で即時脱退処理をイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# ip igmp snooping vlan 130 immediate-leave
Switch(config)# end

IGMP Leave タイマーの設定

IGMP Leave タイマーを設定するときには、次の注意事項に従ってください。

脱退時間はグローバルまたは VLAN 単位で設定できます。

VLAN 上に脱退時間を設定すると、グローバルに設定された内容は上書きされます。

デフォルトの脱退時間は 1000 ミリ秒です。

IGMP の脱退時間の設定は、IGMP バージョン 2 が稼動しているホストでのみサポートされます。

ネットワークで実際の脱退にかかる待ち時間は、通常、設定した脱退時間どおりになります。ただし、脱退時間は、リアルタイムの CPU の負荷の状態、およびネットワークの遅延状態、インターフェイスから送信されたトラフィック量によって、設定された時間を前後する ことがあります

IGMP 脱退タイマーの設定をイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping last-member-query-interval time

グローバルに IGMP 脱退タイマーを設定します。指定できる範囲は 100 ~ 5000 ミリ秒です。

ステップ 3

ip igmp snooping vlan vlan-id last-member-query-interval time

(任意)VLAN インターフェイス上で、IGMP 脱退タイマーを設定します。指定できる範囲は 100 ~ 5000 ミリ秒です。

(注) VLAN 上に脱退時間を設定すると、グローバルに設定されたタイマーは上書きされます。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show ip igmp snooping

(任意)設定された IGMP 脱退タイマーを表示します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IGMP Leave タイマーをグローバルにリセットしてデフォルト設定(1000 ミリ秒)に戻す場合は、 no ip igmp snooping last-member-query-interval グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

設定した IGMP 脱退時間設定を特定の VLAN から削除する場合は、 no ip igmp snooping vlan vlan-id last-member-query-interval グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IGMP レポート抑制のディセーブル化

IGMP レポート抑制はデフォルトでイネーブルです。IGMP レポート抑制がイネーブルの場合、スイッチは、マルチキャスト ルータ クエリーごとに IGMP レポートを 1 つだけ転送します。IGMP レポート抑制がディセーブルの場合、すべての IGMP レポートがマルチキャスト ルータに転送されます。


) IGMP レポート抑制がサポートされるのは、マルチキャスト クエリーに IGMPv1 および IGMPv2 レポートがある場合に限られます。この機能は、クエリーに IGMPv3 レポートが含まれている場合はサポートされません。


IGMP レポート抑制をディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no ip igmp snooping report-suppression

IGMP レポート抑制をディセーブルにします。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show ip igmp snooping

IGMP レポート抑制がディセーブルになっていることを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IGMP レポート抑制を再びイネーブルにするには、 ip igmp snooping report-suppression グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IP Multicast-Source-Only ラーニングのディセーブル化

IP Multicast-Source-Only 学習方式は、デフォルトでイネーブルになっています。スイッチは、IP マルチキャスト データ ストリームから IP マルチキャスト グループを学習し、マルチキャスト ルータ ポートだけにトラフィックを転送します。

no ip igmp snooping source-only-learning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して IP Multicast-Source-Only ラーニングがディセーブルにされている場合、スイッチは、トラフィックが既知になるまで、不明なマルチキャスト トラフィックを VLAN にフラッディングし、トラフィックを CPU に送信します。スイッチは、特定のマルチキャスト グループに関する IGMP レポートをホストから受信すると、トラフィックをこのマルチキャスト グループからマルチキャスト ルータ ポートだけに転送します。

PIMv2 パケットによるマルチキャスト ルータ ディスカバリをディセーブルにするには、 no ip igmp snooping mrouter learn pim v2 グローバル コンフィギュレーション コマンドも入力する必要があります。


) IP Multicast-Source-Only ラーニングはディセーブルにしないようにしてください。IP Multicast-Source-Only ラーニングをディセーブルにする必要があるのは、ネットワークが IP Multicast-Source-Only ネットワークで構成されていない場合、およびこの学習方式をディセーブルにするとネットワーク パフォーマンスが向上する場合のみです。


IP Multicast-Source-Only ラーニングをディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no ip igmp snooping source-only-learning

IP Multicast-Source-Only ラーニングをディセーブルにします。

ステップ 3

no ip igmp snooping mrouter learn pim v2

(任意)PIM v2 パケットによるマルチキャスト ルータ ディスカバリをディセーブルにします。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config | include source-only-learning

IP Multicast-Source-Only ラーニングがディセーブルになったことを確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

IP Multicast-Source-Only ラーニングをイネーブルにするには、 ip igmp snooping source-only-learning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。PIM v2 マルチキャスト ルータ ディスカバリをイネーブルにするには、 ip igmp snooping mrouter learn pim v2 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、IP Multicast-Source-Only ラーニングと PIM v2 マルチキャスト ルータ ディスカバリをディセーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(config)# no ip igmp snooping source-only-learning
Switch(config)# no ip igmp snooping mrouter learn pim v2
Switch(config)# end

エージング タイムの設定

IP Multicast-Source-Only 学習方式を使用してスイッチが学習する転送テーブルのエントリに対して、エージング タイムを設定できます。

エージング タイムを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping source-only learning age-timer time

エージング タイムを設定します。指定できる範囲は 0 ~ 2880 秒です。デフォルト値は 600 秒(10 分)です。

ステップ 3

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 4

show running-config | include source-only-learning

エージング タイムを確認します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

転送テーブル エントリのエージングをディセーブルにするには、 ip igmp snooping source-only-learning age-timer 0 グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。

no ip igmp snooping source-only learning グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して Source-Only ラーニングをディセーブルにしても、エージング タイムがイネーブルの場合には、スイッチに対して効果がありません。

IGMP スヌーピング情報の表示

動的に学習された、あるいは静的に設定されたルータ ポートおよび VLAN インターフェイスに関する IGMP スヌーピング情報を表示できます。また、IGMP スヌーピング用に設定された VLAN の IP アドレス マルチキャスト エントリを表示することもできます。

IGMP スヌーピング情報を表示するには、 表 21-4 の特権 EXEC コマンドを 1 つまたは複数使用します。

 

表 21-4 IGMP スヌーピング情報を表示するためのコマンド

コマンド
目的

show ip igmp snooping [ vlan vlan-id ]

スイッチ上のすべての VLAN または特定の VLAN のスヌーピング設定情報を表示します。

(任意)個々の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を入力します。

show ip igmp snooping group [ vlan vlan-id ]

IGMP マルチキャスト グループ、互換性モード、および各グループに関連付けられるポートに関する情報を表示します。

(任意)個々の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を入力します。

show ip igmp snooping mrouter [ vlan vlan-id ]

動的に学習された、あるいは手動で設定されたマルチキャスト ルータ インターフェイスの情報を表示します。

(注) IGMP スヌーピングをイネーブルにすると、スイッチはマルチキャスト ルータの接続先インターフェイスを自動的に学習します。これらのインターフェイスは動的に学習されます。

(任意)個々の VLAN に関する情報を表示するには、 vlan vlan-id を入力します。

show mac address-table multicast [ vlan vlan-id ] [ user | igmp-snooping ] [ count ]

VLAN に関するレイヤ 2 MAC アドレス テーブル エントリを表示します。キーワードはすべて任意指定であり、次に示すように表示を限定します。

vlan vlan-id :指定されたマルチキャスト グループ VLAN だけを表示します。

user :ユーザによって設定されたマルチキャスト エントリだけを表示します。

igmp-snooping :IGMP スヌーピングによって学習されたエントリだけを表示します。

count :実際のエントリではなく、選択された基準の総エントリ数だけが表示されます。

各コマンドのキーワードおよびオプションの詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。

表 21-4 にあるコマンドの出力例については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。

MVR の概要

Multicast VLAN Registration(MVR; マルチキャスト VLAN レジストレーション)は、イーサネット リングベースのサービス プロバイダー ネットワークで、マルチキャスト トラフィックを広範囲に配信する用途(サービス プロバイダー ネットワークでの複数の TV チャネルのブロードキャストなど)用に設計された機能です。MVR によってポート上の加入者は、ネットワークワイドなマルチキャスト VLAN 上のマルチキャスト ストリームに加入し、脱退できます。加入者は別個の VLAN 上にありながら、ネットワークで単一マルチキャスト VLAN を共有できます。MVR によって、マルチキャスト VLAN でマルチキャスト ストリームを連続送信する能力が得られますが、ストリームと加入者の VLAN は、帯域幅およびセキュリティ上の理由で分離されます。

MVR では、加入者ポートが IGMP Join および Leave メッセージを送信することによって、マルチキャスト ストリームへの加入および脱退(Join および Leave)を行うことが前提です。これらのメッセージは、イーサネットで接続され、IGMP バージョン 2 に準拠しているホストから発信できます。MVR は IGMP スヌーピングの基本メカニズムで動作しますが、この 2 つの機能はそれぞれ単独で動作します。それぞれ他方の機能の動作に影響を与えずに、イネーブルまたはディセーブルにできます。ただし、IGMP スヌーピングと MVR が両方ともイネーブルの場合、MVR は MVR 環境で設定されたマルチキャスト グループが送信した Join および Leave メッセージだけに反応します。他のマルチキャスト グループから送信された Join および Leave メッセージはすべて、IGMP スヌーピングが管理します。

スイッチの CPU は、MVR MAC マルチキャストストリームとそれに対応するスイッチ転送テーブル内の MAC アドレスを識別し、IGMP メッセージを代行受信し、転送テーブルを変更して、マルチキャスト ストリームの受信側としての加入者を追加または削除します。受信側が送信元と異なる VLAN 上に存在している場合でも同じです。この転送動作により、異なる VLAN の間でトラフィックを選択して伝送できます。

スイッチの MVR 動作には、dynamic と compatible というモードがあります。

MVR dynamic モードで動作している場合、スイッチは、標準の IGMP スヌーピングを実行します。IGMP 情報パケットはスイッチの CPU に送信されますが、マルチキャスト データ パケットは CPU に送信されません。dynamic モードでは、マルチキャスト ルータは正常に動作します。その理由は、スイッチが IGMP Join メッセージをルータに送信し、次にルータは、各グループのインターフェイスから Join メッセージを受信した場合のみ、そのグループのマルチキャスト ストリームをインターフェイスに転送するためです。レシーバー ポートは、MVR マルチキャスト制御とデータ トラフィックに関して、マルチキャスト VLAN のメンバとして取り扱われます。MVR グループの IGMP レポートは、マルチキャスト VLAN 内の送信元ポートから送信されます。

MVR compatible モードでは、Catalyst 2950 または Catalyst 2955 は、すべてのマルチキャスト データ パケットおよび IGMP クエリー および脱退パケットに関して、dynamic モードと同様に動作します。ただし、受信された MVR グループに関する IGMP レポート パケットは、マルチキャスト VLAN 送信元ポート上に送信されません。dynamic モードとは対照的に、スイッチは Join メッセージをルータに送信しません。マルチキャスト ストリームを受信するためには、インターフェイスに対してルータが静的に設定されている必要があります。したがって、このモードでは、MVR は、送信元ポート上でのダイナミック メンバシップ Join をサポートしません。


) MVR が実行されているスイッチは、IGMPv3 Join および Leave メッセージをサポートしていません。


マルチキャスト TV アプリケーションで MVR を使用する場合

マルチキャスト TV アプリケーションでは、PC またはセットトップ ボックスを装備したテレビでマルチキャスト ストリームを受信できます。1 つの加入者ポートに複数のセットトップ ボックスまたは PC を接続できます。加入者ポートは、MVR レシーバ ポートとして設定されたスイッチ ポートです。図 21-3 に設定例を示します。加入者がチャネルを選択すると、セットトップ ボックスまたは PC からスイッチ A に、所定のマルチキャストに加入するための IGMP レポートが送信されます。IGMP レポートが設定されている IP マルチキャスト MAC アドレスの 1 つと一致すると、スイッチの CPU がハードウェア アドレス テーブルを変更して、指定のマルチキャスト ストリームをマルチキャスト VLAN から受信したときの転送先として、レシーバー ポートと VLAN を追加します。マルチキャスト VLAN との間でマルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートを MVR 送信元ポートといいます。

加入者がチャネルを切り替えた場合、またはテレビのスイッチを切った場合には、セットトップ ボックスからマルチキャスト ストリームに対する IGMP Leave メッセージが送信されます。スイッチの CPU は、レシーバー ポート VLAN を通して IGMP グループ固有のクエリーを送信します。VLAN 内に、このグループに加入している別のセットトップ ボックスがある場合、そのセットトップ ボックスは最大応答時間内に応答する必要があります。応答を受信しなかった場合、CPU はそのグループの転送先としてのレシーバ ポートを除外します。

即時脱退機能を使用しない場合、レシーバ ポートの加入者から IGMP Leave メッセージを受信したスイッチは、そのポートに IGMP クエリーを送信し、IGMP グループ メンバシップ レポートを待ちます。設定された時間内にレポートが届かないと、レシーバ ポートがマルチキャスト グループ メンバシップから削除されます。即時脱退機能がイネーブルの場合、IGMP Leave を受信したレシーバ ポートから IGMP クエリーが送信されません。Leave メッセージの受信後ただちに、マルチキャスト グループ メンバシップからレシーバ ポートが削除されるので、脱退のための待ち時間が短縮されます。即時脱退機能は、1 つの受信デバイスが接続された受信ポートだけでイネーブルにしてください。

図 21-3 マルチキャスト VLAN レジストレーションの例

 

MVR では、各 VLAN の加入者に TV チャネルのマルチキャスト トラフィックを重複して送信する必要がありません。すべてのチャネル用のマルチキャスト トラフィックは、マルチキャスト VLAN 上でのみ、VLAN トランク全体で 1 回送信されます。加入者ポートが割り当てられている VLAN の IGMP Leave および Join メッセージ。これらのメッセージは、レイヤ 3 デバイス上のマルチキャスト VLAN のマルチキャスト トラフィック ストリームに対し、動的に登録します。アクセス レイヤ スイッチ(スイッチ A)は、マルチキャスト VLAN から別の VLAN 上の加入者ポートにトラフィックが転送されるようにフォワーディング動作を変更し、2 つの VLAN 間で伝送されるトラフィックを選択的に許可します。

IGMP レポートは、マルチキャスト データと同じ MAC アドレスに送信されます。スイッチ A の CPU は、受信ポートからのすべての IGMP Join および Leave メッセージを取り込んで、送信元(アップリンク)ポートのマルチキャスト VLAN に転送する必要があります。

MVR の設定

ここでは、基本的な MVR 設定情報について説明します。

「MVR のデフォルト設定」

「MVR 設定時の注意事項および制限事項」

「MVR グローバル パラメータの設定」

「MVR インターフェイスの設定」

MVR のデフォルト設定

表 21-5 に、MVR のデフォルト設定を示します。

 

表 21-5 MVR のデフォルト設定

機能
デフォルト設定

MVR

グローバルおよびインターフェイス単位でディセーブル

マルチキャスト アドレス

未設定

クエリーの応答時間

0.5 秒

マルチキャスト VLAN

VLAN 1

モード

compatible

インターフェイスのデフォルト(ポート単位)

レシーバ ポートでも送信元ポートでもない

即時脱退

すべてのポートでディセーブル

MVR 設定時の注意事項および制限事項

MVR を設定するときには、次の注意事項に従ってください。

レシーバー ポートはトランク ポートになることはできません。スイッチ上のレシーバ ポートは、異なる VLAN に所属していてもかまいませんが、マルチキャスト VLAN には所属させないでください。

スイッチ上で設定できるマルチキャスト エントリの最大数(受信できるテレビ チャネルの最大数)は 256 です。

各チャネルは、一意の IP マルチキャスト アドレス宛てのマルチキャスト ストリームです。これらの IP アドレスは、それ自身の間で、または予約された IP マルチキャスト アドレス(224.0.0.xxx の範囲)とエイリアスを設定することはできません。

MVR は IGMPv3 メッセージをサポートしません。


) ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。


MVR グローバル パラメータの設定

デフォルト値を使用する場合は、オプションの MVR パラメータを設定する必要はありません。デフォルトのパラメータを変更する場合には(MVR VLAN 以外)、最初に MVR をイネーブルにする必要があります。

MVR パラメータを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mvr

スイッチ上で MVR をイネーブルに設定します。

ステップ 3

mvr group ip-address [ count ]

スイッチ上で IP マルチキャスト アドレスを設定するか、または count パラメータを使用して、連続する MVR グループ アドレスを設定します( count の範囲は 1 ~ 256、デフォルトは 1)。このアドレスに送信されたマルチキャスト データは、スイッチ上のすべての送信元ポートおよびそのマルチキャスト アドレスのデータを受信するために選ばれた、すべてのレシーバ ポートに送信されます。マルチキャスト アドレスとテレビ チャネルは 1 対 1 の対応です。

(注) 各 IP アドレスは、マルチキャスト 48 ビット MAC アドレスに変換されます。設定された IP アドレスが、以前設定された MAC アドレスまたは予約された任意のマルチキャスト MAC アドレスに変換(エイリアス)されると、そのコマンドは失敗します。

ステップ 4

mvr querytime value

(任意)マルチキャスト グループ メンバシップからポートを削除する前に、レシーバ ポートで IGMP レポートのメンバシップを待機する最大時間を設定します。この値は 10 分の 1 秒単位で設定します。指定できる範囲は 1 ~ 100 で、デフォルトは 5(5/10 秒)です。

ステップ 5

mvr vlan vlan-id

(任意)マルチキャスト データを受信する VLAN を指定します。すべての送信元ポートをこの VLAN に所属させる必要があります。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは VLAN 1 です。

ステップ 6

mvr mode { dynamic | compatible }

(任意)MVR の動作モードを指定します。

dynamic :送信元ポートでダイナミック MVR メンバシップを使用できます。

compatible :Catalyst 3500 XL スイッチおよび Catalyst 2900 XL スイッチとの互換性が得られます。送信元ポートでのダイナミック IGMP Join はサポートされません。

デフォルトは compatible モードです。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show mvr

または

show mvr members

設定を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スイッチをデフォルトの設定に戻すには、 no mvr [ mode | group ip-address | querytime | vlan ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、MVR をイネーブルにして、MVR グループ アドレスを設定し、クエリー タイムを 1 秒(10 分の 10 秒)に設定し、MVR マルチキャスト VLAN を VLAN 22 として指定し、MVR モードを dynamic に設定し、結果を確認する例を示します。

Switch(config)# mvr
Switch(config)# mvr group 228.1.23.4
Switch(config)# mvr querytime 10
Switch(config)# mvr vlan 22
Switch(config)# mvr mode dynamic
Switch(config)# end
Switch# show mvr
MVR Running: TRUE
MVR multicast vlan: 22
MVR Max Multicast Groups: 256
MVR Current multicast groups: 1
MVR Global query response time: 10 (tenths of sec)
MVR Mode: dynamic
 

show mvr members 特権 EXEC コマンドを使用すると、スイッチ上の MVR マルチキャスト グループ アドレスを確認できます。

MVR インターフェイスの設定

MVR インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mvr

スイッチ上で MVR をイネーブルに設定します。

ステップ 3

interface interface-id

設定するポートを入力し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

mvr typ e { source | receiver }

MVR ポートを次のいずれかに設定します。

source :マルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートを送信元ポートとして設定します。加入者が送信元ポートに直接接続することはできません。スイッチ上のすべての送信元ポートは、単一マルチキャスト VLAN に所属します。

receiver :加入者ポートであり、マルチキャスト データを受信するだけの場合、レシーバ ポートとしてポートを設定します。静的に、または IGMP Leave および Join メッセージによってマルチキャスト グループのメンバになるまでは、データを受信しません。レシーバ ポートをマルチキャスト VLAN に所属させることはできません。

デフォルトでは、非 MVR ポートとして設定されます。非 MVR ポートに MVR 特性を設定しようとしても、エラーになります。

ステップ 5

mvr vlan vlan-id group ip-address

(任意)マルチキャスト VLAN および IP マルチキャスト アドレスに送信されたマルチキャスト トラフィックを受信するポートを静的に設定します。グループ メンバとして静的に設定されたポートは、静的に削除されない限り、グループ メンバのままです。

(注) 互換モードでは、このコマンドが適用されるのはレシーバ ポートだけです。ダイナミック モードでは、レシーバ ポートおよび送信元ポートに適用されます。

レシーバ ポートは、IGMP Join および Leave メッセージを使用することによって、マルチキャスト グループに動的に加入することもできます。

ステップ 6

mvr immediate

(任意)ポート上で MVR の即時脱退機能をイネーブルにします。

(注) このコマンドが適用されるのは、レシーバ ポートだけです。また、イネーブルにするのは、単一のレシーバ デバイスが接続されているレシーバ ポートに限定してください。

ステップ 7

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 8

show mvr

show mvr interface

または

show mvr members

設定を確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイスをデフォルトの設定に戻すには、 no mvr [ type | immediate | vlan vlan-id | group ] インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、ポートをレシーバー ポートとして設定し、マルチキャスト グループ アドレスに送信されたマルチキャスト トラフィックを受信するようにポートを静的に設定し、インターフェイス上で即時脱退機能を設定して、結果を確認する例を示します。

Switch(config)# mvr
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# mvr type receiver
Switch(config-if)# mvr vlan 22 group 228.1.23.4
Switch(config-if)# mvr immediate
Switch(config)# end
Switch# show mvr interface gigabitethernet0/1
Type: RECEIVER Status: ACTIVE Immediate Leave: ENABLED
 

MVR 情報の表示

スイッチまたは指定されたインターフェイスの MVR 情報を表示できます。MVR の設定を表示するには、特権 EXEC モードで 表 21-6 のコマンドを使用します。

 

表 21-6 MVR 情報を表示するためのコマンド

show mvr

スイッチの MVR ステータスおよび値を表示します。これは、MVR のイネーブルまたはディセーブルの判別、マルチキャスト VLAN、マルチキャスト グループの最大数(256)および現在の数(0 ~ 256)、クエリーの応答時間、および MVR モードです。

show mvr interface [ interface-id ] [ members [ vlan vlan -id ]]

すべての MVR インターフェイスおよびそれぞれの MVR 設定を表示します。

特定のインターフェイスを指定すると、次の情報が表示されます。

Type:RECEIVER(レシーバ)または SOURCE(送信元)

Status:次のいずれか 1 つ

ACTIVE は、ポートが VLAN に含まれていることを意味します。

UP/DOWN は、ポートが転送中または転送中ではないことを示します。

INACTIVE は、ポートが VLAN に含まれていないことを意味します。

Immediate Leave(即時脱退機能):イネーブルまたはディセーブル

members キーワードを入力すると、そのポート上のすべてのマルチキャスト グループ メンバが表示されます。VLAN ID を入力した場合は、VLAN 上のすべてのマルチキャスト グループ メンバが表示されます。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。

show mvr members [ ip-address ]

すべての IP マルチキャスト グループまたは指定した IP マルチキャスト グループ IP アドレスに含まれているレシーバ ポートおよび送信元ポートがすべて表示されます。

IGMP フィルタリングおよびスロットリングの設定

都市部や Multiple-Dwelling Unit(MDU; 集合住宅)などの環境では、スイッチ ポート上のユーザが属する一連のマルチキャスト グループを制御する必要があります。この機能を使用することにより、IP/TV などのマルチキャスト サービスの配信を、特定タイプの契約またはサービス計画に基づいて制御できます。また、マルチキャスト グループの数を、スイッチ ポート上でユーザが所属できる数に制限することもできます。

IGMP フィルタリング機能を使用すると、IP マルチキャスト プロファイルを設定し、それらを各スイッチ ポートに関連付けて、ポート単位でマルチキャスト加入をフィルタリングできます。IGMP プロファイルにはマルチキャスト グループを 1 つまたは複数格納して、グループへのアクセスを許可するか拒否するかを指定できます。マルチキャスト グループへのアクセスを拒否する IGMP プロファイルがスイッチ ポートに適用されると、IP マルチキャスト トラフィックのストリームを要求する IGMP Join レポートが廃棄され、ポートはそのグループからの IP マルチキャスト トラフィックを受信できなくなります。マルチキャスト グループへのアクセスがフィルタリング アクションで許可されている場合は、ポートからの IGMP レポートが転送されて、通常の処理が行われます。

IGMP フィルタリングが制御するのは、Join および Leave レポートなど、グループ固有のクエリーやメンバシップ レポートだけです。一般 IGMP クエリーは制御されません。IGMP フィルタリングは、IP マルチキャスト トラフィックの転送を指示する機能とは無関係です。フィルタリング機能は、マルチキャスト トラフィックの転送に CGMP が使用されているか、または MVR が使用されているかに関係なく、同じように動作します。

レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定することもできます。

IGMP スロットリング機能を使用すると、レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数も設定できます。IGMP グループの最大数が設定され、IGMP スヌーピング転送テーブルに最大数のエントリが登録されていて、インターフェイスで IGMP Join レポートを受信する場合、インターフェイスを設定することにより、IGMP レポートをドロップするか、あるいは受信した IGMP レポートでランダムに選択されたマルチキャスト エントリを上書きします。


) IGMP フィルタリングが実行されているスイッチは、IGMPv3 Join および Leave メッセージをサポートしていません。


ここでは、IGMP フィルタリングおよびスロットリングを設定する方法について説明します。

「IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリングのデフォルト設定」

「IGMP プロファイルの設定」(任意)

「IGMP プロファイルの適用」(任意)

「IGMP グループの最大数の設定」(任意)

「IGMP スロットリング アクションの設定」(任意)

IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリングのデフォルト設定

表 21-7 に、IGMP フィルタリングのデフォルト設定を示します。

 

表 21-7 IGMP フィルタリングのデフォルト設定

機能
デフォルト設定

IGMP フィルタ

適用されない

IGMP グループの IGMP 最大数

最大数は設定されない

IGMP プロファイル

未設定

IGMP プロファイル アクション

範囲で示されたアドレスを拒否

転送テーブルに登録されているグループが最大数に達していると、デフォルトの IGMP スロットリング アクションは IGMP レポートを拒否します。設定時の注意事項については、「IGMP スロットリング アクションの設定」を参照してください

IGMP プロファイルの設定

IGMP プロファイルを設定するには、 ip igmp profile グローバル コンフィギュレーション コマンドおよびプロファイル番号を使用して、IGMP プロファイルを作成し、IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。ポートから送信される IGMP Join 要求をフィルタリングするために使用される IGMP プロファイルのパラメータは、このモードから指定できます。IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードでは、次のコマンドを使用して、プロファイルを作成できます。

deny :一致したアドレスを拒否するように指定します。これはデフォルトの条件です。

exit :IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを終了します。

no :コマンドを無効にするか、コマンドのデフォルト値を設定します。

permit :一致するアドレスを許可します。

range :プロファイルの IP アドレス範囲を指定します。単一の IP アドレス、または開始アドレスと終了アドレスで指定された IP アドレス範囲を入力できます。

デフォルトでは、スイッチには IGMP プロファイルが設定されていません。プロファイルが設定されており、 permit および deny キーワードがいずれも指定されていない場合、デフォルトでは、IP アドレス範囲へのアクセスが拒否されます。

IGMP プロファイルを作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp profile profile number

IGMP プロファイル コンフィギュレーション モードを開始し、設定するプロファイルに番号を割り当てます。指定できる範囲は 1 ~ 4294967295 です。

ステップ 3

permit | deny

(任意)IP マルチキャスト アドレスへのアクセスを許可または拒否するアクションを設定します。アクションを設定しないと、プロファイルのデフォルト設定はアクセス拒否になります。

ステップ 4

range ip multicast address

アクセスが制御される IP マルチキャスト アドレスまたは IP マルチキャスト アドレス範囲を入力します。範囲を入力する場合は、IP マルチキャスト アドレスの下限値、スペースを 1 つ、IP マルチキャスト アドレスの上限値を入力します。

range コマンドを複数回入力すると、複数のアドレスまたはアドレス範囲を入力できます。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show ip igmp profile profile number

プロファイルの設定を確認します。

ステップ 7

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

プロファイルを削除するには、 no ip igmp profile profile number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IP マルチキャスト アドレスまたは IP マルチキャスト アドレス範囲を削除するには、 no range ip multicast address IGMP プロファイル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、単一の IP マルチキャスト アドレスへのアクセスを許可する IGMP プロファイル 4 を作成して、設定を確認する例を示します。アクションが拒否(デフォルト)である場合は、 show ip igmp profile の出力には表示されません。

Switch(config)# ip igmp profile 4
Switch(config-igmp-profile)# permit
Switch(config-igmp-profile)# range 229.9.9.0
Switch(config-igmp-profile)# end
Switch# show ip igmp profile 4
IGMP Profile 4
permit
range 229.9.9.0 229.9.9.0

IGMP プロファイルの適用

IGMP プロファイルの定義に従ってアクセスを制御するには、 ip igmp filter インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、プロファイルを該当するインターフェイスに適用します。IGMP プロファイルは、レイヤ 2 ポートにだけ適用できます。EtherChannel ポート グループに所属するポートに、プロファイルを適用することはできません。1 つのプロファイルを複数のインターフェイスに適用できますが、各インターフェイスに適用できるプロファイルは 1 つだけです。

スイッチ ポートに IGMP プロファイルを適用するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。インターフェイスは、EtherChannel ポート グループに所属していないレイヤ 2 ポートでなければなりません。

ステップ 3

ip igmp filter profile number

指定された IGMP プロファイルをインターフェイスに適用します。指定できるプロファイル番号の範囲は 1 ~ 4294967295 です。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running configuration interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

インターフェイスからプロファイルを削除するには、 no ip igmp filter profile number インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、IGMP プロファイル 4 をポートに適用し、設定を確認する例を示します。

Switch(config)# interface
Switch(config-if)# ip igmp filter 4
Switch(config-if)# end
Switch# show running-config interface
Building configuration...
 
Current configuration : 123 bytes
!
interface
no ip address
shutdown
snmp trap link-status
ip igmp max-groups 25
ip igmp filter 4
end

IGMP グループの最大数の設定

レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定するには、 ip igmp max-groups インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。最大数をデフォルト設定(制限なし)に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

このコマンドは、論理 EtherChannel インターフェイス上では使用できますが、EtherChannel ポート グループに属するポート上では使用できません。

転送テーブルの IGMP グループの最大数を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。インターフェイスは、EtherChannel グループに所属しないレイヤ 2 ポート、または EtherChannel インターフェイスのいずれかにできます。

ステップ 3

ip igmp max-groups number

インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定します。指定できる範囲は 0 ~ 4294967294 です。デフォルトでは最大数は設定されません。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-configuration interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

グループの最大数に関する制限を削除し、デフォルト設定(制限なし)に戻すには、 no ip igmp max-groups インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

次に、インターフェイスが加入できる IGMP グループ数を 25 に制限する例を示します。

Switch(config)# interface
Switch(config-if)# ip igmp max-groups 25
Switch(config-if)# end

IGMP スロットリング アクションの設定

レイヤ 2 インターフェイスが加入できる IGMP グループの最大数を設定した後、 ip igmp max-groups action replace インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して受信した IGMP レポートの新しいグループで、既存のグループを上書きします。IGMP Join レポートを廃棄するデフォルトの設定に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。

IGMP スロットリングを設定するときには、次の注意事項に従ってください。

このコマンドは、論理 EtherChannel インターフェイスでは使用できますが、EtherChannel ポート グループに属するポートでは使用できません。

グループの最大数に関する制限がデフォルト(制限なし)に設定されている場合、 ip igmp max-groups action { deny | replace } コマンドを入力しても効果はありません。

インターフェイスによりマルチキャスト エントリが転送テーブルに追加されてから、スロットリング アクションを設定し、グループの最大数の制限を設定すると、転送テーブルのエントリは、スロットリング アクションに応じて期限切れになるか削除されます。

スロットリング アクションを deny に設定すると、すでに転送テーブルに登録されていたエントリは、削除されることはありませんが期限切れになります。エントリが期限切れになり、最大数のエントリが転送テーブルに登録されていると、スイッチは、インターフェイスで受信した次の IGMP レポートを廃棄します。

スロットリング アクションを replace に設定すると、すでに転送テーブルに登録されていたエントリは削除されます。転送テーブルのエントリが最大数まで達すると、スイッチはランダムに選択したエントリを、受信した IGMP レポートで上書きします。

スイッチが転送テーブルのエントリを削除しないようにするには、インターフェイスにより転送テーブルにエントリが追加される前に、IGMP スロットリング アクションを設定します。

転送テーブルに最大数のエントリが登録されているときにスロットリング アクションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定する物理インターフェイスを入力します。インターフェイスは、EtherChannel ポート グループに所属しないレイヤ 2 ポート、または EtherChannel インターフェイスのいずれかにできます。トランク ポートをインターフェイスにすることはできません。

ステップ 3

ip igmp max-groups action { deny | replace }

インターフェイスが IGMP レポートを受信したときに、転送テーブルに最大数のエントリが登録されている場合は、次のいずれかのアクションをインターフェイスに指定します。

deny :レポートを廃棄します。

replace :既存のグループを、IGMP レポートを受信した新しいグループで上書きします。

ステップ 4

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 5

show running-config interface interface-id

設定を確認します。

ステップ 6

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

レポートの廃棄というデフォルトのアクションに戻すには、 no ip igmp max-groups action インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。

IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリング設定の表示

IGMP プロファイルの特性を表示したり、スイッチ上のすべてのインターフェイスまたは指定されたインターフェイスの IGMP プロファイルや最大グループ設定を表示したりできます。また、スイッチ上のすべてのインターフェイスまたは指定したインターフェイスに関する IGMP スロットリング設定を表示することもできます。

表 21-8 の特権 EXEC コマンドを使用して、IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリングの設定を表示します。

 

表 21-8 IGMP フィルタリングおよび IGMP スロットリングの設定を表示するためのコマンド

コマンド
目的

show ip igmp profile [ profile number ]

特定の IGMP プロファイルまたはスイッチ上で定義されているすべての IGMP プロファイルを表示します。

show running-configuration [ interface interface-id ]

インターフェイスが所属できる IGMP グループの最大数(設定されている場合)や、インターフェイスに適用される IGMP プロファイルを含む、特定のインターフェイスまたはスイッチ上のすべてのインターフェイスの設定を表示します。