Catalyst 2940 スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド 12.1(22)EA11 and Later
スイッチの IP アドレスおよび デフォルト ゲートウェイの割り当て
スイッチの IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイの割り当て
発行日;2012/02/03 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 5MB) | フィードバック

目次

スイッチの IP アドレスおよび

起動プロセスの概要

スイッチ情報の割り当て

デフォルトのスイッチ情報

DHCP ベースの自動設定の概要

DHCP クライアントの要求プロセス

DHCP ベースの自動設定の設定

DHCP サーバ設定時の注意事項

TFTP サーバの設定

DNS の設定

リレー装置の設定

コンフィギュレーション ファイルの入手方法

構成例

設定情報付き DHCP ベースの自動設定の概要

制限事項および制約事項

設定情報付き DHCP ベースの自動設定の設定

手動による IP 情報の割り当て

実行コンフィギュレーションの確認と保存

スイッチの IP アドレスおよび
デフォルト ゲートウェイの割り当て

この章では、Catalyst 2940 スイッチに自動および手動による各種の方法でスイッチの初期設定(たとえば、スイッチ IP アドレスやデフォルトのゲートウェイ情報の割り当て)を行う方法について説明します。


) この章で使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスおよび『Cisco IOS IP and IP Routing Command Reference』Release 12.1 を参照してください。


この章で説明する内容は、次のとおりです。

「起動プロセスの概要」

「スイッチ情報の割り当て」

「実行コンフィギュレーションの確認と保存」

起動プロセスの概要

スイッチを起動するには、まず、ハードウェア インストレーション ガイドに記載された手順に従ってスイッチを設置し、電源を投入して、スイッチの初期設定(IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、シークレット パスワードおよび Telnet パスワードなど)を行う必要があります。

通常の起動プロセスにはブートローダ ソフトウェアの操作も含まれます。ブート ローダは以下のアクティビティを実行します。

下位レベルの CPU 初期化を行います。CPU レジスタを初期化することにより、物理メモリがマッピングされる場所、容量、速度などを制御します。

CPU サブシステムの Power-on Self-Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)を行います。CPU DRAM と、フラッシュ ファイル システムを構成するフラッシュ デバイスの部分をテストします。

システム ボード上のフラッシュ ファイル システムを初期化します。

デフォルトの Operating System(OS; オペレーティング システム)ソフトウェア イメージをメモリにロードし、スイッチを起動します。

ブート ローダによってフラッシュ ファイル システムにアクセスしてから、OS をロードします。通常、ブート ローダは、OS のロード、圧縮解除、および起動の目的でのみ使用します。OS が CPU を制御できるようになると、ブート ローダは、次にシステムがリセットされるか電源が投入されるまでは非アクティブとなります。

また、OS が使用不能となるほどの重大な障害が発生した場合は、ブート ローダはシステムにトラップドア アクセスを行います。トラップドア メカニズムによるシステムへのアクセス機能により、必要があれば、フラッシュ ファイル システムをフォーマットし、XMODEM プロトコルを使用して OS のソフトウェアイメージを再インストールし、失われたパスワードを回復し、最終的に OS を再起動できます。詳細については、「ソフトウェア障害からの回復」および「パスワードを忘れた場合の回復」を参照してください。

スイッチ情報を割り当てるには、まず PC または端末がコンソール ポートに接続されており、PC または端末エミュレーション ソフトウェアのボーレートおよび文字形式がスイッチのコンソール ポートのものと一致していることを確認します。

ボーレートのデフォルトは、9600 です。

データ ビットのデフォルトは、8 です。

ストップ ビットのデフォルトは、1 です。

パリティ設定のデフォルトは、なしです。


) Express Setup を使用している場合、Express Setup を起動する前にスイッチに装置を接続しないでください。


詳細については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。

スイッチ情報の割り当て

IP 情報の割り当ては、スイッチの Express Setup プログラム、CLI(コマンドライン インターフェイス)ベースのセットアップ プログラム、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバを使用するか、または CLI を使用して手動で行います。スイッチの設定手順を十分理解している熟練者の場合は、スイッチを手動で設定してください。そうでない場合は、セットアップ プログラムのいずれかを使用します。

特定の IP 情報を要求する場合は、スイッチの Express Setup または CLI ベースのセットアップ プログラムを使用します。これらのプログラムを使用すると、デフォルト ゲートウェイ、ホスト名、およびスイッチのパスワード(イネーブル シークレット)を設定することもできます。また、任意で、Telnet パスワードの割り当て(リモート管理中のセキュリティ確保のため)および SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)をイネーブルにできます。また、CLI ベースのセットアップ プログラムにより、クラスタのコマンド スイッチまたはメンバー スイッチあるいはスタンドアロン スイッチとして、スイッチを設定することもできます。Express Setup および CLI ベースのセットアップ プログラムの詳細については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。

サーバ設定後の IP 情報の中央集中型管理と自動割り当てには、DHCP サーバを使用します。


) DHCP を使用している場合は、スイッチが動的に割り当てられた IP アドレスを受信してコンフィギュレーション ファイルを読み込むまでは、セットアップ プログラムからの質問に応答しないでください。


ここでは、次の設定手順について説明します。

「デフォルトのスイッチ情報」

「DHCP ベースの自動設定の概要」

「DHCP ベースの自動設定の設定」

「設定情報付き DHCP ベースの自動設定の概要」

「設定情報付き DHCP ベースの自動設定の設定」

「手動による IP 情報の割り当て」

デフォルトのスイッチ情報

表3-1 に、デフォルトのスイッチ情報を示します。

 

表3-1 デフォルトのスイッチ情報

機能
デフォルト設定

IP アドレスおよびサブネット マスク

IP アドレスまたはサブネット マスクは定義されていません。

デフォルト ゲートウェイ

デフォルト ゲートウェイは定義されていません。

イネーブル シークレット パスワード

パスワードは定義されていません。

ホスト名

出荷時設定のホスト名は Switch です。

Telnet パスワード

パスワードは定義されていません。

クラスタ コマンド スイッチ機能

ディセーブル

クラスタ名

クラスタ名は定義されていません。

DHCP ベースの自動設定の概要

DHCP は、インターネットホストおよびインターネットワーキング デバイスに設定情報を提供します。このプロトコルは、2 つのコンポーネントで構成されています。1 つは DHCP サーバから装置にコンフィギュレーション パラメータを提供するコンポーネント、もう 1 つは装置にネットワーク アドレスを割り当てるコンポーネントです。DHCP はクライアント/サーバ モデルに基づいています。指定された DHCP サーバが、動的に設定される装置に対して、ネットワークアドレスを割り当て、コンフィギュレーション パラメータを提供します。スイッチは、DHCP クライアントと DHCP サーバ両方として機能します。

DHCP ベースの自動設定中、スイッチ(DHCP クライアント)は、起動時に、IP アドレス情報およびコンフィギュレーション ファイルによって自動的に設定されます。


) 設定されていないスイッチまたは新しいスイッチをネットワーク上に配置する場合にのみ、DHCPベースの自動設定が行われます。


DHCP ベースの自動設定を使用すると、スイッチ上で DHCP クライアント側の設定を行う必要はありません。ただし、DHCP サーバには IP アドレスに対応する各種のリース オプションを設定する必要があります。DHCP を使用してネットワーク上にコンフィギュレーション ファイルをリレーする場合は、TFTP サーバおよび Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)サーバの設定が必要なこともあります。

DHCP サーバは、スイッチと同じ LAN 上にあっても、異なる LAN 上にあってもかまいません。DHCP サーバが別の LAN で実行されている場合は、スイッチと DHCP サーバ間に DHCP リレーを設定する必要があります。リレー装置は、直接接続されている 2 つの LAN 間でブロードキャスト トラフィックを転送します。ルータはブロードキャスト パケットを転送しませんが、受信したパケットの宛先 IP アドレスに基づいてパケットを転送します。

DHCP ベースの自動設定は、スイッチの BOOTP クライアント機能に代わるものです。

DHCP クライアントの要求プロセス

スイッチを起動したときに、スイッチにコンフィギュレーション ファイルがない場合は、DHCP クライアントが起動され、DHCP サーバに対して設定情報を要求します。

次の場合には DHCP の自動設定は行われません。

コンフィギュレーション ファイルがあり、スイッチ上で service config グローバル コンフィギュレーション コマンドがディセーブルになっている場合

コンフィギュレーション ファイルがあり、スイッチ上で service config グローバル コンフィギュレーション コマンドがイネーブルになっている場合。この場合、スイッチはコンフィギュレーション ファイルに向けて TFTP 要求をブロードキャストします。

図3-1 に、DHCP クライアントと DHCP サーバ間で交換される一連のメッセージを示します。

図3-1 DHCP クライアント/サーバ間のメッセージ交換

 

クライアントであるスイッチ A は、DHCP サーバの場所を特定するために、DHCPDISCOVER メッセージをブロードキャストします。DHCP サーバは、DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって、使用可能なコンフィギュレーション パラメータ(IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ IP アドレス、DNS IP アドレス、IP アドレス用のリースなど)をクライアントに提示します。

DHCPREQUEST ブロードキャスト メッセージでは、クライアントは、提示された設定情報に対して、DHCP サーバに正式な要求を戻します。この正式な要求はブロードキャストされるため、クライアントから DHCPDISCOVER ブロードキャスト メッセージを受信した他の DHCP サーバはすべて、クライアントに提示した IP アドレスを再利用できます。

DHCP サーバは、DHCPACK ユニキャスト メッセージをクライアントに戻すことで、IP アドレスがクライアントに割り当てられたことを確認します。このメッセージによって、クライアントとサーバは結び付けられ、クライアントはサーバから受信した設定情報を使用します。スイッチの受信する情報量は、DHCP サーバの設定方法によって異なります。詳細については、「DHCP サーバ設定時の注意事項」を参照してください。

DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって送信されたコンフィギュレーション パラメータが無効である(コンフィギュレーション エラーがある)場合、クライアントは DHCP サーバに、DHCPDECLINE ブロードキャスト メッセージを戻します。

DHCP サーバはクライアントに、提示されたコンフィギュレーション パラメータが割り当てられていない、パラメータのネゴシエーション中にエラーが発生した、または DHCPOFFER メッセージに対するクライアントの応答が遅れている(DHCP サーバがパラメータを別のクライアントに割り当てた)という意味の DHCPNAK 拒否ブロードキャスト メッセージを送信します。

DHCP クライアントは、複数の DHCP サーバまたは BOOTP サーバから提示を受け取り、そのうちの任意の 1 つを受け入れることができますが、通常は最初に受け取った提示を受け入れます。DHCP サーバから提示された IP アドレスが必ずしもクライアントに割り当てられるわけではありません。ただし、サーバは通常、クライアントが正式にアドレスを要求するまではアドレスを保存しておきます。スイッチが BOOTP サーバからの応答を受け入れて、自身を設定する場合、スイッチはスイッチ コンフィギュレーション ファイルを入手するために、TFTP 要求をユニキャストするのではなくブロードキャストします。

DHCP ベースの自動設定の設定

ここでは、DHCP ベースの自動設定を設定する手順について説明します。

「DHCP サーバ設定時の注意事項」

「TFTP サーバの設定」

「DNS の設定」

「リレー装置の設定」

「コンフィギュレーション ファイルの入手方法」

「構成例」

DHCP サーバ設定時の注意事項

装置を DHCP サーバとして設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

DHCP サーバには、スイッチ ハードウェア アドレスによって各スイッチにバインドされた、専用のリースを設定する必要があります。

スイッチに IP アドレス情報を受信させるには、DHCP サーバに次のリース オプションを設定する必要があります。

クライアントの IP アドレス(必須)

クライアントのサブネット マスク(必須)

DNS サーバの IP アドレス(任意)

ルータの IP アドレス(スイッチで使用するデフォルト ゲートウェイ アドレス)(必須)

スイッチに TFTP サーバからコンフィギュレーション ファイルを受信させる場合は、DHCP サーバに次のリース オプションを設定する必要があります。

TFTP サーバ名(必須)

ブート ファイル名(クライアントが必要とするコンフィギュレーション ファイル名)(推奨)

ホスト名(任意)

DHCP サーバの設定によっては、スイッチは IP アドレス情報またはコンフィギュレーション ファイル、あるいはその両方を受信できます。

DHCP サーバに上記のリース オプションを設定しない場合、DHCP サーバはクライアントの要求に対して、設定されているパラメータだけに応答します。IP アドレスおよびサブネット マスクが応答に含まれていないと、スイッチは設定されません。ルータの IP アドレスまたは TFTP サーバ名が見つからない場合、スイッチは TFTP 要求をユニキャストせずにブロードキャストする場合があります。その他のリース オプションが使用できない場合は、自動設定には影響しません。

TFTP サーバの設定

DHCP サーバの設定に基づいて、スイッチは TFTP サーバから 1 つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。TFTP サーバへの IP 接続に必要なすべてのオプションについてスイッチに応答するよう DHCP を設定している場合、かつ TFTP サーバ名、アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を指定して DHCP サーバを設定している場合、スイッチは指定された TFTP サーバから指定されたコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。

コンフィギュレーション ファイル名および TFTP サーバを指定しなかった場合、またはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードできなかった場合は、スイッチはファイル名と TFTP サーバアドレスをさまざまに組み合わせてコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。ファイルには、特定のコンフィギュレーション ファイル名(認識している場合)と次のファイルが指定されています。network-config、cisconet.cfg、 hostname .config、または hostname .cfg です。この場合、 hostname はスイッチの現在のホスト名です。使用される TFTP サーバアドレスには、指定された TFTP サーバのアドレス(認識している場合)、およびブロードキャスト アドレス
(255.255.255.255)が含まれています。

スイッチが正常にコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするには、TFTP サーバは、そのベース ディレクトリに 1 つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルを含んでいる必要があります。設定できるファイルは、次のとおりです。

DHCP 応答で指定されているコンフィギュレーション ファイル(実際のスイッチ コンフィギュレーション ファイル)

network-confg または cisconet.cfg ファイル(デフォルトのコンフィギュレーション ファイル)

router-confg または ciscortr.cfg ファイル(これらのファイルには、すべてのスイッチに共通のコマンドが含まれています。通常、DHCP および TFTP サーバが適切に設定されていれば、これらのファイルはアクセスされません。)

DHCP サーバ リース データベースに TFTP サーバ名を指定する場合は、DNS サーバのデータベースに TFTP サーバ名と IP アドレスのマッピングを設定する必要もあります。

使用する TFTP サーバが、スイッチとは異なる LAN 上にある場合、またはスイッチがブロードキャスト アドレスを使用してアクセスした場合(前述のすべての必須情報が DHCP サーバの応答に含まれていない場合に発生)は、リレーを設定して TFTP サーバに TFTP パケットを転送する必要があります。詳細については、「リレー装置の設定」を参照してください。すべての必須情報を含むように DHCP サーバを設定することを推奨します。

DNS の設定

DHCP サーバは、DNS サーバを使用して TFTP サーバ名を IP アドレスに変換します。DNS サーバ上で、TFTP サーバ名から IP アドレスへのマッピングを設定する必要があります。TFTP サーバには、スイッチのコンフィギュレーション ファイルが存在します。

DNS サーバの IP アドレスを、DHCP 応答が IP アドレスを取得する DHCP サーバのリース データベースに設定できます。リース データベースには、DNS サーバの IP アドレスを最大 2 つまで入力できます。

DNS サーバは、スイッチと同じ LAN 上に存在しても、またスイッチとは別の LAN 上に存在していてもかまいません。DHCP サーバが別の LAN 上に存在する場合、スイッチはルータを介して DHCP サーバにアクセス可能である必要があります。

リレー装置の設定

スイッチが、別の LAN 上のホストからの応答を必要とするブロードキャスト パケットを送信する場合は、リレー装置(リレー エージェント)を設定する必要があります。スイッチが送信する可能性のあるブロードキャスト パケットの例として DHCP パケットや DNS パケット、場合によっては TFTP パケットなどが挙げられます。リレー装置は、インターフェイス上の受信ブロードキャスト パケットを宛先ホストに転送するように設定する必要があります。

リレー装置がシスコ ルータである場合、IP ルーティングをイネーブルにし( ip routing グローバル コンフィギュレーション コマンド)、 ip helper-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ヘルパー アドレスを設定します。

図3-2 では、ルータ インターフェイスを次のように設定しています。

インターフェイス 10.0.0.2 では、

router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.2
router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.3
router(config-if)# ip helper-address 20.0.0.4
 

インターフェイス 20.0.0.1 では、

router(config-if)# ip helper-address 10.0.0.1
 

図3-2 自動設定でのリレー装置の使用

 

コンフィギュレーション ファイルの入手方法

IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が DHCP で専用のリースとして取得できるかどうかに応じて、スイッチは次の方法で設定情報を入手します。

IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名がスイッチ用に予約され、DHCP 応答で提供されている場合(1 ファイル読み込み方式)

スイッチは、DHCP サーバから IP アドレス、サブネット マスク、TFTP サーバ アドレス、コンフィギュレーション ファイル名を受け取ります。スイッチは、TFTP サーバにユニキャスト メッセージを送信して、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバのベース ディレクトリから取得して、ブートアップ プロセスを完了します。

スイッチの IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名がスイッチ用に予約されているが、TFTP サーバ アドレスは DHCP 応答で提供されない場合(1 ファイル読み込み方式)

スイッチは、DHCP サーバから IP アドレス、サブネット マスク、コンフィギュレーション ファイル名を受け取ります。スイッチは、TFTP サーバにブロードキャスト メッセージを送信して、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバのベース ディレクトリから取得してブートアップ プロセスを完了します。

IP アドレスだけがスイッチ用に予約されて、DHCP 応答で提供されており、コンフィギュレーション ファイル名は提供されない場合(2 ファイル読み込み方式)

スイッチは、DHCP サーバから IP アドレス、サブネット マスク、TFTP サーバ アドレスを受け取ります。スイッチは、TFTP サーバにユニキャストメッセージを送り、network-confg または cisconet.cfg のデフォルトのコンフィギュレーション ファイルを取得します(network-confg ファイルが読み込めない場合、スイッチは cisconet.cfg ファイルを読み込みます)。

デフォルトのコンフィギュレーション ファイルには、スイッチのホスト名から IP アドレスへのマッピングが含まれています。スイッチは、ファイルの情報をホスト テーブルに書き込み、ホスト名を入手します。ファイルにホスト名がない場合、スイッチは DHCP 応答で指定されたホスト名を使用します。DHCP 応答でホスト名が指定されていない場合、スイッチはデフォルトの Switch をホスト名として使用します。

デフォルトのコンフィギュレーション ファイルまたは DHCP 応答からホスト名を入手したあと、スイッチはホスト名と同じ名前のコンフィギュレーション ファイル(network-confg または cisconet.cfg のどちらが先に読み込まれたかに応じて、 hostname -confg または hostname .cfg)を TFTP サーバから読み込みます。cisconet.cfg ファイルが読み込まれている場合は、ホストのファイル名は 8 文字に切り捨てられます。

network-confg、cisconet.cfg、またはホスト名と同じ名前のファイルを読み込むことができない場合、スイッチは router-confg ファイルを読み込みます。router-confg ファイルを読み込むことができない場合、スイッチは ciscortr.cfg ファイルを読み込みます。


) DHCP 応答から TFTP サーバを入手できなかった場合、ユニキャスト伝送によるコンフィギュレーション ファイルの読み込みに失敗した場合、または TFTP サーバ名を IP アドレスに変換できない場合には、スイッチは TFTP サーバ要求をブロードキャストします。


構成例

図3-3 に、DHCP ベースの自動設定を使用して IP 情報を取得するネットワークの構成例を示します。

図3-3 DHCP ベースの自動設定を使用するネットワークの構成例

 

表3-2 に、DHCP サーバ上の専用リースのコンフィギュレーションを示します。

 

表3-2 DHCP サーバ コンフィギュレーション

スイッチ 1
スイッチ 2
スイッチ 3
スイッチ 4

バインディング キー(ハードウェア アドレス)

00e0.9f1e.2001

00e0.9f1e.2002

00e0.9f1e.2003

00e0.9f1e.2004

IP アドレス

10.0.0.21

10.0.0.22

10.0.0.23

10.0.0.24

サブネット マスク

255.255.255.0

255.255.255.0

255.255.255.0

255.255.255.0

ルータ アドレス

10.0.0.10

10.0.0.10

10.0.0.10

10.0.0.10

DNS サーバ アドレス

10.0.0.2

10.0.0.2

10.0.0.2

10.0.0.2

TFTP サーバ名

tftpserver または 10.0.0.3

tftpserver または 10.0.0.3

tftpserver または 10.0.0.3

tftpserver または 10.0.0.3

ブート ファイル名(コンフィギュレーション ファイル)(任意)

switcha-confg

switchb-confg

switchc-confg

switchd-confg

ホスト名(任意)

switcha

switchb

switchc

switchd

DNS サーバ コンフィギュレーション

DNS サーバは、TFTP サーバ名 tftpserver を IP アドレス 10.0.0.3 にマッピングします。

TFTP サーバ コンフィギュレーション(UNIX)

TFTP サーバのベース ディレクトリは、/tftpserver/work/に設定されています。このディレクトリには、2 ファイル読み込み方式で使用される network-confg ファイルがあります。このファイルには、IP アドレスに基づいてスイッチに割り当てられるホスト名が含まれています。ベース ディレクトリには、次に示すように、各スイッチのコンフィギュレーション ファイル( switcha-confg
switchb-confg
など)も含まれています。

prompt> cd /tftpserver/work/
prompt> ls
network-confg
switcha-confg
switchb-confg
switchc-confg
switchd-confg
prompt> cat network-confg
ip host switch1 10.0.0.21
ip host switch2 10.0.0.22
ip host switch3 10.0.0.23
ip host switch4 10.0.0.24
 

DHCP クライアント コンフィギュレーション

スイッチ A ~スイッチ D には、コンフィギュレーション ファイルは存在しません。

コンフィギュレーションの説明

図3-3 の場合、スイッチ A はコンフィギュレーション ファイルを次のようにして読み込みます。

DHCP サーバから IP アドレス 10.0.0.21 を入手します。

DHCP サーバの応答でコンフィギュレーション ファイル名が提供されない場合、スイッチ A は TFTP サーバのベース ディレクトリから network-confg ファイルを読み込みます。

ホスト テーブルに network-confg ファイルの内容を追加します。

IP アドレス 10.0.0.21 を基にホスト テーブルを検索し、ホスト名(switcha)を取得します。

ホスト名に対応するコンフィギュレーション ファイルを読み込みます。たとえば、TFTP サーバから switch1-confg を読み込みます。

スイッチ B ~スイッチ D も同様に、コンフィギュレーション ファイルおよび IP アドレスを取得します。

設定情報付き DHCP ベースの自動設定の概要

設定情報付き DHCP ベースの自動設定は、メモリに基本設定ファイルがすでに含まれているスイッチ上で自動設定をイネーブルにできるようになったことを除いて、DHCPベースの自動設定とまったく同等に機能します。

設定情報付き DHCP ベースの自動設定を使用するには、スイッチに基本的なブート設定を事前に設定し、ネットワークでスイッチを展開する必要があります。この事前設定には、IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイルを取得するのに必要なレイヤ 3 インターフェイスを含める必要があります。このレイヤ 3 インターフェイスには、Option 150 TFTP サーバの IP アドレスおよび Option 67 コンフィギュレーション ファイル名を持つ DHCP サーバ上で設定された、特定の DHCP 範囲が必要です。スイッチをネットワークに組み込んだあと、スイッチがイネーブルであれば、自動インストール機能が開始します。ダウンロードしたコンフィギュレーション ファイルはスイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。コンフィギュレーション ファイルは、NVRAM(不揮発性RAM)には保存されません。スイッチを再起動した場合、ダウンロードした設定は無視され、新しい設定が TFTPサーバからダウンロードされます。

制限事項および制約事項

ネットワークにアップ状態のレイヤ 3 インターフェイスが 1 つもなく、割り当てられた IP アドレスがない場合、設定情報付き DHCP ベースの自動設定プロセスは中止されます。

タイムアウトを設定しないと、設定情報付き DHCP ベースの自動設定機能は IP アドレスのダウンロードを永久に試行し続けます。

コンフィギュレーション ファイルをダウンロードできない、またはファイルが破損した場合、自動インストール プロセスは中止されます。


write memory または copy running-configuration startup-configuration コンフィギュレーション コマンドを入力しないかぎり、TFTP からダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルは、スイッチの実行コンフィギュレーションの既存設定と統合され、NVRAM には保存されません。ダウンロードされた設定がスタートアップ コンフィギュレーションに保存される場合、次にシステムを再起動するまでこの機能は開始されません。


設定情報付き DHCP ベースの自動設定の設定

設定情報付き DHCP ベースの自動設定を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

boot host dhcp

設定情報付きの自動設定をイネーブルにします。

ステップ 3

boot host retry timeout timeout-value

(任意)システムがコンフィギュレーション ファイルをダウンロードする時間を設定します。


) タイムアウトを設定しないと、システムは DHCP サーバからの IP アドレス取得を永久に試行し続けます。


ステップ 4

banner config-save ^C warning-message ^C

(任意)コンフィギュレーション ファイルを NVRAM に保存しようとした場合に表示される警告メッセージを作成します。

ステップ 5

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 6

show boot

設定を確認します。

次に、VLAN(仮想LAN)99 上のレイヤ 3 SVI(スイッチ仮想インターフェイス)を使用して、設定情報付き DHCP ベースの自動設定をイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminal
Switch(conf)# boot host dhcp
Switch(conf)# boot host retry timeout 300
Switch(conf)# banner config-save ^C Caution - Saving Configuration File to NVRAM May Cause You to Nolonger Automatically Download Configuration Files at Reboot^C
Switch(config)# vlan 99
Switch(config-vlan)# interface vlan 99
Switch(config-if)# no shutdown
Switch(config-if)# end
Switch# show boot
BOOT path-list:
Config file: flash:/config.text
Private Config file: flash:/private-config.text
Enable Break: no
Manual Boot: no
HELPER path-list:
NVRAM/Config file
buffer size: 32768
Timeout for Config
Download: 300 seconds
Config Download
via DHCP: enabled (next boot: enabled)
Switch#

) レイヤ 3 インターフェイスを設定およびイネーブルにするだけで、IP アドレスは割り当てないでください。割り当てると、設定情報付き DHCP ベースの自動設定が動作しなくなります。


手動による IP 情報の割り当て

VLAN またはポートに手動で IP 情報を割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。

 

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface vlan vlan-id

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP 情報を割り当てる VLAN を入力します。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

ステップ 3

ip address ip-address subnet-mask

IP アドレスおよびサブネット マスクを入力します。

ステップ 4

exit

グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

ステップ 5

ip default-gateway ip-address

スイッチに直接接続しているネクスト ホップのルータ インターフェイスの IP アドレスを入力します。このスイッチにはデフォルト ゲートウェイが設定されています。デフォルト ゲートウェイは、スイッチから宛先 IP アドレスを取得していない IP パケットを受信します。

デフォルト ゲートウェイが設定されると、スイッチは、ホストが接続する必要のあるリモート ネットワークに接続できます。


) IP でルーティングするようにスイッチを設定すると、デフォルト ゲートウェイを設定する必要はありません。


ステップ 6

end

特権 EXEC モードに戻ります。

ステップ 7

show interfaces vlan vlan-id

設定された IP アドレスを確認します。

ステップ 8

show ip redirects

設定されたデフォルト ゲートウェイを確認します。

ステップ 9

copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。

スイッチの IP アドレスを削除するには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。Telnet セッションからアドレスを削除すると、スイッチの接続は切断されます。デフォルト ゲートウェイのアドレスを削除する場合は、 no ip default-gateway グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。

スイッチのシステム名の設定、特権 EXEC コマンドへのアクセスの保護、時刻および日付の設定については、「スイッチの管理」を参照してください。

実行コンフィギュレーションの確認と保存

show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、入力した設定や変更を確認できます。このコマンドの出力の詳細については、『Cisco IOS Configuration Fundamental Command Reference』Release 12.1 を参照してください。

スタートアップ コンフィギュレーションに対して行った設定や変更をフラッシュ メモリに保存するには、copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを使用します。このコマンドにより、入力した設定値が保存されます。保存できなかった場合、設定は次のシステム リロード時に失われます。フラッシュ メモリの NVRAM(不揮発性 RAM)セクションに保存されている情報を表示するには、 show startup-config または more startup-config 特権 EXEC コマンドを使用します。