Cisco SFS InfiniBand Fibre Channel Gateway ユーザ ガイド
ファイバ チャネル ゲートウェイの概要
ファイバ チャネル ゲートウェイの概要
発行日;2012/01/14 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

ファイバ チャネル ゲートウェイの概要

ファイバ チャネル ゲートウェイの概要

用語および概念

ハードウェアの機能

帯域幅および速度

メンテナンス

ソフトウェアの機能

冗長性およびハイ アベイラビリティ

ロード バランシング

パス アフィニティ

フェールオーバー

アクセス コントロール

ゾーン分割

LUN マスキング

ポート マスキング

速度

トポロジ

ファイバ チャネル ゲートウェイの動作

イニシエータ/ターゲット/LUN(ITL)グループ

イニシエータ

ターゲット

LUN

ファイバ チャネル ゲートウェイの概要

ファイバ チャネル ゲートウェイ拡張モジュール(図1-1)は、サーバ スイッチをファイバ チャネル Storage Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)に接続します。このゲートウェイは、ダイナミックに生成された World Wide Node Name(WWNN)および関連 World Wide Port Name(WWPN)を、接続されている各 InfiniBand(IB)ホストまたはイニシエータに関連付けて、ファイバ チャネルと IB ネットワーク間にシームレスな接続性を提供します。ゲートウェイによって IB エレメント用のファイバ チャネル対応識別名が作成されるので、既存の SAN 管理ツールや手順を変更することなく、ストレージを管理できます。

図1-1 ファイバ チャネル ゲートウェイ拡張モジュール

 

用語および概念

このマニュアルでは、ファイバ チャネル ゲートウェイおよびゲートウェイと通信するエレメントに関連する、多数の用語、概念、および識別名を使用しています。ファイバ チャネル ゲートウェイの用語および概念 に、ファイバ チャネル ゲートウェイの主要な用語および概念の説明を示します。

 

表1-1 ファイバ チャネル ゲートウェイの用語および概念

用語
説明

オートバインド

ファイバ チャネル ゲートウェイのオートバインド機能は、WWNN および WWPN を新しいイニシエータにダイナミックに割り当てます。イニシエータの設定時に、これらの値を手動で設定できますが、値が重複するとネットワークに対立が生じます。オートバインド機能を使用すると一意の WWNN および WWPN が作成されるので、設定時間を短縮でき、ネットワークの対立も回避できます。

ゲートウェイ グルーピングをイネーブルにする場合は、イニシエータの設定時にオートバインド機能を除外する必要があります。ゲートウェイ グルーピングの詳細は、「ゲートウェイ グルーピング」を参照してください。

イニシエータ

ホスト、Host Channel Adapter(HCA; ホスト チャネル アダプタ)、およびサーバ スイッチは、ファイバ チャネル接続ホストまたはイニシエータをエミュレートします。HCA およびホスト ドライバは、ホストの SCSI RDMA Protocol(SRP)機能に対応します。このマニュアルでは、「イニシエータ」という用語は SRP ホストを意味します。

IT

Initiator-Target(IT; イニシエータ/ターゲット)の組み合わせは、ファイバ チャネル ゲートウェイを経由した SRP ホストからストレージ デバイス ターゲット ポートまでの接続を表します。

ITL

ITL は、IB ホストとファイバ チャネル(FC)ストレージ間のパスとして動作します。ITL は、イニシエータ、ターゲット、Logical Unit(LU; 論理ユニット)、およびこれらの中間にあるスイッチによって構成されます。

LU(論理ユニット)

LU は、ファイバ チャネル ストレージ デバイス上のパーティション、ディスク、またはテープの絶対識別名です。各 LU は、1 つの特定のストレージ ユニットを識別します。ファイバ チャネル ゲートウェイによって LU が LUN(論理ユニット番号)にマップされ、ホストはマップされた LUN 識別名を使用してストレージにアクセスします。

LUN(論理ユニット番号)

各 LUN は、ファイバ チャネル ストレージ ユニットを識別します。LUN は絶対識別名ではありません。同じ LU に対して、最大 4 つの異なる LUN が割り当てられます。ファイバ チャネル ゲートウェイは、LU に自動的に LUN を割り当てます。LUN は、イニシエータ側の識別名です。イニシエータは、LUN に対応する LU に情報を書き込むために、LUN を認識できる必要があります。

パス アフィニティ

ファイバ チャネル ゲートウェイのパス アフィニティ機能は、データ転送中のパスへのストレージ接続をロックすることにより、データ転送のスピードと効率を向上させます。

ランダム デバイス

ランダム デバイスは、LU が割り当てられた、ランダム(非順次的)にアクセスできるストレージ デバイスです。RAID デバイスおよび JBOD は、ランダム デバイスとして使用されます。

シーケンシャル デバイス

シーケンシャル デバイスは、LU が割り当てられた、順次的にしかアクセスできないストレージ デバイスです。テープ デバイスは、シーケンシャル デバイスとして使用されます。

ファイバ チャネル ゲートウェイでは、ランダム デバイスおよびシーケンシャル デバイスへの接続に対して、個別のデフォルト値を設定できます。たとえば、データ アクセスに時間を要することがあるテープ(シーケンシャル)デバイスには、より長いタイムアウト値を設定できます。ランダムおよびシーケンシャルの設定オプションは、グローバル アトリビュートおよび ITL の設定時に設定できます。

サービス名

サービス名は、ファイバ チャネル機能の識別名です。すべてのファイバ チャネル コンポーネントにサービス名が割り当てられます。ファイバ チャネル ゲートウェイは、IB コンポーネントのサービス名をダイナミックに作成します。

SRP ホスト

「SRP ホスト」はイニシエータ(上記)と同義語ですが、ITL で、SRP を実装しているホストがファイバ チャネル ストレージ デバイスと通信することが強調されます。

ターゲット

ターゲットは、ファイバ チャネル ストレージ デバイスです。このマニュアルでは、「ターゲット」は、イニシエータがディスクまたはテープにアクセスするために使用する、ストレージ デバイス上のポートを意味します。

透過トポロジ エミュレーション

ファイバ チャネル ゲートウェイの透過トポロジ エミュレーション機能では、すべての IB エレメントにファイバ チャネル識別名が割り当てられるので、SAN から、ファイバ チャネル デバイスであるかのように IB エレメントにアクセスできます。透過トポロジ エミュレーションを使用することで、IB ファブリックと通信するために SAN を変更する必要がなくなります。

World-Wide Node Name(WWNN)

WWNN は、SAN でホストのファイバ チャネル識別名として機能します。ファイバ チャネル ゲートウェイは、SRP ホストに WWNN をダイナミックに割り当てます。また、ファイバ チャネル ゲートウェイ自身にも WWNN が割り当てられます。

World-Wide Port Name(WWPN)

WWPN は、SAN でポートのファイバ チャネル識別名として機能します。SRP ホスト(イニシエータ)の設定時に、ファイバ チャネル ゲートウェイにより、すべてのイニシエータ/ファイバ チャネル ゲートウェイとポートの組み合わせに対して、WWPN が作成されます。

ハードウェアの機能

ファイバ チャネル ゲートウェイは、既存環境の帯域幅を増加し、速度を改善します。

帯域幅および速度

ファイバ チャネル ゲートウェイ上の各ポートは、最大 2 Gbps の帯域幅を提供します。カード上のポートは、1 Gbps または 2 Gbps のどちらかで動作するように設定できます。


) ポートは個別に設定できますが、両方のポートが同じ速度で動作する必要があります。



) ゲートウェイ上のポートの速度が異なっていると、ゲートウェイはトラフィックを転送できません。必ず、両方のポートに同じ速度を設定するようにしてください。詳細については、『Cisco SFS Product Family Command Reference』の speed コマンドを参照してください。


メンテナンス

ファイバ チャネル ゲートウェイ拡張モジュールでは、次の作業を実行できます。

既存のサーバ スイッチにゲートウェイ カードを追加することによる、現在のポート数の拡張

拡張モジュールのホットスワップ

既存の拡張モジュールの、より新しく効率的な高容量モジュールへの交換

ファイバ チャネル ゲートウェイのカードは、サーバ スイッチを実行している状態で取り付けおよび取り外しができます。カードの取り付けおよび取り外しによって、他のネットワーク設定が中断されることはありません。


注意 ESD(静電気放電)による損傷を防止するために、取り外し可能なカードに触れるときは、必ず身体の静電気を除去してください。

ソフトウェアの機能

ファイバ チャネル ゲートウェイ モジュールは、サーバ スイッチと SAN 間の接続パフォーマンスを最適化します。ゲートウェイの機能によって、複数の接続にトラフィックを均等に分散し、トラフィックを中断なしで確実に転送し、ホスト/ストレージのアクセスを制御できます。ここでは、ファイバ チャネル ゲートウェイのソフトウェア機能について説明します。

冗長性およびハイ アベイラビリティ

ファイバ チャネル ゲートウェイで冗長パスを作成すると、カード間および ITL 内の両方の High Availability(HA; ハイ アベイラビリティ)がサポートされます。ファイバ チャネル ゲートウェイ間の HA サポートは、自動的に実行されます。IB ファブリック内の複数のファイバ チャネル ゲートウェイで、同じホストからのストレージ デバイスへのアクセスをサポートする場合、ゲートウェイ間にトラフィックを均等に分散できます。別のゲートウェイを追加する場合には、新しいゲートウェイにトラフィックが分散されるように、トラフィックを再配分できます。1 つのゲートウェイが使用不可になると、他のゲートウェイが使用不可のゲートウェイのトラフィックを自動的に引き継ぎます。

ITL 内の HA サポートには、相互に排他的な 3 つの機能があります。

ゲートウェイ ポートのダイナミック ロード バランシング

ダイナミック パス アフィニティ

ゲートウェイ ポートのダイナミック フェールオーバー

実行したい機能を設定できます。詳細については、 「グローバル アトリビュート」 の章を参照してください。

ロード バランシング

ファイバ チャネル ゲートウェイの両方のポートで同じストレージへのパスを提供する場合、ロード バランシングを設定して、両方のポートにトラフィックを均等に分散できます。

パス アフィニティ

パス アフィニティは、データ転送中、ストレージ接続をパスにロックします。パス アフィニティを使用すると、ターゲット側のコンテキストの切り換えが減少するので、特定のタイプの RAID デバイスの効率が著しく向上します。

フェールオーバー

ファイバ チャネル ゲートウェイの両方のポートが同じストレージへのパスを提供する場合、一方のポートが全トラフィックを管理している間は他方のポートが休止するように、フェールオーバーを設定できます。アクティブ ポートに障害が発生すると、同じゲートウェイの休止ポートがトラフィックを引き継ぎます。


) ファイバ チャネル ゲートウェイでダイナミック ポート ロード バランシングまたはダイナミック パス アフィニティをアクティブにした場合でも、ダイナミック ポート フェールオーバー機能は引き続き有効です。


アクセス コントロール

ファイバ チャネル ゲートウェイは、ポート ベースのゾーン分割または LUN ベースの制限および許可を使用する、業界標準のファイバ チャネル アクセス コントロールをサポートしています。また、ゲートウェイでは追加のセキュリティ フィルタを提供しており、イニシエータ、ファイバ チャネル ストレージ ターゲット、および LUN に対して、個別または集合的に適用できます。

サーバ スイッチの Storage Manager は、アクセス コントロールの追加レベルとして、アクセス フィルタを提供します。アクセス フィルタによって、ホストからポートまたは LUN へのアクセスを許可または拒否できます。アクセス フィルタの設定方法については、 「グローバル アトリビュート」 の章を参照してください。

ゾーン分割

ゾーン分割は、ホストから SAN のストレージ ターゲット上にあるポートへのアクセスを許可または拒否します。ソフト ゾーンでは、WWNN および WWPN に基づいて、どのホストがどのサーバにアクセスできるかを決定します。ゾーンには、ファイバ チャネル ゲートウェイを経由して SAN に接続する任意の IB ホストを指定できます。

LUN マスキング

LUN マスキングは、ホストから LUN へのアクセスを許可または拒否します。LUN マスキング ポリシーは、ファイバ チャネル ゲートウェイを経由して SAN に接続する IB ホストに適用します。

ポート マスキング

ファイバ チャネル ゲートウェイを設定して、特定のイニシエータからゲートウェイ上の 1 つまたは複数のファイバ チャネル ポートへのアクセスを許可または拒否できます。ポート マスキングでは、SRP ホストが SAN 上のストレージ デバイスにアクセスするときのルートを制御できます。

速度

ファイバ チャネル ゲートウェイの各ポートの最大集約スループットは、単方向で 200 Mbps、双方向で 400 Mbps です。サーバ スイッチは、ファイバ チャネル ゲートウェイのポートを集約して、接続している各 HCA ポートまでの 410 Mbps の仮想ファイバ チャネル パイプラインを作成します。ファイバ チャネル ゲートウェイそのものは、800 Mbps の集約スループット、または 70,000 I/O Process(IOP)/秒をサポートします。

トポロジ

ファイバ チャネル ゲートウェイは、次のトポロジをシミュレートします。

Arbitrated Loop(AL; 調停ループ)

ファブリック接続 AL

SAN 側では、サーバ スイッチが、ファイバ チャネル接続ホストのあるハブとして認識されます。IB ファブリック側では、ファイバ チャネル ターゲットが、SRP ネイティブ ストレージ アレイとして認識されます。

ファイバ チャネル ゲートウェイの動作

ファイバ チャネル ゲートウェイは、透過トポロジ エミュレーションを実行して、IB ホストと SAN を接続します。ファイバ チャネル ゲートウェイは、WWNN および WWPN を IB ホストにダイナミックに割り当てて、ファイバ チャネル接続ホストをエミュレートします。ファイバ チャネル ゲートウェイおよび IB ホストは、SAN 側では、スイッチ ベース アーキテクチャの専用帯域幅の利点を備えたファイバ チャネル ハブ上のホスト グループとして認識されます(図1-2 を参照)。ファイバ チャネル ゲートウェイは、SAN の Fibre Channel Protocol(FCP)と IB ホストの SCSI RDMA Protocol(SRP)を相互に変換します。これにより、SAN と IB 接続ホストはシームレスに通信できます。SAN 管理ツールは、ファイバ チャネル管理において IB デバイスとファイバ チャネル デバイスを同等のものとして認識するので、すべての管理設定およびセキュリティ インフラストラクチャを正常に運用できます。

ファイバ チャネル ゲートウェイによってイニシエータに WWNN および WWPN が割り当てられたあと、アクセス コントロール ポリシーを設定して、ファイバ チャネル接続 LUN をイニシエータに関連付ける必要があります。

図1-2 仮想化されたファイバ チャネル ホスト

 

イニシエータ/ターゲット/LUN(ITL)グループ

ITL は、IB ホストとファイバ チャネル ストレージ デバイス間のパスを作成します。図1-3 に、ITL のコンポーネントを示します。

図1-3 ITL のコンポーネント

 

ITL の設定方法は、「ITL の設定」を参照してください。

イニシエータ

イニシエータとして動作するように、SRP ホストを設定します。ITL の設定時に、イニシエータの Global Unique Identifier(GUID)を使用して、ITL 内のホストを指定します。イニシエータの GUID は、HCA の GUID です(HCA 上のポートの GUID ではありません)。ITL の設定時に、イニシエータからターゲットおよび LUN へのアクセスを許可できます。

ターゲット

1 つまたは複数のディスク(ランダム デバイス)またはテープ(シーケンシャル デバイス)を備えたファイバ チャネル ストレージ デバイスは、ターゲットとして動作します。ITL の設定時に、ターゲット上のポートの WWPN を使用して、ITL 内のターゲットを指定します。

LUN

LUN は、ターゲット上の個々のストレージ エンティティを示します。LUN には、ディスク、テープ、RAID アレイの論理ストライプなどが含まれます。