Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS システム管理コンフィギュレーション ガイド リリース 6.x
LLDP の設定
LLDP の設定

LLDP の設定

この章では、ローカル ネットワーク上の他のデバイスを検出するために、Link Layer Discovery Protocol(LLDP)を設定する方法について説明します。

この章は、次の項で構成されています。

LLDP について

Cisco Discovery Protocol(CDP)は、ネットワークに接続された他のシスコ デバイスを自動的に検出し学習することをネットワーク管理アプリケーションによって可能にするデバイス検出プロトコルです。

他社製デバイスのディスカバリを許可するために、スイッチは、IEEE 802.1ab 規格で定義されているベンダー ニュートラルなデバイス ディスカバリ プロトコルであるリンク層検出プロトコル(LLDP)もサポートしています。 LLDP を使用すると、ネットワーク デバイスはネットワーク デバイスに関する情報を、ネットワーク上の他のデバイスにアドバタイズできます。 このプロトコルはデータリンク層で動作するため、異なるネットワーク層プロトコルが稼働する 2 つのシステムで互いの情報を学習できます。

LLDP は、デバイスおよびそのインターフェイスの機能と現在のステータスに関する情報を送信する単一方向のプロトコルです。 LLDP デバイスはこのプロトコルを使用して、他の LLDP デバイスからだけ情報を要求します。

LLDP は一連の属性をサポートしており、これを使用して他のデバイスを検出します。 これらの属性には、タイプ、長さ、および値(TLV)の説明が含まれています。 LLDP デバイスは TLV を使用して、ネットワーク上の他のデバイスと情報を送受信できます。 設定情報、デバイスの機能、デバイス ID などの詳細情報は、このプロトコルを使用してアドバタイズできます。

LLDP は、デフォルトで次の TLV を通知します。

  • DCBXP
  • 管理アドレス
  • ポート記述
  • ポート VLAN
  • システム機能
  • システム記述
  • システム名

DCBXP について

Data Center Bridging Exchange Protocol(DCBXP)は、LLDP を拡張したプロトコルです。 これは、ピア間のノード パラメータのアナウンス、交換、およびネゴシエートに使用されます。 DCBXP パラメータは、特定の DCBXP TLV にパッケージ化されます。 この TLV は、受信した LLDP パケットに応答するように設計されています。 このように、DCBXP は負荷の軽い確認応答メカニズムを LLDP の上位に追加し、このためリンク レベル プロトコルからの要求応答セマンティックを必要とするすべてのアプリケーションが DCBXP を利用できるようになります。

DCBXP を使用してパラメータとピア ノードの交換およびネゴシエーションが必要な他のアプリケーションは次のとおりです。

  • 優先度ベース フロー制御(PFC):PFC は、イーサネットの既存のポーズ メカニズムを拡張するものです。 これは、ユーザ プライオリティまたはサービス クラスに基づいてポーズをイネーブルにします。 PFC を使用して 8 つの仮想リンクに分割された物理リンクは、他の仮想リンクのトラフィックに影響を与えることなく、単一の仮想リンクでポーズを使用できる機能を提供します。 ユーザごとのプライオリティ単位でポーズをイネーブルにすることで、IP トラフィック用のパケット ドロップの輻輳管理を維持しながら、ドロップの無いサービスが必要なトラフィックに対し管理者がロスレス リンクを作成できます。
  • イネーブル化転送選択(ETS):ETS は、仮想リンクの最適帯域幅管理を可能にします。 また、ETS は、優先度のグループ化とも呼ばれます。 PFC の同じ優先度クラス内の処理の区別をイネーブルにします。 ETS は帯域割り当て、低遅延、またはベスト エフォートに基づいた順位付け処理を提供し、結果としてグループ単位のトラフィック クラスの割り当てを提供します。 たとえば、同一クラス内では、トラフィックのイーサネット クラスが高いプライオリティの指定とベスト エフォートがある可能性があります。 ETS によって、同じ優先度クラスの中でトラフィックを区別でき、優先度グループを作成できます。
  • アプリケーション プライオリティ設定 TLV:特定のプロトコルで使用される VLAN に関する情報を伝送します。

(注)  


Quality of Service(QoS)機能の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide』を参照してください。

DCBXP はデフォルトでイネーブルであり、提供された LLDP はイネーブルです。 LLDP がイネーブルである場合、[no] lldp tlv-select dcbxp コマンドを使用して DCBXP をイネーブルまたはディセーブルにすることができます。 LLDP の送信または受信がディセーブルになっているポートでは、DCBXP はディセーブルです。

High Availability(高可用性)

LLDP 機能はステートレス リスタートおよびステートフル リスタートをサポートします。 リブートまたはスーパーバイザ スイッチオーバー後に、実行コンフィギュレーションを適用します。

ハイ アベイラビリティの詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』を参照してください。

仮想化のサポート

サポートされる LLDP のインスタンスは 1 個です。

LLDP のライセンス要件

製品

ライセンス要件

Cisco NX-OS

LLDP にはライセンスは不要です。 ライセンス パッケージに含まれていない機能は nx-os イメージにバンドルされており、無料で提供されます。 Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細については、Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。

LLDP に関する注意事項および制約事項

LLDP に関する設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。

  • インターフェイス上で LLDP をイネーブルまたはディセーブルにするには、事前にデバイス上で LLDP をイネーブルにしておく必要があります。
  • LLDP は物理インターフェイスだけでサポートされています。
  • LLDP は 1 つのポートにつき 1 つのデバイスを検出できます。
  • Converged Network Adapter(CNA)を使用していない場合、LLDP は Linux サーバを検出できます。 LLDP は他のタイプのサーバを検出できません。
  • DCBXP の非互換性のメッセージは、物理ループバック接続がデバイスにある場合に network QoS ポリシーを変更するときに表示されることがあります。 非互換性があるのは短時間で、すぐに解消されます。

LLDP のデフォルト設定

この表は、LLDP のデフォルト設定を示します。

パラメータ(Parameters) デフォルト
グローバル LLDP ディセーブル
インターフェイス上の LLDP イネーブル(LLDP がグローバルにイネーブルになった後)
LLDP 保持時間(ディセーブルになる前) 120 秒
LLDP 再初期化遅延 2 秒
LLDP タイマー(パケット更新頻度) 30 秒
LLDP TLV イネーブル
LLDP 受信 イネーブル(LLDP がグローバルにイネーブルになった後)
LLDP 転送 イネーブル(LLDP がグローバルにイネーブルになった後)
DCBXP イネーブル(提供された LLDP がイネーブルになります)

LLDP の設定


(注)  


この機能の Cisco NX-OS コマンドは、類似した機能の Cisco IOS コマンドと異なる場合があります。

LLDP のグローバルなイネーブルまたはディセーブル

デバイスで LLDP をグローバルにイネーブルまたはディセーブルにできます。 デバイスで LLDP パケットの送信および受信を可能にするには、LLDP をグローバルにイネーブルにする必要があります。

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1configure terminal


    例:
    switch# configure terminal
    switch(config)#
    
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2[no] feature lldp


    例:
    switch(config)# feature lldp
    
     

    デバイス上で LLDP をイネーブルまたはディセーブルにします。 LLDP はデフォルトでディセーブルです。

     
    ステップ 3show running-config lldp


    例:
    switch(config)# show running-config lldp
    
     
    (任意)

    LLDP のグローバル コンフィギュレーションを表示します。 LLDP がイネーブルの場合、「feature lldp.」が表示され、LLDP がディセーブルの場合、「Invalid command」エラーが表示されます。

     
    ステップ 4copy running-config startup-config


    例:
    switch(config)# copy running-config startup-config
    
     
    (任意)

    実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

     

    インターフェイス上での LLDP のイネーブルまたはディセーブル

    LLDP をグローバルにイネーブルにすると、LLDP は、デフォルトでサポートされているすべてのインターフェイス上でイネーブルになります。 ただし、LLDP パケットの送信だけ、または受信だけを実行するために、個々のインターフェイスでの LLDP のイネーブルまたはディセーブル、あるいはインターフェイスの選択的な設定を実行できます。

    はじめる前に

    デバイスで LLDP をグローバルにイネーブルにしていることを確認します。

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1configure terminal


      例:
      switch# configure terminal
      switch(config)#
      
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2interface interface slot/port


      例:
      switch(config)# interface ethernet 7/1
      switch(config-if)#
      
       

      LLDP をイネーブルにするインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3[no] lldp transmit


      例:
      switch(config-if)# lldp transmit
      
       

      インターフェイス上で LLDP パケットの送信をイネーブルまたはディセーブルにします。 LLDP をグローバルにイネーブルにすると、LLDP は、デフォルトでサポートされているすべてのインターフェイス上でイネーブルになります。

       
      ステップ 4[no] lldp receive


      例:
      switch(config-if)# lldp receive
      
       

      インターフェイス上で LLDP パケットの受信をイネーブルまたはディセーブルにします。 LLDP をグローバルにイネーブルにすると、LLDP は、デフォルトでサポートされているすべてのインターフェイス上でイネーブルになります。

       
      ステップ 5show lldp interface interface slot/port


      例:
      switch(config-if)# show lldp interface ethernet 7/1
      
       
      (任意)

      インターフェイス上の LLDP 設定を表示します。

       
      ステップ 6copy running-config startup-config


      例:
      switch(config)# copy running-config startup-config
      
       
      (任意)

      実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

       

      LLDP オプション パラメータの設定

      LLDP の更新頻度、受信デバイスが情報を破棄するまでに保持している時間、および初期化の遅延時間を設定できます。 TLV を選択して、LLDP パケットに含まれるようにすることもできます。

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1configure terminal


        例:
        switch# configure terminal
        switch(config)#
        
         

        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 2[no] lldp holdtime seconds


        例:
        switch(config)# lldp holdtime 200
        
         
        (任意)

        ユーザのデバイスから送信された情報が、受信側デバイスで廃棄されるまでに保持される時間を秒単位で指定します。

        値の範囲は 10 ~ 255 秒で、デフォルト値は 120 秒です。

         
        ステップ 3[no] lldp reinit seconds


        例:
        switch(config)# lldp reinit 5
        
         
        (任意)

        任意のインターフェイス上で LLDP を初期化する際の遅延時間を秒単位で指定します。

        指定できる範囲は 1 ~ 10 秒です。デフォルトは 2 秒です。

         
        ステップ 4[no] lldp timer seconds


        例:
        switch(config)# lldp timer 50
        
         
        (任意)

        LLDP アップデートの送信頻度を秒単位で設定します。

        値の範囲は 5 ~ 254 秒で、デフォルト値は 30 秒です。

         
        ステップ 5show lldp timers


        例:
        switch(config)# show lldp timers
        
         
        (任意)

        LLDP の保持時間、遅延時間、更新頻度の設定を表示します。

         
        ステップ 6[no] lldp tlv-select tlv


        例:
        switch(config)# lldp tlv-select system-name
        
         
        (任意)

        LLDP パケットで送受信する TLV を指定します。 使用できる TLV は、dcbxp、management-address、port-description、port-vlan、system-capabilities、system-description、および system-name です。 使用できるすべての TLV はデフォルトでイネーブルになっています。

         
        ステップ 7show lldp tlv-select


        例:
        switch(config)# show lldp tlv-select
        
         
        (任意)

        LLDP TVL コンフィギュレーションを表示します。

         
        ステップ 8copy running-config startup-config


        例:
        switch(config)# copy running-config startup-config
        
         
        (任意)

        実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

         

        LLDP コンフィギュレーションの確認

        LLDP の設定を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

        コマンド 目的
        show running-config lldp LLDP のグローバル コンフィギュレーションを表示します。
        show lldp interface interface slot/port LLDP のインターフェイス コンフィギュレーションを表示します。
        show lldp timers LLDP の保持時間、遅延時間、更新頻度の設定を表示します。
        show lldp tlv-select LLDP TVL コンフィギュレーションを表示します。
        show lldp dcbx interface interface slot/port ローカルな DCBX 制御ステータスを表示します。
        show lldp neighbors {detail | interface interface slot/port} LLDP ネイバーのデバイス ステータスを表示します。
        show lldp traffic LLDP カウンタ(デバイスによって送信および受信された LLDP パケットの数、破棄されたパケットの数、未確認 TLV の数など)を表示します。
        show lldp traffic interface interface slot/port インターフェイス上で送信および受信された LLDP パケットの数を表示します。

        LLDP の統計を消去するには、clear lldp counters コマンドを使用します。

        LLDP のコンフィギュレーション例

        次に、1 つのデバイス上での LLDP のイネーブル化、一部のインターフェイス上での LLDP のディセーブル化、オプション パラメータ(保持時間、遅延時間、更新頻度など)の設定、およびいくつかの LLDP TLV のディセーブル化の例を示します。

        switch# configure terminal
        Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
        switch(config)# feature lldp
        switch(config)# interface ethernet 7/9
        switch(config-if)# no lldp transmit
        switch(config-if)# no lldp receive
        switch(config-if)# exit
        switch(config)# interface ethernet 7/10
        switch(config-if)# no lldp transmit
        switch(config-if)# no lldp receive
        switch(config-if)# exit
        switch(config)# lldp holdtime 200
        switch(config)# lldp reinit 5
        switch(config)# lldp timer 50
        switch(config)# no lldp tlv-select port-vlan
        switch(config)# no lldp tlv-select system-name