Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS IP SLA コンフィギュレーション ガイド、リリース 6.x
IP SLA UDP エコー動作の設定
IP SLA UDP エコー動作の設定

IP SLA UDP エコー動作の設定

ここでは、IP サービス レベル契約(SLA)ユーザ データグラム プロトコル(UDP)エコー動作を設定して、Cisco スイッチと IPv4 を使用するデバイスとの間のエンドツーエンド応答時間をモニタする方法について説明します。 UDP エコーの精度は、宛先 Cisco スイッチで IP SLA Responder を使用することによって向上します。 このモジュールでは、UDP エコー動作の結果を表示して分析し、UDP アプリケーションのパフォーマンスを測定する方法についても説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

UDP エコー動作

UDP エコー動作は、Cisco スイッチと IP を使用するデバイスとの間でエンドツーエンド応答時間を測定します。 UDP は、多くの IP サービスで使用されるトランスポート層(レイヤ 4)インターネット プロトコルです。 UDP エコーは応答時間を測定し、エンドツーエンドの接続をテストするために使用されます。

次の図では、スイッチ A が IP SLA Responder として設定され、スイッチ B が送信元 IP SLA デバイスとして設定されています。





スイッチ B から宛先スイッチ(スイッチ A)に UDP エコー要求メッセージを送信してから、スイッチ A からの UDP エコー応答を受信するまでの時間を測定することで、応答時間(ラウンドトリップ時間)が算出されます。 UDP エコーの精度は、スイッチ A(宛先 Cisco スイッチ)で Responder を使用することによって向上します。 宛先スイッチが Cisco スイッチの場合、IP SLA Responder は指定した任意のポート番号に UDP データグラムを送信します。 シスコ デバイスを使用する場合、UDP エコー動作に IP SLA Responder を使用するかどうかは任意です。 シスコ以外のデバイスに IP SLA Responder を設定することはできません。

ラウンド トリップ遅延時間を測定し、シスコおよびシスコ以外のデバイス両方への接続をテストすることによって、ビジネス クリティカルなアプリケーションに関する問題をトラブルシューティングする際に、UDP エコー動作の結果が役立つことがあります。

UDP エコー動作に関する注意事項と制約事項

IP SLA パケットの CoPP の設定

IP SLA 動作を大規模なスケールで使用する場合、IP SLA パケットのパススルーを許可する特定の CoPP 設定が必要になる場合があります。 IP SLA ではユーザ定義の UDP ポートを使用するため、コントロール プレーンへのすべての IP SLA パケットを許可する手段がありません。 ただし、IP SLA が使用できる宛先/送信元ポートのそれぞれを指定することはできます。

IP SLA プローブ数の検証済みの拡張性に関する詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。

以下に、IP SLA パケットのパススルーを許可する CoPP 設定例を示します。 この例では、宛先ポートと送信元ポートが 6500 ~ 7000 の範囲であることを前提としています。

ip access-list copp-system-sla-allow
  10 remark ### ALLOW SLA control packets from 1.1.1.0/24
  20 permit udp 1.1.1.0/24 any eq 1967
  30 remark ### ALLOW SLA data packets from 1.1.1.0/24 using ports 6500-7000
  40 permit udp 1.1.1.0/24 any range 6500 7000
  statistics per-entry
ip access-list copp-system-sla-deny
  10 remark ### this is a catch-all to match any other traffic
  20 permit ip any any
  statistics  per-entry
class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-allow
  match access-group name copp-system-sla-allow
class-map type control-plane match-any copp-system-class-management-deny
  match access-group name copp-system-sla-deny
policy-map type control-plane copp-system-policy
    class copp-system-class-management-allow
    set cos 7
    police cir 4500 kbps bc 250 ms conform transmit violate drop
    class copp-system-class-management-deny
    police cir 4500 kbps bc 250 ms conform drop violate drop
control-plane
  service-policy input copp-system-policy

宛先デバイスでの IP SLA Responder の設定

はじめる前に

IP SLA Responder を使用する場合は、応答側として使用するネットワーキング デバイスがシスコ デバイスであり、そのデバイスにネットワークを介して接続できることを確認します。

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    switch> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。

    パスワードを入力します(要求された場合)。

     
    ステップ 2configure terminal


    例:
    switch# configure terminal
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

     
    ステップ 3次のいずれかを実行します。
    • ip sla responder

      例:

       switch(config)# ip sla responder
    • ip sla responder udp-echo ipaddress ip-address port port

      例:

       switch(config)# ip sla responder udp-echo ipaddress 172.29.139.132 port 5000 
     
    • 送信元からの制御メッセージに応じて、シスコ デバイスにおける IP SLA Responder 機能を一時的にイネーブルにします。

    • 送信元でプロトコル制御がディセーブルである場合にのみ必須です。 このコマンドは、指定の IP アドレスおよびポートで IP SLA Responder 機能を永続的にイネーブルにします。

      制御は、デフォルトでイネーブルになります。

     
    ステップ 4exit


    例:
    switch(config)# exit
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。

     

    送信元デバイスでの基本 UDP エコー動作の設定

    ここでは、送信元での基本 UDP エコー動作を設定する方法について説明します。


    (注)  


    トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、IP SLA 動作に予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。


    はじめる前に

    IP SLA Responder を使用する場合は、このタスクを開始する前に「宛先デバイスでの IP SLA Responder の設定」の項を参照してください。

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 enable


      例:
      switch> enable
       

      特権 EXEC モードをイネーブルにします。

      パスワードを入力します(要求された場合)。

       
      ステップ 2 configure terminal


      例:
      switch# configure terminal
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

       
      ステップ 3 ip sla operation-number


      例:
      switch(config)# ip sla 10
       

      IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードに移行します。

       
      ステップ 4 udp-echo {destination-ip-address | destination-hostname} destination-port [source-ip {ip-address | hostname} sourceport port-number] [control {enable | disable}]


      例:
      switch(config-ip-sla)# udp-echo 172.29.139.134 5000
       

      UDP エコー動作を定義し、IP SLA UDP コンフィギュレーション モードを開始します。

      送信元スイッチとターゲット スイッチの両方で IP SLA 制御プロトコルをディセーブルにする場合のみ control disable のキーワードの組み合わせを使用します。

       
      ステップ 5 frequency seconds


      例:
      switch(config-ip-sla-udp)# frequency 30
       

      (任意)指定した IP SLA 動作を繰り返す間隔を設定します。

       
      ステップ 6 end


      例:
      switch(config-ip-sla-udp)# end
       

      特権 EXEC モードに戻ります。

       

      送信元デバイスでのオプション パラメータを使用した UDP エコー動作の設定

      ここでは、送信元デバイスでオプション パラメータを使用して UDP エコー動作を設定する方法について説明します。


      (注)  


      トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、IP SLA 動作に予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。


      はじめる前に

      この動作で IP SLA Responder を使用している場合、宛先デバイスで Responder を設定する必要があります。 「宛先デバイスでの IP SLA Responder の設定」の項を参照してください。

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 enable


        例:
        switch> enable
         

        特権 EXEC モードをイネーブルにします。

        パスワードを入力します(要求された場合)。

         
        ステップ 2 configure terminal


        例:
        switch# configure terminal
         

        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

         
        ステップ 3 ip sla operation-number


        例:
        switch(config)# ip sla 10
         

        IP SLA 動作の設定を開始し、IP SLA コンフィギュレーション モードに移行します。

         
        ステップ 4 udp-echo {destination-ip-address | destination-hostname} destination-port [source-ip {ip-address | hostname} source-port port-number] [control {enable | disable}]


        例:
        switch(config-ip-sla)# udp-echo 172.29.139.134 5000 
         

        UDP エコー動作を定義し、IP SLA UDP コンフィギュレーション モードを開始します。

        送信元スイッチとターゲット スイッチの両方で IP SLA 制御プロトコルをディセーブルにする場合のみ control disable のキーワードの組み合わせを使用します。

         
        ステップ 5 history buckets-kept size


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history buckets-kept 25
         

        (任意)IP SLA 動作のライフタイム中に保持する履歴バケット数を設定します。

         
        ステップ 6 data-pattern hex-pattern


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# data-pattern
         

        (任意)データ破損のテストのために IP SLA 動作のデータ パターンを指定します。

         
        ステップ 7 history distributions-of-statistics-kept size


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history distributionsof- statistics-kept 5 
         

        (任意)IP SLA 動作中にホップ単位で保持する統計情報の配信数を設定します。

         
        ステップ 8 history enhanced [interval seconds] [buckets number-of-buckets]


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history enhanced interval 900 buckets 100 
         

        (任意)IP SLA 動作に対する拡張履歴収集をイネーブルにします。

         
        ステップ 9 history filter {none | all | overThreshold | failures}


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history filter failures
         
        (任意)IP SLA 動作の履歴テーブルに格納する情報のタイプを定義します。 
        ステップ 10 frequency seconds


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# frequency 30
         

        (任意)指定した IP SLA 動作を繰り返す間隔を設定します。

         
        ステップ 11 history hours-of-statistics-kept hours


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history hours-ofstatistics- kept 4
         

        (任意)IP SLA 動作の統計情報を維持する時間数を設定します。

         
        ステップ 12 history lives-kept lives


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history lives-kept 5
         

        (任意)IP SLA 動作の履歴テーブルに維持するライフ数を設定します。

         
        ステップ 13 owner owner-id


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# owner admin
         

        (任意)IP SLA 動作の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)所有者を設定します。

         
        ステップ 14 request-data-size bytes


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# request-data-size 64
         

        (任意)IP SLA 動作の要求パケットのペイロード内でのプロトコル データ サイズを設定します。

         
        ステップ 15 history statistics-distribution-interval milliseconds


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# history statistics distribution- interval 10 
         

        (任意)IP SLA 動作に関して維持する各統計情報の配信間隔を設定します。

         
        ステップ 16 tag text


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# tag TelnetPollServer1
         

        (任意)IP SLA 動作のユーザ指定 ID を作成します。

         
        ステップ 17 threshold milliseconds


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# threshold 10000
         

        (任意)IP SLA 動作によって作成されるネットワーク モニタリング統計情報を計算するための上限しきい値を設定します。

         
        ステップ 18 timeout milliseconds


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# timeout 10000
         

        (任意)IP SLA 動作がその要求パケットからの応答を待機する時間を設定します。

         
        ステップ 19tos number


        例:
        switch(config-ip-sla-jitter)# tos 160 
         

        (任意)IPv4 ネットワークに限り、IP SLA 動作の IPv4 ヘッダーの ToS バイトを定義します。

         
        ステップ 20 verify-data


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# verify-data
         

        (任意)IP SLA 動作に、各応答パケットでデータ破損の有無をチェックさせます。

         
        ステップ 21 exit


        例:
        switch(config-ip-sla-udp)# exit
         

        UDP コンフィギュレーション サブモードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。

         

        IP SLA 動作のスケジューリング

        ここでは、IP SLA 動作をスケジュールする方法について説明します。

        はじめる前に

        (注)  


        • スケジュールされるすべての IP SLA 動作がすでに設定されている必要があります。

        • 複数動作グループでスケジュールされたすべての動作の頻度が同じでなければなりません。

        • 複数動作グループに追加される 1 つ以上の動作 ID 番号のリストは、カンマ(,)を含めて最大 125 文字に制限されます。



        ヒント


        • IP SLA 動作が実行中でなく、統計情報が生成されていない場合は、動作の設定に verify-data コマンドを追加して(IP SLA コンフィギュレーション モードで設定)、データ検証をイネーブルにします。 イネーブルにすると、各動作の応答で破損の有無がチェックされます。 通常の動作時に verify-data コマンドを使用すると、不要なオーバーヘッドがかかるので注意してください。

        • IP SLA 動作に関する問題をトラブルシューティングするには、debug ip sla trace コマンドと debug ip sla error コマンドを使用します。


        手順
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 enable


          例:
          switch> enable
           

          特権 EXEC モードをイネーブルにします。

          パスワードを入力します(要求された場合)。

           
          ステップ 2 configure terminal


          例:
          switch# configure terminal
           

          グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

           
          ステップ 3次のいずれかを実行します。
          • ip sla schedule operation-number [life forever { | seconds}] [starttime {hh : mm[: ss] [month day | day month] | pending | now | after hh : mm : ss}] [ageout seconds] [recurring]

            例:

             ip sla schedule operation-number [life {forever | seconds}] [starttime {hh : mm[: ss] [month day | day month] | pending | now | after hh : mm : ss}] [ageout seconds] [recurring] 
          • ip sla group schedule group-operation-number operation-id-numbers schedule-period schedule-period-range [ageout seconds] [frequency group-operation-frequency] [life{forever | seconds}] [starttime{ hh:mm[:ss] [month day | day month] | pending | now | after hh:mm:ss}]

            例:

             switch(config)# ip sla group schedule 1 3,4,6-9
           

          -

          • 個々の IP SLA 動作の場合のみ:

            個々の IP SLA 動作のスケジューリング パラメータを設定します。

          • 複数動作スケジューラの場合のみ:

            スケジューリング対象の IP SLA 動作グループ番号と動作番号の範囲をグローバル コンフィギュレーション モードで指定します。

           
          ステップ 4 exit


          例:
          switch(config)# exit
           

          特権 EXEC モードに戻ります。

           
          ステップ 5 show ip sla group schedule


          例:
          switch# show ip sla group schedule
           

          (任意)IP SLA グループ スケジュールの詳細を表示します。

           
          ステップ 6 show ip sla configuration


          例:
          switch# show ip sla configuration
           

          (任意)IP SLA 設定の詳細を表示します。

           
          次の作業

          トラップを生成する目的、または別の動作を開始する目的で、予防的しきい値条件と反応トリガーを追加するには、「予防的しきい値モニタリングの設定」の項を参照してください。

          IP SLA 動作の結果を表示し、内容を確認するには、show ip sla statistics コマンドを使用します。 サービス レベル契約の基準に対応するフィールドの出力を確認すると、サービス メトリックが許容範囲内であるかどうかを判断するのに役立ちます。

          UDP エコー動作の設定例

          以下に、ただちに開始され、無期限に実行される UDP エコーの IP SLA 動作タイプを設定する例を示します。

          ip sla 5
          udp-echo 172.29.139.134 5000
          frequency 30
          request-data-size 160
          tos 128
          timeout 1000
          tag FLL-RO
          ip sla schedule 5 life forever start-time now

          UDP エコーの機能履歴

          この表には、機能が追加または変更されたリリースの更新のみが含まれています。

          表 1 UDP エコーの機能履歴
          機能名 リリース 機能情報

          UDP エコー

          6.1(1)

          この機能が導入されました。