Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS SAN スイッチング設定ガイド
ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定
ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定
発行日;2012/10/12   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

目次

ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定

この章の内容は、次のとおりです。

ファイバ チャネル ルーティング サービスおよびプロトコルの設定

Fabric Shortest Path First(FSPF)は、ファイバ チャネル ファブリックで使用される標準パス選択プロトコルです。 FSPF 機能は、Cisco SAN スイッチの E モードおよび TE モードの仮想ファイバ チャネル インターフェイスでデフォルトでイネーブルです。 特殊な考慮事項を必要とする設定を除き、FSPF サービスを設定する必要はありません。 FSPF はファブリック内の任意の 2 つのスイッチ間の最適パスを自動的に計算します。 FSPF は次の機能を提供します。

  • 任意の 2 つのスイッチ間に最短で最速のパスを確立して、ファブリック全体で動的にルートを計算します。
  • 特定のパスに障害が発生したときに代替パスを選択します。 FSPF は複数のパスをサポートし、障害リンクを迂回する代替パスを自動的に計算します。 同等な 2 つのパスが使用可能な場合は、推奨ルートが提供されます。

FSPF に関する情報

FSPF は、ファイバ チャネル ネットワーク内でのルーティング用として、T11 委員会によって現在標準化されているプロトコルです。 FSPF プロトコルには、次の特性および特徴があります。

  • 複数パスのルーティングをサポートします。
  • パス ステータスはリンク ステート プロトコルによって決まります。
  • ドメイン ID だけに基づいて、ホップ単位ルーティングを行います。
  • E ポートまたは TE ポートだけで稼働し、ループのないトポロジを形成します。
  • VSAN(仮想 SAN)単位で稼働します。 ファブリック内の各 VSAN では、この VSAN に設定されたスイッチとの接続が保証されます。
  • トポロジ データベースを使用して、ファブリック内のすべてのスイッチのリンク ステートを追跡し、各リンクにコストを対応付けます。
  • トポロジが変更された場合、高速な再コンバージェンス タイムを保証します。 標準ダイクストラ アルゴリズムを使用します。ただし、より強固で、効率的な差分ダイクストラ アルゴリズムを静的に、あるいは動的に選択することができます。 VSAN 単位でルートが計算されるため、再コンバージェンス タイムは高速かつ効率的です。

(注)  


FSPF 機能は任意のトポロジで使用できます。


FSPF の例

フォールト トレラント ファブリックの例

次の図は、部分メッシュ トポロジを使用するフォールト トレラント ファブリックを示します。 ファブリック内のどの部分でリンク ダウンが発生しても、各スイッチはファブリック内の他のすべてのスイッチと通信できます。 同様に、どのスイッチがダウンしても、ファブリックの残りの接続は維持されます。

図 1. フォールト トレラント ファブリック

たとえば、すべてのリンク速度が等しい場合、FSPF は A ~ C 2 つの同等なパス(A-D-C(グリーン)と A-E-C(ブルー))を計算します。

冗長リンクの例

トポロジを改善するには、任意のスイッチ ペア間の接続をそれぞれ複製します。スイッチ ペア間には複数のリンクを設定できます。 次の図は、この調整例を示します。 Cisco SAN スイッチは SAN ポート チャネルをサポートしているため、FSPF プロトコルは物理リンクのペアをそれぞれ単一の論理リンクとして認識できます。

物理リンク ペアをバンドルすることにより、データベース サイズは小さくなり、リンク アップデート頻度が減少するため、FSPF の効率が大幅に改善されます。 物理リンクが集約されると、障害は単一リンクでなく、SAN ポート チャネル全体に対応付けられます。 この設定により、ネットワークの復元力も向上します。 SAN ポート チャネル内にリンク障害が発生してもルートが変更されないため、ルーティング ループ、トラフィックの消失、またはルート再設定によるファブリック ダウンタイムが生じるリスクが軽減されます。

図 2. 冗長リンクを持つフォールト トレラント ファブリック

たとえば、すべてのリンク速度が等しく、SAN ポート チャネルが存在しない場合、FSPF は A ~ C の 4 つの同等のパス(A1-E-C、A2-E-C、A3-D-C、および A4-D-C)を計算します。 SAN ポート チャネルが存在する場合は、これらのパスは 2 つに減ります。

FSPF のグローバル設定

デフォルトでは、FSPF は Cisco SAN スイッチでイネーブルです。

一部の FSPF 機能は、VSAN ごとにグローバルに設定できます。 VSAN 全体に機能を設定すると、コマンドごとに VSAN 番号を指定する必要がなくなります。 このグローバル設定機能を使用すると、タイプ ミスや、その他の軽微な設定エラーが発生する可能性も低減されます。


(注)  


FSPF はデフォルトでイネーブルになっています。 通常、これらの高度な機能は設定する必要がありません。



注意    


バックボーン リージョンのデフォルトは 0(ゼロ)です。 この設定を変更する必要があるのは、デフォルト以外のリージョンを使用する場合だけです。 バックボーン リージョンを使用して別のベンダー製品と併用する場合は、これらの製品の設定と互換性が保たれるようにこのデフォルトを変更できます。


SPF 計算のホールド タイムについて

SPF 計算のホールド タイムは、VSAN での 2 つの連続した SPF 計算間の最小時間に設定されます。 これを小さい値に設定すると、VSAN 上のパスの再計算によるファブリックの変更に対して、FSPF の処理が速くなります。 SPF 計算のホールド タイムが短いと、スイッチの CPU 時間は長くなります。

LSR について

ファブリックに新しいスイッチが追加されるたびに、Link State Record(LSR)が近接スイッチに送信されて、ファブリック全体にフラッディングされます。

次の表に、スイッチの応答のデフォルト設定を表示します。

表 1  LSR のデフォルト設定

LSR のオプション

デフォルト

説明

ACK インターバル(RxmtInterval)

5 秒

再送信するまで、スイッチが LSR からの ACK を待機する期間

リフレッシュ タイム(LSRefreshTime)

30 分

LSR リフレッシュを送信するまで、スイッチが待機する期間

最大エージング(MaxAge)

60 分

データベースから LSR を削除するまで、スイッチが待機する期間

LSR の最小着信時間は、この VSAN の LSR アップデートの受信間隔です。 LSR の最小着信時間よりも前に着信した LSR アップデートは廃棄されます。

LSR 最小間隔は、このスイッチが VSAN 上の LSR アップデートを送信する頻度です。

VSAN での FSPF の設定

VSAN 全体に FSPF 機能を設定する手順は、次のとおりです。

手順の概要

    1.    switch# configuration terminal

    2.    switch(config)# fspf config vsan vsan-id

    3.    switch-config-(fspf-config)# spf static

    4.    switch-config-(fspf-config)# spf hold-time value

    5.    switch-config-(fspf-config)# region region-id


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 switch# configuration terminal
     

    コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 switch(config)# fspf config vsan vsan-id
     

    指定された VSAN に対して FSPF グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 switch-config-(fspf-config)# spf static
     

    ダイナミック(デフォルト)差分 VSAN に対してスタティック SPF 計算を強制実行します。

     
    ステップ 4 switch-config-(fspf-config)# spf hold-time value
     

    VSAN 全体に対して、2 つのルート計算間のホールド タイムをミリ秒(msec)単位で設定します。 デフォルト値は 0 です。

    (注)     

    指定期間が短いほど、ルーティングは高速化されます。 ただし、それに応じて、プロセッサ消費量が増大します。

     
    ステップ 5 switch-config-(fspf-config)# region region-id
     

    現在の VSAN に自律リージョンを設定し、リージョン ID を指定します。

     

    FSPF のデフォルト設定へのリセット

    FSPF VSAN グローバル設定を工場出荷時のデフォルト設定に戻す手順は、次のとおりです。

    手順の概要

      1.    switch# configuration terminal

      2.    switch(config)# no fspf config vsan vsan-id


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 switch# configuration terminal
       

      コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2 switch(config)# no fspf config vsan vsan-id
       

      指定された VSAN の FSPF 設定を削除します。

       

      FSPF のイネーブル化またはディセーブル化

      FSPF ルーティング プロトコルをイネーブルまたはディセーブルにする手順は、次のとおりです。

      手順の概要

        1.    switch# configuration terminal

        2.    switch(config)# fspf enable vsan vsan-id

        3.    switch(config)# no fspf enable vsan vsan-id


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 switch# configuration terminal
         

        コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 2 switch(config)# fspf enable vsan vsan-id
         

        指定された VSAN 内で FSPF ルーティング プロトコルをイネーブルにします。

         
        ステップ 3 switch(config)# no fspf enable vsan vsan-id
         

        指定された VSAN 内で FSPF ルーティング プロトコルをディセーブルにします。

         

        VSAN の FSPF カウンタのクリア

        VSAN 全体の FSPF 統計情報カウンタをクリアする手順は、次のとおりです。

        手順の概要

          1.    switch# clear fspf counters vsan vsan-id


        手順の詳細
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 switch# clear fspf counters vsan vsan-id
           

          指定された VSAN の FSPF 統計情報カウンタをクリアします。 インターフェイス参照番号を指定しない場合は、すべてのカウンタがクリアされます。

           

          FSPF のインターフェイスでの設定

          一部の FSPF コマンドは、インターフェイス単位で使用できます。 次に示す設定手順は、特定の VSAN 内の 1 つのインターフェイスに適用されます。

          FSPF のリンク コストについて

          FSPF はファブリック内のすべてのスイッチのリンク ステートを追跡し、データベース内の各リンクにコストを対応付け、コストが最小なパスを選択します。 インターフェイスに対応付けられたコストを管理上変更して、FSPF ルート選択を実行できます。 コストは、1 ~ 65,535 の整数値で指定できます。 1 Gbps のデフォルト コストは 1000 であり、2 Gbps では 500 です。

          FSPF のリンク コストの設定

          FSPF リンク コストを設定する手順は、次のとおりです。

          手順の概要

            1.    switch# configuration terminal

            2.    switch(config)# interface vfc if-number

            3.    switch(config-if)# fspf cost value vsan vsan-id


          手順の詳細
             コマンドまたはアクション目的
            ステップ 1 switch# configuration terminal
             

            コンフィギュレーション モードを開始します。

             
            ステップ 2 switch(config)# interface vfc if-number
             

            指定されたインターフェイスを設定します。すでに設定されている場合は、指定されたインターフェイスに対してコンフィギュレーション モードを開始します。

             
            ステップ 3 switch(config-if)# fspf cost value vsan vsan-id
             

            指定された VSAN 内の選択されたインターフェイスにコストを設定します。

             

            hello タイム インターバルについて

            FSPF hello タイム インターバルを設定すると、リンク状態を確認するために送信される定期的な hello メッセージの間隔を指定できます。 指定できる整数値は 1 ~ 65,535 秒です。


            (注)  


            この値は、ISL の両端のポートで同じでなければなりません。


            hello タイム インターバルの設定

            FSPF hello タイム インターバルを設定する手順は、次のとおりです。

            手順の概要

              1.    switch# configuration terminal

              2.    switch(config)# interface vfc if-number

              3.    switch(config-if)# fspf hello-interval value vsan vsan-id


            手順の詳細
               コマンドまたはアクション目的
              ステップ 1 switch# configuration terminal
               

              コンフィギュレーション モードを開始します。

               
              ステップ 2 switch(config)# interface vfc if-number
               

              指定されたインターフェイスを設定します。すでに設定されている場合は、指定されたインターフェイスに対してコンフィギュレーション モードを開始します。

               
              ステップ 3 switch(config-if)# fspf hello-interval value vsan vsan-id
               

              VSAN のリンクのヘルスを確認するために、hello メッセージ インターバルを指定します。 デフォルトは 20 秒です。

               

              デッド タイム インターバルについて

              FSPF デッド タイム インターバルを設定すると、hello メッセージを受信しなければならない最大間隔を指定できます。この期間が経過すると、ネイバーは消失したと見なされ、データベースから削除されます。 指定できる整数値は 1 ~ 65,535 秒です。


              (注)  


              この値は、ISL の両端のポートで同じでなければなりません。



              注意    


              設定されたデッド タイム インターバルが hello タイム インターバルより小さい場合は、コマンド プロンプトにエラーが報告されます。


              デッド タイム インターバルの設定

              FSPF デッド タイム インターバルを設定する手順は、次のとおりです。

              手順の概要

                1.    switch# configuration terminal

                2.    switch(config)# interface vfc if-number

                3.    switch(config-if)# fspf dead-interval value vsan vsan-id


              手順の詳細
                 コマンドまたはアクション目的
                ステップ 1 switch# configuration terminal
                 

                コンフィギュレーション モードを開始します。

                 
                ステップ 2 switch(config)# interface vfc if-number
                 

                指定されたインターフェイスを設定します。すでに設定されている場合は、指定されたインターフェイスに対してコンフィギュレーション モードを開始します。

                 
                ステップ 3 switch(config-if)# fspf dead-interval value vsan vsan-id
                 

                指定された VSAN に、選択されたインターフェイスで hello メッセージを受信しなければならない最大間隔を指定します。この期間が経過すると、ネイバーは消失したと見なされます。 デフォルトは 80 秒です。

                 

                再送信インターバルについて

                インターフェイス上で未確認応答リンク ステート アップデートを送信するまでの期間を指定します。 再送信インターバルを指定する整数値の有効範囲は、1 ~ 65,535 秒です。


                (注)  


                この値は、インターフェイスの両端のスイッチで同じでなければなりません。


                再送信インターバルの設定

                FSPF 再送信タイム インターバルを設定する手順は、次のとおりです。

                手順の概要

                  1.    switch# configuration terminal

                  2.    switch(config)# interface vfc if-number

                  3.    switch(config-if)# fspf retransmit-interval value vsan vsan-id


                手順の詳細
                   コマンドまたはアクション目的
                  ステップ 1 switch# configuration terminal
                   

                  コンフィギュレーション モードを開始します。

                   
                  ステップ 2 switch(config)# interface vfc if-number
                   

                  指定されたインターフェイスを設定します。すでに設定されている場合は、指定されたインターフェイスに対してコンフィギュレーション モードを開始します。

                   
                  ステップ 3 switch(config-if)# fspf retransmit-interval value vsan vsan-id
                   

                  指定された VSAN の未確認応答リンク ステート アップデートの再送信タイム インターバルを指定します。 デフォルトは 5 秒です。

                   

                  インターフェイス単位での FSPF のディセーブル化

                  選択したインターフェイスで FSPF プロトコルをディセーブルにできます。 デフォルトでは、FSPF はすべての E ポートおよび TE ポートでイネーブルです。 このデフォルト設定をディセーブルにするには、インターフェイスをパッシブに設定します。


                  (注)  


                  プロトコルを機能させるには、インターフェイスの両端で FSPF をイネーブルにする必要があります。


                  インターフェイス単位での FSPF のディセーブル化

                  選択したインターフェイスで FSPF プロトコルをディセーブルにできます。 デフォルトでは、FSPF はすべての E ポートおよび TE ポートでイネーブルです。 このデフォルト設定をディセーブルにするには、インターフェイスをパッシブに設定します。

                  特定のインターフェイスで FSPF をディセーブルにする手順は、次のとおりです。

                  手順の概要

                    1.    switch# configuration terminal

                    2.    switch(config)# interface vfc if-number

                    3.    switch(config-if)# fspf passive vsan vsan-id

                    4.    switch(config-if)# no fspf passive vsan vsan-id


                  手順の詳細
                     コマンドまたはアクション目的
                    ステップ 1 switch# configuration terminal
                     

                    コンフィギュレーション モードを開始します。

                     
                    ステップ 2 switch(config)# interface vfc if-number
                     

                    指定されたインターフェイスを設定します。すでに設定されている場合は、指定されたインターフェイスに対してコンフィギュレーション モードを開始します。

                     
                    ステップ 3 switch(config-if)# fspf passive vsan vsan-id
                     

                    指定された VSAN 内の特定のインターフェイスに対して FSFP プロトコルをディセーブルにします。

                     
                    ステップ 4 switch(config-if)# no fspf passive vsan vsan-id
                     

                    指定された VSAN 内の特定のインターフェイスに対して FSFP プロトコルを再度イネーブルにします。

                     

                    インターフェイスの FSPF カウンタのクリア

                    インターフェイスの FSPF 統計情報カウンタをクリアする手順は、次のとおりです。

                    手順の概要

                      1.    switch# clear fspf counters vsan vsan-id interface type if-number


                    手順の詳細
                       コマンドまたはアクション目的
                      ステップ 1 switch# clear fspf counters vsan vsan-id interface type if-number
                       

                      指定された VSAN 内の指定インターフェイスの FSPF 統計情報カウンタをクリアします。

                       

                      FSPF ルート

                      FSPF は、FSPF データベース内のエントリに基づいて、ファブリックを経由するトラフィックをルーティングします。 これらのルートは動的に学習させるか、または静的に設定することもできます。

                      ファイバ チャネルのルートについて

                      各ポートは、FC ID に基づいてフレームを転送する転送ロジックを実行します。 指定されたインターフェイスおよびドメインの FC ID を使用して、ドメイン ID が 1 のスイッチに、指定されたルート(FC ID 111211 やドメイン ID 3 など)を設定できます(次の図を参照)。

                      図 3. ファイバ チャネルのルート

                      ファイバ チャネル ルートの設定

                      ファイバ チャネル ルートを設定する手順は、次のとおりです。

                      手順の概要

                        1.    switch# configuration terminal

                        2.    switch(config)#fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id vsan vsan-id

                        3.    switch(config)#fcroute fcid interface san-port-channel port domain domain-id vsan vsan-id

                        4.    switch(config)# fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id metric value vsan vsan-id

                        5.    switch(config)#fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id metric value remote vsan vsan-id

                        6.    switch(config)#fcroute fcid netmask interface vfc slot/port domain domain-id vsan vsan-id


                      手順の詳細
                         コマンドまたはアクション目的
                        ステップ 1 switch# configuration terminal
                         

                        コンフィギュレーション モードを開始します。

                         
                        ステップ 2 switch(config)#fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id vsan vsan-id
                         

                        指定されたファイバ チャネル インターフェイスおよびドメインに対応するルートを設定します。 この例では、指定されたインターフェイスに FC ID、およびネクスト ホップ スイッチに対するドメイン ID が割り当てられます。

                         
                        ステップ 3 switch(config)#fcroute fcid interface san-port-channel port domain domain-id vsan vsan-id
                         

                        指定された SAN ポート チャネル インターフェイスおよびドメインに対応するルートを設定します。 この例では、インターフェイス san-port-channel 1 に FC ID(0x111211)、およびネクスト ホップ スイッチに対するドメイン ID が割り当てられます。

                         
                        ステップ 4 switch(config)# fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id metric value vsan vsan-id
                         

                        特定の FC ID およびネクスト ホップ ドメイン ID に対応するスタティック ルートを設定し、ルートのコストも割り当てます。

                        リモートの宛先オプションを指定しない場合、デフォルトは direct です。

                         
                        ステップ 5 switch(config)#fcroute fcid interface vfc slot/port domain domain-id metric value remote vsan vsan-id
                         

                        RIB にスタティック ルートを追加します。 このルートがアクティブ ルートであり、FIBFIB = 転送情報ベース レコードに空きがある場合は、FIB にもこのルートが追加されます。

                        ルートのコスト(メトリック)を指定しない場合、デフォルトは 10 です。

                         
                        ステップ 6 switch(config)#fcroute fcid netmask interface vfc slot/port domain domain-id vsan vsan-id
                         

                        インターフェイス(または SAN ポート チャネル)に指定されたルートのネットマスクを設定します。 3 つのルート(ドメインだけに一致する 0xff0000、ドメインおよびエリアに一致する 0xffff00、およびドメイン、エリア、ポートに一致する 0xffffff)のいずれかを指定できます。

                         

                        順序どおりの配信

                        データ フレームに関して In-Order Delivery(IOD; 順序どおりの配信)を行うと、送信元が送信した順番で宛先にフレームが配信されることが保証されます。

                        一部のファイバ チャネル プロトコルまたはアプリケーションでは、順序外のフレーム配信を処理できません。 このような場合、Cisco SAN スイッチはフレーム フロー内のフレーム順序を保持します。 フレームのフローは SID(ソース ID)、DID(宛先 ID)、およびオプションの OX ID(送信元交換 ID)で識別されます。

                        IOD に対応したスイッチでは、特定の入力ポートで受信され、特定の出力ポートに送信されるすべてのフレームは、常に受信された順番で配信されます。

                        IOD を使用するのは、順序外のフレーム配信をサポートできない環境の場合だけにしてください。

                        順序どおりの配信機能をイネーブルにすると、グレースフル シャットダウン機能は実行されません。

                        ネットワーク フレームの順序変更について

                        ネットワーク内でルートが変更されると、新しく選択されたパスが元のルートよりも高速になったり、輻輳が軽減されたりすることがあります。

                        図 4. ルート変更の配信

                        上の図では、スイッチ 4 からスイッチ 1 への新しいパスの方が高速です。 したがって、フレーム 3 およびフレーム 4 は、フレーム 1 およびフレーム 2 よりも先に配信されることがあります。

                        順序保証機能がイネーブルの場合、ネットワーク内のフレームは次のように配信されます。

                        • ネットワーク内のフレームは送信された順番で配信されます。
                        • ネットワーク遅延ドロップ期間内に順番どおりに配信できないフレームは、ネットワーク内でドロップされます。

                        SAN ポート チャネル フレームの順序変更について

                        SAN ポート チャネル内でリンクが変更されると、同じ交換または同じフローに対応するフレームが、より高速なパスに切り替わることがあります。

                        図 5. リンクが輻輳している場合の配信

                        上の図では、古いパス(赤点)のポートが輻輳しています。 したがって、フレーム 3 およびフレーム 4 は、フレーム 1 およびフレーム 2 よりも先に配信されることがあります。

                        順序どおりの配信機能がイネーブルになっている場合、ポート チャネル リンクに変更が生じると、その SAN ポート チャネルを通過するフレームは次のように配信されます。

                        • 古いパスを使用するフレームが配信されてから、新しいフレームが許可されます。
                        • 新しいフレームは、ネットワーク遅延ドロップ期間が経過して、古いフレームがすべて消去されてから、新しいパスを通して配信されます。

                        古いパスを経由するフレームをネットワーク遅延ドロップ期間内に順番どおりに配信できない場合は、これらのフレームはドロップされます。

                        順序どおりの配信のイネーブル化について

                        順序どおりの配信機能は、特定の VSAN またはスイッチ全体に対してイネーブルにできます。 デフォルトでは、順序どおりの配信は、Cisco SAN スイッチでディセーブルです。

                        この機能をイネーブルにするのは、順序に従わないフレームを処理できないデバイスがスイッチに搭載されている場合に限定してください。 スイッチ内のロードバランシング アルゴリズムを使用すると、通常のファブリック処理中に、フレームを順序どおりに配信できます。 送信元 FC ID、宛先 FC ID、および交換 ID に基づくロードバランシング アルゴリズムをハードウェアで実行しても、パフォーマンスは低下しません。 ただし、順序どおりの配信機能がイネーブルの場合にファブリックに障害が発生すると、ファブリック転送が意図的に中断され、順序に従わずに転送される可能性のあるフレームがファブリックから除去されるため、回復が遅れます。

                        順序どおりの配信のグローバルなイネーブル化

                        順序どおりの配信パラメータがスイッチ上のすべての VSAN で統一されるように保証するには、順序どおりの配信をグローバルにイネーブルにします。

                        順序どおりの配信をグローバルにイネーブルにするのは、ファブリック全体にこの機能が必要な場合だけにしてください。 そうでない場合は、この機能を必要とする VSAN に対してだけ IOD をイネーブルにします。

                        スイッチで順序どおりの配信をイネーブルにする手順は、次のとおりです。

                        手順の概要

                          1.    switch# configuration terminal

                          2.    switch(config)# in-order-guarantee

                          3.    switch(config)# no in-order-guarantee


                        手順の詳細
                           コマンドまたはアクション目的
                          ステップ 1 switch# configuration terminal
                           

                          コンフィギュレーション モードを開始します。

                           
                          ステップ 2 switch(config)# in-order-guarantee
                           

                          スイッチ内で順序どおりの配信をイネーブルにします。

                           
                          ステップ 3 switch(config)# no in-order-guarantee
                           

                          スイッチを出荷時の設定に戻し、順序どおりの配信機能をディセーブルにします。

                           

                          VSAN の順序どおりの配信のイネーブル化

                          VSAN を新しく作成すると、グローバルな順序保証値が自動的に継承されます。 新しい VSAN の順序保証をイネーブルまたはディセーブルに設定することにより、このグローバル値を変更できます。

                          マルチキャスト ツリーの計算に最下位ドメイン スイッチを使用する手順は、次のとおりです。

                          手順の概要

                            1.    switch# configuration terminal

                            2.    switch(config)# in-order-guarantee vsan vsan-id

                            3.    switch(config)# no in-order-guarantee vsan vsan-id


                          手順の詳細
                             コマンドまたはアクション目的
                            ステップ 1 switch# configuration terminal
                             

                            コンフィギュレーション モードを開始します。

                             
                            ステップ 2 switch(config)# in-order-guarantee vsan vsan-id
                             

                            指定された VSAN 内で順序どおりの配信をイネーブルにします。

                             
                            ステップ 3 switch(config)# no in-order-guarantee vsan vsan-id
                             

                            スイッチを出荷時のデフォルト設定に戻し、指定された VSAN の順序どおりの配信機能をディセーブルにします。

                             

                            順序どおりの配信のステータスの表示

                            現在の設定ステータスを表示するには、show in-order-guarantee コマンドを使用します。

                            switch# show in-order-guarantee
                            
                            global inorder delivery configuration:guaranteed
                            VSAN specific settings
                            vsan 1 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 101 inorder delivery:not guaranteed
                            vsan 1000 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 1001 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 1682 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 2001 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 2009 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 2456 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 3277 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 3451 inorder delivery:guaranteed
                            vsan 3452 inorder delivery:guaranteed

                            ドロップ遅延時間の設定

                            ネットワーク、ネットワーク内の指定された VSAN、またはスイッチ全体のデフォルトの遅延時間を変更できます。

                            ネットワークおよびスイッチのドロップ遅延時間を設定する手順は、次のとおりです。

                            手順の概要

                              1.    switch# configuration terminal

                              2.    switch(config)# fcdroplatency network value

                              3.    switch(config)# fcdroplatency network value vsan vsan-id

                              4.    switch(config)# no fcdroplatency network value


                            手順の詳細
                               コマンドまたはアクション目的
                              ステップ 1 switch# configuration terminal
                               

                              コンフィギュレーション モードを開始します。

                               
                              ステップ 2 switch(config)# fcdroplatency network value
                               

                              ネットワークのネットワーク ドロップ遅延時間を設定します。 有効値は 0 ~ 60000 ミリ秒です。 デフォルトは 2000 ミリ秒です。

                              (注)     

                              ネットワークのドロップ遅延時間は、ネットワーク内の最長パスのすべてのスイッチ遅延の合計として計算する必要があります。

                               
                              ステップ 3 switch(config)# fcdroplatency network value vsan vsan-id
                               

                              指定された VSAN のネットワーク ドロップ遅延時間を設定します。

                               
                              ステップ 4 switch(config)# no fcdroplatency network value
                               

                              現在の fcdroplatency ネットワーク設定を削除し、スイッチを出荷時の設定に戻します。

                               

                              遅延情報の表示

                              show fcdroplatency コマンドを使用して、設定された遅延パラメータを表示できます。次に、ネットワーク遅延情報を表示する例を示します。

                              switch# show fcdroplatency
                              
                              switch latency value:500 milliseconds
                              global network latency value:2000 milliseconds
                              VSAN specific network latency settings
                              vsan 1 network latency:5000 milliseconds
                              vsan 2 network latency:2000 milliseconds
                              vsan 103 network latency:2000 milliseconds
                              vsan 460 network latency:500 milliseconds

                              フロー統計情報の設定

                              フロー統計情報は、集約統計情報テーブル内の入力トラフィックをカウントします。 次の 2 種類の統計情報を収集できます。

                              • VSAN のトラフィックをカウントする集約フロー統計情報
                              • VSAN 内の送信元/宛先 ID ペアに対応するトラフィックをカウントするフロー統計情報

                              フロー統計情報について

                              フロー カウンタをイネーブルにすると、集約フロー統計情報およびフロー統計情報に対して、最大 1000 エントリをイネーブルにできます。 使用されていないフロー インデックスを、各新規フローに割り当てるようにしてください。 フロー インデックスの番号の間は、集約フロー統計情報とフロー統計情報間で共有します。

                              集約フロー統計情報のカウント

                              VSAN の集約フロー統計情報をカウントする手順は、次のとおりです。

                              手順の概要

                                1.    switch# configuration terminal

                                2.    switch(config)# fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id

                                3.    switch(config)# no fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id


                              手順の詳細
                                 コマンドまたはアクション目的
                                ステップ 1 switch# configuration terminal
                                 

                                コンフィギュレーション モードを開始します。

                                 
                                ステップ 2 switch(config)# fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id
                                 

                                集約フロー カウンタをイネーブルにします。

                                 
                                ステップ 3 switch(config)# no fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id
                                 

                                集約フロー カウンタをディセーブルにします。

                                 

                                個々のフロー統計情報のカウント

                                VSAN 内の送信元および宛先 FC ID のフロー統計情報をカウントする手順は、次のとおりです。

                                手順の概要

                                  1.    switch# configuration terminal

                                  2.    switch(config)# fcflow stats index value dest-fcid source-fcid netmask vsan vsan-id

                                  3.    switch(config)# no fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id


                                手順の詳細
                                   コマンドまたはアクション目的
                                  ステップ 1 switch# configuration terminal
                                   

                                  コンフィギュレーション モードを開始します。

                                   
                                  ステップ 2 switch(config)# fcflow stats index value dest-fcid source-fcid netmask vsan vsan-id
                                   

                                  フロー カウンタをイネーブルにします。

                                  (注)     

                                  ソース ID および宛先 ID は、16 進形式の FC ID(0x123aff など)で指定します。 使用できるマスクは、0xff0000 または 0xffffff のどちらかです。

                                   
                                  ステップ 3 switch(config)# no fcflow stats aggregated index value vsan vsan-id
                                   

                                  フロー カウンタをディセーブルにします。

                                   

                                  FIB 統計情報のクリア

                                  集約フロー カウンタをクリアするには、clear fcflow stats コマンドを使用します。 次に、集約フロー カウンタをクリアする例を示します。

                                  switch# clear fcflow stats aggregated index 1
                                  

                                  次に、送信元および宛先 FC ID に対応するフロー カウンタをクリアする例を示します。

                                  switch# clear fcflow stats index 1
                                  

                                  フロー統計情報の表示

                                  フロー統計情報を表示するには、show fcflow stats コマンドを使用します。 次に、集約フロー概要を表示する例を示します。

                                  switch# show fcflow stats aggregated 
                                  
                                  Idx       VSAN     frames
                                  ---------- ---------- ----------
                                           6          1      42871

                                  次に、フロー統計情報を表示する例を示します。

                                  switch# show fcflow stats 
                                  

                                  次に、フロー インデックスの使用状況を表示する例を示します。

                                  switch# show fcflow stats usage
                                  
                                  2 flows configured
                                  Configured flows : 3,7

                                  次に、特定の VSAN のグローバル FSPF 情報を表示する例を示します。

                                  switch# show fspf vsan 1
                                  

                                  次に、指定された VSAN の FSPF データベースの概要を表示する例を示します。 追加のパラメータを指定しない場合、データベース内のすべての LSR が表示されます。

                                  switch# show fspf database vsan 1
                                  

                                  次に、FSPF インターフェイス情報を表示する例を示します。

                                  switch# show fspf vsan 1 interface vfc 1
                                  

                                  FSPF のデフォルト設定値

                                  次の表に、FSPF 機能のデフォルト設定を示します。

                                  表 2  FSPF のデフォルト設定値

                                  パラメータ

                                  デフォルト

                                  FSPF

                                  すべての E ポートおよび TE ポートでイネーブルです。

                                  SPF 計算

                                  ダイナミック

                                  SPF ホールド タイム

                                  0.

                                  バックボーン リージョン

                                  0.

                                  ACK インターバル(RxmtInterval)

                                  5 秒

                                  リフレッシュ タイム(LSRefreshTime)

                                  30 分

                                  最大エージング(MaxAge)

                                  60 分

                                  hello 間隔

                                  20 秒

                                  デッド間隔

                                  80 秒

                                  配信ツリー情報

                                  主要スイッチ(ルート ノード)から取得します。

                                  ルーティング テーブル

                                  FSPF は指定された宛先への等コスト パスを 16 まで格納します。

                                  ロード バランシング

                                  複数の等コスト パスの宛先 ID およびソース ID に基づきます。

                                  順序どおりの配信

                                  ディセーブル

                                  ドロップ遅延

                                  ディセーブル

                                  スタティック ルート コスト

                                  ルートのコスト(メトリック)を指定しない場合、デフォルトは 10 です。

                                  リモート宛先スイッチ

                                  リモート宛先スイッチを指定しない場合、デフォルトは、direct です。

                                  マルチキャスト ルーティング

                                  主要スイッチを使用してマルチキャスト ツリーを計算します。