Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS SAN スイッチング設定ガイド
IVR NAT と自動トポロジ
IVR NAT と自動トポロジ
発行日;2012/10/12   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

IVR NAT と自動トポロジ

IVR 自動トポロジに関する情報

IVR では、設定された IVR VSAN トポロジを使用して、ファブリック内の発信側とターゲット間のトラフィックのルーティング方法が判別されます。 IVR 自動トポロジ モードでは、ファブリックが再設定されると、自動的に、IVR VSAN トポロジが構築され、トポロジ データベースがメンテナンスされます。 また、IVR 自動トポロジ モードでは、CFS を使用して、IVR VSAN トポロジが IVR 対応スイッチに配信されます。

IVR 自動トポロジ モードを使用すると、ファブリックが再設定された場合に IVR VSAN トポロジを手動で更新する必要はありません。 IVR 手動トポロジ データベースが存在する場合は、IVR 自動トポロジ モードで最初にそのトポロジ情報が使用されます。 自動的な更新では、ユーザ指定のトポロジ データベースから、自動学習されたトポロジ データベースへの移行が段階的に進み、ネットワーク中断が削減されます。 ネットワークに属さないユーザ設定のトポロジ エントリは、約 3 分間で期限切れになります。 ユーザ設定のデータベースに属さない新しいエントリは、ネットワーク上で検出された時点で追加されます。

IVR 自動トポロジ モードがイネーブルの場合は、以前アクティブだった IVR 手動トポロジが存在すれば、そこから開始され、検出プロセスが開始されます。 新規パス、代替パス、またはより良いパスが検出されます。 トラフィックが代替パスまたはより良いパスに切り替えられると、パスの切り替え時に発生することが多い一時的なトラフィック中断が起きる可能性があります。

IVR NAT と IVR 自動トポロジ モードを使用するように IVR SAN ファブリックを設定する前に、次の注意事項を考慮してください。

  • 関連するスイッチ以外で IVR を設定しないようにします。
  • ファブリック内のすべてのスイッチ上で IVR 用の CFS をイネーブルにします。

ヒント


FSPF リンク コストを変更した場合は、すべての IVR パスの FSPF パス距離(パスのリンク コストの合計)が 30,000 未満であるか確認します。



(注)  


interop モードがイネーブル(いずれかの interop モード)またはディセーブル(interop モード以外)の場合に、IVR 対応 VSAN を設定できます。


IVR ネットワーク アドレス変換

IVR ネットワーク アドレス変換(NAT)をイネーブルにすると、一意でないドメイン ID を使用できます。ただし、NAT を使用しない場合は、IVR 用に、ファブリック内のすべてのスイッチに対して一意のドメイン ID を設定する必要があります。 IVR NAT は、一意でないドメイン ID が存在する可能性のある既存のファブリックへの IVR 展開を容易にします。

IVR NAT を使用するには、ファブリック内のすべての IVR 対応スイッチで NAT をイネーブルにする必要があります。

デフォルト設定値

パラメータ デフォルト
IVR 機能 ディセーブル
IVR NAT ディセーブル
IVR 配信 ディセーブル
IVR 自動トポロジ ディセーブル
IVR VSAN 仮想ドメインに追加されない
IVR ゾーンの QoS

ライセンス要件

製品 ライセンス
Cisco Nexus 7000 シリーズ IVR では、F シリーズ モジュールごとに FCoE のライセンスが必要です。 ストレージ VDC でイネーブルにされた FCoE では、Advanced Services ライセンスは不要です。

また、IVR ではストレージ エンタープライズ ライセンスが必要です。

Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。

IVR NAT と自動トポロジの注意事項および制約事項

  • ホストから受信する IVR NAT ポート ログイン(PLOGI)要求は、FC ID アドレスへの再書き込みを実行するために数秒遅れます。 ホストの PLOGI タイムアウト値が 5 秒未満の値に設定されている場合は、必要な PLOGI が破棄され、ホストがターゲットにアクセスできなくなる可能性があります。 ホスト バス アダプタは 10 秒以上のタイムアウトに設定することを推奨します(ほとんどの HBA はデフォルトで 10 ~ 20 秒の値に設定されています)。
  • IVR 対応スイッチからの等コスト パスをまたぐ IVR NAT トラフィックのロード バランシングはサポートされません。
  • IVR NAT を使用すると、IVR パス上のすべてのスイッチに一意のドメイン ID を設定しなくても、ファブリック内に IVR をセットアップできます。 IVR NAT は、ファイバ チャネル ヘッダー内の宛先 ID に指定されたローカル VSAN を使用して、他の VSAN 内のスイッチを仮想化します。 一部の Extended Link Service メッセージ タイプでは、宛先 ID がパケット データに含まれています。 このような場合は、IVR NAT が、実際の宛先 ID を仮想化された宛先 ID に置き換えます。 IVR NAT は、Extended Link Service メッセージ内の宛先 ID の置き換えをサポートします。
  • IVR NAT で認識されないメッセージが存在し、宛先 ID がパケット データに含まれている場合は、トポロジ内で IVR と NAT を併用できません。 ただし、一意のドメイン ID を持つ IVR を使用することはできます。

次の表に、IVR NAT がサポートする Extended Link Service メッセージを示します。

Extended Link Service メッセージ リンク サービス コマンド(LS_COMMAND) ニーモニック
Abort Exchange 0x06 00 00 00 ABTX
Discover Address 0x52 00 00 00 ADISC
Discover Address Accept 0x02 00 00 00 ADISC ACC
Fibre Channel Address Resolution Protocol Reply 0x55 00 00 00 FARP-REPLY
Fibre Channel Address Resolution Protocol Request 0x54 00 00 00 FARP-REQ
Logout 0x05 00 00 00 LOGO
Port Login 0x30 00 00 00 PLOGI
Read Exchange Concise 0x13 00 00 00 REC
Read Exchange Concise Accept 0x02 00 00 00 REC ACC
Read Exchange Status Block 0x08 00 00 00 RES
Read Exchange Status Block Accept 0x02 00 00 00 RES ACC
Read Link Error Status Block 0x0F 00 00 00 RLS
Read Sequence Status Block 0x09 00 00 00 RSS
Reinstate Recovery Qualifier 0x12 00 00 00 RRQ
Request Sequence Initiative 0x0A 00 00 00 RSI
Scan Remote Loop 0x7B 00 00 00 RSL
Third Party Process Logout 0x24 00 00 00 TPRLO
Third Party Process Logout Accept 0x02 00 00 00 TPRLO ACC

中継 VSAN に関する注意事項

中継 VSAN に関する次の注意事項を考慮してください。

  • IVR ゾーン メンバーシップを定義する他に、一連の中継 VSAN を指定して 2 つのエッジ VSAN を接続することもできます。
    • IVR ゾーン内の 2 つのエッジ VSAN が重複している場合は、中継 VSAN がなくても接続できます(ただし、禁止されるわけではありません)。
    • IVR ゾーン内の 2 つのエッジ VSAN が重複していない場合は、1 つ以上の中継 VSAN がなければ接続できません。 送信元と宛先の両方のエッジ VSAN に属しているスイッチ上で IVR がイネーブルになっていない場合は、IVR ゾーン内の 2 つのエッジ VSAN が重複することはありません。
  • エッジ VSAN 間のトラフィックは、最短の IVR パスのみを経由します。
  • 中継 VSAN 情報は、すべての IVR ゾーン セットで共通です。 場合によっては、中継 VSAN が別の IVR ゾーン内のエッジ VSAN として機能することもできます。

境界スイッチに関する注意事項

  • 境界スイッチは複数の VSAN のメンバにする必要があります。
  • IVR 通信を実行する境界スイッチは IVR に対応している必要があります。
  • 追加の境界スイッチ上で IVR をイネーブルにして(オプション)、アクティブな IVR ゾーン メンバ間に冗長パスを提供することもできます。
  • 境界スイッチを追加または削除すると、VSAN トポロジ設定が自動的に更新されます。

IVR NAT と自動トポロジの設定

IVR NAT のイネーブル化

はじめる前に
  • IVR 機能および IVR 配信がイネーブルになっていることを確認します。
手順の概要

    1.    configure terminal

    2.    ivr nat

    3.    (任意) show ivr

    4.    (任意) copy running-config startup-config


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1configure terminal


    例:
    switch# configure terminal
    switch(config)#
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 ivr nat


    例:
    switch(config)# ivr nat
     

    IVR NAT をイネーブルにします。

     
    ステップ 3show ivr


    例:
    switch(config)# show ivr
     
    (任意)

    IVR に関する情報を表示します。

     
    ステップ 4copy running-config startup-config


    例:
    switch(config)# copy running-config startup-config
     
    (任意)

    実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

     

    IVR 自動トポロジのイネーブル化

    はじめる前に
    • IVR 機能および IVR 配信がイネーブルになっていることを確認します。
    手順の概要

      1.    configure terminal

      2.    ivr vsan-topology auto

      3.    (任意) show ivr vsan topology

      4.    (任意) copy running-config startup-config


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1configure terminal


      例:
      switch# configure terminal
      switch(config)#
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2 ivr vsan-topology auto


      例:
      switch(config)# ivr vsan-topology auto
       

      IVR 自動トポロジ モードをイネーブルにします。

       
      ステップ 3show ivr vsan topology


      例:
      switch(config)# show ivr vsan topology
       
      (任意)

      自動検出された IVR トポロジおよびトポロジ モードを表示します。

       
      ステップ 4copy running-config startup-config


      例:
      switch(config)# copy running-config startup-config
       
      (任意)

      実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

       

      IVR 設定の確認

      IVR の設定を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

      コマンド

      目的

      show ivr

      IVR 設定のステータスを表示します。

      show ivr diagnostics

      IVR の診断に関する情報を表示します。

      show ivr merge status

      最後の IVR 結合イベントに関する情報を表示します。

      show ivr pending

      IVR 保留データベースに関する情報を表示します。

      show ivr pending-diff

      保留データベースとコンフィギュレーション データベースの差異を表示します。

      show ivr vsan-topology [active | configured]

      IVR VSAN トポロジを表示します。

      show ivr session status

      IVR CFS セッションに関する情報を表示します。

      show ivr virtual-domains

      すべてのローカル VSAN の IVR 仮想ドメインに関する情報を表示します。

      show ivr zone

      IVR ゾーンに関する情報を表示します。

      show ivr zoneset

      IVR ゾーン セットに関する情報を表示します。

      show ivr service-group active

      アクティブなサービス グループに関する情報を表示します。
      show ivr service-group configured 設定されたサービス グループに関する情報を表示します。
      show autonomous-fabric-id database AFID に関する情報を表示します。
      show ivr virtual-fcdomain-add-status IVR 仮想ドメイン設定のステータスを表示します。

      例:IVR 自動トポロジ


        ステップ 1   ファブリック内のすべての境界スイッチで IVR をイネーブルにします。

        例:
        switch# config t
        Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
        switch(config)# feature ivr
        switch(config)# exit
        switch#
        ステップ 2   IVR がすべての IVR 対応スイッチでイネーブルになっていることを確認します。

        例:
        switch# show ivr
        Inter-VSAN Routing is enabled
        
        Inter-VSAN enabled switches
        ---------------------------
        No IVR-enabled VSAN is active. Check VSAN-Topology configuration.
        
        Inter-VSAN topology status
        --------------------------
        Current Status: Inter-VSAN topology is INACTIVE
        
        Inter-VSAN zoneset status
        -------------------------
            name               : 
            state              : idle
            last activate time : 
        
        Fabric distribution status
        -----------------------
        fabric distribution disabled
        Last Action                : None
        Last Action Result         : None
        Last Action Failure Reason : None
        
        Inter-VSAN NAT mode status
        --------------------------
        FCID-NAT is disabled
        
        License status
        -----------------
        IVR is running based on the following license(s)
        ENTERPRISE_PKG
        
        
        ステップ 3   ファブリック内のすべての IVR 対応スイッチで CFS 配信をイネーブルにします。

        例:
        switch# config t
        Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
        switch(config)# ivr distribution
        
        
        ステップ 4   IVR 自動トポロジ モードをイネーブルにします。

        例:
        switch(config)# ivr vsan-topology auto
        fabric is locked for configuration. Please commit after configuration is 
        done.
        
        
        ステップ 5   ファブリックへの変更をコミットします。

        例:
        switch(config)# ivr commit
        switch(config)# exit
        switch#
        
        
        ステップ 6   コミット要求のステータスを確認します。

        例:
        switch# show ivr session status
        Last Action                : Commit
        Last Action Result         : Success
        Last Action Failure Reason : None
        
        
        ステップ 7   アクティブな IVR 自動トポロジを確認します。

        例:
        switch# show ivr vsan-topology active
        
        AFID  SWITCH WWN                 Active   Cfg. VSANS
        --------------------------------------------------------------
           1  20:00:00:0d:ec:08:6e:40 *  yes      no   1,336-338 
           1  20:00:00:0d:ec:0c:99:40    yes      no   336,339 
        
        
        
        ステップ 8   IVR ゾーン セットとゾーンを設定します。

        例:
        switch(config)# ivr zoneset name tape_server1_server2
        
        switch(config-ivr-zoneset)# zone name tape_server1
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# member pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# member pwwn 10:02:66:45:00:20:89:04 vsan 2
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# exit
        
        switch(config-ivr-zoneset)# zone name tape_server2
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# member pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# member pwwn 10:00:ad:51:78:33:f9:86 vsan 3
        switch(config-ivr-zoneset-zone)# exit
        
        
        
        2 つのゾーンが必要な場合:
        • 1 つのゾーンにテープ T(pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52)とサーバ S1(pwwn 10:02:66:45:00:20:89:04)があります。
        • 別のゾーンにテープ T およびサーバ S2(pwwn 10:00:ad:51:78:33:f9:86)があります。
        ヒント   

        2 つの IVR ゾーンを作成する代わりに、テープと両方のサーバがある 1 つの IVR ゾーンを作成することもできます。

        ステップ 9   IVR ゾーン セットと IVR ゾーンが正しく設定されていることを確認するには、IVR ゾーン設定を表示します。

        例:
        switch(config)# show ivr zoneset
        zoneset name tape_server1_server2
          zone name tape_server1
              pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1    
              pwwn 10:02:66:45:00:20:89:04 vsan 2    
        
          zone name tape_server2
              pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1    
              pwwn 10:00:ad:51:78:33:f9:86 vsan 3 
        
        
        ステップ 10   IVR ゾーン セットのアクティベーション前にゾーン セットを表示します。 IVR ゾーン セットをアクティブにする前に、アクティブ ゾーン セットを表示します。 VSAN 2 と 3 でこの手順を繰り返します。

        例:
        switch(config)# show zoneset active vsan 1
        zoneset name finance_dept vsan 1
          zone name accounts_database vsan 1
            pwwn 10:00:23:11:ed:f6:23:12
            pwwn 10:00:56:43:11:56:fe:ee
            
          zone name $default_zone$ vsan 1
        
        
        ステップ 11   設定した IVR ゾーン セットをアクティブにします。

        例:
        switch(config)# ivr zoneset activate name tape_server1_server2
        zoneset activation initiated. check inter-VSAN zoneset status
        switch(config)# exit
        switch#
        
        
        ステップ 12   IVR ゾーン セットのアクティブ化を確認します。

        例:
        switch# show ivr zoneset active 
        zoneset name tape_server1_server2
          zone name tape_server1
              pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1
              pwwn 10:02:66:45:00:20:89:04 vsan 2
        
          zone name tape_server2
              pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52 vsan 1
              pwwn 10:00:ad:51:78:33:f9:86 vsan 3
        
        
        ステップ 13   ゾーン セットの更新を確認します。 IVR ゾーン セットを正常にアクティブ化したら、適切なゾーンがアクティブ ゾーン セットに追加されていることを確認します。 VSAN 2 と 3 でこの手順を繰り返します。

        例:
        switch# show zoneset active vsan 1
        zoneset name finance_dept vsan 1
          zone name accounts_database vsan 1
            pwwn 10:00:23:11:ed:f6:23:12
            pwwn 10:00:56:43:11:56:fe:ee
          
          zone name IVRZ_tape_server1 vsan 1
            pwwn 10:02:66:45:00:20:89:04
            pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52
          
          zone name IVRZ_tape_server2 vsan 1
            pwwn 10:02:50:45:32:20:7a:52
            pwwn 10:00:ad:51:78:33:f9:86
          
          zone name $default_zone$ vsan 1
        
        switch# show ivr zoneset status 
        Zoneset Status
        ______________
            name               : tape_server1_server2
            state              : activation success
            last activate time : Tue May 20 23:23:01 1980
            force option       : on
        
        status per vsan:
        __________________
             vsan     status    
             ____     ______    
             1        active 

        機能の履歴

        表 1  機能履歴 IVR

        機能名

        リリース

        機能情報

        IVR

        5.2(1)

        この機能が導入されました。