Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS SAN スイッチング設定ガイド
IVR
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発行日;2012/10/12   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

IVR

IVR に関する情報

仮想 SAN(VSAN)は、複数のファイバ チャネル SAN でスイッチおよび ISL の共通物理インフラストラクチャを共有可能にすることによって、ストレージ エリア ネットワーク(SAN)のスケーラビリティ、可用性、およびセキュリティを改善します。 これらのメリットは、各 VSAN 上のファイバ チャネル サービスが分離され、VSAN 間のトラフィックが隔離されることから得られます。 また、VSAN 間のデータ トラフィックが隔離されることによって、自動テープ ライブラリなどの VSAN に接続されたリソースの共有を本質的に防ぐことができます。 IVR を使用すると、VSAN の他のメリットを損ねることなく、VSAN を越えてリソースにアクセスできます。

IVR は次の機能をサポートします。

  • VSAN の他のメリットを損ねることなく、VSAN を越えてリソースにアクセスします
  • VSAN を単一の論理ファブリックに結合せずに、複数の VSAN 上の特定の発信側とターゲット間でデータ トラフィックを転送します。
  • 複数のスイッチをまたいで 1 つ以上の VSAN を通過する、正しい相互接続ルートを確立します。 IVR は、共通のスイッチ上に存在する VSAN に制限されません。
  • 何も犠牲にすることなく、VSAN を越えて貴重なリソース(テープ ライブラリなど)を共有します。 ファイバ チャネル トラフィックは VSAN 間を通過しません。また、発信側は、指定された VSAN 以外の VSAN 上のリソースにはアクセスできません。
  • FCIP と併用した場合、効果的なビジネスの継続性ソリューションまたはディザスタ リカバリ ソリューションを提供できます。
  • ファイバ チャネル標準に準拠しています。
  • サードパーティ製スイッチとの連携が可能です。ただし、IVR 対応 VSAN を interop モードのいずれかに設定する必要があります。

IVR の用語

IVR に関するマニュアルでは、次の IVR 関連用語が使用されます。

ネイティブ VSAN

エンド デバイスがログインしている VSAN が、そのエンド デバイスのネイティブ VSAN です。

現在の VSAN

現在 IVR 用に設定されている VSAN。

Inter-VSAN Routing ゾーン(IVR ゾーン)

Inter-VSAN Routing ゾーン(IVR ゾーン):相互接続された SAN ファブリック内の VSAN 経由で通信可能なエンド デバイスの集合。 この定義は Port World Wide Name(pWWN)とネイティブ VSAN の関係に基づきます。

Inter-VSAN Routing ゾーン セット(IVR ゾーン セット)

Inter-VSAN Routing ゾーン セット(IVR ゾーン セット):IVR ゾーン セットは 1 つ以上の IVR ゾーンで構成されます。

IVR パス

IVR パスは、ある VSAN 上のエンド デバイスから別の VSAN 上の他のエンド デバイスにフレームを到達させることが可能なスイッチとスイッチ間リンク(ISL)の集合です。 このような 2 つのエンド デバイス間に複数のパスを存在させることができます。

IVR 対応スイッチ

IVR 機能がイネーブルになっているスイッチ。

エッジ VSAN

IVR パスを開始する(送信元エッジ VSAN)か、終端する(宛先エッジ VSAN)VSAN。 エッジ VSAN は、隣接させることも、1 つ以上の中継 VSAN で接続することもできます。


(注)  


ある IVR パスのエッジ VSAN を別の IVR パスの中継 VSAN にすることができます。


中継 VSAN

IVR パスの送信元エッジ VSAN からそのパスの宛先エッジ VSAN までの間に存在する VSAN。


(注)  


送信元と宛先のエッジ VSAN が隣接している場合は、その間に中継 VSAN は必要ありません。


境界スイッチ

複数の VSAN のメンバになっている IVR 対応スイッチ。

エッジ スイッチ

IVR ゾーンのメンバがログインしているスイッチ。 エッジ スイッチは、境界スイッチ上の IVR 設定を認識できません。 また、エッジ スイッチは IVR に対応している必要はありません。

Autonomous Fabric 識別番号(AFID)

ネットワーク内の複数の VSAN を同じ VSAN ID で設定して、ID が同じ VSAN を含むファブリック間の IVR を設定するときのダウンタイムを回避できます。

サービス グループ

トラフィックを IVR 対応 VSAN に制限する 1 つ以上のサービス グループを設定することによって、非 IVR 対応 VSAN への IVR トラフィック量を減らすことができます。

ファイバ チャネル ヘッダーの変更

IVR は、仮想ドメインを使用して、ネイティブ VSAN 内のリモート エンド デバイスを仮想化します。 2 つの異なる VSAN 内のエンド デバイスをリンクするように IVR が設定されている場合は、IVR 境界スイッチが、エンド デバイス間のすべての通信に関するファイバ チャネル ヘッダーを変更する責任を負います。 変更されるファイバ チャネル フレーム ヘッダーのセクションは、次のとおりです。

  • VSAN 番号
  • 送信元 FCID
  • 宛先 FCID

発信側からターゲットへのフレームの送信時に、発信側 VSAN 番号がターゲット VSAN 番号に変更されるようにファイバ チャネル フレーム ヘッダーが変更されます。 IVR ネットワーク アドレス変換(NAT)がイネーブルの場合は、エッジ境界スイッチで送信元と宛先の FCID も変換されます。 IVR NAT がイネーブルでない場合は、IVR パスに関与するすべてのスイッチに対して一意のドメイン ID を設定する必要があります。

IVR データベースの結合

データベースの結合とは、コンフィギュレーション データベースと、アクティブ データベース内のスタティック(学習されていない)エントリの組み合わせを意味します。

2 つの IVR ファブリックを結合する場合は、次の内容を考慮してください。

  • 2 つのファブリックの設定が異なる場合でも IVR 設定は結合されます。
  • 2 つの結合されたファブリックに異なるゾーンが存在する場合は、それぞれのファブリック内のゾーンが適切な名前で配信ゾーン セットにコピーされます。
  • Cisco SAN スイッチごとに IVR 設定を変えることができます。

トラフィックの中断を避けるために、データベースの結合の完了後の設定は、次のように、結合に関与した 2 つのスイッチ上の設定を組み合わせたものになります。

  • ゾーンとゾーン セットの組み合わせは、結合されたゾーンとゾーン セットを取得するために使用されます。 2 つのファブリック内に異なるゾーンが存在する場合は、それぞれのゾーンが適切な名前でゾーン セットにコピーされるため、両方のゾーンが共存できます。
  • 結合されたトポロジには、両方のファブリックのトポロジ エントリを組み合わせたものが格納されます。
  • 結合するデータベースに最大許容数を超えるトポロジ エントリが含まれている場合は、結合が失敗します。

2 個のファブリック全体の項目の次の総数が、1 個のファブリックで許可されている最大数を超えることはできません。

  • VSAN。VSAN ID は同じだが AFID が異なる VSAN は 2 つの異なる VSAN としてカウントされます。
  • IVR 対応スイッチ。
  • ゾーン メンバ。 1 つのゾーン メンバが 2 つのゾーンに存在する場合は、2 回カウントされます。
  • ゾーン。
  • ゾーン セット。
表 1 2 つの IVR 対応ファブリックの結合結果
IVR ファブリック 1 IVR ファブリック 2 結合されたファブリック
NAT がイネーブルになる NAT がディセーブルになる 結合が成功し、NAT がイネーブルになる
自動モードがイネーブルになる 自動モードがディセーブルになる 結合が成功し、IVR 自動トポロジ モードがイネーブルになる
AFID データベースの矛盾 結合が失敗する
IVR ゾーン セット データベースの矛盾 矛盾を解決するために新しいゾーンが作成され、結合が成功する
結合設定が上限(ゾーンまたは VSAN の最大数など)を超過する 結合が失敗する
サービス グループ 1 サービス グループ 2 サービス グループが結合され、結合が成功する
矛盾のあるユーザ設定 VSAN トポロジ設定 結合が失敗する
矛盾のないユーザ設定 VSAN トポロジ設定 結合が成功する

注意    


この条件に従わない場合は、結合が失敗します。 次の配信がデータベースとファブリック内のアクティベーション ステートを強制的に同期化します。


関連タスク
関連資料

デフォルト設定値

パラメータ デフォルト
IVR 機能 ディセーブル
IVR NAT ディセーブル
IVR 配信 ディセーブル
IVR 自動トポロジ ディセーブル
IVR VSAN 仮想ドメインに追加されない
IVR ゾーンの QoS

ライセンス要件

製品 ライセンス
Cisco Nexus 7000 シリーズ IVR では、F シリーズ モジュールごとに FCoE のライセンスが必要です。 ストレージ VDC でイネーブルにされた FCoE では、Advanced Services ライセンスは不要です。

また、IVR ではストレージ エンタープライズ ライセンスが必要です。

Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。

注意事項および制約事項

IVR には、次の注意事項と制限事項があります。

  • ファブリック内のすべての境界スイッチを Cisco SAN スイッチにする必要があります。 ファブリック内の他のスイッチは、シスコ製以外のスイッチにできます。
  • IVR は、ストレージ VDC でイネーブルにする必要があります。

IVR の設定

手順の概要

    1.    すべての境界スイッチで IVR をイネーブルにします。

    2.    すべての IVR 対応スイッチで IVR 配信をイネーブルにします。

    3.    1 つの IVR 対応スイッチで IVR NAT をイネーブルにします。

    4.    1 つの IVR 対応スイッチで IVR 自動トポロジをイネーブルにします。

    5.    ゾーン セットを設定し、アクティブにします。

    6.    IVR 設定をコミットします。


手順の詳細
    ステップ 1   すべての境界スイッチで IVR をイネーブルにします。
    ステップ 2   すべての IVR 対応スイッチで IVR 配信をイネーブルにします。
    ステップ 3   1 つの IVR 対応スイッチで IVR NAT をイネーブルにします。
    ステップ 4   1 つの IVR 対応スイッチで IVR 自動トポロジをイネーブルにします。
    ステップ 5   ゾーン セットを設定し、アクティブにします。
    ステップ 6   IVR 設定をコミットします。

    IVR のイネーブル化

    デフォルトでは、IVR 機能はデバイスではディセーブルになっています。 コンフィギュレーション コマンドと検証コマンドにアクセスするには、IVR 機能を明示的にイネーブルにする必要があります。

    はじめる前に

    • ストレージ VDC から IVR 機能をイネーブルにする必要があります。
    • IVR に関与するファブリック内のすべての境界スイッチで IVR 機能をイネーブルにする必要があります。
    手順の概要

      1.    switchto vdc vdc-name

      2.    configure terminal

      3.    feature ivr

      4.    (任意) show feature


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1switchto vdc vdc-name


      例:
      switch(config)# switchto vdc fcoe
      switch-fcoe#
       

      IVR 機能をイネーブルにするには、ストレージ VDC に切り替えます。 vdc-name は 32 文字以内の英数字のストリング(大文字と小文字を区別)で指定します。

       
      ステップ 2configure terminal


      例:
      switch-fcoe# configure terminal
      switch-fcoe(config)#
       

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3 feature ivr


      例:
      switch-fcoe(config)# feature ivr
       

      IVR 機能をイネーブルにします。 ファブリック内のすべての境界スイッチでこの機能をイネーブルにする必要があります。

       
      ステップ 4show feature


      例:
      switch-fcoe(config)# show feature
       
      (任意)

      すべての機能のイネーブルまたはディセーブル ステートを表示します。

       

      IVR の配信

      IVR 機能は Cisco Fabric Services(CFS)インフラストラクチャを使用して、効率のよい設定管理を行い、VSAN 内のファブリック全体においてシングル ポイントの設定を提供します。

      次の設定が配信されます。

      • IVR ゾーン
      • IVR ゾーン セット
      • IVR VSAN トポロジ
      • IVR のアクティブ トポロジおよびゾーン セット(あるスイッチでこれらの機能をアクティブにすると、ファブリック内で配信がイネーブルになっている他のすべてのスイッチに対して設定が伝播されます)。
      • AFID データベース
      はじめる前に

      • ファブリック内のすべての IVR 対応スイッチ上で IVR 配信をイネーブルにする必要があります。
      手順の概要

        1.    configure terminal

        2.    ivr distribute

        3.    (任意) show cfs application

        4.    (任意) copy running-config startup-config


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1configure terminal


        例:
        switch# configure terminal
        switch(config)#
         

        グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 2ivr distribute


        例:
        switch(config)# ivr distribute
         

        IVR 設定の CFS 配信をイネーブルにします。 ファブリック内のすべての IVR 対応スイッチ上で IVR 配信をイネーブルにする必要があります。

         
        ステップ 3show cfs application


        例:
        switch(config)# show cfs application
         
        (任意)

        IVR など、CFS 対応機能に関する情報を表示します。

         
        ステップ 4copy running-config startup-config


        例:
        switch(config)# copy running-config startup-config
         
        (任意)

        実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

         

        IVR の変更のコミット

        アクティブ データベースに加えられた変更をコミットする場合、ファブリック内のすべてのスイッチに設定がコミットされます。 コミットが正常に行われると、設定の変更がファブリック全体に適用され、ロックが解除されます。

        はじめる前に
        • IVR の CFS 配信をイネーブルにしてあることを確認します。
        手順の概要

          1.    configure terminal

          2.    ivr commit

          3.    (任意) copy running-config startup-config


        手順の詳細
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1configure terminal


          例:
          switch# configure terminal
          switch(config)#
           

          グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

           
          ステップ 2 ivr commit


          例:
          switch(config)# ivr commit
           

          アクティブ IVR データベースに保留中 IVR の変更をすべてコミットします。

           
          ステップ 3copy running-config startup-config


          例:
          switch(config)# copy running-config startup-config
           
          (任意)

          実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

           
          関連タスク

          IVR 結合障害の解決


            ステップ 1   エラー状態を表示します。

            例:
            switch# show ivr merge status
            switch# show cfs merge status name ivr
            switch# show logging last 100

            これらの show コマンドの情報を確認します。 ログ出力の結合障害を調べます。

            ステップ 2   Cisco SAN スイッチでさまざまなバージョンの NX-OS が実行されていて、結合するファブリックが設定の最大制限(VSAN、IVR 対応スイッチ、ゾーン メンバ、ゾーン、またはゾーン セット)を超えたことが原因の障害では、すべてのスイッチで最新バージョンの Cisco NX-OS にアップグレードするか、最大制限を下回るまで設定を減らしてください。
            ステップ 3   プラットフォームのすべてのスイッチが同じリリースになっていて、結合するファブリックが設定の最大制限(VSAN、IVR 対応スイッチ、ゾーン メンバ、ゾーン、またはゾーン セット)を超えたことが原因の障害では、スイッチの設定が正しいことを確認し、CFS のコミットを実行して IVR 設定を配信してください。
            ステップ 4   その他の障害の場合は、正しい設定を持つスイッチにおいて結合障害の原因となっているエラーを解決し、CFS コミットを実行して IVR 設定を配信してください。

            CFS コミットが正常終了すると、結合も成功します。

            IVR 設定の確認

            IVR の設定を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

            コマンド

            目的

            show ivr

            IVR 設定のステータスを表示します。

            show ivr diagnostics

            IVR の診断に関する情報を表示します。

            show ivr merge status

            最後の IVR 結合イベントに関する情報を表示します。

            show ivr pending

            IVR 保留データベースに関する情報を表示します。

            show ivr pending-diff

            保留データベースとコンフィギュレーション データベースの差異を表示します。

            show ivr vsan-topology [active | configured]

            IVR VSAN トポロジを表示します。

            show ivr session status

            IVR CFS セッションに関する情報を表示します。

            show ivr virtual-domains

            すべてのローカル VSAN の IVR 仮想ドメインに関する情報を表示します。

            show ivr zone

            IVR ゾーンに関する情報を表示します。

            show ivr zoneset

            IVR ゾーン セットに関する情報を表示します。

            show ivr service-group active

            アクティブなサービス グループに関する情報を表示します。
            show ivr service-group configured 設定されたサービス グループに関する情報を表示します。
            show autonomous-fabric-id database AFID に関する情報を表示します。
            show ivr virtual-fcdomain-add-status IVR 仮想ドメイン設定のステータスを表示します。

            機能の履歴

            表 2  機能履歴 IVR

            機能名

            リリース

            機能情報

            IVR

            5.2(1)

            この機能が導入されました。