Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS FabricPath コンフィギュレーション ガイド リリース 5.x
FabricPath スイッチング
FabricPath スイッチング
発行日;2012/02/05 | 英語版ドキュメント(2011/12/07 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 1MB) | フィードバック

目次

FabricPath スイッチング

FP スイッチングについて

FP カプセル化

FP ヘッダー

フォワーディング タグ(FTag)

FP でのデフォルトの IS-IS 動作

会話型 MAC アドレス学習

FP を使用したスイッチング

M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

ハイ アベイラビリティ

仮想デバイス コンテキスト

FP スイッチングのライセンス要件

FP スイッチングの前提条件

FP スイッチングに関する注意事項と制限事項

FP スイッチングの設定

デバイス上の VDC での FP フィーチャ セットのイネーブル化

VDC での FP フィーチャ セットのディセーブル化

CE VLAN に対する MAC 学習モードの設定(任意)

FP スイッチングの確認

FP スイッチングの統計情報の表示とクリア

FP スイッチングの設定例

デフォルト設定

CLI を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

FabricPath スイッチング


) FabricPath(FP)および会話型学習を実行するには、Nexus 7000 シリーズ シャーシに F シリーズ モジュールを取り付けている必要があります。


ここでは、Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS デバイス上の FabricPath(FP)スイッチングについて説明します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

「FP スイッチングについて」

「FP スイッチングのライセンス要件」

「FP スイッチングの前提条件」

「FP スイッチングに関する注意事項と制限事項」

「FP スイッチングの設定」

「FP スイッチングの確認」

「FP スイッチングの設定例」

「デフォルト設定」

「CLI を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴」

FP スイッチングについて

FP スイッチングは、レイヤ 2 レベルでのマルチパス ネットワーキングを可能にします。FP ネットワークも、CE と同様にベスト エフォート型ですが、FP ネットワークではレイヤ 2 トラフィックに複数のパスを使用できます。FP ネットワークでは、ブロッキング ポートを使用する Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)を実行する必要はありません。FP は、一部ではレイヤ 3 接続や IP 設定の必要のないレイヤ 2 接続だけが利用される複数のデータ センターにまたがって使用できます。

FP カプセル化によって、レイヤ 2 ノードが物理的に移動されても、仮想マシンに同一の MAC アドレスと VLAN アソシエーションが保持されるので、効率的な MAC モビリティとサーバ バーチャライゼーションが実現します。FP は、データ センターにまたがるレイヤ 2 の LAN 拡張を可能にするので、ディザスタ リカバリ操作や、データベースなどのクラスタリング アプリケーションにも役立ちます。また、FP は高性能で低遅延のコンピューティングに非常に有用です。

ユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト パケットに対して機能する単一のコントロール プレーンには、FP とともにレイヤ 2 Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロトコルを使用します。これは純粋なレイヤ 2 ドメインであり、Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)を実行する必要はありません。この FP レイヤ 2 IS-IS は、レイヤ 3 IS-IS とは別個のプロセスです。

シスコでは、F シリーズ モジュールに、会話ベースの MAC 学習スキーマを導入しています。会話型学習は、FP VLAN と Classic Ethernet(CE; クラシック イーサネット)VLAN の両方に適用できます。FP および会話型 MAC アドレス学習を使用すると、デバイスが学習しなければならない MAC アドレスがはるかに減少し、それによって MAC テーブルが縮小し、管理しやすくなります。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FP カプセル化」

「FP でのデフォルトの IS-IS 動作」

「会話型 MAC アドレス学習」

「FP を使用したスイッチング」

「M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用」

「ハイ アベイラビリティ」

「仮想デバイス コンテキスト」

FP カプセル化

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FP ヘッダー」

「フォワーディング タグ(FTag)」

FP ヘッダー

レイヤ 2 フレームは、FP ネットワークに入るときに新しい FP ヘッダーでカプセル化されます。FP ネットワークに参加した各 FP デバイスに割り当てられるスイッチ ID は、FP ヘッダーの Outer MAC Destination Address(ODA; 外側の MAC 宛先アドレス)および Outer MAC Source Address(OSA; 外側の MAC 発信元アドレス)として使用されます。図 2-1に、Classical Ethernet(CE; クラシカル イーサネット)フレームをカプセル化する FP ヘッダーを示します。

図 2-1 FP フレームのカプセル化

システムは、FP ネットワークの入力エッジ ポートでカプセル化を適用し、FP ネットワークの出力エッジ ポートでフレームをカプセル解除します。FP ネットワーク内のすべてのポートは FP ポートであり、階層型 MAC アドレスだけを使用します(FP インターフェイスの設定の詳細については、「FabricPath インターフェイス」を参照してください)。このため、FP ネットワークのコアにある MAC テーブルのサイズが大幅に減少します。

システムは、FP ネットワーク内の各デバイスに固有のスイッチ ID を割り当てます。FP デバイスのスイッチ ID は、任意で設定することもできます(スイッチ ID の割り当てについては、「FabricPath 機能の詳細設定」を参照してください)。OSA は、フレームが FP ネットワークに入るときのデバイスの FP スイッチ ID です。フレームが FP ネットワークを出ると、FP デバイスは FP ヘッダーから除去され、元の CE フレームが引き続き CE ネットワーク上で処理されます。レイヤ 2 IS-IS プロトコルがトポロジ情報を送信する PF ネットワークでは、OSA および ODA だけが使用されます。FP の ODA および OSA は、標準の MAC 形式(xxxx.xxxx.xxxx)になります。

FP の階層型 MAC アドレスは、予約済みの EtherType 0x8903 を伴います。

フレームが最初にカプセル化されるときに、TTL は 16 に設定されます。FP ネットワーク上のホップごとに、各スイッチで TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、そのフレームは廃棄されます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

フォワーディング タグ(FTag)

FP ヘッダー内の Forwarding Tag(FTag; フォワーディング タグ)によって、パケットが FP ネットワーク上を移動する際の複数のパスから、いずれかのパスが指定されます。FP ネットワークに入る複数宛先のパケットには、FTag によって指定されたパスが使用されます。FTag は、ソフトウェアがトポロジから学習する固定ルートです。FTag は 10 ビットのフィールドで、値は 1 ~ 1024 になります(トポロジおよび複数パスの詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。フレームが FP ネットワークに入ると、エッジ ポートでこの FTag が割り当てられ、その FP ネットワーク内の後続の FP スイッチは、すべてその FTag に従います。1 つの FP トポロジ内の FTag は、それぞれ固有です。

FP スイッチングは、レイヤ 2 レベルでのマルチパス ネットワーキングを可能にします。FP ネットワークでは、ブロッキング ポートを使用する Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)を実行する必要はありません。FP ネットワークも、CE と同様にベスト エフォート型ですが、FP ネットワークではレイヤ 2 トラフィックに複数のパスを使用できます。

FP でのデフォルトの IS-IS 動作

FP ネットワーク内のインターフェイスでは、FP レイヤ 2 IS-IS プロトコルだけを実行し、Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)は実行しません。FP IS-IS は、トポロジ情報を動的に検出します。

FP レイヤ 2 IS-IS は動的なリンクステート ルーティング プロトコルであり、ネットワーク トポロジ内の変更を検出し、ネットワーク内の他のノードへのループフリー パスを計算します。各 FP デバイスには、ネットワークの状態が記述される Link-State Database(LSDB; リンクステート データベース)が保持されます。各デバイスは、そのデバイスに隣接するリンクのステータスを更新します。また、FP デバイスは、すべての既存の隣接関係を通じて、LSDB にアドバタイズメントとアップデートを送信します。FP パケットは、標準の IS-IS で IPv4/IPv6 アドレス ファミリに使用されるアドレスではなく、それぞれのレイヤ 2 宛先 MAC アドレスに移動するので、FP レイヤ 2 IS-IS プロトコル パケットが標準のレイヤ 2 IS-IS パケットと競合することはありません。

システムは、FP コア ポートで hello パケットを送信して、隣接関係を形成します。システムが IS-IS 隣接関係を形成すると、FP ユニキャスト トラフィックはレイヤ 2 IS-IS の Equal-Cost Multipathing(ECMP; 同等コストの複数パス)機能を使用してトラフィックを転送します。この機能では、ユニキャスト トラフィックに最大 16 個のパスが提供されます。

FP ネットワーク内では、すべてのユニキャスト、マルチキャスト、およびブロードキャスト トラフィックに単一のコントロール プレーン プロトコル、レイヤ 2 IS-IS が使用されます。基本的な FP 機能を導入し、デフォルトのトポロジを使用する場合、レイヤ 2 IS-IS の設定は不要です。デバイスで FP をイネーブルにすると、コントロール プレーンのレイヤ 2 IS-IS は自動的に起動し、実行されます(「FP スイッチングの設定」を参照)。

ループフリーのレイヤ 2 IS-IS プロトコルは、トポロジに 2 つのツリーを作成します。一方のツリーは未知のユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト トラフィックを伝送し、もう一方のツリーはロードバランスが行われたマルチキャスト トラフィックを伝送します。システムは、両方のツリーでマルチキャスト トラフィックのロード バランスを実行します(ツリーおよびトポロジの詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。

FP レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS プロトコルに基づいており、FP 環境用に次の拡張機能を備えています。

FP には、IS-IS 標準に規定される階層型のレイヤ 1/レイヤ 2 ルーティングのない、単一の IS-IS 領域があります。FP ネットワーク内のすべてのデバイスは、1 つのレイヤ 1 領域に存在します。

システムは、レイヤ 3 IS-IS インスタンスに使用される MAC アドレスとは異なる MAC アドレスを使用します。

システムは、標準の IS-IS にはない、スイッチ ID 情報を伝送する新しいサブ TLV を追加します。これによって、既存の IS-IS プロトコルの実装を介してレイヤ 2 情報を交換できます。

各 FP レイヤ 2 IS-IS インスタンス内では、各デバイスが、Shortest-Path First(SPF)アルゴリズムを使用してネットワーク内のその他すべてのデバイスへの最短パスを計算します。ユニキャスト FP フレームの転送には、このパスが使用されます。FP レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS 機能を使用して、所定の宛先デバイスについて最大 16 個のルートを読み込みます。このようにシステムは、使用可能な複数の同等コスト パラレル リンクを使用して、ECMP を提供します。

FP IS-IS では、(FTag によって識別される)ブロードキャストおよびマルチキャスト ツリーの構築をサポートするために、標準の IS-IS に一定の修正が加えられます。具体的には、システムは、FP を使用して、複数宛先のトラフィックを転送するための 2 つのループフリー ツリーを構築します。

FP ネットワーク内のデバイス間で隣接関係が確立されると、システムはすべてのネイバーにアップデート情報を送信します。

デフォルトでは、設定なしで FP にレイヤ 2 IS-IS を実行できますが、レイヤ 2 IS-IS パラメータの一部を調整することもできます(任意で IS-IS パラメータを設定する方法については、「FabricPath 機能の詳細設定」を参照してください)。

また、FP IS-IS の利用により、定常状態の各スイッチ ID を FP ネットワーク内で確実に固有にすることができます。FP ネットワークをマージすると、スイッチ ID が競合する可能性があります。ID をすべて動的に割り当てている場合、FP IS-IS によって、いずれのネットワークでも FP トラフィックに影響が及ばないように、この競合を解決することができます。

会話型 MAC アドレス学習


) 会話型 MAC 学習を使用するには、Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内の F シリーズ モジュールで作業している必要があります。


従来の MAC アドレス学習では、各ホストはネットワーク上のその他すべてのデバイスの MAC アドレスを学習します。VLAN に会話型学習を設定すると、関連付けられたインターフェイスは、そのインターフェイスとアクティブに会話している MAC アドレスだけを学習します。F シリーズ モジュールでは、すべてのインターフェイスがすべての MAC アドレスを学習する必要はありません。そのため、MAC アドレス テーブルのサイズが大幅に縮小されます。

Cisco NX-OS Release 5.1 以降のデバイスは、N7K-F132XP-15 モジュールを使用して、MAC 学習プロセスを最適化できます。会話型 MAC 学習は、VLAN ごとに設定します。すべての FP VLAN では常に会話型学習が使用されます。このモジュールでは、CE VLAN に会話型学習を設定することもできます(CE および FP VLAN の詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。

N7K-F132XP-15 モジュールには、16 個の Forwarding Engine(FE; 転送エンジン)が搭載されており、MAC 学習はそのうちの 1 つの FE だけで行われます。つまり、各 FE は、モジュールにあるその他 15 個の FE とは無関係に MAC アドレス学習を実行します。言い換えれば、インターフェイスは、対象の FE を介して入力または出力される MAC に関する MAC アドレス テーブルだけを保持します。インターフェイスは、モジュールにあるその他 15 個の FE の MAC アドレス テーブルを保持する必要はありません。

各 F シリーズ モジュールの 16 個の Forward Engine(FE)に関連して会話型 MAC アドレス学習が実行されることから、このモジュールと会話型 MAC 学習を使用する FP の MAC アドレス テーブルは非常に小さくなることがわかります。

F シリーズ モジュールで使用できる MAC アドレス学習モードは、従来型学習と会話型学習です。学習モードは、VLAN モードによって設定できます。

次のように、VLAN モードごとに MAC 学習モードが異なります。

FP VLAN:会話型 MAC 学習のみ

CE VLAN:デフォルトでは従来型学習。F シリーズ モジュールで CE VLAN に会話型学習を設定できます。

会話型 MAC 学習を設定すると、宛先 MAC アドレスがインターフェイスの MAC アドレス テーブルにすでに存在している場合、そのインターフェイスでは入力フレームの送信元 MAC アドレスだけが学習されます。送信元 MAC アドレスのインターフェイスでまだ宛先 MAC アドレスが認識されていない場合、その MAC アドレスは学習されません。各インターフェイスは、インターフェイスとアクティブに会話している MAC アドレスだけを学習します。このように、会話型 MAC 学習はスリーウェイ ハンドシェイクで成り立ちます。インターフェイスは、対応するインターフェイスと双方向の会話を行っている場合に限り、MAC アドレスを学習します。未知の MAC アドレスはネットワーク全体に転送、またはフラッディングされます。

各 F シリーズ モジュールでのこのような会話型 MAC アドレス学習と複数の FE の組み合せによって、各 F シリーズ モジュール上の MAC アドレス テーブルは大幅に縮小されます。

CE VLAN については、Command Line Interface(CLI; コマンド ライン インターフェイス)を使用して、F シリーズ モジュールで VLAN 単位の会話型学習を設定できます。CE VLAN では、デフォルトで従来型 MAC アドレス学習が使用されます。従来型 MAC 学習は、Cisco Release NX-OS 5.1 を使用する FP VLAN ではサポートされません。

FP を使用したスイッチング

FP の階層型 MAC アドレス スキームと会話型学習の使用により、FP ネットワーク内の会話型学習 MAC テーブルははるかに小さくなります。FP ネットワーク内では、レイヤ 2 IS-IS を使用してトポロジ情報が送信されます。ネットワークのエッジで会話型 MAC アドレス学習を使用するインターフェイスは、ネットワーク内のすべての MAC アドレスを学習する必要はありません(図 2-2を参照)。

図 2-2 フレームの交換に FP ヘッダーのみを使用する FP コア ポート

 

FP 階層型 MAC アドレスの使用により、MAC モビリティも促進されます。つまり、ホストを移動するときに同じ MAC アドレスと VLAN を維持する場合、FP ネットワークのエッジにあるインターフェイスだけがこの変更を追跡します。FP ネットワーク内の FP インターフェイスは、FP カプセル化の外側の MAC アドレス(ODA と OSA)が変更されたことだけをテーブルに反映させます。

FP インターフェイスの詳細については、「FabricPath インターフェイス」を参照してください。

FP ネットワークのエッジにある F シリーズ モジュールのポートでは、会話型学習を使用して、指定のエッジ ポートが双方向会話を行っている MAC アドレスだけを学習することができます。すべてのエッジ インターフェイスが、その他すべてのエッジ インターフェイスの MAC アドレスを学習する必要はありません。会話しているインターフェイスの MAC アドレスを学習するだけです。

フレームが FP ネットワークを移動するときに、すべてのデバイスでは FP ヘッダーだけが使用されます。したがって、FP インターフェイスでは ODA と Outer Source Address(OSA; 外側の送信元アドレス)だけが使用されます。FP インターフェイスは、ネットワークに接続する CE ホストやその他のデバイスの MAC アドレスを学習する必要がありません。FP ヘッダーによって階層型 MAC アドレスが提供されることにより、FP ネットワーク内の MAC テーブルは、そのネットワーク内のデバイス数に比例してはるかに小さくなります。FP ネットワーク内のインターフェイスに必要な情報は、フレームを別の FP スイッチに転送する方法だけなので、トラフィックを転送するのに、ネットワークのコアにある大規模な MAC アドレス ルックアップ テーブルは不要です。

また、FP ネットワークでは、ホップごとに各スイッチで FP ヘッダーの TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、パケットがドロップされます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

同一の Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内に M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールが存在する場合、F シリーズ モジュールの FP インターフェイスは、M シリーズ モジュールからそのポートを通過する MAC アドレスも学習します。このように、FP インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

M シリーズ モジュールでは FP をイネーブルにできないので、同じ Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシに共存している FP 対応のインターフェイスが、M シリーズ インターフェイスから FP 対応の F シリーズ インターフェイスを通過しているパケットの MAC アドレスを学習する必要があります。このように、FP インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

F シリーズ モジュールと M シリーズ モジュールの相互作用の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide, Release 5.x 』および『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Multicast Routing Configuration Guide, Release 5.x 』を参照してください。

ハイ アベイラビリティ

FP トポロジでは、ISSU を介して設定が保持されます。

ハイ アベイラビリティの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide, Release 5.x 』を参照してください。

仮想デバイス コンテキスト

1 つの FP ネットワークに対応する同一デバイス上のすべてのインターフェイスは、同じ VDC にあることが必要です。

スイッチで FP をイネーブルにするには、FP フィーチャ セットをインストールしておく必要があります。フィーチャ セットについては、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 5.x 』ガイドを参照してください。

F シリーズ モジュールには複数の FE が存在するため、次のポート ペアを同じ VDC に割り当てる必要があります。

ポート 1 とポート 2

ポート 3 とポート 4

ポート 5 とポート 6

ポート 7 とポート 8

ポート 9 とポート 10

ポート 11 とポート 12

ポート 13 とポート 14

ポート 15 とポート 16

ポート 17 とポート 18

ポート 19 とポート 20

ポート 21 とポート 22

ポート 23 とポート 24

ポート 25 とポート 26

ポート 27 とポート 28

ポート 29 とポート 30

ポート 31 とポート 32

VDC の詳細については、『 Cisco DCNM Virtual Device Context Configuration Guide, Release 5.x 』を参照してください。

FP スイッチングのライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

Cisco NX-OS

FP には、拡張レイヤ 2 ライセンスが必要です。NX-OS のライセンス スキームの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series Licensing Guide 』を参照してください。

FP スイッチングの前提条件

FP スイッチングには、次の前提条件があります。

クラシカル イーサネットのレイヤ 2 機能の使用経験がある。

スイッチで FP をイネーブルにする前に、FP フィーチャ セットをデフォルト以外の VDC にインストールしている。フィーチャ セットについては、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 5.x 』ガイドを参照してください。

デバイスにログオンしている。

拡張レイヤ 2 ライセンスがインストールされている。

現在の Virtual Device Context(VDC; 仮想デバイス コンテキスト)が正しい。VDC は、一連のシステム リソースを論理的に表現する用語です。 switchto vdc コマンドでは VDC 番号を指定できます。

F シリーズ モジュールで作業している。

FP スイッチングに関する注意事項と制限事項

FP スイッチングには、設定に関して次の注意事項および制限事項があります。

FP インターフェイスは、FP でカプセル化されたトラフィックだけを伝送します。

コマンドを表示したり、コマンドにアクセスしたりするには、各デバイスで FabricPath をイネーブルにします。各デバイスで FP をイネーブルにするには、 feature-set fabricpath コマンドを入力します。FabricPath フィーチャ セットのインストールとイネーブル化の詳細については、『 Configuring Feature-Set for FabricPath 』を参照してください。

STP は、FP ネットワーク内では動作しません。

N7K-F132XP-15 モジュールは、複数の SPAN 宛先ポートおよび仮想 SPAN をサポートしません。N7K-F132XP-15 モジュールのポートが VDC にあり、その VDC に複数の SPAN 宛先ポートが存在する場合、その SPAN セッションは機能しません。

FP の実行中は、プライベート VLAN 設定に次の注意事項が適用されます。

プライベート VLAN 内のすべての VLAN は同じ VLAN モード(CE または FP)である必要があります。タイプの異なる VLAN をプライベート VLAN に追加しようとしても、それらの VLAN はプライベート VLAN 内では機能しません。その VLAN の設定はシステムに記憶されるので、後で VLAN モードを変更したときに、その VLAN は指定のプライベート VLAN でアクティブになります。

FP ポートは、プライベート VLAN に追加できません。

システムは、階層型のスタティック MAC アドレスをサポートしません。つまり、スタティックな FP ODA および OSA は設定できません。設定できるのは、CE のスタティック MAC アドレスだけです。

F シリーズ モジュールでは、VLAN 内にポートを持つすべての Forwarding Engine(FE; 転送エンジン)にユーザ設定のスタティック MAC アドレスがプログラムされます。

FP スイッチングの設定

各デバイスで FP スイッチングをイネーブルにすると、カプセル化、デフォルト IS-IS、および学習が自動的に実行されます。


) スイッチで FP をイネーブルにするには、FP フィーチャ セットをインストールしておく必要があります。フィーチャ セットについては、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 5.x』ガイドを参照してください。


ここでは、次の内容について説明します。

「デバイス上の VDC での FP フィーチャ セットのイネーブル化」

「VDC での FP フィーチャ セットのディセーブル化」

「CE VLAN に対する MAC 学習モードの設定(任意)」

デバイス上の VDC での FP フィーチャ セットのイネーブル化

機能の設定に使用するコマンドにアクセスするには、FP フィーチャ セットをイネーブルにしておく必要があります。


) デフォルトの VDC と、FP を実行している他の VDC で別個に FP フィーチャ セットをイネーブルにします。FabricPath フィーチャ セットのインストールとイネーブル化の詳細については、『Configuring Feature-Set for FabricPath』を参照してください。


はじめる前に

拡張レイヤ 2 ライセンスがインストールされていることを確認します。

N7K-F132-15 モジュールをインストールしていることを確認します。

手順の概要

1. config t

2. feature-set fabricpath

3. exit

4. show feature-set

5. copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

config t

 

例:

switch# config t

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

feature-set fabricpath

 

例:

switch(config)# feature-set fabricpath

VDC の FP フィーチャ セットをイネーブルにします。

』ガイドを参照してください。また、デフォルトの VDC と、FP を実行している他の VDC で別個に FP フィーチャ セットをイネーブルにする必要があります。

ステップ 3

exit

 

例:

switch(config)# exit

switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 4

show feature-set

 

例:

switch# show feature-set

(任意)デバイスでイネーブルになっているフィーチャ セットを表示します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

 

例:

switch# copy running-config startup-config

(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

次に、VDC で FP 機能をイネーブルにする例を示します。

switch# config t
switch(config)# feature-set fabricpath
switch(config)#
 

VDC での FP フィーチャ セットのディセーブル化


) FP 機能をディセーブルにすると、デバイスではすべての FP 設定がクリアされます。


FP 機能をディセーブルにすると、FP の設定に必要ないずれの CLI コマンドも表示されなくなります。また、フィーチャ セットをディセーブルにすると、システムによってすべての FP 設定が削除されます。

はじめる前に

拡張レイヤ 2 ライセンスがインストールされていることを確認します。

N7K-F132-15 モジュールをインストールしていることを確認します。

手順の概要

1. config t

2. no feature-set fabricpath

3. exit

4. show feature-set

5. copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

config t

 

例:

switch# config t

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

no feature-set fabricpath

 

例:

switch(config)# no feature-set fabric

VDC で FP 機能をディセーブルにします。

ステップ 3

exit

 

例:

switch(config)# exit

switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 4

show feature-set

 

例:

switch# show feature-set

(任意)デバイスでイネーブルになっているフィーチャ セットを表示します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

 

例:

switch# copy running-config startup-config

(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

次に、FP 機能をディセーブルにする例を示します。

switch# config t
switch(config)# no feature-set fabricpath
switch(config)#

 

CE VLAN に対する MAC 学習モードの設定(任意)

CE VLAN では、デフォルトで従来型学習が使用されます。ただし、R シリーズ モジュールでは、会話型 MAC アドレス学習を使用するように CE VLAN を設定できます。


) FP VLAN は、従来型 MAC アドレス学習を使用するように設定できません。これらの VLAN で使用されるのは、会話型学習だけです。


はじめる前に

拡張レイヤ 2 ライセンスがインストールされていることを確認します。

N7K-F132-15 モジュールをインストールしていることを確認します。

CE VLAN で作業していることを確認します。

手順の概要

1. config t

2. mac address-table learning-mode conversational {vlan vlan-id }

3. exit

4. show mac address-table learning-mode {vlan vlan-id }

5. copy running-config startup-config

手順の詳細

 

コマンド
目的

ステップ 1

config t

 

例:

switch# config t

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

mac address-table learning-mode conversational {vlan vlan-id }

 

例:

switch(config)# mac address learning-mode conversational vlan 1-10

switch(config)#

F シリーズ モジュールで指定した CE VLAN に会話型 MAC 学習を設定します。従来型(会話型学習以外)の MAC 学習モードに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。CE VLAN のデフォルトの MAC 学習モードは従来型です。

(注) FP VLAN には、従来型 MAC アドレス学習モードを設定できません。

ステップ 3

exit

 

例:

switch(config)# exit

switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

ステップ 4

show mac address-table learning-mode {vlan vlan-id }

 

例:

switch# show mac address-table learning-mode

(任意)VLAN と MAC 学習モードを表示します。

ステップ 5

copy running-config startup-config

 

例:

switch# copy running-config startup-config

(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

次に、F シリーズ モジュールで指定した CE VLAN に、会話型 MAC アドレス学習を設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# mac address-table learning-mode conversational vlan 1-10
switch(config)#

 

FP スイッチングの確認

FP のスイッチング情報を表示するには、次のコマンドを使用します。

 

コマンド
目的

show feature-set

FP がイネーブルかどうかを表示します。

show mac address-table learning-mode {vlan vlan-id }

VLAN と MAC アドレス学習モードを表示します。

(注) MAC 学習モードは、F シリーズ モジュールだけで使用できます。

FP スイッチング機能を表示するその他のコマンドについては、「FabricPath 機能の詳細設定」を参照してください。

FP スイッチングの統計情報の表示とクリア

次のコマンドを使用して、FP スイッチングの統計を表示します。

clear counters [ interface ]

load- interval {interval seconds {1 | 2 | 3 }}

show interface counters [module module ]

show interface counters detailed [all]

show interface counters errors [module module ]

これらのコマンドの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Interfaces Command Reference, Release 5.x 』を参照してください。

FP スイッチングの設定例

フィーチャ セットをインストールした後は(フィーチャ セットのインストールの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide, Release 5.x 』を参照してください)、使用するすべての VDC で FabricPath 機能をイネーブルにする必要があります。


) FP を実行するには、Nexus 7000 シリーズ シャーシに F シリーズ モジュールを取り付けている必要があります。


図 2-3 FabricPath スイッチングの設定例


ステップ 1 すべてのデバイスで FabricPath をイネーブルにします。

switch# config t
switch(config)# feature-set fabricpath
switch(config)#
 

ステップ 2 (任意)MAC アドレス学習モードを設定します。

switch(config)# mac address learning-mode conversational vlan 1-10
switch(config)# show mac address-table learning-mode
switch(config)# exit

 


 

デフォルト設定

表 2-1 に、FP スイッチング パラメータのデフォルト設定値を示します。

 

表 2-1 デフォルト FP パラメータ

パラメータ
デフォルト

FP

ディセーブル。

MAC address learning mode

FP VLAN:会話型学習のみ

CE VLAN:従来型(会話型以外の)学習。F シリーズ モジュールで会話型学習を設定できます。

CLI を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

表 2-2 は、この機能のリリースの履歴です。

 

表 2-2 FabricPath スイッチング機能の履歴

機能名
リリース
機能情報

FabricPath

5.1(1)

これらの機能が導入されました。