Cisco NX-OS Multicast Routing コンフィギュレーション ガイド Release 4.0
IGMP スヌーピングの設定
IGMP スヌーピングの設定
発行日;2012/02/01 | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 2MB) | フィードバック

目次

IGMP スヌーピングの設定

IGMP スヌーピングの情報

IGMPv1 および IGMPv2

IGMPv3

IGMP スヌーピング クエリア

VDC および VRF を使用した IGMP スヌーピング

IGMP スヌーピングのライセンス要件

IGMP スヌーピングの前提条件

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピングの設定確認

IGMP スヌーピングの設定例

関連情報

デフォルト設定

その他の関連資料

関連資料

規格

MIB

技術サポート

IGMP スヌーピングの設定

この章では、Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピングの設定方法を説明します。

この章は、次の内容で構成されています。

「IGMP スヌーピングの情報」

「IGMP スヌーピングのライセンス要件」

「IGMP スヌーピングの前提条件」

「IGMP スヌーピング パラメータの設定」

「IGMP スヌーピングの設定確認」

「IGMP スヌーピングの設定例」

「関連情報」

「デフォルト設定」

「その他の関連資料」

IGMP スヌーピングの情報

IGMP スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内のレイヤ 2 IP マルチキャスト トラフィックを検査して、対象の受信者が接続されているポートを検出します。IGMP スヌーピングではポート情報を利用することにより、マルチアクセス LAN 環境における帯域幅消費量を削減し、VLAN 全体へのフラッディングを回避します。IGMP スヌーピング機能は、マルチキャスト対応ルータに接続されたポートを追跡して、ルータによる IGMP メンバシップ レポートの転送機能を強化します。トポロジの変更通知には、IGMP スヌーピング ソフトウェアが応答します。デバイスでは、IGMP スヌーピングがデフォルトでイネーブルになっています。

図4-1 に、ホストと IGMP ルータ間に設置された IGMP スヌーピング スイッチを示します。IGMP スヌーピング スイッチは、IGMP メンバシップ レポートおよび Leave メッセージをスヌーピングして、必要な場合にだけ接続された IGMP ルータに転送します。

図4-1 IGMP スヌーピング スイッチ

 

IGMP スヌーピング ソフトウェアは、IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 コントロール プレーン パケットの処理に関与し、レイヤ 3 コントロール プレーン パケットを代行受信して、レイヤ 2 の転送処理を操作します。IGMP の詳細については、「IGMP および MLD の設定」を参照してください。

Cisco NX-OS IGMP スヌーピング ソフトウェアには、次の独自機能があります。

送信元フィルタリングにより、宛先および送信元の IP アドレスに基づいて、マルチキャスト パケットを転送できます。

MAC アドレスでなく、IP アドレスに基づいてマルチキャスト転送を実行します。

Optimized Multicast Flooding(OMF)により、未知のトラフィックをルータにのみ転送して、データに基づくステート作成を行いません。

IGMP スヌーピングの詳細については、 RFC 4541 を参照してください。

ここでは、次の内容について説明します。

「IGMPv1 および IGMPv2」

「IGMPv3」

「IGMP スヌーピング クエリア」

「VDC および VRF を使用した IGMP スヌーピング」

IGMPv1 および IGMPv2

IGMPv1 および IGMPv2 は、メンバシップ レポートの抑制機能をサポートしています。すなわち、同じサブネットに属する 2 つのホストが、同じグループのマルチキャスト データを要求している場合、一方のホストからメンバー レポートを受信した他方のホストで、レポートの送信が抑制されます。メンバシップ レポート抑制は、同じポートを共有しているホスト間で発生します。

各 VLAN スイッチ ポートに接続されているホストが 1 つしかない場合は、IGMPv2 の高速脱退機能を設定できます。高速脱退機能を使用すると、最終メンバーのクエリー メッセージがホストに送信されません。ソフトウェアは IGMP Leave メッセージを受信すると、ただちに該当するポートへのマルチキャスト データ転送を停止します。

IGMPv1 では、明示的な IGMP Leave メッセージが存在しないため、特定のグループについてマルチキャスト データを要求するホストが存続しないことを示すために、メンバシップ メッセージ タイムアウトが利用されます。


) 高速脱退機能がイネーブルになっている場合、他のホストの存在は確認されないため、最終メンバーのクエリー インターバル設定が無視されます。


IGMPv3

Cisco NX-OS にはフル機能の IGMPv3 スヌーピングが実装されており、IGMPv3 レポートに含まれる (S, G) 情報に基づいて、フラッディングを制御することができます。この送信元ベースのフィルタリングにより、スイッチは対象のマルチキャスト グループにトラフィックを送信する送信元に基づいて、マルチキャスト トラフィックの宛先ポートを制限できます。

ソフトウェアのデフォルト設定では、各 VLAN ポートに接続されたホストが追跡されます。この明示的な追跡機能は、高速脱退メカニズムをサポートしています。IGMPv3 ではすべての ホストがメンバシップ レポートを送信するため、レポート抑制機能を利用すると、スイッチから他のマルチキャスト対応ルータに送信されるトラフィック量を制限できます。レポート抑制をイネーブルにすると、過去にいずれの IGMPv1 ホストまたは IGMPv2 ホストからも対象のグループへの要求がなかった場合には、プロキシ レポートが作成されます。プロキシ機能により、下流のホストが送信するメンバシップ レポートからグループ ステートが構築され、上流のクエリアからのクエリーに応答するためにメンバシップ レポートが生成されます。

IGMPv3 メンバシップ レポートには LAN セグメント上のグループ メンバーの一覧が含まれていますが、最終ホストが脱退すると、メンバシップ クエリーが送信されます。最終メンバーのクエリー インターバルについてパラメータを設定すると、タイムアウトまでにどのホストからも応答がなかった場合に、グループ ステートが解除されます。

IGMP スヌーピング クエリア

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないために、PIM がインターフェイス上でディセーブルになっている場合は、メンバシップ クエリーを送信するように IGMP スヌーピング クエリアを設定する必要があります。このクエリアは、マルチキャスト送信元と受信者を含み、その他のアクティブ クエリアを含まない VLANで定義します。

IGMP スヌーピング クエリアがイネーブルな場合は、定期的に IGMP クエリーが送信されるため、IP マルチキャスト トラフィックを要求するホストから IGMP レポート メッセージが発信されます。IGMP スヌーピングはこれらの IGMP レポートを受信し、必要に応じて転送します。

VDC および VRF を使用した IGMP スヌーピング

Virtual Device Context(VDC)は、一連のシステム リソースを論理的に表現する用語です。各 VDC 内では、複数の Virtual Routing and Forwarding(VRF)インスタンスを定義できます。VDC ごとに実行できる IGMP プロセスは 1 つです。IGMP プロセスは対象の VDC に含まれるすべての VRF をサポートし、その VDC 内で IGMP スヌーピング機能を実行します。IGMP スヌーピングの詳細については、「IGMP スヌーピングの設定」を参照してください。

show コマンドに VRF 引数を指定して実行すると、表示される情報のコンテキストを確認できます。VRF 引数を指定しない場合は、デフォルト VRF が使用されます。

VDC の設定の詳細については、『 Cisco NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 4.0 』を参照してください。

VRF の設定の詳細については、『 Cisco NX-OS Unicast Routing Configuration Guide, Release 4.0 』を参照してください。

IGMP スヌーピングのライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

NX-OS

IGMP スヌーピングにはライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は、Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされて提供されます。追加料金は発生しません。NX-OS ライセンス スキームの詳細については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide, Release 4.0 』を参照してください。

IGMP スヌーピングの前提条件

IGMP スヌーピングの前提条件は、次のとおりです。

スイッチにログオンしている。

現在の VDC が正しい。VDC は、一連のシステム リソースを論理的に表現する用語です。 switchto vdc コマンドでは、VDC 番号を指定できます。

現在の VRF モードが正しい(グローバル コマンドの場合)。この章の例で示すデフォルトのコンフィギュレーション モードは、デフォルト VRF に適用されます。

IGMP スヌーピング パラメータの設定

IGMP スヌーピング プロセスの動作を変更するには、 表4-1 に示すオプションの IGMP スヌーピング パラメータを設定します。

 

表4-1 IGMP スヌーピング パラメータ

パラメータ
説明

IGMP スヌーピング

アクティブな VDC、または各 VLAN に対して、IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトではディセーブルになっています。


) グローバル設定がディセーブルになっていると、個々の VLAN がイネーブルであるかどうかに関係なく、すべての VLAN がディセーブルとみなされます。


明示的な追跡

各ポートに接続されたそれぞれのホストから送信される IGMPv3 メンバシップ レポートを、VLAN 別に追跡します。デフォルトではイネーブルになっています。

高速脱退

ソフトウェアが IGMP Leave レポートを受信した場合に、IGMP クエリー メッセージを送信することなく、グループ ステートを解除できるようにします。このパラメータは、IGMPv2 ホストに関して、各 VLAN ポート上のホストが 1 つしか存在しない場合に使用されます。デフォルトではディセーブルになっています。

最終メンバーのクエリー インターバル

IGMP クエリーの送信後に待機する時間を設定します。この時間が経過すると、ソフトウェアは、特定のマルチキャスト グループについてネットワーク セグメント上に受信要求を行うホストが存在しないとみなします。いずれのホストからも応答がないまま、最終メンバーのクエリー インターバルの期限が切れると、対応する VLAN ポートからグループが削除されます。有効範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルト値は 1 秒です。

スヌーピング クエリア

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないため、PIM をイネーブルにしていない場合に、インターフェイスにスヌーピング クエリアを設定します。デフォルトではディセーブルになっています。

レポート抑制

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制がディセーブルの場合、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに転送されます。デフォルトではイネーブルになっています。

マルチキャスト ルータ

マルチキャスト ルータへの静的な接続を設定します。ルータと接続するインターフェイスが、選択した VLAN に含まれている必要があります。

スタティック グループ

VLAN のレイヤ 2ポートをマルチキャスト グループのスタティック メンバーとして設定します。


) Cisco IOS CLI の詳しい知識がある場合は、この機能で使用する Cisco NX-OS コマンドが、よく使用される Cisco IOS コマンドとは異なる可能性があることに注意してください。


コマンドの一覧

1. config t

2. ip igmp snooping

3. interface vlan vlan-id

4. ip igmp snooping

ip igmp snooping explicit-tracking

ip igmp snooping fast-leave

ip igmp snooping last-member-query-interval seconds

ip igmp snooping querier ip-address

ip igmp snooping report-suppression

ip igmp snooping mrouter interface interface

ip igmp snooping static-group group-ip-addr [ source source-ip-addr ] interface interface

5. copy running-config startup-config

詳細な手順

 

コマンド
目的

ステップ 1

config t

 

例:

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip igmp snooping

 

例:

switch(config)# ip igmp snooping

現在の VDC に対して IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトではイネーブルになっています。


) このコマンドの no 形式により、グローバル設定がディセーブルになっている場合は、個々の VLAN で IGMP スヌーピングがイネーブルであるかどうかに関係なく、すべての VLAN で IGMP スヌーピングがディセーブルになります。


ステップ 3

interface vlan vlan-id

 

例:

switch(config)# interface vlan 2

switch(config-vlan)#

VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 4

ip igmp snooping

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping

現在の VLAN に対して IGMP スヌーピングをイネーブルにします。デフォルトではディセーブルになっています。

ip igmp snooping explicit-tracking

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping explicit-tracking

各ポートに接続されたそれぞれのホストから送信される IGMPv3 メンバシップ レポートを、VLAN 別に追跡します。デフォルトではすべての VLAN でイネーブルになっています。

ip igmp snooping fast-leave

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping fast-leave

IGMPv2 プロトコルのホスト レポート抑制メカニズムのために、明示的に追跡できない IGMPv2 ホストをサポートします。高速脱退がイネーブルの場合、IGMP ソフトウェアは、各 VLAN ポートに接続されたホストが 1 つだけであるとみなします。デフォルトでは、すべての VLAN でディセーブルになっています。

ip igmp snooping last-member-query-interval seconds

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping last-member-query-interval 3

いずれのホストからも IGMP クエリー メッセージへの応答がないまま、最終メンバーのクエリー インターバルの期限が切れた場合に、対応する VLAN ポートからグループを削除します。有効範囲は 1 ~ 25 秒です。デフォルト値は 1 秒です。

ip igmp snooping querier ip-address

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping querier 172.20.52.106

マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないため、PIM をイネーブルにしていない場合に、スヌーピング クエリアを設定します。メッセージ内では、送信元として IP アドレスが使用されます。デフォルトではディセーブルになっています。

ip igmp snooping report-suppression

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping report-suppression

マルチキャスト対応ルータに送信されるメンバシップ レポート トラフィックを制限します。レポート抑制がディセーブルの場合、すべての IGMP レポートがそのままマルチキャスト対応ルータに転送されます。デフォルトではイネーブルになっています。


) グローバル コンフィギュレーション モードでこのコマンドを実行し、すべてのインターフェイスを変更することもできます。


ip igmp snooping mrouter interface interface

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping mrouter interface ethernet 2/1

マルチキャスト ルータへの静的な接続を設定します。ルータと接続するインターフェイスが、選択した VLAN に含まれている必要があります。 ethernet slot/port のように、インターフェイスをタイプおよび番号で指定できます。

ip igmp snooping static-group group-ip-addr [ source source -ip-addr] interface interface

 

例:

switch(config-vlan)# ip igmp snooping static-group 230.0.0.1 interface ethernet 2/1

VLAN のレイヤ 2ポートをマルチキャスト グループのスタティック メンバーとして設定します。 ethernet slot/port のように、インターフェイスをタイプおよび番号で指定できます。

ステップ 5

copy running-config startup-config

 

例:

switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。

IGMP スヌーピングの設定確認

IGMP スヌーピングの設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。

 

コマンド
目的

show ip igmp snooping [ vlan vlan-id ]

IGMP スヌーピング設定を VLAN 別に表示します。

show ip igmp snooping groups [ vlan vlan-id ] [ detail ]

グループに関する IGMP スヌーピング情報を VLAN 別に表示します。

show ip igmp snooping querier [ vlan vlan-id ]

IGMP スヌーピング クエリアを VLAN 別に表示します。

show ip igmp snooping mroute [ vlan vlan-id ]

マルチキャスト ルータ ポートを VLAN 別に表示します。

show ip igmp snooping explicit-tracking [ vlan vlan-id ]

IGMP スヌーピングの明示的な追跡情報を VLAN 別に表示します。

これらのコマンド出力のフィールドの詳細については、『 Cisco NX-OS Multicast Routing Command Reference, Release 4.0 』を参照してください。

IGMP スヌーピングの設定例

次に、IGMP スヌーピング パラメータの設定例を示します。

config t
ip igmp snooping
interface vlan 2
ip igmp snooping
ip igmp snooping explicit-tracking
ip igmp snooping fast-leave
ip igmp snooping last-member-query-interval 3
ip igmp snooping querier 172.20.52.106
ip igmp snooping report-suppression
ip igmp snooping mrouter interface ethernet 2/1
ip igmp snooping static-group 230.0.0.1 interface ethernet 2/1
 

関連情報

PIM の関連機能をイネーブルにするには、次の章を参照してください。

「IGMP および MLD の設定」

「MSDP の設定」

デフォルト設定

表4-2 に、IGMP スヌーピング パラメータのデフォルト設定を示します。

 

表4-2 IGMP スヌーピング パラメータのデフォルト設定

パラメータ
デフォルト

IGMP スヌーピング

イネーブル

明示的な追跡

イネーブル

高速脱退

ディセーブル

最終メンバーのクエリー インターバル

1 秒

スヌーピング クエリア

ディセーブル

レポート抑制

イネーブル

その他の関連資料

IGMP スヌーピングの実装に関する詳細情報については、次の項目を参照してください。

「関連資料」

「規格」

「MIB」

付録 A「IETF RFC 一覧」

「技術サポート」

関連資料

関連項目
マニュアル名

VDC

Cisco NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 4.0

CLI コマンド

Cisco NX-OS Multicast Routing Command Reference, Release 4.0

規格

規格
タイトル

この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。

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MIB

MIB
MIB のリンク

CISCO-IGMP-SNOOPING-MIB

適切な MIB を選択してダウンロードするには、次の URL を参照してください。

http://www.cisco.com/NX-OS/mibs

技術サポート

説明
リンク

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