Cisco Nexus 7000 シリーズ NX-OS MPLS コンフィギュレーション ガイド
MPLS Quality of Service の設定
MPLS Quality of Service の設定
発行日;2012/05/10 | 英語版ドキュメント(2012/03/05 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 6MB) | フィードバック

目次

MPLS Quality of Service の設定

MPLS QoS の概要

MPLS QoS 用語

MPLS QoS の機能

MPLS 実験フィールド

信頼(trust)

分類

ポリシングおよびマーキング

IP ToS の保持

EXP 変換

MPLS DiffServ トンネリング

MQC CLI

トポロジと役割

MPLS ネットワークの入力エッジでの LER

MPLS ネットワークのコアにある LSR

MPLS ネットワークの出力エッジでの LER

エッジおよびコアでの MPLS QoS 分類

IP から MPLS

MPLS-to-MPLS

MPLS-to-IP

MPLS DiffServ トンネリング モード

MPLS QoS と HA

MPLS QoS のライセンス要件

MPLS QoS の前提条件

MPLS スイッチングに関する注意事項と制限事項

MPLS QoS のデフォルト設定

MPLS QoS の設定

MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定

ポリシー マップの設定

EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップの設定

police コマンドを使用したポリシー マップの設定

テーブル マップを使用したポリシー マップの設定

テーブル マップの作成

MPLS QoS 設定の確認

MPLS QoS の設定例

例:MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定

例:EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップの設定

例:police コマンドを使用したポリシー マップの設定

例:テーブル マップを使用したポリシー マップの設定

MPLS QoS に関する追加情報

関連資料

標準

MIB

RFC

MPLS QoS の機能履歴

MPLS Quality of Service の設定

 

この章では、Cisco NX-OS デバイスで Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)Quality of Service(QoS)を設定する方法について説明します。

この章では、次の内容について説明します。

「MPLS QoS の概要」

「MPLS QoS のライセンス要件」

「MPLS QoS の前提条件」

「MPLS スイッチングに関する注意事項と制限事項」

「MPLS QoS のデフォルト設定」

「MPLS QoS の設定」

「MPLS QoS 設定の確認」

「MPLS QoS の設定例」

「MPLS QoS に関する追加情報」

「MPLS QoS の機能履歴」

MPLS QoS の概要

MPLS QoS を使用すると、差別化したサービス タイプを MPLS ネットワーク上で提供できます。差別化したサービス タイプを使用して、各パケットで指定されたサービスを提供することで、さまざまな要件を満たすことができます。


) QoS では、ネットワーク トラフィックの分類、トラフィック フローのポリシングとプライオリティ設定、および輻輳回避が可能です。Cisco NX-OS における QoS の一般的な情報については、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.xを参照してください。


ここでは、次の内容について説明します。

「MPLS QoS 用語」

「MPLS QoS の機能」

「MQC CLI」

「トポロジと役割」

「エッジおよびコアでの MPLS QoS 分類」

「MPLS DiffServ トンネリング モード」

「MPLS QoS と HA」

MPLS QoS 用語

ここでは、MPLS QoS 用語を定義します。

Class of Service (CoS):スイッチド ネットワークを通過するときにイーサネット フレームのプライオリティを示す Inter-Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)ヘッダーまたは 802.1Q ヘッダーのいずれかの 3 ビットのことです。802.1Q ヘッダーの CoS ビットは通常 802.1p ビットと呼ばれます。パケットがレイヤ 2 およびレイヤ 3 ドメインの両方を横断するときに QoS を維持するため、Type of Service(ToS; サービス タイプ)値と CoS 値を互いにマッピングすることができます。

分類 :QoS をマーキングするトラフィックを選択する処理です。

Differentiated Services Code Point (DSCP; ディファレンシエーテッド サービス コード ポイント):IP ヘッダーの ToS バイトの上位 6 ビットです。DSCP は、IP パケットだけに存在します。

ディスポジション:パケットが MPLS ドメインから発信されるときに、エッジ Label Switch Router(LSR; ラベル スイッチ ルータ)によって 1 つ以上の MPLS ラベルを削除またはポップするプロセスです。

E-LSP :Label Switched Path(LSP; ラベル スイッチド パス)の 1 つであり、ノードはここで MPLS ヘッダーの Experimental(EXP; 実験)ビットから排他的に MPLS パケットの QoS 処理を判断します。QoS 処理が EXP(クラスおよびドロップ優先順位の両方)から判断されるため、いくつかのクラスのトラフィックを 1 つの LSP に多重化することができます(同じラベルを使用)。EXP フィールドは 3 ビット フィールドであるため 1 つの LSP は最大 8 つのトラフィックのクラスをサポートすることができます。

EXP ビット :ノードがパケットに与える QoS 処理(Per Hop Behavior)を定義します。これは、IP ネットワークの DiffServ Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)に相当します。DSCP は、クラスとドロップ優先順位を定義します。EXP ビットは、一般に IP DSCP でエンコードされた情報をすべて伝送するのに用いられます。ただし、ドロップ優先順位をエンコードするために EXP ビットが排他的に用いられる場合もあります。

フレーム :レイヤ 2 でトラフィックを伝送します。レイヤ 2 フレームが、レイヤ 3 パケットを伝送します。

IP precedence :IP ヘッダーの ToS バイトの最上位 3 ビットです。

インポジション:パケットが MPLS ドメインに着信するときに、エッジ LSR によって 1 つ以上の MPLS ラベルを追加またはインポーズするプロセスです。

QoS タグ :レイヤ 3 パケットおよびレイヤ 2 フレームで伝達されるプライオリティ値です。レイヤ 2 CoS ラベルは、0(ロー プライオリティ)~ 7(ハイ プライオリティ)の範囲です。レイヤ 3 IP precedence ラベルは、0(ロー プライオリティ)~ 7(ハイ プライオリティ)の範囲です。IP precedence 値は、1 バイトの ToS バイトの最上位 3 ビットで定義されます。レイヤ 3 DSCP ラベルは、0 ~ 63 の値を持つことができます。DSCP 値は 1 バイトの IP ToS フィールドのうち最上位 6 ビットで定義されます。

Label Edge Router( LER ; ラベル エッジ ルータ):パケット上のラベルのインポーズおよびディスポーズを行うデバイスで、Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)ルータとも呼ばれます。

Label Switching Router( LSR ; ラベル スイッチ ルータ):パケット上のラベルに基づいてトラフィックを転送するデバイスで、P(プロバイダー)ルータとも呼ばれます。

マーキング :パケットのレイヤ 3 DSCP 値を設定するプロセスです。マーキングはまた、MPLS EXP フィールドで異なった値を選択してパケットにマーキングし、輻輳時にパケットが必要なプライオリティを持つようにするプロセスでもあります。

MQC :Cisco Modular QoS Command-Line Interface(MQC; モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)フレームワークです。QoS 展開において、モジュラ式で拡張性に優れています。

パケット :レイヤ 3 でトラフィックを伝送します。

ポリシング :トラフィック フローが使用する帯域幅を制限する処理です。ポリシングによって、トラフィックのマーキングまたはドロップが可能になります。

スワッピング:MPLS ドメイン内で LSR によって 1 つ以上の MPLS ラベルを置換するプロセスです。

MPLS QoS の機能

ここでは、次の MPLS QoS 機能について説明します。これらは MPLS ネットワークでサポートされます。

「MPLS 実験フィールド」

「信頼(trust)」

「分類」

「ポリシングおよびマーキング」

「IP ToS の保持」

「EXP 変換」

「MPLS DiffServ トンネリング」

MPLS 実験フィールド

MPLS EXP(実験)フィールド値を設定すると、サービス プロバイダーが自己のネットワークで伝送された IP パケット内で変更された IP precedence フィールドの値を望まない場合に、サービス プロバイダーの要件を満たすことができます。

MPLS EXP フィールドで異なった値を選択することにより、輻輳時にパケットが必要なプライオリティを持つようパケットをマーキングすることができます。

デフォルトでは、インポジション中に、DSCP の最上位 3 ビットが MPLS EXP フィールドにコピーされます。MPLS EXP ビットは、MPLS QoS ポリシーによってマーキングできます。

信頼(trust)

受信したレイヤ 2 またはレイヤ 3 MPLS パケットに対し、ルータは通常、受信した最上位ラベルの EXP 値を信頼します。MPLS パケットは、次のいずれの影響も受けません。

インターフェイス信頼状態

ポートの CoS 値

分類

分類とはマーキングするトラフィックを選択するプロセスです。分類では、トラフィックを複数の優先プライオリティ レベルまたはサービス クラスに分割することができます。トラフィック分類は、クラス ベースの QoS プロビジョニングのプライマリ コンポーネントです。ルータは、受信した MPLS パケット(ポリシーのインストール後)の最上位ラベルの EXP ビットに基づき、分類を行います。詳細については、「MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定」を参照してください。

ポリシングおよびマーキング

ポリシングを行うと、設定レートを超えたトラフィックは廃棄されるか、またはより高いドロップ優先順位にマークダウンされます。マーキングは、パケット フローを識別して、これらを区別する手法です。パケット マーキングを利用すれば、ネットワークを複数の優先プライオリティ レベルまたはサービス クラスに分割することができます。

実装可能な MPLS QoS ポリシングおよびマーキング機能は、受信したトラフィック タイプ、およびトラフィックに適用される転送処理によって決まります。詳細については、「ポリシー マップの設定」を参照してください。

IP ToS の保持

ルータでは、インポジション、スワップ、ディスポジションを含むすべての MPLS 操作中に、IP Type of Service(ToS; タイプ オブ サービス)が自動的に保持されます。IP ToS を保存するためのコマンドを入力する必要はありません。

EXP 変換

名前付き出力 EXP 変換マップを設定して、出力 EXP 値として使用する前に内部 DSCP から取得される EXP 値を変換できます。出力 EXP 変換マップは、次のインターフェイス タイプに付加できます。

LAN ポート サブインターフェイス

レイヤ 3 VLAN インターフェイス

レイヤ 3 LAN ポート

出力 EXP 変換マップは、次のインターフェイス タイプには付加できません。

レイヤ 2 LAN ポート( switchport コマンドにより設定されるポート)

MPLS DiffServ トンネリング

ルータは MPLS DiffServ トンネリングを使用して、あるネットワーク エッジから別のネットワーク エッジまでの MPLS 透過性を提供します。詳細については、「MPLS DiffServ トンネリング モード」を参照してください。

MQC CLI

MPLS QoS で使用可能なポリシングおよびマーキング機能は、Modular QoS Command-Line Interface(MQC; モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)から管理します。Modular QoS CLI(MQC; モジュラ QoS CLI)は、トラフィック クラス(クラス マップ)を定義し、トラフィック ポリシー(ポリシー マップ)を作成して設定し、これらのトラフィック ポリシーをインターフェイスに付加することができます。


) MQC を使用した NX-OS における QoS 設定の詳細については、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.xを参照してください。


トポロジと役割

ここでは、MPLS QoS を実装するときのネットワーク デバイスの役割について説明します。


) このマニュアルではサービス プロバイダーについて言及していますが、MPLS を実行している企業にも適用されます。


図 20-1 に、カスタマー ネットワークの 2 つのサイトを接続するサービス プロバイダーの MPLS ネットワークを示します。

図 20-1 カスタマーの IP ネットワークの 2 つのサイトを接続する MPLS ネットワーク

このネットワークは両方向ですが、ここではパケットは左から右へ移動します。

図 20-1の記号の意味は次のとおりです。

CE1:カスタマー装置1

PE1:サービス プロバイダー入力 LER

P1:サービス プロバイダーのネットワークのコア内の LSR

P2:サービス プロバイダーのネットワークのコア内の LSR

PE2:サービス プロバイダー出力 LER

CE2:カスタマー装置2


) PE1 および PE2 は、MPLS ネットワークと IP ネットワークの境界にあります。


ここでは、次の内容について説明します。

「MPLS ネットワークの入力エッジでの LER」

「MPLS ネットワークのコアにある LSR」

「MPLS ネットワークの出力エッジでの LER」

MPLS ネットワークの入力エッジでの LER


) 着信ラベルには集約または非集約の 2 つのタイプがあります。集約ラベルの場合は、ネクスト ホップおよび発信インターフェイスを検出するときに、IP 検索を通して着信 MPLS または MPLS VPN パケットをスイッチングする必要があります。非集約ラベルの場合は、パケットに IP ネクストホップ情報が格納されます。


MPLS ネットワークの入力エッジでは、LER がパケットを次のように処理します。

1. レイヤ 2 またはレイヤ 3 トラフィックはエッジ LER(PE1)で MPLS ネットワークのエッジに入ります。

2. ルータは入力インターフェイスからトラフィックを受信し、802.1p ビットまたは IP ToS ビットを使用して分類、マーキング、ポリシングを実行し、新しい EXP ビットを導き出します。着信 IP パケットの分類については、入力サービス ポリシーも Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)を使用することができます。

3. ルータは着信 IP パケットごとに IP アドレスの検索を行い、ネクストホップ ルータを決定します。

4. 適切なラベルがパケットにプッシュ(インポジション)され、QoS 決定の結果としての EXP 値はラベル ヘッダーの MPLS EXP フィールドにコピーされます。

5. ルータは、ラベルの付けられたパケットを、適切な出力インターフェイスに転送して処理します。

6. ルータは、802.1p ビットまたは IP ToS ビットも出力インターフェイスに転送します。802.1p ビットまたは IP ToS ビットは、最上位ラベルの EXP ビットによってリマーキングできます。

7. (EXP によってマーキングされた)ラベル付きパケットは、コア MPLS ネットワークに送信されます。

MPLS ネットワークのコアにある LSR

MPLS ネットワークのコアにある LSR は、パケットを次のように処理します。

1. エッジ LER(または他のコア デバイス)からの着信 MPLS ラベル付きパケット(および 802.1p ビットまたは IP ToS ビット)がコア LSR に着信します。

2. ルータは、入力インターフェイスからトラフィックを受信し、EXP ビットを使用して分類、マーキング、ポリシングを実行します。

3. ルータは、テーブルを検索してネクストホップ LSR を決定します。

4. 適切なラベルがパケットに配置(スワップ)され、MPLS EXP ビットがラベル ヘッダーにコピーされます。

5. ルータは、ラベルの付けられたパケットを、適切な出力インターフェイスに転送して処理します。

6. ルータは、802.1p ビットまたは IP ToS ビットも出力インターフェイスに転送します。

7. 送信パケットは、MPLS EXP フィールドによって区別され、マーキングまたはポリシングが行われます。

8. (EXP によってマーキングされた)ラベル付きパケットは、コア MPLS ネットワークの別の LSR または出力エッジの LER に送信されます。


) パケットは MPLS パケットであるため、サービス プロバイダー ネットワーク内には、使用するキューイング アルゴリズム用の IP precedence フィールドはありません。パケットは、プロバイダー エッジ ルータである PE2 に着信するまで MPLS パケットのままです。


MPLS ネットワークの出力エッジでの LER

MPLS ネットワークの出力エッジでは、LER がパケットを次のように処理します。

1. コア LSR からの MPLS ラベル付きパケット(および 802.1p ビットまたは IP ToS ビット)が MPLS ネットワーク バックボーンから接続される出力 LER(PE2)に着信します。

2. ルータは、MPLS ラベルをパケットからポップ(ディスポジション)します。集約ラベルと非集約ラベルは、デフォルトでは EXP 値で分類されます。

3. 集約ラベルの場合、ルータは IP アドレスの検索を行い、パケットの宛先を決定します。次に、ルータはパケット処理のため、パケットを適切な出力インターフェイスに転送します。非集約ラベルの場合、転送はラベルに基づいて行われます。デフォルトでは、非集約ラベルは出力 PE ルータではなく最後から 2 番めのホップ ルータでポップされます。

4. ルータは、802.1p ビットまたは IP ToS ビットも出力インターフェイスに転送します。

5. パケットは、802.1p ビットまたは IP ToS ビットに従って区別され、それに従って処理されます。


) MPLS EXP ビットを使用すると、MPLS パケットの QoS を指定することができます。IP precedence および DSCP ビットを使用すると、IP パケットの QoS を指定することができます。


エッジおよびコアでの MPLS QoS 分類

ここでは、次の内容について説明します。

「IP から MPLS」

「MPLS-to-MPLS」

「MPLS-to-IP」

IP から MPLS

ここでは、MPLS および MPLS VPN ネットワークの入力(CE-to-PE)および出力(PE-to-CE)エッジでの LER の QoS 機能について説明します。MPLS と MPLS VPN のどちらも一般 MPLS QoS 機能をサポートします。

ルータは、IP-to-MPLS エッジで次の MPLS QoS 機能を提供します。

policy-map コマンドに基づいた EXP 値の割り当て

ポリシーを利用した EXP 値のマーキング

ポリシーを利用したトラフィックのポリシング

ここでは、次の内容について説明します。

「IP-to-MPLS の分類」

「IP-to-MPLS モード MPLS QoS の分類」

「IP-to-MPLS 入力ポートでの分類」

「IP-to-MPLS 出力ポートでの分類」

IP-to-MPLS の分類

IP トラフィックに対し、ルータの入力ポリシーと出力ポリシーは、IP precedence、IP DSCP、IP ACL の match コマンドを使用して、受信した元の IP 上のトラフィックを分類します。

ルータは、QoS ポリシーを適用した後、内部 DSCP を割り当てます。次に、ルータはインポーズしたラベルの内部 DSCP-to-EXP グローバル マップに基づき、EXP 値を割り当てます。複数のラベルがインポーズされている場合、EXP 値は各ラベルとも同じです。MPLS ラベルがインポーズされている場合、ルータは元の IP ToS を保持します。

ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップに基づき、出力 CoS を割り当てます。デフォルトの内部 DSCP-to-EXP マップおよび内部 DSCP-to-CoS マップが整合している場合、出力 CoS はインポーズされた EXP と同じ値を持ちます。

入力ポートが IP-to-IP および IP-to-MPLS トラフィックの両方を受信した場合、分類を用いてこの 2 つのタイプのトラフィックを分離する必要があります。たとえば、IP-to-IP および IP-to-MPLS トラフィックの宛先アドレス範囲が異なっている場合、宛先アドレスに基づいてトラフィックを分類し、次に IP ToS ポリシーを IP-to-IP トラフィックに適用し、(インポーズされた MPLS ヘッダーに EXP 値をマーキングまたは設定する)ポリシーを IP-to-MPLS トラフィックに適用することができます。次の 2 つの例を参照してください。

IP ToS をマーキングするルータ ポリシーによって内部 DSCP を設定:このポリシーがすべてのトラフィックに適用された場合は、IP-to-IP トラフィックでは出力ポートによって、出力パケット内の CoS(内部 DSCP から作成)が IP ToS バイトに書き換えられます。IP-to-MPLS トラフィックでは、ルータは、インポーズされた EXP 値に内部 DSCP をマッピングします。

MPLS EXP をマーキングするルータ ポリシーによって内部 DSCP を設定:このポリシーがすべてのトラフィックに適用された場合は、IP-to-IP トラフィックでは出力ポートによって、入力 IP ポリシー(または trust)に従って IP ToS が書き換えられます。CoS は ToS からマッピングされます。IP-to-MPLS トラフィックでは、ルータは、インポーズされた EXP 値に内部 DSCP をマッピングします。

IP-to-MPLS モード MPLS QoS の分類

PE1 への入力時に、MPLS QoS は次の機能をサポートします。

IP precedence 値または DSCP 値に基づくマッチング、またはアクセス グループによるフィルタリング

set mpls experimental imposition および police コマンド

MPLS QoS は、PE1 からの出力時に mpls experimental topmost コマンドをサポートします。

IP-to-MPLS 入力ポートでの分類

IP-to-MPLS の分類は IP-to-IP と同じです。ポートでの分類は、受信レイヤ 2 802.1Q CoS 値に基づいて行われます。

IP-to-MPLS 出力ポートでの分類

ポートでの分類は、受信した EXP 値に基づいて行われます。出力 CoS 値は、その値からマッピングされます。

出力ポートがトランクの場合は、ポートは出力 CoS を出力 802.1Q フィールドにコピーします。

MPLS-to-MPLS

ここでは、MPLS および MPLS VPN ネットワークのコア(MPLS-to-MPLS)での LSR の MPLS QoS 機能について説明します。

MPLS コアでの MPLS QoS は、次の機能をサポートします。

サービス ポリシーに基づく EXP 単位のポリシング

入力最上位 EXP 値を新たにインポーズされた EXP 値にコピーすること

MPLS ドメイン間の出力境界での EXP 変換オプション(隣り合った 2 つの MPLS ドメイン間でインターフェイス エッジ上の EXP 値を変更)

最上位ラベルをマルチラベル スタックからポップする場合に最上位 EXP 値を基になる EXP 値へ伝播するオプション

ここでは、次の内容について説明します。

「MPLS-to-MPLS での分類」

「MPLS/MPLS QoS の分類」

「MPLS-to-MPLS 入力ポートでの分類」

「MPLS-to-MPLS 出力ポートでの分類」

MPLS-to-MPLS での分類

受信した MPLS パケットに対し、ルータは通常、最上位ラベルの EXP 値を信頼します。


match mpls experimental コマンドを入力すると、MPLS トラフィックに対する MPLS QoS 入力ポリシーおよび出力ポリシーは、受信した最上位ラベルの EXP 値に基づきトラフィックを分類します。


MPLS QoS は、EXP/DSCP グローバル マップを使用して、EXP 値を内部 DSCP にマッピングします。ルータの次の動作は、ラベルのスワップ、新規ラベルのインポーズ、またはラベルのポップのどれを行うかによって異なります。

ラベルのスワップ:ラベルをスワップする場合、ルータは受信した最上位ラベルの EXP 値を保持し、発信する最上位ラベルの EXP 値にこの値をコピーします。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。DSCP グローバル マップが整合している場合は、出力 CoS は送信最上位ラベルの EXP に基づきます。

ルータは、 police コマンドの exceed および violate アクションを使用して、不適合トラフィックをマークダウンできます。適合するトラフィックはマーキングしないため、 conform アクションは transmitted である必要があり、 set コマンドを使用することはできません。ルータはマークダウンを行う際、内部 DSCP マークダウン マップのインデックスとして内部 DSCP を使用します。ルータは、内部 DSCP-to-EXP グローバル マップを使用して、内部 DSCP マークダウンの結果を EXP 値にマッピングします。ルータは新しい EXP 値を発信最上位ラベルに書き換え、新しい EXP 値をスタック内の他のラベルにコピーしません。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。DSCP マップが整合している場合は、出力 CoS は送信最上位ラベルの EXP 値に基づきます。

追加ラベルのインポーズ:新規ラベルを既存のラベル スタックにインポーズする場合、ルータは内部 DSCP-to-EXP マップを使用して、インポーズされたラベルの EXP 値に内部 DSCP をマッピングします。次に、インポーズされたラベルの EXP 値を基になるスワップされたラベルにコピーします。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。DSCP マップが整合している場合は、出力 CoS はインポーズされたラベルの EXP 値に基づきます。

ルータは適合するトラフィックをマーキングし、不適合トラフィックをマークダウンします。内部 DSCP をマーキングしたあと、ルータは内部 DSCP-to-EXP グローバル マップを使用して、新規にインポーズされたラベルの EXP 値に内部 DSCP をマッピングします。次に、ルータは、インポーズしたラベルの EXP 値を基になるスワップ ラベルにコピーします。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。したがって、出力 CoS はインポーズされたラベルの EXP 値に基づきます。

ラベルのポップ:ラベルをマルチラベル スタックからポップする場合、ルータはエクスポーズしたラベルの EXP 値を保持します。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。DSCP マップが整合している場合は、出力 CoS はポップされたラベルの EXP 値に基づきます。

出力インターフェイスに EXP 伝播が設定されている場合は、ルータは DSCP-to-EXP グローバル マップを使用して、エクスポーズしたラベルの EXP 値に内部 DSCP をマッピングします。ルータは、内部 DSCP-to-CoS グローバル マップを使用して、出力 CoS を割り当てます。DSCP マップが整合している場合は、出力 CoS はエクスポーズされたラベルの EXP 値に基づきます。

MPLS/MPLS QoS の分類

P1 または P2 への入力時に、MPLS QoS は次の機能をサポートします。

mpls experimental topmost コマンドによるマッチング

set mpls experimental imposition police set imposition を併用する police コマンド

MPLS QoS は、P1 または P2 からの出力時に mpls experimental topmost コマンドによる照合をサポートします。

MPLS-to-MPLS 入力ポートでの分類

ポートでの分類は、ルータからの入力 CoS 値に基づいて行われます。

MPLS-to-MPLS 出力ポートでの分類

ポートでの分類は、ルータからの出力 CoS 値に基づいて行われます。

出力ポートがトランクの場合は、LAN ポートは出力 CoS を出力 802.1Q フィールドにコピーします。

MPLS-to-IP

ここでは、MPLS および MPLS VPN ネットワークの出力(PE-to-CE)エッジでの LER の QoS 機能について説明します。MPLS と MPLS VPN のどちらも一般 MPLS QoS 機能をサポートします。

MPLS QoS は、MPLS-to-IP エッジで次の機能をサポートします。

出力インターフェイスに従い MPLS ドメインからの送信時に EXP 値を IP DSCP に伝播するオプション

MPLS-to-IP 出力インターフェイスで IP サービス ポリシーを使用するオプション

ここでは、次の内容について説明します。

「MPLS-to-IP での分類」

「MPLS-to-IP MPLS QoS の分類」

「MPLS-to-IP 入力ポートでの分類」

「MPLS-to-IP 出力ポートでの分類」

MPLS-to-IP での分類

ルータは QoS の結果に基づき、内部 DSCP(ルータが各フレームに割り当てる内部プライオリティ)を割り当てます。QoS 結果は次の影響を受けます。

デフォルトの信頼 EXP 値

VPN の数

明示的ヌルの使用

QoS ポリシー

次のような 3 つの異なった分類モードがあります。

通常の MPLS 分類:非集約ラベルでは、MPLS の再循環が存在しない場合、ルータは MPLS EXP 入力または出力ポリシーに基づいてパケットを分類します。ルータは EXP-to-DSCP-to-CoS マッピングから導出された CoS に基づいて、パケットをキューに入れます。この基になる IP DSCP は、出力カプセル開放後保持されるか、(EXP-to-DSCP マップを介して)EXP から上書きされます。

VPN 内の集約ラベルの一致による IP 分類:ルータは、次のいずれかを行います。

基になる IP ToS を保存

EXP-to-DSCP グローバル マップから導出された値によって IP ToS を書き換え

IP ToS を、出力 IP ポリシーから導出された値 に変更

いずれの場合も、出力キューイングは DSCP-to-CoS マップから導出された最終 IP ToS に基づいています。

VPN Content Addressable Memory(CAM)に集約ラベルが存在しない場合の IP 分類:再循環後、ルータは、MPLS カプセル開放隣接で指定された入力予約済み VLAN に基づき、MPLS-to-IP パケットを通常の IP-to-IP パケットから区別します。予約された VLAN は VPN および非 VPN の両方について Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよび転送)に従い割り当てられます。再循環後の入力 ToS は元の IP ToS 値でも、元の EXP 値から導出したものでもかまいません。出力 IP ポリシーはこの入力 ToS を任意の値に上書きすることができます。

PE-to-CE 入力時の着信 MPLS パケットについて、ルータは MPLS 分類および入力 IP ポリシーをサポートします。MPLS コアからの PE-to-CE トラフィックは出力時に IP として分類またはポリシングされます。

MPLS-to-IP MPLS QoS の分類

MPLS QoS は、PE2 への入力時に、EXP 値の照合および police コマンドをサポートします。

MPLS QoS は、PE2 からの出力時に、IP precedence、DSCP 値の照合、またはアクセス グループと police コマンドによるフィルタリングをサポートします。

MPLS-to-IP 入力ポートでの分類

入力ポートでの分類は、EXP 値に基づきます。

MPLS-to-IP 出力ポートでの分類

MPLS-to-IP の分類は IP-to-IP と同じです。

出力ポートでの分類は、出力 CoS に基づきます。

出力ポートがトランクの場合は、ポートは出力 CoS を出力 802.1Q フィールドにコピーします。


) MPLS-to-IP については、出力インターフェイスの MPLS IP(またはタグ IP)がイネーブルの場合は出力 IP ACL または QoS は出力インターフェイスでは有効ではありません。例外は VPN CAM ヒットです。この場合パケットは出力では IP として分類されます。


MPLS DiffServ トンネリング モード

トンネリングは、QoS にネットワークの 1 つのエッジから、そのネットワークの別のエッジまでをトランスペアレントにする機能を提供します。トンネルは、ラベル インポジションのある場所から開始します。トンネルは、ラベル ディスポジションのある場所、つまり、ラベルがスタックから除去された場所で終了します。そしてパケットは下部に異なった Per-Hop Behavior(PHB)レイヤを持つ MPLS パケットとして、または IP PHB レイヤ付き IP パケットとして送信されます。

MPLS ルータでは、ネットワーク上でパケットを転送する方法が 2 つあります。

ショート パイプ モードまたはパイプ モード:コアに実装されている EXP マーキングは、パケット ToS バイトに伝播されません。ショート パイプ モードでは、出力 PF ルータは中間プロバイダー(P)ルータによって使用されるマーキングの代わりに元のレイヤ 3 パケット マーキングを使用します。パイプ モードでは、出力 PF ルータは中間プロバイダー(P)ルータのレイヤ 2 マーキングを使用します。

均一モード:コアに実装されている EXP マーキングは、基になる ToS バイトに伝播されます。均一モードでは、IP パケット内のマーキングを操作して、コアにあるサービス プロバイダーの QoS マーキングを反映できます。このモードでは、CE およびコア ルータを含むネットワーク全体で矛盾のない QoS 分類およびマーキングが提供されます。

どちらのトンネリング モードもラベルがパケットに付与されたりパケットから削除されたりするエッジおよび最後から 2 番めの LSR の動作に影響を与えます。これらのモードは、中間ルータのラベルのスワッピングには影響を与えません。サービス プロバイダーは、カスタマーごとに異なったタイプのトンネリング モードを選択することができます。

詳細については、次の URL の『 MPLS DiffServ Tunneling Modes 』を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_2t/12_2t13/feature/guide/ftdtmode.html

MPLS QoS と HA

Cisco NX-OS アーキテクチャとハイ アベイラビリティ(HA)インフラストラクチャは、再起動する機能コンポーネントのサポートを提供し、デバイスおよび隣接するデバイス上の他のサービスに対してトランスペアレントに稼動を再開します。この機能により、計画されているソフトウェア変更や予期しないソフトウェア障害中も連続的な動作が可能で、データ損失が生じないようにすることができます。

MPLS QoS では、次の Cisco NX-OS HA 機能がサポートされています。

ノンストップ フォワーディング(NSF)

ステートフル HA

MPLS QoS では、NSF とステートフル HA を可能にするため、次の Cisco NX-OS HA テクノロジーがサポートされています。

ステートフル プロセス再起動

Stateful Switch over(SSO; ステートフル スイッチオーバー)

In-Service Software Upgrade(ISSU; インサービス ソフトウェア アップグレード)

MPLS QoS のライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

Cisco NX-OS

MPLS QoS には MPLS Services ライセンスが必要です。Cisco NX-OS ライセンス方式について、およびライセンスの取得方法と適用方法の詳細については、 Cisco NX-OS Licensing Guide を参照してください。

MPLS QoS の前提条件

MPLS QoS には、次の前提条件があります。

ネットワークがマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)をサポートしている必要があります。

ネットワークが、次のInterior Gateway Protocol(IGP)の少なくとも 1 つをサポートしている必要があります。

Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)

Open Shortest Path First(OSPF)

MPLS スイッチングに関する注意事項と制限事項

MPLS スイッチング設定時の注意事項と制限事項は次のとおりです。

MPLS QoS をイネーブルまたはディセーブルにするためのグローバル コマンドはありません。QoS ポリシーが設定されていない場合、スイッチはここで説明したデフォルトの動作に従います。

受信パケットが IP パケットの場合の IP-to-MPLS のインポジションには、次が適用されます。

QoS ポリシーが設定されていない場合、EXP 値は受信した IP ToS に基づきます。

MPLS-to-MPLS 動作には、次が適用されます。

QoS ポリシーが設定されていないときにスワッピングする場合、EXP 値は元の EXP 値に基づきます(EXP 変換がない場合)。

QoS がキューイングだけのときにスワッピングする場合、EXP 値は元の EXP 値に基づきます(EXP 変換がない場合)。

QoS ポリシーが設定されていないときに追加ラベルをインポーズする場合、EXP 値は元の EXP 値に基づきます(EXP 変換がない場合)。

QoS がキューイングだけのときに追加ラベルをインポーズする場合、EXP 値は元の EXP 値に基づきます(EXP 変換がない場合)。

QoS ポリシーが設定されていないときに 1 つのラベルをポップする場合、EXP 値は基になる EXP 値に基づきます。

QoS がキューイングだけのときに 1 つのラベルをポップする場合、EXP 値は基になる EXP 値に基づきます。

クラス マップのある MPLS パケットの分類には、次が適用されます。

match mpls experimental コマンドは、パケットがクラス マップによって指定されるクラスに属しているかどうかを判別するためにパケットをチェックする一致基準として使用すべき EXP フィールド値の名前を指定します。

match mpls experimental コマンドを使用するには、まず class-map コマンドを入力して設定する一致基準のクラスの名前を指定する必要があります。クラスを識別したあとで、 match mpls experimental コマンドを使用してその一致基準を設定できます。

クラス マップで複数のコマンドを指定する場合、最後に入力されたコマンドだけが適用されます。最後のコマンドは、それ以前に入力されたコマンドを無効にします。

クラス マップの設定には、次が適用されます。

特定方向のインターフェイスに付加できる、指定されたタイプのポリシー マップは、1 つに限られます。

1 つのインターフェイスに付加できるポリシー マップは、1 つに限られます。ポリシー マップには、ポリシー マップ コマンドがそれぞれ異なる 1 つまたは複数のポリシー マップ クラスを含めることができます。

インターフェイスで受信するトラフィック タイプごとに、個別のポリシー マップ クラスをポリシー マップ内に設定する必要があります。各トラフィック タイプ用の全コマンドを、同一のポリシー マップ クラスに入れます。MPLS QoS は、一致したトラフィックに複数のポリシー マップ クラスのコマンドを適用することはありません。

すべてのインポーズされたラベルに EXP 値を設定するときには、次が適用されます。

ラベル インポジション中は set mpls experimental imposition コマンドを使用します。このコマンドは MPLS EXP フィールドをすべてのインポーズされたラベル エントリに設定します。

set mpls experimental imposition コマンドは、入力インターフェイス(インポジション)上でのみサポートされます。

set mpls experimental imposition コマンドは、EXP 値を直接マーキングしません。その代わり、このコマンドは内部 DSCP-to-EXP グローバル マップを介して EXP にマッピングされる内部 DSCP をマーキングします。

(元の受信 IP ヘッダーに基づく)分類および(内部 DSCP に行われる)マーキングでは IP-to-IP トラフィックと IP-to-MPLS トラフィックが区別されないことに十分注意してください。IP ToS および EXP のマーキングに使用されるコマンドを使用した場合、内部 DSCP のマーキングと同じ結果となります。

set mpls experimental imposition コマンドを使用すると、ラベル インポジション中に、プッシュされたラベル エントリ値をデフォルト値とは異なる値に設定できます。

また任意で IP precedence、DSCP フィールド、または QoS IP ACL とともに set mpls experimental imposition コマンドを利用して、すべてのインポーズされたラベル エントリに MPLS EXP フィールドの値を設定できます。

受信 IP トラフィックにラベルをインポーズする場合、 set mpls experimental imposition コマンドを使用して、EXP フィールドをマーキングできます。

police コマンドを使用してポリシー マップを設定するときには、次が適用されます。

MPLS では、 exceed-action action コマンドおよび violate-action action コマンドが IP 使用と同様に動作します。パケットはドロップされる場合もあり、EXP 値がマークダウンされる場合もあります。

ルータで受信 MPLS トラフィックのラベルをスワップする場合、 police コマンドの exceed-action policed-dscp-transmit および violate-action policed-dscp-transmit キーワードを使用して、不適合トラフィックをマークダウンできます。ルータは、適合するトラフィックをマーキングしません。不適合トラフィックをマークダウンする場合、ルータは発信最上位ラベルをマーキングします。ルータは、ラベル スタック内でマークダウンを伝播しません。

police コマンドを使用すると、ラベル インポジション中に、プッシュされたラベル エントリ値をデフォルト値とは異なる値に設定できます。

受信 IP トラフィックにラベルをインポーズする場合、 conform-action set-mpls-exp-imposition-transmit キーワードを使用して、EXP フィールドをマーキングできます。

Cisco NX-OS リリース 5.2 から以前の Cisco NX-OS リリースにダウングレードする前に、 clear qos mpls-snmp コマンドを使用して QoS MIB と MPLS QoS のデフォルトをクリアしてください。この処理を実行しないと、ダウングレードに失敗することがあります。

MPLS QoS のデフォルト設定

表 20-1 に、MPLS QoS パラメータのデフォルト設定を示します。

 

表 20-1 MPLS QoS のデフォルト設定

パラメータ
デフォルト

ポートの CoS 値

0(ゼロ)

ポート ベースまたは VLAN ベースの QoS

ポートベース

EXP から DSCP へのマップ
(EXP 値から設定された DSCP)

EXP 0 = DSCP 0
EXP 1 = DSCP 8
EXP 2 = DSCP 16
EXP 3 = DSCP 24
EXP 4 = DSCP 32
EXP 5 = DSCP 40
EXP 6 = DSCP 48
EXP 7 = DSCP 56

IP precedence から DSCP へのマップ
(IP precedence 値から設定された DSCP)

IP precedence 0 = DSCP 0
IP precedence 1 = DSCP 8
IP precedence 2 = DSCP 16
IP precedence 3 = DSCP 24
IP precedence 4 = DSCP 32
IP precedence 5 = DSCP 40
IP precedence 6 = DSCP 48
IP precedence 7 = DSCP 56

DSCP から EXP へのマップ
(DSCP 値から設定された EXP)

DSCP 0-7 = EXP 0
DSCP 8-15 = EXP 1
DSCP 16-23 = EXP 2
DSCP 24-31 = EXP 3
DSCP 32-39 = EXP 4
DSCP 40-47 = EXP 5
DSCP 48-55 = EXP 6
DSCP 56-63 = EXP 7

DSCP マップからマークダウンされた DSCP

マークダウンされた DSCP 値は元の DSCP 値と等しい(マークダウンなし)

EXP 変換マップ

デフォルトでは変換マップなし

ポリサー

なし

ポリシー マップ

なし

NetFlow テーブルの MPLS フロー マスク

ラベルと EXP 値

MPLS コア QoS

MPLS コア QoS では 4 つの可能性があります。

スワッピング:着信 EXP フィールドは発信 EXP フィールドにコピーされます。

スワッピング + インポーズ:着信 EXP フィールドはスワッピングされた EXP フィールドとインポーズされた EXP フィールドの両方にコピーされます。

(注) EXP フィールドのセット付きサービス ポリシーがある場合、その EXP フィールドはインポーズされたラベルとスワッピングされたラベルに置かれます。

最上位ラベルのディスポジション:エクスポーズされた EXP フィールドは保持されます。

ラベルだけのディスポジション:エクスポーズされた IP DSCP は保持されます。

MPLS-to-IP エッジの QoS

エクスポーズされた IP DSCP を保持します。

MPLS QoS の設定


) 設定セッションで、MPLS QoS コマンドを設定できます。


ここでは、次の内容について説明します。

「MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定」

「ポリシー マップの設定」

「テーブル マップの作成」

MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定

クラス マップを設定できます。

手順の概要

1. configure terminal

2. [ no ] class-map [ type qos ] [match-any] class-map-name

3. [ no ] match [ not ] mpls experimental topmost exp-list

手順の詳細

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[ no ] class-map [ type qos ] [ match-any ] class-map-name

 

例:

switch(config)# class-map type qos match-any Class2

switch(config-cmap-qos)#

クラス マップを定義し、クラスマップ コンフィギュレーション モードを開始して、次のようにパケット一致基準を指定します。

match-any :(任意)パケットがこのクラス マップのいずれかのポリシーと一致する場合、クラス マップをパケットに適用するように指定します。

ステップ 3

[ no ] match [ not ] mpls experimental topmost exp-list

 

例:

switch(config-cmap-qos)# match mpls experimental topmost 2, 5-7

次のように、MPLS ヘッダーの最も外側の(最上位の)MPLS ラベルにある 3 ビットの実験(EXP)フィールドに、パケットが一致する(またはしない)必要があることを指定します。

exp-list :リストには値と範囲を含めることができます。指定できる範囲は 0 ~ 7 です。

EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップの設定

EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップを設定できます。

MPLS EXP フィールドの値をすべてのインポーズされたラベル エントリに設定するには、QoS ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードで set mpls experimental imposition コマンドを使用します。設定をディセーブルにするには、コマンドの no 形式を入力します。

手順の概要

1. configure terminal

2. [ no ] policy-map [type qos ] policy-map-name

3. [ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default} [ insert-before class-map-name ]

4. set mpls experimental imposition mpls-exp-value

手順の詳細

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[ no ] policy-map [ type qos ] policy-map-name

 

例:

switch(config)# policy-map Policy1

switch(config-pmap-qos)#

クラス マップを作成し、クラスマップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

[ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default } [insert-before class-map-name]

 

例:

switch(config-pmap-qos)# class Class2

switch(config-pmap-c-qos)

作成または変更するポリシーのクラス名を指定します。

class-map-name :ポリシーを設定または変更するクラスの名前です。

class-default :トラフィックがクラス マップ内で設定されているどの一致基準とも一致しない場合に、そのトラフィックが送られる定義済みクラスです。

ステップ 4

set mpls experimental imposition mpls-exp-value

 

例:

switch(config-pmap-c-qos)# set mpls experimental imposition 3

MPLS 実験(EXP)フィールドの値をすべてのインポーズされたラベル エントリに設定します。

police コマンドを使用したポリシー マップの設定

ポリシングは、特定のトラフィック クラスを固有のレートに制限するルータ ハードウェアの機能です。ルータは集約ポリシングをサポートします。マイクロフロー ポリシングはサポートされません。

集約ポリシングは、送信元、宛先、プロトコル、送信元ポート、宛先ポートが異なっていても関係なくポートに着信するすべてのトラフィックを測定します。


police コマンドの使用に関する詳細については、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.xを参照してください。


手順の概要

1. configure terminal

2. [ no ] policy-map [type qos ] policy-map-name

3. [ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default}

4. [ no ] police [ cir ] { x [ bps | kbps | mbps | gbps ] | percent x-percent } [[ bc ] bc [ bytes | kbytes | mbytes | ms | us ]] [ pir y [ bps | kbps | mbps | gbps ] | percent y-percent ] [[ be ] be [ bytes | kbytes | mbytes | ms | us ]] [ conform conform-action [ exceed exceed-action [ violate violate-action ]]]

手順の詳細

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[ no ] policy-map [ type qos ] policy-map-name

 

例:

switch(config)# policy-map Policy1

switch(config-pmap-qos)

クラス マップを作成し、クラスマップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

[ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default }

 

例:

switch(config-pmap-qos)# class Class2

switch(config-pmap-c-qos)

作成または変更するポリシーのクラス名を指定します。

class-map-name :ポリシーを設定または変更するクラスの名前です。

class-default :トラフィックがクラス マップ内で設定されているどの一致基準とも一致しない場合に、そのトラフィックが送られる定義済みクラスです。

ステップ 4

[ no ] police [ cir ] { x [ bps | kbps | mbps | gbps ] | percent x-percent} [[bc ] bc [ bytes | kbytes | mbytes | ms | us ]] [ pir y [ bps | kbps | mbps | gbps ] | percent y-percent] [[be ] be [ bytes | kbytes | mbytes | ms | us]] [conform conform-action [ exceed exceed-action [ violate violate-action ]]]

 

例:

switch(config-pmap-c-qos)# police cir 256000 conform set-mpls-exp-topmost-transmit violate drop

トラフィック クラスにはインポーズされた最大レートを設定する必要があり、そのレートを超過した場合は、即座にアクションを実行しなければならないことを指定します。

Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.x で説明した conform アクションに加えて、MPLS QoS は次の 2 つの conform アクションを提供します。

set-mpls-exp-imposition-transmit :すべてのインポーズされたラベルにある EXP フィールドを指定した値に設定して、パケットを送信します。

set-mpls-exp-topmost-transmit :最も外側の(最上位の)ラベルにある EXP フィールドを指定した値に設定して、パケットを送信します。

テーブル マップを使用したポリシー マップの設定

システム定義のテーブル マップを使用して、 set および police ポリシー マップ クラス コマンドの中でマーキングを実行できます。


) テーブル マップの使用に関する詳細については、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.xを参照してください。


手順の概要

1. configure terminal

2. [ no ] policy-map [type qos ] policy-map-name

3. [ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default}

4. [ no ] set to-field from-field table table-map-name

手順の詳細

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[ no ] policy-map [ type qos ] policy-map-name

 

例:

switch(config)# policy-map Policy1

switch(config-pmap-qos)

クラス マップを作成し、クラスマップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

[ no ] class [ type qos ] { class-map-name | class-default }

 

例:

switch(config-pmap-qos)# class Class2

switch(config-pmap-c-qos)

作成または変更するポリシーのクラス名を指定します。

class-map-name :ポリシーを設定または変更するクラスの名前です。

class-default :トラフィックがクラス マップ内で設定されているどの一致基準とも一致しない場合に、そのトラフィックが送られる定義済みクラスです。

ステップ 4

set to-field from-field table table-map-name

 

例:

switch(config-pmap-c-qos)# set cos mpls-exp-topmost table dscp-cos-map

2 つの QoS フィールド間での値のマッピングを定義します。

Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.x で説明した to-field 引数と from-field 引数に加えて、MPLS QoS は次のフィールドを提供します。

to-field:

mpls-exp-topmost :最も外側の(最上位の)ラベルの EXP フィールドです。

from-field:

mpls-exp-imposition :すべてのインポーズされたラベルに適用される EXP フィールドです。

mpls-exp-topmost :最も外側の(最上位の)ラベルに適用される EXP フィールドです。

コマンドを使用して定義した既存のテーブル マップの名前を指定できます。

テーブル マップの作成

set および police ポリシー マップ クラス コマンドで使用する QoS 値を再マップするテーブルを定義できます。


) テーブル マップに関する追加情報については、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Quality of Service Configuration Guide, Release 5.xを参照してください。


手順の概要

1. configure terminal

2. table-map table-map-name

3. from number to number

4. ステップ 3 を繰り返して、テーブルを完成させます。

手順の詳細

コマンド
目的

ステップ 1

configure terminal

 

例:

switch# configure terminal

switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

table-map table-map-name

 

例:

switch(config)# table-map TableMap1

switch(config-tmap)

テーブル マップを作成し、テーブル マップ コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

from number to number

 

例:

switch(config-tmap)# from 1 to 1

switch(config-tmap)# from 2 to 1

switch(config-tmap)# from 3 to 2

switch(config-tmap)# from 4 to 2

...

1 つの番号を別の番号にマップします。 number の範囲は 0 ~ 63 です。このステップは最大 64 回繰り返すことができます。

ステップ 4

ステップ 3 を繰り返して、テーブルを完成させます。

--

MPLS QoS 設定の確認

MPLS QoS 設定を表示するには、次の作業を実行します。

コマンド
目的

show policy-map type qos interface interface

指定方向の対象インターフェイスにある各クラスに一致するパケットを表示する統計情報を表示します。

MPLS QoS の設定例

ここでは、次の設定例を示します。

「例:MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定」

「例:EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップの設定」

「例:police コマンドを使用したポリシー マップの設定」

「例:テーブル マップを使用したポリシー マップの設定」

例:MPLS パケットを分類するためのクラス マップの設定

次に、MPLS ヘッダーの最も外側の(最上位の)ラベルにある EXP フィールド値(2 および 5 ~ 7)に一致するクラス マップを作成する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# class-map Class2
switch(config-cmap-qos)# match mpls experimental topmost 2, 5-7
 

例:EXP 値をすべてのインポーズされたラベルに設定するためのポリシー マップの設定

次に、MPLS ヘッダーのすべてのインポーズされたラベルで EXP フィールドの値を 3 に設定するポリシー マップを作成する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# policy-map Policy1
switch(config-pmap-qos)# class Class2
switch(config-pmap-c-qos)# set mpls experimental imposition 3
 

例:police コマンドを使用したポリシー マップの設定

次に、コミットされたデータ レート 256000 bps を強制するポリシー マップを作成する例を示します。データ レートが一致する場合、ルータは MPLS ヘッダーの最も外側の(最上位の)ラベルにある EXP フィールドを設定します。データ レートが超過する場合、ルータはパケットをドロップします。

switch# configure terminal
switch(config)# policy-map Policy1
switch(config-pmap-qos)# class Class2
switch(config-pmap-c-qos)# police cir 256000 conform set-mpls-exp-topmost-transmit violate drop
 

例:テーブル マップを使用したポリシー マップの設定

次に、CoS 値 0 ~ 3 を EXP フィールド値 1 にマップし、CoS 値 4 ~ 7 を EXP フィールド値 6 にマップするポリシー マップの作成例を示します。この EXP 値は、MPLS ヘッダーの最も外側の(最上位の)ラベルに書き込まれます。

switch# configure terminal

switch(config)# table-map TableMap1

switch(config-tmap)# from 0 to 1

switch(config-tmap)# from 1 to 1

switch(config-tmap)# from 2 to 1

switch(config-tmap)# from 3 to 1

switch(config-tmap)# from 4 to 6

switch(config-tmap)# from 5 to 6

switch(config-tmap)# from 6 to 6

switch(config-tmap)# from 7 to 6

switch(config-tmap)# exit

switch(config)# policy-map Policy1
switch(config-pmap-qos)# class Class2

switch(config-pmap-c-qos)# set cos mpls-exp-topmost table TableMap1

 

 

MPLS QoS に関する追加情報

次の項で、MPLS QoS 機能に関する参考資料を紹介します。

関連資料

標準

標準
タイトル

この機能でサポートされる新規または改訂された標準規格はありません。また、この機能による既存の標準規格サポートの変更はありません。

-

MIB

MIB
MIB のリンク

この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。またこの機能による既存 MIB のサポートに変更はありません。

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットの MIB の場所を検索しダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC
タイトル

この機能によってサポートされる新しい RFC または変更された規格はありません。また既存 RFC のサポートに変更はありません。

-

MPLS QoS の機能履歴

表 20-2 は、この機能のリリースの履歴です。

 

表 20-2 MPLS QoS の機能履歴

機能名
リリース
機能情報

MPLS QoS

5.2(1)

この機能が導入されました。