Cisco Nexus 5600 シリーズ NX-OS Quality of Service コンフィギュレーション ガイド リリース 7.x
スイッチ遅延モニタリングの概要
スイッチ遅延モニタリングの概要

スイッチ遅延モニタリングの概要

スイッチ遅延モニタリング機能は、入力パケットと出力パケットのそれぞれにタイムスタンプ値を付加します。 スイッチは、入力タイムスタンプと出力タイムスタンプを比較して、システム内の各パケットの遅延を計算します。 この機能を使用すれば、すべてのポート ペアの過去の遅延平均だけでなく、リアルタイム遅延データも表示できます。

この遅延測定値を使用して、遅延問題の影響を受けるフローを特定することができます。 加えて、スイッチ遅延モニタリング機能によって生成される統計情報を使用すれば、ネットワーク トポロジを計画したり、インシデント対応を管理したり、ネットワーク内のアプリケーション問題の根本原因を特定したりできます。 この統計情報は、遅延の多いアプリケーションのサービス レベル契約(SLA)を提示するために使用することもできます。

スイッチ遅延モニタリングについて

スイッチ遅延モニタリングの使用方法

スイッチ遅延モニタリング機能は、パケット遅延をナノ秒単位で測定します。 この機能が情報を提供するモードは次のとおりです。
  • リアルタイム モードは、入力ポートと出力ポートのペア間のすべてのパケットの遅延の最小値、最大値、および平均値を保持します。

  • 履歴モードは、フロー ベースの遅延分布ヒストグラムを保持し、線形、指数、またはカスタム ビンニングを提供します。

スイッチ遅延モニタリングの注意事項と制約事項

スイッチ遅延モニタリングには、次の制約事項と注意事項があります。

  • 出力ポートと入力ポートのペアに一度に設定できるモード(瞬時、線形ヒストグラム、指数ヒストグラム、またはカスタム ヒストグラム)は 1 つだけです。 デフォルトで、瞬時モードがイネーブルになっています。

  • ポートのペアにいずれかのヒストグラム モードが設定されると、瞬時モードがディセーブルになります。

  • ポートのペアからヒストグラム モードが削除されると、瞬時モードがイネーブルになります。

  • 基準値を変更すると、すべてのスイッチ遅延ヒストグラム統計情報が失われます。

  • 入力ポートと出力ポートのペアの遅延モニタリング モードを変更すると、そのポートのペアのスイッチ遅延統計情報が失われます。

  • スイッチのリロードや ISSU があると、スイッチ遅延モニタリングは保持されません。

  • スイッチ遅延モニタリング機能は、イーサネット インターフェイスでのみサポートされます。

  • スイッチをリロードした場合や新しいモジュールの電源をオンにした場合は、clear hardware profile latency monitor all コマンドを発行する必要があります。

スイッチ遅延モニタリング モード

スイッチ遅延モニタリングは、次の 4 つのモードでサポートされます。

  • 瞬時モード

    このモードは、デフォルトでイネーブルになっており、入力ポートと出力ポート間を流れるすべてのパケット遅延の最小値、最大値、および平均値を収集できます。

  • 線形ヒストグラム

    このモードは、遅延範囲(ナノ秒単位)内のパケットを個別にカウントできるようにすることによって、特定の遅延範囲内のパケット数をカウントします。 たとえば、遅延範囲(800 ~ 848、848 ~ 896、896 ~ 944、および 944 ~ 992)のそれぞれに入るパケット数をカウントする線形ヒストグラムを設定できます。 線形ヒストグラム モニタリング モードを設定するには、まず、表の基準(この例では 800 ナノ秒)を指定してから、ステップ値(この例では 50 ナノ秒)を指定します。

  • 指数ヒストグラム

    このモードは、急激に増加した範囲の遅延数のビンニングを可能にします。 たとえば、遅延範囲(848 ~ 896、896 ~ 992、992 ~ 1184、および 1184 ~ 1568)内のパケットをカウントするには、モードを指数モードに指定して、基準値を 800 ナノ秒に、ステップを 50 ナノ秒に設定します。

  • カスタム ヒストグラム

    このモードは、指定範囲内のパケット数と指定範囲外のパケット数をカウントできます。

スイッチ遅延モニタリングの設定方法

スイッチ遅延モニタリングの設定

スイッチ遅延モニタリングを設定するには、まず、モニタリング基準値を設定してから、入力ポートと出力ポートのペアとモニタリング モードを設定します。


(注)  


デフォルトで、即時モードのスイッチ遅延モニタリングがイネーブルになっています。


手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 enable


    例:
    switch> enable
     

    特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。

     
    ステップ 2 clear hardware profile latency monitor all


    例:
    switch# clear hardware profile latency monitor all
     

    システム内のすべての出力ポートと入力ポートのペアに関する統計情報を消去します。

     
    ステップ 3configure terminal


    例:
    switch# configure terminal
    switch(config)#
     

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 4hardware profile latency monitor base nanoseconds


    例:
    switch(config)# hardware profile latency monitor base 800
     

    スイッチ遅延モニタリング ヒストグラムの作成に使用される基準値を指定します。 有効な値は、8 ~ 2147483640 ナノ秒の範囲の 8 の倍数です。

     
    ステップ 5interface ethernet slot/port


    例:
    switch(config)# interface ethernet 1/1
     

    インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

    このインターフェイスは出力ポートと入力ポートのペアの出力インターフェイスです。

     
    ステップ 6packet latency interface ethernet ingress-interface-slot/port mode linear step step-value


    例:
    switch(config-if)# packet latency ethernet 1/2 mode linear step 40
     

    出力イーサネット インターフェイスと指定された入力イーサネット インターフェイス間の線形モード モニタリングを設定します。

     
    ステップ 7packet latency interface ethernet ingress-interface-slot/port mode exponential step step-value


    例:
    switch(config-if)# packet latency ethernet 1/3-4 mode exponential step 40
     

    出力イーサネット インターフェイス ポートと指定された入力イーサネット インターフェイス ポート間の指数モード モニタリングを設定します。

     
    ステップ 8packet latency interface ethernet ingress-interface-slot/port mode customer low-latency low-value high-latency high-value


    例:
    switch(config-if)# packet latency ethernet 1/5 mode customer low-latency 40 high-latency 1200
     

    出力イーサネット インターフェイスと指定された入力イーサネット インターフェイス間のカスタム モード モニタリングを設定します。

     
    ステップ 9exit


    例:
    switch(config-if)# exit
     

    設定を更新して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。

     
    ステップ 10copy running-config startup-config


    例:
    switch(config)# copy running-config startup-config
    
     
    (任意)

    リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を永続的に保存します。

     

    スイッチ遅延モニタリング統計情報の確認

    スイッチ遅延モニタリング統計情報を表示するには、次の作業を行います。

    コマンド

    目的

    show hardware profile latency monitor interface ethernet egress-interface-slot/port interface ethernet ingress-interface-slot/port

    指定された出力ポートと入力ポートのペアのスイッチ遅延統計情報を表示します。

    スイッチ遅延モニタリングの設定例

    スイッチ遅延モニタリングの設定例

    次に、スイッチ遅延モニタリングを設定する例を示します。

    switch(config)# hardware profile latency monitor base 800
    switch(config)# interface ethernet 1/1
    switch(config-if)# packet latency interface ethernet 1/2 mode linear step 40
    switch(config-if)# packet latency interface ethernet 1/3-4 mode exponential step 40
    switch(config-if)# packet latency interface ethernet 1/5 mode custom low 40 high 1200
    switch(config)# interface ethernet 2/1
    switch(config-if)# packet latency interface ethernet 1/1 mode exponential step 80