Cisco Nexus 5600 シリーズ NX-OS レイヤ 2 スイッチング コンフィギュレーション ガイド リリース 7.x
MVR の設定
MVR の設定

MVR の設定

この章の内容は、次のとおりです。

MVR について

MVR の概要

一般的なレイヤ 2 マルチ VLAN ネットワークでは、マルチキャスト グループへの加入者を複数の VLAN に設定できます。 それらの VLAN 間でデータ分離を維持するには、送信元 VLAN 上のマルチキャスト ストリームをルータに渡す必要があります。そこで、そのストリームがすべての加入者 VLAN で複製され、アップストリーム帯域幅が消費されます。

マルチキャスト VLAN レジストレーション(MVR)を使用すると、レイヤ 2 スイッチでマルチキャスト データを共通の割り当て済み VLAN の送信元から加入者 VLAN に転送し、ルータのバイパスによってアップストリーム帯域幅を節約できます。 ルータは、MVR IP マルチキャスト ストリームのマルチキャスト データを、IGMP レポートまたは MVR の静的設定のいずれかを使用して、ホストが加入した MVR ポートに対してのみ転送します。 スイッチは、MVR ホストから受信した IGMP レポートを送信元ポートに対してだけ転送します。 他のトラフィックでは、VLAN 分離が保持されます。

MVR では、マルチキャスト ストリームを送信元から伝送するために、少なくとも 1 つの VLAN を共通 VLAN として指定する必要があります。 そのような複数のマルチキャスト VLAN(MVR VLAN)をシステムで設定でき、さらにグローバルなデフォルト MVR VLAN とインターフェイス固有のデフォルト MVR VLAN を設定できます。 MVR を使用した各マルチキャスト グループは、MVR VLAN に割り当てられます。

MVR を使用すると、ポート上の加入者は、IGMP Join および Leave メッセージを送信することで、MVR VLAN 上のマルチキャスト ストリームへの加入および脱退を行うことができます。 MVR グループからの IGMP Leave メッセージは、Leave メッセージを受信する VLAN の IGMP 設定に従って処理されます。 IGMP 高速脱退が VLAN でイネーブルになっている場合、ポートがただちに削除されます。それ以外の場合は、他のホストがポートに存在するかどうかを判断するために、IGMP クエリーがグループに送信されます。

MVR の他の機能との相互運用性

MVR と IGMP スヌーピング

MVR は IGMP スヌーピングの基本メカニズムで動作しますが、この 2 つの機能はそれぞれ単独で動作します。 それぞれ、もう一方の機能の動作に影響を与えずにイネーブルまたはディセーブルに設定できます。 IGMP スヌーピングがグローバルに、あるいは VLAN でディセーブルになっている場合、および MVR が VLAN でイネーブルになっている場合、IGMP スヌーピングは VLAN で内部的にイネーブルです。 非 MVR レシーバ ポート上で MVR グループ用に受信した Join または MVR レシーバ ポート上で非 MVR グループ用に受信した Join は、IGMP スヌーピングによって処理されます。

MVR と vPC

  • IGMP スヌーピングと同様に、仮想ポート チャネル(vPC)ピア スイッチで受信された IGMP 制御メッセージは、ピア間で交換され、MVR グループ情報を同期できます。

  • MVR 設定は、ピア間で一貫している必要があります。

  • no ip igmp snooping mrouter vpc-peer-link コマンドは、MVR に適用されます。 このコマンドを使用すると、VLAN に孤立ポートがない限り、マルチキャスト トラフィックは送信元 VLAN およびレシーバ VLAN のピア リンクに送信されません。

MVR のライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

製品 ライセンス要件

Cisco NX-OS

この機能にはライセンスは不要です。 ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。 NX-OS ライセンス方式の詳細については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。

MVR に関する注意事項と制約事項

MVR を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

  • MVR は、個々のポート、ポート チャネル、仮想イーサネット(vEth)ポートなどのレイヤ 2 イーサネット ポートでのみサポートされます。

  • MVR レシーバ ポートはアクセス ポートでなければなりません。トランク ポートにはできません。 MVR 送信元ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートのどちらかにする必要があります。

  • Flex Link ポートでの MVR の設定はサポートされません。

  • プライオリティ タギングは、MVR レシーバ ポートではサポートされません。

  • プライベート VLAN(PVLAN)を使用する場合、セカンダリ VLAN を MVR VLAN として設定できません。

  • MVR VLAN の合計数は 250 未満にする必要があります。


(注)  


インサービス ソフトウェア アップグレード(ISSU)時には、join がアップストリーム ルータに転送されないため、MVR レシーバ ポートの MVR IGMP メンバーシップがタイムアウトする可能性があります。 タイムアウトを避けるためには、ISSU に対応するようにアップストリーム ルータのクエリア タイマーまたはネットワーク クエリアを増加させる必要があります。


デフォルトの MVR 設定

パラメータ デフォルト
MVR グローバルおよびインターフェイス単位でディセーブル
グローバル MVR VLAN 未設定
インターフェイスのデフォルト(ポート単位) 受信ポートでも送信元ポートでもない

MVR の設定

MVR グローバル パラメータの設定

手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1switch# configure terminal  

    グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 switch(config)# [no] mvr  

    MVR をグローバルにイネーブルにします。 デフォルトではディセーブルになっています。

    MVR をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。

     
    ステップ 3 switch(config)# [no] mvr-vlan vlan-id  

    グローバルなデフォルト MVR VLAN を指定します。 MVR VLAN は、後続のレシーバが加入するマルチキャスト メッセージの送信元です。

    指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

    MVR VLAN をクリアするには、コマンドの no 形式を使用します。

     
    ステップ 4switch(config)# [no] mvr-group addr[/mask] [count groups] [vlan vlan-id]  

    指定した IPv4 アドレスのマルチキャスト グループと(任意の)ネットマスクの長さをグローバルなデフォルト MVR VLAN に追加します。 このコマンドを繰り返して、追加グループを MVR VLAN に追加することができます。

    IP アドレスは a.b.c.d/m 形式で入力します。m はネットマスクのビット数(1 ~ 31)です。

    (任意)指定した IP ドレスから始まる連続マルチキャスト IP アドレスを使用して、MVR グループ数を指定できます。 count キーワードを使用して、その後に 1 ~ 64 の番号を指定します。

    (任意)vlan キーワードを使用して、グループの MVR VLAN を明示的に指定することができます。このキーワードを使用しない場合、グループはデフォルト MVR VLAN に割り当てられます。

    グループ設定をクリアするには、コマンドの no 形式を使用します。

     
    ステップ 5switch(config)# end   (任意)

    特権 EXEC モードに戻ります。

     
    ステップ 6switch# clear mvr counters [source-ports | receiver-ports]   (任意)

    MVR IGMP パケット カウンタをクリアします。

     
    ステップ 7switch# show mvr   (任意)

    グローバル MVR 設定を表示します。

     
    ステップ 8switch# copy running-config startup-config   (任意)

    リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を永続的に保存します。

     

    次の例は、MVR をグローバルにイネーブルにし、グローバル パラメータを設定する方法を示しています。

    switch# configure terminal
    switch(config)# mvr
    switch(config-mvr)# mvr-vlan 100
    switch(config-mvr)# mvr-group 192.0.2.1 count 4
    switch(config-mvr)# mvr-group 192.0.2.240/28 vlan 101
    switch(config-mvr)# mvr-group 192.0.2.6 vlan 340
    switch(config-mvr)# end
    switch# show mvr
    MVR Status           : enabled
    Global MVR VLAN      : 100
    Number of MVR VLANs  : 3
    switch# copy running-config startup-config
    
    

    MVR インターフェイスの設定

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1switch# configure terminal  

      グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2 mvr
       

      MVR をグローバルにイネーブルにします。 デフォルトではディセーブルになっています。

       
      ステップ 3 interface {ethernet type slot/port | port-channel channel-number | vethernet number}
       

      設定するレイヤ 2 ポートを指定して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

      (注)     

      これが 10G ブレークアウト ポートの場合、slot/port 構文は slot/QSFP-module/port になります。

       
      ステップ 4 [no] mvr-type {source | receiver}
       

      MVR ポートを、次のポート タイプのいずれかに設定します。

      • source:マルチキャスト データを送受信するアップリンク ポートが MVR 送信元として設定されます。 そのポートは、自動的に MVR マルチキャスト グループのスタティック レシーバになります。 送信元ポートを MVR VLAN のメンバにする必要があります。

      • receiver:MVR マルチキャスト グループに加入するホストに接続されているアクセス ポートが MVR レシーバとして設定されます。 レシーバ ポートでデータを受信するのは、IGMP Leave および Join メッセージを使用してそのポートがマルチキャスト グループのメンバになっている場合だけです。

      MVR 特性を使用して非 MVR ポートを設定しようとすると、その設定はキャッシュされますが、そのポートが MVR ポートがになるまで有効になりません。 デフォルトのポート モードは非 MVR です。

       
      ステップ 5 [no] mvr-vlan vlan-id
       
      (任意)

      インターフェイスで受信された Join 用にグローバルなデフォルト MVR VLAN を上書きするインタフェースのデフォルト MVR VLAN を指定します。 MVR VLAN は、後続のレシーバが加入するマルチキャスト メッセージの送信元です。

      指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。

       
      ステップ 6 [no] mvr-group addr[/mask] [vlan vlan-id]
       
      (任意)

      指定した IPv4 アドレスのマルチキャスト グループと(任意)ネットワークマスクの長さをインターフェイス MVR VLAN に追加し、グローバル MVR グループ設定を上書きします。 このコマンドを繰り返して、追加グループを MVR VLAN に追加することができます。

      IP アドレスは a.b.c.d/m 形式で入力します。m はネットマスクのビット数(1 ~ 31)です。

      (任意)vlan キーワードを使用して、グループの MVR VLAN を明示的に指定することができます。このキーワードを使用しない場合、グループはインターフェイスのデフォルト MVR VLAN(指定した場合)またはグローバルなデフォルト MVR VLAN に割り当てられます。

      IPv4 アドレスとネットワークマスクをクリアするには、コマンドの no 形式を使用します。

       
      ステップ 7 end
       
      (任意)

      特権 EXEC モードに戻ります。

       
      ステップ 8switch# copy running-config startup-config   (任意)

      リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を永続的に保存します。

       

      次の例は、イーサネット ポートを MVR レシーバ ポートとして設定する方法を示しています。

      switch# configure terminal
      switch(config)# mvr
      switch(config-mvr)# interface ethernet 1/10
      switch(config-if)# mvr-type receiver
      switch(config-if)# end
      switch# copy running-config startup-config
      switch#
      
      

      MVR 設定の確認

      MVR 設定を確認するには、次のコマンドを使用します。

      コマンド

      説明

      show mvr

      MVR サブシステムの設定とステータスを表示します。

      show mvr groups

      MVR グループの設定を表示します。

      show mvr interface {ethernet type slot/port | port-channel number}

      指定されたインターフェイスの MVR の設定を表示します。

      (注)     

      これが 10G ブレークアウト ポートの場合、slot/port 構文は slot/QSFP-module/port になります。

      show mvr members [count]

      すべての MVR メンバーの数と詳細を表示します。

      show mvr members interface {ethernet type slot/port | port-channel number}

      指定したインターフェイスの MVR メンバの詳細を表示します。

      (注)     

      これが 10G ブレークアウト ポートの場合、slot/port 構文は slot/QSFP-module/port になります。

      show mvr members vlan vlan-id

      指定した VLAN の MVR メンバの詳細を表示します。

      show mvr receiver-ports [ethernet type slot/port | port-channel number]

      すべてのインターフェイスまたは指定したインターフェイスのすべての MVR レシーバ ポートを表示します。

      (注)     

      これが 10G ブレークアウト ポートの場合、slot/port 構文は slot/QSFP-module/port になります。

      show mvr source-ports [ethernet type slot/port | port-channel number]

      すべてのインターフェイスまたは指定したインターフェイスのすべての MVR 送信元ポートを表示します。

      (注)     

      これが 10G ブレークアウト ポートの場合、slot/port 構文は slot/QSFP-module/port になります。

      次に、MVR パラメータを確認する例を示します。

      switch# show mvr
      MVR Status          : enabled
      Global MVR VLAN     : 100
      Number of MVR VLANs : 4
      
      

      次に、MVR グループ設定を確認する例を示します。

      switch# show mvr groups
      * - Global default MVR VLAN.
       
      Group start    Group end       Count  MVR-VLAN Interface
                                     Mask
      -------------  --------------- ------ -------- -----------
      228.1.2.240    228.1.2.255     /28     101
      230.1.1.1      230.1.1.4        4     *100
      235.1.1.6      235.1.1.6        1      340
      225.1.3.1      225.1.3.1        1     *100     Eth1/10
      
      

      次に、MVR インターフェイス設定とステータスを確認する例を示します。

      switch# show mvr interface
      Port         VLAN Type      Status    MVR-VLAN
      ----         ---- ----      ------    --------
      Po10         100  SOURCE    ACTIVE    100-101
      Po201        201  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po202        202  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po203        203  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po204        204  RECEIVER  INACTIVE  100-101,340
      Po205        205  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po206        206  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po207        207  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Po208        208  RECEIVER  ACTIVE    2000-2001
      Eth1/9       340  SOURCE    ACTIVE    340
      Eth1/10      20   RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Eth2/2       20   RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Eth102/1/1   102  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Eth102/1/2   102  RECEIVER  INACTIVE  100-101,340
      Eth103/1/1   103  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
      Eth103/1/2   103  RECEIVER  ACTIVE    100-101,340
       
      Status INVALID indicates one of the following misconfiguration:
      a) Interface is not a switchport.
      b) MVR receiver is not in access, pvlan host or pvlan promiscuous mode.
      c) MVR source is in fex-fabric mode.
      
      

      次に、すべての MVR メンバを表示する例を示します。

      switch# show mvr members
      MVR-VLAN  Group Address  Status   Members
      --------  -------------  -------  -------
      100       230.1.1.1     ACTIVE    Po201 Po202 Po203 Po205 Po206
      100       230.1.1.2     ACTIVE    Po205 Po206 Po207 Po208
      340       235.1.1.6     ACTIVE    Eth102/1/1
      101       225.1.3.1     ACTIVE    Eth1/10 Eth2/2
      101       228.1.2.241   ACTIVE    Eth103/1/1 Eth103/1/2
      
      

      次に、すべてのインターフェイスのすべての MVR レシーバ ポートを表示する例を示します。

      switch# show mvr receiver-ports
      Port          MVR-VLAN  Status   Joins         Leaves
                                       (v1,v2,v3)
      ------------  --------  -------- ------------  ------------
      Po201         100       ACTIVE   8             2
      Po202         100       ACTIVE   8             2
      Po203         100       ACTIVE   8             2
      Po204         100       INACTIVE 0             0
      Po205         100       ACTIVE   10            6
      Po206         100       ACTIVE   10            6
      Po207         100       ACTIVE   5             0
      Po208         100       ACTIVE   6             0
      Eth1/10       101       ACTIVE   12            2
      Eth2/2        101       ACTIVE   12            2
      Eth102/1/1    340       ACTIVE   16            15
      Eth102/1/2    340       INACTIVE 16            16
      Eth103/1/1    101       ACTIVE   33            0
      Eth103/1/2    101       ACTIVE   33            0
      
      

      次に、すべてのインターフェイスのすべての MVR 送信元ポートを表示する例を示します。

      switch# show mvr source-ports
      Port          MVR-VLAN  Status
      ------------  --------  --------
      Po10          100       ACTIVE
      Eth1/9        340       ACTIVE