Cisco Nexus 5000 シリーズ NX-OS レイヤ 2 スイッチング コンフィギュレーション ガイド リリース 5.2(1)N1(1)
マルチ スパニングツリーの設定
マルチ スパニングツリーの設定
発行日;2012/12/04   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

目次

マルチ スパニングツリーの設定

この章の内容は、次のとおりです。

MST について

MST の概要


(注)  


このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、「スパニングツリー」を使用します。 IEEE 802.1D STP について説明している箇所では、802.1D と明記します。


MST は、複数の VLAN をスパニングツリー インスタンスにマッピングします。各インスタンスには、他のスパニングツリー インスタンスとは別のスパニングツリー トポロジがあります。 このアーキテクチャでは、データ トラフィックに対して複数のフォワーディング パスがあり、ロード バランシングが可能です。これによって、非常に多数の VLAN をサポートする際に必要な STP インスタンスの数を削減できます。

MST では、各 MST インスタンスで IEEE 802.1w 規格を採用することによって、明示的なハンドシェイクによる高速コンバージェンスが可能なため、802.1D 転送遅延がなくなり、ルート ブリッジ ポートと指定ポートが迅速にフォワーディング ステートに変わります

MST の使用中は、MAC アドレスの削減が常にイネーブルに設定されます この機能はディセーブルにはできません。

MST ではスパニングツリーの動作が改善され、次の STP バージョンとの下位互換性を維持しています。

  • 元の 802.1D スパニングツリー
  • Rapid per-VLAN スパニングツリー(Rapid PVST+) IEEE 802.1w では RSTP が定義されて、IEEE 802.1D に組み込まれました。
  • IEEE 802.1s では MST が定義されて、IEEE 802.1Q に組み込まれました。

(注)  


MST をイネーブルにする必要があります。Rapid PVST+ は、デフォルトのスパニングツリー モードです。


MST リージョン

スイッチが MSTI に参加できるようにするには、同一の MST 設定情報でスイッチの設定に整合性を持たせる必要があります。

同じ MST 設定の相互接続スイッチの集まりが MST リージョンです。 MST リージョンは、同じ MST 設定で MST ブリッジのグループとリンクされます。

MST 設定により、各スイッチが属する MST リージョンが制御されます。 この設定には、リージョンの名前、バージョン番号、MST VLAN とインスタンスの割り当てマップが含まれます。

リージョンには、同一の MST コンフィギュレーションを持った 1 つまたは複数のメンバが必要です。 各メンバには、802.1w Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)を処理する機能が必要です。 ネットワーク内の MST リージョンには、数の制限はありません。

各リージョンは、最大 65 の MST インスタンス(MSTI)までサポートします。 インスタンスは、1 ~ 4094 の範囲の任意の番号によって識別されます。 インスタンス 0 は、特別なインスタンスである IST 用に予約されています。 VLAN は、一度に 1 つの MST インスタンスに対してのみ割り当てることができます。

MST リージョンは、隣接の MST リージョン、他の Rapid PVST+ 領域、802.1D スパニングツリー プロトコルへの単一のブリッジとして表示されます。


(注)  


ネットワークを、非常に多数のリージョンに分けることは推奨しません。


MST BPDU

1 つのリージョンに含まれる MST BPDU は 1 つだけで、その BPDU により、リージョン内の各 MSTI について M レコードが保持されます(次の図を参照)。 IST だけが MST リージョンの BPDU を送信します。すべての M レコードは、IST が送信する 1 つの BPDU でカプセル化されています。 MST BPDU にはすべてのインスタンスに関する情報が保持されるため、MSTI をサポートするために処理する必要がある BPDU の数は、非常に少なくなります。

図 1. MSTI の M レコードが含まれる MST BPDU

MST 設定情報

MST の設定は 1 つの MST リージョン内のすべてのスイッチで同一である必要があり、ユーザが設定します。

MST 設定の次の 3 つのパラメータを設定できます。

  • 名前:32 文字の文字列。MST リージョンを指定します。ヌルで埋められ、ヌルで終了します。
  • リビジョン番号:現在の MST 設定のリビジョンを指定する 16 ビットの符号なし数字。

(注)  


MST 設定の一部として必要な場合、リビジョン番号を設定する必要があります。 リビジョン番号は、MST 設定がコミットされるごとに自動的には増やされません


  • MST 設定テーブル:要素が 4096 あるテーブルで、サポート対象の、存在する可能性のある 4094 の各 VLAN を該当のインスタンスにアソシエートします。最初(0)と最後(4095)の要素は 0 に設定されています。 要素番号 X の値は、VLAN X がマッピングされるインスタンスを表します。

注意    


VLAN/MSTI マッピングを変更すると、MST は再起動されます。


MST BPDU には、これらの 3 つの設定パラメータが含まれています。 MST ブリッジは、これら 3 つの設定パラメータが厳密に一致する場合、MST BPDU をそのリージョンに受け入れます。 設定属性が 1 つでも異なっていると、MST ブリッジでは、BPDU が別の MST リージョンのものであると見なされます。

IST、CIST、CST

IST、CIST、CST の概要

すべての STP インスタンスが独立している Rapid PVST+ と異なり、MST は IST、CIST、および CST スパニングツリーを次のように確立して、維持します。

  • IST は、MST リージョンで実行されるスパニングツリーです。

MST では、各 MST リージョン内に追加のスパニングツリーが確立され、維持されます。これらのスパニングツリーを MSTI(複数スパニングツリー インスタンス)といいます。

インスタンス 0 は、IST という、リージョンの特殊インスタンスです。 IST は、すべてのポートに必ず存在します。IST(インスタンス 0)は削除できません。 デフォルトでは、すべての VLAN が IST に割り当てられています。 その他の MST インスタンスはすべて 1 ~ 4094 まで番号が付けられます。

IST は、BPDU の送受信を行う唯一の STP インスタンスです。 他の MSTI 情報はすべて MST レコード(M レコード)に含まれ、MST BPDU 内でカプセル化されます。

同じリージョン内のすべての MSTI は同じプロトコル タイマーを共有しますが、各 MSTI には、ルート ブリッジ ID やルート パス コストなど、それぞれ独自のトポロジ パラメータがあります。

MSTI は、リージョンに対してローカルです。たとえば、リージョン A とリージョン B が相互接続されている場合でも、リージョン A にある MSTI 9 は、リージョン B にある MSTI 9 には依存しません。

  • CST は、MST リージョンと、ネットワーク上で実行されている可能性がある 802.1D および 802.1w STP のインスタンスを相互接続します。 CST は、ブリッジ型ネットワーク全体で 1 つ存在する STP インスタンスで、すべての MST リージョン、802.1w インスタンスおよび 802.1D インスタンスを含みます。
  • CIST は、各 MST リージョンにある IST の集まりです。 CIST は、MST リージョン内部の IST や、MST リージョン外部の CST と同じです。

MST リージョンで計算されるスパニングツリーは、スイッチ ドメイン全体を含んだ CST 内のサブツリーとして認識されます。 CIST は、802.1w、802.1s、802.1D の各規格をサポートするスイッチで実行されているスパニングツリー アルゴリズムによって形成されています。 MST リージョン内の CIST は、リージョン外の CST と同じです。

MST リージョン内でのスパニングツリーの動作

IST は、リージョンにあるすべての MST スイッチを接続します。 IST が収束すると、IST のルートは CIST リージョナル ルートになります。 また、リージョンがネットワーク内に 1 つしかなければ、CIST リージョナル ルートは CIST ルートにもなります。 CIST ルートがリージョン外にある場合、リージョンの境界にある MST スイッチの 1 つが、CIST リージョナル ルートとしてプロトコルにより選択されます。

MST スイッチが初期化されると、スイッチ自体を識別する BPDU が、CIST のルートおよび CIST リージョナル ルートとして送信されます。このとき、CIST ルートと CIST リージョナル ルートへのパス コストは両方ゼロに設定されます。 また、スイッチはすべての MSTI を初期化し、これらすべての MSTI のルートであることを示します。 現在ポートに格納されている情報よりも上位の MST ルート情報(より小さいスイッチ ID、より小さいパス コストなど)をスイッチが受信すると、CIST リージョナル ルートとしての主張を撤回します。

初期化中に、MST リージョン内に独自の CIST リージョナル ルートを持つ多くのサブ リージョンが形成される場合があります。 スイッチは、同じリージョンのネイバーから上位の IST 情報を受信すると、元のサブ リージョンを脱退して、真の CIST リージョナル ルートが含まれる新しいサブ リージョンに加入します。 このようにして、真の CIST リージョナル ルートが含まれているサブ リージョン以外のサブ領域はすべて縮小します。

MST リージョン内のすべてのスイッチが同じ CIST リージョナル ルートを承認する必要があります。 リージョン内にある任意の 2 つのスイッチは、共通 CIST リージョナル ルートに収束する場合、MSTI に対するポート ロールのみを同期します。

MST リージョン間のスパニングツリー動作

ネットワーク内に複数のリージョン、または 802.1 w や 802.1D STP インスタンスがある場合、MST はネットワーク内のすべての MST リージョン、すべての 802.1w と 802.1D STP スイッチを含む CST を確立して、維持します。 MSTI は、リージョンの境界で IST と結合して CST になります。

IST は、リージョン内のすべての MST スイッチを接続し、スイッチ ドメイン全体を含んだ CIST 内のサブツリーとして認識されます。 サブツリーのルートは CIST リージョナル ルートです。 MST リージョンは、隣接する STP スイッチや MST リージョンからは仮想スイッチとして認識されます。

次の図に、3 つの MST リージョンと 802.1D(D)があるネットワークを示します。 リージョン 1 の CIST リージョナル ルート(A)は、CIST ルートでもあります。 リージョン 2 の CIST リージョナル ルート(B)、およびリージョン 3 の CIST リージョナル ルート(C)は、CIST 内のそれぞれのサブツリーのルートです。

図 2. MST リージョン、CIST リージョナル ルート、CST ルート

BPDU を送受信するのは CST インスタンスのみです。 MSTI は、そのスパニングツリー情報を BPDU に(M レコードとして)追加し、隣接スイッチと相互作用して、最終的なスパニングツリー トポロジを計算します。 このため、BPDU の送信に関連するスパニングツリー パラメータ(hello タイム、転送時間、最大エージング タイム、最大ホップ カウントなど)は、CST インスタンスにのみ設定されますが、すべての MSTI に影響します。 スパニングツリー トポロジに関連するパラメータ(スイッチ プライオリティ、ポート VLAN コスト、ポート VLAN プライオリティなど)は、CST インスタンスと MSTI の両方に設定できます。

MST スイッチは、802.1D 専用スイッチと通信する場合、バージョン 3 BPDU または 802.1D STP BPDU を使用します。 MST スイッチは、MST スイッチと通信する場合、MST BPDU を使用します。

MST 用語

MST の命名規則には、内部パラメータまたはリージョナル パラメータの識別情報が含まれます。 これらのパラメータは MST リージョン内だけで使用され、ネットワーク全体で使用される外部パラメータと比較されます。 CIST だけがネットワーク全体に広がるスパニングツリー インスタンスなので、CIST パラメータだけに外部修飾子が必要になり、修飾子または領域修飾子は不要です。 MST 用語を次に示します。

  • CIST ルートは CIST のルート ブリッジで、ネットワーク全体にまたがる一意のインスタンスです。
  • CIST 外部ルート パス コストは、CIST ルートまでのコストです。 このコストは MST リージョン内で変化しません。 MST リージョンは、CIST に対する唯一のスイッチのように見えます。 CIST 外部ルート パス コストは、これらの仮想スイッチとリージョンに属していないスイッチ間を計算して出したルート パス コストです。
  • CIST ルートがリージョン内にある場合、CIST リージョナル ルートが CIST ルートになります。 または、CIST リージョナル ルートがそのリージョンで CIST ルートに最も近いスイッチになります。 CIST リージョナル ルートは、IST のルート ブリッジとして動作します。
  • CIST 内部ルート パス コストは、リージョン内の CIST リージョナル ルートまでのコストです。 このコストは IST(インスタンス 0)のみに関係します。

ホップ カウント

MST リージョン内の STP トポロジを計算する場合、MST はコンフィギュレーション BPDU のメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報は使用しません。 代わりに、ルートへのパス コストと、IP の存続可能時間(TTL)メカニズムに類似したホップ カウント メカニズムを使用します。

spanning-tree mst max-hops グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用することにより、リージョン内の最大ホップを設定し、その値をリージョン内の IST インスタンスとすべての MST インスタンスに適用できます。

ホップ カウントを設定すると、メッセージ エージ情報を設定するのと同様の結果が得られます(再構成の開始時期を決定します)。 インスタンスのルート ブリッジは、コストが 0 でホップ カウントが最大値に設定された BPDU(M レコード)を常に送信します。 スイッチがこの BPDU を受信すると、受信 BPDU の残存ホップ カウントから 1 だけ差し引いた値を残存ホップ カウントとする BPDU を生成し、これを伝播します。 このホップ カウントが 0 になると、スイッチはその BPDU を廃棄し、ポート用に維持されていた情報を期限切れにします。

BPDU の 802,1w 部分に格納されているメッセージ有効期間および最大エージング タイムの情報は、リージョン全体で同じです(IST の場合のみ)。同じ値が、境界にあるリージョンの指定ポートによって伝播されます。

スイッチがスパニングツリー設定メッセージを受信せずに再設定を試行するまで待機する秒数として最大エージング タイムを設定します。

境界ポート

境界ポートは、あるリージョンを別のリージョンに接続するポートです。 指定ポートは、STP ブリッジを検出するか、設定が異なる MST ブリッジまたは Rapid PVST+ ブリッジから合意提案を受信すると、境界にあることを認識します。 この定義により、リージョンの内部にある 2 つのポートが、異なるリージョンに属すポートとセグメントを共有できるため、ポートで内部メッセージと外部メッセージの両方を受信できる可能性があります(次の図を参照)。

図 3. MST 境界ポート

境界では、MST ポートのロールは問題ではなく、そのステートは強制的に IST ポート ステートと同じに設定されます。 境界フラグがポートに対してオンに設定されている場合、MST ポートのロールの選択処理では、ポート ロールが境界に割り当てられ、同じステートが IST ポートのステートとして割り当てられます。 境界にある IST ポートでは、バックアップ ポート ロール以外のすべてのポート ロールを引き継ぐことができます。

スパニングツリー検証メカニズム

現在、この機能は、IEEE MST 規格にはありませんが、規格準拠の実装に含まれています。 ソフトウェアを使用することで、受信した BPDU からポートの役割とステートの一貫性を確認し、単一方向リンクが失敗してブリッジ処理のループを引き起こしていないかどうかを検証できます。

指定ポートは、矛盾を検出すると、そのロールを維持しますが、廃棄ステートに戻ります。一貫性がない場合は、接続を中断した方がブリッジング ループを解決できるからです。

次の図に、ブリッジング ループ発生の一般的な原因となる単一方向リンク障害を示します。 スイッチ A はルート ブリッジで、その BPDU は、スイッチ B へのリンク上では失われます。 Rapid PVST+(802.1w)および MST BPDU は、送信ポートのロールおよびステートが含まれます。 この情報により、スイッチ B は送信される上位 BPDU に対して反応せず、スイッチ B はルート ポートではなく指定ポートであることが、スイッチ A によって検出できます。 この結果、スイッチ A は、そのポートをブロックし(またはブロックし続け)、ブリッジング ループが防止されます。 ブロックは、STP の矛盾として示されます。

図 4. 単一方向リンク障害の検出

ポート コストとポート プライオリティ

スパニングツリーはポート コストを使用して、指定ポートを決定します。 値が低いほど、ポート コストは小さくなります。スパニングツリーでは、最小のコスト パスが選択されます。 デフォルト ポート コストは、次のように、インターフェイス帯域幅から取得されます。

  • 10 Mbps:2,000,000
  • 100 Mbps:200,000
  • 1 ギガビット イーサネット:20,000
  • 10 ギガビット イーサネット:2,000

ポート コストを設定すると、選択されるポートが影響を受けます。


(注)  


MST では、ロング パス コスト計算方式が常に使用されるため、有効値の範囲は、1 ~ 200,000,000 です。


コストが同じポートを差別化するために、ポート プライオリティが使用されます。 値が小さいほど、プライオリティが高いことを示します。 デフォルトのポートのプライオリティは 128 です。 プライオリティは、0 ~ 224 の間の値に、32 ずつ増やして設定できます。

IEEE 802.1D との相互運用性

MST が実行されるスイッチでは、802.1D STP スイッチとの相互運用を可能にする、内蔵プロトコル移行機能がサポートされます。 このスイッチで、802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコル バージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信する場合、そのポート上の 802.1D BPDU のみが送信されます。 さらに、MST スイッチでは、802.1D BPDU、異なるリージョンにアソシエートされている MST BPDU(バージョン 3)、または 802.1w BPDU(バージョン 2)を受信するときに、ポートがリージョンの境界にあることを検出できます。

ただし、スイッチは、802.1D BPDU を受信しなくなった場合でも、自動的には MSTP モードには戻りません。これは、802.1D スイッチが指定スイッチではない場合、802.1D スイッチがリンクから削除されたかどうかを検出できないためです。 さらにスイッチは、接続先スイッチがリージョンに加入した場合であっても、引き続きポートに境界の役割を指定する可能性があります。

プロトコル移行プロセスを再開する(強制的に隣接スイッチと再ネゴシエーションさせる)には、clear spanning-tree detected-protocols コマンドを入力します。

リンク上にあるすべての Rapid PVST+ スイッチ(およびすべての 8021.D STP スイッチ)では、MST BPDU を 802.1w BPDU の場合と同様に処理できます。 MST スイッチでは、境界ポート上にある、バージョン 0 コンフィギュレーションおよびトポロジ変更通知(TCN)BPDU、またはバージョン 3 MST BPDU のいずれかを送信できます。 境界ポートは LAN に接続され、その指定スイッチは、単一スパニングツリー スイッチか、MST 設定が異なるスイッチのいずれかです。


(注)  


MST は、MST ポート上で先行標準 MSTP を受信するたびに、シスコの先行標準 MSTP と相互に動作します。明示的な設定は必要ありません。


Rapid PVST+ の相互運用性と PVST シミュレーションについて

MST は、ユーザが設定しなくても、Rapid PVST+ と相互運用できます。 PVST シミュレーション機能により、このシームレスな相互運用性がイネーブルにされます。


(注)  


PVST シミュレーションは、デフォルトでイネーブルになっています。 つまり、スイッチ上のすべてのインターフェイスは、デフォルトで、MST と Rapid PVST+ との間で相互動作します。


ただし、MST と Rapid PVST+ との接続を制御し、MST 対応ポートを Rapid PVST+ 対応ポートに誤って接続するのを防止することが必要な場合もあります。 Rapid PVST+ はデフォルト STP モードのため、Rapid PVST+ がイネーブルな多数の接続が検出されることがあります。

ポートごと、またはスイッチ全体にグローバルに、Rapid PVST+ シミュレーションをディセーブルにできますが、これを実行することにより、MST がイネーブルなポートが Rapid PVST+ がイネーブルなポートに接続されていることが検出されると、MST がイネーブルなポートはブロッキング ステートになります。 このポートは、Rapid PVST+/SSTP BPDU の受信が停止されるまで不整合のステートのままになります。そしてポートは、通常の STP 送信プロセスに戻ります。

MST の設定

MST 設定時の注意事項

MST を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

  • プライベート VLAN を操作するときには、private-vlan synchronize コマンドを使用して、プライマリ VLAN として、セカンダリ VLAN を同じ MST インスタンスにマッピングします。
  • MST コンフィギュレーション モードの場合、次の注意事項が適用されます。
    • 各コマンド参照行により、保留中のリージョン設定が作成されます。
    • 保留中のリージョン設定により、現在のリージョン設定が開始されます。
    • 変更を一切コミットすることなく MST コンフィギュレーション モードを終了するには、abort コマンドを入力します。
    • モードの終了前に行った変更内容をすべてコミットして MST コンフィギュレーション モードを終了するには、exit コマンドを入力します。

MST のイネーブル化

MST はイネーブルにする必要があります。デフォルトは Rapid PVST+ です。


注意    


スパニングツリー モードを変更すると、変更前のモードのスパニングツリー インスタンスがすべて停止されて新しいモードで起動されるため、トラフィックが中断する場合があります。 また、vPC ピア スイッチに 2 種類の異なるスパニングツリー モードを持つことは不整合であるため、この動作は中断を伴います。


手順
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 switch# configure terminal
     

    コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mode mst
     

    スイッチ上で MST をイネーブルにします。

     
    ステップ 3 switch(config)# no spanning-tree mode mst
     
    (任意)

    スイッチ上の MST がディセーブルにされ、Rapid PVST+ に戻ります。

     

    次の例は、スイッチで MST をイネーブルにする方法を示しています。

    switch# configure terminal
    
    switch(config)# spanning-tree mode mst
    
     

    (注)  


    STP はデフォルトでイネーブルのため、設定結果を参照するために show running-config コマンドを入力しても、STP をイネーブルするために入力したコマンドは表示されません。


    MST コンフィギュレーション モードの開始

    スイッチ上で、MST の名前、VLAN からインスタンスへのマッピング、MST リビジョン番号を設定するには、MST コンフィギュレーション モードを開始します。

    同じ MST リージョンにある複数のスイッチには、同じ MST の名前、VLAN からインスタンスへのマッピング、MST リビジョン番号を設定しておく必要があります。


    (注)  


    各コマンド参照行により、MST コンフィギュレーション モードで保留中の領域設定が作成されます。 さたに、保留中の領域設定により、現在の領域設定が開始されます。


    MST コンフィギュレーション モードで作業している場合、exit コマンドと abort コマンドとの違いに注意してください。

    手順
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 switch# configure terminal
       

      コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
       

      システム上で、MST コンフィギュレーション モードを開始します。 次の MST コンフィギュレーション パラメータを割り当てるには、MST コンフィギュレーション モードを開始しておく必要があります。

      • MST 名
      • インスタンスから VLAN へのマッピング
      • MST リビジョン番号
      • プライベート VLAN でのプライマリ VLAN とセカンダリ VLAN との同期
       
      ステップ 3 switch(config-mst)# exit または switch(config-mst)# abort
       
      • 最初のフォームでは、すべての変更をコミットして MST コンフィギュレーション モードを終了します。
      • 2 番目のフォームでは、変更をコミットすることなく MST コンフィギュレーション モードを終了します。
       
      ステップ 4 switch(config)# no spanning-tree mst configuration
       
      (任意)

      MST リージョン設定を次のデフォルト値に戻します。

      • 領域名は空の文字列になります。
      • VLAN は MSTI にマッピングされません(すべての VLAN は CIST インスタンスにマッピングされます)。
      • リビジョン番号は 0 です。
       

      MST の名前の指定

      リージョン名は、ブリッジ上に設定します。 同じ MST リージョンにある複数のブリッジには、同じ MST の名前、VLAN からインスタンスへのマッピング、MST リビジョン番号を設定しておく必要があります。

      手順
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 switch# configure terminal
         

        コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
         

        MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

         
        ステップ 3 switch(config-mst)# name name
         

        MST リージョンの名前を指定します。 name ストリングには最大 32 文字まで使用でき、大文字と小文字が区別されます。 デフォルトは空の文字列です。

         

        次の例は、MST リージョンの名前の設定方法を示しています。

        switch# configure terminal
        
        switch(config)# spanning-tree mst configuration
        
        switch(config-mst)# name accounting
        
         

        MST 設定のリビジョン番号の指定

        リビジョン番号は、ブリッジ上に設定します。 同じ MST リージョンにある複数のブリッジには、同じ MST の名前、VLAN からインスタンスへのマッピング、MST リビジョン番号を設定しておく必要があります。

        手順
           コマンドまたはアクション目的
          ステップ 1 switch# configure terminal
           

          コンフィギュレーション モードを開始します。

           
          ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
           

          MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

           
          ステップ 3 switch(config-mst)# revision version
           

          MST リージョンのリビジョン番号を指定します。 範囲は 0 ~ 65535 で、デフォルト値は 0 です。

           

          次の例は、MSTI リージョンのリビジョン番号を 5 に設定する方法を示しています。

          switch# configure terminal
          
          switch(config)# spanning-tree mst configuration
          
          switch(config-mst)# revision 5
          
           

          MST リージョンでの設定の指定

          2 台以上のスイッチを同一 MST リージョン内に存在させるには、同じ VLAN からインスタンスへのマッピング、同じ構成リビジョン番号、および同じ MST の名前が設定されている必要があります。

          リージョンには、同じ MST 設定の 1 つのメンバーまたは複数のメンバーを存在させることができます。各メンバーでは、IEEE 802.1w RSTP BPDU を処理できる必要があります。 ネットワーク内の MST リージョンには、数の制限はありませんが、各リージョンでは、最大 65 までのインスタンスをサポートできます。 VLAN は、一度に 1 つの MST インスタンスに対してのみ割り当てることができます。

          手順
             コマンドまたはアクション目的
            ステップ 1 switch# configure terminal
             

            コンフィギュレーション モードを開始します。

             
            ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
             

            MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

             
            ステップ 3 switch(config-mst)# instance instance-id vlan vlan-range
             

            VLAN を MST インスタンスにマッピングする手順は、次のとおりです。

            • instance-id の範囲は 1 ~ 4094 です。
            • vlan vlan-range の範囲は 1 ~ 4094 です。

            MST インスタンスに VLAN をマッピングする場合、マッピングはインクリメンタルに行われ、コマンドで指定された VLAN がすでにマッピング済みの VLAN に対して追加または削除されます。

            VLAN 範囲を指定する場合は、ハイフンを使用します。たとえば、instance 1 vlan 1-63 とコマンドを入力すると、MST インスタンス 1 に VLAN 1 ~ 63 がマッピングされます。

            複数の VLAN を指定する場合はカンマで区切ります。たとえば、instance 1 vlan 10, 20, 30 と指定すると、MST インスタンス 1 に VLAN 10、20、および 30 がマッピングされます。

             
            ステップ 4 switch(config-mst)# name name
             

            インスタンス名を指定します。 name ストリングには最大 32 文字まで使用でき、大文字と小文字が区別されます。

             
            ステップ 5 switch(config-mst)# revision version
             

            設定リビジョン番号を指定します。 指定できる範囲は 0 ~ 65535 です。

             

            デフォルトに戻すには、次のように操作します。

            • デフォルト MST リージョン設定に戻すには、no spanning-tree mst configuration コンフィギュレーション コマンドを入力します。
            • VLAN インスタンス マッピングをデフォルトの設定に戻すには、no instance instance-id vlan vlan-range MST コンフィギュレーション コマンドを使用します。
            • デフォルトの名前に戻すには、no name MST コンフィギュレーション コマンドを入力します。
            • デフォルトのリビジョン番号に戻すには、no revision MST コンフィギュレーション コマンドを入力します。
            • Rapid PVST+ を再度イネーブルにするには、no spanning-tree mode または spanning-tree mode rapid-pvst のグローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。

            次の例は、MST コンフィギュレーション モードを開始し、VLAN 10 ~ 20 を MSTI 1 にマッピングし、リージョンに region1 という名前を付けて、設定リビジョンを 1 に設定し、保留中の設定を表示し、変更を適用してグローバル コンフィギュレーション モードに戻る方法を示しています。

            switch(config)# spanning-tree mst configuration
            
            switch(config-mst)# instance 1 vlan 10-20
            
            switch(config-mst)# name region1
            
            switch(config-mst)# revision 1
            
            switch(config-mst)# show pending
            
            Pending MST configuration
            Name      [region1]
            Revision  1
            Instances configured 2
            Instance  Vlans Mapped
            --------  ---------------------
            0         1-9,21-4094
            1         10-20
            -------------------------------
             

            VLAN から MST インスタンスへのマッピングとマッピング解除


            注意    


            VLAN/MSTI マッピングを変更すると、MST は再起動されます。



            (注)  


            MSTI はディセーブルにできません。


            同じ MST リージョンにある複数のブリッジには、同じ MST の名前、VLAN からインスタンスへのマッピング、MST リビジョン番号を設定しておく必要があります。

            手順
               コマンドまたはアクション目的
              ステップ 1 switch# configure terminal
               

              コンフィギュレーション モードを開始します。

               
              ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
               

              MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

               
              ステップ 3 switch(config-mst)# instance instance-id vlan vlan-range
               

              VLAN を MST インスタンスにマッピングする手順は、次のとおりです。

              • instance-id の範囲は 1 ~ 4094 です。 インスタンス 0 は、各 MST リージョンでの IST 用に予約されています。
              • vlan-range の範囲は 1 ~ 4094 です。 VLAN を MSTI にマッピングすると、マッピングは差分で実行され、コマンドで指定された VLAN が、以前マッピングされた VLAN に追加または VLAN から削除されます。
               
              ステップ 4 switch(config-mst)# no instance instance-id vlan vlan-range
               

              指定したインスタンスを削除し、VLAN を、デフォルト MSTI である CIST に戻します。

               

              次の例は、VLAN 200 を MSTI 3 にマッピングする方法を示しています。

              switch# configure terminal
              
              switch(config)# spanning-tree mst configuration
              
              switch(config-mst)# instance 3 vlan 200
              
               

              プライベート VLAN でセカンダリ VLAN をプライマリ VLAN として同じ MSTI にマッピングするには

              システム上のプライベート VLAN を操作するときに、すべてのセカンダリ VLAN は、同じ MSTI とそれがアソシエートされているプライマリ VLAN に存在させておく必要があります。

              手順
                 コマンドまたはアクション目的
                ステップ 1 switch# configure terminal
                 

                コンフィギュレーション モードを開始します。

                 
                ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst configuration
                 

                MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

                 
                ステップ 3 switch(config-mst)# private-vlan synchronize
                 

                すべてのセカンダリ VLAN を、同じ MSTI と、すべてのプライベート VLAN にアソシエートされているプライマリ VLAN に、自動的にマッピングします。

                 

                次の例は、すべてのプライベート VLAN と同じ MSTI および関連プライマリ VLAN にすべてのセカンダリ VLAN を自動的にマッピングする方法を示しています。

                switch# configure terminal
                switch(config)# spanning-tree mst configuration
                switch(config-mst)# private-vlan synchronize
                 

                ルート ブリッジの設定

                スイッチは、ルート ブリッジになるよう設定できます。


                (注)  


                各 MSTI のルート ブリッジは、バックボーン スイッチまたはディストリビューション スイッチである必要があります。 アクセス スイッチは、スパニングツリーのプライマリ ルート ブリッジとして設定しないでください。


                MSTI 0(または IST)でのみ使用可能な diameter キーワードを入力し、ネットワーク直径(ネットワーク内の任意の 2 つのエンド ステーション間での最大ホップ数)を指定します。 ネットワークの直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、および最大エージング タイムをスイッチが自動的に設定するので、コンバージェンスの所要時間を大幅に短縮できます。 hello キーワードを入力すると、自動的に計算された hello タイムを上書きできます。


                (注)  


                ルート ブリッジとして設定されているスイッチでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-timespanning-tree mst forward-timespanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。


                手順
                   コマンドまたはアクション目的
                  ステップ 1 switch# configure terminal
                   

                  コンフィギュレーション モードを開始します。

                   
                  ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia [hello-time hello-time]]
                   

                  次のように、ルート ブリッジとしてスイッチを設定します。

                  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 有効な範囲は 1 ~ 4094 です。
                  • diameter net-diameter には、2 つのエンド ステーション間にホップの最大数を設定します。 デフォルトは 7 です。 このキーワードは、MST インスタンス 0 にだけ使用できます。
                  • hello-time seconds には、ルート ブリッジによって生成された設定メッセージの間隔を秒単位で指定します。 有効な範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。
                   
                  ステップ 3 switch(config)# no spanning-tree mst instance-id root
                   
                  (任意)

                  スイッチのプライオリティ、範囲、hello タイムをデフォルト値に戻します。

                   

                  次の例は、MSTI 5 のルート スイッチとしてスイッチを設定する方法を示しています。

                  switch# configure terminal
                  
                  switch(config)# spanning-tree mst 5 root primary
                  
                   

                  セカンダリ ルート ブリッジの設定

                  このコマンドは、複数のスイッチに対して実行し、複数のバックアップ ルート ブリッジを設定できます。 spanning-tree mst root primary コンフィギュレーション コマンドでプライマリ ルート ブリッジを設定したときに使用したものと同じネットワーク直径と hello タイムの値を入力します。

                  手順
                     コマンドまたはアクション目的
                    ステップ 1 switch# configure terminal
                     

                    コンフィギュレーション モードを開始します。

                     
                    ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia [hello-time hello-time]]
                     

                    次のように、セカンダリ ルート ブリッジとしてスイッチを設定します。

                    • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 有効な範囲は 1 ~ 4094 です。
                    • diameter net-diameter には、2 つのエンド ステーション間にホップの最大数を設定します。 デフォルトは 7 です。 このキーワードは、MST インスタンス 0 にだけ使用できます。
                    • hello-time seconds には、ルート ブリッジによって生成された設定メッセージの間隔を秒単位で指定します。 有効な範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。
                     
                    ステップ 3 switch(config)# no spanning-tree mst instance-id root
                     
                    (任意)

                    スイッチのプライオリティ、範囲、hello タイムをデフォルト値に戻します。

                     

                    次の例は、MSTI 5 のセカンダリ ルート スイッチとしてスイッチを設定する方法を示しています。

                    switch# configure terminal
                    
                    switch(config)# spanning-tree mst 5 root secondary
                    
                     

                    ポートのプライオリティの設定

                    ループが発生する場合、MST は、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択するとき、ポート プライオリティを使用します。 最初に選択させるインターフェイスには低いプライオリティの値を割り当て、最後に選択させるインターフェイスには高いプライオリティの値を割り当てることができます。 すべてのインターフェイスのプライオリティ値が同一である場合、MST はインターフェイス番号が最も低いインターフェイスをフォワーディング ステートにして、その他のインターフェイスをブロックします。

                    手順
                       コマンドまたはアクション目的
                      ステップ 1 switch# configure terminal
                       

                      コンフィギュレーション モードを開始します。

                       
                      ステップ 2 switch(config)# interface {{type slot/port} | {port-channel number}}
                       

                      設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

                       
                      ステップ 3 switch(config-if)# spanning-tree mst instance-id port-priority priority
                       

                      次のように、ポートのプライオリティを設定します。

                      • instance-id には、1 つの MSTI、それぞれをハイフンで区切った MSTI の範囲、またはカンマで区切った一連の MSTI を指定できます。 有効な範囲は 1 ~ 4094 です。
                      • priority の範囲は 0 ~ 224 で、32 ずつ増加します。 デフォルトは 128 です。 値が小さいほど、プライオリティが高いことを示します。

                      プライオリティ値は、0、32、64、96、128、160、192、224 です。 システムでは、他のすべての値が拒否されます。

                       

                      次の例は、イーサネット ポート 3/1 で MSTI 3 の MST インターフェイス ポート プライオリティを 64 に設定する方法を示しています。

                      switch# configure terminal
                      
                      switch(config)# interface ethernet 3/1
                      
                      switch(config-if)# spanning-tree mst 3 port-priority 64
                      
                       

                      このコマンドを使用できるのは、物理イーサネット インターフェイスに対してだけです。

                      ポート コストの設定

                      MST パス コストのデフォルト値は、インターフェイスのメディア速度から派生します。 ループが発生した場合、MST は、コストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。 最初に選択させるインターフェイスには小さいコストの値を割り当て、最後に選択させるインターフェイスの値には大きいコストを割り当てることができます。 すべてのインターフェイスのコスト値が同一である場合、MST はインターフェイス番号が最も低いインターフェイスをフォワーディング ステートにして、その他のインターフェイスをブロックします。


                      (注)  


                      MST では、ロング パス コスト計算方式が使用されます。


                      手順
                         コマンドまたはアクション目的
                        ステップ 1 switch# configure terminal
                         

                        コンフィギュレーション モードを開始します。

                         
                        ステップ 2 switch(config)# interface {{type slot/port} | {port-channel number}}
                         

                        設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

                         
                        ステップ 3 switch(config-if)# spanning-tree mst instance-id cost [cost | auto]
                         

                        コストを設定します。

                        ループが発生する場合、MST は、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択するとき、パス コストを使用します。 パス コストが小さいほど、送信速度が速いことを示します。

                        • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 有効な範囲は 1 ~ 4094 です。
                        • cost の範囲は 1 ~ 200000000 です。 デフォルト値は auto で、インターフェイスのメディア速度から取得されるものです。
                         

                        次の例は、イーサネット ポート 3/1 で MSTI 4 の MST インターフェイス ポート コストを設定する方法を示しています。

                        switch# configure terminal
                        
                        switch(config)# interface ethernet 3/1
                        
                        switch(config-if)# spanning-tree mst 4 cost 17031970
                        
                         

                        スイッチのプライオリティの設定

                        MST インスタンスのスイッチのプライオリティは、指定されたポートがルート ブリッジとして選択されるように設定できます。


                        (注)  


                        このコマンドの使用には注意してください。 ほとんどの場合、スイッチのプライオリティを変更するには、spanning-tree mst root primary および spanning-tree mst root secondary のグローバル コンフィギュレーション コマンドの使用を推奨します。


                        手順
                           コマンドまたはアクション目的
                          ステップ 1 switch# configure terminal
                           

                          コンフィギュレーション モードを開始します。

                           
                          ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst instance-id priority priority-value
                           

                          次のように、スイッチのプライオリティを設定します。

                          • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。 有効な範囲は 1 ~ 4094 です。
                          • priority の範囲は 0 ~ 61440 で、4096 ずつ増加します。デフォルト値は 32768 です。 小さい値を設定すると、スイッチがルート スイッチとして選択される可能性が高くなります。

                          プライオリティ値は、0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。 システムでは、他のすべての値が拒否されます。

                           

                          次の例は、MSTI 5 のブリッジのプライオリティを 4096 に設定する方法を示しています。

                          switch# configure terminal
                          
                          switch(config)# spanning-tree mst 5 priority 4096
                          
                           

                          hello タイムの設定

                          hello タイムを変更することによって、スイッチ上のすべてのインスタンスについて、ルート ブリッジにより設定メッセージを生成する間隔を設定できます。


                          (注)  


                          このコマンドの使用には注意してください。 ほとんどの場合、hello タイムを変更するには、spanning-tree mst instance-id root primary および spanning-tree mst instance-id root secondary コンフィギュレーション コマンドの使用を推奨します。


                          手順
                             コマンドまたはアクション目的
                            ステップ 1 switch# configure terminal
                             

                            コンフィギュレーション モードを開始します。

                             
                            ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst hello-time seconds
                             

                            すべての MST インスタンスについて、hello タイムを設定します。 hello タイムは、ルート ブリッジが設定メッセージを生成する間隔です。 これらのメッセージは、スイッチがアクティブであることを意味します。 seconds の範囲は 1 ~ 10 で、デフォルトは 2 秒です。

                             

                            次の例は、スイッチの hello タイムを 1 秒に設定する方法を示しています。

                            switch# configure terminal
                            
                            switch(config)# spanning-tree mst hello-time 1
                            
                             

                            転送遅延時間の設定

                            スイッチ上のすべての MST インスタンスには、1 つのコマンドで転送遅延タイマーを設定できます。

                            手順
                               コマンドまたはアクション目的
                              ステップ 1 switch# configure terminal
                               

                              コンフィギュレーション モードを開始します。

                               
                              ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst forward-time seconds
                               

                              すべての MST インスタンスについて、転送時間を設定します。 転送遅延は、スパニングツリー ブロッキング ステートとラーニング ステートからフォワーディング ステートに変更する前に、ポートが待つ秒数です。 seconds の範囲は 4 ~ 30 で、デフォルトは 15 秒です。

                               

                              次の例は、スイッチの転送遅延時間を 10 秒に設定する方法を示しています。

                              switch# configure terminal
                              
                              switch(config)# spanning-tree mst forward-time 10
                              
                               

                              最大エージング タイムの設定

                              最大エージング タイマーは、スイッチが、再設定を試行する前に、スパニングツリー設定メッセージの受信を待つ秒数です。

                              スイッチ上のすべての MST インスタンスには、1 つのコマンドで最大エージング タイマーを設定できます(最大エージング タイムは IST にのみ適用されます)。

                              手順
                                 コマンドまたはアクション目的
                                ステップ 1 switch# configure terminal
                                 

                                コンフィギュレーション モードを開始します。

                                 
                                ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst max-age seconds
                                 

                                すべての MST インスタンスについて、最大エージング タイムを設定します。 最大エージング タイムは、スイッチが、再設定を試行する前に、スパニングツリー設定メッセージの受信を待つ秒数です。 seconds の範囲は 6 ~ 40 で、デフォルトは 20 秒です。

                                 

                                次の例は、スイッチの最大エージング タイマーを 40 秒に設定する方法を示しています。

                                switch# configure terminal
                                
                                switch(config)# spanning-tree mst max-age 40
                                
                                 

                                最大ホップ カウントの設定

                                MST では、IST リージョナル ルートへのパス コストと、IP の存続可能時間(TTL)メカニズムに類似したホップ カウント メカニズムが、使用されます。 リージョン内の最大ホップを設定し、それを、そのリージョンにある IST とすべての MST インスタンスに適用できます。 ホップ カウントを設定すると、メッセージ エージ情報を設定するのと同様の結果が得られます(再構成の開始時期を決定します)。

                                手順
                                   コマンドまたはアクション目的
                                  ステップ 1 switch# configure terminal
                                   

                                  コンフィギュレーション モードを開始します。

                                   
                                  ステップ 2 switch(config)# spanning-tree mst max-hops hop-count
                                   

                                  BPDU を廃棄してポート用に保持していた情報を期限切れにするまでの、リージョンでのホップ数を設定します。 hop-count の範囲は 1 ~ 255 で、デフォルト値は 20 ホップです。

                                   

                                  次の例は、最大ホップ カウントを 40 に設定する方法を示しています。

                                  switch# configure terminal
                                  
                                  switch(config)# spanning-tree mst max-hops 40
                                  
                                   

                                  PVST シミュレーションのグローバル設定

                                  この自動機能は、グローバルまたはポートごとにブロックできます。 グローバル コマンドを入力すると、インターフェイス コマンド モードの実行中に、スイッチ全体の PVST シミュレーション設定を変更できます。

                                  手順
                                     コマンドまたはアクション目的
                                    ステップ 1 switch# configure terminal
                                     

                                    コンフィギュレーション モードを開始します。

                                     
                                    ステップ 2 switch(config)# no spanning-tree mst simulate pvst global
                                     

                                    Rapid PVST+ モードで実行中の接続スイッチと自動的に相互動作する状態から、スイッチ上のすべてのインターフェイスをディセーブルにできます。 これはデフォルトでイネーブルです。つまり、デフォルトでは、スイッチ上のすべてのインターフェイスは、Rapid PVST+ と MST との間でシームレスに動作します。

                                     

                                    次の例は、Rapid PVST+ を実行している接続スイッチと自動的に相互運用することを防止するようにスイッチを設定する方法を示しています。

                                    switch# configure terminal
                                    
                                    switch(config)# no spanning-tree mst simulate pvst global
                                    
                                     

                                    ポートごとの PVST シミュレーションの設定

                                    MST は、Rapid PVST+ とシームレスに相互動作します。 ただし、デフォルト STP モードとして MST が実行されていないスイッチへの誤った接続を防ぐため、この自動機能をディセーブルにする必要が生じる場合があります。 Rapid PVST+ シミュレーションをディセーブルにした場合、MST がイネーブルなポートが Rapid PVST+ がイネーブルなポートに接続されていることが検出されると、MST がイネーブルなポートは、ブロッキング ステートに移行します。 このポートは、BPDU の受信が停止されるまで、一貫性のないステートのままになり、それから、ポートは、通常の STP 送信プロセスに戻ります。

                                    この自動機能は、グローバルまたはポートごとにブロックできます。

                                    手順
                                       コマンドまたはアクション目的
                                      ステップ 1 switch# configure terminal
                                       

                                      コンフィギュレーション モードを開始します。

                                       
                                      ステップ 2 switch(config)# interface {{type slot/port} | {port-channel number}}
                                       

                                      設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

                                       
                                      ステップ 3 switch(config-if)# spanning-tree mst simulate pvst disable
                                       

                                      Rapid PVST+ モードで実行中の接続スイッチと自動的に相互動作する状態から、指定したインターフェイスをディセーブルにします。

                                      スイッチ上のすべてのインターフェイスは、デフォルトで、Rapid PVST+ と MST との間でシームレスに動作します。

                                       
                                      ステップ 4 switch(config-if)# spanning-tree mst simulate pvst
                                       

                                      指定したインターフェイスで、MST と Rapid PVST+ との間のシームレスな動作を再度イネーブルにします。

                                       
                                      ステップ 5 switch(config-if)# no spanning-tree mst simulate pvst
                                       

                                      インターフェイスを、spanning-tree mst simulate pvst global コマンドを使用して、設定したスイッチ全体で MST と Rapid PVST+ との間で相互動作するよう設定します。

                                       

                                      次の例は、MST を実行していない接続スイッチと自動的に相互運用することを防止するように指定インターフェイスを設定する方法を示しています。

                                      switch# configure terminal
                                      
                                      switch(config)# interface ethernet 1/4
                                      
                                      switch(config-if)# spanning-tree mst simulate pvst disable
                                      
                                       

                                      リンク タイプの設定

                                      Rapid の接続性(802.1w 規格)は、ポイントツーポイントのリンク上でのみ確立されます。 リンク タイプは、デフォルトでは、インターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。 全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。

                                      リモート スイッチの 1 つのポートに、ポイントツーポイントで物理的に接続されている半二重リンクがある場合、リンク タイプのデフォルト設定を上書きし、高速移行をイネーブルにできます。

                                      リンクを共有に設定すると、STP は 802.1D に戻されます。

                                      手順
                                         コマンドまたはアクション目的
                                        ステップ 1 switch# configure terminal
                                         

                                        コンフィギュレーション モードを開始します。

                                         
                                        ステップ 2 switch(config)# interface type slot/port
                                         

                                        設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

                                         
                                        ステップ 3 switch(config-if)# spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared}
                                         

                                        リンク タイプを、ポイントツーポイントまたは共有に設定します。 システムでは、スイッチ接続からデフォルト値を読み込みます。 半二重リンクは共有で、全二重リンクはポイントツーポイントです。 リンク タイプが共有の場合、STP は 802.1D に戻ります。 デフォルトは auto で、インターフェイスのデュプレックス設定に基づいてリンク タイプが設定されます。

                                         

                                        次の例は、リンク タイプをポイントツーポイントとして設定する方法を示しています。

                                        switch# configure terminal
                                        
                                        switch (config)# interface ethernet 1/4
                                        
                                        switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point
                                        
                                         

                                        プロトコルの再開

                                        MST ブリッジでは、レガシー BPDU または異なるリージョンにアソシエートされている MST BPDU を受信するときに、ポートがリージョンの境界にあることを検出できます。 ただし、STP プロトコルの移行では、レガシー スイッチが指定スイッチではない場合、IEEE 802.1D のみが実行されているレガシー スイッチが、リンクから削除されたかどうかを認識できません。 スイッチ全体または指定したインターフェイスでプロトコル ネゴシエーションを再開する(強制的に隣接スイッチと再ネゴシエーションさせる)には、このコマンドを入力します。

                                        手順
                                           コマンドまたはアクション目的
                                          ステップ 1 switch# clear spanning-tree detected-protocol [interface interface [interface-num | port-channel]]
                                           

                                          スイッチ全体または指定したインターフェイスで、MST を再開します。

                                           

                                          次の例は、スロット 2、ポート 8 のイーサネット インターフェイスで MST を再起動する方法を示しています。

                                          switch# clear spanning-tree detected-protocol interface ethernet 2/8
                                          
                                           

                                          MST の設定の確認

                                          MST の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

                                          コマンド

                                          目的

                                          switch# show running-config spanning-tree [all]

                                          現在のスパニングツリー設定を表示します。

                                          switch# show spanning-tree mst [options]

                                          現在の MST 設定の詳細情報を表示します。

                                          次に、現在の MST 設定を表示する例を示します。

                                          switch# show spanning-tree mst configuration
                                          
                                          % Switch is not in mst mode
                                          Name      [mist-attempt]
                                          Revision  1     Instances configured 2
                                          Instance  Vlans mapped
                                          --------  ---------------------------------------------------------------------
                                          0         1-12,14-41,43-4094
                                          1         13,42