Cisco Nexus 5000 シリーズ NX-OS レイヤ 2 スイッチング コンフィギュレーション ガイド リリース 5.1(3)N1(1)
Cisco IP Phone サポートの設定
Cisco IP Phone サポートの設定
発行日;2012/10/09   |   ドキュメントご利用ガイド   |   ダウンロード ;   この章 pdf   ,   ドキュメント全体 pdf    |   フィードバック

Cisco IP Phone サポートの設定

この章の内容は、次のとおりです。

Cisco IP Phone の概要

Cisco IP Phone は、統合型 3 ポート内蔵 10/100 スイッチを装備しています。 各ポートは、次のデバイスとの接続専用です。

  • ポート 1 は、スイッチに接続します。
  • ポート 2 は、内蔵 10/100/1000 インターフェイスで、Cisco IP Phone トラフィックを伝送します。
  • ポート 3 は、PC またはその他のデバイスに接続します。

Cisco IP Phone の音声トラフィック

Cisco IP Phone は、音声トラフィックをレイヤ 3 の IP precedence 値およびレイヤ 2 の CoS 値と一緒に伝送します。この値はどちらもデフォルトで 5 に設定されています。 Cisco IP Phone 通話の音質は、音声トラフィックが不均一に送信される場合、劣化する可能性があります。

接続された Cisco IP Phone のレイヤ 2 アクセス ポートについては、音声トラフィック用として 1 つの VLAN を使用し、Cisco IP Phone に接続されたデバイスからのデータ トラフィック用として別の VLAN を使用するように設定することができます。

スイッチ上のレイヤ 2 アクセス ポートについては、Cisco Discovery Protocol(CDP)パケットを送信するように設定することができます。接続された Cisco IP Phone では、これらの CDP パケットの指示に基づき、次のいずれかの方法により音声トラフィックがスイッチへ送信されます。
  • レイヤ 2 CoS プライオリティ値によるタグ付きの音声 VLAN による送信。
  • レイヤ 2 CoS プライオリティ値によるタグ付きのアクセス VLAN による送信。
  • タグなし(レイヤ 2 CoS プライオリティ値なし)のアクセス VLAN による送信。

(注)  


いずれの設定でも、音声トラフィックはレイヤ 3 IP precedence 値(音声トラフィックはデフォルトで 5、音声制御トラフィックは 3)を伝送します。


Cisco IP Phone のデータ トラフィック


(注)  


Cisco IP Phone に接続されているデバイスからのタグなしトラフィックは、Cisco IP Phone のアクセス ポートの信頼状態にかかわらず、そのまま Cisco IP Phone を通過します。


Cisco IP Phone 上のアクセス ポートに接続されたデバイスからのタグ付きデータ トラフィック(フレーム タイプが 802.1Q または 802.1p のトラフィック)を処理する場合は、スイッチ上のレイヤ 2 アクセス ポートから CDP パケットが送信されるよう設定します。接続された Cisco IP Phone では、これらの CDP パケットの指示に基づいて、Cisco IP Phone 上のアクセス ポートが次のいずれかのモードに設定されます。
  • 信頼モード:Cisco IP Phone のアクセス ポートを介して受信したトラフィックはすべて、そのまま Cisco IP Phone を通過します。
  • 信頼できないモード:Cisco IP Phone のアクセス ポートを介して受信した 802.1Q フレームまたは 802.1p フレームのトラフィックはすべて、設定されたレイヤ 2 CoS 値でマーキングされます。 デフォルトのレイヤ 2 CoS 値は 0 です。 信頼できないモードがデフォルト設定です。

Cisco IP Phone の電源構成

ここでは、Cisco IP Phone 電源構成について説明します。

  • Cisco IP Phone へのローカル電力供給
  • Cisco IP Phone へのインライン パワー供給

Cisco IP Phone へのローカル電力供給

ローカル電源には 2 種類あります。
  • Cisco IP Phone に接続されている電源装置
  • Cisco IP Phone に接続されているツイストペア イーサネット ケーブルを通じてパッチ パネルを経由する電源装置

Cisco IP Phone が、スイッチング モジュールのポート上でローカルに電力が供給されている場合、スイッチング モジュールはその存在を検出できません。 スーパーバイザ エンジンは、Cisco IP Phone の CDP メッセージを通じて Cisco IP Phone を検出します。

ローカルに電力が供給されている Cisco IP Phone がローカル電力を失った場合、そのモードが auto に設定されていると、スイッチング モジュールはその Cisco IP Phone を検出しスーパーバイザ エンジンにそれを通知したうえで、その Cisco IP Phone にインライン パワーを供給します。

Cisco IP Phone へのインライン パワー供給

インライン パワーは、インライン パワー ドーター カードをサポートするスイッチング モジュールにより供給される電力です。 インライン パワーは、ツイストペア イーサネット ケーブルを通じて Cisco IP Phone に供給されます。


(注)  


インライン パワーをサポートするスイッチング モジュールの詳細については、『Cisco Nexus 5000 Series and Cisco Nexus 2000 Series Release Notes for Cisco NX-OS Release 5.0(3)N2(1)』を参照してください。 URL は、http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/122sx/ol_4164.htm です。


スイッチング モジュール ポートは、電力が供給されていない Cisco IP Phone を検出すると、スーパーバイザ エンジンに対して、電力が供給されていない Cisco IP Phone が存在すること、およびそれがどのモジュールおよびポートにあるかを通知します。 そのポートが auto モードに設定されている場合、スーパーバイザ エンジンは、Cisco IP Phone を動かすのに十分なシステム電力があるかどうかを判定します。 十分な電力がある場合は、スーパーバイザ エンジンが、利用可能なシステム総電力量から、Cisco IP Phone が必要とするデフォルトの電力割り当て量を差し引き、電力をポートに供給するように指示するメッセージをスイッチング モジュールに対して送信します。 Cisco IP Phone に供給できる電力が不十分な場合、スーパーバイザ エンジンは、ポートに電力を供給できないことを伝えるメッセージをスイッチング モジュールに送信します。

所要電力量は Cisco IP Phone によって異なる場合があります。 スーパーバイザ エンジンは最初に、デフォルトで設定されている 7 W(42 V で 167 mA)を、Cisco IP Phone に割り当てます。 Cisco IP Phone との CDP メッセージ交換によって正確な電力量が特定された段階で、スーパーバイザ エンジンは割り当て電力を加減します。

たとえば、デフォルトの電力割り当て量は 7 W です。 6.3 W を必要とする Cisco IP Phone がポートに接続されているとします。 スーパーバイザ エンジンは、この Cisco IP Phone に 7 W を割り当てた後、その電源をオンにします。 Cisco IP Phone がいったん動作すれば、実際の所要電力量に関する CDP メッセージがスーパーバイザ エンジンに送信されます。 スーパーバイザ エンジンは電力割り当て量を所要量まで減らします。

Cisco IP Phone の電源を CLI または SNMP を通じてオフにしたり、取り外したりする場合、スーパーバイザ エンジンはスイッチング モジュールに、ポートの電源をオフにするようにメッセージを送信します。 その分の電力は利用可能なシステム電力に戻されます。


注意    


Cisco IP Phone のケーブルをポートに接続し、電源をオンにすると、スーパーバイザ エンジンは回線上でリンクがアップするまで 4 秒間待機します。 この 4 秒の間に Cisco IP Phone のケーブルを取り外しネットワーク デバイスを接続すると、そのネットワーク デバイスが破損することがあります。 ネットワーク デバイスを取り外し、別のネットワーク デバイスを接続する場合は、10 秒以上待機してから行うようにしてください。


音声トラフィックのサポートの設定

Cisco IP Phone による音声トラフィックの伝送方法を設定することができます。
  • 音声 VLAN ID:CDP パケットを送信し、音声トラフィックを音声 VLAN ID およびレイヤ 2 CoS 値(デフォルトは 5)によるタグ付き 802.1Q フレームで伝送するように Cisco IP Phone を設定します。 指定できる VLAN ID は 1 ~ 4093 です。 スイッチは 802.1Q 音声トラフィックを音声 VLAN に入れます。
  • dot1p:CDP パケットを送信し、音声トラフィックを VLAN ID 0 およびレイヤ 2 CoS 値(音声トラフィックに対するデフォルトは 5、音声制御トラフィックに対するデフォルトは 3)によるタグ付き 802.1p フレームで伝送するように Cisco IP Phone を設定します。 スイッチは 802.1p 音声トラフィックをアクセス VLAN に送ります。
  • untagged:CDP パケットを送信し、タグなしの音声トラフィックを伝送するように Cisco IP Phone を設定します。 スイッチはタグなし音声トラフィックをアクセス VLAN に入れます。

いずれの設定の場合も、音声トラフィックによりレイヤ 3 IP precedence 値(デフォルトは 5)が伝送されます。

手順の概要

    1.    switch# configure terminal

    2.    switch(config)# interface ethernet slot/port

    3.    switch(config-if)# switchport voice vlan { vlan-list | dotip | untagged }

    4.    switch(config-if)# exit

    5.    (任意) switch(config-if)# no switchport voice vlan

    6.    (任意) switch# show interfaces ethernet slot/port switchport


手順の詳細
     コマンドまたはアクション目的
    ステップ 1 switch# configure terminal
     

    コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 2 switch(config)# interface ethernet slot/port
     

    設定するポートを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

     
    ステップ 3 switch(config-if)# switchport voice vlan { vlan-list | dotip | untagged }
     
    Cisco IP Phone が音声トラフィックを伝送する方法を設定します。
    • vlan-list:VLAN ID を指定します。 有効な範囲は 1 ~ 3967 および 4048 ~ 4093 です。
    • dot1p:これを指定すると、Cisco IP Phone ではプライオリティ タギングが使用され、音声トラフィックの 802.1P VLAN ID の値として 0 が使用されます。
    • untagged:これを指定すると、Cisco IP Phone では音声トラフィックのフレームがタグ付けされません。
     
    ステップ 4 switch(config-if)# exit
     

    コンフィギュレーション モードを終了します。

     
    ステップ 5 switch(config-if)# no switchport voice vlan
     
    (任意)

    設定を消去します。

     
    ステップ 6 switch# show interfaces ethernet slot/port switchport
     
    (任意)

    音声トラフィックに関する設定を表示します。

     

    次の例は、VLAN 3 を音声 VLAN として設定する方法を示したものです。

    switch# config t
    switch(config)# interface ethernet 1/28
    switch(config-if)# switchport voice vlan 3
    switch(config-if)#
    
    

    次の例は、CDP パケットが送信されるようイーサネット ポートを設定する方法を示したものです。この CDP パケットの指示により、Cisco IP Phone からは音声トラフィックが 802.1p フレームで伝送されます。

    switch# config t
    switch(config)# interface ethernet 1/28
    switch(config-if)# switchport voice vlan dot1p
    switch(config-if)#
    
    

    次の例は、CDP パケットが送信されるようイーサネット ポートを設定する方法を示したものです。この CDP パケットの指示により、Cisco IP Phone からはタグなしの音声トラフィックが伝送されます。

    switch# config t
    switch(config)# interface ethernet 1/28
    switch(config-if)# switchport voice vlan untagged
    switch(config-if)#
    
    

    次の例は、イーサネット ポートの音声トラフィックを停止する方法を示したものです。

    switch# config t
    switch(config)# interface ethernet 1/28
    switch(config-if)# no switchport voice vlan
    switch(config-if)#
    
    

    データ トラフィックのサポートの設定

    Cisco IP Phone によるデータ トラフィックの伝送方法を設定することができます。

    Cisco IP Phone によるデータ トラフィックの伝送方法を設定する際は、次の点に注意してください。
    • CDP パケットを送信して、Cisco IP Phone 上のアクセス ポートと接続しているデバイスから受信したタグ付きトラフィックを Cisco IP Phone が信頼するように設定する場合は、cos キーワードおよび CoS 値を入力しないでください。
    • CDP パケットを送信して、Cisco IP Phone 上のアクセス ポートと接続しているデバイスから受信したタグ付き入力トラフィックを Cisco IP Phone がマーキングするように設定する場合は、cos キーワードおよび CoS 値を入力してください(有効な値は 0 ~ 7 です)。
    手順の概要

      1.    switch# configure terminal

      2.    switch(config)# interface ethernet slot/port

      3.    switch(config-if)# switchport voice vlan { vlan-list | dotip | untagged }

      4.    switch(config-if)# exit

      5.    (任意) switch(config-if)# no switchport voice vlan

      6.    (任意) switch# show interfaces ethernet slot/port switchport


    手順の詳細
       コマンドまたはアクション目的
      ステップ 1 switch# configure terminal
       

      コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 2 switch(config)# interface ethernet slot/port
       

      設定するポートを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

       
      ステップ 3 switch(config-if)# switchport voice vlan { vlan-list | dotip | untagged }
       
      Cisco IP Phone が音声トラフィックを伝送する方法を設定します。
      • vlan-list:VLAN ID を指定します。 有効な範囲は 1 ~ 3967 および 4048 ~ 4093 です。
      • dot1p:これを指定すると、Cisco IP Phone ではプライオリティ タギングが使用され、音声トラフィックの 802.1P VLAN ID の値として 0 が使用されます。
      • untagged:これを指定すると、Cisco IP Phone では音声トラフィックのフレームがタグ付けされません。
       
      ステップ 4 switch(config-if)# exit
       

      コンフィギュレーション モードを終了します。

       
      ステップ 5 switch(config-if)# no switchport voice vlan
       
      (任意)

      設定を消去します。

       
      ステップ 6 switch# show interfaces ethernet slot/port switchport
       
      (任意)

      音声トラフィックに関する設定を表示します。

       

      次の例は、タグ付きデータ トラフィックが信頼されるように Cisco IP Phone ポートを設定する方法を示したものです。

      switch# config t
      switch(config)# interface ethernet 1/28
      switch(config-if)# switchport priority extend trust
      switch(config-if)#
      
      

      次の例は、データ トラフィックが CoS 値でマーキングされるように Cisco IP Phone ポートを設定する方法を示したものです。

      switch# config t
      switch(config)# interface ethernet 1/28
      switch(config-if)# switchport priority extend cos 3
      switch(config-if)#
      
      

      次に、デフォルト設定に戻す例を示します。

      switch# config t
      switch(config)# interface ethernet 1/28
      switch(config-if)# no switchport priority extend
      switch(config-if)#
      
      

      インライン パワー サポートの設定

      スイッチ上の Power over Ethernet(POE)ポートをイネーブルにしたりディセーブルにしたりすることができます。 デフォルトでは、電源の割り当てが自動で行われます(auto)。 各 POE ポートのデフォルトの電力は 15,400 mW です。

      power inline auto コマンドを使用してポートの設定を行うと、そのポートでは、設定された速度およびデュプレックス設定に従って自動ネゴシエーションが実行され、(受電デバイスかどうかにかかわらず)接続されたデバイスの所要電力が特定されます。 所要電力が特定されると、スイッチではインターフェイスをリセットすることなく、設定された速度およびデュプレックス設定に従ってインターフェイスのハードコードが行われます。

      power inline never コマンドを使用してポートの設定を行うと、POE 対応ポートの検出および電力供給がディセーブルになり、そのポートは設定された速度およびデュプレックス設定に戻ります。

      はじめる前に

      POE 機能がイネーブルであることを確認します。

      手順の概要

        1.    switch# configure terminal

        2.    switch(config)# feature poe

        3.    switch(config)# interface ethernet slot/port

        4.    switch(config-if)# power inline {{auto | static }[ max max-value ] | never }

        5.    switch(config-if)# exit

        6.    (任意) switch(config-if)# no power inline

        7.    (任意) switch# show power inline ethernet slot/port

        8.    (任意) switch(config)# logging level poed0-7


      手順の詳細
         コマンドまたはアクション目的
        ステップ 1 switch# configure terminal
         

        コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 2 switch(config)# feature poe
         

        スイッチの POE モードをイネーブルにします。

         
        ステップ 3 switch(config)# interface ethernet slot/port
         

        設定するポートを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

         
        ステップ 4 switch(config-if)# power inline {{auto | static }[ max max-value ] | never }
         
        インライン パワー サポートを設定します。
        • auto:受電デバイス(PD)検出を設定します。 十分な電力がある場合は、デバイスの検出後 POE ポートに電力を自動で割り当てることができます。
        • static:これを指定すると、インライン パワー インターフェイスが最優先されます。
        • max-value:(任意)インターフェイスごとの最大電力を設定します。 設定できる最大電力の値は、4000 ~ 30000 mW です。
        • never:デバイス検出とポートへの電力供給をディセーブルにします。
         
        ステップ 5 switch(config-if)# exit
         

        コンフィギュレーション モードを終了します。

         
        ステップ 6 switch(config-if)# no power inline
         
        (任意)

        設定を消去します。

         
        ステップ 7 switch# show power inline ethernet slot/port
         
        (任意)

        すべての POE ポートまたは指定した POE ポートに関する設定を表示します。

         
        ステップ 8 switch(config)# logging level poed0-7
         
        (任意)

        POE イベント ロギングをイネーブルにします。

         

        次の例は、POE の検出をディセーブルにし、POE ポートへの電力供給を停止する方法を示したものです。

        switch# config t
        
        switch(config)# interface ethernet 100/1/1
        switch(config-if)# power inline never
        switch(config-if)##
        
        

        次の例は、POE の検出をイネーブルにし、POE ポートに対し自動で電力供給を行う方法を示したものです。

        switch# config t
        
        switch(config)# interface ethernet 100/1/1
        switch(config-if)# power inline auto
        switch(config-if)#
        
        

        次の例は、イーサネット ポート 100/5/1 のインライン パワー設定を確認する方法を示したものです。

        witch# show power inline ethernet 100/5/1
        Interface  Admin    Oper     Power        Device
                                    (Watts)
        ---------- ----- ---------- ------- -------------------
        Eth5/1      auto  on           6.3   cisco phone device
        
        

        次の例は、POE ロギング重大度の設定を表示する方法を示したものです。

        switch# show logging level poed
        Facility     Default Severity      Current Session Severity
        --------     ----------------      ------------------------
        poe                 5                        5
        0(emergencies)     1(alerts)       2(critical)
        3(errors)          4(warnings)     5(notifications)
        6(information)     7(debugging)